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JP3094033B2 - ニッケル水素二次電池 - Google Patents

ニッケル水素二次電池

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JP3094033B2
JP3094033B2 JP02302712A JP30271290A JP3094033B2 JP 3094033 B2 JP3094033 B2 JP 3094033B2 JP 02302712 A JP02302712 A JP 02302712A JP 30271290 A JP30271290 A JP 30271290A JP 3094033 B2 JP3094033 B2 JP 3094033B2
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裕之 長谷部
和太 武野
優治 佐藤
浩之 高橋
浩孝 林田
清志 光安
一郎 猿渡
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Toshiba Corp
FDK Twicell Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Battery Co Ltd
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、ニッケル水素二次電池に関し、特に水素吸
蔵合金負極を改良したニッケル水素二次電池に係る。
(従来の技術) 近年の電子技術の進歩による省電力化、実装技術の進
歩により、従来は予想しえなかった電子機器がコードレ
ス化、ポータブル化されてきている。このため、前記電
子機器に組み込まれる電源である二次電池も高容量化が
要求されている。かかる二次電池としては、水素吸蔵合
金粒子を集電体である導電性芯体に固定化した構造の負
極を使用したアルカリ二次電池が提案され、脚光を浴び
始めている。前記水素吸蔵合金を使用した負極は、従来
の代表的なアルカリ二次電池用の負極材料であるカドミ
ウムに比較し、単位重量又は単位容積当りのエネルギー
密度を大きくすることができ、電池の高容量化を可能と
する他、環境汚染の恐れが少ないばかりでなく、電池特
性も優れているという特徴を有する。
前記ニッケル水素二次電池の水素吸蔵合金負極として
は、従来より発泡金属、焼結繊維等の三次元の導電性芯
体を集電体とし、この芯体に水素吸蔵合金粉末を結着剤
と共に充填した非焼結式のものが知られている。しかし
ながら、かかる水素吸蔵合金負極は集電体である導電性
芯体が機械的強度に劣るために製造工程での加圧成形時
に破壊される恐れがある。また、前記導電性芯体は高価
であるため前記芯体を有する負極を組み込んだニッケル
水素二次電池はコストが高くなるという問題がある。
このようなことから、米国特許第4,849,312明細書に
は集電体として前記三次元構造の導電性芯体に比べて安
価な二次元構造のパンチドメタルを用いた非焼結式の水
素吸蔵合金負極が開示されている。かかる水素吸蔵合金
負極は、水素吸蔵合金粉末とポリアクリル酸塩、ポリテ
トラフルオロエチレン及び必要に応じて配合されるカル
ボキシメチルセルロースとを高速攪拌してペーストを調
製し、このペーストをパンチドメタルに塗布・乾燥した
後、加圧成形して得られるものである。
しかしながら、前記非焼結式水素吸蔵合金負極は前記
三次元構造の導電性芯体を集電体とした負極に比べて利
用率を十分に高くできず、前記負極を組み込んだニッケ
ル水素二次電池の高容量化に十分に対応することが困難
であった。また、負極の作製工程における加圧成形時に
集電体であるパンチドメタルが破断したり、乾燥したペ
ーストがパンチドメタルから剥離する恐れもあった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、水素吸蔵合金負極の利用率を向上し
て高容量化を達成したニッケル水素二次電池を提供しよ
うとするものである。
本発明の別の目的は、非焼結式ニッケル正極及び水素
吸蔵合金負極をセパレータを挟んで渦巻状に捲回する
際、前記負極のパンチドメタルが突出したり、水素吸蔵
合金粉末を含むペーストが脱落するのを防止した高信頼
性で高容量のニッケル水素二次電池を提供しようとする
ものである。
本発明の更に別の目的は、充放電サイクル寿命を向上
したニッケル水素二次電池を提供しようとするものであ
る。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明に係わるニッケル水素二次電池は、水酸化ニッ
ケル、一酸化コバルト及び結着剤を含むペーストを導電
性芯体に形成した非焼結式ニッケル正極と水素吸蔵合金
負極とをセパレータを介在して渦巻状に捲回した電極群
と、アルカリ電解液と、前記電極群及び前記アルカリ電
解液が収納される容器とを具備するニッケル水素二次電
池であって、 前記負極は、水素吸蔵合金粉末100重量部、ポリアク
リル酸塩0.005〜1重量部、カルボキシメチルセルロー
ス0.01〜1重量部、フッ素系樹脂0.5〜7重量部及び導
電材粉末0.1〜4重量部を含むペーストを、互いに隣り
合う3つの孔の中心を結ぶと常に正三角形が形成される
ように穿孔されており、孔径が1〜5mmで、かつ開孔率
が45〜70%のパンチドメタルに形成したもので、 前記負極全体の厚さに対する前記パンチドメタルが10
〜35%の厚さを占め、 前記電極群の捲回方向は、前記パンチドメタルの前記
