JP3097418B2

JP3097418B2 - 記録媒体の再生装置

Info

Publication number: JP3097418B2
Application number: JP05270351A
Authority: JP
Inventors: 昌純吉田; 純二町田; 馨古澤
Original assignee: ミノルタ株式会社
Priority date: 1993-10-28
Filing date: 1993-10-28
Publication date: 2000-10-10
Anticipated expiration: 2015-10-10
Also published as: JPH07121070A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複写機やプリンタなど
の画像形成装置で画像印刷された紙などの記録媒体から
印刷材料を除去して記録媒体を再生する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、複写機等の画像形成装置で画像印
刷された記録紙からトナーを除去する再生装置として、
記録紙を湿式現像剤の分散剤に浸漬してトナー像を遊離
させるものが、特開平５−１７３４５４号公報で開示さ
れている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記再
生装置では、上記分散剤の状態を管理していないため、
分散剤の量や組成が変化した状態で再生装置を稼働する
と、記録紙の再生状態が悪化したり、再生装置が故障し
たりするという問題点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記技術的課題
を解消し、新規な再生装置を提供することを目的として
なされたもので、画像が印刷された記録媒体から印刷材
料を除去する第１の形態の再生装置は、クリーニング液
を記録媒体に適用して印刷材料を除去する除去手段と、
上記クリーニング液の互いに異なる２つの状態を検出す
る検出手段と、該検出手段の２つの検出結果に応じて上
記クリーニング液の状態をそれぞれ異なる方法で制御す
る制御手段とを有することを特徴とする。本発明の第２
の形態の再生装置は、クリーニング液を記録媒体に適用
して印刷材料を除去する除去手段と、上記クリーニング
液の互いに異なる２つの状態を検出する検出手段と、該
検出手段の２つの検出結果に応じて互いに異なる液体を
上記クリーニング液に補充する補充手段とを設けたこと
を特徴とする。本発明の第２の形態において、上記補充
手段は、異なる液体として補充用クリーニング液と水を
上記クリーニング液に補充することを特徴とする。ま
た、本発明の第２の形態において、上記検出手段は、ク
リーニング液量の減少、クリーニング液中の水分量の減
少を検出することを特徴とする。さらに、本発明の第２
の形態において、上記補給手段は、上記検出手段がクリ
ーニング液量の減少を検出した際に補充用クリーニング
液を補給し、上記クリーニング液中の水分量の減少を検
出した際に水を補給することを特徴とする。さらにま
た、本発明の第２の形態は更に、クリーニング効率の低
下を検出する検出手段と、クリーニング液の原液を補充
する補給手段とを設け、クリーニング効率の低下を検出
した際に、上記クリーニング液の原液を補充することを
特徴とする。

【０００５】

【作用および効果】上記再生装置では、画像が印刷され
た記録媒体に対して、クリーニング液が適用される。こ
の適用方法は、浸漬、塗布のいずれの方法によってもよ
い。上記クリーニング液の適用された印刷材料は膨潤
し、除去手段によって記録媒体から除去される。

【０００６】一方、検出手段はクリーニング液の状態を
検出し、制御手段が検出結果に応じてクリーニング液を
制御する。具体的に、クリーニング液の量が少なくなれ
ば、このクリーニング液が補充される。また、クリーニ
ング液の組成が変化すれば、必要な成分がクリーニング
液に補充されて適性状態に保たれる。

【０００７】したがって、上記クリーニング液は、常に
一定の状態に維持され、記録媒体上の印刷材料が適正に
除去される。

【０００８】

【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例に
ついて説明する。図１は、画像が印刷された紙やＯＨＰ
フィルムなどの記録媒体１００からトナーのような印刷
材料１０１を除去し、記録媒体１００を再利用可能な状
態に再生する装置の概略断面図である。この再生装置１
は、記録媒体１００を供給する自動供給装置２と、記録
媒体１００から印刷材料１０１を除去する湿式クリーナ
３と、印刷材料が除去された記録媒体を乾燥して再利用
可能な状態で排出するドライヤ４と、印刷材料が除去さ
れた記録媒体１００を収容する排出部５とで構成されて
いる。また、上記再生装置１の上部には表示部６が設け
られ、後述するクリーニング液１０等の情報が表示され
る。

【０００９】自動供給装置２は、上部が開放された箱型
ケース７と、この箱型ケース７の上部に配置される供給
ローラ８とからなり、箱型ケース７に装入された記録媒
体１００を供給ローラ８の回転によりクリーナ３に送り
出している。

【００１０】クリーナ３の構成は図２に示してあり、箱
形容器からなるクリーニング室９における装入側の壁１
１と排出側の壁１２にはそれぞれ水平方向に伸びる開口
部１３，１４が形成され、装入側の開口部１３近傍には
ローラ式搬送装置１５が配置され、排出側の開口部１４
近傍にはゴムなどの弾性材を外周部に有する一対のロー
ラからなる圧搾ローラ式搬送装置１６が配置され、それ
ぞれの搬送装置１５，１６のローラが図示しない駆動源
により図示する方向に回転するようにしてある。また、
搬送装置１５，１６の側部には、それぞれクリーニング
効率検出センサＳ１，Ｓ２が配置されている。

【００１１】これらクリーニング効率検出センサＳ１，
Ｓ２は光学式センサで、クリーニング室９に導入される
記録部材１００とクリーニング室９から排出される記録
部材１００にそれぞれ光を当ててその透過光を検出し、
処理前の濃度と処理後の濃度をそれぞれ検出するように
してあり、これらセンサＳ１，Ｓ２の出力が、図７に示
すように、Ｉ／Ｏポート１９０を介してＣＰＵ２００に
入力されるようになっている。

【００１２】クリーニング液１０を収容する上部開放型
の箱形容器２０はクリーニング室９の内部に収容されて
おり、排出側の壁２１はその上端部に圧搾ローラ式搬送
装置１６の下方を覆うクリーニング液回収板２２を備え
ている。上記クリーニング液１０は印刷材料１０１を膨
潤させる膨潤剤を含むもので、その成分等は後に詳述す
る。

