[go: up one dir, main page]

JP3123647B2 - 液晶配向膜の配向処理方法およびその装置 - Google Patents

液晶配向膜の配向処理方法およびその装置

Info

Publication number
JP3123647B2
JP3123647B2 JP28904898A JP28904898A JP3123647B2 JP 3123647 B2 JP3123647 B2 JP 3123647B2 JP 28904898 A JP28904898 A JP 28904898A JP 28904898 A JP28904898 A JP 28904898A JP 3123647 B2 JP3123647 B2 JP 3123647B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
alignment film
substrate
alignment
crystal alignment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP28904898A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000122064A (ja
Inventor
宣良 笹木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP28904898A priority Critical patent/JP3123647B2/ja
Publication of JP2000122064A publication Critical patent/JP2000122064A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3123647B2 publication Critical patent/JP3123647B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶配向膜の配向
処理方法およびその装置に関し、特に非接触で行う配向
処理方法とその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶パネルの動作モードとしては、ツイ
ステッドネマティック(TN)方式、スーパーツイステ
ッドネマティック(STN)方式、In−plane
switching(IPS)方式等が知られており、
また強誘電性液晶パネルも開発されているが、いずれの
方式を採用するにしろまたどの材料を選択するにしろ、
液晶の初期の配向状態を確定するために、液晶の基板面
での分子軸方向を規制する必要があり、そのために配向
膜が用いられている。工業的に利用されている初期配向
を得る手段としては布を巻いたローラでポリイミド等を
材質とする高分子薄膜表面を擦るラビング処理が主流
で、これによりラビング方向への液晶配向が得られる。
このラビング処理は簡便な上、低コストであるので広く
利用されているが、液晶配向膜表面の汚染や静電気が問
題となっている。
【0003】上記問題解決のための新手法の一つにイオ
ンビーム照射による配向処理法がある。これは二次イオ
ン質量分析法などの表面分析法に通常用いられるアルゴ
ン等のイオン銃から照射される単元素イオンビームで配
向膜表面に微小な溝を形成したり、配向膜表面分子を分
解することで液晶分子の初期配向が得られるように配向
膜表面を処理するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】現在主流となっている
ラビング法では、上述したようにラビングに基づく汚染
や静電気が問題となる。これを解決すべく提案されたイ
オンビーム照射法では、不活性ガスの正イオン(アルゴ
ンイオン等)が配向膜表面に照射されるため、配向膜が
正に帯電してしまう。この帯電を除去する手法としては
配向膜表面にイオン照射と同時に電子を照射するのが一
般的である。しかし、この手法で配向膜を形成し液晶セ
ルを作成するとセル内部に電場が発生していることが多
く、これが液晶セルの電気特性を劣化させる。セル作成
後に内部電場が発生していることは配向膜内にイオンが
残存しているということである。
【0005】正イオンの照射は単なるスパッタリング現
象を引き起こすだけでなく化学的にはイオンと分子の反
応を引き起こす。不活性ガスの正イオンは強い電子受容
体で配向膜分子から電子を奪い、これが起点となって配
向膜分子の分解反応が誘起される。分解過程においてさ
らにイオンによる影響を受けるので、反応は非常に複雑
で生成されるイオンも非常に多種に渡る。これに、スパ
ッタリングによる分解が重なるので、非常に多種の分子
イオンが配向膜に生成される。このことは同様なイオン
銃を用いる二次イオン質量分析法による高分子薄膜のマ
ススペクトルに複雑な分子イオンが検出されることから
も十分考えられる。これらのイオン生成は配向膜表面だ
けでなく配向膜内部においてもなされている。イオンビ
ーム法による配向処理では数kVで加速されたイオンが
照射されるが、このような高いエネルギーを持つイオン
は配向膜内部にまで侵入して上記のような複雑な反応を
引き起こし、多くのイオンを発生させる。
【0006】イオンビーム照射により生成されるイオン
の極性は正と負の両方であるが、数的には電荷保存則か
ら考えて正のものが多い。この正イオンを中和するため
