JP3077534B2 - ポリテトラフルオロエチレンの高強度繊維及びその製造方法 - Google Patents
ポリテトラフルオロエチレンの高強度繊維及びその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は0.5GPa以上の強度
を有するポリテトラフルオロエチレン(以下「PTF
E」という。)の高強度繊維及びその製造方法、更には
1GPa以上の強度を有するPTFEの超高強度繊維及
びその製造方法に関するものである。
を有するポリテトラフルオロエチレン(以下「PTF
E」という。)の高強度繊維及びその製造方法、更には
1GPa以上の強度を有するPTFEの超高強度繊維及
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】PTFEはふっ素樹脂の一つであり、こ
のふっ素樹脂には、PTFE以外に、FEP(4ふっ化
エチレン−6ふっ化プロピレン共重合体)、PFA(4
ふっ化エチレン−パーフロロアルコキシ基共重合体)、
ETFE(4ふっ化エチレン−エチレン共重合体)など
がある。
のふっ素樹脂には、PTFE以外に、FEP(4ふっ化
エチレン−6ふっ化プロピレン共重合体)、PFA(4
ふっ化エチレン−パーフロロアルコキシ基共重合体)、
ETFE(4ふっ化エチレン−エチレン共重合体)など
がある。
【0003】これら各ふっ素樹脂は、優れた耐熱性、耐
化学薬品性、耐水及び耐湿熱性、電気絶縁性、さらに他
に比べるもののない非粘着性と表面耐摩擦性等を有して
いる。PTFEは、これらのふっ素樹脂の中にあって、
とりわけ耐熱性、耐化学薬品性、耐水及び耐湿熱性に関
して最高のレベルにある。したがって、PTFE繊維も
同様にして、以上に述べた優れた特色を有している繊維
である。PTFE繊維は米国デュポン社と我国の東レ・
ファインケミカル社によって製造販売されており、これ
ら二社の製造方法の詳細は明らかではないが、繊維とし
ての特性は大差ない。
化学薬品性、耐水及び耐湿熱性、電気絶縁性、さらに他
に比べるもののない非粘着性と表面耐摩擦性等を有して
いる。PTFEは、これらのふっ素樹脂の中にあって、
とりわけ耐熱性、耐化学薬品性、耐水及び耐湿熱性に関
して最高のレベルにある。したがって、PTFE繊維も
同様にして、以上に述べた優れた特色を有している繊維
である。PTFE繊維は米国デュポン社と我国の東レ・
ファインケミカル社によって製造販売されており、これ
ら二社の製造方法の詳細は明らかではないが、繊維とし
ての特性は大差ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、PTF
E繊維は、繊維としての強度に関して、最高位に位置す
るというよりは、むしろ下位に属する繊維である。ふっ
素樹脂の各繊維中にあってもその強度(GPa)は約
0.16で、FEP(0.04)やPFA(0.07)より
は若干良いがETFE(0.25)より劣っている。
E繊維は、繊維としての強度に関して、最高位に位置す
るというよりは、むしろ下位に属する繊維である。ふっ
素樹脂の各繊維中にあってもその強度(GPa)は約
0.16で、FEP(0.04)やPFA(0.07)より
は若干良いがETFE(0.25)より劣っている。
【0005】ふっ素樹脂以外の材料から成る一般の繊維
と比較すると、その差はさらに顕著なものとなる。つま
り、ナイロンの高強力糸(0.7)ポリプロピレンの強力
糸(0.66)、ポリエステルの強力糸(0.55)といっ
た具合である。
と比較すると、その差はさらに顕著なものとなる。つま
り、ナイロンの高強力糸(0.7)ポリプロピレンの強力
糸(0.66)、ポリエステルの強力糸(0.55)といっ
た具合である。
【0006】このようにPTFE繊維の強度が他の一般
的な繊維と比較してかなり劣るという事実が、先に述べ
たPTFEの耐熱性、耐化学薬品性、耐水及び耐湿熱性
といった最高位の長所とバランスを生かす道を閉ざして
いる重大な要因の一つとなっているものと考えられる。
的な繊維と比較してかなり劣るという事実が、先に述べ
たPTFEの耐熱性、耐化学薬品性、耐水及び耐湿熱性
といった最高位の長所とバランスを生かす道を閉ざして
いる重大な要因の一つとなっているものと考えられる。
【0007】また、最近開発されて、徐々に材料の種類
を広げつつある高強度繊維または超高強度繊維(別に高
弾性または超高弾性繊維という用語があるが、ほとんど
の場合ではこれらは同一なものと考えてよいものと考え
られるので、両者を含むものとして、本明細書ではこの
用語に限定して述べることにする。)というものがあ
る。
を広げつつある高強度繊維または超高強度繊維(別に高
弾性または超高弾性繊維という用語があるが、ほとんど
の場合ではこれらは同一なものと考えてよいものと考え
られるので、両者を含むものとして、本明細書ではこの
用語に限定して述べることにする。)というものがあ
る。
【0008】高強度および超高強度の定義は決まってい
ないが、本明細書では従来の一般繊維の強度のレベルか
ら考えて、0.5GPa程度の強度を保証できる繊維を
高強度繊維、1GPa以上の強度を保証できる繊維を超
高強度繊維と呼ぶことにする。
ないが、本明細書では従来の一般繊維の強度のレベルか
ら考えて、0.5GPa程度の強度を保証できる繊維を
高強度繊維、1GPa以上の強度を保証できる繊維を超
高強度繊維と呼ぶことにする。
【0009】高強度または超高強度繊維の原材料は、慣
例に従って屈曲鎖高分子と剛直鎖高分子に分けて考える
と、材料的には屈曲性高分子のポリエチレン、剛直鎖高
分子のアラミドとポリアリレートのわずか3種類しかな
く、汎用ポリマとして考えるとポリエチレンわずか一種
ということになる。
例に従って屈曲鎖高分子と剛直鎖高分子に分けて考える
と、材料的には屈曲性高分子のポリエチレン、剛直鎖高
分子のアラミドとポリアリレートのわずか3種類しかな
く、汎用ポリマとして考えるとポリエチレンわずか一種
ということになる。
【0010】工業製品としては、アラミド系として米国
Du Pont社の「Kevlar」、帝人の「テクノ
ーラ」、ポリアリレート系としてクラレの「ベクトラ
ン」、ポリエチレン系として東洋紡の「ダイニーマ」、
三井石油化学工業の「テクミロン」、米国Allied
社の「スペクトラ」等がある。
Du Pont社の「Kevlar」、帝人の「テクノ
ーラ」、ポリアリレート系としてクラレの「ベクトラ
ン」、ポリエチレン系として東洋紡の「ダイニーマ」、
三井石油化学工業の「テクミロン」、米国Allied
社の「スペクトラ」等がある。
【0011】これら商業化されている(超)高強度繊維
は以下のような課題がある。
は以下のような課題がある。
【0012】まず、ポリエチレン(超)高強度繊維は耐
熱性に劣る。一方、アラミドとポリアリレートの(超)
高強度繊維はポリエチレンより耐熱性は優れるが、グレ
ードによって多少の差はあるが、一般的にいって縮合系
の高分子に共通する欠点として、実用上きわめて重要な
耐水性、とりわけ耐熱水性に劣る。
熱性に劣る。一方、アラミドとポリアリレートの(超)
高強度繊維はポリエチレンより耐熱性は優れるが、グレ
ードによって多少の差はあるが、一般的にいって縮合系
の高分子に共通する欠点として、実用上きわめて重要な
耐水性、とりわけ耐熱水性に劣る。
【0013】さらに、それら(超)高強度繊維に共通す
る欠点として価格が高いという点が指摘されている。そ
の理由を考えてみると、アラミドやポリアリレートの場
合は、その原材料モノマーが特殊なものであるために新
規に合成する必要のあることからくるコストアップ、一
方ポリエチレンの場合は新規の設備投資費用が高価であ
ると共に生産速度が遅いという問題がある。これらの事
柄から、汎用ポリマから比較的容易な製法によって、上
述した重大な欠点をもたない(超)高強度繊維の登場