【００１３】上記箱型容器２０の上方には、クリーニン
グ液量検出センサＳ３が設けてある。このセンサＳ３は
いわゆる超音波センサで、センサＳ３からクリーニング
液１０の液面２３までの距離を検出している。なお、セ
ンサＳ３は、レーザ光線の反射を利用したレーザ変位セ
ンサを用いてもよい。箱型容器２０の底部には、クリー
ニング液の誘電率の変化によりクリーニング液１０中の
水分量を測定する水分量検出センサＳ４が設けてある。
そして、上記センサＳ３，Ｓ４によって得られた検出結
果は、センサＳ１，Ｓ２と同様に、Ｉ／Ｏポート１９０
を介してＣＰＵ２００に入力されるようになっている。

【００１４】クリーニング液循環装置２５は、送液ポン
プ２６とフィルタ２７に直列接続した送液管２８を備え
ており、この送液管２８両端部がそれぞれ容器２０に連
結されている。なお、図面上では循環装置２５はクリー
ニング室９の外に記載してあるが、クリーニング室９の
内部に設けるのが望ましい。

【００１５】また、容器２０には、タンク３０，３１，
３２がそれぞれ送液管３３，３４，３５により連結して
ある。タンク３０にはクリーニング液１０、タンク３１
には水、タンク３２にはクリーニング液１０の水以外の
原液がそれぞれ収容してあり、容器２０とタンク３０，
３１，３２の間にはバルブ機構を有し、ＣＰＵ２００か
ら出力される信号により動作するポンプＰ１，Ｐ２，Ｐ
３がそれぞれ配置してある。

【００１６】上記クリーニング液１０は、以下の組成か
ら成っている。脂肪酸エステル（トール油脂肪酸エステ
ル）：２５重量部、水（イオン交換水）：５０重量部、
界面活性剤（ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム）：
２重量部、有機溶剤（ＣＨ₄Ｈ₉ＯＣＨ₂ＣＨ₂ＯＨ）：１
８重量部

【００１７】印刷材料１０１を記録媒体１００から移し
取る転写体すなわち転写ローラ４０は、その外周面が膨
潤した印刷材料１０１の吸着性と脱離性に優れた材料か
らなる被膜４１で覆われている。被膜４１の材料につい
ては後に詳述する。この転写ローラ４０は、搬送装置１
５，１６のほぼ中間にこれらと平行に、かつ底部から好
ましくは約３分の１ないし約２分の１をクリーニング液
１０に浸け、図示しない駆動源により矢印方向に回転す
るようにしてある。なお、転写体は上下に配置された少
なくとも２つのローラの周囲にベルトを巻回したもので
あってよく、この場合ベルトの外周面に被膜４１が形成
される。

【００１８】クリーニング室９に挿入された記録媒体１
００をクリーニング液１０に導くガイド手段４２は、ガ
イド板４３と転写ローラ４０に記録媒体１００が巻き付
くのを防止する巻付防止手段であるシート４４を備えて
いる。このガイド板４３は、図２，３に示すように、金
属又は合成樹脂からなる矩形板材の中央部を幅方向（図
３に示す矢印Ｘ方向）に沿って一様に下方に湾曲した部
材で、中央湾曲部４５には縦方向（図３に示す矢印Ｙ方
向）に伸びる複数の開口部４６が形成されている。この
開口部４６は、ガイド板４３の上方領域に対してクリー
ニング液１０を供給するもので、開口部４６の形状や配
置は自由に変更することができる。また、上記中央湾曲
部４５は、その最下部における曲率が転写ローラ４０の
曲率とほぼ等しく、両側の曲率が徐々に小さくなるよう
に設計するのが好ましい。なお、４９，５０はシート４
４を介してガイド板４３に対向する上ガイド板である。

【００１９】巻付防止シート５１は金属又は合成樹脂の
糸を編成した網目状のネットからなり、ガイド板４３の
上に配置され、装入側と排出側の端部５２，５３は図示
しないワイヤ等で支持されてガイド板両端部４７，４８
との間に隙間が確保されている。また、転写ローラ４０
の下面に対向するシート４４中央部には幅方向に伸びる
開口部５４が形成され、この開口部５４を介して転写ロ
ーラ４０がガイド板４３に対向している。

【００２０】転写ローラ４０の外周面からトナーなどの
印刷材料を回収する回収手段５８は回収容器５９を有
し、この回収容器５９は転写ローラ４０と平行に配置さ
れている。回収容器５９は転写ローラ４０の外周面に対
向する開口部６０を有し、この開口部６０を構成してい
る転写体回転方向下流側のスクレーパ６１と上流側の落
下防止シート６２の先端がそれぞれ転写ローラ４０の外
周面に圧接している。上記スクレーパ６１はゴムなどの
弾性材料や薄い金属板で形成するのが好ましい。また、
落下防止シート６２は合成樹脂などの柔らかいシートで
形成するのが好ましい。

【００２１】ドライヤ４の構成は図４に示してあり、箱
形容器からなる乾燥室６６における装入側の壁６７と排
出側の壁６８はそれぞれ水平方向に伸びる開口部６９，
７０が形成され、それぞれの開口部６９，７０の近傍に
はそれぞれローラ式搬送装置７１，７２が配置され、こ
れら搬送装置７１，７２のローラが図示しない駆動源に
より矢印方向に回転するようにしてある。

【００２２】加熱乾燥手段はそれぞれヒータ７３，７４
を内蔵した加熱ローラ７５，７６を備えており、これら
の加熱ローラ７５，７６は一方が他方の上面に接触した
状態で上記搬送装置７１，７２の間に配置されている。
また、加熱ローラ７５，７６はそれぞれ回動自在として
あり、加熱ローラ７５及び／又は７６が図示しない駆動
源に連結されている。なお、加熱ローラ７５，７６と搬
送装置７１，７２の間には、図示するように記録媒体の
ガイド板７７，７８を設けるのが望ましい。また、加熱
ローラ７５，７６はステンレス等の金属筒体で構成して
もよいし、シリコンゴムやフッ素ゴムなどの弾性材で構
成してもよい。

