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JP3101217B2 - 注入式ロックボルトの施工方法 - Google Patents

注入式ロックボルトの施工方法

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Publication number
JP3101217B2
JP3101217B2 JP08343190A JP34319096A JP3101217B2 JP 3101217 B2 JP3101217 B2 JP 3101217B2 JP 08343190 A JP08343190 A JP 08343190A JP 34319096 A JP34319096 A JP 34319096A JP 3101217 B2 JP3101217 B2 JP 3101217B2
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JP
Japan
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lock bolt
fixing material
borehole
injection
bolt
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JP08343190A
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JPH10184295A (ja
Inventor
徹 羽馬
淳 石原
Original Assignee
株式会社ケー・エフ・シー
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Publication date
Application filed by 株式会社ケー・エフ・シー filed Critical 株式会社ケー・エフ・シー
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Publication of JPH10184295A publication Critical patent/JPH10184295A/ja
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  • Piles And Underground Anchors (AREA)
  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は注入式ロックボルト
の施工方法に係わり、特に、硬練り定着材の注入に適し
た注入式ロックボルトの施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、ナトム工法(NATM工法)によ
るトンネルや法面保護工事で使用される全面接着型のロ
ックボルトの施工方法は注入形式によって、先注入式と
後注入式に大別される。先注入式は、地山に穿孔したボ
アホールにセメントミルクやモルタルを充填し、しかる
後、中実型のロックボルトを挿入する方法である。
【0003】後注入式は、注入パイプ、排気パイプを取
り付けた中実型のロックボルトや、中空型のロックボル
トをボアホールに挿入後、注入パイプを取り付けた中実
型のロックボルトや、中空型のロックボルトをボアホー
ルに挿入後、注入パイプまたは中空部からPロートフロ
ー値25秒未満の流動性の良いセメントミルクやモルタ
ルを注入する方法である。流動性の良いセメントミルク
やモルタルを注入する理由は、注入パイプや中空部分が
細いので流動性の良い定着材でないと注入できないため
である。従って、水平及び水平より上向きのロックボル
トの場合には口元のシールが必要となる。
【0004】図7は後注入式ロックボルト施工方法の説
明図であり、10は地山、12はトンネル、14はトン
ネルの内壁、16はボアホール、16aはボアホールの
内壁(孔壁)、17はロックボルト、18は定着材注入
用の注入パイプ、19はロックボルトの軸体に形成した
排気および定着材排出用の貫通孔(排気通路)、20は
ロックボルト18の口元付近で、ロックボルトとボアホ
ール16の内壁(孔壁)16a間の隙間を閉塞するパッ
カーである。地山10に掘削したトンネル12の内壁1