に電子照射を行うが、実際にはイオンを中性化している
わけではない。マクロに見て配向膜全体を中和している
にすぎない。有機化合物由来の正イオンは電子を供与さ
れても安定な化学構造をとらないものが多く、逆に周り
からプロトンを引き抜いたり供与したり、分解したりし
てイオン生成が進行する。従って、結局は配向膜内にイ
オンが残存してしまい、液晶セルの電気的特性を劣化さ
せてしまう。
【0007】本発明の課題は上述した従来例の問題点を
解決することであって、その目的は、配向膜中にイオン
を残存させることなくまた配向膜分子に化学変化をもた
らすことなく非接触で配向特性を付与し得る方法を提供
することであり、これにより汚染がなく電気的特性に優
れた液晶セルを提供できるようにしようとするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明によれば、高速度の、電気的に中性でかつ化
学的に非活性な原子のビームを基板上を走査させ前記基
板上に形成された液晶配向膜の膜全体またはその部分を
選択的に配向処理することを特徴とする液晶配向膜の配
向処理方法、が提供される。
【0009】また、上記の目的を達成するため、本発明
によれば、真空チャンバ内に、配向膜が形成された基板
を保持する基板ホルダーと、前記基板ホルダーに保持さ
れた基板上へ電気的に中性でかつ化学的に非活性な原子
の高速度ビームを照射する原子銃とが備えられているこ
とを特徴とする液晶配向膜配向処理装置、が提供され
る。
【0010】
【作用】電気的に中性でかつ化学的に非活性の原子を高
速で配向膜分子に衝突させると、詳細なメカニズムは明
らかでないが、配向膜分子が原子ビームの入射方位と平
行に配向し、ラビング処理と同様な異方性が誘起され、
処理後の基板で液晶セルを作製すると均一な液晶配向が
得られる。また、基板に対する中性原子ビームの入射角
度を変化させると液晶のプレティルト角が変化する。こ
れらの実験結果については実施例で詳細を述べるが、高
速原子銃による配向処理はラビングと同様に液晶配向膜
を得ることができるとともに、これまで材料依存性が高
かった液晶のプレティルト角制御を処理条件のみで行う
ことができる。
【0011】加えて、イオンの配向膜分子への衝突では
電荷移動による複雑な化学反応が進行してしまうことに
より多種のイオン種が配向膜に残存してしまうことで液
晶デバイスの電気特性が大きく劣化するが、アルゴンや
キセノンなどの中性かつ非活性な原子を衝突させる本発
明によれば残存イオンがなく安定した電気特性を保持す
ることができる。また、本発明の処理方法は配向膜分子
の分解などの化学変化を伴うものではないので汚染の発
生も防止できるとともに安定性の高い配向膜を得ること
ができる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図1〜図6を参照して詳細に説明する。図1〜図4
は、本発明の処理方法が実施される装置を示す概略構成
図である。図1に示すように、配向膜を塗布したガラス
基板13は真空チャンバ17内に設けられた基板ホルダ
ー16に固定される。高速原子銃11から出射された中
性原子が配向膜表面分子に衝突すると、詳細なメカニズ
ムは不明であるが、配向膜分子の長軸が原子ビーム12
と平行に再配列する。高速原子イオン銃は一般の高速原
子衝撃質量分析法に用いられるものでよい。
【0013】高速原子銃11は、可動軌跡15に沿って
移動できるように図外アームに固定されており、また基
板ホルダー16は、平面上、すなわちX−Y方向に移動
が可能でかつホルダー回転軸14を中心に回転が可能な
ステージとなっている。真空チャンバ17内にはさらに
原子ビーム12の照射位置付近に希ガスを吹き付けるこ
とができるように希ガス銃18が備えられている。希ガ
ス銃18のガスはガス供給管18aにより供給され、ま
た真空チャンバ17内のガスは排気管17aにより排気
される。原子ビーム12のガラス基板13に対する2つ
の入射方向、極角θと方位角ψ(図2参照)を変化させ
ることで、配向膜分子の配向を制御することができる。
極角θは高速原子銃11を可動軌跡15に沿って移動さ
せることにより、また方位角ψ21は基板ホルダー16
をホルダー回転軸14を中心として回転させることによ
り所望の値に設定することができる。
【0014】極角θは、図3に示すように、高速原子銃
11を固定したアーム31を回転軸32を中心に回転さ
せることで変化できる。極角θの変化は主に配向膜表面
の凹凸の大きさに影響を与えるとともに、配向膜表面に
形成される配向膜の配向特性へも同時に影響を与える
(第3の実施例および図15、図16参照)。方位角ψ
を変化させることで配向膜分子の長軸と基板長軸のなす
角度を制御できる。したがって、方位角ψと極角θを変
化させることで自在に配向膜構造を制御することが可能
になる。
【0015】基板を固定する基板ホルダー16は、図2
に示すように、水平面内、すなわちX方向とそれと垂直
なY方向に移動できるようになっている。これにより基
板面全体に原子ビームを走査することができ、基板面全
体の配向処理が可能になる。また、基板ホルダー16に
はヒータが埋設されおり基板を加熱しながら高速原子ビ
ームを照射できるようになっている。ヒータに代えて赤
外線ランプにより赤外光を基板面に照射するようにして
もよい。
【0016】高速原子銃11の具体的構成例を図4に示