正三角形の一辺と平行であることを特徴とするものであ
る。
また、本発明に係わる別のニッケル水素二次電池は、
水酸化ニッケル、一酸化コバルト及び結着剤を含むペー
ストを導電性芯体に形成した非焼結式ニッケル正極と水
素吸蔵合金負極とをセパレータを介在して渦巻状に捲回
した電極群と、アルカリ電解液と、前記電極群及び前記
アルカリ電解液が収納される容器とを具備するニッケル
水素二次電池であって、 前記負極は、水素吸蔵合金粉末、結着剤及び導電材粉
末を含み、かつ粘度が100P〜400Pで、下記(1)式に示
される回転粘度比(R)が1.5〜4のペーストを、互い
に隣り合う3つの孔の中心を結ぶと常に正三角形が形成
されるように穿孔されており、孔径が1〜5mmで、かつ
開孔率が45〜70%のパンチドメタルに形成したもので、 前記電極群の捲回方向は、前記パンチドメタルの前記
正三角形の一辺と平行であることを特徴とするものであ
る。
R=V1/V2 …(1) 但し、V1はASTMに記載の粘度標準液で校正したブルッ
クフィールド型粘度計(単一円筒形粘度計)により温度
25℃、回転数6rpmの条件で測定した粘度を示し、V2はAS
TMに記載の粘度標準液で校正したブルックフィールド型
粘度計(単一円筒形粘度計)により温度25℃、回転数60
rpmの条件で測定した粘度を示す。
以下、本発明に係わるニッケル水素二次電池を第1図
を参照して詳細に説明する。
非焼結式ニッケル正極1は、水素吸蔵合金粉末を含む
水素吸蔵合金負極2との間に合成樹脂製不織布からなる
セパレータ3を介在して渦巻状に捲回され、有底円筒状
の容器4内に収納されている。アルカリ電解液は、前記
容器4内に収容されている。中央に穴5を有する円形の
封口板6は、前記容器4の上部開口部に配置されてい
る。リング状の絶縁性ガスケット7は、前記封口板6の
周縁と前記容器4の上部開口部内面に間に配置され、前
記上部開口部を内側に縮径するカシメ加工により前記容
器4に前記封口板6を前記ガスケット7を介して気密に
固定している。正極リード8は、一端が前記正極1に接
続、他端が前記封口板6の下面に接続されている。帽子
形状をなす正極端子9は、前記封口板6上に前記穴5を
覆うように取り付けられている。ゴム製の安全弁10は、
前記封口板6と前記正極端子9で囲まれた空間内に前記
穴5を塞ぐように配置されている。
前記非焼結式ニッケル正極1は、水酸化ニッケル、一
酸化コバルト(CoO)及び結着剤を含むペーストを集電
体である導電性芯体に形成した構造を有する。かかる正
極1は、前記水酸化ニッケル、一酸化コバルト(CoO)
及び結着剤を水と共に混合してペーストを調製し、この
ペーストを前記芯体に塗布、乾燥した後、必要に応じて
ローラプレス等で加工成形することにより作製される。
前記正極1のペースト中に配合される一酸化コバルト
の量は、前記水酸化ニッケルに対して2〜20重量%の範
囲とすることが望ましい。
前記正極1のペースト中に配合される結着剤として
は、例えばポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸カリ
ウムなどのポリアクリル酸塩及びカルボキシメチルセル
ロース(CMC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
などのフッ素系樹脂から選ばれる少なくとも1種を挙げ
ることができる。特に、結着剤をポリアクリル酸塩、CM
C及びフッ素系樹脂により構成して前記負極に用いられ
るペースト中の結着剤と同様な成分組成とすることが望
ましい。かかる3成分から結着剤を構成する場合には、
前記ニッケル水酸化物100重量部にポリアクリル酸塩0.0
5〜1重量部、CMC0.05〜1重量部及びフッ素系樹脂0.5
〜5重量部を配合することが望ましい。
前記正極1の導電性芯体としては、例えばパンチドメ
タル、エキスパンドメタル、金網等の二次元構造のも
の、発泡メタル、網状金属繊維などの三次元構造のもの
等を挙げることができる。
前記水素吸蔵合金負極2は、水素吸蔵合金粉末100重
量部、ポリアクリル酸塩0.005〜1重量部、カルボキシ
メチルセルロース0.01〜1重量部、フッ素系樹脂0.5〜
7重量部及び導電材粉末0.1〜4重量部を含むペースト
を、孔径1〜5mm、開孔率45〜70%のパンチドメタルに
形成し、かつ全体の厚さに占める前記パンチドメタルの
厚さを10〜35%とした構成になっている。かかる負極2
は、前記水素吸蔵合金粉末、ポリアクリル酸塩、カルボ
キシメチルセルロース、フッ素系樹脂及び導電材粉末0.
1〜4重量部を水の存在下で混合してペーストを調整
し、このペーストを前記孔径、開孔率のパンチドメタル
に塗布した後、必要に応じてスリットにより余分なペー
ストの掻き落し、更に乾燥し、必要に応じてローラプレ
ス等で加圧成形することにより作製される。
前記負極2のペースト中に配合される水素吸蔵合金と
しては、格別制限されるものではなく、電解液中で電気
化学的に発生させた水素を吸蔵でき、かつ放電時にその
吸蔵水素を容易に放出できるものであればよい。例え
ば、一般式XY5-aZa(但し、XはLaを含む希土類元素、
YはNi、ZはCo、Mn、Al、V、Cu、Bから選ばれる少な
くとも1種の元素、aは0≦a<2.0を示す)にて表さ
れるものが用いられる。具体的にはLaNi5、MmNi5、LmNi
5(Lm;ランタン富化したミッシュメタル)、及びこれら
のNiの一部をAl、Mn、Fe、Co、Ti、Cu、Zn、Zr、Cr、B
のような元素で置換した多元素系のものを挙げることが
できる。
前記負極2のペースト中に配合されるポリアクリル酸
