JP3099726U - プラスチック製容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】プラスチック容器の品質を低下させることなく、製造コストを低減化する。内容物量を容器外部から確認できるようにして利便性の向上を図る。
【解決手段】従来のプラスチック容器の厚さと略同一のまま、外層部分10を廃棄対象プラスチックとバージンプラスチック、内層部分20を透明なバージンプラスチックで成形した二層構造のプラスチック製容器1とした。外層部分10と内層部分20のプラスチックの材質は同一である。外層部分10には廃棄対象プラスチックを用いているので、コストダウンを図ることができる。内層部分20はバージンプラスチックなので、耐久性に優れ内容物を汚染することがない。外層部分10と内層部分20はブロー成形によって一体化し、同一材質なので接合性が良い。透明な内層部分20の一部が外層部分10に露出して内容物視認用の窓20aが形成され、容器1の外部から内容物量を確認することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】従来のプラスチック容器の厚さと略同一のまま、外層部分10を廃棄対象プラスチックとバージンプラスチック、内層部分20を透明なバージンプラスチックで成形した二層構造のプラスチック製容器1とした。外層部分10と内層部分20のプラスチックの材質は同一である。外層部分10には廃棄対象プラスチックを用いているので、コストダウンを図ることができる。内層部分20はバージンプラスチックなので、耐久性に優れ内容物を汚染することがない。外層部分10と内層部分20はブロー成形によって一体化し、同一材質なので接合性が良い。透明な内層部分20の一部が外層部分10に露出して内容物視認用の窓20aが形成され、容器1の外部から内容物量を確認することができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、プラスチック製容器に関し、特に内層体にバージンプラスチック製のものを用い(廃棄対象プラスチックを用いない)、かつ外層体には廃棄対象プラスチック製のものを用いて、容器全体の品質を低下させることなくその製造コストの低減化を図ったプラスチック製容器に関する。
【0002】
なお、本明細書では、廃棄の対象となりえる任意の状態のプラスチックを「廃棄対象プラスチック」という。
【0003】
この廃棄対象プラスチックには、例えば、
・各種プラスチック製品の製造過程で生じるバリ,残渣などの不要部分
・使用済みの各種プラスチック製品
・品質が基準以下で製品化には適さない成形材料(各種の添加剤,改質剤が加えられた状態のペレット)などが該当する。
【0004】
また、少なくとも、レジン(合成樹脂)に各種の添加剤,改質剤が加えられた成形材料(ペレット)やそれを加工した製品などを「プラスチック」という。
【0005】
また、プラスチック製容器の開口部側を「上」といい、底面部側を「下」という。
【0006】
【従来の技術】
従来、自動車,オートバイ用のエンジンオイルや化学合成された溶液などを収納する容器にはプラスチック製容器,金属製容器などが用いられている。
【0007】
図4に示すように、一般的なプラスチック製容器2はプラスチックのブロー成形により製造された単層構造のものである。
【0008】
ここで、バージンプラスチックのみを用いてプラスチック製容器2を成形すると品質は良いもののコストが高くなる。
【0009】
一方、廃棄対象プラスチックのみを用いてプラスチック製容器2を成形すると低コストだが、再加工時の熱処理により密度不足になりポーラスや亀裂が生じて内容物が漏洩する可能性があり、また内容物を汚染することがある。
【0010】
なお、廃棄対象プラスチックを用いた多層構造のプラスチック製容器としては、表面光沢を有する外層部分と落下衝撃強度に優れた内層部分、およびこれらの中間層部分としての廃棄対象プラスチック層からなるものがある(例えば特許文献1参照。)。
【0011】
【特許文献1】
特開2003−94539
【0012】
【考案が解決しようとする課題】
このように、プラスチック製容器をバージンプラスチックのみを用いて成形するとその製品コストが高くなり、廃棄対象プラスチックのみを用いて成形すると品質の低下を招くという問題点があった。
【0013】
そこで、本考案では、(廃棄対象プラスチックを含まない)バージンプラスチック製の容器内層体と、廃棄対象プラスチック製の容器外層体とからなり、低コストでありながら耐久性に優れ、また内容物を汚染することのないプラスチック製容器を提供することを目的とする。
【0014】