4から該内壁に対し垂直に岩盤内部へ所定深さのボアホ
ール(円柱状の空隙)16を穿孔する。しかる後、ボア
ホール16に貫通孔19を備えたロックボルト17を挿
入し、トンネルの内壁14近くにおいてボアホール16
の内壁(孔壁)16aとロックボルト17とのすき間を
パッカー20や急結性のセメントあるいは樹脂を用いて
コーキングを行う。注入パイプ18はコーキング部(パ
ッカー20)を貫通してボアホール16内に先端が達す
る形式で該パッカー20にあらかじめ取り付けられてい
るか、あるいはロックボルト17に予め取り付けてある
か、あるいはコーキング作業と同時に取り付けられる。
【0005】ついで、注入パイプ18より定着材を注入
すると、注入パイプ18の先端から定着材がボアホール
内に出て、該ボアホール16の内壁(孔壁)16aとロ
ックボルト17の間の隙間に充填されていく。この際、
ボアホール16内の空気は貫通孔19を通ってトンネル
12内に排気される。貫通孔19の排気口から注入した
定着材と同濃度の定着材が漏れ出て来るようになれば、
充填作業完了であり、定着材の注入を止める。その後、
定着材が硬化すれば、ロックボルト17とボアホール1
6の孔壁16a周辺が一体的に固着し、ロックボルト先
端部が打ち込まれた固い内部岩盤に支えられることで、
坑壁周辺の崩落が防止される。図7のロックボルトで
は、排気および定着材排出用通路としてロックボルトの
軸体に貫通孔を形成しているが、貫通孔を形成せず、代
わりに排気および定着材排出用の排気パイプを備えたロ
ックボルトもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】先注入式では、ボアホ
ールに完全に定着材を充填するためにゴムあるいは合成
樹脂製の注入ホースを2〜10mの孔底まで挿入する必
要があり、特に、ボアホールに穴荒れがある場合や上向
きのボアホールの場合、作業性が著しく低下し苦渋を伴
う問題がある。また、先注入式では、定着材の吐出に伴
って注入ホースを引抜く作業が難しく、引き抜きが遅す
ぎると注入ホースが拘束されて抜けなくなり、引き抜き
が早過ぎれば空隙が残り、充填不足が生じるという問題
があり、結果的に作業に熟練者を必要とする問題があ
る。更に先注入式では、定着材充填後のロックボルトの
挿入作業は抵抗が大きく、孔荒れがある場合には機械を
用いても挿入できない事もあり、作業性が悪い問題があ
る。
【0007】一方、後注入式では、孔荒れがあると口元
シールが難しく、シール不良の場合には、定着材が漏
れ、施工不良となる問題がある。また、後注入式では、
流動性の良い定着材を用いるためにクラックがある地山
においては定着材充填確認後に地山内への逸走が生じる
問題がある。すなわち、ロックボルトの周囲にあるべき
定着材が注入作業完了後に地山内に逃げてしまって、ロ
ックボルトの定着状態が十分にとれない問題がある。特
に、水平や水平より上向きのボルトの場合、ボアホール
口元をシールして注入するため、このような逸走が生じ
ても目視で確認できず、結果的に大きな施工不良となる
危険性がある。以上から、本発明の目的は、上記従来方
法の問題を解消し、作業性が良く、口元シールの問題が
なく、しかも、流動性の低い定着材の使用が可能で施工
の信頼性が高い注入式ロックボルトの施工方法を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は第1の発明に
よれば、地山にボアホールを穿孔するステップ、中空型
ロックボルトをボアホールに挿入し、挿入完了後、ロッ
クボルトを回転させながら後端部よりロックボルトの中
空部を介して低流動性の定着材を注入するステップ、あ
るいは、中空型ロックボルトを回転させながらボアホー
ルに挿入し、回転/挿入と並行してロックボルトの後端
部より中空部を介して低流動性の定着材を注入するステ
ップ、先端部より定着材を噴出させてボアホールを充
填してロックボルトを地山に定着するステップを備えた
注入式ロックボルトの施工方法により達成される。ま
た、上記課題は、第2の発明によれば、ロックボルト
を、先端にビットを有する穿孔用ロックボルトとし、ビ
ットでボアホールの穿孔を行いながらロックボルトを
アホールに挿入するステップ、穿孔完了後、ロックボル
トを回転しながら後端部より中空部を介して低流動性の
定着材を注入するステップ、先端部より定着材を噴出
させてボアホールを充填してロックボルトを地山に定着