塩としては、例えばポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリ
ル酸アンモニウム等を挙げることができる。かかるポリ
アクリル酸塩の水素吸蔵合金粉末に対する配合割合を限
定したのは、次のような理由によるものである。前記ポ
リアクリル酸塩の量を0.005重量部未満にすると、水素
吸蔵合金粉末をペースト中に十分に分散・保持できず、
加圧成形時に乾燥したペーストがパンチドメタルから剥
離して所定の負極を作製できなくなる。一方、前記ポリ
アクリル酸塩の量が1重量部を越えると水素吸蔵合金粉
末のペースト中への分散・保持性の向上が望めないばか
りか、パンチドメタルにペーストを塗布した際の塗布面
の平坦性が損なわれる。
前記負極2のペースト中に配合されるCMCの水素吸蔵
合金粉末に対する割合を限定したのは、次のような理由
によるものである。前記CMCの量を0.01重量部未満にす
ると、ペーストの調製に時間がかかるばかりか、比重の
大きい水素吸蔵合金粉末の沈降が生じ、ペーストの安定
性が低下する。一方、前記CMCの量が1重量部を越える
と水素吸蔵合金粉末の表面がCMCで覆われて負極の酸素
ガス吸収反応が低下し、前記負極を組込んだ二次電池の
内圧上昇を招く。
前記負極2のペースト中に配合されるフッ素系樹脂
は、圧延時に繊維化して水素吸蔵合金粉末を結着する作
用を有する。このフッ素系樹脂としては、例えばポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)等を挙げることができ
る。かかるフッ素系樹脂の水素吸蔵合金粉末に対する配
合割合を限定したのは、次のような理由によるものであ
る。前記フッ素系樹脂の量を0.5重量部未満にすると、
前記結着効果が低下し、加圧成形時に乾燥したペースト
がパンチドメタルより剥離するために負極を作製できな
くなる。一方、前記フッ素系樹脂の量が7重量部を越え
ると水素吸蔵合金粉末の表面が該樹脂で覆われている負
極の酸素ガス吸収反応が低下し、前記負極を組込んだ二
次電池の内圧上昇を招く。
前記負極2のペースト中に配合される導電材粉末とし
ては、例えばカーボンブラック、黒鉛粉末、金属粉末等
を挙げることができる。かかる導電材粉末の水素吸蔵合
金粉末に対する配合割合を限定したのは、次のような理
由によるものである。前記導電材粉末の量を0.1重量部
未満にすると、負極の導電性が低下して放電電圧の低下
を招く。一方、前記導電材粉末の量が4重量部を越える
と乾燥後のペースト中に占める水素吸蔵合金粉末の密度
が低下して負極の単位体積当りの水素吸蔵合金量が減少
して高容量のニッケル水素二次電池が得られなくなる。
前記負極2を構成するパンチドメタルの孔径を限定し
たのは、次のような理由によるものである。前記パンチ
ドメタルの孔径を1mm未満にすると、前記パンチドメタ
ルの表裏に形成されたペーストの前記孔を通しての相互
結合ができなくなるため、ペーストの付着強度が低下す
る。一方、前記パンチドメタルの孔径が5mmを越えると
加圧成形時にパンチドメタルに生じる歪みが大きくな
り、しかも導電性が低下する。
前記負極2を構成するパンチドメタルの開孔率を限定
したのは、次のような理由によるものである。前記パン
チドメタルの開孔率を45%未満にすると、負極の空隙率
が小さくなって水素吸蔵合金粉末の割合が減少するた
め、負極の利用率が低下する。しかも、負極の作製工程
における加圧成形時に乾燥したペーストがパンチドメタ
ルから剥離する。一方、前記パンチドメタルの開孔率が
70%を越えるとパンチドメタルの強度が低下して負極の
作製工程における加圧成形時にパンチドメタルが破断さ
れる。
前記負極2を構成するパンチドメタルの厚さは、0.05
mm以上にすることが望ましい。この理由は、前記パンチ
ドメタルの厚さを0.05mm未満にするとパンチドメタルの
強度が低下して負極作製工程における加圧成形時にパン
チドメタルが破断される恐れがある。なお、前記パンチ
ドメタルを厚くし過ぎると、負極中に占める水素吸蔵合
金粉末量が減少して利用率を低下させる。このため、前
記パンチドメタルの上限厚さは0.15mmとすることが望ま
しい。
前記負極2の全体の厚さに占めるパンチドメタルの厚
さ比率を限定したのは、次のような理由によるものであ
る。前記パンチドメタルの厚さ比率を10%未満にする
と、負極に占める集電体であるパンチドメタルの体積比
率が小さくなり、十分な集電効果が得られなくなるばか
りでなく、強度が低下して加圧成形する際に破断や蛇行
を生じる。一方、前記パンチドメタルの厚さ比率が35%
を越えるとパンチドメタルの厚さに関係なく同一容量の
ペーストを含ませた場合、負極のペーストの多孔度が低
下し、水素吸蔵合金粉末量が減少して負極の利用率が低
下する。
前記負極2を前記セパレータ3を挟んで前記正極1と
共に渦巻状に捲回して前記容器4に収納する場合には、
前記負極2を構成するパンチドメタルは隣接する孔同志
の中心を結んだ線が正三角形を形成するように穿孔され
た形状を有することが望ましい。この場合、前記セパレ
ータ3を介在した前記正極1及び前記負極2は前記パン
チドメタルの前記正三角形の一辺と平行する方向に捲回
される。
前記負極2の別の形態としては、水素吸蔵合金粉末、
結着剤及び導電材粉末を含み、粘度100P〜400P、回転粘
度比1.5〜4のペーストを、孔径1〜5mm、開孔率45〜70
%のパンチドメタル形成した構造になっている。かかる
負極2は、前記水素吸蔵合金粉末、結着剤及び導電材粉
末を水の存在下で撹拌して前記粘度及び回転粘度比を有
するペーストを調製し、そのペーストを前記孔径、開孔