す。イオン化室41にはガス供給管41aにより、アル
ゴン、キセノンなどの希ガス原子が供給されており、イ
オン化室41でフィラメント42から放出された熱電子
はイオン化室内の不活性ガスと衝突して正イオンを一次
イオンとして生成する。生成された一次イオンはアノー
ド43とイオン引き出し電極44との電位差で加速され
てイオン化室41から引き出され、フォーカス電極45
で細く絞られて一次イオンビーム48となり、リフレク
タ46により位置調整されてガスチャンバ47内に入射
する。ガスチャンバ47へはガス供給管47aにより同
種の希ガス原子が供給されており、ガスチャンバへ入射
した一次イオンビーム48は希ガス原子に高速で衝突す
る。このとき電荷移動が起こり一次イオンの一部は高速
の中性かつ非活性の原子となり高速中性原子ビーム49
として放出される。残りのイオンは負の電位を印加して
いるガスチャンバ47から出ることはできない。
【0017】図5に中性原子ビームの配向膜表面への衝
突を模式的に示す。高速中性原子51は配向膜54に衝
突し、表面または極表面近くの内部で散乱され、あるも
のは中性原子52として配向膜から離れあるものは中性
原子53として配向膜内部に残存する。この衝突による
運動エネルギーの供与が配向膜分子の再配列の原動力と
なると考えられる。配向膜分子に与える運動エネルギー
は中性原子ビームの入射角(極角θ)と一次イオンビー
ムの加速電圧、中性原子の質量に依存するので、これら
を調整することで配向膜分子の配向制御ができる。ま
た、配向膜内に中性原子53が残存することになるが、
電荷を持っていないので電気特性に与える影響は皆無で
ある。また、衝突する中性原子が化学的に非活性である
ことにより配向膜が化学変化を起こすこともない。照射
する中性原子としてはアルゴンやキセノンなどの比較的
重い希ガス原子がよく、一次イオン加速は数100V〜
数1000Vが望ましい。このとき基板を加熱すると配
向膜材料によっては配向膜分子が動きやすくなり原子ビ
ーム照射の影響を受けやすくなる。基板の加熱温度は配
向膜材料によって異なるが配向膜材料の軟化点程度とす
ることが望ましい。
【0018】また、図1に示す希ガス銃18で試料表面
に希ガスを照射しながら中性原子ビームを照射すると、
図6に示すように、希ガス銃で照射された中性原子62
と原子ビームの高速中性原子61との衝突が起こる。こ
の衝突された中性原子62の運動エネルギ−は原子ビー
ムの高速中性原子61よりも低く、その並進方向も分布
を持つので、このモードは配向膜63表面を柔らかく処
理したい場合に有効である。ここで、希ガス銃により供
給する希ガスの量を変化させることにより配向膜に与え
る影響をコントロールすることができる。
【0019】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。 [第1の実施例]第1の実施例として方位角ψを基板長
軸方向に固定し、キセノンビームの入射角(極角θ)を
60°にしてポリイミド配向膜表面を処理し、反射光偏
光異方性測定による配向膜構造解析、および、セル組立
を行った後の偏光顕微鏡観察、電圧保持率測定、残留D
C評価を行い、本発明をラビング処理の場合とイオンビ
ーム法の場合との比較を行った。
【0020】図7に示すように、5センチメートルx4
センチメートルのガラス基板72の中心部に2センチメ
ートルx2センチメートルのITO(インジューム錫酸
化物)膜71を透明電極として設け、その上にポリアミ
ック酸をスピンコートしてオーブンを用いて90℃、3
0分の仮焼成を行った後、250℃で1時間本焼成して
ポリイミド薄膜を形成した。セル組立を行うため上記の
配向膜付き基板を2枚作製した。また、クリスタルロー
テーション法による液晶のプレティルト角測定を行うた
めに透明電極のない基板も作製した。反射エリプソメー
タで測定した配向膜の膜厚は810オングストロームか
ら830オングストロームであった。尚、ガラス基板に
はコーニング7059を用い、ポリアミック酸にはポリ
(4,4′−オキシジフェニレンピロメリットアミック
酸)を用いた。
【0021】上記ポリイミド薄膜を形成したガラス基板
を基板ホルダー16に基板長辺側がX方向となるように
設置した。この位置での高速原子ビームの入射方位角ψ
を0°とする。高速原子にはキセノンを使用し、一次イ
オンの加速電圧を3000V、電流値10ミリアンペア
として真空中で原子ビーム照射を行った。原子ビームは
電荷を持たないのでディフレクターなどによりビームの
走査を行うことができない。そこで基板をXY方向に移
動させることにより基板全面に原子ビームの走査を行っ
た。原子ビーム走査の模式図を図8に示す。基板の端を
走査できるように基板ホルダーを移動させ、原子ビーム
を照射しながら基板ホルダーをX方向へ移動させて第1
回目の走査を行う〔図8(a)〕。次に、原子ビームの
照射を止めてもとの位置まで基板ホルダーを戻す〔図8
(b)〕。そして、原子ビームのビーム径は約2ミリメ
ートルであるので、基板ホルダーをY方向へ1ミリメー
トルずらし〔図8(c)〕、再び基板ホルダーをX方向
へ移動させ原子ビームの走査を行う〔図8(d)〕。以
下、図8(b)〜(d)の作業を繰り返すことで基板全
面に対して配向処理を行った。今回、基板のX方向への
移動速度は5ミリメートル毎秒とした。
【0022】[比較例1]第1の実施例の場合と同様
に、図7に示すように、5センチメートルx4センチメ