また、廃棄対象プラスチックを積極的に再利用することによって資源を有効に利用し、ひいては環境保護を図ることを目的とする。
【0015】
また、内層体を透明プラスチック状のものにしてこの一部が外層体に露出したかたちの内容物量確認用の窓部を設け、容器の外部から内容物量を確認できるようにすることを目的とする。なお、「透明」とは、少なくとも容器に収納した内容物を外部から確認できる程度の意である。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本考案はこの課題を次のようにして解決する。
(1)内容物収納空間を形成する内層体(例えば後述の内層部分20)、およびこれと一体で外部空間側の外層体(例えば後述の外層部分10)からなるプラスチック製容器(例えば後述のプラスチック製容器1)において、前記内層体を、廃棄対象プラスチックを含むことなしに、バージンプラスチックを成形したもので構成し、前記外層体を、少なくとも前記廃棄対象プラスチックを成形したもので構成する。
(2)上記(1)において、前記内層体として透明なものを用い、その一部が内容物量確認用の窓部(例えば後述の窓20a)として外部空間側に露出した態様にする。
(3)上記(2)において、前記窓部を上下方向に設ける。
(4)上記(1)〜(3)において、前記内層体および前記外層体をそれぞれ形成するレジン(合成樹脂)を同一種別(例えばHDPE)のものとする。
【0017】
本考案では、このように、内容物収納空間を形成する内層体をバージンプラスチックで成形して廃棄対象プラスチックが含まれないものとし、外部空間側の外層体を少なくとも廃棄対象プラスチックで成形し、これにより品質を低下させることなく製造コストの低減化を図っている。
【0018】
また、廃棄対象プラスチックを積極的に再利用することにより資源の有効利用を図っている。
【0019】
また、内容物量確認用の透明窓部を設けて容器の外部から内容物量を確認できるようにし、これにより容器利用者の利便性の向上を図っている。
【0020】
また、内層体のレジンと外層体のレジンとを同一種別のものとし、これにより両者の接合性の向上を図っている。
【0021】
【考案の実施の形態】
図1乃至図3を用いて、本考案の実施の形態を説明する。
図1は二層構造のプラスチック製容器の外観形状、図2は図1の容器の上下方向の断面図、図3は図1の容器の左右方向の断面図をそれぞれ示している。
【0022】
これらの図において、
1は二層構造のプラスチック製容器,1aは開口部,1bは当該容器を手で持つときに指の掛りが良いように形成された凹状部,1cは当該凹状部に形成された凸状のスリップ止め,1dは内容物収納空間,
10は廃棄対象プラスチックとバージンプラスチックの混合物からなる外層部分,10aは当該外層部分に形成された部分で内容物量確認用の窓20aに対応する縦孔,
20は透明のバージンプラスチックのみからなる内層部分,20aは当該内層部分の一部であって外層部分10の縦孔10aに成形された内容物量確認用の上下方向の窓
をそれぞれ示している。
【0023】
プラスチック製容器1は、その厚さが従来の単層構造のプラスチック製容器と略同一の二層構造となっている。そして、外部空間側の外層部分10は廃棄対象プラスチックおよびバージンプラスチックで構成され、内容物収納空間1d側の内層部分20にはバージンプラスチックのみで(=廃棄対象プラスチックを含まずに)構成されている。なお、外層部分10を廃棄対象プラスチックのみで構成してもよいことは勿論である。
【0024】
ここで、プラスチック製容器1の外層部分10および内層部分20を構成するレジン(樹脂)は、HDPE,PET,PP,LDPE,PS,PVCなどである。なお、外層部分10と内層部分20の接合状態を良くするため、両者の層部分はともに同一種別(材質)のレジンを用いることが好ましい。
【0025】
外層部分10における廃棄対象プラスチックとバージンプラスチックも同一種別のレジンのものが好ましい。
【0026】
外層部分10および内層部分20それぞれの厚さの比率は、望ましくは1:3〜3:1である。
【0027】
プラスチック製容器1の構成要素の材質やサイズ割合の一例として、
・廃棄対象プラスチックおよびバージンプラスチックは可塑剤,充填剤,安定剤などを含んだHDPEであり(以下の説明では、必要に応じてそれぞれ「廃棄対象HDPE」,「バージンHDPE」という。)、
・内層部分20は透明なバージンHDPEであり、
・外層部分10および内層部分20の厚みの比率は1:1である、
ことがあげられる。
【0028】
図1乃至図3に示すように、二層構造のプラスチック製容器1は、透明な内層部分20の一部が外層部分10の縦孔10aに入り込み、内容物量確認用の窓20aが外層部分10と略同一面になるかたちで一体化している。