率のパンチドメタルに塗布した後、必要に応じてスリッ
トにより余分なペーストの掻き落し、更に乾燥し、必要
に応じてローラプレス等で加圧成形することにより作製
される。このような負極の作製工程において、前記結着
剤量、含水量以外に攪拌速度、攪拌時間を制御すること
によっても前記粘度及び回転粘度比を有するペーストを
調製することが可能である。
前記結着剤としては、ポリアクリル酸塩、CMC及びPTF
Eなどのフッ素系樹脂で構成することが望ましい。かか
る3成分から結着剤を構成する場合には、前記水素吸蔵
合金粉末100重量部に対してポリアクリル酸塩、0.005〜
1重量部、カルボキシメチルセルロース0.01〜1重量
部、フッ素系樹脂0.5〜7重量部を配合することが好適
である。
前記導電材粉末としては、例えばカーボンブラック、
黒鉛粉末、金属粉末等を挙げることができる。かかる導
電材粉末の水素吸蔵合金粉末に対する配合割合は、前記
水素吸蔵合金粉末100重量部に0.1〜4重量部とすること
が望ましい。
前記ペーストの粘度は、ASTMに記載の粘度標準液で校
正したブルックフィールド型粘度計(単一円筒形粘度
計)により回転数6rpm、温度25℃の条件で測定した値で
ある。かかるペーストの粘度を限定したのは次のような
理由によるものである。前記ペーストの粘度を100P未満
にすると前記ペーストを前記パンチドメタルに十分な厚
さで塗布することができず、実用に耐える負極を得るこ
とができなくなる。一方、前記ペーストの粘度が400Pを
越えると塗布工程後に余分なペーストをスリットを通し
て掻き落とす際に塗布されたペーストの大部分がパンチ
ドメタルから剥離する。
前記ペーストの回転粘度比(R)は、次式で定義され
る。
R=V1/V2 但し、V1はASTMに記載の粘度標準液で校正したブルッ
クフィールド型粘度計(単一円筒形粘度計)により温度
25℃、回転数6rpmの条件で測定した粘度を示す。V2はAS
TMに記載の粘度標準液で校正したブルックフィールド型
粘度計(単一円筒形粘度計)により温度25℃、回転数60
rpmの条件で測定した粘度を示す。
前記ペーストの回転粘度比を限定したのは、次のよう
な理由によるものである。前記ペーストの回転粘度比を
1.5未満にすると塗布後のペーストのたれが大きくなっ
て目的とする厚さのペーストを安定的にパンチドメタル
に形成することができなくなる。一方、前記ペーストの
回転粘度比が4を越えるとスリットでの余分なペースト
の除去を良好に行えなくなる。また、塗布工程時に塗布
槽でペーストに流動を与えた場合、流動部での粘度が低
下し過ぎ、ペースト中の成分が分離し易くなるため負極
のペースト成分が不安定となる。
前記セパレータ3を形成する合成樹脂製不織布として
は、例えばポリプロピレン不織布、ナイロン不織布、ポ
リプロピレン繊維とナインロ繊維の混繊した不織布等を
挙げることができる。
前記アルカリ電解液としては、例えば水酸化ナトリウ
ム(NaOH)と水酸化リチウム(LiOH)の混合液、水酸化
カリウム(KOH)とLiOHの混合液、又はNaOH、KOH及びLi
OHの混合液等を用いることができる。特に、KOHとLiOH
の混合液をアルカリ電解液として用いることが好まし
い。
なお、前述したFig.1では非焼結式ニッケル正極1及
び水素吸蔵合金負極2間にセパレータ3を介在して渦巻
状に捲回し、有底円筒状の容器4内に収納したが、複数
の非焼結式ニッケル正極及び複数の水素吸蔵合金負極の
間にセパレータそれぞれ介在して積層物とし、この積層
物を有底筒状の容器内に収納してもよい。
(作用) 本発明によれば、水素吸蔵合金粉末にポリアクリル酸
塩、カルボキシメチルセルロース及びフッ素系樹脂をそ
れぞれ所定量配合すると共に、導電材粉末を所定量配合
した組成のペーストを集電体であるパンチドメタルに形
成することによって、前記パンチドメタルに対して機械
的強度が高く、かつ水素ガス等との反応性が良好な表面
性状を有する水素吸蔵合金粉末を含むペーストを強固に
形成した構造の水素吸蔵合金負極を得ることができる。
また、前記パンチドメタの孔径を1〜5mm、開孔率を45
〜70%に規定することによって、前記水素吸蔵合金粉末
が高密度で含有し、アルカリ電解液の浸透に関与する良
好な空隙率を有する活物質を前記パンチドメタルに形成
できるため、利用率の高い水素吸蔵合金負極を得ること
ができる。しかも、前記パンチドメタルは十分な強度を
有し、かつ前記ペーストの付着性を向上できるため、負
極作製工程における加圧成形時に前記パンチドメタルが
破断したり、乾燥したペーストがパンチドメタルから剥
離するのを防止できる。更に、全体の厚さに占める前記
パンチドメタルの厚さを10〜35%とすることによって、
十分な機械的強度を有し、高多孔度でアルカリ電解液と
の接触面積の広い活物質を前記パンチドメタルに形成で
きるため、利用率の高い水素吸蔵合金負極を得ることが
できる。このような機械的強度が高く、利用率の高い水
素吸蔵合金負極及び非焼結式ニッケル正極をセパレータ
を挟んで容器内に収納し、かつ前記容器内にアルカリ電
解液を収容することによって、高信頼性で高容量のニッ
ケル水素二次電池を得ることができる。
また、前記正極及び負極をポリアクリル酸塩、CMC及
びフッ素系樹脂からなる成分組成が同様な結着剤を含む
ペーストを用いて形成すれば、前記正極及び負極へのア
ルカリ電解液の吸液性を等しくでき、充放電時における
前記正極及び負極の電流分布を均一化できる。その結
果、両電極での充放電反応を円滑化でき、充放電サイク
ルの進行に伴う内圧上昇や放電容量の減少を抑制でき