【００２３】排出部５は上部が開放した箱型の容器８０
を備えており、再生装置１の排出側（図上右側）に設け
てある。また、容器８０に対向する再生装置１の側壁に
は、搬送装置７２に対向する排出ローラ８１が設けてあ
る。

【００２４】以上の構成からなる再生装置１では、例え
ばトナーなどの印刷材料１０１を有する紙やＯＨＰフィ
ルムなどの記録媒体１００は、クリーナ３の装入側開口
部１３より、搬送装置１５によりクリーニング室９内に
導入され、ガイド板４３と巻込防止シート４４との間を
通りクリーニング液１０に浸けられ、印刷材料１０１が
膨潤して剥離し易い状態になる。そして、膨潤した印刷
材料１０１は、シート開口部４６において転写ローラ４
０とガイド板４３との最近接部周辺で矢印方向に回転し
ている転写ローラ４０と接触し、この転写ローラ４０の
外周面に吸着・転写される。ここで、転写ローラ４０の
外周面は印刷材料１０１の吸着性に優れた被膜４１で覆
われているので、膨潤した印刷材料１０１は効率よく転
写ローラ４０に転写される。なお、記録媒体１００の両
側部はシート開口部４６を囲む両縁部３９，３９にガイ
ドされながら移動する。したがって、記録媒体１００は
転写ローラ４０に巻き付くことはない。

【００２５】転写ローラ４０に転写された印刷材料１０
１は、転写ローラ４０の回転と共に搬送され、スクレー
パ６１により転写ローラ４０から除去され、回収容器５
９の中に回収される。このとき、転写ローラ４０の外周
被膜４１は印刷材料１０１の脱離性に優れているので、
スクレーパ６１により容易に除去される。続いて、印刷
材料１０１が除去された記録媒体１００は引き続きガイ
ド板４３に沿って搬送され、圧搾ローラ式搬送装置１６
で含浸しているクリーニング液１０が搾り出されて、ク
リーニング室９よりドライヤ４に供給される。なお、記
録媒体１００から搾り出されたクリーニング液１０は、
クリーニング液回収板２２で捕獲されて容器２０に回収
される。一方、転写ローラ４０に転写されることなくク
リーニング液１０に溶け出た印刷材料１０１は、送液管
２８を通じてポンプ２６で循環されるクリーニング液１
０と共にフィルタ２７を通過する際にこのフィルタ２７
に捕獲されて回収される。したがって、クリーニング液
１０は長期間使用できる。

【００２６】ドライヤ４に供給された記録媒体１００
は、搬送装置７１で乾燥室６６の内部に導入され、回転
している加熱ローラ７５，７６で挾持搬送されながら加
熱乾燥され、搬送装置７２で排出され、排出ローラ８１
で排出部に排出・収容される。

【００２７】上記実施例では、転写ローラ４０に記録媒
体１００が巻き付くのを防止する手段として網目のシー
ト４４を使用したが、図５に示すように、ガイド板４３
に沿って複数のワイヤや合成樹脂糸などからなる紐状体
５５と、これらの端部を固定する棒状体５６，５７とで
巻付防止手段を構成してもよい。

【００２８】また、ドライヤ４における乾燥手段は、図
６に示すように、乾燥室６６に導入された記録媒体１０
０をガイドする一対の板状メッシュ８２または多孔板
と、メッシュ８２の下方に吸引口８３、メッシュ８２の
上方に熱風排気口８４を有するドライヤ８５を備えたも
のであってもよい。この場合、図示するように、メッシ
ュ８２の下流側には、ドライヤ８５で乾燥した記録媒体
１００の皺を除去する一対の圧延ローラ８６を設けるの
が望ましい。

【００２９】次に、再生装置１が有するクリーニング液
１０の状態の検出手段（センサＳ１，Ｓ２，Ｓ３，Ｓ
４）と、クリーニング液１０の制御手段（ＣＰＵ２０
０）の動作について図８を参照して詳細に説明すると、
ＣＰＵ２００は、まず、センサＳ３からの信号に基づい
てクリーニング液量を検出し、その液量がＲＯＭ２１０
に記憶されている基準量よりも少なければ、ポンプＰ１
を駆動してタンク３０からクリーニング液を補充する。
次に、センサＳ４からの信号に基づいてクリーニング液
１０に含まれる水分量を検出し、その水分量がＲＯＭ２
１０に記憶されている基準量よりも少なければ、ポンプ
Ｐ２を駆動してタンク３１から水を補充する。続いて、
ＣＰＵ２００は、センサＳ１とＳ２から出力された信号
に基づいて、クリーナ３に導入される前の記録媒体１０
０の濃度と、クリーナ３から排出された記録媒体１００
の濃度を求め、それらの濃度差から印刷材料の除去効率
を演算し、除去効率がＲＯＭ２１０に記憶されている基
準値以下であれば、ポンプＰ３を駆動してタンク３２か
らクリーニング液１０の原液を補充する。最後に、ＣＰ
Ｕ２００は、以上の異常状態、すなわち、クリーニング
液レベルの低下、水分量の減少、クリーニング効率の低
下が検出されると、これらの異常状態を表示部６に表示
して使用者に報知する。なお、異常状態の報知は視覚的
方法に限るものではなく、音声（例えばブザー）によ
り、また音声と共に報知するものであってもよい。