するステップを備えたロックボルト施工方法により達成
される。
【0009】第1、第2の発明において、定着材として
テーブルフロー140mm〜300mmまでのコンシス
テンシーを有するセメントミルクまたはモルタルを使用
する。また、ロックボルトは、その表面全長または一部
に、ネジ部あるいは異形部あるいは凹凸部を備え、か
つ、先端部に定着材噴出用の孔を設けた構成とする。更
に、ロックボルトの先端部に円錐状コーンを取り付け
る。従来方法では、テーブルフロー140mmに近いよ
うなコンシステンシーを有するセメントミルクまたはモ
ルタルのように硬い定着材の注入は極めて困難である。
しかし、本発明によれば、定着材注入中ロックボルトを
回転するため該回転によりボアホール内に噴出した定着
材がロックボルト周囲を流動回転する形となるため、こ
れに流動性が助けられた形となり、定着材がボアホール
内に満遍なく密実充填される。また、ボアホール内に充
填された定着材も同時に回り続ける形となるため、ロッ
クボルトの進入を阻害することがなく、ロックボルトは
円滑に打設される。従って、流動性の低い硬い定着材を
好適に使用することが出来る。さらに、こうした流動性
の低い定着材を注入することにより、地山クラックへの
逸走も防止でき、しかも、定着材がボアホール口元から
流れることもないので、煩雑なシールも不要となる。
【0010】また、自穿孔ロックボルトに注入を行う従
来方法では、狭い削孔間隙に定着材を注入しなければな
らないので、特に流動性大なる定着材を高圧注入してい
た。しかし、第2の発明よれば、ロックボルトを回転さ
せながら注入を行うため、低流動性(硬練り)の定着材
を効率的に注入することが出来、しかも、定着材をボア
ホール内に満遍なく密実充填することができる。更に、
ロックボルトは、その表面全長または一部に、ネジ部あ
るいは異形部あるいは凹凸部を備えた構成としているた
め、ロックボルトに対する定着材の付着性をより強固に
行うことができる。
【0011】また、ロックボルトの先端部に鉛筆型の円
錐状コーンを設けたことにより、岩盤で穴荒れがある場
合に挿入や打込を容易にし、かつ岩片で中空部先端が閉
塞するのを防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(A)注入式ロックボルトの第1の施工方法 図1は本発明の注入式ロックボルトの第1の施工方法説
明図であり、1はトンネル、2はトンネル内壁、3は地
山、4はボアホール、4aはボアホールの内壁(孔
壁)、5は中空の貫通孔5aが設けられた中空型ロック
ボルト、6は流動性の低い定着材で、例えば、Pロート
フロー25秒より硬く、テーブルフロー140mm〜3
00mmまでのコンシステンシーを有するセメントミル
クまたはモルタルである。
【0013】注入式ロックボルトの施工に際して、地山
3にトンネル1の内壁2から該内壁に対し垂直に岩盤内
部へ所定深さのボアホール(円柱状の空隙)4を穿孔す
る(図1(a)参照)。しかる後、ボアホール4に貫通
孔5aを備えた中空型ロックボルト5を回転させながら
ボアホール4に挿入し(打ち込み)、ロックボルトの回
転/挿入と並行して該ロックボルトの後端部より中空部
5aを介して定着材6を注入する。これにより、定着材
6は中空型ロックボルト5の先端部より噴出してボアホ
ール4の口元側より順次ボアホール内を充填してゆく
(図1(b)参照)。そして、ロックボルト5がボアホ
ール4の穴底に到達した時点ではボアホール内は定着材
6で密実に充填されることになる。この状態で、定着材
が硬化すれば、ロックボルト5とボアホール4の孔壁4
a周辺が一体的に固着し、ロックボルト先端部が打ち込
まれた固い内部岩盤に支えられることで、坑壁周辺の崩
落が防止される。
【0014】定着材は原則として、前述のようにPロー
トフロー25秒より硬く、テーブルフロー140mm〜
300mmまでのコンシステンシーを有するセメントミ
ルクまたはモルタルを用いる。従来方法では、硬い定着
材の注入は極めて困難であるが、本発明の第1実施例の
施工方法によれば定着材注入中、ロックボルトの回転に
よって常に定着材がロックボルト周囲を流動回転する形
となるため、これに流動性が助けられた形となり、ボア
ホール内に満遍なく密実充填される。また、ボアホール
内に充填された定着材も同時に回り続ける形となるた
め、ロックボルトの進入を阻害することはなく、ロック