ートルのガラス基板の中心部に2センチメートルx2セ
ンチメートルのITO膜を設け、その上にポリイミド膜
を形成した。クリスタルローテーション法による液晶の
プレティルト角測定を行なうために透明電極のない基板
も作製した。反射エリプソメータで測定した膜厚は82
0オングストロームから830オングストロームであっ
た。ラビングはレーヨンのロールを用いて回転数800
回転/分、押し込み0.6ミリメートル、ステージ速度
20ミリメートル/秒の条件で1回行った。
【0023】[比較例2]第1の実施例の場合と同様
に、図7に示すように、5センチメートルx4センチメ
ートルのガラス基板の中心部に2センチメートルx2セ
ンチメートルのITO膜を設け、その上にポリイミド膜
を形成した。クリスタルローテーション法による液晶の
プレティルト角測定を行なうために透明電極のない基板
も作製した。反射エリプソメータで測定した膜厚は81
0オングストロームから820オングストロームであっ
た。アルゴンイオン銃を用いてイオンビーム法による処
理を行った。イオンビームの加速電圧は300ボルトで
電流値60マイクロアンペアで入射極角θを第1の実施
例と同様に60°とした
【0024】[評価]第1の実施例、比較例1、2によ
り形成された配向膜の異方性を評価するために、反射光
偏光異方性測定〔参考文献:ジャパニーズ ジャーナル
オブ アプライド フィジックス 35(1996)
5873〕を行なった。その結果を図9に示す。縦軸は
反射光のp偏光成分(基板法線方向)とs偏光成分(基
板水平方向)の位相差Δで、横軸が反射光偏光異方性測
定における光の入射方位角である。黒丸が本発明による
配向処理を行ったもので白四角がラビングを行ったもの
である。異方性の大きさは参考文献にしたがってΔの最
大値と最小値の差DΔを指標とする。ラビングを行った
もののDΔは約5.2°で、実施例の高速原子ビーム照
射によるものは約4.5°であり、ラビング処理と同程
度の異方性が発現していることが分かった。また、比較
例2によるものは4.7°であった。参考文献にしたが
って、この位相差Δの測定結果と振幅反射率比の測定結
果から解析を行って得られた配向膜の配向層膜厚と配向
傾斜角(光学異方性軸の傾斜角:基板表面に対する傾斜
角)を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】各方式で形成した配向膜のセルを比較する
ために、これらの基板を用いてアンチパラレルセル(対
向する2面の配向方向が180°異なっているセル)を
作製してフッ素系のネマティック液晶材料を注入して液
晶セルを作製した。ラビング処理を行ったもののみセル
組立の前に配向膜表面を超純水で洗浄した。シールは熱
硬化性のエポキシ接着剤を150℃で1時間熱処理をし
て行った。セルギャップは5マイクロメートルとした。
液晶注入口の封止は紫外線硬化樹脂を1ミリワットの低
圧水銀ランプを用いて行った。
【0027】偏光顕微鏡観察の結果、いずれのセルも良
好な液晶配向を有していることが分かった。クリスタル
ローテーション法により測定した液晶のプレティルト角
は高速原子ビーム照射を行ったものが1.1°で、ラビ
ング処理したものが2.7°、イオンビーム処理したも
のが1.9°であった。次に、電気特性の評価結果を示
す。電気特性としては電圧保持率と残留DCに着目し
た。電圧保持率は、±5.0ボルト、パルス幅60マイ
クロ秒、パルス間隔16.67ミリ秒の矩形パルス電圧
を印加し、パルス休止期間の終了直前の電圧を測定する
ことによって評価した。測定結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】高速原子ビーム処理を行ったものはラビン
グ処理を行ったものよりも高い値を示し、イオンビーム
処理を行ったものは他に比べて極端に低い値を示した。
これはイオンビーム処理を行った液晶中に可動イオンが
多く含まれていることを示している。そこで三角波印加
に対する応答電流波形から各液晶セル中の可動イオン密
度と移動度を見積もった。印加電圧は±10ボルト、周
波数0.01ヘルツの三角波電圧である。測定結果を表
3に示す。ラビング法によるものが第1の実施例のもの
よりイオン密度が高くなっているのは摩擦によって発生
した静電気の影響によるものと考えられる。イオンビー
ム法によるものは他の方法によるものと比較してイオン
密度が極端に高くなっている。そして、そのイオンの移
動度が低いのは他の方法によるものに比較してイオン径
が大きいことが考えられる。
【0030】
【表3】
【0031】次に、各セルの残留DCの評価を行った。
初期ストレスとして直流電圧をセルにある時間印加して
から、印加電圧波形を交流矩形波電圧に切り替えて、切
り替え直後の残留DCをフリッカー消去法により測定し
た。この測定から、残留DCの大きさと初期の直流電圧
印加時間の関係を各セルについて求めた。装置構成を図
10に示す。セル104を偏光子102と検光子103
の間に設置してハロゲンランプ101からの透過光量を
フォトダイオード検出器105で検出し、オシロスコー
プ107を介してパソコン108にデータを取り込ん
だ。このとき偏光子102と検光子103はクロスニコ
ルに配置した。電圧印加は任意波形発生器106を用い
た。印加波形は図11に示すように、まず初期DCスト
レスとして5ボルトの直流電圧を0〜30分印加して、
フリッカー消去法を行うために中間調電圧に相当する±