【００３０】図９は再生装置におけるクリーナの他の実
施例を示す。このクリーナ１０２において、クリーニン
グ液１１０を収容した容器１２０には、円柱状の搬送ロ
ーラ１４０が配置され、図示しない駆動源により矢印方
向に回転するようにしてある。搬送ローラ１４０の底部
は下方に湾曲したガイド板１４３の中央湾曲部１２１と
僅かに接するか、または記録媒体１００の厚さとほぼ同
一の隙間を隔てて対向しており、搬送ローラ１４０とガ
イド板１４３との間に装入された記録媒体１００に搬送
ローラ１４０の搬送力を付与するようにしてある。

【００３１】転写ローラ１６１，１６３はそれぞれ外周
面が印刷材料１０１の吸着性と脱離性に優れた被膜１６
２，１６４で覆われており、一方の転写ローラ１６１を
他方の転写ローラ１６３の上部に圧接して圧搾ローラ式
搬送装置１７１の下流側に配置され、搬送装置１７１を
構成するローラが図示しない駆動源によりそれぞれ図示
する矢印方向に回転するようにしてある。

【００３２】回収装置１６５，１６８はそれぞれ転写ロ
ーラ１６１，１６３の側部に配置されており、回収容器
１６６，１６９に設けたスクレーパ１６７，１７０の先
端部がそれぞれ転写ローラ１６１，１６３の外周面に圧
接している。

【００３３】なお、図９において１７５は圧搾ローラ式
搬送装置１７１から転写ローラ１６１，１６３へ記録媒
体１００を案内するガイド板、１７６は転写ローラ１６
１，１６３からクリーニング室９の排出側開口部１０７
に設けたローラ式搬送装置１７３へ案内するガイド板で
ある。その他、図２，３に示すクリーナ２に使用されて
いる同一の部材については同一符号を付して説明を省略
する。

【００３４】このクリーナ１０２では、搬送装置１０８
によりガイド板１４３と巻込防止シート１４４との間に
導入された記録媒体１００はクリーニング液１１０に浸
漬され、印刷材料１０１の膨潤化が図られる。クリーニ
ング液１１０の中を移動する記録媒体１０１は、搬送ロ
ーラ１４０の回転により更に下流側に搬送され、クリー
ニング液１１０から送り出されると圧搾ローラ式搬送装
置１４３でクリーニング液１１０が搾り出される。圧搾
ローラ１７１を通過した記録媒体１００は、転写ローラ
１６１，１６３のニップ部で表面と裏面の印刷材料１０
１が取り除かれた後、ガイド板１７６を通り、搬送装置
１７３でドライヤ（図示せず）に送り込まれる。また、
転写ローラ１６１，１６３に転写された印刷材料１０１
は、スクレーパ１６７，１７０で掻き取られて容器１６
６，１６９に回収される。

【００３５】図１０は図９に示すクリーナの変形例を示
し、この装置では転写ローラ１６１，１６３と排出用の
ローラ１７３との間に、記録媒体搬送経路を挟んで対向
する一対のブラシローラ１７４，１７５がそれぞれ矢印
方向に回転するように配置されている。したがって、転
写ローラ１６１，１６３のニップ部を通過した記録媒体
１００はその表面と裏面がブラシローラ１７４，１７５
に接触し、記録媒体１００上の残留印刷材料１０１が除
去される。ブラシローラ１７４，１７５に捕獲された印
刷材料１０１は、これらのブラシローラ１７４，１７５
がロッド１７８，１７９と係合する際の振動によって回
収容器１８０，１８１に落下する。

【００３６】図１１はクリーナの別の変形例を示し、こ
の変形例ではクリーニング液１１０の中で記録媒体１０
０を搬送する手段として、上下で対向する一対のブラシ
ローラ１８７，１８８を使用しており、クリーニング液
１１０中に搬送された記録媒体１００はその表面と裏面
に接触するブラシローラ１８７，１８８の移送力に基づ
いて搬送される。なお、この変形例では、記録媒体１０
０がブラシローラ１８７，１８８に巻き付くことはない
ので、ガイド板１４３と５０の間に巻付防止シートを設
ける必要はない。

【００３７】また、図９〜１１に示すクリーナにも、図
２に示すクリーナ３と同様に、クリーニング液１１０の
状態を検出するセンサＳ１〜Ｓ４と、クリーニング液１
１０の制御手段であるＣＰＵ２００、ポンプＰ１〜Ｐ３
が設けてあり、クリーニング液が良好な状態に維持され
る。

【００３８】転写ローラ４０の外周面を被覆する被膜４
１、１６２、１６４の材料には、ポリオレフィン系樹
脂、ポリエステル系樹脂、含窒素系樹脂、含硫黄系樹
脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、ポリアセタール系
樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系
樹脂、フェノール系樹脂、のなかから選ばれる少なくと
も一つの材料が使用される。なお、「…系樹脂」とは、
少なくとも樹脂モノマーを含むポリマー、共重合体、混
合物を意味する。

【００３９】上記ポリオレフィン系樹脂には、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン・ビニルアルコール・
コポリマー、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合
体、ポリ−４−メチルペンテン−１が含まれる。ポリエ
ステル系樹脂には、ビニルエステル樹脂、ポリアリレー
ト、オキシベンゾイルポリエステル、ジアリルフタレー
ト樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイ
トが含まれる。含窒素系樹脂には、ポリアミド、ポリパ
ラバン酸、ビスマレイド・トリアジン、ポリエーテルイ
ミド樹脂、グアナミン樹脂が含まれる。含硫黄系樹脂に
はポリフェニレンサルファイド、ポリサルホンが含まれ
る。フッ素系樹脂には、四フッ化樹脂、ポリフッ化ビニ
リデンが含まれる。シリコン系樹脂にはシリコーン樹
脂、ポリアセタール系樹脂にはポリアセタール、エポキ
シ系樹脂にはエポキシ樹脂、ポリエーテルエーテルケト
ン系樹脂にはポリエーテルエーテルケトン、フェノール
系樹脂にはフェノール樹脂がそれぞれ含まれる。これら
の樹脂は、クリーニング液により膨潤したトナーを吸着
する特性とこのトナーを脱離し易いという二つの異質な
特性を確保している。