【0029】
外層部分10は、顔料で着色されている。外層部分を廃棄対象プラスチックで構成することにより、プラスチック資源の有効利用を図るとともに、バージンプラスチックの使用量を少なくした分の製造コストの低減化を図っている。
【0030】
一方、内層部分20は透明なバージンHDPEで構成され、廃棄対象プラスチックは含まれていないので、ポーラスや亀裂が生じたりこの内層部分に直接触れる内容物が変質するといったことはない。
【0031】
そして、内容物確認用の窓20aにより、プラスチック製容器1の外部から内容物量を簡単に確認することができる。
【0032】
外層部分10および内層部分20を構成するレジンは同一の材質なので、両者はブロー成形で確実に接合され、これにより外層部分10は内層部分20により補強されるかたちとなるので、廃棄対象プラスチックを用いて成形した容器に発生するポーラスや亀裂などの発生が抑制される。
【0033】
外層部分10と内層部分20との二層構造の製造に際してはブロー成形技術などを用いる。
【0034】
ブロー成形の場合、概略、
(1) 押出機で、廃棄対象HDPEおよびバージンHDPEの混合物(外層)と透明なバージンHDPE(内層)とからなる樹脂を押し出して、(縦孔10aを持つ形の)いわば二層構造のパリソンを作成し、
(2) このパリソンを容器対応形状の金型で挟んでから、当該パリソンの中に圧縮空気を吹き込んで成形する、
ことになる。
【0035】
種々の顔料を添加することによって外層部分10を着色できるが、そこで用いる廃棄対象HDPEのペレットがすでに所望の色の場合には、顔料を新たに添加しなくてもよい。
【0036】
外層部分10を廃棄対象プラスチックのみで構成してもよく、また、外層部分10および内層部分20を所望の新たな性状(廃棄対象プラスチックなどからは得られない性状)にするため、廃棄対象プラスチックやバージンプラスチックにさらに各種の添加剤や改質剤を混合するようにしてもよい。
【0037】
【考案の効果】
本考案では、このように、内容物収納空間を形成する内層体をバージンプラスチックで成形して廃棄対象プラスチックが含まれないものとし、外部空間側の外層体を少なくとも廃棄対象プラスチックで成形しているので、低コストでありながら耐久性に優れ、かつ内容物を汚染することのないプラスチック製容器を提供することができる。
【0038】
また、廃棄対象プラスチックを積極的に再利用しているので、資源の有効利用を図って環境保護に貢献するることができる。
【0039】
また、内容物量確認用の透明窓部を設けて容器の外部から内容物量を確認できるようにしているので、容器利用者の利便性の向上を図ることができる。
【0040】
また、内層体のレジンと外層体のレジンとを同一種別のものとしているので、両者の接合性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の、二層構造のプラスチック製容器の外観形状を示す説明図である。
【図2】本考案の、二層構造のプラスチック製容器の上下方向の断面図である。
【図3】本考案の、二層構造のプラスチック製容器の左右方向の断面図である。
【図4】従来の、単層構造のプラスチック製容器の上下方向の断面図である。
【符号の説明】
1:二層構造のプラスチック製容器
1a:開口部
1b:凹状部
1c:スリップ止め
1d:内容物収納空間
10:外層部分
10a:縦孔
20:内層部分
20a:内容物量確認用の窓
2:単層構造のプラスチック製容器
【考案の属する技術分野】
本考案は、プラスチック製容器に関し、特に内層体にバージンプラスチック製のものを用い(廃棄対象プラスチックを用いない)、かつ外層体には廃棄対象プラスチック製のものを用いて、容器全体の品質を低下させることなくその製造コストの低減化を図ったプラスチック製容器に関する。
【0002】
なお、本明細書では、廃棄の対象となりえる任意の状態のプラスチックを「廃棄対象プラスチック」という。
【0003】
この廃棄対象プラスチックには、例えば、
・各種プラスチック製品の製造過程で生じるバリ,残渣などの不要部分
・使用済みの各種プラスチック製品
・品質が基準以下で製品化には適さない成形材料(各種の添加剤,改質剤が加えられた状態のペレット)などが該当する。
【0004】
また、少なくとも、レジン(合成樹脂)に各種の添加剤,改質剤が加えられた成形材料(ペレット)やそれを加工した製品などを「プラスチック」という。
【0005】
また、プラスチック製容器の開口部側を「上」といい、底面部側を「下」という。
【0006】
【従来の技術】
従来、自動車,オートバイ用のエンジンオイルや化学合成された溶液などを収納する容器にはプラスチック製容器,金属製容器などが用いられている。