2.5ボルト、10Hzを印加した。フリッカーが消滅
するときの印加信号にかけたオフセット値を残留DCと
した。測定結果を図12に示す。初期DCストレス30
分後の各セルの残留DCは、イオンビーム法により配向
処理をしたものが最も悪く約0.42ボルト、その次が
ラビング法で約0.1ボルト、実施例によるものは約
0.03ボルトと最も良かった。以上のように本発明に
よる配向処理法を用いた場合には、電気的特性が劣化す
ることがなく良好な液晶の配向を得ることができる。
【0032】[第2の実施例]第2の実施例としてキセ
ノンビームの入射角を60°に固定してマスクを使って
1枚の基板内で方位角が90°異なるようにビームを照
射し、セル組立を行った後に偏光顕微鏡観察を行い、液
晶の配向方向が異なることを確認した。第1の実施例の
場合と同様に、図7に示すように、5センチメートルx
4センチメートルのガラス基板72の中心部に2センチ
メートルx2センチメートルのITO膜71を設け、そ
の上にポリアミック酸をスピンコートしてオーブンを用
いて90℃、30分の仮焼成を行った後、250℃で1
時間本焼成してポリイミド薄膜とした。セル組立を行う
ため上記の配向膜付き基板を2枚作製した。反射エリプ
ソメータで測定した膜厚はそれぞれ805オングストロ
ームと810オングストロームであった。ガラス基板に
はコーニング7059を用い、ポリアミック酸にはポリ
(4,4′−オキシジフェニレンピロメリットアミック
酸)を用いた。
【0033】一次イオンの加速電圧を3000V、電流
値10ミリアンペアとして真空中で原子ビーム照射を行
った。図14のような2つの領域で90°異なるアンチ
パラレルの液晶配向を得るために、基板の半分をマスク
して図13に示す処理を行った。まず、下基板の半分を
マスクして基板ホルダーを+45°回転させて高速イオ
ンビームのの入射方位角を45°として第1の実施例と
同様に照射を行った〔(a)、(b)〕。次に、マスク
を外して処理を行った半分にマスクを施し、基板を−4
5°の位置に回転させて原子ビームの入射方位角を−4
5°として同様の処理を行った〔(c)、(d)〕。上
側の基板は−135°と135°の方位角で同様に処理
を行って、配向膜を形成し両基板を重ね合わせフッ素系
ネマティック液晶材料を注入して液晶セルを作製した。
上記の配向処理はXYステージの制御によっても可能で
ある。すなわち、高速原子銃のオン/オフと基板の水平
面内の移動により基板の所望の位置に所望の方位角の配
向処理を施すことが可能である。よって、本発明は配向
分割技術へも適用できる。偏光顕微鏡観察の結果、各領
域で良好な液晶配光が確認できるとともに液晶ダイレク
タの方向が90°異なることが確認できた。
【0034】[第3の実施例]第3の実施例として方位
角ψを基板長軸方向に固定し(ψ=0°)、中性原子ビ
ームの入射角(極角θ)を0〜80°に10°ごと変化
させて配向膜表面を処理し、反射光偏光異方性測定と原
子間力顕微鏡による配向膜の構造解析、表面ラフネス評
価、および、セル組立後の液晶配向の偏光顕微鏡による
観察、プレティルトの測定、残留DC評価を行った。第
1の実施例と同様に、図7に示すように、ガラス基板上
にITO膜を形成しその上にポリイミド膜を形成した。
セル組立を行うため配向膜付き基板を各極角で2枚ずつ
の合計18枚を作製した。また、プレティルト角の測定
を行なうために、透明電極膜がない基板も作製した。そ
れぞれの基板について反射エリプソメータで測定した配
向膜の膜厚は805〜835オングストロームであっ
た。ガラス基板にはコーニング7059を用い、ポリイ
ミド膜はポリ(4,4′−オキシジフェニレンピロメリ
ットアミック酸)を用いて形成した。高速原子にはキセ
ノンを使用し、一次イオンの加速電圧を3000V、電
流値10ミリアンペアとして、上述のように極角を変化
させて真空中で原子ビーム照射を行った。
【0035】[評価]反射光偏光異方性測定による配向
層膜厚と基板表面に対する配向傾斜角の高速原子ビーム
の入射角依存性を図15に示す。入射角を大きくしてい
くと配向層膜厚と配向傾斜角は小さくなった。また、表
面ラフネスも図16に示すように入射角を大きくしてい
くと小さくなった。これらの配向膜を有する基板で液晶
セルを作製してクリスタルローテーション法によるプレ
ティルトの測定を行った。図17に示すように入射角を
大きくしていくと40°当たりまではプレティルト角が
大きくなりその後減少していった。また、偏光顕微鏡観
察を行うと高速原子ビームの入射極角が0°と10°の
ものについて多くの液晶ドメインが観察され、入射極角
が20°のものについて所々に液晶ダイレクタの向きが
異なるドメイインが観察された。30°以上では均一な
液晶配向が得られた。
【0036】次に、上記高速原子ビームの入射極角を変
化させて作製した各セルの電気特性評価として電圧保持
率と残留DCの評価を行った。電圧保持率は±5.0ボ
ルト、パルス幅60マイクロ秒、パルス間隔16.67
ミリ秒の矩形パルス電圧を印加して行った。測定結果を
表4に示す。
【0037】
【表4】
【0038】各セルの残留DCの評価は初期ストレスと
しての直流電圧をセルに30分印加してから、印加電圧
波形を交流矩形波電圧に切り替えて、切り替え直後の残
留DCをフリッカー消去法により測定した。印加波形は
図11に示すように、まず初期DCストレスとして5ボ
ルトの直流電圧を30分印加して、フリッカー消去法を
