JP3091275B2 - 熱収縮性フィルム及びその製造方法 - Google Patents
熱収縮性フィルム及びその製造方法Info
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Description
れ、製造が容易な熱収縮性多層フィルムに関する。
はその形状が不規則で大きさも不揃いである。このよう
に、形態が多様な食品の包装方法としては、熱収縮性の
フィルムを用いる収縮包装が工業的に採用されている。
この方法の一般的な操作手順は、袋状のフィルムに内容
物を入れ、次いで減圧下で袋内の空気を除去し、袋の開
口部を密封した後、加熱処理することによりフィルムを
熱収縮せしめて内容物に密着せしめて綺麗な包装体を得
ることからなっている。この方法において、加熱処理は
内容物の殺菌を兼ねて行われる場合があり、通常70〜
120℃の温度が採用される。
は、ガスバリアー性および密着性に優れ、且つ70〜1
20℃の熱水もしくは温風などによる加熱によって充分
に熱収縮する特性を有することが必要である。
下、EVOHと記す。)は高ガスバリアー性を有してい
る。これらEVOH樹脂を用いて収縮包装用フイルムを
作成することも考えられるが、EVOH樹脂フイルムは
延伸性に劣り優れた収縮包装用フイルムを得ることはで
きない。
されている。例えば、特開昭56−136365号公報
にはポリオレフィン層、ポリアミド樹脂層及びEVOH
樹脂層からなる積層フィルムなどが記載されている。
脂と積層しても、満足がいく延伸性が得られず、均一な
熱収縮性を有するフィルムを得ることができない。
Hに6−66、6−12ナイロンを中心とする融点12
0〜210℃のポリアミド樹脂をブレンドし、延伸性を
改良することが記載されているが、芳香族ポリアミド樹
脂を用いることについては何も記載されておらず、しか
も、該フイルムは、本発明の熱収縮性多層フィルムが有
する優れたガスバリアー性、熱収縮性を有してはいな
い。
は、EVOHにポリアミド樹脂をブレンドした樹脂を用
いたフイルムが記載されているが、該フイルムは、耐ボ
イル性、加熱時寸法安定性を目的として二軸延伸及びそ
れにつづく熱固定を行ったガスバリアー性フィルムであ
り、熱収縮性フィルムとすることについては全く記載さ
れていない。
より優れた熱収縮性、寸法安定性を示し、製造が容易な
熱収縮性フィルムの提供が望まれている。
リアー性を維持しながらその延伸性、熱収縮性、寸法安
定性を改良すべく検討した結果、EVOH樹脂自体の延
伸性、熱収縮性は、EVOH樹脂に芳香族系ポリアミド
樹脂を特定の割合でブレンドした場合、透明性、熱安定
性が大巾に改善されるだけでなく、極めて延伸性が向上
し、均一な熱収縮性、寸法安定性の優れた多層フィルム
が得られる事を見出だし、本発明を成すに至った。
容物との密着性が優れ、均一な熱収縮性および良好な寸
法安定性を有し、かつ、ガスバリアー性、保香性あるい
は耐有機溶剤性が良好な熱収縮性多層フィルムを提供す
ることにある。
することなく製造でき、製造時ゲル、ブツの発生がな
く、良好な透明性を有するフィルムを容易に製造できる
熱収縮性多層フィルムを提供することにある。
記熱収縮性多層フィルムおよび熱収縮性多層フィルムの
製造方法によって達成される。 (1)エチレン含有量20−60モル%、けん化度90
%以上のエチレン−ビニ ルアルコール共重合体10−9
5重量%および芳香族系ポリアミド樹脂5−90重量%
からなるエチレン−ビニルアルコール共重合体組成物層
(A)と、エチレンとビニルエステル単量体との共重合
体、脂肪族不飽和カルボン酸、脂肪族不飽和カルボン酸
エステルより選ばれる単量体とエチレンとの共重合体、
アイオノマー樹脂、線状低密度ポリエチレン、線状低密
度ポリエチレンとエチレン−酢酸ビニル共重合体との混
合樹脂、密度0.91以下でビカット軟化点95℃以下
の超低密度ポリエチレン、密度0.91以下でビカット
軟化点95℃以下の超低密度ポリエチレンと少量の線状
低密度ポリエチレンとの混合樹脂、および、結晶性プロ
ピレン−エチレン共重合体とポリプロピレン系エラスト
マーとの混合樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1
種類の樹脂からなる層(B)をそれぞれ少なくとも一層
有し、層(B)を最内層とし、かつ、90℃の熱水中に
一分間浸漬した時の面積収縮率が10%以上である熱収
縮性多層フィルム。 (2)さらにポリアミド樹脂層(C)を少なくとも1層
有し、かつ、層(C)を層(A)の外側に配することを
特徴とする上記(1)に記載の熱収縮性多層フィルム。 (3)ポリアミド樹脂層(C)のポリアミド樹脂が芳香