【0007】
図4に示すように、一般的なプラスチック製容器2はプラスチックのブロー成形により製造された単層構造のものである。
【0008】
ここで、バージンプラスチックのみを用いてプラスチック製容器2を成形すると品質は良いもののコストが高くなる。
【0009】
一方、廃棄対象プラスチックのみを用いてプラスチック製容器2を成形すると低コストだが、再加工時の熱処理により密度不足になりポーラスや亀裂が生じて内容物が漏洩する可能性があり、また内容物を汚染することがある。
【0010】
なお、廃棄対象プラスチックを用いた多層構造のプラスチック製容器としては、表面光沢を有する外層部分と落下衝撃強度に優れた内層部分、およびこれらの中間層部分としての廃棄対象プラスチック層からなるものがある(例えば特許文献1参照。)。
【0011】
【特許文献1】
特開2003−94539
【0012】
【考案が解決しようとする課題】
このように、プラスチック製容器をバージンプラスチックのみを用いて成形するとその製品コストが高くなり、廃棄対象プラスチックのみを用いて成形すると品質の低下を招くという問題点があった。
【0013】
そこで、本考案では、(廃棄対象プラスチックを含まない)バージンプラスチック製の容器内層体と、廃棄対象プラスチック製の容器外層体とからなり、低コストでありながら耐久性に優れ、また内容物を汚染することのないプラスチック製容器を提供することを目的とする。
【0014】
また、廃棄対象プラスチックを積極的に再利用することによって資源を有効に利用し、ひいては環境保護を図ることを目的とする。
【0015】
また、内層体を透明プラスチック状のものにしてこの一部が外層体に露出したかたちの内容物量確認用の窓部を設け、容器の外部から内容物量を確認できるようにすることを目的とする。なお、「透明」とは、少なくとも容器に収納した内容物を外部から確認できる程度の意である。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本考案はこの課題を次のようにして解決する。
(1)内容物収納空間を形成する内層体(例えば後述の内層部分20)、およびこれと一体で外部空間側の外層体(例えば後述の外層部分10)からなるプラスチック製容器(例えば後述のプラスチック製容器1)において、前記内層体を、廃棄対象プラスチックを含むことなしに、バージンプラスチックを成形したもので構成し、前記外層体を、少なくとも前記廃棄対象プラスチックを成形したもので構成する。
(2)上記(1)において、前記内層体として透明なものを用い、その一部が内容物量確認用の窓部(例えば後述の窓20a)として外部空間側に露出した態様にする。
(3)上記(2)において、前記窓部を上下方向に設ける。
(4)上記(1)〜(3)において、前記内層体および前記外層体をそれぞれ形成するレジン(合成樹脂)を同一種別(例えばHDPE)のものとする。
【0017】
本考案では、このように、内容物収納空間を形成する内層体をバージンプラスチックで成形して廃棄対象プラスチックが含まれないものとし、外部空間側の外層体を少なくとも廃棄対象プラスチックで成形し、これにより品質を低下させることなく製造コストの低減化を図っている。
【0018】
また、廃棄対象プラスチックを積極的に再利用することにより資源の有効利用を図っている。
【0019】
また、内容物量確認用の透明窓部を設けて容器の外部から内容物量を確認できるようにし、これにより容器利用者の利便性の向上を図っている。
【0020】
また、内層体のレジンと外層体のレジンとを同一種別のものとし、これにより両者の接合性の向上を図っている。
【0021】
【考案の実施の形態】
図1乃至図3を用いて、本考案の実施の形態を説明する。
図1は二層構造のプラスチック製容器の外観形状、図2は図1の容器の上下方向の断面図、図3は図1の容器の左右方向の断面図をそれぞれ示している。
【0022】
これらの図において、
1は二層構造のプラスチック製容器,1aは開口部,1bは当該容器を手で持つときに指の掛りが良いように形成された凹状部,1cは当該凹状部に形成された凸状のスリップ止め,1dは内容物収納空間,
10は廃棄対象プラスチックとバージンプラスチックの混合物からなる外層部分,10aは当該外層部分に形成された部分で内容物量確認用の窓20aに対応する縦孔,
20は透明のバージンプラスチックのみからなる内層部分,20aは当該内層部分の一部であって外層部分10の縦孔10aに成形された内容物量確認用の上下方向の窓
をそれぞれ示している。
【0023】