行うために中間調電圧に相当する±2.5ボルト、10
Hzを印加した。フリッカーが消滅するときの印加信号
にかけたオフセット値を残留DCとした。各セルの残留
DCの値を表5に示す。表4と表5に評価結果から電圧
保持率、残留DCの値とも良好であり問題のないことが
分かった。
【0039】
【表5】
【0040】以上のように、本発明によれば、高速原子
ビームの入射極角を変化させることで液晶のプレティル
ト角を電気特性に影響を与えることなく制御することが
できる。
【0041】[第4の実施例]第3の実施例の入射極角
が低い領域では液晶の配向性に不均一が生じた。そこ
で、真空チャンバ内にキセノンをリークして圧力を0.
01パスカルとしてキセノンビームを照射し、より柔ら
かくより均一に配向処理を行った。このような処理を行
った配向膜の反射光偏光異方性測定による配向膜構造解
析、原子間力顕微鏡による配向膜表面形態観察、およ
び、セル組立を行った後の偏光顕微鏡観察、プレティル
トの測定を行った。
【0042】上述の実施例と同様に図7に示すように5
センチメートルx4センチメートルのガラス基板上にポ
リアミック酸をスピンコートしてオーブンを用いて90
℃、30分の仮焼成を行なった後、250℃で1時間本
焼成してポリイミド薄膜とした。電気特性の評価を行わ
ないので透明電極は成膜しなかった。反射エリプソメー
タで測定した配向膜の膜厚は810オングストロームと
825オングストロームであった。ガラス基板にはコー
ニング7059を用い、ポリアミック酸にはポリ(4,
4′−オキシジフェニレンピロメリットアミック酸)を
用いた。
【0043】高速原子ビームの入射極角θは第3の実施
例で不均一な液晶配向が得られた20°とした。高速原
子ビームにはキセノンを使用し、一次イオンの加速電圧
を5000ボルト、電流値10ミリアンペアとして原子
ビーム照射を行った。基板移動速度は5ミリメートル毎
秒で行った。高速原子銃と基板の距離は1センチメート
ルとした。この配向処理で得られた基板でフッ素系のネ
マティック液晶を挟んでアンチパラレルセルを作り、偏
光顕微鏡観察を行ったところ、第3の実施例とは異なり
良好な液晶配向が得られた。反射光偏光異方性測定で得
られた配向膜の配向層膜厚、配向傾斜角、クリスタルロ
ーテーション法で測定したプレティルト角、原子間力顕
微鏡で測定した平均凹凸をまとめて表6に示す。
【0044】
【表6】
【0045】以上のように、本発明においては高速原子
ビームの入射極角を低くしてキセノンを真空チャンバ中
に少量リークすることで高いプレティルト角を持つ均一
な液晶セルを得ることができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液晶配向
膜の処理方法は、電気的に中性で化学的に非活性の原子
の高速ビームを配向膜上に照射するものであるので、以
下の効果を享受することができる。 配向膜中にイオンが残存することがないので、電気
特性が劣化することがなく良好な液晶配向を実現でき
る。 高速原子ビームの入射極角を変化させることで液晶
のプレティルト角を制御することができる。 配向膜に化学的な変化を起こさせることがないの
で、配向膜を安定に形成することができるとともに汚染
を防止することができる。 ビームを基板上を走査させオン/オフすることで容
易に分割配向処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を説明するための処理装
置の概略構成図。
【図2】 本発明の配向処理方法の概要を説明する模式
図。
【図3】 本発明の処理装置の部分説明図。
【図4】 本発明に用いられる高速原子銃の構成を説明
する模式図。
【図5】 本発明の実施の形態を説明するための動作説
明図。
【図6】 本発明の実施の形態を説明するための動作説
明図。
【図7】 本発明の実施例で用いた基板の模式図。
【図8】 本発明の第1の実施例の配向処理方法を説明
する模式図。
【図9】 本発明の第1の実施例の評価を示す特性図。
【図10】 本発明の実施例に対して行った残留DC評
価測定法の説明図。
【図11】 本発明の実施例で行った残留DC評価に用
いた印加波形を示す図。
【図12】 本発明の第1の実施例に対して行った残留
DC測定の結果を示す図。
【図13】 本発明の第2の実施例で行った配向処理方
法を説明する図。
【図14】 本発明の第2の実施例で行った配向処理を
説明する図。
【図15】 本発明の第3の実施例における配向層膜厚
と配向傾斜角の入射極角依存性を示す図。
【図16】 本発明の第3の実施例における配向膜表面
凹凸の入射極角依存性を示す図。
【図17】 本発明の第3の実施例における液晶のプレ
ティルト角の入射極角依存性を示す図。
【符号の説明】