が、市場から待望される状況が生じていた。
る欠点として価格が高いという点が指摘されている。そ
の理由を考えてみると、アラミドやポリアリレートの場
合は、その原材料モノマーが特殊なものであるために新
規に合成する必要のあることからくるコストアップ、一
方ポリエチレンの場合は新規の設備投資費用が高価であ
ると共に生産速度が遅いという問題がある。これらの事
柄から、汎用ポリマから比較的容易な製法によって、上
述した重大な欠点をもたない(超)高強度繊維の登場
が、市場から待望される状況が生じていた。
【0014】そこで、本発明は、このような実情に鑑み
なされたものであり、その目的は、0.5GPa以上の
強度を有するPTFEの高強度繊維及びその製造方法、
更には1GPa以上の強度を有する超高強度繊維及びそ
の製造方法を提供することにある。
なされたものであり、その目的は、0.5GPa以上の
強度を有するPTFEの高強度繊維及びその製造方法、
更には1GPa以上の強度を有する超高強度繊維及びそ
の製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のPTFEの高強度繊維は、ペースト押出に
より成形されたPTFE系ポリマのモノフィラメントを
伸縮が自由な状態で熱処理した後延伸して得られるPT
FE繊維であって、分子鎖が繊維軸方向に配列されたも
のである。また、ペースト押出により成形されたPTF
E系ポリマのモノフィラメントを延伸して得られる直径
50μm以下のPTFE繊維であって、引張破断強度が
0.5GPa以上のものである。
に、本発明のPTFEの高強度繊維は、ペースト押出に
より成形されたPTFE系ポリマのモノフィラメントを
伸縮が自由な状態で熱処理した後延伸して得られるPT
FE繊維であって、分子鎖が繊維軸方向に配列されたも
のである。また、ペースト押出により成形されたPTF
E系ポリマのモノフィラメントを延伸して得られる直径
50μm以下のPTFE繊維であって、引張破断強度が
0.5GPa以上のものである。
【0016】また、本発明のPTFEの高強度繊維の製
造方法は、PTFE系ポリマのビレットをペースト押出
によってモノフィラメントにし、このモノフィラメント
を伸縮が自由な状態で熱処理した後徐冷し、その後、こ
れを延伸して繊維化したものである。また、PTFE系
ポリマのビレットを30℃以上の温度及びリダクション
比300以上でペースト押出によって0.5mmφ以下の
モノフィラメントにし、このフィラメントを伸縮が自由
な状態で340℃以上の温度で熱処理した後、5℃/分
以下の速度で徐冷し、その後、この熱処理モノフィラメ
ントを340℃以上の温度及び50mm/秒以上の速度で
50倍以上に延伸し、延伸後直ちに冷却して、直径50
μm以下のPTFE繊維を形成するものである。さら
に、前記ビレットは、PTFE系ポリマのファインパウ
ダを押出助剤によって湿潤処理し、この湿潤パウダを圧
縮して形成することが好ましい。そのファインパウダの
粒子径は0.1μm〜0.5μmであることが好まし
い。
造方法は、PTFE系ポリマのビレットをペースト押出
によってモノフィラメントにし、このモノフィラメント
を伸縮が自由な状態で熱処理した後徐冷し、その後、こ
れを延伸して繊維化したものである。また、PTFE系
ポリマのビレットを30℃以上の温度及びリダクション
比300以上でペースト押出によって0.5mmφ以下の
モノフィラメントにし、このフィラメントを伸縮が自由
な状態で340℃以上の温度で熱処理した後、5℃/分
以下の速度で徐冷し、その後、この熱処理モノフィラメ
ントを340℃以上の温度及び50mm/秒以上の速度で
50倍以上に延伸し、延伸後直ちに冷却して、直径50
μm以下のPTFE繊維を形成するものである。さら
に、前記ビレットは、PTFE系ポリマのファインパウ
ダを押出助剤によって湿潤処理し、この湿潤パウダを圧
縮して形成することが好ましい。そのファインパウダの
粒子径は0.1μm〜0.5μmであることが好まし
い。
【0017】本発明に用いられるPTFE系ポリマは、
PTFEつまりテトラフルオロエチレンの重合体であっ
て、分子量は数百万以上であることが望ましい。また、
コモノマーとして数%以下の異種モノマーを含有する共
重合体であってもさしつかえない。
PTFEつまりテトラフルオロエチレンの重合体であっ
て、分子量は数百万以上であることが望ましい。また、
コモノマーとして数%以下の異種モノマーを含有する共
重合体であってもさしつかえない。
【0018】このポリマのファインパウダは、延伸によ
り繊維を形成するため約0.5mmφ以下のモノフィラメ
ントが必要になり、このフィラメントを従来から一般的
に行われているペースト押出によって成形するので、ペ
ースト押出に好適な粒子径が0.1μm〜0.5μmの
ファインパウダがよく、これは乳化重合または放射線重
合によって合成される。共重合化の結果、ペースト押出
時のリダクション比を大きくとれる場合には、本発明の
目的をより良く達成することができるので、これを満足
するように合成することが望ましい。
り繊維を形成するため約0.5mmφ以下のモノフィラメ
ントが必要になり、このフィラメントを従来から一般的
に行われているペースト押出によって成形するので、ペ
ースト押出に好適な粒子径が0.1μm〜0.5μmの
ファインパウダがよく、これは乳化重合または放射線重
合によって合成される。共重合化の結果、ペースト押出
時のリダクション比を大きくとれる場合には、本発明の
目的をより良く達成することができるので、これを満足
するように合成することが望ましい。
【0019】押出助剤は、ペースト押出に必要なPTF
Eファインパウダのルブリカントとして用いられ、従来
工業的に一般に用いられてきたもので良い。配合量は通
常15〜25%の範囲で用いられるが、これに限定され
るものではなく、リダクション比を大きくとることが必
要なので、これらの範囲より大き目が良い場合もある。
Eファインパウダのルブリカントとして用いられ、従来
工業的に一般に用いられてきたもので良い。配合量は通
常15〜25%の範囲で用いられるが、これに限定され
るものではなく、リダクション比を大きくとることが必
要なので、これらの範囲より大き目が良い場合もある。
【0020】押出助剤としては一般的に炭化水素系の有
機溶剤または石油系ソルベントがあり、たとえば、アイ
ソパーE、アイソパーH、アイソパーM(いずれもエッ
ソ化学製品)、スモイルP−55(松村石油)、ケロシ
ン、ナフサ、Risella#17オイル、石油エーテ
ル等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。また、押出助剤は一種又は異なる二種以上を組み合
わせて用いられる。
機溶剤または石油系ソルベントがあり、たとえば、アイ
ソパーE、アイソパーH、アイソパーM(いずれもエッ
ソ化学製品)、スモイルP−55(松村石油)、ケロシ
ン、ナフサ、Risella#17オイル、石油エーテ
ル等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。また、押出助剤は一種又は異なる二種以上を組み合
わせて用いられる。
【0021】材料的には以上に挙げたポリマとしてのP
TFEとペースト押出に必要な押出助剤の2種類だけで
足りるものであり、これ以外に酸化防止剤その他の添加
剤は一切不要である。
TFEとペースト押出に必要な押出助剤の2種類だけで
足りるものであり、これ以外に酸化防止剤その他の添加
剤は一切不要である。
【0022】次に、これらの材料を用いてPTFEの高
強度繊維をつくる成形方法について述べる。
強度繊維をつくる成形方法について述べる。
【0023】PTFEの高強度繊維の成形方法は、下記
の7工程から成る。
の7工程から成る。
