JP3084992B2 - セラミック基板 - Google Patents
セラミック基板Info
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- Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
Description
の共振器やフィルタ等の誘電体として用いることがで
き、かつ高誘電率,高いQ値,及び安定した温度特性を
有しながら、低温焼成を可能にして融点の低い電極との
同時焼成を実現できるようにしたセラミック基板に関す
る。
タ等においては、電子部品の小型化を図るために高い誘
電率εr を有する誘電体セラミック基板を空胴共振器に
置き換えることが行われている。これは誘電体セラミッ
ク基板内部における電磁波の波長が自由空間のそれの1
/εr1/2に短縮される効果を利用したものである。とこ
ろで、誘電体共振器として使用できるゼロ温度係数をも
つセラミック材料の誘電率は、今までのところ100 以下
に限定されており、近年のさらなる小型化の要求には対
応できなくなっている。
ロ波回路で知られているLC共振器を用いることが有効
である。またこのLC共振器を組み合わせた回路を構成
する場合、積層コンデンサや多層基板等で実用化されて
いるセラミック層と内部電極とを交互に重ねて一体焼結
してなる積層セラミック基板を適用することにより、よ
り小型化を可能にでき、かつ信頼性の高い電子部品が得
られる。この場合、マイクロ波帯で高誘電率,高いQ
値,及び高温での安定性を有するLC共振器を得るに
は、上記セラミック基板の内部電極に高い導電率の金,
銀,銅等を用いる必要がある。
のセラミック基板では、誘電体セラミックの焼成温度よ
り内部電極の融点が低いことから、同時に一体焼成する
のが困難である。このため低温での焼結に対応できるセ
ラミック材料の出現が要請されている。
もので、内部電極に採用される金属の融点よりも低い温
度で焼結できるセラミック基板を提供することを目的と
している。
率,高いQ値,及び安定した温度特性を有しながら、
金,銀等の内部電極と同時に一体焼結できるセラミック
材料を見出すべき鋭意検討したところ、BaO−TiO
2 −NdO3/2 を主成分とする高周波用誘電体磁器組成
物にガラスを添加し、かつ上記各組成物,及びガラス成
分の添加量を限定することにより上記電極の融点より低
い温度で焼結できることを見出し、本発明を成したもの
である。
2 −z・ NdO3/2(但し、x+y+z=100%)と表
したとき、上記x,y,zがそれぞれ2.5 ≦x≦15,5
2.5≦y≦70,15≦z≦45のモル%の範囲にあるものを
主成分とし、これにBi2 O3が17wt%以下及びPbO
が10wt%以下添加された誘電体磁器組成物30〜95wt%
と、SiO2 を5〜60wt%、BaOを40〜80wt%、Al
2 O3 ,ZrO2 ,TiO 2 のうち少なくとも1種を10
wt%以下、B2 O3 を5〜20wt%含み、かつNa2O,
K2 O,Li2 Oのうち少なくとも1種を0.01〜7wt%
含み、さらにSrO,CaO,MgO,ZnO,PbO
を15wt%以下含むガラス5 〜70wt%とからなる組成物を
焼成したことを特徴とするセラミック基板である。
理由について説明する。 〔主成分をx・ BaO−y・ TiO2 −z・ NdO3/2
に規制した理由〕図1は、上記主成分の組成範囲を示す
三元図である。同図において、上記x,y,zがA領域
では、低温焼結が困難となる。この場合、通常の焼結に
必要な温度である1400℃になると多孔質の磁器しか
得られなくなる。またB領域では温度特性がプラス側で
大きくなり過ぎることから焼結が不安定となる。これは
C領域においても同様のことがいえる。さらにD領域で
は温度特性が逆にマイナス側で大きくなってくることか
ら焼結が進まなくなる。この結果、上記x,y,zの最
適範囲は上記A〜D領域で囲まれた範囲内(図中、斜線
部分)が望ましい。
上記B2 O3 はガラス粘度下げる働きがあることから、
これを添加することによりセラミック基板の焼結を促進
できる。しかしガラス中のB成分が20wt%を越えると
セラミックグリーンシート上にホウ酸結晶として析出す
る。また上記B 2 O3 量を5wt%未満にすると1000
℃以下での基板の焼結が困難となる。
ス反応を促進させ、ガラスの軟化点を下げる働きがあ
る。しかしこのBaO量を40wt%以下にすると上記磁
器組成物との反応が進まず、1000℃以下での焼結が
困難となる。またBaOはセラミック基板のQ値に影響
を与え易く、これの添加量が80wt%を越えるとQ値が
著しく悪化する。
60wt%を越えるとガラス化温度が高くなり過ぎること
から、工業的な実用ガラス溶融温度の1500℃以下で
ガラス化しなくなるからである。またSiO2 量を5wt
%未満にすると焼結体の収縮率のばらつきが大きくな
り、セラミック基板としての採用が困難になる。
はガラス及びセラミック基板の化学的な耐久性を高める
働きをする。しかしこの量が10wt%を越えるとガラス
の溶融温度を高くしてしまうことから、セラミック基板
の焼結温度も高くなる。
アルカリ成分はガラス化温度を低くする機能を有してい
ることから、セラミック基板の焼結温度を下げるのに有
効である。しかし添加量を0.01wt%未満にするとそ
の効果が得られない。また添加量が7wt%を越えるとセ
ラミック基板の化学的耐久性及びQ値が悪くなる。
bOはセラミック基板の焼結性,及びQ値を向上させる
働きがある。しかしこの添加量が15wt%を越えるとセ
ラミック基板の収縮率が不安定になる。
たのは、これが95wt%を越えると1000℃以下での
焼結が困難となるからであり、また5wt%未満にすると
誘電率及びQ値が低下し、所望の特性が得られなくなる
からである。
−TiO2 −NdO3/2 を主成分とする誘電体磁器組成
物にガラスを添加し、かつこの磁器組成物,及びガラス
成分の添加量を上述の範囲に限定したので、従来例えば
1400℃程度必要であった焼結温度を1000℃以下にするこ
とができ、低温焼結が可能となる。その結果、比抵抗の
小さいAg,Au,Cu等の融点より低い温度で同時に