11 高速原子銃 12 原子ビーム 13 ガラス基板 14 ホルダー回転軸 15 可動軌跡 16 基板ホルダー 17 真空チャンバ 17a 排気管 18 希ガス銃 18a ガス供給管 31 アーム 32 回転軸 41 イオン化室 41a ガス供給管 42 フィラメント 43 アノード 44 イオン引き出し電極 45 フォーカス電極 46 リフレクタ 47 ガスチャンバ 47a ガス供給管 48 一次イオンビーム 49 高速中性原子ビーム 51 高速中性原子 52、53 中性原子 54 配向膜 61 高速中性原子 62 中性原子 63 配向膜 71 ITO膜 72 ガラス基板 101 ハロゲンランプ 102 偏光子 103 検光子 104 セル 105 フォトダイオード検出器 106 任意波形発生器 107 オシロスコープ 108 パソコン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−160059(JP,A) 特開 昭52−92538(JP,A) 特開 昭53−33641(JP,A) 特開 昭54−73064(JP,A) 特開 平3−217823(JP,A) 特開 平4−63323(JP,A) 特開 平4−63325(JP,A) 特開 平7−56172(JP,A) 特開 平8−313912(JP,A) 特開 平10−253962(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1337

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高速度の、電気的に中性でかつ化学的に
    非活性な原子のビームを基板上を走査させ、前記基板上
    に形成された液晶配向膜の膜全体またはその部分を選択
    的に配向処理することを特徴とする液晶配向膜の配向処
    理方法。
  2. 【請求項2】 前記原子のビームの前記液晶配向膜への
    入射角度(極角)を変化させることにより液晶のプレテ
    ィルト角を制御することを特徴とする請求項1記載の液
    晶配向膜の配向処理方法。
  3. 【請求項3】 前記配向処理を真空中若しくは不活性ガ
    ス中で行うことを特徴とする請求項1または2記載の液
    晶配向膜の配向処理方法。
  4. 【請求項4】 前記配向処理を前記液晶配向膜を加熱し
    ながら行うことを特徴とする請求項1、2または3記載
    の液晶配向膜の配向処理方法。
  5. 【請求項5】 前記原子のビームが不活性ガス原子のビ
    ームであることを特徴とする請求項1、2または3記載
    の液晶配向膜の配向処理方法。
  6. 【請求項6】 真空チャンバ内に、配向膜が形成された
    基板を保持する基板ホルダーと、前記基板ホルダーに保
    持された基板上へ電気的に中性でかつ化学的に非活性な
    原子の高速度ビームを照射する原子銃とが備えられてい
    ることを特徴とする液晶配向膜の配向処理装置。
  7. 【請求項7】 前記原子銃は、原子ビームの基板面への
    入射角度(極角)を変更できるように、回転可能なアー
    ムに固着されていることを特徴とする請求項6記載の液
    晶配向膜の配向処理装置。
  8. 【請求項8】 前記基板ホルダーは、X−Y方向に移動
    が可能でかつ基板面に垂直な軸を中心に回転が可能であ
    ることを特徴とする請求項6記載の液晶配向膜の配向処
    理装置。
  9. 【請求項9】 前記原子銃は、中性原子をイオン化する
    イオン化室と、前記イオン化室から放出されたイオンが
    入射されて中性の原子を放出するガスチャンバとを有す
    ることを特徴とする請求項6記載の液晶配向膜の配向処
    理装置。
  10. 【請求項10】 前記真空チャンバ内には、基板面の中
    性原子の照射位置付近に希ガスを照射することができる
    希ガス銃が備えられていることを特徴とする請求項6記
    載の液晶配向膜の配向処理装置。
  11. 【請求項11】 前記基板ホルダー内にはヒータが内蔵
    されていることを特徴とする請求項6記載の液晶配向膜
    の配向処理装置。
  12. 【請求項12】 前記真空チャンバ内には、基板上に赤
    外線を照射することのできる赤外線ランプが備えられて
    いることを特徴とする請求項6記載の液晶配向膜の配向
    処理装置。
JP28904898A 1998-10-12 1998-10-12 液晶配向膜の配向処理方法およびその装置 Expired - Fee Related JP3123647B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28904898A JP3123647B2 (ja) 1998-10-12 1998-10-12 液晶配向膜の配向処理方法およびその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28904898A JP3123647B2 (ja) 1998-10-12 1998-10-12 液晶配向膜の配向処理方法およびその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000122064A JP2000122064A (ja) 2000-04-28
JP3123647B2 true JP3123647B2 (ja) 2001-01-15

Family

ID=17738157

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28904898A Expired - Fee Related JP3123647B2 (ja) 1998-10-12 1998-10-12 液晶配向膜の配向処理方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3123647B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005331848A (ja) 2004-05-21 2005-12-02 Nec Lcd Technologies Ltd 液晶表示装置