【0024】1.PTFEファインパウダのふるい 2.PTFEファインパウダ及び押出助剤の配合 3.混合・分散・含浸・ふるい 4.プレフォーム(ビレット成形) 5.モノフィラメントのペースト押出 6.熱処理及び冷却 7.超延伸及び冷却 これらの7工程の内、4のビレット成形工程までは一般
に行われているPTFEファインパウダのペースト押出
工程の内容とほとんど同一なものと考えてよい。PTF
Eの超高強度繊維をつくる上に必要なPTFE分子の分
子配列の微細構造制御にとって最も重要で本発明の要点
であるのは、後半の3工程、つまり、5.モノフィラメ
ントのペースト押出、6.熱処理及び冷却、7.超延伸
及び冷却である。
に行われているPTFEファインパウダのペースト押出
工程の内容とほとんど同一なものと考えてよい。PTF
Eの超高強度繊維をつくる上に必要なPTFE分子の分
子配列の微細構造制御にとって最も重要で本発明の要点
であるのは、後半の3工程、つまり、5.モノフィラメ
ントのペースト押出、6.熱処理及び冷却、7.超延伸
及び冷却である。
【0025】以下、工程の順を追ってその内容について
述べる。
述べる。
【0026】1.PTFEファインパウダのふるい PTFEファインパウダは固有の粘着性を有しているた
めに、輸送及び保管中に振動や自重による力を受けて、
粉末のかたまりを形成し易い。これは取り扱いにくい上
押出助剤による均一な含浸を困難にする。また、この固
まりを機械的にほぐそうとして何らかの力を加えると、
ファインパウダはこの時の剪断力によって容易に繊維化
し、押出成形に悪影響を及ぼす。以上のことから、PT
FEファインパウダに対して、押出助剤を配合する前に
ファインパウダをできるだけ細かいさらさらとした状態
にすることが、きわめて重要である。この目的のため
に、8メッシュもしくは10メッシュのそれぞれ2.0
mmあるいは1.7mmの孔を有するふるいを通過させる必
要がある。さらに、このポリマのふるい秤量は、PTF
Eの室温転移点(約19℃)以下に調温された部屋で行
うことが望ましい。
めに、輸送及び保管中に振動や自重による力を受けて、
粉末のかたまりを形成し易い。これは取り扱いにくい上
押出助剤による均一な含浸を困難にする。また、この固
まりを機械的にほぐそうとして何らかの力を加えると、
ファインパウダはこの時の剪断力によって容易に繊維化
し、押出成形に悪影響を及ぼす。以上のことから、PT
FEファインパウダに対して、押出助剤を配合する前に
ファインパウダをできるだけ細かいさらさらとした状態
にすることが、きわめて重要である。この目的のため
に、8メッシュもしくは10メッシュのそれぞれ2.0
mmあるいは1.7mmの孔を有するふるいを通過させる必
要がある。さらに、このポリマのふるい秤量は、PTF
Eの室温転移点(約19℃)以下に調温された部屋で行
うことが望ましい。
【0027】2.PTFEファインパウダ及び押出助剤
の配合 ふるいを通した必要量のポリマと押出助剤を密栓付の十
分な容量の乾燥広口ビンに入れる。混合を良好に行うた
めには、容器容積の1/3〜2/3の空間をつくるよう
にする。配合終了後、ただちに容器を気密シールして、
押出助剤の揮散を防止する。
の配合 ふるいを通した必要量のポリマと押出助剤を密栓付の十
分な容量の乾燥広口ビンに入れる。混合を良好に行うた
めには、容器容積の1/3〜2/3の空間をつくるよう
にする。配合終了後、ただちに容器を気密シールして、
押出助剤の揮散を防止する。
【0028】3.混合・分散・含浸・ふるい 配合が完了し、密栓した容器を、押出助剤が分散するよ
うに軽く振とう後、回転架台に載せて容器を20m/分
以下の適当な速度で約30分間回転させて、混合・分散
させる。回転速度は混合・分散に十分なものであって、
剪断力によるファインパウダの繊維化を生じる程強いも
のであってはならない。この後、押出助剤がファインパ
ウダの二次粒子に十分含浸・浸透して、一次粒子の表面
が押出助剤によって濡れるように室温で6時間から24
時間静置する。この後、適当サイズのふるいを通して、
混合によって生じたかたまりを除去する。
うに軽く振とう後、回転架台に載せて容器を20m/分
以下の適当な速度で約30分間回転させて、混合・分散
させる。回転速度は混合・分散に十分なものであって、
剪断力によるファインパウダの繊維化を生じる程強いも
のであってはならない。この後、押出助剤がファインパ
ウダの二次粒子に十分含浸・浸透して、一次粒子の表面
が押出助剤によって濡れるように室温で6時間から24
時間静置する。この後、適当サイズのふるいを通して、
混合によって生じたかたまりを除去する。
【0029】4.プレフォーム(ビレット成形) この工程には適当なプレフォームの装置が必要である。
このプレフォーム装置のシリンダーに、前工程によって
できた湿潤PTFEファインパウダを投入し、ラムで圧
縮してビレットを成形する。圧縮に用いられる圧力は、
シリンダーの大きさに対応して、1kg/cm2 〜10kg/
cm2 が必要で、数分間の保持が必要である。プレフォー
ムによってビレットを成形したら、押出助剤の飛散防止
のために、できるだけ早急にペースト押出に供する必要
がある。そのペースト押出の際、ビレットが、PTFE
系ポリマのファインパウダを押出助剤によって湿潤処理
し、この湿潤パウダを圧縮して形成されているため、ビ
レットからモノフィラメントへのペースト押出が容易で
あり、モノフィラメントの成形が容易に行える。
このプレフォーム装置のシリンダーに、前工程によって
できた湿潤PTFEファインパウダを投入し、ラムで圧
縮してビレットを成形する。圧縮に用いられる圧力は、
シリンダーの大きさに対応して、1kg/cm2 〜10kg/
cm2 が必要で、数分間の保持が必要である。プレフォー
ムによってビレットを成形したら、押出助剤の飛散防止
のために、できるだけ早急にペースト押出に供する必要
がある。そのペースト押出の際、ビレットが、PTFE
系ポリマのファインパウダを押出助剤によって湿潤処理
し、この湿潤パウダを圧縮して形成されているため、ビ
レットからモノフィラメントへのペースト押出が容易で
あり、モノフィラメントの成形が容易に行える。
【0030】5.モノフィラメントのペースト押出 PTFEファインパウダのペースト押出の温度条件は、
PTFEの結晶構造の温度変化と密接に関係する。一般
に知られているように、19℃以下ではPTFEは三斜晶
系であり、この結晶構造は変形抵抗性が大きく、PTF
Eの融点よりかなり低い温度での塑性加工には不適であ
る。19℃以上ではPTFEの結晶構造は六方晶系をと
り、温度がそれより上昇するに従って、結晶の長軸に沿
って、不規則部分が増加するために、結晶弾性が減少し
て塑性変形性が増加する。
PTFEの結晶構造の温度変化と密接に関係する。一般
に知られているように、19℃以下ではPTFEは三斜晶
系であり、この結晶構造は変形抵抗性が大きく、PTF
Eの融点よりかなり低い温度での塑性加工には不適であ
る。19℃以上ではPTFEの結晶構造は六方晶系をと
り、温度がそれより上昇するに従って、結晶の長軸に沿
って、不規則部分が増加するために、結晶弾性が減少し
て塑性変形性が増加する。
【0031】これらの事実から、PTFEファインパウ
ダのペースト押出の温度条件は30℃以上が望ましい
が、経験的には40℃から60℃の範囲が好適である。
ダのペースト押出の温度条件は30℃以上が望ましい
が、経験的には40℃から60℃の範囲が好適である。
【0032】さらに、ペースト押出が十分効率よく行わ
れるためには、ビレットが所定の温度に十分状態調節さ
れる前にビレットに力をかけないことが重要である。こ
れが守られないと、ビレットの分量の無視できない部分
が、正規に押出されないままにシリンダー内に残留して
歩留りを悪くするか、仮に無理して押出された場合に
は、このモノフィラメントについて正規の厳密な熱処理
を行っても超延伸に支障を来すことになる。
れるためには、ビレットが所定の温度に十分状態調節さ