プラスチック製容器1は、その厚さが従来の単層構造のプラスチック製容器と略同一の二層構造となっている。そして、外部空間側の外層部分10は廃棄対象プラスチックおよびバージンプラスチックで構成され、内容物収納空間1d側の内層部分20にはバージンプラスチックのみで(=廃棄対象プラスチックを含まずに)構成されている。なお、外層部分10を廃棄対象プラスチックのみで構成してもよいことは勿論である。
【0024】
ここで、プラスチック製容器1の外層部分10および内層部分20を構成するレジン(樹脂)は、HDPE,PET,PP,LDPE,PS,PVCなどである。なお、外層部分10と内層部分20の接合状態を良くするため、両者の層部分はともに同一種別(材質)のレジンを用いることが好ましい。
【0025】
外層部分10における廃棄対象プラスチックとバージンプラスチックも同一種別のレジンのものが好ましい。
【0026】
外層部分10および内層部分20それぞれの厚さの比率は、望ましくは1:3〜3:1である。
【0027】
プラスチック製容器1の構成要素の材質やサイズ割合の一例として、
・廃棄対象プラスチックおよびバージンプラスチックは可塑剤,充填剤,安定剤などを含んだHDPEであり(以下の説明では、必要に応じてそれぞれ「廃棄対象HDPE」,「バージンHDPE」という。)、
・内層部分20は透明なバージンHDPEであり、
・外層部分10および内層部分20の厚みの比率は1:1である、
ことがあげられる。
【0028】
図1乃至図3に示すように、二層構造のプラスチック製容器1は、透明な内層部分20の一部が外層部分10の縦孔10aに入り込み、内容物量確認用の窓20aが外層部分10と略同一面になるかたちで一体化している。
【0029】
外層部分10は、顔料で着色されている。外層部分を廃棄対象プラスチックで構成することにより、プラスチック資源の有効利用を図るとともに、バージンプラスチックの使用量を少なくした分の製造コストの低減化を図っている。
【0030】
一方、内層部分20は透明なバージンHDPEで構成され、廃棄対象プラスチックは含まれていないので、ポーラスや亀裂が生じたりこの内層部分に直接触れる内容物が変質するといったことはない。
【0031】
そして、内容物確認用の窓20aにより、プラスチック製容器1の外部から内容物量を簡単に確認することができる。
【0032】
外層部分10および内層部分20を構成するレジンは同一の材質なので、両者はブロー成形で確実に接合され、これにより外層部分10は内層部分20により補強されるかたちとなるので、廃棄対象プラスチックを用いて成形した容器に発生するポーラスや亀裂などの発生が抑制される。
【0033】
外層部分10と内層部分20との二層構造の製造に際してはブロー成形技術などを用いる。
【0034】
ブロー成形の場合、概略、
(1) 押出機で、廃棄対象HDPEおよびバージンHDPEの混合物(外層)と透明なバージンHDPE(内層)とからなる樹脂を押し出して、(縦孔10aを持つ形の)いわば二層構造のパリソンを作成し、
(2) このパリソンを容器対応形状の金型で挟んでから、当該パリソンの中に圧縮空気を吹き込んで成形する、
ことになる。
【0035】
種々の顔料を添加することによって外層部分10を着色できるが、そこで用いる廃棄対象HDPEのペレットがすでに所望の色の場合には、顔料を新たに添加しなくてもよい。
【0036】
外層部分10を廃棄対象プラスチックのみで構成してもよく、また、外層部分10および内層部分20を所望の新たな性状(廃棄対象プラスチックなどからは得られない性状)にするため、廃棄対象プラスチックやバージンプラスチックにさらに各種の添加剤や改質剤を混合するようにしてもよい。
【0037】
【考案の効果】
本考案では、このように、内容物収納空間を形成する内層体をバージンプラスチックで成形して廃棄対象プラスチックが含まれないものとし、外部空間側の外層体を少なくとも廃棄対象プラスチックで成形しているので、低コストでありながら耐久性に優れ、かつ内容物を汚染することのないプラスチック製容器を提供することができる。
【0038】
また、廃棄対象プラスチックを積極的に再利用しているので、資源の有効利用を図って環境保護に貢献するることができる。
【0039】
また、内容物量確認用の透明窓部を設けて容器の外部から内容物量を確認できるようにしているので、容器利用者の利便性の向上を図ることができる。
【0040】
また、内層体のレジンと外層体のレジンとを同一種別のものとしているので、両者の接合性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の、二層構造のプラスチック製容器の外観形状を示す説明図である。
【図2】本考案の、二層構造のプラスチック製容器の上下方向の断面図である。
【図3】本考案の、二層構造のプラスチック製容器の左右方向の断面図である。
【図4】従来の、単層構造のプラスチック製容器の上下方向の断面図である。