【００４０】本発明において使用されるクリーニング液
は、特に限定されないが、好ましくは、クリーニング液
は、水、及び水と相容性を持ち、上記印刷材料１０１を
膨潤させる膨潤剤を含んでいる。水は、記録媒体等が普
通紙等の場合、紙のパルプ繊維を膨潤させて網目構造内
に侵入している印刷材料、例えば樹脂粒子からなるトナ
ーを効率よく被膜に吸着させる作用を有する。水の含有
量は、クリーニング液全体に対して１０〜９０重量％、
好ましくは２０〜８８重量％とする。ただし、水の含有
量が１重量％未満であると繊維を広げる効果が十分でな
い場合があり得る。逆に、水の含有量が多すぎる場合に
は、トナー等を膨潤させる時間が長くなり、クリーニン
グに必要な時間が大幅に増大して、単位時間当たりのク
リーニング処理効率が低下する。トナーの種類にもよる
が、水が９０重量％を越えると、クリーニング時間が急
激に増大するので好ましくない。このように、水分が大
量の場合には紙繊維間の結合力（水素結合）を弱め、物
理的処理を加えてクリーニングする際に転写ローラとの
圧接により紙表面にダメージを与えたり、ひどい場合に
は紙の繊維がきれて紙が破壊されたりする不都合を生じ
ることから、水の含有量は３０〜８５重量％とするのが
好ましい。また、クリーニング液が水を含むことによ
り、従来の有機溶剤脱墨剤に比べて沸点が上昇し、不揮
発性が向上する。これによって毒性ガス発生が少なくな
り低毒性となり、引火性が低下するとともに、クリーニ
ング液のその他の成分の濃度が安定して品質が変化しに
くい等の効果も得られる。

【００４１】クリーニング液に含まれる膨潤剤は、基本
的には、紙あるいはＯＨＰ用フィルムに定着したトナー
のトナー樹脂成分、荷電制御剤等の染料成分、顔染料等
の着色剤成分はほとんど溶解させないが、主に樹脂成分
を膨潤させてトナーをゲル状の可塑性高分子とする成分
と被膜に吸着し易くする成分とが必須である。そのよう
な成分としては、具体的には少なくとも高級脂肪酸エス
テルを含有するものが好ましい。

【００４２】この成分について必ずしも明らかでない
が、印刷された記録媒体がクリーニング液中に浸漬され
ると、前記膨潤剤の作用によって、紙あるいはＯＨＰ用
フィルムに定着したトナーの樹脂成分が膨潤剤を吸い込
み、０．５ｍｍ〜数ｃｍにも伸びる非常に可塑性を帯び
た粘性のゲル状高分子に変化する。この粘性ゲル状高分
子は紙繊維やＯＨＰ用フィルムへの結合力が大幅に低下
し、ちょっとした物理的（機械的）なストレスを与える
だけで容易に離脱し、被膜に吸着されてクリーニングさ
れることを見いだした。クリーニング作用は液のｐＨに
依存し、特にトナー樹脂がポリエステル系の場合、液の
ｐＨを８〜１０程度の弱アルカリ性にすることによって
エステル結合が切れて細かい粉状に分解するので、より
一層除去され易い。さらに、クリーニング作用は液の温
度に依存する。従って、これらを結合して液ｐＨ、温度
を決めるべきものであるが、ｐＨは３．０〜１１．０、
液温は２０〜６０℃の範囲に調整することが好ましい。
安定なクリーニング効果を得るには、各種ｐＨ緩衝液等
を用いてｐＨを最適の一定値に保つことが、より好まし
い。ｐＨが３．０以下の弱酸性や、１１．０以上の強ア
ルカリ性下では膨潤剤によるトナー樹脂の膨潤作用、剥
離作用も低下してしまう。また、液温が２０℃以下では
膨潤剤の膨潤作用も速度が低下して十分実用的なクリー
ニング効率が得られにくい。さらに、液温が６０℃以上
では液の蒸散が激しくなるし、加熱電力が過大となり経
済性が悪い。

【００４３】高級脂肪酸エステルの脂肪酸としては、飽
和または不飽和脂肪酸であって例えばラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、
リノール酸、エルカ酸、リシノール酸、アビエチン酸、
ロジン酸、ヤシ油、アマニ油、牛脂、鯨油等が例示され
る。高級脂肪酸エステルとは上記脂肪酸とヒドロキシ化
合物、例えばエタノール、ｎ−ブタノール等のアルコー
ル類、エチレングリコール、グリセリンペンタエリスリ
トールソルビトール等の多価アルコール類ジエチレング
リコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール等のグリコール類、およびエチルセロソルブ、ブ
チルセロソルブ等のセロソルブ類とのエステルをいう
が、特にトール油脂肪酸エステルが好ましい。

【００４４】トール油脂肪酸とは、オレイン酸とリノー
ル酸が約６：４で含有されており、その他にパルミチン
酸、ステアリン酸、並びに不けん化物が若干含まれてい
るものをいう。トール油脂肪酸をエステル化するアルコ
ールとしてはエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、エトキシエタノール、ブトキシエタノール等、好
ましくはブトキシエタノール、エチレングリコール、エ
トキシエタノールを用いる。また、本発明のクリーニン
グ液は界面活性剤を含むことが望ましい。界面活性剤は
クリーニングされた樹脂成分等の有機成分からなる印刷
材料を囲みこみ、膨潤した印刷材料が被膜と融着せず、
脱離性を確保する作用を奏する。あるいは、記録媒体が
普通紙等の紙である場合、紙の網目構造内に入り込んで
印刷材料を囲みこみ、繊維の奥深く侵入した印刷材料の
被膜への吸着を容易とする作用もある。