れる前にビレットに力をかけないことが重要である。こ
れが守られないと、ビレットの分量の無視できない部分
が、正規に押出されないままにシリンダー内に残留して
歩留りを悪くするか、仮に無理して押出された場合に
は、このモノフィラメントについて正規の厳密な熱処理
を行っても超延伸に支障を来すことになる。
【0033】次に重要なのは、リダクション比(Reduct
ion Ratio 、以下「RR」という。)である。RRは、
押出機のシリンダー断面積とダイの断面積の比であり、
一般のペースト押出の場合も重要であるが、PTFEの
超高強度繊維化には特別の重要性を有するものである。
ion Ratio 、以下「RR」という。)である。RRは、
押出機のシリンダー断面積とダイの断面積の比であり、
一般のペースト押出の場合も重要であるが、PTFEの
超高強度繊維化には特別の重要性を有するものである。
【0034】すなわち、ポリマの高強度繊維化の本質
は、ポリマ分子を主鎖を構成する原子間の結合角および
各々の結合に対する回転角の可能な範囲内で伸長し、そ
の極限的に伸長した分子鎖を繊維軸の方向に極限的に配
列させることである。
は、ポリマ分子を主鎖を構成する原子間の結合角および
各々の結合に対する回転角の可能な範囲内で伸長し、そ
の極限的に伸長した分子鎖を繊維軸の方向に極限的に配
列させることである。
【0035】この微細構造制御を達成する方法は、ポリ
マの分子鎖が屈曲鎖であるか、剛直鎖であるかによって
異なる。PTFEはポリエチレンと同様に屈曲鎖型のポ
リマに分類されるが、よく知られているようにPTFE
分子は螺旋構造を有している棒状分子であるために、ポ
リエチレンとは異なり、かなり剛直鎖型のポリマとして
の挙動を実際に示すことが、本発明の検討結果分ってき
た。つまり、PTFEは屈曲鎖型と剛直鎖型との中間に
位置するポリマであるといえる。従って、PTFEはポ
リエチレンと同様に屈曲鎖型のポリマでもあることか
ら、その超高強度繊維化に必要な微細構造制御のために
は超延伸工程を必要とする。
マの分子鎖が屈曲鎖であるか、剛直鎖であるかによって
異なる。PTFEはポリエチレンと同様に屈曲鎖型のポ
リマに分類されるが、よく知られているようにPTFE
分子は螺旋構造を有している棒状分子であるために、ポ
リエチレンとは異なり、かなり剛直鎖型のポリマとして
の挙動を実際に示すことが、本発明の検討結果分ってき
た。つまり、PTFEは屈曲鎖型と剛直鎖型との中間に
位置するポリマであるといえる。従って、PTFEはポ
リエチレンと同様に屈曲鎖型のポリマでもあることか
ら、その超高強度繊維化に必要な微細構造制御のために
は超延伸工程を必要とする。
【0036】PTFEファインパウダの延伸は、事実上
ペースト押出工程から始まる。その実質的な延伸率λ0
は、ペースト押出モノフィラメントをその端末を束縛し
ない状態で、つまり、伸縮自由な状態で熱処理(Free E
nd Anneal;以下「FEA」という。)した後、延伸器付
恒温槽中で超延伸する時の延伸率をλとする時、λ0=
RR×λとなる筈であるが、リダクショと超延伸との間
には熱処理工程があり、この時モノフィラメントは収縮
するので、この式は定性的には正しく、RRとλ0 の反
比例関係を説明できるが、定量的には正しくない。
ペースト押出工程から始まる。その実質的な延伸率λ0
は、ペースト押出モノフィラメントをその端末を束縛し
ない状態で、つまり、伸縮自由な状態で熱処理(Free E
nd Anneal;以下「FEA」という。)した後、延伸器付
恒温槽中で超延伸する時の延伸率をλとする時、λ0=
RR×λとなる筈であるが、リダクショと超延伸との間
には熱処理工程があり、この時モノフィラメントは収縮
するので、この式は定性的には正しく、RRとλ0 の反
比例関係を説明できるが、定量的には正しくない。
【0037】PTFEの高強度繊維化に必要な実質的な
延伸比λ0 は、PTFEの分子量が一定の場合には一定
であるから、特定のPTFEに関する超延伸における延
伸比λは、PTFEモノフィラメントのRRが大きくな
れば、上の式に従って減少することになる。これがPT
FEファインパウダの高強度繊維化における重要な考え
方のひとつである。
延伸比λ0 は、PTFEの分子量が一定の場合には一定
であるから、特定のPTFEに関する超延伸における延
伸比λは、PTFEモノフィラメントのRRが大きくな
れば、上の式に従って減少することになる。これがPT
FEファインパウダの高強度繊維化における重要な考え
方のひとつである。
【0038】リダクション比の考え方について次に重要
なことは、実質的な延伸率λ0 が同じでも、リダクショ
ン比が異なれば、最終的に同一の配列構造が得られない
ことである。PTFEの高強度繊維化を達成するために
は、できる限り、まずRRの大きなPTFEモノフィラ
メントを得ることが必要である。この結果として、超延
伸における延伸比は低下しても強度はむしろ向上し、安
定化する。
なことは、実質的な延伸率λ0 が同じでも、リダクショ
ン比が異なれば、最終的に同一の配列構造が得られない
ことである。PTFEの高強度繊維化を達成するために
は、できる限り、まずRRの大きなPTFEモノフィラ
メントを得ることが必要である。この結果として、超延
伸における延伸比は低下しても強度はむしろ向上し、安
定化する。
【0039】この理由は今のところ十分解明されていな
いが、本発明におけるFEA(自由端熱処理)条件の範
囲ではRRが大きい程、FEA後でもPTFEの配向構
造はより多く残存しており、この工程に続く超延伸によ
るPTFE分子の極限的配列に有利に作用しているもの
と考えられる。しかし、熱処理が本発明より強力な条
件、たとえば450℃以上の高温、または370℃×2
時間以上の焼結が行われるとこの配向構造は消失してし
まう。以上のことから、RRは少なくとも300以上、
望ましくは800以上必要である。
いが、本発明におけるFEA(自由端熱処理)条件の範
囲ではRRが大きい程、FEA後でもPTFEの配向構
造はより多く残存しており、この工程に続く超延伸によ
るPTFE分子の極限的配列に有利に作用しているもの
と考えられる。しかし、熱処理が本発明より強力な条
件、たとえば450℃以上の高温、または370℃×2
時間以上の焼結が行われるとこの配向構造は消失してし
まう。以上のことから、RRは少なくとも300以上、
望ましくは800以上必要である。
【0040】先にも述べたように、超延伸に供するため
に必要なPTFEモノフィラメントの直径は、延伸器の
性能によるが、0.5mmφ以下程度である(延伸速度が
大きければ、モノフィラメント直径は大きくてもよい)
から、リダクション比3000としてもシリンダ内径は
54mm程度と、押出機は小型のもので良い。
に必要なPTFEモノフィラメントの直径は、延伸器の
性能によるが、0.5mmφ以下程度である(延伸速度が
大きければ、モノフィラメント直径は大きくてもよい)
から、リダクション比3000としてもシリンダ内径は
54mm程度と、押出機は小型のもので良い。
【0041】ダイスの構造も一般のPTFEのペースト
押出用で良い。つまり、テーパ角は30°〜60°、ラ
ンドはネジレやキンクの生じない程度に長目にする。
押出用で良い。つまり、テーパ角は30°〜60°、ラ
ンドはネジレやキンクの生じない程度に長目にする。
【0042】6.熱処理及び冷却 PTFEの高強度繊維化にとって、熱処理条件は最も重
要である。なぜなら、PTFEの超延伸を可能にし、P
TFE高強度繊維としての0.5GPa以上の強度をも
たらし、長手方向における強度の均一安定化を保証でき
るか否かを決定するのは、この熱処理条件だからであ
る。ある意味ではPTFEの超延伸は容易であるが、熱
処理条件が不適当であると、超延伸は可能であるが強度
が出ない、あるいは長手方向で強度が安定して出ないと
いう結果になる場合が多い。熱処理とは厳密には、熱処
