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JP3107713B2 - 石油給湯機用バーナ - Google Patents

石油給湯機用バーナ

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Publication number
JP3107713B2
JP3107713B2 JP06208645A JP20864594A JP3107713B2 JP 3107713 B2 JP3107713 B2 JP 3107713B2 JP 06208645 A JP06208645 A JP 06208645A JP 20864594 A JP20864594 A JP 20864594A JP 3107713 B2 JP3107713 B2 JP 3107713B2
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JP
Japan
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burner
flame
combustion
nozzle
air
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JP06208645A
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JPH0875110A (ja
Inventor
喜右衛門 小出
弘司 稲見
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Japan Petroleum Energy Center JPEC
Original Assignee
Petroleum Energy Center PEC
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Petroleum Energy Center PEC, Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Petroleum Energy Center PEC
Priority to JP06208645A priority Critical patent/JP3107713B2/ja
Publication of JPH0875110A publication Critical patent/JPH0875110A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石油給湯機用バーナに
係り、特に家庭用等のように小型なものに好適に利用で
きる。
【0002】
【背景技術】近年、環境負荷低減のため、石油給湯機用
バーナの低NOx 化が重要な課題となっている。しかしな
がら、現時点において、石油給湯機はNOx 規制対象外で
あることもあり、石油給湯機用低NOx バーナは見当たら
ない。すなわち、現状の石油給湯機用バーナとしては、
1)ガンタイプバーナ、2)ガス化ロータリーバーナ、
3)気化式バーナ等が用いられている。 1)ガンタイプは、灯油を油ポンプで昇圧(約7kg/c
m2)し、空気を混合することなく灯油のみをノズルから
燃焼室に、約60度の拡がり角度、かつ、約40μmの
粒径で噴霧して燃焼させる方式であり、燃焼用空気は送
風機によって燃焼室内に強制送風し、噴霧した灯油と混
合して燃焼させるバーナである。2)ガス化ロータリー
タイプは、灯油をロータリーカップに滴下し、このロー
タリーカップの遠心力によって燃料を霧化するととも
に、気化室の熱により気化させて約10μmの粒径と
し、空気と予混合させて燃焼させるバーナである。3)
気化式は、灯油を電気ヒータ内蔵の気化室で、約10μ
mの粒径で蒸発させた後、燃焼室において燃焼させる方
式で、ガス(LPG、都市ガス)仕様のバーナと、ほぼ
同様の燃焼ができるバーナである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述の1)〜3)のタ
イプのバーナは、特に低NOx 化の対策がなされていない
ため、NOx 値は100ppm(O2 0%換算値)前後と高く、
低NOx 性に劣るという問題点がある。しかも、3)の気
化式では、電気ヒータを用いているため、約1kWの消費
電力が必要であり、より、環境負荷を増大させている。
ところで、石油給湯機より大きい業務用小型ボイラにお
いては、水噴射や排ガス再循環(EGR)あるいはこれ
らの組合せにより、東京都のNOx 規制値80ppm (O2
0%換算値)をクリアーするバーナが数機種開発されて
いる。しかし、これらのバーナを石油給湯機用にスケー
ルダウンすることは困難であり、経済的にも高価なもの
となる。すなわち、水噴射式は、水供給装置・水噴射ノ
ズルが必要でコスト高となり、かつ水噴射による効率低
下の問題があり、家庭用にスケールダウンすることは困
難である。一方、EGR式は、高温の燃焼排ガスをバー
ナ側に再循環させるための耐熱性の良いファン・ダクト
設備が必要となり、コスト高・大型化する問題があるた
め、これもスケールダウンすることは困難である。