JP4371011B2 (ja) 2004-09-02 2009-11-25 日新イオン機器株式会社 イオンビーム照射装置およびイオンビーム照射方法
TWI275327B (en) 2005-09-13 2007-03-01 Quanta Display Inc Apparatus for producing atomic beam
US9443697B2 (en) * 2012-01-31 2016-09-13 Fei Company Low energy ion beam etch

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000122064A (ja) 2000-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5770826A (en) Atomic beam alignment of liquid crystals
US7097884B2 (en) Stability of ion beam generated alignment layers by surface modification
Chaudhari et al. Atomic beam alignment of liquid crystals
JPH0383017A (ja) 液晶表示装置の製造方法
US6660341B2 (en) Tilted vertical alignment of liquid crystals employing inorganic thin film composition and ion beam treatment
US6195146B1 (en) Tilted liquid crystal alignment produced by ion beam treatment on the alignment layer using a voltage less than 200v
CA2178865A1 (en) Method and apparatus for controlling a liquid crystal alignment
US5512148A (en) Inducing tilted parallel alignment in liquid crystals
JP3123647B2 (ja) 液晶配向膜の配向処理方法およびその装置
JP2008129482A (ja) 液晶表示装置及びその製造方法
JP3738990B2 (ja) 液晶配向膜、該液晶配向膜の製造方法、液晶パネルおよび液晶表示装置
US7570333B2 (en) Method and system for improving ion beam alignment for liquid crystal displays by a grooving under layer
US8184249B2 (en) Method of aligning alignment layer and liquid crystal display device having alignment layer aligned by the same
US7532300B2 (en) Method for producing alignment layer for liquid crystal panel
US20090257013A1 (en) Liquid crystal device and method of manufacturing the same
KR20050017593A (ko) 액정 디스플레이 장치 및 그 제조방법
US7554639B2 (en) Method to control the pretilt angle of liquid crystal device
US20100219064A1 (en) Film forming method
Konshina Production methods and properties of liquid-crystal-orienting layers based on amorphous carbon
TWI240727B (en) Surface treatment of alignment layer for liquid crystals and the application of alignment layer
Yaroshchuk et al. P-14: Plasma Treatment as a Method of In-Plane Liquid Crystal Alignment
KR100495800B1 (ko) 액정배향방법
KR20040083127A (ko) 이온 빔 조사를 이용한 배향막 형성 방법
KR20050029354A (ko) 플라즈마 발생 장치 및 그에 의한 액정디스플레이 배향막형성기술
Yaroshchuk et al. P‐83: Liquid Crystal Alignment on Substrates Treated with the Plasma Flux: Static and Dynamic Regimes of Irradiation

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees