JP3083292B1 - 鋼表面へのアルミニウム拡散方法 - Google Patents
鋼表面へのアルミニウム拡散方法Info
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Abstract
品、機械部品に適用しうるとともに、窒化、浸炭などの
処理を施すことにより、耐摩耗、耐食性を必要とする各
種構造部品、機械部品や各種工具、金型へ応用可能な簡
易な鋼の表面処理法を確立する。 【解決手段】 アルミニウムまたはアルミニウムを主体
とした合金の粉末と、アルミニウムと金属間化合物を形
成しやすい金属(例えばチタン金属)粉末との混合物を
鋼表面に塗布し、これを真空中、または不活性ガス中も
しくは還元性ガス雰囲気中で、アルミニウムの融点もし
くはアルミニウム合金の液相線以上程度の温度に加熱
し、鋼表面にアルミニウムを拡散浸透させ、アルミニウ
ム濃度の高い層を鋼表面に形成させるアルミニウム拡散
方法である。
Description
性を必要とする各種構造部品、機械部品に適用しうると
ともに、窒化、浸炭などの処理を施すことにより、耐摩
耗、耐食性を必要とする各種構造部品、機械部品や各種
工具、金型へ応用可能な粉体を利用した鋼表面へのアル
ミニウム拡散方法に関する。
を形成させるいわゆるアルミナイジング表面改質方法と
して、(1)溶融したアルミニウムまたはアルミニウム合
金中に被処理物を浸漬し、引き上げる溶融めっき法(例
えば、特開平3-180461号)、(2)アルミニウムまたはア
ルミニウム合金粉末にアルミナ粉末、揮発性ハロゲン化
物を加えた混合粉末中に被処理物を埋没し、高温に加熱
する粉末パック法(例えば、特開平7-109579号)、(3)
被処理物表面に蒸着、スパッタリング、イオンプレーテ
ィング、電気めっき等でアルミニウムもしくはアルミニ
ウム膜を形成し、加熱しアルミニウムを拡散させる方法
(例えば、特開平8-319557号)などがある。
に近いものとして、少なくとも1100℃以上の融点を示
し、アルミニウム含量が40〜60at%の鉄、コバルト、ニ
ッケル、ジルコニウム等とのアルミニウム合金粉末とハ
ロゲン化物(例えば、塩化アンモン)とを有機樹脂結合
材(例えば、ポリメタクリル酸ブチルのキシレン溶液)
に分散させたものを鋼表面に塗布、乾燥し、それを不活
性ガス中で800〜1100℃に加熱して揮発性のハロゲン化
アルミニウムを生成させて鋼表面に拡散処理する方法が
特開昭50-57037号にみられる。
元来めっき法であるため、拡散層に加え数十ミクロン厚
さのアルミニウムまたはアルミニウム合金皮膜が形成さ
れる。このため、めっき後の窒化処理が困難になる。さ
らに、めっき厚さの精密制御が困難、被処理物の溶融金
属中への溶け込みなどによる被処理物の表面荒れ、寸法
変化が生じる。
が反応し粉体が付着することにより、被処理物表面の荒
れが生じる。被処理物の加熱・冷却に長時間を要するう
え、拡散層の制御が困難である。(3)の方法は被処理物
の表面荒れもなく、表面アルミニウム濃度も制御でき、
脆弱な化合物層の形成もなく窒化処理などの後加工も可
能になる。しかし、アルミニウムまたはアルミニウム合
金の皮膜を形成するために大がかりな処理装置を必要と
するうえ、被処理物の形状の制約も大きい。また、めっ
き処理の場合は、水溶液系めっき浴を用いることができ
ず工業的には困難が伴う上、皮膜の密着性に劣る欠点も
ある。
度、脆弱なアルミニウム富化層が形成される上、被処理
物の表面荒れが発生するなど、金型、機械部品のアルミ
ナイジング法として不適である。一方、(3)は高精度な
アルミニウム拡散手法であるが、被処理物表面にアルミ