ボルトは円滑に打設される。従って、流動性の低い硬い
定着材であっても、好適に使用することが出来る。さら
に、こうした流動性の低い定着材を注入すれば、地山ク
ラックへの逸走も防止できる。また、ボアホール口元か
ら流れることもないので、煩雑なシールも不要となる。
なお、上記のように穿孔と同時に注入を行う方法は、地
山にボアホール内の空気を逃がすことが出来るような空
隙が多い場合に適したものであるが、地山が密で、注入
時に空気の逃げ場がないような場合には、以下の第2の
施工方法により、孔奥側からの注入を行うのが良い。
【0015】(B)注入式ロックボルトの第2の施工方
法 図2は本発明の注入式ロックボルトの第2の施工方法説
明図であり、1はトンネル、2はトンネル内壁、3は地
山、4はボアホール、4aはボアホールの内壁(孔
壁)、5は中空の貫通孔5aが設けられた中空型ロック
ボルト、6は流動性の低い定着材である。注入式ロック
ボルトの施工に際して、地山3にトンネル1の内壁2か
ら該内壁に対し垂直に岩盤内部へ所定深さのボアホール
(円柱状の空隙)4を穿孔する(図2(a)参照)。し
かる後、ボアホール奥まで中空型ロックボルト5を挿入
する。ついで、この状態でロックボルトを回転させなが
ら、ロックボルト後端部より中空部5aを介して定着材
6を注入する。これにより、定着材は中空型ロックボル
ト5の先端部より吐出しボアホール奥側より充填してゆ
く(図2(a)参照)。以上の回転/注入を継続してボ
アホール4の口元から定着材が排出されれば定着材の充
填は完了であり、定着材の注入を終了する。すなわち、
第2実施例によれば、定着材のリターンの確認により定
着材の充填完了を認識できる。
【0016】定着材は原則としてPロートフロー25秒
より硬く、テーブルフロー140mm〜300mmまで
のコンシステンシーを有するセメントミルクまたはモル
タルを用いる。従来方法では、硬い定着材の注入は極め
て困難であるが、本発明の第2実施例の施工方法によれ
ば定着材注入中、ロックボルトの回転によって常に定着
材がロックボルト周囲を流動回転する形となるため、こ
れに流動性が助けられた形となり、硬い定着材であって
もボアホール内に満遍なく密実充填される。また、こう
した流動性の低い定着材を注入すれば、地山クラックへ
の逸走も防止できる。
【0017】(C)注入式ロックボルトの第3の施工方
法 図3は本発明の注入式ロックボルトの第3の施工方法説
明図であり、1はトンネル、2はトンネル内壁、3は地
山、4はボアホール、4aはボアホールの内壁(孔
壁)、6は流動性の低い定着材、7は先端にボアホール
穿孔用のビットが設けられた自穿孔ボルトであり、7a
はビット、7bは中空孔、7cは先端に設けられた定着
材吐出用の孔(複数設けられている)であり、中空孔7
bに連通するものである。
【0018】注入式ロックボルトの施工に際して、自穿
孔ロックボルトの先端に取り付けたビット7aでボアホ
ール4の穿孔(掘削)を行いながらロックボルト全体を
回転し、このロックボルトの回転と同時にロックボルト
後端部より定着材を注入する。これにより、定着材6は
定着材吐出用孔7cより噴出して穿孔したボアホール4
を充填する。すなわち、定着材6はボアホール4の口元
側よりその穿孔と並行して順次ボアホール内を充填して
ゆく。そして、自穿孔ロックボルト7が所定深さのボア
ホール4を穿孔したら穿孔作業をやめ、しかる後、所定
時間自穿孔ロックボルトを回転しつつ定着材注入を継続
しボアホール内を定着材6で密実に充填する。この状態
で、定着材が硬化すれば、ロックボルト5とボアホール
4の孔壁4a周辺が一体的に固着し、ロックボルト先端
部が打ち込まれた固い内部岩盤に支えられることで、坑
壁周辺の崩落が防止される。尚、上記のように穿孔と同
時に注入を行う方法は、地山にボアホール内の空気を逃
すことが出来るような空隙が多い場合に適したものであ
るが、地山が密で、注入時に空気の逃げ場がないよう場
合には、自穿孔ロックボルトにより所定深さまで穿孔し
てから、ロックボルトを回転しつつ孔奥側から定着材の
注入を行うようにもできる。
【0019】定着材は原則としてPロートフロー25秒
より硬く、テーブルフロー140mm〜300mmまで
のコンシステンシーを有するセメントミルクまたはモル
タルを用いる。従来方法で自穿孔ロックボルトに注入を
行う場合、狭い削孔間隙に定着材を注入しなければなら
ないので、特に流動性大なる定着材を高圧注入する必要