【0004】本発明の目的は、家庭用等の小型なものに
も適用でき、かつ、低NOx の石油給湯機用バーナを提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、液体燃料に噴
霧用一次空気を混合して噴霧するバーナノズルを用いる
とともに、このバーナノズルの少なくとも噴霧口近傍外
周を、燃焼用二次空気供給用の空気チャンバで囲繞し、
この空気チャンバ内に前記バーナノズルの噴霧口近傍へ
の燃焼用二次空気の直接の流入を防止する筒状の整流部
材を設け、この整流部材の内方に所定間隔をおいて、前
記バーナノズルの噴霧口に形成される炎の基端部を覆う
筒状の保炎部材を配置し、この保炎部材よりも炎先端側
に、炎先端側に向かって拡開するテーパ部を有するバー
ナタイルを設けた石油給湯機用バーナである。
【0006】本発明において、噴霧用一次空気に対する
燃焼用二次空気の空気量の比は、4〜7にすることが好
ましい。空気量の比が4未満では、燃焼時の騒音が非常
に大きくなり、一方、7を越えると、噴霧空気量の減少
により液体燃料の微粒化が損なわれ、燃焼の悪化を来た
す。
【0007】本発明において、バーナノズルの液体燃料
噴霧角度は、20〜50度が好ましく、35〜45度が
より好ましい。噴霧角度が20度未満では、火炎が長く
なって小型の給湯機には適用が困難となり、かつ、火炎
の単位断面積当りの燃焼負荷が大きくなりすぎ、良好な
燃焼が困難となる。一方、噴霧角度が50度を越える
と、炎が拡がりすぎ、同じく良好な燃焼が困難となる。
【0008】本発明において、バーナタイルの形状は、
保炎部材とは反対側の先端(開口)直径が90〜110
mm、テーパ部の軸線に対する開き角度(傾斜角度)が2
0〜55度、長さが50〜90mmの中間部拡径円筒状と
されるのが好ましい。先端直径が90mm未満及び110
mmを越えるとバーナタイルと炎の間隔が不適切となり、
燃料噴霧と二次空気の混合が悪く燃焼が不充分となる。
また、テーパ部の開き角度が20度未満及び55度を越
えると、共に燃焼が不十分となって一酸化炭素(CO)
の発生が増大する。更に、長さが50mm未満では保炎性
が悪く、失火の可能性があり、一方、90mmを越える
と、NOx が増大する。
【0009】
【作用】本発明のバーナにおいては、従来のガンタイプ
と異なり、空気を混合された液体燃料がバーナノズルか
ら噴霧される。この噴霧された液体燃料は、適宜な着火
装置により点火され、炎となって燃焼する。この炎の周
囲には、空気チャンバの二次空気が整流部材により整流
された後、供給される。この二次空気は、整流部材と保
炎部材との間隔内を流れる流れ(外流)と、保炎部材内
を流れる流れ(内流)とに分れて流れ、液体燃料を完全
燃焼させる。
【0010】一方、保炎部材よりも炎の先端側に設けら
れたバーナタイルにより炎が覆われることにより、バー
ナタイルからの輻射熱でバーナノズルから噴霧された液
体燃料粒子の気化が促進され、燃焼性がより向上され
る。
【0011】また、バーナノズルから噴出される一次空
気ひいては一次空気混合液体燃料と二次空気との噴流速
度差、並びに、バーナノズルの拡開するテーパ部による
コアンダ効果によって、燃焼排ガスの一部が燃焼部位に
還流していわゆる排ガスの自己循環(自己EGR)がな
される。これにより、最高火炎温度の抑制がなされると
ともに、酸素濃度が制御され、低NOx 化が図られる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1の全体構成を示す断面図において、本発明に
係る石油給湯機用バーナ10は、バーナノズル11を備
え、このノズル11には液体燃料供給部12及び噴霧用
一次空気供給部13が設けられ、これらの液体燃料と一
次空気とは噴霧口14で混合され、所定の噴霧角度θで
噴霧される。この際、液体燃料としては、灯油のみなら
ず、A重油、その他の石油系燃料を用いることができ
る。また、一次空気の噴霧空気圧は、0.05〜0.4kg/cm2
とされ、ノズル11の噴霧角度θは20〜50度、好ま
しくは35〜45度、後に説明する本実施例の各部の寸
法に対するより好ましい値は約40度である。噴霧空気
圧が0.05kg/cm2より低いと、燃料の十分な霧化、換言す
ると燃焼性に優れた微粒化が不可能となり、一方、0.4k
g/cm2 を越えると大型のコンプレッサーが必要となり、
小型の石油給湯機への適用は困難となる。
【0013】本実施例における燃焼性に優れた微粒化と
は、液体燃料、例えば灯油の粒子の平均粒径がザウター
平均粒径で15〜20μmであり、従来のガンタイプバ
ーナに用いられる油圧ノズルにおける40μm前後に比
べて十分微粒化されている。また、噴霧角度θが20度
未満では、炎が長くなりすぎて小型給湯機への適用が困
難となり、かつ、狭い範囲に高密度に燃料粒子が存在す
ることから、炎の単位断面積当りの燃焼負荷が大きくな
りすぎ、燃焼不良を生ずる。一方、噴霧角度が50度を
越えると、炎が拡がりすぎて良好な燃焼が困難となり、
かつ、噴霧流速が低下することから、後述する燃焼用二
次空気との流速差が小さくなって排ガスの自己(内部)
循環も十分に行えず、低NOx 化を図れない。バーナ10
の石油給湯機用バーナとしての燃料の燃焼量は、毎時0.