族系ポリアミド樹脂である上記(2)に記載の熱収縮性
多層フィルム。 (4)エチレン含有量20−60モル%、けん化度90
%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体10−9
5重量%および芳香族系ポリアミド樹脂5−90重量%
からなるエチレン−ビニルアルコール共重合体組成物層
(A)と、エチレンとビニルエステル単量体との共重合
体、脂肪族不飽和カルボン酸、脂肪族不飽和カルボン酸
エステルより選ばれる単量体とエチレンとの共重合体、
アイオノマー樹脂、線状低密度ポリエチレン、線状低密
度ポリエチレンとエチレン−酢酸ビニル共重合体との混
合樹脂、密度0.91以下でビカット軟化点95℃以下
の超低密度ポリエチレン、密度0.91以下でビカット
軟化点95℃以下の超低密度ポリエチレンと少量の線状
低密度ポリエチレンとの混合樹脂、および、結晶性プロ
ピレン−エチレン共重合体とポリプロピレン系エラスト
マーとの混合樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1
種類の樹脂からなる層(B)をそれぞれ少なくとも一層
有する積層体を加熱温度50−140℃で、縦および/
または横にそれ ぞれ1.3−9倍延伸することを特徴と
する上記(1)に記載の熱収縮性多層フィルムの製造方
法。 (5)エチレン含有量20−60モル%、けん化度90
%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体10−9
5重量%および芳香族系ポリアミド樹脂5−90重量%
からなるエチレン−ビニルアルコール共重合体組成物層
(A)と、ポリアミド樹脂層(C)と、エチレンとビニ
ルエステル単量体との共重合体、脂肪族不飽和カルボン
酸、脂肪族不飽和カルボン酸エステルより選ばれる単量
体とエチレンとの共重合体、アイオノマー樹脂、線状低
密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンとエチレン
−酢酸ビニル共重合体との混合樹脂、密度0.91以下
でビカット軟化点95℃以下の超低密度ポリエチレン、
密度0.91以下でビカット軟化点95℃以下の超低密
度ポリエチレンと少量の線状低密度ポリエチレンとの混
合樹脂、および、結晶性プロピレン−エチレン共重合体
とポリプロピレン系エラストマーとの混合樹脂からなる
群より選ばれる少なくとも1種類の樹脂からなる層
(B)をそれぞれ少なくとも一層有する積層体を加熱温
度50−140℃で、縦および/または横にそれぞれ
1.3−9倍延伸することを特徴とする上記(2)また
は(3)に記載の熱収縮性多層フィルムの製造方法。
チレン含有量20−60モル%、けん化度90%以上の
エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、本発明の
EVOHと記す。)とはエチレン−ビニルエステル共重
合体けん化物であり、エチレン含有量20−60モル
%、好適には25−58モル%、ビニルエステル成分の
けん化度90%以上、好適には95%以上のものが使用
できる。エチレン含有量20モル%未満では溶融成形性
が悪く、一方60モル%以上では、ガスバリアー性が不
足する。また、けん化度が90%未満では、ガスバリア
ー性および熱安定性が悪くなる。ビニルエステルとして
は酢酸ビニルが代表例として挙げられるが、その他の脂
肪酸ビニルエステル(例えばピバリン酸エステル)も使
用できる。
されない範囲で、他の共単量体〔例えば、プロピレン、
ブチレン、不飽和カルボン酸又はそのエステル{(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル(メチル
エステル、エチルエステルなど)など}、ビニルシラン
化合物(ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシランなど)、ビニルピロリドン(N−ビニルピロリ
ドンなど)を共重合することもでき、また、可塑剤、熱
安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フィラ
ー、他の樹脂(ポリアミド、部分けん化エチレン−酢酸
ビニル共重合体など)をブレンドすることもできる。ま
た、本発明のEVOHのメルトインデックス(MI)
(190℃、2160g荷重下)は0.1−50g/1
0min.であることが好ましく、0.5−20g/10mi
n.であることが更に好ましい。
脂とは、ジアミン成分、ジカルボン酸成分のいずれか一