【符号の説明】
1:二層構造のプラスチック製容器
1a:開口部
1b:凹状部
1c:スリップ止め
1d:内容物収納空間
10:外層部分
10a:縦孔
20:内層部分
20a:内容物量確認用の窓
2:単層構造のプラスチック製容器
Claims (6)
- 内容物収納空間を形成する内層体、およびこれと一体で外部空間側の外層体からなるプラスチック製容器において、
前記内層体が、廃棄対象プラスチックを含むことなしに、バージンプラスチックを成形したものであり、
前記外層体が、少なくとも廃棄対象プラスチックを成形したものである、
ことを特徴とするプラスチック製容器。 - 前記内層体として透明なものを用い、その一部が内容物確認用の窓部の形で外部空間側に露出している、
ことを特徴とする請求項1記載のプラスチック製容器。 - 前記窓部を容器の上下方向に形成した、
ことを特徴とする請求項2記載のプラスチック製容器。 - 前記内層体および前記外層体をそれぞれ形成するレジンがともに同一種別のものである、
ことを特徴とする請求項1記載のプラスチック製容器。 - 前記内層体および前記外層体をそれぞれ形成するレジンがともに同一種別のものである、
ことを特徴とする請求項2記載のプラスチック製容器。 - 前記内層体および前記外層体をそれぞれ形成するレジンがともに同一種別のものである、
ことを特徴とする請求項3記載のプラスチック製容器。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
TW91216642U TWM241356U (en) | 2002-10-18 | 2002-10-18 | Improved structure for environmental-friendly plastic container |
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Publication Number | Publication Date |
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JP3099726U true JP3099726U (ja) | 2004-04-15 |
Family
ID=34075839
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003003883U Expired - Lifetime JP3099726U (ja) | 2002-10-18 | 2003-06-30 | プラスチック製容器 |
Country Status (2)
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JP (1) | JP3099726U (ja) |
TW (1) | TWM241356U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009057072A (ja) * | 2007-08-31 | 2009-03-19 | Yoshino Kogyosho Co Ltd | 窓付き容器とその成形方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114683595A (zh) * | 2020-12-28 | 2022-07-01 | 华景微纳科技(苏州)有限公司 | 一种废旧hdpe材料回收再利用制造容器的方法 |
-
2002
- 2002-10-18 TW TW91216642U patent/TWM241356U/zh not_active IP Right Cessation
-
2003
- 2003-06-30 JP JP2003003883U patent/JP3099726U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
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JP2009057072A (ja) * | 2007-08-31 | 2009-03-19 | Yoshino Kogyosho Co Ltd | 窓付き容器とその成形方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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TWM241356U (en) | 2004-08-21 |
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