5 〜5リットルで使用するのが好ましい。
【0014】バーナノズル11は、バーナノズル11の
噴霧口14の近傍外周およびその噴射前方を囲繞する燃
焼用二次空気供給用の空気チャンバ(風箱)15の一方
の端板16に、筒状の支持部材17を介して取付け(固
定)、支持されている。また、端板16には、覗き窓1
8及び着火装置としての点火プラグ19も設けられてい
る。この点火プラグ19により、ノズル11から噴霧さ
れる液体燃料に点火すると、炎20が形成される。
【0015】空気チャンバ15には、液体燃料の完全燃
焼をさせるための燃焼用二次空気が供給される燃焼用二
次空気供給口21が設けられ、一次空気に比べ数倍の空
気量の二次空気が空気チャンバ15内に供給される。す
なわち、バーナノズル11から噴出する一次空気量と空
気チャンバ15から供給される二次空気量の比が低NOx
効果に大きな影響を与えるため、一次空気量に対する二
次空気量の比を4〜7の範囲にすれば、正常燃焼で低NO
x 化ができる。
【0016】空気チャンバ15内には、空気チャンバ1
5のもう一方(他方)の端板22に溶接等により一体に
固定された円筒等の筒状の整流部材(邪魔板)23が設
けられている。この整流部材23は、バーナノズル11
の噴霧口14近傍への燃焼用二次空気の直接の流入と、
偏流とを防止するものである。整流部材23の一方の端
板16側の開口縁には、整流性の改善等の必要に応じて
つば部24が一体に形成される。従って、つば部24は
必ずしも設けなくてもよい。
【0017】整流部材23の内方には、所定間隔、例え
ば数mm、好ましくは2〜4mmの間隔をおいて円筒状の保
炎部材(ホッパー)25が、炎20の基端部を覆うよう
に設けられている。この保炎部材25は、図2,3にも
示されるように、その一端縁に溶接等により外端を固定
された複数本、本実施例では3本のステー26、及び、
このステー26の内端に溶接等により固定された取付け
リング27を介してノズル11の噴霧口14側外周に取
付けられ(固定され)ている。この際、保炎部材25の
取付けは、必ずしもノズル11に行う必要はなく、空気
チャンバ15の一方の端板16、整流部材23等の他の
固定部であってもよい。
【0018】保炎部材25の内周の途中位置には、中心
孔28を有する円筒状の邪魔板29が溶接等により固定
されている。この邪魔板29には、点火プラグ19の挿
通孔31が形成されている。邪魔板29の中心孔28
は、取付けリング27よりやや大径に形成されるととも
に、ノズル11の先端のテーパ部11Aと所定の間隔を
有して対向するように形成されている。これにより、邪
魔板29は、ノズル11との間に所定の開口面積を持た
せ、二次空気のノズル11の周囲に流れる二次空気すな
わち内流FI の流量を規定している。一方、保炎部材2
5と整流部材23との間の前述の間隔をながれる二次空
気すなわち外流FO の流量は、この間隔の広さ及び邪魔
板29の中心孔28の大きさ等により規定される。この
内流FI と外流FO との流量比は特に制限はないが、バ
ーナ10を使用する給湯機の排ガス性状によって適宜設
計される。
【0019】なお、保炎部材25の全長H1 及び邪魔板
29が取付けられる保炎部材25の反ステー側端部から
の寸法H2 もバーナ10の仕様に応じて適宜設定される
が、全長H1 は、好ましくは45〜65mm、具体的一例
を挙げれば54mmとされ、寸法H2 は好ましくは30〜
50mm、具体的一例は41mmである。また、保炎部材2
5の外径の一例は、61mmである。
【0020】保炎部材25の炎20の先端側には、整流
部材23の内径と等しい内径寸法(開口直径)D1 を有
するバーナタイル(フレームコーン)35が設けられて
いる。この際、バーナタイル35の開口直径D1 は、空
気チャンバ15からの燃焼用二次空気と液体燃料との混
合性を考慮し、開口部での内流FI 及び外流FO の合計
値の平均風速で2〜5m/sec になるように設定されるの
が好ましい。
【0021】バーナタイル35は、開口直径D1 側を小
径部36とされ、この小径部36に連続して形成され炎
20の先端側に向かって拡開するテーパ部37を途中に
有し、更に、先端側に大径部38を有し、全体として中
間部拡径円筒状とされている。バーナタイル35のテー
パ部37の、中心軸線と平行な方向(単に軸線ともい
う)に対する開き角度(傾斜角度)αは、炎20の安定
性と燃焼性に影響を与えるため、好ましくは20〜55
度とされる。この範囲にあれば、一酸化炭素(CO)の
