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JP3088783B2 - 高透過性ペリクル - Google Patents

高透過性ペリクル

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Publication number
JP3088783B2
JP3088783B2 JP17475191A JP17475191A JP3088783B2 JP 3088783 B2 JP3088783 B2 JP 3088783B2 JP 17475191 A JP17475191 A JP 17475191A JP 17475191 A JP17475191 A JP 17475191A JP 3088783 B2 JP3088783 B2 JP 3088783B2
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JP
Japan
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film
pellicle
thin film
solution
layer
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JP17475191A
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JPH04371956A (ja
Inventor
金子  靖
照夫 滝口
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Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
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Publication date
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Publication of JPH04371956A publication Critical patent/JPH04371956A/ja
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体集積回路の製造
におけるフォトリソグラフ工程で使用されるマスクやレ
ティクルの保護のための高透過性防塵用フィルムカバ
ー、即ち反射防止層を有する高透過性ペリクルに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、薄くて透明なフィルムからなるペ
リクルは、半導体集積回路の製造におけるフォトリソグ
ラフ工程で使用されるマスクに固着されており、該ペリ
クルは、所定の距離をおいてマスク上に位置している。
【0003】従って、フォトリソグラフ工程の操作中に
おいて、こまかな塵埃粒子がペリクルの上に付着して
も、レジスト材を塗布した半導体ウェハー上には結像し
ない。だから、マスクをペリクルで保護することによ
り、塵埃粒子の像による半導体集積回路の短絡や断線を
防ぐことができ、フォトリソグラフ工程の製造歩留まり
が向上する。さらに、マスクのクリーニング回数が減少
して、その寿命を延ばすなどの効果がある。
【0004】このようなペリクルにおいては、露光工程
におけるスループット向上のために、露光する光の透過
率が高いことが要求される。そのために、透明薄膜の片
面あるいは両面に反射防止層が設けられる。
【0005】反射防止層の屈折率nARが、透明薄膜の
屈折率nCに対してnAR=(nC)1/2 のときに、反
射防止効果は最大となる。一般的に用いられている透明
薄膜には、セルロース誘導体、ポリビニルプチラールな
どがあるが、これらの屈折率は1.5前後であるから、
これらの透明薄膜に用いる反射防止層の屈折率は1.2
2に近いことが好ましい。
【0006】従来より提案されている反射防止層として
は、特開昭61−209449号公報にはテトラフルオ
ロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロ
プロピレンポリマーが、特開平1−100549号公報
にはポリフルオロアクリレートが記載されているが、こ
れらのポリマーの屈折率は1.35〜1.37の範囲に
あり、反射防止効果が十分ではなかった。
【0007】一方、屈折率の小さいポリマーは、特開平
3−39963号公報に、主鎖に環状構造を有するフッ
素ポリマーとして、デュ・ポン社のテフロンAF(商品
名、屈折率1.29)が提案されている。
【0008】このポリマーは、分子量が高いためか溶媒
に難溶であり、ごみ除去のための、例えば孔径0.2μ
のフィルターを通らないので、ごみを嫌うペリクルへの
使用には適さないという問題があった。また、スピンコ
ート法などで成膜したときに、薄膜に色斑が生じ、光の
透過率が小さくなるという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、屈折
率が小さく、溶液の透過性に優れ、かつ、成膜したとき
に色斑の生じない反射防止層材料を用いることによ
り、光の透過性に優れたペリクルを提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは上
記の課題を解決すべく鋭意検討の結果、本発明に至っ
た。即ち、本発明は: 透明薄膜の少なくとも一方の
面に、一層以上の反射防止層が形成されたペリクルにお
いて、低屈折率反射防止層が、高エネルギー粒子を照射
した主鎖に環状構造を有するフッ素ポリマーであって、
且つ濃度1.5g/dlのパーフルオロトリブチルアミ
ン溶液の23℃における還元粘度が1.0dl/g以下
であることを特徴とするペリクルであり、また、
【0011】 透明薄膜がセルロース誘導体である点
に特徴を有し、また、 透明薄膜がニトロセルロース
と少なくとも1種以上のセルロース誘導体との混合物で
ある点に特徴を有する。本発明について更に詳細に説明
する。
【0012】本発明において、ペリクル膜の本体となる
透明薄膜としては、ニトロセルロース、セルロースアセ
テート(酢酸セルロース)、セルロースアセテートプロ
ピオネート(酢酸・プロピオン酸セルロース)、セルロ
ースアセテートブチレート(酢酸・酪酸セルロース)な
どのセルロース誘導体が使用できる。
【0013】これらのセルロース誘導体は、それぞれ単
独で用いてもよいが、ニトロセルロースでは膜強度、高
湿度下での形状保持性に優れるが、他のセルロース誘導
体に比べて、耐光性が劣り、またセルロースアセテー
ト、セルロースアセテートプロピオネート、セルロース
アセテートブチレートでは耐光性は優れているが、膜強
度、高湿度下での形状保持性に劣るので、ニトロセルロ
ースとニトロセルロース以外の他のセルロース誘導体の
混合物が好ましく使用できる。
【0014】ニトロセルロースと他のセルロース誘導体
の混合割合は、膜強度、高湿度下での形状保持および耐
光性を考慮して決定されるが、ニトロセルロースの含有
量は10〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは、
20〜40重量%である。使用するセルロース誘導体
は、高分子量のものほど薄膜の形状保持力が大きいため
好ましい。すなわち、数平均分子量が3万以上、好まし
くは5万以上である。
【0015】このような材料のうち、ニトロセルロース
は旭化成工業(株)から、また、セルロースアセテー
ト、セルロースアセテートプロピオネート、セルロース
アセテートブチレートはイーストマンコダック社から市
販されており、容易に入手できる。
【0016】本発明で使用する主鎖に環状構造を有する
フッ素ポリマーは、下記式(I)の環状構造の繰返単位を
含む共重合体である。
【化1】 (ただし、R1 〜R2 はF又はCF3 である。)
【0017】これらのうち、下記式(2) の主鎖に環状構
造を有する繰返単位を含むフッ素ポリマーが代表的なも
のである。
【化2】
【0018】これらのフッ素ポリマーは、パーフルオロ
−2,2−ジメチル−1,−ジオキソールをラジカル
重合せしめることにより得られる。また、共重合体は、
上記のパーフルオロ−2,2−ジメチル−1,−ジオ
キソールと、フルオロオレフィンやフルオロビニルエー