る。従って、充放電サイクル寿命の長いニッケル水素二
次電池を得ることができる。
更に、前記水素吸蔵合金負極を構成するパンチドメタ
ルとして隣接する孔同志の中心を結んだ線が正三角形を
形成するように穿孔された形状を有するものを用い、前
記負極及び前記非焼結式ニッケル正極を前記セパレータ
を挟んで前記パンチドメタルの前記正三角形の一辺と平
行する方向に捲回すれば、前記負極におけるパンチドメ
タルの突出やペーストの脱落を防止でき、負極の利用率
が高く、高容量のニッケル水素二次電池を得ることがで
きる。
即ち、前記パンチドメタルにペーストを固定した水素
吸蔵合金負極を前記セパレータを挟んで前記正極と共に
渦巻状に捲回すると、集電体であるパンチドメタルは捲
回方向に垂直で、かつ孔の中心を含む線で折れる。この
ような負極の捲回方向は、前記パンチドメタル孔配列で
ある正三角形の一辺と平行になる場合と、前記パンチド
メタルの正三角形の一辺と垂直になる場合との2通りが
ある。前者の正三角形の一辺と平行する方向に捲回した
場合は、折線と折線との間隔は正三角形の一辺の長さの
1/2となる。一方、後者の正三角形の一辺と垂直になる
方向に巻回した場合は、折線と折線との間隔は正三角形
の一辺の長さの となる。従って、前記負極及び正極を前記セパレータを
挟んで前記パンチドメタルの正三角形の一辺と平行にな
るように捲回することによって、折線と折線との間隔を
短くすることができため、前記負極を構成するパンチド
メタルは細かく小さな角度で折れながら渦巻状に捲回さ
れる。その結果、特に折れ角度が大きくなり易い捲回初
期において、前記負極におけるパンチドメタルの負極外
部への突出やペーストの脱落を防止できるため、負極の
利用率が高く、高容量のニッケル水素二次電池を得るこ
とができる。
更に、水素吸蔵合金粉末に結着剤と導電材粉末を含
み、所定の粘度及び回転粘度比を有するペーストを、所
定の孔径及び開孔率のパンチドメタルに形成することに
よって、前記パンチドメタルに対して目的とする厚さの
ペーストが安定的に形成された構造の水素吸蔵合金負極
を得ることができる。従って、前記ペーストの特性及び
前記パンチドメタの孔径、開孔率の規定との相互作用に
より、十分な機械的強度を有し、高多孔度でアルカリ電
解液との接触面積の広い活物質を前記パンチドメタルに
形成した利用率の高い水素吸蔵合金負極を得ることがで
きるため、前記負極及び非焼結式ニッケル正極をセパレ
ータを挟んで容器内に収納し、かつ前記容器内にアルカ
リ電解液を収容することによって、高信頼性で高容量の
ニッケル水素に次電池を得ることができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
実施例1 まず、LmNi4.2Co0.2Mn0.3Al0.3(LmはLa富化ミッシュ
メタルを示す)の組成で200メッシュパスの水素吸蔵合
金粉末を用意した。つづいて、前記水素吸蔵合金粉末10
0重量部にポリアクリル酸ナトリウム、CMC、ポリテトラ
フルオロエチレンのディスパージョン(比重1.5、固形
分60wt%)、カーボンブラック及び水を下記第1表に示
す割合で混合、撹拌することにより17種のペーストを調
製した。つづいて、これらペーストを孔径が2.0mm、開
孔率が50%、厚さが0.1mmのパンチドメタルに塗布乾燥
した後、ローラプレスで圧延し、裁断することにより水
素吸蔵合金負極を作製した。なお、この負極は全体の厚
さに対する前記パンチドメタルの厚さ比率を20%とし
た。
前記各水素吸蔵合金負極の作製工程でのペーストの塗
布性及び負極強度を調べた。その結果を下記第2表に示
す。
前記第1表、第2表から明らかなように水素吸蔵合金
粉末100重量部にポリアクリル酸ナトリウムを0.005〜1
重量部、CMCを0.01〜1重量部、PTFEを0.5〜7重量部及
び導電材粉末を0.1〜4重量部の範囲内でそれぞれ配合
した組成のペーストを所定の孔径、開孔率のパンチドメ
タルに塗布、乾燥、ロールプレスして得られた本発明に
係わる負極(No1〜No12)は、塗布性、強度が共に良好
であることがわかる。これに対し、ポリアクリル酸ナト
リウム、CMC、PTFE及び導電材粉末のいずれかが前記範
囲を逸脱する組成のペーストをパンチドメタルに塗布、
乾燥、ロールプレスして得られた負極(No13〜No17)
は、塗布性が劣ったり、強度が悪化したりすることがわ
かる。
実施例2 まず、水酸化ニッケル90重量部と一酸化コバルト10重
量部とをCMC及びPTFEと共にドライ混合を行った後、純
水を加えて混練してペーストを調製した。つづいて、こ
のペーストをニッケル焼結繊維芯体に充填し、乾燥、プ
レスを行ない、裁断することにより非焼結式ニッケル正
極を作製した。
次いで、前記非焼結式ニッケル正極の間に、前記第1
表に示すNo2、No6、No9、No12の水素吸蔵合金負極をポ
リプロピレン不織布からなるセパレータを挟んで配置し
て電極群を構成し、この電極群を用いて負極容量で規制
された容量が900mAhの第2図に示す4種の試験セルを組
み立てた。第2図において、有底角筒状の容器11内には
非焼結式ニッケル正極12間に水素吸蔵合金負極13をポリ
プロピレン不織布からなるセパレータ14をそれぞれ介在
して構成された電極群15が収納されている。前記電極群
15は、前記各正極12の両側に配置された2枚の絶縁材料
からなる押え板16により挟持されている。前記容器11内
には、8N−KOH溶液からなるアルカリ電解液17が収容さ
れている。なお、前記容器11内には参照電極17が収納さ
れている。
得られた各試験セルについて、水素吸蔵合金1g当り0.