【００４５】クリーニング液中、高級脂肪酸エステルは
クリーニング液全量の６０〜５重量％、好ましくは４０
〜２０重量％の範囲で使用する。６０重量％より多く使
用するとトナーへの溶解性が高く、吸着しにくくなり、
また５重量％より少ない範囲で使用するとトナーへの膨
潤性が劣り、被膜への吸着が低下してクリーニング効果
が少ない。

【００４６】また、クリーニング液には界面活性剤を含
有させることが好ましい。界面活性剤は陰イオン性界面
活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤
および両性界面活性剤等が使用できる。陰イオン性界面
活性剤としては、脂肪酸塩類、アルキル硫酸エステル塩
類、アルキルベンゼンスルフォン酸塩類、アルキルナフ
タレンスルフォン酸塩類、アルキルスルホコハク酸塩
類、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩類、
アルキルリン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキル硫酸
エステル塩類、ナフタリンスルフォン酸ホルマリン縮合
物、ポリカルボン酸高分子界面活性剤等があげられる。

【００４７】非イオン性界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルアリルエーテル、オキシエチレン−オキシプロピレ
ンコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンアルキルアミン等があげられる。

【００４８】イオン性界面活性剤および両性界面活性剤
としては、アルキルアミン塩、第４級アンモニウム塩、
アルキルベタイン、アミンオキサイド等があげられる。
特に好ましい界面活性剤は、化学式；ＲＯ（ＣＨ₂ＣＨ₂
Ｏ）ｎＨ（式中ＲはＣ₁₂〜Ｃ₂₂のアルキル基またはアル
キルフェニル基、ｎは１〜１０の整数を表す。）で示さ
れるエチレンオキサイド付加型の非イオン界面活性剤で
ある。上記の界面活性剤は単独で、あるいは２種以上の
混合物として使用できる。また、添加量としてはクリー
ニング液全体に対して０．０１〜１０重量％程度含ませ
ることが望ましい。０．０１重量％未満であると脱墨し
たトナーの被膜融着が生じやすい。また、１０重量％よ
り多いと被膜への吸着性が低下する。

【００４９】さらに、クリーニング液は、有機酸を含む
ことが好ましい。印刷材料に樹脂成分を含む場合にはク
リーニング液をトナー樹脂内部に浸透させる必要があ
る。本発明者等は有機酸がこの浸透効果を向上させるこ
とを見いだした。また、浸透効果を向上させることによ
ってクリーニング時間を短縮することが可能となる。添
加することが好ましい有機酸は各種カルボン酸、例えば
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバル
酸、メタクリル酸、アクリル酸、乳酸、シュウ酸、酒石
酸、安息香酸等の単体、あるいは２種類以上の混合物を
あげることができる。なお、これら有機酸の添加量とし
ては、クリーニング液全体に対して、２〜１５重量％程
度含ませることが好ましい。２重量％未満であると脱墨
速度が低いそれがあり、１５重量％より多いと残存する
有機酸が記録媒体に作用して品質の劣化を引き起こす恐
れがある。

【００５０】また、クリーニング液には本発明の効果を
損なわない範囲で、例えばメタノール、エタノール、ｎ
−ブタノール、イソプロパノール、エトキシエタノール
等、およびこれらにキシレン、トルエン、アセトン、Ｔ
ＨＦ、ジオキサン、ジクロルメタン等を混合したもの等
のトナーを膨潤させる有機系溶剤を含有させてもよい。

【００５１】かかるクリーニング液としてはトスクリー
ンＤ（長宗産業社製）が入手可能である。トスクリーン
Ｄは水系洗浄剤であり、酸価：約２．１ｍｇＫＯＨ／
ｇ、比重：１．０２０（２０℃）、ｐＨ：７±０．５
（１５℃）の物性を有している淡黄色透明液体である。
このクリーニング液はオゾン層を破壊すると指摘されて
いるフッ素、塩素炭素の化合物を一切配合しておらず、
地球環境を悪化させることなく使用できる。さらに人体
に低毒性で不燃性（引火点なし）であるため、本発明の
ような通常のオフィス環境内での紙の再生装置に使用す
るには極めて適している。

【００５２】クリーニング液の対象となる記録媒体は特
に限定されないが、樹脂フィルム（ＯＨＰ用紙）等の
他、上述したように従来クリーニングが困難であった網
目構造を有する普通紙あるいは再生紙等の紙に対してク
リーニング効果が顕著である。同じく、本発明のクリー
ニング液の対象となる印刷材料も水溶性、油溶性インク
や朱肉、マーカー等限定されないが、特に、従来クリー
ニングが困難であるとされていた樹脂成分を含むトナー
粒子に対しても優れたクリーニング効果を奏する。

【００５３】本発明において、印刷材料としては、従来
公知のトナーを限定なしにクリーニング可能だが、使用
される樹脂成分としては、例えば、スチレン系樹脂、ア
クリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン−アクリル
系共重合樹脂、スチレン−ブタジエン系共重合樹脂、ポ
リエステル系樹脂、エポキシ系樹脂等の熱可塑性樹脂や
熱硬化性樹脂があげられる。あるいは、これら樹脂の２
種以上からなる共重合体、ブロック重合体、グラフト重
合体を用いても、これらの樹脂の混合物であってもよ
い。そして、このような樹脂において、その数平均分子
量Ｍｎが、１０００≦Ｍｎ≦２００００、好ましくは２
０００≦Ｍｎ≦１５０００であり、重量平均分子量Ｍｗ
が２≦Ｍｎ≦８０であるものを用いることが望ましい。
また、樹脂のガラス転移点が５５ないし７０℃、軟化点
が８０ないし１４０℃であるものを用いることが好まし
い。