理温度と時間、そして冷却速度および冷却速度を一定に
コントロールする温度範囲を明確に規定する必要があ
る。PTFEの高強度繊維化には、まさにこのような厳
密な熱処理条件が必要である。しかも、それらだけ厳密
に規定しても実は十分ではない。PTFEの高強度繊維
化に必要な熱処理とは、PTFEのモノフィラメントが
力学的にどのような状態で熱処理されなくてはならない
かを要求する。
要である。なぜなら、PTFEの超延伸を可能にし、P
TFE高強度繊維としての0.5GPa以上の強度をも
たらし、長手方向における強度の均一安定化を保証でき
るか否かを決定するのは、この熱処理条件だからであ
る。ある意味ではPTFEの超延伸は容易であるが、熱
処理条件が不適当であると、超延伸は可能であるが強度
が出ない、あるいは長手方向で強度が安定して出ないと
いう結果になる場合が多い。熱処理とは厳密には、熱処
理温度と時間、そして冷却速度および冷却速度を一定に
コントロールする温度範囲を明確に規定する必要があ
る。PTFEの高強度繊維化には、まさにこのような厳
密な熱処理条件が必要である。しかも、それらだけ厳密
に規定しても実は十分ではない。PTFEの高強度繊維
化に必要な熱処理とは、PTFEのモノフィラメントが
力学的にどのような状態で熱処理されなくてはならない
かを要求する。
【0043】つまり、PTFEの高強度繊維化に必要な
モノフィラメントの熱処理における力学的状態とは、モ
ノフィラメントを力学的に自由にすることである。これ
を本明細書では先にも述べたようにFEAとした。当然
のことながら、FEAはモノフィラメントの熱処理時で
の伸縮を妨げない。FEAとは正反対にモノフィラメン
トの両端を完全に固定してたるみなしで熱処理してみる
と、このモノフィラメントはほとんど延伸できないこと
が分る。従って、熱処理時におけるモノフィラメントの
両端末での束縛応力または部分的応力に対応して、延伸
比は低下してしまうことになる。しかし、熱処理時に両
端を固定しても20%程度以上のたるみ(余長)をつけ
て熱処理時の熱収縮によってモノフィラメントに力がか
からないようすれば、これは実質的にFEAと考えるこ
とができる。工業的製法を考える場合、この考えは重要
なものとなる。
モノフィラメントの熱処理における力学的状態とは、モ
ノフィラメントを力学的に自由にすることである。これ
を本明細書では先にも述べたようにFEAとした。当然
のことながら、FEAはモノフィラメントの熱処理時で
の伸縮を妨げない。FEAとは正反対にモノフィラメン
トの両端を完全に固定してたるみなしで熱処理してみる
と、このモノフィラメントはほとんど延伸できないこと
が分る。従って、熱処理時におけるモノフィラメントの
両端末での束縛応力または部分的応力に対応して、延伸
比は低下してしまうことになる。しかし、熱処理時に両
端を固定しても20%程度以上のたるみ(余長)をつけ
て熱処理時の熱収縮によってモノフィラメントに力がか
からないようすれば、これは実質的にFEAと考えるこ
とができる。工業的製法を考える場合、この考えは重要
なものとなる。
【0044】熱処理温度及び時間については、350
℃、30分が最低に必要なレベルである。350℃、2
0分では十分な焼結が行われることが困難である。望ま
しくは350℃以上で1.5時間が必要である。370
℃で2時間以上あるいは450℃以上は、熱処理した冷
却後に配向構造を残さないので不適なレベルである。以
上に述べたFEAがPTFEの超高強度繊維化に必要な
PTFE分子の極限的配向をもたらすところの超延伸を
可能にする。
℃、30分が最低に必要なレベルである。350℃、2
0分では十分な焼結が行われることが困難である。望ま
しくは350℃以上で1.5時間が必要である。370
℃で2時間以上あるいは450℃以上は、熱処理した冷
却後に配向構造を残さないので不適なレベルである。以
上に述べたFEAがPTFEの超高強度繊維化に必要な
PTFE分子の極限的配向をもたらすところの超延伸を
可能にする。
【0045】最後に、上に述べた特定の温度と時間につ
いて行われたPTFEモノフィラメントの熱処理が終了
した後の冷却条件について述べる。
いて行われたPTFEモノフィラメントの熱処理が終了
した後の冷却条件について述べる。
【0046】この冷却速度の重要性は、先にも述べた
が、その理由は冷却速度が熱処理したPTFEモノフィ
ラメントの結晶化度を決定するためである。結晶化度が
高い程、次の超延伸工程でつくられるPTFE高強度繊
維の強度を高めると共に、繊維の長手方向の欠陥を減少
させ、強度のバラツキを驚く程小さくする。
が、その理由は冷却速度が熱処理したPTFEモノフィ
ラメントの結晶化度を決定するためである。結晶化度が
高い程、次の超延伸工程でつくられるPTFE高強度繊
維の強度を高めると共に、繊維の長手方向の欠陥を減少
させ、強度のバラツキを驚く程小さくする。
【0047】結晶性ポリマの場合は、特に、融点以上の
温度での熱処理の後の冷却速度によって結晶化度が左右
されることは、一般的に知られている。しかし、その結
果としての結晶化度が、再び融点以上で行われる次の工
程(超延伸)の結果まで左右する例は、ポリマの場合珍
しいことである。
温度での熱処理の後の冷却速度によって結晶化度が左右
されることは、一般的に知られている。しかし、その結
果としての結晶化度が、再び融点以上で行われる次の工
程(超延伸)の結果まで左右する例は、ポリマの場合珍
しいことである。
【0048】以上に述べたことから、冷却速度は遅けれ
ば遅い程良いが、PTFE高強度繊維が工業的に安定し
た強度を保証するためには、これを厳密に管理する必要
があるので、以下に定量的に述べる。冷却速度を変え
て、PTFEモノフィラメントの結晶化度を測定してみ
ると、350℃で1.5時間FEAで熱処理後、温度範
囲350〜150℃まで次の一定の冷却速度で冷却した
後、急冷した場合のモノフィラメントの結晶化度は次の
通りであった。直接空冷:23.7%、冷却速度10℃
/分:23.7%、冷却速度5℃/分:26.8%、冷
却速度1℃/分:29.5%、冷却速度0.5℃/分:
36.8%であった。ここで、結晶化度は、DSCの融
解エンタルピーから求めたもので、PTFEの完全結晶
の融解エンタルピーを93J/gとした(H.W. S
tarkweather,et al;J.Polym
er Sciy Polymer Phys. Ed
i.,20,751−761(1982))。PTFE
の結晶化度がこのように冷却速度に依存し、融点以上の
高温における熱処理によって、ファインパウダの結晶化
度(76.4%)より顕著に低下する理由は、一つには
PTFEの分子量が842万と大きいために分子の再配
列に時間を要するためと考えられる。10℃/分より大
きい冷却速度でも0.5GPa以上の強度は、延伸比次
第で出るが、長手方向での強度の安定性が出るのは5℃
/分からである。望ましくは0.5℃/分以下が好適で
ある。
ば遅い程良いが、PTFE高強度繊維が工業的に安定し
た強度を保証するためには、これを厳密に管理する必要
があるので、以下に定量的に述べる。冷却速度を変え
て、PTFEモノフィラメントの結晶化度を測定してみ
ると、350℃で1.5時間FEAで熱処理後、温度範
囲350〜150℃まで次の一定の冷却速度で冷却した
後、急冷した場合のモノフィラメントの結晶化度は次の
通りであった。直接空冷:23.7%、冷却速度10℃
/分:23.7%、冷却速度5℃/分:26.8%、冷
却速度1℃/分:29.5%、冷却速度0.5℃/分:
36.8%であった。ここで、結晶化度は、DSCの融
解エンタルピーから求めたもので、PTFEの完全結晶
の融解エンタルピーを93J/gとした(H.W. S
tarkweather,et al;J.Polym
er Sciy Polymer Phys. Ed
i.,20,751−761(1982))。PTFE