17Ahの電流密度で充電した後、0.8Vになるまで放電する
充放電を繰り返して、充電電気量に対する放電電気量の
割合(利用率)を測定した。その結果、いずれの試験セ
ルも利用率が100%であることが確認された。
実施例3 まず、実施例1と同様な水素吸蔵合金粉末100重量部
にポリアクリル酸ナトリウム0.5重量部、CMC0.125重量
部、ポリテトラフルオロエチレンのディスパージョン
(固形分換算;1.5重量部)及びカーボンブラック1.0重
量部を水と共に撹拌混合することによりペーストを調製
した。つづいて、厚さが0.1mm、孔径が2.0mm、開孔率が
35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75
%であるパンチドメタルを用意し、これらのパンチドメ
タルに前記ペーストを塗布、乾燥した後、ローラプレス
で圧延することにより9種の水素吸蔵合金負極を作製し
た。なお、これらの負極は全て厚さ及び水素吸蔵合金密
度を同じとし、かつ全体の厚さに対する前記パンチドメ
タルの厚さ比率を20%とした。
前記各水素吸蔵合金負極の作製工程での圧延時におけ
るペースト剥離の有無並びにパンチドメタルの破断の有
無とを調べた。その結果を下記第3表に示す。
前記第3表から明らかなようにパンチドメタルの開孔
率が40%、である水素吸蔵合金負極(No1)は、圧延時
に乾燥したペーストがパンチドメタルから剥離すること
がわかる。また、パンチドメタルの開孔率が75%である
負極(No8)は圧延時に該パンチドメタルが破断するこ
とがわかる。これに対し、パンチドメタルの開孔率が45
〜70%である本発明に係わる負極(No2〜No7)は乾燥し
たペーストの剥離やパンチドメタルの破断もなく、良好
な特性を有することがわかる。
実施例4 前記実施例2と同様な正極間に、前記第3表に示すNo
1〜No7の負極をポリプロピレン不織布からなるセパレー
タを介して電極群を構成し、かつ8N−KOHからなるアル
カリ電解液を用いて負極容量で規制された容量が900mAh
の第2図と同様な構造の7種の試験セルを組み立てた。
得られた各試験セルについて、水素吸蔵合金1g当り0.
17Ahの電流密度で充電した後、0.8Vになるまで放電する
充放電を繰り返して、充電電気量に対する放電電気量に
割合(利用率)を測定した。その結果を第3図に示す。
第3図は、それぞれの二次電池に組込んだ水素吸蔵合金
負極におけるパンチドメタルの開孔率とその負極の利用
率との関係を示す特性図である。
第3図から明らかなように開孔率が45〜70%のパンチ
ドメタルを有する負極を組込んだ二次電池では、負極の
利用率がほぼ100%となることがわかる。これに対し、
開孔率が40%のパンチドメタルを有する負極を組込んだ
二次電池では負極の利用率が90%程度になる。この原因
は、パンチドメタルの開孔率が45%未満であると負極の
空隙が少なくなり、アルカリ電解液と接触する水素吸蔵
合金の割合が減少することに起因するものと考えられ
る。
実施例5 まず、水酸化ニッケル100重量部に一酸化コバルト10
重量部、ポリアクリル酸ナトリウム0.25重量部、CMC0.2
5重量部、PTFEのディスパージョン(固形分換算;1.5重
量部)及び水を加え、これを混合してペーストを調製し
た。つづいて、前記ペーストをニッケル焼結繊維芯体に
充填し、乾燥、ローラプレスを行ない、裁断することに
より非焼結式ニッケル正極を作製した。
また、実施例1と同様な水素吸蔵合金粉末100重量部
にポリアクリル酸ナトリウム0.5重量部、CMC0.125重量
部、PTFEディスパージョン(固形分換算;1.5重量部)及
びカーボンブラック1重量部を水と共に撹拌混合するこ
とによりペーストを調製した。つづいて、前記ペースト
を孔径が2.0mm、開孔率が50%、厚さが0.1mmのパンチド
メタルに塗布、乾燥した後、ローラプレスで圧延し、裁
断することにより水素吸蔵合金負極を作製した。なお、
この負極は全体の厚さに対する前記パンチドメタルの厚
さ比率を20%とした。
次いで、前記正極と前記負極の間にポリプロピレン不
織布からなるセパレータを挟んで渦巻状に巻回し、これ
を軟鋼製の有底円筒状容器に収納し、更に前記容器内に
7N−KOH及び1N−LiOHの混合液からなるアルカリ電解液
を収容して公称容量が900mAhの前述した第1図に示す構
造を有するニッケル水素二次電池を組み立てた。
比較例1 焼結式ニッケル正極と実施例5と同様な負極の間にポ
リプロピレン不織布からなるセパレータを挟んで渦巻状
に巻回し、これを軟鋼製の有底円筒状容器に収納し、更
に前記容器内に7N−KOH及び1N−LiOHの混合液からなる
アルカリ電解液を収容して公称容量が900mAhの前述した
第1図に示す構造を有するニッケル水素二次電池を組み
立てた。
得られた実施例5及び比較例1の二次電池について、
それぞれ300mAの電流で4.5時間充電し、900mAの電流で
電池電圧が1Vになるまで放電する充放電サイクルを繰り
返し、初期放電容量に対する各サイクルにおける放電容
量の割合を二次電池の効率として測定する充放電サイク
ル試験を行なった。その結果を第4図に示す。
第4図より明らかなように、実施例5の二次電池は比
較例1の二次電池と比べて、サイクル寿命が長いのがわ
かる。この原因は、実施例5の二次電池は正極及び負極
が共に結着剤としてポリアクリル酸ナトリウム、CMC及
びPTFEを使用し、かつ非焼結式の電極であるため、両電
極のアルカリ電解液の吸液速度が同程度となって保液バ
ランスが良好となり、両電極表面での部分的な反応を起
すことなく均一な反応がなされたことによるものであ
る。
実施例6 まず、実施例1と同様な水素吸蔵合金粉末100重量部
にポリアクリル酸ナトリウム0.5重量部、CMC0.125重量
部、PTFEディスパージョン(固形分換算;1.5重量部)及
びカーボンブラック1重量部を水と共に撹拌混合するこ
とによりペーストを調製した。つづいて、前記ペースト
が収容された塗布槽内に、孔径が2.0mm、開孔率が50
%、厚さが0.1mmのパンチドメタルを搬入し、前記塗布
槽から前記パンチドメタルを垂直に引き上げた後、スリ
ットを通して余分なペーストを除去して前記パンチドメ
タルの表裏面に一定厚さのペーストを塗布した。次い
で、80℃で乾燥した後、ローラプレスで圧延して全体厚
さに対する前記パンチドメタルの厚さ比率を5%、10
%、20%、30%、40%、50%とし、更に裁断することに
より6種の水素吸蔵合金負極を作製した。
次いで、実施例2と同様な正極間に前記各負極をポリ
プロピレン不織布からなるセパレータを介して電極群を
構成し、かつ8N−KOHからなるアルカリ電解液を用いて
負極容量で規制された容量が900mAhの第2図と同様な構
造の6種の試験セルを組み立てた。
得られた各試験セルについて、水素吸蔵合金1g当り0.