【００５４】着色剤としては、公知の各種顔料、染料使
用できる。しかしながら、着色剤として染料を使用する
と脱墨剤中に染料が溶けだし、記録媒体に再付着してク
リーニング効果を減じてしまう恐れがある。この様な不
都合は記録媒体として樹脂フィルム等を使用する場合は
あまり問題とされないが、網目構造を有する紙を使用し
た場合には非常に大きな問題となる。したがって、クリ
ーニングを行おうとするトナーの着色剤には顔料を用
い、着色剤がクリーニング中に溶けださないよう構成し
ておくことが望ましい。この様な着色顔料としては、黒
色顔料としてカーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガ
ン、アニリンブラック、活性炭、フェライト、マグネタ
イト等を使用できる。

【００５５】黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミ
ュームイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロ
ー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフ
トールイエローＳ、バンザーイエローＧ、バンザーイエ
ロー１０Ｇ、ベンジジンイエローＧ、ベンジジンイエロ
ーＧＲ、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエロ
ーＮＣＧ、タートラジンレーキ等を使用できる。

【００５６】赤色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデン
オレンジ、パーマネントオレンジＧＴＲ、ピラゾロンオ
レンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアント
オレンジＲＫ、ベンジジンオレンジＧ、インダスレンブ
リリアントオレンジＧＫ、ベンガラ、カドミュームレッ
ド、鉛丹、パーマネントレッド４Ｒ、リソールレッド、
ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、レーキレッド
Ｃ、レーキレッドＤ、ブリリアントカーミン６Ｂ、エオ
シンレーキ、ローダミンレーキＢ、アリザリンレーキ、
ブリリアントカーミン３Ｂ、バルカンファストオレンジ
ＧＧ、パーマネントレッドＦ４ＲＨ、パーマネントカー
ミンＦＢ等を使用できる。

【００５７】青色顔料としては、紺青、コバルトブル
ー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、
フタロシアニンブルー等を使用できる。なお、これらの
顔料、あるいは着色剤はトナー中における樹脂成分１０
０重量部に対して１ないし２０重量部、好ましくは３な
いし１５重量部添加することが望ましい。

【００５８】トナーは荷電制御剤を含んでもよい。トナ
ーを正極性に荷電する正荷電制御剤としてはニグロシン
ベースＥＸ、第４級アンモニウム塩、ポリアミン化合
物、イミダゾール化合物等を使用できる。また、トナー
を負極性に荷電する負荷電性制御剤としてはクロム錯塩
型アゾ染料、銅フタロシアニン系染料、クロム錯塩、亜
鉛錯塩、アルミニウム錯塩等を使用できる。

【００５９】これらの荷電制御剤はトナー中における樹
脂成分１００重量部に対して０．１ないし１０重量部、
好ましくは０．５ないし５重量部添加することが望まし
い。また、荷電制御剤は上述の各種が使用できる。しか
しながら、荷電制御剤として染料系を使用すると、着色
剤について説明した通り、クリーニング液中に染料が溶
け出し、転写体から記録媒体に再付着してクリーニング
効果を減じてしまう恐れがある。したがって、クリーニ
ングを行おうとするトナーの帯電制御剤には、非染料系
を用いることが、あるいは全く帯電制御剤を含まない構
成とするのが望ましい。あるいは、溶けだしても無色や
白色の帯電制御剤を使用するのが好ましい。あるいはま
た、トナーの樹脂が極性基や官能基を有しており、樹脂
成分そのものが帯電制御機能を有する帯電制御樹脂とし
て構成するのが好ましい。

【００６０】トナーはオフセット防止剤を含んでいても
よい。オフセット防止剤としては低分子量ポリエチレン
ワックス、低分子量酸化型ポリエチレンワックス、低分
子量ポリプロピレンワックス、低分子量酸化型ポリプロ
ピレンワックス、高級脂肪酸ワックス、高級脂肪酸エス
テルワックス、サゾールワックス等を単独、あるいは２
種以上の混合物として使用できる。これらのオフセット
防止剤はトナー中における樹脂成分１００重量部に対し
て１ないし１５重量部、好ましくは、２ないし８重量部
添加することが望ましい。また、本発明にかかるトナー
は磁性トナーとして構成されてもよい。磁性トナーは、
樹脂成分中にコバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム、
鉛、マグネシウム、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビ
スマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、
チタン、タングステン、バナジウム等の磁性を示す金
属、これら金属の酸化物および焼結体、これら金属の２
種以上からなる合金、あるいはこれら金属、酸化物、焼
結体、合金等からなる混合物を添加することによって構
成される。

【００６１】これらの磁性体はトナー中における樹脂成
分１００重量部に対して１ないし８０重量部、好ましく
は、５ないし６０重量部添加することが望ましい。ま
た、本発明にかかるトナーは流動化剤を含んでいてもよ
い。流動化剤としてはシリカ微粒子、酸化チタン微粒
子、アルミナ微粒子、フッ化マグネシウム微粒子、炭化
ケイ素微粒子、炭化ホウ素微粒子、炭化チタン微粒子、
炭化ジルコニウム微粒子、窒化チタン微粒子、窒化ジル
コニウム微粒子、マグネタイト微粒子、二流化モリブデ
ン微粒子、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリ
ン酸マグネシウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子等の
各種無機材料微粒子を使用できる。なお、これらの無機
材料微粒子は、シランカップリング剤、チタンカップリ
ング剤、高級脂肪酸、シリコンオイル等で疎水化処理し
て用いることが好ましい。

【００６２】また、乳化重合、ソープフリー乳化重、非
水分散重合等の湿式重合法または気相法等によって造粒
したスチレン系、アクリル系、メタクリル系、ベンゾグ
アナミン、シリコン、テフロン、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等の各種有機材料を使用できる。そして、上述
の無機材料微粒子と組み合わせて用いることもできる。
これらの流動化材はトナー中における樹脂成分１００重
量部に対して０．０５ないし５重量部、好ましくは０．
１ないし３重量部添加することが望ましい。