方、あるいは、双方が芳香族化合物である重縮合体であ
り、その好ましい代表例としてメタキシリレン基含有ポ
リアミド樹脂が挙げられる。
ては、メタキシリレンジアミンと全量の80%以下のパ
ラキシリレンジアミンを含む混合キシリレンジアミンと
炭素数が6〜10個のα、ω−脂肪族ジカルボン酸とか
ら生成された構成単位を分子鎖中に少なくとも70モル
%含有した重合体が好ましい。これらの重合体の例とし
ては、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリメタキシリ
レンセバカミド、ポリメタキシリレンスペラミドなどの
ような単独重合体、および、メタキシリレン/パラキシ
リレンアジパミド共重合体、メタキシリレン/パラキシ
リレンアゼラミド共重合体などのような共重合体、なら
びにこれらの単独重合体または共重合体の成分とヘキサ
メチレンジアミンのような脂肪族ジアミン、ピペラジン
のような脂環式ジアミン、パラ−ビス−(2−アミノエ
チル)ベンゼンのような芳香族ジアミン、テレフタル酸
のような芳香族ジカルボン酸、ε−カプロラクタムのよ
うなラクタム、アミノヘプタン酸のようなアミノカルボ
ン酸、パラ−アミノメチル安息香酸のような芳香族アミ
ノカルボン酸等とを共重合した共重合体等が挙げられ
る。上記の共重合体において、パラキシリレンジアミン
は全キシリレンジアミンに対して75%以下であるであ
ることが更に好ましい。またキシリレンジアミンと脂肪
族ジカルボン酸とから生成された構成単位を分子鎖中に
おいて少なくとも70モル%以上有するのが好ましく、
75モル%以上有するのが更に好ましい。また、これら
のポリマーは、例えばナイロン6、ナイロン6−6、ナ
イロン6−10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロ
ン6−12等の重合体、帯電防止剤、滑剤、耐ブロッキ
ング剤、安定剤、染料、顔料等を含有してもよい。該メ
タキシリレン基含有ポリアミド樹脂の相対粘度(96%
硫酸溶液(1g/100ml)、25℃)は1.0〜5dl
/g、さらには1.5〜4dl/gであることが望まし
い。
ポリアミドとして非晶質ポリアミドを挙げることができ
る。ここで非晶質ポリアミドとは、DSC測定におい
て、実質上吸熱結晶融解ピークを有さないもので、ジア
ミン成分、ジカルボン酸成分のうちの少なくとも一方が
芳香族化合物である重縮合体であり、その代表例として
は、脂肪族ジアミンおよび芳香族ジカルボン酸の重縮合
体が挙げられる。
キサメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサ
メチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチ
レンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ビ
ス−(4−アミノヘキシル)−メタン、2,2−ビス−
(4−アミノヘキシル)−イソプロピリデン、1,4−
ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキ
サン、1,5−ジアミノペンタン、1,4−ジアミノブ
タン、1,3−ジアミノプロパン、および2−エチルジ
アミノブタンなどが挙げられる。これらのジアミンは、
一種またはそれ以上を同時に用いることができる。なか
でも、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチ
レンジアミン、1,5−ジアミノペンタン、1,4−ジ
アミノブタンおよび1,3−ジアミノプロパンが好適に
用いられる。
イソフタール酸、テレフタール酸、アルキル置換イソフ
タール酸、アルキル置換テレフタール酸、ナフタレンジ
カルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸などが挙
げられる。これらのジカルボン酸は、一種またはそれ以
上を同時に用いることができる。中でも、イソフタール
酸、テレフタール酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸などが熱成形性、透明性およ
びガスバリアー性などの面で好適である。
サメチレンジアミンとイソフタール酸の重縮合体、ヘキ
サメチレンジアミンとイソフタール酸/テレフタール酸
の重縮合体、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジ
アミンおよび2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジ
アミンとテレフタール酸の重縮合体などが挙げられる。
中でも、イソフタール酸/テレフタール酸のモル比が6
0/40〜95/5、さらには65/35〜90/10
の範囲にあるヘキサメチレンジアミンとイソフタール酸
/テレフタール酸の重縮合体が好適である。
リアミド樹脂の添加量は5−90重量%であるが、好適
には7−80重量%である。添加量が5重量%以下では
延伸性の改善効果が十分でなくムラが発生し易い。一
方、90重量%以上ではガスバリアー性が大巾に低下
し、高ガスバリアーフィルムとしては使用に耐えない。
とをブレンドする方法は、特に限定されるものではな
い。本発明のEVOHと芳香族ポリアミド樹脂とをドラ
イブレンドしてそのまま使用してもよいが、バンバリー
ミキサー、単軸、または二軸スクリュー押出し機などで
ペレット化、乾燥して使用する方法がより好ましい。ブ
レンドが不均一であったり、またブレンドペレット化操
作時にゲル、ブツの発生や混入があると、加熱延伸成形
時にEVOH組成物層の破れ、クラック、ムラが発生す
る可能性が大きい。従って、ブレンドペレット化操作時
に混練度の高い押出機を使用し、ホッパー口を窒素ガス
でシールし、低温で押出しすることが望ましい。また、
ブレンドペレット化する際、他の添加物(可塑剤、熱安
定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フィラー、
他の樹脂など)を本発明の目的が阻害されない範囲で使
用することができる。特に、ゲル発生防止対策として、
ハイドロタルサイト系化合物、ヒンダードフェノール
系、ヒンダードアミン系熱安定剤を0.01−1重量%
添加することは好適である。
は、エチレンとビニルエステル単量体との共重合体、脂
肪族不飽和カルボン酸、脂肪族不飽和カルボン酸エステ
ルより選ばれる単量体とエチレンとの共重合体、アイオ
ノマー樹脂、線状低密度ポリエチレン(以下、LLDP
Eと略称する。)、LLDPEとエチレン−酢酸ビニル
共重合体(以下、EVAと記す。)との混合樹脂、密度
0.91以下でビカット軟化点95℃以下の超低密度ポ
リエチレン(以下、VLDPEと略称する。)、VLD
PEと少量のLLDPEとの混合樹脂、および、結晶性
プロピレン−エチレン共重合体とポリプロピレン系エラ
ストマーとの混合樹脂からなる群から選ばれる少なくと
も1種類の樹脂で構成されている。
共重合体としては、例えばEVA、脂肪族不飽和カルボ
ン酸、脂肪族不飽和カルボン酸エステルより選ばれる単
量体とエチレンとの共重合体としては、例えばアクリル
酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸
エステル等から選ばれた単量体とエチレンとの共重合体
が挙げられる。密度0.91以下でビカット軟化点95
℃以下の超低密度ポリエチレン(以下、VLDPEと略
称する。)において、ビッカト軟化点は85℃以下であ
ることが好ましい。 上記ビッカト軟化点はASTM D
−1525により測定されたものである。 上記EVAと
しては酢酸ビニル含量が3〜19重量%のものが好まし
い。LLDPEとEVAの混合樹脂中のEVAの割合は
少なくとも55重量%を含有していることが延伸性の見
地から好ましい。LLDPEとしては、エチレンと少量
のブテン−1、ペンテン−1、4メチル−ペンテン−
1、ヘキセン−1、オクテン−1等の炭素数4〜18の
α−オレフィンとの共重合体で結晶融点118〜125
℃のものが好ましい。 アイオノマー樹脂としては、エチ
レン、プロピレン等のα−オレフィンとアクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸との共
重合体及びこ れらα−オレフィンと不飽和カルボン酸エ
ステルとの共重合体の一部をけん化した共重合体の陰イ
オン部分をNa、K、Mg、Ca、Zn等の金属イオン
で一部を中和したものが用いられる。通常、Naおよび
Znが用いられる。2価の金属イオンで一部中和してな
るアイオノマー樹脂にポリアミドオリゴマーが含まれて
いるものでもよい。
独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。また、
本発明の効果を阻害しない範囲であれば上記以外の樹脂
を混合して用いてもよい。
層(B)を2層以上積層する場合は、それぞれのオレフ
ィン系樹脂は同一であっても、また異なっていてもよ
い。 層(A)と層(B)を有する本発明の熱収縮性多層
フィルムにおいて、少なくとも1層の層(B)は最内層
として設けられている。最内層として設けるとは実施例
に示されるように熱収縮性多層フィルムの一方の表面層