がある。しかし、第3実施例によれば、自穿孔ロックボ
ルトを回転しながら定着材を注入するため低流動性(硬
練り)の定着材であっても効率的にボアホール内に密実
に注入することが出来る。すなわち、第3実施例の施工
方法によれば定着材注入中、自穿孔ロックボルトの回転
によって常に定着材がロックボルト周囲を流動回転する
形となるため、これに流動性が助けられた形となり、ボ
アホール内に満遍なく密実充填される。従って、任意の
硬さの低流動性定着材を用いることが出来、こうした流
動性の低い定着材を注入すれば、地山クラックへの逸走
も防止できる。
【0020】(D)穿孔機械 図4は本発明のロックボルト施工に使用する穿孔機械の
構成図であり、1はトンネル、2はトンネル内壁、3は
地山、4はボアホール、4aはボアホールの内壁(孔
壁)、5は中空の貫通孔5aが設けられた中空型ロック
ボルトである。穿孔機械において、11はロックボルト
打設機、12は穿孔機械を搭載する車両であり、後述す
るブームを所定の位置に位置決め/移動させる伸縮可能
なアーム12a、アーム駆動部12b等を有している。
13はロックボルト支持装置、14は定着材を混練りし
て圧送する混練圧送ポンプ、15は定着材をロックボル
ト5の中空部5aに導いて注入する注入ホースである。
ロックボルト打設機11は回転打撃駆動部11aと回転
打撃駆動部により回転されるシャンク11bを有してい
る。ロックボルト支持装置13は、ブーム13aとブー
ム13a上に取り付けられた注入ノズルアダプタ13b
とロックボルト5を回転かつ移動可能に支持する支持プ
レート13cを備えている。注入ノズルアダプタ13b
内では、例えば、シャンク11bの一端にチャック11
b−1が、ロックボルト5の後端部を把持する形で設け
られ、これにより、シャンク11bの回転がロックボル
ト5に伝達されるようになっており、かつ、注入ホース
15の一端が、注入ノズルアダプタ13b内の溝13b
−1とチャック11b−1の中空部分を介して、ロック
ボルト5の中空部5aに接続されている。上記注入ノズ
ルアダプタ13bは一例であり、種々の構成が考えられ
る。
【0021】注入式ロックボルトの施工に際して、穿孔
機械のブーム13a上の注入ノズルアダプタ13bにチ
ャック11b−1によりロックボルト5を装着し、該ロ
ックボルト5がシャンク11bと接続するようにし、か
つ、注入ホース15をセットする。かかる状態で、アー
ム駆動部12bを駆動してアーム12aに支持されたブ
ーム12aを移動してロックボルト5の先端をボアホー
ル4の口元に対向位置決めする。しかる後、ブーム13
aをA矢印方向に移動することによりロックボルト5を
ボアホール4へ挿入すると共に、回転打撃部11aによ
りシャンク11bを回転し、これによりロックボルト5
を回転しながら定着材を混練圧送ポンプ14より注入ホ
ース15を介して注入する。以後、注入式ロックボルト
5の挿入/回転/定着材の注入をロックボルトがボアホ
ールの穴底に到達するまで行えば、第1実施例によるロ
ックボルトの施工を行うことができる。尚、ロックボル
ト5の挿入完了後に回転/定着材注入を行う方法をとれ
ば、ロックボルト打設機11により、第2実施例のロッ
クボルト施工も出来る。また、全く同様の機械により、
第3実施例の施工も可能である。
【0022】以上、穿孔機械にロックボルトをセットす
るだけで、以後、ロックボルトのボアホールへの挿入
と、定着材の注入開始から完了までの作業を全てを一工
程で行なうことができ、ロックボルトの施工作業性を向
上することができる。すなわち、従来はロックボルト打
設と定着材注入を別工程で行っており、作業効率が悪い
問題があったが、本発明によれば、作業性を向上でき
る。以上のように定着材注入中にロックボルト5を支持
して施工面に押し付ける機能があれば上向きのロックボ
ルトであっても高粘性の定着材の充填によってロックボ
ルトの落下防止は生じないため、スペーサーに落下防止
機能は不要となる。
【0023】(E)ロックボルトの構成 図5は本発明の注入式ロックボルト施工方法に適用でき
る各種中空型ロックボルトの一部破断図である。ロック
ボルトは鋼鉄製であり、中空部の径は14mm以上が好まし
い。(a)はロックボルトの表面全体にネジが切られた
もの(全ネジロックボルト)、(b)はロックボルトの
表面に断続的にネジが切られたもの(一部ネジロックボ