発生も問題なく、完全燃焼ができる。また、バーナタイ
ル35のテーパ部37の傾斜角度は、後述するコアンダ
効果によるNOx 量の低減を図るためには、炎20の軸線
に対する傾斜角度、正確には液体燃料の噴霧角度より大
きくされていることが好ましい。すなわち、炎20の先
端側に至るに従い、テーパ部37の壁面が炎20外縁、
換言すると燃料の噴霧外縁から遠ざかるように拡開して
傾斜されることが好ましく、これによりテーパ部37の
壁面と炎20の外縁との間の空間に生じる負圧で排ガス
の一部が逆流(還流)していわゆる自己(内部)EGR
が効果的になされるようにするのが良い。
【0022】バーナタイル35の大径部38の内径寸法
(先端直径)はD2 とされ、かつ、バーナタイル35の
長さ寸法はLとされる。ここにおいて、開口直径D1
55〜75mm、具体的一例としては66mm、先端直径D
2 は液体燃料の噴霧パターン(角度、長さ)を考慮し、
90〜110mm、具体的一例は100mmとされ、長さ寸
法Lは、炎20の安定性と排ガスの自己循環量に影響を
与えることから、50〜90mmとされ、具体的一例とし
ては60mmとされている。この長さ寸法Lが50〜90
mmとされていれば、炎20の安定性も良く、排ガスの自
己循環も充分発生し、低NOx 化できる。
【0023】なお、バーナタイル35の小径部36に
は、フランジ部39が一体に形成され、このフランジ部
39は、空気チャンバ15の他方の端板22にボルト止
め等により固定されている。これらのフランジ部39と
端板32とは、共に所定の石油給湯機40にボルト止め
により固定されている。また、バーナタイル35の材質
は、耐火性を有する材質であれば何でもよく、例えば、
ステンレス薄板、セラミック耐火壁、鋼板等があるが、
放熱性が大きいことに基づく低NOx 性、耐熱性(耐久
性)と価格の面からステンレス薄板が好ましい。
【0024】次に、本実施例の作用について説明する。
バーナノズル11に供給された噴霧用一次空気と灯油等
の液体燃料は、ノズル11の噴霧口14で混合され、従
来のガンタイプバーナの粒径(約40μm)より数段小
径の粒径(10〜20μm)となって所定角度θで噴霧
され、点火プラグ19による点火で炎20となって燃焼
する。この噴霧された燃料の周囲には、ノズル11の噴
霧口14近傍においては、空気チャンバ15内に供給さ
れた燃焼用二次空気のうち、保炎部材25内及び保炎部
材25に設けられた邪魔板29の中心孔28内を通る二
次空気の内流FI が供給されて燃焼が促進され、完全燃
焼がなされることとなる。この際、保炎部材25の内流
I の流量は、邪魔板29により適宜に制御されるた
め、炎20が二次空気により吹き消されるようなことが
なく、十分な保炎がなされる。また、加熱された保炎部
材25の輻射熱によっても保炎が促進される。
【0025】更に、炎20はバーナタイル35により覆
われているため、バーナタイル35の輻射熱によってノ
ズル11から噴霧された液体(灯油)粒子の気化が促進
され、燃焼性が向上され、この点によっても完全燃焼が
行われる。
【0026】一方、本実施例によって生じる自己EGR
の挙動については、高温のバーナ内の挙動であるため、
必ずしも十分には解明されていないが、およそ、次のよ
うな動作と考えられる。すなわち、ノズル11の燃料噴
霧角度θが従来のガンタイプより小さくなったことによ
り、噴霧速度が上がって二次空気との流速差が大きくな
り、この両者の速度差によって燃焼排ガスの巻き込みが
発生し、自己EGRとなる。
【0027】また、二次空気のうち整流部材23と保炎
部材25との間を流れる外流FO は、狭い間隔の作用に
より比較的高速となって整流部材23の内壁からバーナ
タイル35の内壁に沿って流れる。このバーナタイル3
5側に移動した流れは、バーナタイル35のテーパ部3
7に至ると、いわゆるコアンダ効果により、そのまま直
進することなくテーパ部37の内壁に沿って曲がった流
れとなる。このため、この外流FO による流れは、炎2
0の外縁から離れる方向に移動するため、外流FO と炎
20との間の空間に負圧が生じ、この位置で排ガスの巻
き込みが生じる。この排ガスは、その巻き込みが生じた
位置で一部が炎20の内に入り、EGR効果を生じると
ともに、他の一部は、保炎部材25の邪魔板29の部分
に生じる滞留(逆流)部へも流れ込み、前述の噴霧速度
と二次空気との速度差に伴う排ガスの自己循環とも相俟
って、より十分なEGR作用をなすものと考えられる。
また、炎20をとりまく雰囲気ガス中の不活性ガス成分