として設けることを意味し、本発明の熱収縮性多層フィ
ルムを包装材料として用いる場合には、包装する商品に
接することとなる。 層(B)を積層することにより押出
成形性、寸法安定性などが改善され、又優れたシール性
を付与することが出来る。
に用いられポリアミド樹脂層の樹脂としては、ナイロン
6、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、ナイロ
ン66、ナイロン69、ナイロン611、ナイロン61
2を構成する単量体成分の二元以上の共重合体、および
ナイロン6、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン1
2、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン611、ナ
イロン612が挙げられ、また、ガスバリアー性が上記
ポリアミド樹脂より優れた前記芳香族系ポリアミド樹
脂、あるいはこれと上記ポリアミド樹脂との共重合、あ
るいは溶融ブレンド物なども好ましいものとして挙げら
れる。
および層(B)、あるいは、層(A)、層(B)および
層(C)を有している。層(A)、層(B)および層
(C)はそれぞれ2層以上あってもよい。層(A)、層
(B)および層(C)をそれぞれ2層以上有する場合、
各層を構成する樹脂組成は、それぞれ同一であっても、
又異なっていてもよい。
(C)の厚みは耐熱性の点から3μm以上、延伸性、寸
法安定性の点から30μm以下が好ましい。
延伸性のバランスから3〜20μm、好ましくは3〜1
5μmである。また、層(C)の厚みは層(A)の厚み
よりも厚いことが好ましい。また、層(A)および層
(C)がそれぞれ2層以上ある場合、層(C)の合計厚
みが層(A)の合計厚みよりも厚いことが好ましく、全
厚みは15〜200μmであることが好ましい。
伸性、ガスバリアー性を阻害しない範囲で熱可塑性樹
脂、無機フィラー、顔料などの無機添加物および/また
は有機添加物、およびフィルム製造時などで発生するト
リム、屑などの回収再使用品などを添加することが出来
る。また回収再使用品などを含む樹脂は1層あるいはそ
れ以上の層として別に本発明の積層フイルム中に設ける
ことができる。
方法を以下に述べる。
ミネート法、ドライラミネート法、共押出ラミネート
法、共押出シート成形法、共押出インフレ成形法、溶液
コート法などにより積層することによって得ることがで
きる。積層に当り層間に接着性樹脂を介してもよい。
るものであれば、特に限定されるものではないが、不飽
和カルボン酸またはその無水物(無水マレイン酸など)
をオレフィン系重合体または共重合体〔ポリエチレン
{低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超
低密度ポリエチレン}、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(メチルエ
ステル、エチルエステルなど)共重合体〕にグラフトし
たものが、好適に用いられる。
上可能な限り非晶質にすることが好ましい。次いで、該
積層体をEVOHの融点以下の範囲で再加熱し、ロール
延伸法、パンタグラフ式延伸法あるいはインフレ延伸法
などにより一軸、あるいは二軸延伸する。延伸に先立
ち、該多層構造体に放射線、電子線、紫外線などを照射
し、層(A)、層(B)、層(C)を架橋すること、押
出成形時化学架橋剤を添加し化学架橋すること、あるい
は架橋した層(B)に層(A)、層(C)を積層した多
層構造体を用いることは、延伸成形性がより改善される
のでより好適である。延伸倍率としては縦あるいは/お
よび横それぞれ1.3〜9倍、好ましくは1.5〜4倍
であり、又加熱温度としては、50〜140℃、好まし
くは60〜100℃である。加熱温度が50℃以下未満
では延伸性が悪くなり、寸法変化も大きくなる。また、
加熱温度が140℃以上になると、所望の熱収縮率が得
られない。本発明の熱収縮性多層フィルムを90℃熱水
中に一分間浸漬した時の面積収縮率は10%以上であ
り、好ましくは20%以上、さらには30%以上、さら
には45%以上である。面積収縮率が10%未満である
と包装品の表面にフィルムのしわが発生したり、内容物
と包装フィルムとの密着性が損なわれ商品の外観が劣る
事になる。また縦および/または横の収縮率は10%以
上が好ましく、さらには15%以上が好ましい。
接着性樹脂層/層(B)、層(B)/接着性樹脂層/層
(A)/接着性樹脂層/層(B)、層(A)/層(C)
/接着性樹脂層/層(B)、層(B)/接着性樹脂層/