の結晶化度がこのように冷却速度に依存し、融点以上の
高温における熱処理によって、ファインパウダの結晶化
度(76.4%)より顕著に低下する理由は、一つには
PTFEの分子量が842万と大きいために分子の再配
列に時間を要するためと考えられる。10℃/分より大
きい冷却速度でも0.5GPa以上の強度は、延伸比次
第で出るが、長手方向での強度の安定性が出るのは5℃
/分からである。望ましくは0.5℃/分以下が好適で
ある。
【0049】7.超延伸及び冷却 PTFEモノフィラメントを延伸するには実験室的に延
伸器付恒温槽が必要である。PTFEファインパウダの
ペースト押出による従来製品の場合には見られない工程
は、この延伸工程のみである。
伸器付恒温槽が必要である。PTFEファインパウダの
ペースト押出による従来製品の場合には見られない工程
は、この延伸工程のみである。
【0050】PTFEの超延伸を達成するには、延伸条
件が熱処理条件と同様に厳密に管理される必要があり、
そのためには延伸装置があるレベル以上の能力を持つ必
要がある。
件が熱処理条件と同様に厳密に管理される必要があり、
そのためには延伸装置があるレベル以上の能力を持つ必
要がある。
【0051】この延伸装置は、PTFEモノフィラメン
トを延伸器のチャック間にセットし、しかる後に延伸器
を恒温槽内に挿入し、槽内が規定温度になったら、外部
から操作して所定の延伸比を所定の延伸速度で延伸し、
延伸が終了したら、ただちにチャック及びサンプルを室
温の外部に出すことのできる延伸器付恒温槽であって、
チャック間に保持されたPTFEモノフィラメント近傍
の温度を指示するように熱電対が位置づけられ、その温
度は±1℃以内、望ましくは±0.5℃以内にコントロ
ールできるものでなければならない。また、延伸器につ
いては、延伸速度が最低で50mm/秒必要であり、望ま
しくはその10倍の500mm/秒まで出ることが好適で
ある。
トを延伸器のチャック間にセットし、しかる後に延伸器
を恒温槽内に挿入し、槽内が規定温度になったら、外部
から操作して所定の延伸比を所定の延伸速度で延伸し、
延伸が終了したら、ただちにチャック及びサンプルを室
温の外部に出すことのできる延伸器付恒温槽であって、
チャック間に保持されたPTFEモノフィラメント近傍
の温度を指示するように熱電対が位置づけられ、その温
度は±1℃以内、望ましくは±0.5℃以内にコントロ
ールできるものでなければならない。また、延伸器につ
いては、延伸速度が最低で50mm/秒必要であり、望ま
しくはその10倍の500mm/秒まで出ることが好適で
ある。
【0052】以上に述べた性能を有する延伸器恒温槽
(延伸装置)を用いて、熱処理(FEA)モノフィラメ
ントの超延伸を達成するための手段を以下に述べる。
(延伸装置)を用いて、熱処理(FEA)モノフィラメ
ントの超延伸を達成するための手段を以下に述べる。
【0053】まず、供試されるFEAモノフィラメント
の径はできるだけ細いことが望ましい。RRが800以
上であれば、超延伸の結果得られた繊維の径が約70μ
m以下であれば、0.5GPa以上の強度が出るが、一
般的には約50μmφ以下でなければ1GPa以上の超
高強度は難しい。直径50μm以下の繊維を超延伸によ
って再現性良く得るためにはRRが800以上、ペース
ト押出後のモノフィラメント径が0.5mmφ以下、望ま
しくは0.4mmφ以下が必要である。この理由は、RR
効果によるPTFE結晶の配向以外に、延伸器のチャッ
クにはさんだ時、初期径が太いとモノフィラメントの円
周方向で応力の不均一を生じる結果、厳密な意味での一
軸延伸ができなくなるためであると考えられる。正確な
一軸延伸になっていないと、例えば25000%(25
0倍)超延伸できても、径は50μmφ以下にならず、
0.5GPa以上の高強度も出ないという結果になりが
ちである。FEAモノフィラメントの円周方向について
均一な外力をかけて延伸できるようなチャックを用いれ
ば、このような問題は解決できる。
の径はできるだけ細いことが望ましい。RRが800以
上であれば、超延伸の結果得られた繊維の径が約70μ
m以下であれば、0.5GPa以上の強度が出るが、一
般的には約50μmφ以下でなければ1GPa以上の超
高強度は難しい。直径50μm以下の繊維を超延伸によ
って再現性良く得るためにはRRが800以上、ペース
ト押出後のモノフィラメント径が0.5mmφ以下、望ま
しくは0.4mmφ以下が必要である。この理由は、RR
効果によるPTFE結晶の配向以外に、延伸器のチャッ
クにはさんだ時、初期径が太いとモノフィラメントの円
周方向で応力の不均一を生じる結果、厳密な意味での一
軸延伸ができなくなるためであると考えられる。正確な
一軸延伸になっていないと、例えば25000%(25
0倍)超延伸できても、径は50μmφ以下にならず、
0.5GPa以上の高強度も出ないという結果になりが
ちである。FEAモノフィラメントの円周方向について
均一な外力をかけて延伸できるようなチャックを用いれ
ば、このような問題は解決できる。
【0054】さて、FEAモノフィラメントを延伸器の
チャックに、モノフィラメント軸が延伸方向と正しく平
行になるようにはさみ、一定温度に保持された恒温槽に
挿入し、サンプルの温度をその所定温度に状態調節す
る。
チャックに、モノフィラメント軸が延伸方向と正しく平
行になるようにはさみ、一定温度に保持された恒温槽に
挿入し、サンプルの温度をその所定温度に状態調節す
る。
【0055】一般的にいって、延伸器自体の熱容量の方
が、FEAモノフィラメントより大きいので、延伸器の
挿入による温度降下の回復にはある程度の時間を要する
が、FEAモノフィラメント付近の温度が所定温度に復
帰してから約5分間状態調節することが必要である。
が、FEAモノフィラメントより大きいので、延伸器の
挿入による温度降下の回復にはある程度の時間を要する
が、FEAモノフィラメント付近の温度が所定温度に復
帰してから約5分間状態調節することが必要である。
【0056】次に述べる延伸温度は、超延伸の条件の中
で最も重要なものである。一般的には360℃以上であ
るが、最も好適なのは387〜388℃とごく狭い領域
である。この理由は今のところ解明できていないが、超
延伸によって形成されたPTFE超高強度繊維の微細構
造の熱的安定性の差のためであろうと本発明者は推定し
ている。
で最も重要なものである。一般的には360℃以上であ
るが、最も好適なのは387〜388℃とごく狭い領域
である。この理由は今のところ解明できていないが、超
延伸によって形成されたPTFE超高強度繊維の微細構
造の熱的安定性の差のためであろうと本発明者は推定し
ている。
【0057】先にも何度か述べたことであるが、PTF
E分子はPEのような屈曲鎖高分子の面と、ケブラー
(Du Pont社製品名、アラミド高強度繊維)系ア
ラミドのような剛直鎖高分子の面の両面を有している高
分子である。平均2GPaの超高強度を有するPTFE
超高強度繊維を偏光顕微鏡の直交ニコル下、温度を10
℃/分で上昇して行くと、340℃付近で顕著な熱収縮
を示した後、350℃までは無色透明であるが、360
℃以上では黄,緑,青,赤,橙,オレンジ,黄と順次、
可視光色を示す。この赤〜オレンジの領域がおよそ38
0〜390℃の範囲にわたっており、これが超延伸の好
適条件と一致している。FEAモノフィラメントもRR
と熱処理条件によっては、ほぼ同様な現象を示すが、束
縛熱処理によるモノフィラメントは、この現象を全く示
さない(むろん、350℃以上で一定時間保持すればF
EAされてしまう)。これらの可視光色は、規則的な積
層構造の存在を示すものと考えられ、赤色はその層間隔
の最も広いことを意味している。これらが発現する温度
領域はPTFEの結晶融点以上であることから、PTF
E超高強度繊維は熱撹乱によって完全ランダム化するま
での緩和時間の範囲では、高分子液晶性を示すものと思
われる。
E分子はPEのような屈曲鎖高分子の面と、ケブラー
(Du Pont社製品名、アラミド高強度繊維)系ア
ラミドのような剛直鎖高分子の面の両面を有している高
分子である。平均2GPaの超高強度を有するPTFE
超高強度繊維を偏光顕微鏡の直交ニコル下、温度を10
℃/分で上昇して行くと、340℃付近で顕著な熱収縮
を示した後、350℃までは無色透明であるが、360
℃以上では黄,緑,青,赤,橙,オレンジ,黄と順次、
可視光色を示す。この赤〜オレンジの領域がおよそ38
0〜390℃の範囲にわたっており、これが超延伸の好
適条件と一致している。FEAモノフィラメントもRR
と熱処理条件によっては、ほぼ同様な現象を示すが、束
縛熱処理によるモノフィラメントは、この現象を全く示
さない(むろん、350℃以上で一定時間保持すればF
EAされてしまう)。これらの可視光色は、規則的な積
層構造の存在を示すものと考えられ、赤色はその層間隔
の最も広いことを意味している。これらが発現する温度
領域はPTFEの結晶融点以上であることから、PTF
E超高強度繊維は熱撹乱によって完全ランダム化するま
での緩和時間の範囲では、高分子液晶性を示すものと思
われる。
【0058】延伸速度については、装置の性能的制約が
あり、上限は明らかではないが、一般的には速い方が良
く、最低でも50mm/秒のレベルが必要である。延伸比
は、延伸に供する前のFEAモノフィラメント径にもよ
るが、ペースト押出後のモノフィラメント径で0.4mm
φ〜0.5mmφ程度の場合で5000%(50倍)以
上、好適には7500%(75倍)程度以上あればよ
い。限界延伸比は熱処理条件、とりわけ冷却条件:冷却
速度及び冷却速度一定でコントロールする温度範囲、に
よってきまるが、その限界延伸まで超延伸しないと弾性
率、強度共によい結果は得られない。これは超高分子量
ポリエチレンの超延伸の場合の100〜300倍のレベ
ルと比較すると低いレベルである。これはPTFE分子
が屈曲鎖と剛直鎖の中間のタイプに属する高分子である
ためと考えられる。むろん、PTFEの場合のペースト
押出工程におけるリダクション比RRを、考慮に入れれ
ば、その実質的延伸比はポリエチレンと同等か、それ以
上となる。
あり、上限は明らかではないが、一般的には速い方が良
く、最低でも50mm/秒のレベルが必要である。延伸比
は、延伸に供する前のFEAモノフィラメント径にもよ
るが、ペースト押出後のモノフィラメント径で0.4mm
φ〜0.5mmφ程度の場合で5000%(50倍)以
上、好適には7500%(75倍)程度以上あればよ
い。限界延伸比は熱処理条件、とりわけ冷却条件:冷却
速度及び冷却速度一定でコントロールする温度範囲、に
よってきまるが、その限界延伸まで超延伸しないと弾性
率、強度共によい結果は得られない。これは超高分子量
ポリエチレンの超延伸の場合の100〜300倍のレベ
ルと比較すると低いレベルである。これはPTFE分子
が屈曲鎖と剛直鎖の中間のタイプに属する高分子である
ためと考えられる。むろん、PTFEの場合のペースト
押出工程におけるリダクション比RRを、考慮に入れれ
ば、その実質的延伸比はポリエチレンと同等か、それ以
上となる。
【0059】超延伸の条件として最後に重要なことは、
延伸終了後直ちに恒温槽から取り出して冷却することで
ある。この冷却条件は空冷でもよいが、もっとクエンチ
に近い条件の方が望ましい。超延伸の終了直後、得られ
た繊維をまだ十分高温にある延伸器と接触させてはなら
ない。もし接触すると直ちに分子配向は戻ってしまい、
強度は著しく低下してしまう。
延伸終了後直ちに恒温槽から取り出して冷却することで
ある。この冷却条件は空冷でもよいが、もっとクエンチ
に近い条件の方が望ましい。超延伸の終了直後、得られ
た繊維をまだ十分高温にある延伸器と接触させてはなら
ない。もし接触すると直ちに分子配向は戻ってしまい、
強度は著しく低下してしまう。
【0060】したがって、PTFE系ポリマのビレット
をペースト押出によってモノフィラメントにし、このモ
ノフィラメントを伸縮が自由な状態で熱処理した後徐冷
し、その後、これを延伸することで、分子鎖が繊維軸方
向に配列されたPTFEの超高強度繊維を製造すること
が可能となり、この分子鎖の配列が0.5GPa以上の
強度をもたらす作用をなす。結論的に言えば、PTFE
の場合、超延伸およびそれによる高度の分子配向は比較
的容易に可能で、弾性率もこの分子配向さえ達成できれ
ば、本発明の主旨以外の方法(例えば、自由伸縮しない
状態での熱処理)でも超延伸可能であるが、強度に関し
ては本発明の基本的事項が満たされないと0.5GPa
以上のレベルが安定して得られないことが分かった。
をペースト押出によってモノフィラメントにし、このモ
ノフィラメントを伸縮が自由な状態で熱処理した後徐冷
し、その後、これを延伸することで、分子鎖が繊維軸方
向に配列されたPTFEの超高強度繊維を製造すること
が可能となり、この分子鎖の配列が0.5GPa以上の
強度をもたらす作用をなす。結論的に言えば、PTFE
の場合、超延伸およびそれによる高度の分子配向は比較
的容易に可能で、弾性率もこの分子配向さえ達成できれ
ば、本発明の主旨以外の方法(例えば、自由伸縮しない
状態での熱処理)でも超延伸可能であるが、強度に関し
ては本発明の基本的事項が満たされないと0.5GPa
以上のレベルが安定して得られないことが分かった。
【0061】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳述する。
【0062】(実施例1)ポリフロンTFE F−10
4(ダイキン工業製PTFEファインパウダ)を、ま
ず、4メッシュふるいにかけ、さらに8.6メッシュ及
び16メッシュふるいにかけた後、速やかに天秤で50
g秤量し、ガラス製の密栓付広口ビンに入れる。ルブリ
カントとしてアイソパーM(エッソ化学製品、比重0.
781)を15cc(23.4phr )秤量し、広口ビン中の
PTFEをスリバチ形にへこませた中央部に滴下させ、
密栓を閉めて、ビンを1〜2分間軽く振とう後、回転架
台にかけ容器を周方向に20m/分の速度で30分間回
転させて混合を行う。その後、室温で16時間静置後、
この湿潤PTFEからプレスを用いて直径10mmφ,長
さ25mmのビレットを成形した。成形条件は室温、1kg
/cm2 ×1分間であった。この円柱状ビレットを、島津
式フローテスタCFT−500によって0.4mmφのモ
ノフィラメントにペースト押出した。押出条件は60℃
×500kgf 、RRは約800である。このPTFEモ
ノフィラメントをプログラム式恒温槽を用いて、350
℃×1.5時間の条件で熱処理(FEA)した後、0.
5℃/mmの速度で150℃まで冷却後、室温に取り出し
た。
4(ダイキン工業製PTFEファインパウダ)を、ま
ず、4メッシュふるいにかけ、さらに8.6メッシュ及
び16メッシュふるいにかけた後、速やかに天秤で50
g秤量し、ガラス製の密栓付広口ビンに入れる。ルブリ
カントとしてアイソパーM(エッソ化学製品、比重0.
781)を15cc(23.4phr )秤量し、広口ビン中の
PTFEをスリバチ形にへこませた中央部に滴下させ、
密栓を閉めて、ビンを1〜2分間軽く振とう後、回転架
台にかけ容器を周方向に20m/分の速度で30分間回
転させて混合を行う。その後、室温で16時間静置後、
この湿潤PTFEからプレスを用いて直径10mmφ,長
さ25mmのビレットを成形した。成形条件は室温、1kg
/cm2 ×1分間であった。この円柱状ビレットを、島津
式フローテスタCFT−500によって0.4mmφのモ
ノフィラメントにペースト押出した。押出条件は60℃
×500kgf 、RRは約800である。このPTFEモ
ノフィラメントをプログラム式恒温槽を用いて、350
℃×1.5時間の条件で熱処理(FEA)した後、0.