の濃度が、給湯機により異なる場合は、外流FO と内流
I の流量比(流速比)を変えることにより、その給湯
機の不活性ガス成分の濃度に合ったEGR量に制御する
ことができる。
【0028】実験例 次に、前述の実施例の効果を確認するため行った具体的
な実験例と、その比較例とについて、表1に基づいて説
明する。表1において、実験例1〜10及び比較例1〜
8は、共に図1〜3に示されたと同様なバーナを用い、
いずれも液体燃料の燃焼量を3.4 リットル/h、ノズル噴
霧角度θを40度、バーナタイルの先端直径D2 を10
0mmと一定にされる。一方、一次、二次空気の空気量m3
/h、バーナタイルテーパ部の開き角度α、バーナタイル
長さ寸法L及びバーナタイル材質を変化させ、その時の
排ガス性状、すなわち、酸素濃度:O2 (%)、一酸化
炭素濃度:CO(ppm )、窒素酸化物濃度:NOx (O2
0%換算ppm )を測定し、燃焼状態の総合判定を行っ
て、その結果を示した。O2 %は磁気式酸素メータ
〔(株)島津製作所製、POT−101型〕、COppm
は非分散赤外式COメータ〔(株)島津製作所製、CG
T−10−1A型〕、NOx ppm はケミルミ式NOx メータ
〔(株)島津製作所製、NOA−7000型〕をそれぞれ用
いて測定した。表中、総合判定の〇印は各測定値及び燃
焼状態が良好なことを示し、×印は不良なことを示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1によれば、実験例1〜10は、一次、
二次空気の空気量比を4〜7の範囲内で、バーナタイル
テーパ部開き角度αを20〜55度の範囲内で、バーナ
タイル長さ寸法Lを50〜90mmの範囲内で、およびバ
ーナタイル材質をステンレス薄板とセラミック耐火壁と
に変化させたが、いずれも各測定値、燃焼状態共に良好
であった。一方、比較例1は、テーパ部開き角度αが小
さすぎたため、COppm が極めて高く、燃焼が不完全で
あることが判る。比較例2は、比較例1とは逆に開き角
度αが大きすぎるため、比較例1と同様にCOppm が極
めて高く、燃焼不完全となった。比較例3は、バーナタ
イルの長さ寸法Lが短すぎるため、保炎性が悪く、一
方、比較例4〜7は長さ寸法Lが長すぎるため、NOx pp
m が東京都の規制値80ppm を越えたことが判る。比較
例8は、一次空気量と二次空気量との比が小さすぎる
(4未満の)ため、燃焼時に騒音が非常の大きくなり、
実用上問題があることが判る。
【0031】前述のような本実施例によれば、次のよう
な効果がある。すなわち、液体燃料を噴霧用一次空気と
混合して噴霧するバーナノズル11を用いるとともに、
このノズル11の噴霧口14の周囲に、燃焼用二次空気
を空気チャンバ15から整流部材23及び保炎部材25
を介して供給したから、燃料の微粒化と十分な空気の供
給とを行うことができ、燃焼を完全に行える。また、一
次空気と二次空気との流速の差、並びに、整流部材23
と保炎部材25との間隙を流れる二次空気外流FO や保
炎部材25内を流れる二次空気内流FI およびテーパ部
37を有するバーナタイル35の相互作用によるコアン
ダ効果によって生ずる排ガスの自己循環作用により、E
GRを生じ、低NOx 化を図ることができる。
【0032】更に、バーナ10の構造は、従来の業務用
バーナのように、水噴射や外部配管による排ガス循環を
行うものでなく、整流部材23、保炎部材25及びバー
ナタイル35を設けるだけでよいから、簡易かつ小型な
構造で完全燃焼と低NOx 化を図れる。この際、保炎部材
25と整流部材23との間隔寸法、保炎部材25の邪魔
板29の形状、バーナタイル35のテーパ部37の開き
角度α、小径部36及び大径部38の直径D1 ,D2
長さ寸法L等を適宜に設定することにより、所要の石油
給湯機40の仕様に対応したバーナ10を容易、かつ、
安価に提供できる。
【0033】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の目的を達成できる範囲での改良、
変形等は、本発明に含まれるものである。例えば、保炎
部材25において、邪魔板29は、排ガスの、ノズル1
1の噴霧口14より上流側への回り込みを防止し、失火
を防止する役目と、炎20の真円状態を保持して失火を
防止する役目とを有するものであるが、二次空気量、整
流部材23と保炎部材25との間隙量、保炎部材25及
びバーナタイル35の形状等によって変化する排ガスの
循環状態によっては、ステー26と兼用し、ステー26