【００６３】以下、具体的に被膜、基体の組成を変えた
実験例を示す。使用した組成は表１に示した通りであ
る。実験例１〜３は基体上に各実験例で記載の樹脂から
なる熱収縮チューブを嵌合させた後、２００〜３００℃
に加熱することによって一体型のローラ形状に成形し
た。基体の直径は約４０ｍｍ、被膜の厚さは約２ｍｍに
統一した。一方、実験例４〜１０は表１に記載の樹脂を
射出成形によって厚さ約３ｍｍの円筒型のローラとして
成形し、また、実験例１１は基体をアルミニウムとし
た。なお、実験に使用した装置は図７において説明した
装置である。記録媒体としては秤量６４ｇ／ｍ²のＡ４
サイズ普通紙を使用し、以下のトナー、及びクリーニン
グ液によって文字部７％のテストチャートをクリーニン
グすることにした。また、装置内での普通紙の移動速度
は２０ｍｍ／秒とし、これに適合するように基体ローラ
の回転速度等を調節した。被膜１６２，１６４からの膨
潤トナー剥離はポリイミド製のスクレーパ１６７，１７
０による。

【００６４】本実験に使用したトナーは、以下の材料を
ヘンシェルミキサーで混合した後、２軸押出混練機で混
合後冷却した。ポリエステル樹脂（Ｍｎ：４５００、Ｍ
ｗ：１５８０００、Ｔｇ：６６℃、Ｔｍ：１１８℃）：
１００重量部、カーボンブラック（Ｍｏｇｕｌｌ：キャ
ボラック製）：１０重量部、オフセット防止剤（ビスコ
ールＴｓ２００：三洋化成工業社製）：３重量部、荷電
制御剤（ボントロンＥ−８４：オリエント工業社製）：
３重量部、次に、冷却物を粗粉砕してジェット粉砕機で
微粉砕した後、風力分級機で処理して体積平均粒径８．
３μｍのトナーを得た。

【００６５】また、本実験に使用したクリーニング液
は、以下の組成から成っている。脂肪酸エステル（トー
ル油脂肪酸エステル）：２５重量部、水（イオン交換
水）：５０重量部、界面活性剤（ジアルキルスルホコハ
ク酸ナトリウム）：２重量部、有機溶剤（ＣＨ₄Ｈ₉ＯＣ
Ｈ₂ＣＨ₂ＯＨ）：１８重量部

【００６６】実験１〜１１の結果を表１に示す。表１に
おいて吸着性が◎とは、１００枚処理後においてもトナ
ーが被膜に十分吸着されることを示す。○は若干吸着能
力の低下が認められるものを示す。×はトナーが吸着し
にくいことを示す。また、脱離性が◎とは、１００枚処
理後においてもトナーが被膜に十分吸着されるととも
に、スクレーパによって吸着されたトナーがほぼ剥離さ
れたことを示し、○は若干被膜に汚れが認められるもの
を示す。一方、×はトナーが融着してしまって脱離困難
であることを示す。表１に示す実験の結果から、本発明
にかかる樹脂の中でも、特に好ましい種類の樹脂は、ポ
リオレフィン系樹脂、ポリアセタール系樹脂であること
が理解される。

【００６７】

【表１】

【図面の簡単な説明】

【図１】再生装置の概略断面図である。

【図２】クリーナ断面図である。

【図３】クリーナ内部における記録材料のガイド手段
の斜視図である。

【図４】ドライヤの断面図である。

【図５】ガイド手段の他の実施例の斜視図である。

【図６】ドライヤの他の実施例の断面図である。

【図７】ＣＰＵへ入力する信号を示す模式図である。

【図８】ポンプの動作を示すフローチャートである。

【図９】クリーナの他の実施例の断面図である。

【図１０】クリーナの変形例を示す断面図である。

【図１１】クリーナの他の変形例を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１…再生装置、３…クリーナ、１０…クリーニング液、
２０…容器、４０…転写ローラ、４１…被覆、５８…回
収手段、１００…記録媒体、１０１…印刷材料、Ｓ１〜
Ｓ４…センサ（検出手段）、２００…ＣＰＵ（制御手
段）。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者古澤馨大阪府大阪市中央区安土町二丁目３番13 号大阪国際ビルミノルタカメラ株式会社内 (56)参考文献特開平７−56481（ＪＰ，Ａ) 特開平７−84488（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G03G 21/00 570 - 578

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】画像が印刷された記録媒体から印刷材料
を除去する再生装置に、クリーニング液を記録媒体に適用して印刷材料を除去す
る除去手段と、上記クリーニング液の互いに異なる２つの状態を検出す
る検出手段と、該検出手段の２つの検出結果に応じて上記クリーニング
液の状態をそれぞれ異なる方法で制御する制御手段とを
設けたことを特徴とする記録媒体の再生装置。
【請求項２】画像が印刷された記録媒体から印刷材料
を除去する再生装置に、クリーニング液を記録媒体に適用して印刷材料を除去す
る除去手段と、上記クリーニング液の互いに異なる２つの状態を検出す
る検出手段と、該検出手段の２つの検出結果に応じて互いに異なる液体
を上記クリーニング液に補充する補充手段とを設けたこ
とを特徴とする記録媒体の再生装置。
【請求項３】上記補充手段は、異なる液体として補充
用クリーニング液と水を上記クリーニング液に補充する
ことを特徴とする請求項２に記載の記録媒体の再生装
置。
【請求項４】上記検出手段は、クリーニング液量の減
少、クリーニング液中の水分量の減少を検出することを
特徴とする請求項３に記載の記録媒体の再生装置。
【請求項５】上記補給手段は、上記検出手段がクリー
ニング液量の減少を検出した際に補充用クリーニング液
を補給し、上記クリーニング液中の水分量の減少を検出
した際に水を補給することを特徴とする請求項４に記載
の記録媒体の再生装置。
【請求項６】請求項２において、更に、クリーニング効率の低下を検出する検出手段と、クリーニング液の原液を補充する補給手段とを設け、クリーニング効率の低下を検出した際に、上記クリーニ
ング液の原液を補充することを特徴とする記録媒体の再
生装置。