ニウム、アルミニウム合金皮膜を形成する方法に制約が
大きい。
有合金という特殊なものを使用し、しかも、ハロゲン化
物の存在下、1100℃という高温で処理するものであり、
取扱いが面倒であり、かつ汎用性に劣る方法である。
な拡散方法について鋭意研究に取組んだ結果、既存の鋼
表面へのアルミニウム拡散法の抱える問題点を解決する
新規な手法を見い出した。
ニウム粉末と、チタン粉末との混合物スラリーを鋼表面
に塗布し、これを真空中もしくは還元雰囲気中、または
不活性ガス中で加熱するという非常に簡易な処理法であ
る。
ムを主体とした合金の粉末と、アルミニウムと金属間化
合物を形成しやすい金属粉末との混合物スラリーを鋼表
面に塗布し、これを真空中、または不活性ガス中もしく
は還元性ガス雰囲気中で、アルミニウムの融点もしくは
アルミニウム合金の液相線以上の温度程度(例えば、65
0〜1000℃)に加熱し、鋼表面にアルミニウムを選択的
に拡散浸透させ、アルミニウム濃度の高い層を鋼表面に
形成させることを特徴とする粉体のスラリーを利用した
鋼表面へのアルミニウムの拡散方法である。
金とは、一般に市販されているアルミニウム70at%以上
の合金で、Si, Fe, Cu, Mn, Mg, Cr, Zn, Zr,
Ti,Ca, V 等との合金である。なかでも、純アルミニ
ウム、Al−Ti(0.25%以下)、Al−(Zr+Ti(6.25
%以下)、Al−Mg(5.0%以下)、Al−Mg(3.0%以
下)−Zn(7.0%以下)などが好ましい。また、これら
アルミニウムやアルミニウムを主体とした合金粉末と混
合して金属間化合物を形成しやすい金属は、チタン(T
i)、チタン合金が好ましいが、そのほか、Cu, Mn,
Mg, Caなどの金属粉末の選択も可能である。
を拡散しうるとともに、余剰塗布物が容易に脱落する。
これは、(1)余剰のアルミニウム粉末とチタン等の金属
粉末が反応しアルミニウム−チタン等アルミニウムとの
金属間化合物を形成する、(2)形成された化合物が鋼素
地とは化合物を形成しにくい、又は固溶しにくい、(3)
チタンなどは鉄よりアルミニウムと反応しやすい、など
の理由による。
ぼ一定厚さの拡散厚さが得られること、アルミニウム粉
末/チタン粉末の混合比率により拡散層中のアルミニウ
ム濃度を変化させうることを確認した。これは、アルミ
ニウムとチタン等との混合比により、両者の反応で形成
される金属間化合物の組成が変化することで、鋼表面で
のアルミニウム濃度を制御する働きを示すからである。
ものとして、アルミニウムと金属間化合物を形成し、鉄
よりアルミニウムと反応しやすく、反応物が鉄と化合物
を形成もしくは固溶しないものであれば、チタン以外の
金属粉末の選択も可能であることは上述のとおりである
が、更に、拡散層の特性を向上させるために、ボロン、
シリコン、クロム等の第3元素の添加や焼き入れ、焼鈍
などの後処理の適用も可能である。
ないが、混合物が被処理物表面に保持されやすい観点か
ら、0.1μmから50メッシュ(0.3mm)程度、好ましく
は、1μm〜0.2mmの範囲が望ましい。0.1μm以下では
微細すぎて取扱いが困難であり、50メッシュ以上では粗
すぎて均一な塗布が困難となる。
持させるために、混合粉に、水、有機溶剤さらに、有機
系のバインダーを用いることも可能である。具体的に
は、アルコール類、ポリビニルアルコールなどがある。
混合粉の被処理物への付着方法は特に指定されないが、
塗布、スプレー、浸漬などの方法を適用できる。
や形状、大きさを問うことはない。用途に応じ、炭素
鋼、工具鋼、金型鋼、ステンレス鋼のような合金鋼にも
適用できる。