テルなどの含フッ素単量体との共重合により得られる。
【0019】共重合させる単量体としては、例えば、テ
トラフルオロエチレン、パーフルオロビニルエーテル、
フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレンなとが
挙げられる。さらに、本発明で用いるポリマーは、結晶
を持たない、いわゆる非晶質のものが好ましい。それ
は、微結晶による光の散乱に起因する光の透過損失が起
こらないからである。
【0020】主鎖に環状構造を有するフッ素ポリマー
は、屈折率が1.29〜1.31と、テトラフルオロエ
チレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロ
ピレンコポリマーやポリフルオロアクリレートなどの従
来のフッ素ポリマーの屈折率1.35〜1.37に比べ
小さく、大きな反射防止効果が得られる。
【0021】主鎖にこのような環状構造を有するフッ素
ポリマーは、デュ・ポン社のテフロンAF(商品名)と
して入手可能であるが、このポリマーは、分子量が高い
ためか溶媒に難溶であり、ごみ除去のための、例えば孔
径0.2μmのフィルターを通らないので、ごみを嫌う
ペクリルへの使用には適さないという問題があった。
【0022】また、スピンコート法などで成膜したとき
に、薄膜に色斑が生じ、光の透過率が小さくなるという
問題があった。そこで、本発明者らはこの問題を解決す
べく鋭意検討の結果、高エネルギー粒子を照射した主鎖
に環状構造を有するフッ素ポリマーであって且つ濃度
が1.5g/dlのパーフルオロトリブチルアミン溶液
の23℃における還元粘度が1.0dl/g以下のもの
から作成した膜を低屈折率反射防止層とした場合に、色
斑がなく、かつ孔径0.2μmのメンブレンフィルター
を透過し、良好な反射防止膜が形成できることを見出し
た。
【0023】ここで、還元粘度とは溶液の粘度をη〔se
c 〕、濃度をC〔g/dl〕、純溶媒の粘度をη0 〔se
c 〕としたときに、(η−η0 )/(η0 ・C)で定義
される量である。粘度の測定には毛管粘度計を使用し
た。
【0024】このような低屈折率反射防止層は、上記主
鎖に環状構造を有するフッ素ポリマーに、γ線、電子
線、中性子線などの高エネルギー粒子を照射することに
よって容易に得られる。
【0025】低屈折率反射防止層となる上記フッ素ポリ
マーは、セルロース誘導体等の透明薄膜の片面又は両面
に形成して2層又は3層構造とする。或いは、セルロー
ス誘導体等の透明薄膜の片面又は両面に高屈折率反射防
止層を設け、その上に、上記フッ素ポリマー層を設けて
3〜5層構造としてもよい。反射防止層の膜厚は、反射
防止しようとする光の波長の1/(4n)(nはフッ素
樹脂の屈折率)とするのが好ましい。
【0026】高屈折率反射防止層としては、ポリエーテ
ルスルフォン、ポリスチレン、ポリビニルナフタレンな
どが使用できる。本発明の反射防止層を有するペリク
ル膜の製造法を、セルロース誘導体混合物の透明薄膜の
両面に反射防止層を形成したペリクルを例にとり説明す
る。
【0027】まず、セルロース誘導体混合物の透明薄膜
体の形成法について述べる。ニトロセルロースとその他
のセルロース誘導体(例えばセルロースアセテート、セ
ルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテ
ートブチレート)とを、所定の混合割合で両者の共通の
良溶媒に溶かす。この混合割合は、膜強度、高湿度下で
の形状保持性および耐光性を考慮して決定されるが、ニ
トロセルロースの含有量は10〜50重量%が好まし
く、さらに好ましくは20〜40重量%である。
【0028】共通の良溶媒としては、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの
ケトン類;酢酸ブチル、酢酸イソブチル、乳酸エチル、
酢酸セロソルブなどのエステル類;およびこれらの溶媒
の混合溶媒が使用される。
【0029】セルロース誘導体薄膜は、回転塗布法(ス
ピンコーター法)により形成する。即ち、セルロース誘
導体溶液をごみ除去のための濾過の後、ガラスやシリコ
ンなどの平滑基板上に滴下後、回転させる。透明薄膜の