17Ahの電流密度で充電した後、0.8Vになるまで放電する
充放電を繰り返して、充電電気量に対する放電電気量の
割合(利用率)を測定した。その結果を第5図に示す。
第5図は、負極の全体の厚さに対するパンチドメタルの
厚さ比率と負極の利用率の関係を示す。
第5図から明らかなように全体の厚さに対するパンチ
ドメタルの厚さ比率が10〜35%の範囲にある各水素吸蔵
合金負極を組み込んだ試験セルでは、ほぼ100%の利用
率を有することがわかる。これに対し、全体の厚さに対
するパンチドメタルの厚さ比率が5%、40%、50%の各
水素吸蔵合金負極を組み込んだ二次電池では、利用率が
90%以下となる。これは、全体厚さに対するパンチドメ
タルの厚さ比率が5%の負極を組み込んだ試験セルでは
集電体であるパンチドメタルが薄いために十分な集電効
果が得られないことに起因するものである。また、全体
の厚さに対するパンチドメタルの厚さ比率が40%、50%
の各負極を組み込んだ試験セルでは、負極の多孔度が低
下し、アルカリ電解液と接触できる水素吸蔵合金が減少
したことに起因するものである。
実施例7 まず、実施例1と同様な水素吸蔵合金粉末100重量部
にポリアクリル酸ナトリウム0.5重量部、CMC0.125重量
部、PTFEディスパージョン(固形分換算;1.5重量部)及
びカーボンブラック1重量部を水と共に撹拌混合するこ
とによりペーストを調製した。つづいて、第6図に示す
ように隣接する孔径2.0mmの孔21同志の中心を結んだ線2
2a、22b、22cが正三角形を形成するように穿孔した60゜
千鳥で開孔率50%、厚さ0.1mmのパンチドメタル23を用
意した。このパンチドメタル23に前記ペーストを塗布、
乾燥した後、ローラプレスにより圧延し、更に裁断する
ことにより水素吸蔵合金負極を作製した。
次いで、実施例2と同様な正極と前記負極の間にポリ
プロピレン不織布からなるセパレータを挟み、第6図に
示すようにパンチドメタル23の前記正三角形の一辺22a
と平行する方向(矢印A方向)に渦巻状に巻回し、これ
を軟鋼製の有底円筒状容器に収納し、更に前記容器内に
7N−KOH及び1N−LiOHの混合液からなるアルカリ電解液
を収容して公称容量が900mAhの前述した第1図に示す構
造を有するニッケル水素二次電池を組み立てた。
比較例2 第7図に示すような隣接する孔径2.0mmの孔31同志の
中心を結んだ線32a、32b、32cが正三角形を形成するよ
うに穿孔した60゜千鳥で開孔率50%、厚さ0.1mmのパン
チドメタル33を用意した。つづいて、このパンチドメタ
ル33に実施例7と同様なペーストを塗布、乾燥した後、
ローラプレスにより圧延し、更に裁断することにより水
素吸蔵合金負極を作製した。
次いで、実施例2と同様な正極と前記負極の間にポリ
プロピレン不織布からなるセパレータを挟み、第7図に
示すようにパンチドメタル33の前記正三角形の一辺32a
と直交する方向(矢印B方向)に渦巻状に巻回し、これ
を軟鋼製の有底円筒状容器に収納し、更に前記容器内に
7N−KOH及び1N−LiOHの混合液からなるアルカリ電解液
を収容して公称容量が900mAhの前述した第1図に示す構
造を有するニッケル水素二次電池を組み立てた。
得られた実施例7及び比較例2の二次電池をそれぞれ
100個用意し、それぞれの電池について、正極・負極間
に直流300Vを通電して絶縁抵抗を測定することにより絶
縁不良数を調べた。その結果、実施例7では絶縁不良数
が100個中3個であった。これに対し、比較例12では絶
縁不良数が100個中17個であった。
上述した結果から、実施例7の二次電池は比較例2の
二次電池に比べて絶縁不良の発生率が著しく低いことが
確認できた。この原因は、実施例7の二次電池では負極
及び正極をセパレータを挟んで捲回する際、前述した第
6図に示すように負極のパンチドメタル23の折線の間隔
l1が正三角形の一辺の長さの1/2であるのに対し、比較
例2の二次電池では前述した第7図に示すように負極の
パンチドメタル33の折線の間隔l2が正三角形の一辺の長
さの と大きくなる。従って、実施例7の二次電池に組み込ま
れる負極は比較例2の二次電池に組み込まれる負極に比
べて細かく小さな角度で折れながら捲回されるため、捲
回によるパンチドメタルの突出や電極活物質の脱落が防
止されたものと考えられる。
実施例8 まず、実施例1と同様な水素吸蔵合金粉末、ポリアク
リル酸ナトリウム、CMC、PTFE及びカーボンブラックを
水と共に撹拌混合することによりペーストを調製した。
この際、前記各成分量を下記第4表に示すように調整す
ると共に、撹拌時間、撹拌速度を調整することにより下
記第5表に示す粘度及び回転粘度比を有する6種のペー
ストを調製した。なお、粘度はASTMに記載の粘度標準液
で校正したブルックフィールド型粘度計を用いた測定方
法(温度25℃)により求めたものである。つづいて、前
記各ペーストが収容された塗布槽内に、孔径が2.0mm、
開孔率が50%、厚さが0.1mmのパンチドメタルを搬入
し、前記塗布槽から前記パンチドメタルを垂直に引き上
げた後、スリットを通して余分なペーストを除去して前
記パンチドメタルの表裏面に所定厚さのペーストを塗布
した。次いで、80℃で乾燥した後、ローラプレスで圧延
し、更に裁断することにより6種の水素吸蔵合金負極を
作製した。なお、前記各負極は全体厚さに対する前記パ
ンチドメタルの厚さ比率が20%とした。
上述した負極の作製に際し、ペーストのパンチドメタ
ルに対する塗布性及びスリットの切れ性(掻き落とし
性)を評価した。その結果を下記第5表に併記した。
前記第5表から明らかなように回転数6rpmでの粘度が
100P未満のペースト(No1)ではパンチドメタルへの塗
布性が悪化し、目的とする厚さの負極を作製できないこ
とがわかる。また、回転数6rpmでの粘度が400Pを越える
ペースト(No4)ではパンチドメタルへの塗布性、切れ
性が共に悪化し、塗布されたペーストが殆どパンチドメ
タルから剥離してしまい、目的とする負極を作製できな
いことがわかる。更に、回転数6rpmでの粘度が100〜400
Pの範囲にあっても、回転粘度比が1.5未満のペースト
(No5)ではペースト厚さが安定せず、回転粘度比が4
を越えるペースト(No6)では塗布されたペーストの殆
どがパンチドメタルから剥離するばかりか、成分が不安
定となる。これに対し、回転数6rpmでの粘度が100〜400
p、回転粘度比が1.5〜4のペースト(No2、No3)ではパ
ンチドメタルへの塗布性、切れ性に優れ、良好な負極を
作製できた。
実施例9 実施例2と同様な正極間に、前記第5表に示すNo2、N
o3の負極をポリプロピレン不織布からなるセパレータを
介して電極群を構成し、かつ該電極群及び8N−KOHから
なるアルカリ電解液を用いて負極容量で規制された容量
が900mAhの第2図と同様な構造の6種の試験セルを組み
立てた。
得られた各試験セルについて、水素吸蔵合金1g当り0.