一体焼結することができる。また、本発明のセラミック
基板では、低温での焼結を可能にしながら、高い誘電
率,及びQ値を得ることができるとともに、高温での安
定した温度特性を得ることができる。従って、上記セラ
ミック基板をマイクロ波,ミリ波等の高周波帯域におけ
る共振器,フィルタとして採用でき、ひいては小型化に
貢献でき、かつ品質に対する信頼性を向上できる。
では、本発明のセラミック基板を製造し、該基板の効果
を確認するために行った特性試験について説明する。
に示すように、x・ BaO−y・ TiO2 −z・ NdO
3/2 のx,y,zがそれぞれ、x =2.5 〜15.0, y =5
2.5〜70.0,z=15.0〜45.0mol %となるように、BaC
O3 ,TiO2 ,及びNd2 O3 を秤量し、これに副成
分として、Bi2 O3 及びPbO粉末をそれぞれ8〜1
1,2〜15mol %添加混合した。これを1100℃の温度で
1時間仮焼成した後、再び粉砕し、これにより誘電体磁
器組成物(試料番号S1〜S9)を作成した。
B2 O3 ,BaO,SiO2 ,Al 2 O3 ,Li2 O,
Na2 O,K2 O,CaOを準備し、これらが表に示す
組成比(wt%)となるように調合して原料を作成した。
これを1100℃〜1400℃の温度で溶融した後、水中急冷
し、この後湿式粉砕してガラス粉末(〜)を作成し
た。
〜S9の中から、静電容量の変化率の小さい試料S2
と、該変化率が最も大きい試料S6とを選択し、この両
試料S2,S6と上記〜のガラスとを調合するとと
もに、両者の添加量を変化させてセラミック材料を作成
した。またこのセラミック材料100 wt%に対して適当量
のバインダー, 可塑剤, 及び溶剤を加えて混練し、スラ
リーを形成した。
り厚さ1mmのセラミックグリーンシートを形成し、該シ
ートを縦30mm, 横10mmの寸法にカットして成形体を作成
した。この成形体を空気中にて870 〜930 ℃の範囲の温
度で1時間焼成し、これによりセラミック基板を得た
(試料No. 1〜No. 24)。そして、この各試料No. 1
〜24の誘電率ε,Q値,及び静電容量の変化率(TC
C)ppm を測定した。
からなるBaO−TiO2 −NdO 3/2 を主成分とする
誘電体磁器組成物に所定量のガラス成分を添加すること
により、焼成温度を1000℃以下にしても高い誘電率, 及
びQ値を有し、かつ静電容量の変化率の小さいセラミッ
ク基板が得られていることがわかる。また上記基本成分
の組成を選定することにより、試料No. 13,14,1
6のように±10ppm/℃以下の容量温度特性も得ること
も可能であることがわかる。
結セラミック材料を採用することにより、マイクロ波帯
で高いQ値を得るために必要な内部電極との同時焼成が
可能となり、従来では困難であった積層型の共振器,フ
ィルタを構成できるとともに、小型化に貢献できる。
板によれば、xBaO−yTiO2 −zNdO3/2 を主
成分とし、これにBi2 O3 及びPbOを所定量添加し
てなる誘電体磁器組成物と、SiO2 , BaO, Al2
O3 , B2 O3 , Na2 O,SrO等を所定量含むガラ
スとを焼成したので、従来では困難であった低温焼成を
可能にでき、内部電極との同時焼結を実現できる効果が
あり、かつ高い誘電率,及びQ値を得られるとともに、
安定した温度特性を得ることができ、マイクロ波帯用の
積層型共振器,フィルタに適用できる効果がある。
組成物の組成比を説明するための図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 x・ BaO−y・ TiO2 −z・ NdO
3/2(但し、x+y+z=100%)と表したとき、上記
x,y,zがそれぞれ2.5 ≦x≦15,52.5≦y≦70,15
≦z≦45のモル%の範囲にあるものを主成分とし、これ
にBi2 O3が17wt%以下及びPbOが10wt%以下添加
された誘電体磁器組成物30〜95wt%と、SiO2 を5〜
60wt%、BaOを40〜80wt%、Al2 O3 ,ZrO2 ,
TiO 2 のうち少なくとも1種を10wt%以下、B2 O3
を5〜20wt%含み、かつNa2O,K2 O,Li2 Oの
うち少なくとも1種を0.01〜7wt%含み、さらにSr
O,CaO,MgO,ZnO,PbOを15wt%以下含む
ガラス5 〜70wt%とからなる組成物を焼成したことを特
徴とするセラミック基板。
Priority Applications (1)
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JP05005196A JP3084992B2 (ja) | 1993-01-14 | 1993-01-14 | セラミック基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05005196A JP3084992B2 (ja) | 1993-01-14 | 1993-01-14 | セラミック基板 |
Publications (2)
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Family
ID=11604458
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05005196A Expired - Lifetime JP3084992B2 (ja) | 1993-01-14 | 1993-01-14 | セラミック基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3084992B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
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-
1993
- 1993-01-14 JP JP05005196A patent/JP3084992B2/ja not_active Expired - Lifetime
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