膜厚は、溶液粘度や基板の回転速度を変化させることに
より適宜変化させることができる。平滑基板上に形成さ
れた薄膜に含まれている溶媒は、ホットプレート、オー
ブンなどで揮発させる。
【0030】つぎに、低屈折率反射防止層の形成法につ
いて述べる。低屈折率反射防止層には、前述の主鎖に環
状構造を有するフッ素ポリマーを用いる。この反射防止
層の屈折率nARは透明薄膜の屈折率nCに対して、n
AR=(nC)1/2 の時に、反射防止効果は最大にな
る。上記セルロース誘導体混合物の屈折率は約1.5で
あるから、nARは1.22に近いことが好ましい。
【0031】溶液の濾過性に優れ、色斑のない膜を作成
するために、低屈折率反射防止層と して上記主鎖に環
状構造を有するフッ素ポリマーに、γ線、電子線、中性
子線などの高エネルギー粒子を照射して、照射後のポリ
マーの1.5g/dlのパーフルオロトリブチルアミン
溶液中23°Cで測定した還元粘度1.0dl/g以
下になるようにする。
【0032】この場合、高エネルギー粒子の照射量が多
すぎると、ポリマーの分解が著しく、均一な薄膜が形成
できなくなるので、均一な薄膜が形成できる程度に抑え
る。γ線の場合、その照射量は10〜400kGy(G
y:グレイ=吸収線量の単位)、好ましくは、50〜2
50kGyである。
【0033】このようなフッ素ポリマーを、パーフルオ
ロベンゼン、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフ
ラン)、トリクロロトリフルオロエタン、パーフルオロ
トリブチルアミンなどのフッ素系溶媒に溶かすが、膜表
面が平滑で色斑のない膜を得るためには、沸点の高い溶
媒の方が好ましい。沸点は、好ましくは130℃以上、
より好ましくは160℃以上である。
【0034】この溶液をごみ除去のための濾過の後、平
滑基板上に形成された透明薄膜体の上に滴下後、基板を
回転させ反射防止膜を形成する。反射防止膜の膜厚が、
反射防止しようとする光の波長の1/(4n)(nはフ
ッ素ポリマーの屈折率)となるように、溶液濃度、基板
回転数を決定する。形成された薄膜に含まれている溶媒
は、風乾、あるいはホットプレート、オーブンなどで加
熱して揮発させ、透明薄膜体/反射防止層からなる2層
膜の形成が完了する。
【0035】平滑基板上に形成された2層膜を両面テー
プなどをつけた金属又はプラスチックなどの枠によって
剥し取る。この枠と2層膜とをスピンコーターに設置
し、剥離面側に、前述と同様にフッ素樹脂の薄膜を形成
することにより、透明薄膜体の両面に、反射防止層を持
つ3層ペリクル膜が完成する。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれにより限定されるものではない。 (参考例) <試料の調製> デユポン社製のテフロンAF1600、AF2400
(商品名)に、γ線を照射した。照射線量は、0から2
00kGy(Gy=グレイ、吸収線量の単位)とした。
これらをパーフルオロトリブチルアミンに溶解させ、
1.5g/dl溶液とした。
【0037】これらの溶液を、孔径0.2μm、直径1
43mmのメンブレンフィルターにより、1kg/cm
2 の圧力でろ過した結果、還元粘度が1.0dl/g以
下であればろ過可能であるが、1.0dl/gを越える
とフィルターが詰まり、ろ過出来なくなった。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】 注)×;ろ過不可、△;流量少なくろ過困難、○;非常
に良好。
【0040】これらの溶液を、膜厚1.3μmのニトロ
セルロース膜にスピコーティング法(回転数500r
pm、回転時間30秒)により成膜した。この時、還元
粘度が1.0dl/g以下のときには色斑がなく、表面
の平滑な膜が形成されたが、1.0dl/gを越えると
色斑、表面の凹凸が生じ易かった。
【0041】(実施例1)セルロースアセテートプロピ
オネート(イーストマンコダック社製「CAP482−
20」、プロピオニル含量46%、以下CAPと略記す
る)6gと、ニトロセルロース(旭化成工業(株)製、
「HIG−20」硝化度12.0%、以下NCと略記す
る)4gを酢酸エチルセロソルブに溶解し、固形分濃度