層(A)/層(C)/接着性樹脂層/層(B)、層
(C)/層(A)/接着性樹脂層/層(B)、層(B)
/接着性樹脂層/層(A)/接着性樹脂層/層(C)/
接着性樹脂層/層(B)などが代表的なものとして挙げ
られる。最内層および最外層に層(B)を設ける場合
は、それぞれの樹脂は異なっていてもよいし、また同じ
であってもよい。
については、特に限定するものではないが0.001−
10重量%以内であることが好適である。
るが、これによりなんら限定されるものではない。
トインデックス(MI190℃、2160g荷重)5.
5g/10min.のEVOH(クラレ製EVAL EP−
E105)80重量部、芳香族ジアミン成分として90
モル%のメタキシリレンジアミンと10モル%のオルト
キシリレンジアミンを用い、ジカルボン酸成分としてア
ジピン酸を用いた芳香族系ポリアミド樹脂(三菱ガス化
学製レニー6001)20重量部を二軸スクリュータイ
プ、ベント式30mmΦの押出機に入れ、窒素ガス雰囲気
下、200℃で押出しペレット化を行った。得られたペ
レットのメルトインデックス(MI)は28g/10mi
n.であった。
用い、4種5層共押出装置にかけ、5層よりなる原反シ
ートを作成した。原反シートの層構成は表2に示すとお
りである。得られたシートをパンタグラフ式二軸延伸機
にかけ、70℃で延伸倍率3×3倍で同時二軸延伸を行
った。
3に示す。 実施例2−5、比較例1−4 表1に示すようにEVOH層の組成物を変え、表2に示
すように原反シートの層構成を変えた以外は実施例1と
同様にして熱収縮性多層フィルムを作成した。
3に示す。 実施例6 原反シートを構成する各樹脂を複数の押出機で別々に押
出し、環状ダイに供給し、表2に示す層構成の原反シー
トを共押出した。EVOH層の組成物としては表1に示
した物を用いた。ダイから押出された筒状体を10℃の
冷却槽で冷却し、折り巾150mm、厚さ900μmのチ
ューブ状積層体を得た。該積層体を80℃に調節した加
熱槽中を通過させ昇温加熱後、チューブ状積層体内に送
られた空気によって長手方向に2.5倍、横(直径)方
向に2.5倍に延伸した。得られた二軸延伸フィルムの
折り巾は約375mm、厚さは140μmであった。
3に示す。
な熱収縮性および良好な寸法安定性を有し、熱収縮操作
時、内容物との密着性が優れており、また、ガスバリア
ー性、保香性及び耐有機溶剤性が良好である。また、本
発明の熱収縮性多層フィルムを製造する場合、極めて延
伸性が良い為無理な延伸配向をすることなく製造でき、
また、熱安定性が良好なためゲル、ブツの発生がなく、
透明性も良好なものを得ることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 エチレン含有量20−60モル%、けん
化度90%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体
10−95重量%および芳香族系ポリアミド樹脂5−9
0重量%からなるエチレン−ビニルアルコール共重合体
組成物層(A)と、エチレンとビニルエステル単量体と
の共重合体、脂肪族不飽和カルボン酸、脂肪族不飽和カ
ルボン酸エステルより選ばれる単量体とエチレンとの共
重合体、アイオノマー樹脂、線状低密度ポリエチレン、
線状低密度ポリエチレンとエチレン−酢酸ビニル共重合
体との混合樹脂、密度0.91以下でビカット軟化点9
5℃以下の超低密度ポリエチレン、密度0.91以下で
ビカット軟化点95℃以下の超低密度ポリエチレンと少
量の線状低密度ポリエチレンとの混合樹脂、および、結
晶性プロピレン−エチレン共重合体とポリプロピレン系
エラストマーとの混合樹脂からなる群より選ばれる少な
くとも1種類の樹脂からなる層(B)をそれぞれ少なく
とも一層有し、層(B)を最内層とし、かつ、90℃の
熱水中に一分間浸漬した時の面積収縮率が10%以上で
ある熱収縮性多層フィルム。 - 【請求項2】 さらにポリアミド樹脂層(C)を少なく
とも1層有し、かつ、層(C)を層(A)の外側に配す
ることを特徴とする請求項1に記載の熱収縮性多層フィ
ルム。 - 【請求項3】 ポリアミド樹脂層(C)のポリアミド樹
脂が芳香族系ポリアミド樹脂である請求項2に記載の熱
収縮性多層フィルム。 - 【請求項4】 エチレン含有量20−60モル%、けん
化度90%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体
10−95重量%および芳香族系ポリアミド樹脂5−9
0重量%からなるエチレン−ビニルアルコール共重合体
組成物層(A)と、エチレンとビニルエステル単量体と
の共重合体、脂肪族不飽和カルボン酸、脂肪族不飽和カ