17Ahの電流密度で充電した後、0.8Vになるまで放電する
充放電を繰り返して、充電電気量に対する放電電気量の
割合(利用率)を測定した。その結果、いずれの試験セ
ルも利用率が100%であることが確認された。
[発明の効果] 以上詳述した如く、本発明によれば水素吸蔵合金負極
の利用率を向上して高容量化を達成すると共に、充放電
サイクル寿命を向上したニッケル水素二次電池を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係わるニッケル水素二次電池を示す部
分分解斜視図、第2図は実施例で用いられる試験セルを
示す断面図、第3図は実施例4のニッケル水素二次電池
における負極のパンチドメタルの開孔率と負極の利用率
との関係を示す特性図、第4図は実施例5及び比較例1
のニッケル水素二次電池における充放電サイクル数と効
率との関係を示す特性図、第5図は実施例6のニッケル
水素二次電池における負極の全体厚さに対するパンチド
メタルの厚さ比率と負極の利用率との関係を示す特性
図、第6図は実施例7の負極に用いたパンチドメタルの
孔配列及び捲回方向を説明するための平面図、第7図は
比較例2の負極に用いたパンチドメタルの孔配列及び捲
回方向を説明するための平面図である。 1、12……正極、2、13……水素吸蔵合金負極、3、14
……セパレータ、4、11……容器、6……封口板、17…
…電解液、23……パンチドメタル。
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 優治 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 高橋 浩之 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東 芝電池株式会社内 (72)発明者 林田 浩孝 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 光安 清志 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 猿渡 一郎 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東 芝電池株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−649(JP,A) 特開 平1−279563(JP,A) 特開 昭63−266768(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/24 - 4/26 H01M 4/62 H01M 10/30 H01M 4/64 - 4/74 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水酸化ニッケル、一酸化コバルト及び結着
    剤を含むペーストを導電性芯体に形成した非焼結式ニッ
    ケル正極と水素吸蔵合金負極とをセパレータを介在して
    渦巻状に捲回した電極群と、アルカリ電解液と、前記電
    極群及び前記アルカリ電解液が収納される容器とを具備
    するニッケル水素二次電池であって、 前記負極は、水素吸蔵合金粉末100重量部、ポリアクリ
    ル酸塩0.005〜1重量部、カルボキシメチルセルロース
    0.01〜1重量部、フッ素系樹脂0.5〜7重量部及び導電
    材粉末0.1〜4重量部を含むペーストを、互いに隣り合
    う3つの孔の中心を結ぶと常に正三角形が形成されるよ
    うに穿孔されており、孔径が1〜5mmで、かつ開孔率が4
    5〜70%のパンチドメタルに形成したもので、 前記負極全体の厚さに対する前記パンチドメタルが10〜
    35%の厚さを占め、 前記電極群の捲回方向は、前記パンチドメタルの前記正
    三角形の一辺と平行であることを特徴とするニッケル水
    素二次電池。
  2. 【請求項2】水酸化ニッケル、一酸化コバルト及び結着
    剤を含むペーストを導電性芯体に形成した非焼結式ニッ
    ケル正極と水素吸蔵合金負極とをセパレータを介在して
    渦巻状に捲回した電極群と、アルカリ電解液と、前記電
    極群及び前記アルカリ電解液が収納される容器とを具備
    するニッケル水素二次電池であって、 前記負極は、水素吸蔵合金粉末、結着剤及び導電材粉末
    を含み、かつ粘度が100P〜400Pで、下記(1)式に示さ
    れる回転粘度比(R)が1.5〜4のペーストを、互いに
    隣り合う3つの孔の中心を結ぶと常に正三角形が形成さ
    れるように穿孔されており、孔径が1〜5mmで、かつ開
    孔率が45〜70%のパンチドメタルに形成したもので、 前記電極群の捲回方向は、前記パンチドメタルの前記正
    三角形の一辺と平行であることを特徴とするニッケル水
    素二次電池。 R=V1/V2 …(1) 但し、V1はASTMに記載の粘度標準液で校正したブルック
    フィールド型粘度計(単一円筒形粘度計)により温度25
    ℃、回転数6rpmの条件で測定した粘度を示し、V2はASTM
    に記載の粘度標準液で校正したブルックフィールド型粘
    度計(単一円筒形粘度計)により温度25℃、回転数60rp
    mの条件で測定した粘度を示す。
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