7g/dlの溶液を調製した。
【0042】また、反射防止膜用に、デュ・ポン社の
「テフロンAF2400」にγ線を120kGy照射し
たものを、パーフルオロトリブチルアミン(徳山ソーダ
(株)、「IL−270」)に溶かし、1.5g/dl
の溶液を調製した。この溶液の23℃での還元粘度は
0.67dl/gであった。
【0043】スピンコーターにシリコンウェハーをセッ
トして、調製したCAP/NC溶液を、孔径0.2μm
のメンブレンフィルターで濾過し、その濾過液を20c
c滴下し、その後、シリコンウェハーを1000rpm
で45秒間回転させ、つぎに、ホットプレートで溶媒を
蒸発せしめ、シリコンウェハー上にCAP/NCからな
る厚さ約1.2μmの薄膜を形成した。
【0044】次に、その上に、前記のγ線を照射したテ
フロンAFのパーフルオロトリブチルアミン溶液を孔径
0.2μmのメンブレンフィルターで濾過し、そのろ過
を3cc滴下し、600rpmで30秒間回転の後、
風乾し、2層膜を形成した。
【0045】更に、両面テープなどを付けた金属または
プラスチックなどの枠をつけてシリコンウェハー上より
薄膜を剥離し、120mm×98mmの長方形アルミフ
レームに、膜をぴんと張り、反射防止膜側をエポキシ系
接着剤で固着した。この膜を高湿度下に30分放置後、
再び、この膜のCAP/NC層側を上にしてスピンコー
ターにセットし、前記のγ線照射テフロンAF溶液を3
cc滴下し、600rpmで30秒間回転の後、風乾
し、3層膜を形成した。両面に形成された反射防止膜の
膜厚は、各々73μmであった。
【0046】こうして得られたペリクルの反射防止膜
は、水銀ランプからの単色光で観察したところ、表面が
平滑で、色斑のない良好な膜であった。この3層膜ペリ
クルの分光透過率を図1に示す。350〜450nm間
の最低光線透過率は98%であり、平均光線透過率も9
9%と高いものであった。水銀ランプの輝線であるg線
(436nm)およびi線(365nm)における透過
率は、いずれも99.8%であり、g線露光、i線露光
のどちらにも、即ち、g線、i線共用ペリクルとして好
ましく使用できる。
【0047】(実施例2) セルロースアセテートブチレート(イーストマンコダッ
ク社製「CAB381−20」、ブチリル含量37%、
以下CABと略記する)6gと、ニトロセルロース(旭
化成工業(株)製、「HIG−20」硝化度12.0
%、以下NCと略記する)4gを酢酸エチルセロソルブ
に溶解し、固形分濃度7g/dlの溶液を調製した。
【0048】高屈折率反射防止層の材料として、ポリス
チレンの1.6g/dlイソプロピルベンゼン溶液を調
製した。低屈折率反射防止層の材料として、前記のデュ
・ポン社製の「テフロンAF1600」にγ線を80
kGy照射したものを、パーフルオロトリブチルアミン
(徳山ソーダ(株)製、「IL−270」)に溶かし、
1.5g/dlの溶液を調製した。この溶液の23℃に
おける還元粘度は0.53dl/gであった。
【0049】スピンコーターにシリコンウェハーをセッ
トして、調製したCAB/NC溶液を、孔径0.2μm
のメンブレンフィルターで濾過し、その濾過液を20c
c滴下し、その後、シリコンウェハーを1000rpm
で45秒間回転させ、つぎに、ホットプレートで溶媒を
蒸発せしめ、シリコンウェハー上にCAB/NCからな
る厚さ約1.3μmの薄膜を形成した。
【0050】次に、その上に、ポリスチレンのイソプロ
ピルベンゼン溶液を、孔径0.2μmのメンブレンフィ
ルターで濾過し、その濾過液を3cc滴下し、500r
pmで30秒間回転の後、風乾し、2層膜を形成した。
更に、その上に前記γ線を80kGy照射したテフロン
AFのパーフルオロトリブチルアミン溶液を孔径0.2
μmのメンブレンフィルターで濾過し、その濾過液を3
cc滴下し、600rpmで30秒間回転の後、風乾
し、3層膜を形成した。
【0051】この低屈折率反射防止膜は、表面が平滑
で、色斑のない良好な膜であった。更に、両面テープな
どを付けた金属またはプラスチックなどの枠をつけてシ
リコンウェハー上より薄膜を剥離し、120mm×98
mmの長方形アルミフレームに、膜をぴんと張り、反射
防止膜側をエポキシ系接着剤で固着した。