ルト)、(c)はロックボルトの表面全体あるいは一部
に転造ネジが形成され、内側にも凹凸が形成されたもの
(転造ネジロックボルト)、(d)はロックボルトの表
面全体あるいは一部に凹凸が形成されたもの(異形中空
ロックボルト)、(e)はパイプを複数箇所で縦、横に
つぶして凹凸を形成した潰しパイプロックボルトであ
る。尚、(f)は(e)のb矢視図である。以上のよう
に、ロックボルトの表面全長または一部にネジ部あるい
は異形部あるいは凹凸部を設けることにより、ボアホー
ル内において定着材をロックボルトにより強固に付着す
ることができる。
【0024】(F)ロックボルトの先端部の形状 図6は使用するロックボルト先端部の各種形状説明図で
あり、5はロックボルト、5aは中空部である(a)は
ロックボルト先端部に先端貫通孔(中空部)を覆うように
円錐状の傘部21を設けたものであり、傘部21を設け
ることにより、粘土や砂層等の軟弱地山の場合に定着材
噴出口(先端貫通孔)の閉塞を防ぐと共にロックボルトを
ボアホールの中心付近に位置決めできる利点がある。
(b)はロックボルト先端を円錐状に形成したもので、
中空部5aは貫通しておらず、先端部に中空部5aと連
通する複数の孔22が設けられ、該孔より定着材が噴出
するようになっている。この鉛筆型ロックボルトは、岩
盤で穴荒れがある場合に挿入や打込を容易にできる利点
がある。尚、孔22は先端部より20cm以内の位置に設け
ることが好ましく、孔の直径はφ5mm以上が好ましい。
【0025】(c)は先端に何も設けない、ずん胴タイ
プのロックボルトであり、安価である利点があり、孔壁
が全く荒れていない場合で、粘土や砂層がなく、挿入時
に中空部が閉塞する危険のない場合に好適である。
(d)は(a)の傘形の変形例であり、ロックボルト先
端に嵌め込み可能な円錐状キャップ23を設けたもので
あり、ロックボルトの中空部5aと連通する定着材噴出
用の横孔23aを有している。このキャップ型ロックボ
ルトによれば、先端がつぶれにくいので、崩れたボアホ
ールへの挿入を円滑にできる利点がある。尚、孔23a
は先端部より20cm以内の位置に設けることが好ましく、
孔の直径はφ5mm以上が好ましい。
【0026】傘型、キャップ型には、スペーサー機能が
あるために、ロックボルトをボアホール中心部に位置さ
せることが容易に出来、また、これにより定着材の充填
をより確実なものとすることができる。なお、通常、ロ
ックボルトに付ける何らかのスペーサーは、穴荒れが激
しい場合等にロックボルトの挿入の障害となったり、岩
盤との擦れにより脱落、破損の懸念があるが、本発明の
傘型、キャップ型ロックボルトによれば、そうしたこと
がない。以上、本発明を実施例により説明したが、本発
明は請求の範囲に記載した本発明の主旨に従い種々の変
形が可能であり、本発明はこれらを排除するものではな
い。
【0027】
【発明の効果】以上本発明によれば、ロックボルトを回
転しながら定着材を注入するようにしたから、定着材の
挿入抵抗がない状態でロックボルトの挿入、あるいは機
械打ち込みができロックボルト挿入の確実性を高めるこ
とができ、しかも、定着材充填を確実におこなうことが
できる。また、本発明によれば、注入ホースのような腰
の弱い材料を孔底まで挿入する苦渋作業が不要となり、
注入作業は「開始前にボルト後端部に注入ホースを接
続、終了後取はずし」という単純作業となり、作業性を
向上できる。また、本発明によれば、ロックボルトの先
端から粘度の高い定着材を吐出させることができるの
で、上向きの場合でもロックボルト全長にわたり、確実
に定着材を密実充填することができる。
【0028】また、本発明によれば、硬い定着材であっ
ても好適に注入充填することが出来るので、垂直上向き
の場合でも定着材の粘度をテーブルフローで140〜2
00mm程度にして、これにより口元シールを不要とす
ることが出来(この位硬いと垂れてこない)、注入後の
リーク(逸走)の危険性をなくすことができる。また、
本発明によれば、水平あるいは水平より上向きの場合に
おいて、定着材の粘度をテーブルフローで200〜23
0mm程度にして、口元のシールを不要とすることが出
来、また、注入後のリーク(逸走)発生を防止出来る。
本発明によれば、水平より下向きの場合には、クラック
が予想されなければ流動性の良い状態で施工し、リーク
等が発生する様であれば、新たな追加部品なしに定着材
の粘度を高める事で対応することができる。また、あら