間の隙間を二次空気の流入路としてもよい。また、邪魔
板29の中心孔28により、炎20の真円状態が十分に
は保持できない場合には、邪魔板29に適宜な孔を追加
し、この孔から流入する二次空気の作用により、炎20
の真円状態を保持するようにしてもよい。
【0034】更に、噴霧された燃料への点火は、図示の
点火プラグ19によるものに限らず、他の一般の着火装
置によってもよい。また、本発明は、家庭用等の小型の
石油給湯機に適用するのに好適であるが、必ずしもこれ
に限定されるものではなく、家庭用よりは大きい業務用
等にも適用できることは勿論である。更に、前記実施例
で示した各部の寸法は、必ずしもこれらの数値に限定さ
れるものではなく、適用する給湯機の仕様により変更さ
れるものである。要するに本発明は、特許請求の範囲の
請求項1において記載した構成によって本発明の目的を
達成しうるものである。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、家庭用等の小型の石油
給湯機用バーナとしても適用できるとともに、簡易な構
造で低NOx 化を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る石油給湯機用バーナの一実施例の
概略構成を示す断面図である。
【図2】本実施例に用いられる保炎部材の図3中II−II
線に沿う矢視断面図である。
【図3】図2の断面しない状態の左側面図である。
【符号の説明】
10 石油給湯機用バーナ 11 バーナノズル 12 液体燃料供給部 13 噴霧用一次空気供給部 14 噴霧口 15 空気チャンバ 20 炎 21 燃焼用二次空気供給口 23 整流部材 25 保炎部材 35 バーナタイル 37 テーパ部 40 石油給湯機 θ 噴霧角度 α 開き角度 D1 開口直径 L 長さ寸法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平4−108120(JP,U) 実開 昭51−153836(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23C 11/00 324 F23D 11/24

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 噴霧用一次空気と液体燃料とを混合して
    噴霧するバーナノズルと、このバーナノズルの少なくと
    も噴霧口近傍外周を囲繞するとともに燃焼用二次空気を
    供給する空気チャンバと、この空気チャンバ内に設けら
    れ前記バーナノズルの噴霧口近傍への燃焼用二次空気の
    直接の流入を防止する筒状の整流部材と、この整流部材
    の内方に所定間隔をおいて配置されるとともに前記バー
    ナノズルの噴霧口に形成される炎の基端部を覆う筒状の
    保炎部材と、この保炎部材よりも炎先端側に設けられる
    とともに炎先端側に向かって拡開するテーパ部を有する
    バーナタイルとを備えたことを特徴とする石油給湯機用
    バーナ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の石油給湯機用バーナに
    おいて、前記一次空気に対する前記二次空気の空気量の
    比を4〜7にしたことを特徴とする石油給湯機用バー
    ナ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の石油給湯機用
    バーナにおいて、前記バーナノズルにおける前記液体燃
    料の噴霧角度が20〜50度とされたことを特徴とする
    石油給湯機用バーナ。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3に記載の石油給湯
    機用バーナにおいて、前記バーナタイルは、保炎部材と
    は反対側の先端直径が90〜110mm、テーパ部の軸線
    に対する開き角度が20〜55度、長さ寸法が50〜9
    0mmとされた中間拡径円筒状とされたことを特徴とする
    石油給湯機用バーナ。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3または4に記載の石油
    給湯機用バーナにおいて、前記バーナタイルの材質がス
    テンレスの薄板であることを特徴とする石油給湯機用バ
    ーナ。
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