【0052】再び、この膜のCAB/NC層側を上にし
てスピンコーターにセットし、ポリスチレンのイソプロ
ピルベンゼン溶液、γ線照射テフロンAF溶液の順に、
先と同様に塗布し、5層膜を形成した。形成された高屈
折率反射防止膜の膜厚は63μm、低屈折率反射防止膜
の膜厚は76μmであった。この5層膜ペリクルの、3
50〜450nm間の最低光線透過率は98%であり、
平均光線透過率も99.5%と高いものだった。
【0053】(比較例1) デュ・ポン社製の「テフロンAF1600」をパーフル
オロトリブチルアミン(徳山ソーダ(株)製、「IL−
270」)に溶かし、1.5g/dlの溶液を調製し
た。この溶液の23℃における還元粘度は、3.4dl
/gであった。この溶液を反射防止層として、実施例2
と同様に3層膜ペリクルを形成した。
【0054】水銀ランプからの単色光を膜面にあて観察
したところ、膜の中心より放射状に走る筋状の色斑が見
られた。また、光線透過率を測定したところ、斑による
散乱のためか透過率のピーク値が100%に達しなかっ
た。このときの分光光線透過率を図2に示す。
【0055】(比較例2) デュ・ポン社製の「テフロンAF1600」に40kG
yのγ線を照射し、パーフルオロトリブチルアミン(徳
山ソーダ(株)製、「IL−270」)に溶かし、1.
5g/dlの溶液を調製した。この溶液の23℃におけ
る還元粘度は、4.3dl/gであった。
【0056】この溶液を反射防止層用の溶液として、実
施例2と同様に3層膜ペリクルを形成した。水銀ランプ
からの単色光を膜面にあて観察したところ、膜の中心よ
り放射状に走る筋状の色斑が見られた。また、光線透過
率を測定したところ、斑による散乱のためか透過率のピ
ーク値が100%に達しなかった。
【0057】
【発明の効果】以上の通り、本発明では反射防止層
として、高エネルギー粒子を照射した主鎖に環状構造を
有するフッ素ポリマーであって、且つ還元粘度を1.0
dl/g以下であるものを使用することによって、溶液
の濾過性が向上し、さらに色斑のないペリクルが得られ
る。本発明の反射防止層を有するペリクルは、反射防
止波長付近での最低光線透過率が向上し、反射光の干渉
による光線透過率の変動も小さくなるので、平均光線透
過率も向上し、このペリクルを貼ったマスクでは露光工
程におけるスループットが向上する効果がある
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のペリクルの分光光線透過率を示すグ
ラフである。
【図2】比較例1のペリクルの分光光線透過率を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−100549(JP,A) 特開 平3−67262(JP,A) 特開 平3−39963(JP,A) 特開 平3−168642(JP,A) 特開 平4−81756(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 1/00 - 1/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明薄膜の少なくとも一方の面に、一層
    以上の反射防止層が形成されたペリクルにおいて、低屈
    折率反射防止層が、高エネルギー粒子を照射した主鎖に
    環状構造を有するフッ素ポリマーであって、且つ濃度
    1.5g/dlのパーフルオロトリブチルアミン溶液の
    23℃における還元粘度が1.0dl/g以下であるこ
    とを特徴とするペリクル。
  2. 【請求項2】 透明薄膜がセルロース誘導体であること
    を特徴とする、請求項1記載のペリクル。
  3. 【請求項3】 透明薄膜がニトロセルロースと少なくと
    も1種以上のセルロース誘導体との混合物であることを
    特徴とする、請求項1又は2記載のペリクル。
JP17475191A 1991-06-20 1991-06-20 高透過性ペリクル Expired - Lifetime JP3088783B2 (ja)

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