かじめクラックが予想されていればテーブルフロー20
0〜250mmの粘度の定着材を注入すれば良い。
【0029】本発明によれば、ボアホール口元のシール
や注入ホースのボアホール内への挿入及び引き抜きとい
った面倒で手間のかかる作業がなく、注入作業は全てロ
ックボルトの後端部分だけで行なう事ができるため、機
械化も非常に容易で、簡単に省力化が可能となる。本発
明によれば、孔壁が崩れていたり、穿孔時のスライムが
完全に排出されていない状況でロックボルトがボアホー
ル内に偏って挿入され、一部が孔壁に接触しているよう
な場合でも、定着材が確実にボルトの周囲に回り、全長
に渡り確実に定着を行うことができる。
【0030】また、本発明によれば、ロックボルトは、
その表面全長または一部に、ネジ部あるいは異形部を
えた構成としているため、ロックボルトに対する定着材
の付着性をより強固に行うことができる。また、本発明
によれば、ロックボルトの先端部に鉛筆型の円錐状コー
ンを取り付けたことにより、岩盤で穴荒れがある場合に
挿入や打込を容易にし、かつ岩片で中空部先端が閉塞す
るのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の注入式ロックボルトの第1の施工方法
説明図である。
【図2】本発明の注入式ロックボルトの第2の施工方法
説明図である。
【図3】本発明の注入式ロックボルトの第3の施工方法
説明図である。
【図4】穿孔機械の構成図である。
【図5】中空型ロックボルトの各種構造図である。
【図6】ロックボルトの各種先端部形状説明図である。
【図7】従来の後注入ロックボルトの施工方法説明図で
ある。
【符号の説明】
1・・トンネル 3・・地山 4・・ボアホール 5・・ロックボルト 5a・・中空部 6・・定着材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 20/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空型ロックボルトの後端部よりロック
    ボルトの中空部を介して定着材を注入し、先端部より定
    着材を噴出させてボアホールを充填してロックボルトを
    地山に定着する注入式ロックボルトの施工方法におい
    て、 地山にボアホールを穿孔し、 中空型ロックボルトをボアホールに挿入し、挿入完了
    後、ロックボルトを回転させながら後端部よりロックボ
    ルトの中空部を介して低流動性の定着材を注入し、ある
    いは、中空型ロックボルトを回転させながらボアホール
    に挿入し、回転/挿入と並行してロックボルトの後端部
    より中空部を介して低流動性の定着材を注入し、 先端部より定着材を噴出させてボアホールを充填して
    ロックボルトを地山に定着することを特徴とするロック
    ボルト施工方法。
  2. 【請求項2】 中空型ロックボルトの後端部よりロック
    ボルトの中空部を介して定着材を注入し、先端部より定
    着材を噴出させてボアホールを充填してロックボルトを
    地山に定着する注入式ロックボルトの施工方法におい
    て、 前記ロックボルトを、先端にビットを有する穿孔用ロッ
    クボルトとし、ビットでボアホールの穿孔を行いながら
    ロックボルトを該ボアホールに挿入し、 穿孔完了後、 ロックボルトを回転しながら後端部より中
    空部を介して低流動性の定着材を注入し、 先端部より定着材を噴出させてボアホールを充填して
    ロックボルトを地山に定着することを特徴とするロック
    ボルト施工方法。
  3. 【請求項3】 前記定着材はテーブルフロー140mm
    以上のコンシステンシーを有する低流動性のセメントミ
    ルクまたはモルタルである請求項1または請求項2記載
    のロックボルト施工方法。
  4. 【請求項4】 前記ロックボルトは、その表面全長また
    は一部に、ネジ部あるいは異形部を備えていることを特
    徴とする請求項1または請求項2記載の記載のロックボ
    ルト施工方法。
  5. 【請求項5】 ロックボルトの先端部に鉛筆型の円錐状
    コーンを設けたことを特徴とする請求項1記載のロック
    ボルト施工方法。
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