ルボン酸エステルより選ばれる単量体とエチレンとの共
重合体、アイオノマー樹脂、線状低密度ポリエチレン、
線状低密度ポリエチレンとエチレン−酢酸ビニル共重合
体との混合樹脂、密度0.91以下でビカット軟化点9
5℃以下の超低密度ポリエチレン、密度0.91以下で
ビカット軟化点95 ℃以下の超低密度ポリエチレンと少
量の線状低密度ポリエチレンとの混合樹脂、および、結
晶性プロピレン−エチレン共重合体とポリプロピレン系
エラストマーとの混合樹脂からなる群から選ばれる少な
くとも1種類の樹脂からなる層(B)をそれぞれ少なく
とも一層有する積層体を加熱温度50−140℃で、縦
および/または横にそれぞれ1.3−9倍延伸すること
を特徴とする請求項1に記載の熱収縮性多層フィルムの
製造方法。 - 【請求項5】 エチレン含有量20−60モル%、けん
化度90%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体
10−95重量%および芳香族系ポリアミド樹脂5−9
0重量%からなるエチレン−ビニルアルコール共重合体
組成物層(A)と、ポリアミド樹脂層(C)と、エチレ
ンとビニルエステル単量体との共重合体、脂肪族不飽和
カルボン酸、脂肪族不飽和カルボン酸エステルより選ば
れる単量体とエチレンとの共重合体、アイオノマー樹
脂、線状低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン
とエチレン−酢酸ビニル共重合体との混合樹脂、密度
0.91以下でビカット軟化点95℃以下の超低密度ポ
リエチレン、密度0.91以下でビカット軟化点95℃
以下の超低密度ポリエチレンと少量の線状低密度ポリエ
チレンとの混合樹脂、および、結晶性プロピレン−エチ
レン共重合体とポリプロピレン系エラストマーとの混合
樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種類の樹脂か
らなる層(B)をそれぞれ少なくとも一層有する積層体
を加熱温度50−140℃で、縦および/または横にそ
れぞれ1.3−9倍延伸することを特徴とする請求項2
または3に記載の熱収縮性多層フィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03270575A JP3091275B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 熱収縮性フィルム及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03270575A JP3091275B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 熱収縮性フィルム及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0577352A JPH0577352A (ja) | 1993-03-30 |
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Family
ID=17488053
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03270575A Expired - Lifetime JP3091275B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 熱収縮性フィルム及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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NZ551817A (en) | 2004-06-10 | 2010-04-30 | Nippon Synthetic Chem Ind | Ethylene-vinyl alcohol copolymer and molded article thereof |
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-
1991
- 1991-09-24 JP JP03270575A patent/JP3091275B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0577352A (ja) | 1993-03-30 |
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