用した鋼表面へのアルミニウム拡散方法を具体的に説明
するが、これら実施例に限定されるものではない。
10μm)を体積比で5:5混合し、エチルアルコールを
添加しスラリー状にしたものを、直径50mm、厚さ5mmの
鋼(S45C)に十分な厚さで塗布した。塗布物を乾燥
後、真空中、950℃で1時間加熱した。処理品の外観写
真を図1に示す。右は処理品から剥離した混合粉の反応
物であり、左は剥離した処理品の外観表面状態である。
この試料断面の走査電子顕微鏡写真及びX線マイクロア
ナライザーによる線分析結果を図2に示す。余剰の粉末
は、図1の写真にみられるように円盤の形状を保ったま
ま、鋼から剥離した。余剰粉を剥離した鋼の表面には、
多少の荒れがみられたが、ペーパーがけ程度で十分研磨
可能であった。また、断面顕微鏡写真と線分析結果から
アルミニウム拡散層が明瞭に観察された。チタンは最表
面に痕跡程度確認されたが、素地中への拡散は認められ
なかった。
ラリーを用い、鋼板に塗布する量を種々変化させ実施例
1と同条件で拡散処理を行い、アルミニウム拡散層の厚
みを測定した。その結果を図3に示す。塗布量が変化し
ても、その拡散厚さはほぼ一定で、拡散厚さは混合粉塗
布厚さに鈍感であることがわかった。
せ、エチルアルコールでスラリー状にしたものを厚さ5
mmの鋼板(S45C)に塗布し、実施例1と同条件で拡散
処理を行った。このとき、アルミニウム粉末のみの試料
は、慎重に塗布量を制限し余分なアルミニウム層が残存
しないよう注意した。図4に粉末の混合比と拡散厚さの
関係、図5に代表的な混合比での拡散層中のアルミニウ
ム濃度を示す。拡散層厚さ及び拡散層中のアルミニウム
濃度は、アルミニウム粉末とチタン粉末の混合比率で制
御しうることがわかった。特に、拡散層中のアルミニウ
ム濃度を30at%以下に抑えることもでき、拡散層中に脆
弱な化合物を形成させないことも可能である。
ミニウム拡散方法は、粉体を使用することで極めて簡便
であり、かつ、アルミニウム粉末にチタン等の金属間化
合物を形成しやすい金属の存在でアルミニウムの鋼材へ
の拡散厚さが広い条件範囲でほぼ一定となり、余分のも
のは剥離して除去できるので工程管理が容易で均質な表
面処理ができる。したがって、高温特性に優れた鋼や窒
化処理との複合処理が可能な高性質の鋼を容易に得るこ
とができるのである。
用のアルミニウム主体合金粉末と、金属粉末の混合比を
変えることでアルミニウム拡散層の厚みや濃度が変更可
能であるし、ハロゲン化物や1000℃以上の高温を必要と
しない点でも優れたアルミニウム拡散方法であるといえ
る。
剰粉の反応物(右)の対比写真である。
に対応したX線マイクロアナライザーによる線分析結果
のチャートである。
ある。
ある。
関係を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 アルミニウムまたはアルミニウムを主体
とした合金の粉末と、アルミニウムと金属間化合物を形
成しやすい金属粉末との混合物スラリーを鋼表面に塗布
し、これを真空中、または不活性ガス中もしくは還元性
ガス雰囲気中で、アルミニウムの融点もしくはアルミニ
ウム合金の液相線以上の温度に加熱し、鋼表面にアルミ
ニウムを選択的に拡散浸透させ、アルミニウム濃度の高
い層を鋼表面に形成させることを特徴とする鋼表面への
アルミニウム拡散方法。 - 【請求項2】 アルミニウムと金属間化合物を形成しや
すい金属は、チタン、チタン合金の一種又は二種以上の
混合物である請求項1記載の鋼表面へのアルミニウム拡
散方法。
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