5℃/mmの速度で150℃まで冷却後、室温に取り出し
た。
【0063】このFEAしたモノフィラメントを延伸器
付恒温槽中で、387〜388℃で5分間予熱後、同温
度、延伸速度50mm/秒で7500%延伸し、直後に空
気中へ取り出し室温で5分間保持し、その後、チャック
から外した。同じ方法で10本のPTFE超延伸繊維を
調整した。これら10本の繊維(No. 1〜No. 10)の
径は、表1に示すように、31〜49μmφであった。
次に、これら繊維の中心部の強度をオートグラフを用い
て、23℃、引張速度20mm/分でTW(引張荷重),
TS(引張破断強度)について実測し、その結果を表1
に示した。
付恒温槽中で、387〜388℃で5分間予熱後、同温
度、延伸速度50mm/秒で7500%延伸し、直後に空
気中へ取り出し室温で5分間保持し、その後、チャック
から外した。同じ方法で10本のPTFE超延伸繊維を
調整した。これら10本の繊維(No. 1〜No. 10)の
径は、表1に示すように、31〜49μmφであった。
次に、これら繊維の中心部の強度をオートグラフを用い
て、23℃、引張速度20mm/分でTW(引張荷重),
TS(引張破断強度)について実測し、その結果を表1
に示した。
【0064】
【表1】
【0065】表1に示した結果から明らかなように、各
繊維の強度はいずれも1GPa以上であった。これら繊
維の径の平均は39.7μmφ,強度の平均は2.11
GPaであった。このPTFE超高強度繊維のDSCを
図1に示した。DSCは、示差熱分析チャートで熱吸収
を示すものであり、図1に示した結果から、超高強度繊
維化することによって、焼結PTFEの融点(326〜
327℃)が341℃まで上昇し、しかも350〜39
0℃に焼結PTFEには見られない、超高強度繊維独特
の熱吸収のすそ野が広がることが分かった。
繊維の強度はいずれも1GPa以上であった。これら繊
維の径の平均は39.7μmφ,強度の平均は2.11
GPaであった。このPTFE超高強度繊維のDSCを
図1に示した。DSCは、示差熱分析チャートで熱吸収
を示すものであり、図1に示した結果から、超高強度繊
維化することによって、焼結PTFEの融点(326〜
327℃)が341℃まで上昇し、しかも350〜39
0℃に焼結PTFEには見られない、超高強度繊維独特
の熱吸収のすそ野が広がることが分かった。
【0066】(実施例2)実施例1と全く同じ材料及び
装置を用いて、異なる配合;PTFE100g,アイソ
パーM20phr の湿潤PTFEをRR510で0.5mm
φのモノフィラメントを成形し、350℃×30分FE
A直後空冷したものを、さらに350℃×1時間FEA
し、その後5℃/分で150℃まで冷却してFEAモノ
フィラメントとした。このFEAモノフィラメントを延
伸器にかけ、388℃で7500%、50mm/秒で延伸
してPTFE繊維を調整した。この結果、繊維径は30
〜97μmφとばらついたが、最も細い径30μmφで
強度4.16GPaを示した。この値はPTFEの分子
断面積27.32を考慮すれば、超高分子量ポリエチレ
ンの超高強度繊維のトップ・データ6.2GPaに相当
した強度である(ポリエチレンの分子断面積を18.2
2として)。
装置を用いて、異なる配合;PTFE100g,アイソ
パーM20phr の湿潤PTFEをRR510で0.5mm
φのモノフィラメントを成形し、350℃×30分FE
A直後空冷したものを、さらに350℃×1時間FEA
し、その後5℃/分で150℃まで冷却してFEAモノ
フィラメントとした。このFEAモノフィラメントを延
伸器にかけ、388℃で7500%、50mm/秒で延伸
してPTFE繊維を調整した。この結果、繊維径は30
〜97μmφとばらついたが、最も細い径30μmφで
強度4.16GPaを示した。この値はPTFEの分子
断面積27.32を考慮すれば、超高分子量ポリエチレ
ンの超高強度繊維のトップ・データ6.2GPaに相当
した強度である(ポリエチレンの分子断面積を18.2
2として)。
【0067】なお、本実施例における他の強度は、1.
73GPa(径48μmφ)1.18GPa(径77μ
mφ)1.34GPa(径52μmφ)で、径が77μ
mφ以下の場合にはいずれも強度が1GPa以上であっ
た。
73GPa(径48μmφ)1.18GPa(径77μ
mφ)1.34GPa(径52μmφ)で、径が77μ
mφ以下の場合にはいずれも強度が1GPa以上であっ
た。
【0068】(実施例3)実施例1と同じ材料および配
合で、同じ装置および成形条件でもって湿潤PTFEか
らビレットを作り、RR800でペースト押出して直径
約0.4mmφの生(Raw)のモノフィラメントを成形
し、350℃で1.5時間熱処理を行った。その後、次
のような条件でもってモノフィラメントを調整した。
合で、同じ装置および成形条件でもって湿潤PTFEか
らビレットを作り、RR800でペースト押出して直径
約0.4mmφの生(Raw)のモノフィラメントを成形
し、350℃で1.5時間熱処理を行った。その後、次
のような条件でもってモノフィラメントを調整した。
【0069】(1)熱処理:自由収縮を許す状態(FE
A)およびモノフィラメントの両端を200mmスパンの
チャックで固定するが、サンプル長は250mmとして2
5%の弛みを付けた状態(自由収縮の場合の収縮率は空
冷の場合で約22%なので、FEAの範疇となるが、S
EAと略称する)。
A)およびモノフィラメントの両端を200mmスパンの
チャックで固定するが、サンプル長は250mmとして2
5%の弛みを付けた状態(自由収縮の場合の収縮率は空
冷の場合で約22%なので、FEAの範疇となるが、S
EAと略称する)。
【0070】(2)冷却速度:0.5℃/分、5.0℃
/分、10℃/分および急冷(熱処理終了後直ちに空気
中に取り出す)。
/分、10℃/分および急冷(熱処理終了後直ちに空気
中に取り出す)。
【0071】(3)冷却速度を一定にコントロールする
温度範囲:(A)350〜120℃、(B)350〜2
75℃、(C)320〜275℃、(D)350〜15
0℃ 上記のように調整した熱処理モノフィラメントについ
て、延伸器付高温恒温槽を用いて387〜388℃で5
分間予熱した直後、同温度で延伸速度50mm/秒で超延
伸し、超延伸繊維(UHSF)を得た。このUHSFサ
ンプルについて、実施例1と同じ条件で引張強度を求め
(サンプル数n=10の平均)、表2に示した。さら
に、熱処理モノフィラメントとUHSFの両者について
DSCを測定し、その融解エンタルピーからPTFEの
完全結晶の融解エンタルピーを93J/gとして結晶化
度を求め、その結果を表2に併記した。
温度範囲:(A)350〜120℃、(B)350〜2
75℃、(C)320〜275℃、(D)350〜15
0℃ 上記のように調整した熱処理モノフィラメントについ
て、延伸器付高温恒温槽を用いて387〜388℃で5
分間予熱した直後、同温度で延伸速度50mm/秒で超延
伸し、超延伸繊維(UHSF)を得た。このUHSFサ
ンプルについて、実施例1と同じ条件で引張強度を求め
(サンプル数n=10の平均)、表2に示した。さら
に、熱処理モノフィラメントとUHSFの両者について
DSCを測定し、その融解エンタルピーからPTFEの
完全結晶の融解エンタルピーを93J/gとして結晶化
度を求め、その結果を表2に併記した。
【0072】この結果によれば、熱処理モノフィラメン
トの結晶化度とUHSFの結晶化度には相関性があり、
さらにUHSFの結晶化度と強度との間にも相関性が認
められる。また、超延伸における限界延伸比も熱処理条
件によって決定されることが分かる。
トの結晶化度とUHSFの結晶化度には相関性があり、
さらにUHSFの結晶化度と強度との間にも相関性が認
められる。また、超延伸における限界延伸比も熱処理条
件によって決定されることが分かる。
【0073】
【表2】
【0074】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、0.5G
Pa以上の強度を有するPTFEの高強度繊維が得られ
るという優れた効果を奏する。
Pa以上の強度を有するPTFEの高強度繊維が得られ
るという優れた効果を奏する。
【図1】PTFEの高強度繊維のDSCを示す図であ
る。
る。
Claims (23)
- 【請求項1】ペースト押出により成形されたポリテトラ
フルオロエチレン系ポリマのモノフィラメントを伸縮が
自由な状態で熱処理した後延伸して得られるポリテトラ
フルオロエチレン繊維であって、分子鎖が繊維軸方向に
配列されていることを特徴とするポリテトラフルオロエ
チレンの高強度繊維。 - 【請求項2】熱処理した後のモノフィラメントの結晶化
度が26%以上である請求項1記載のポリテトラフルオ
ロエチレンの高強度繊維。 - 【請求項3】ペースト押出により成形されたポリテトラ
フルオロエチレン系ポリマのモノフィラメントを伸縮が
自由な状態で熱処理して結晶化度が26%以上に調整し
た後延伸して得られる直径50μm以下のポリテトラフ
ルオロエチレン繊維であって、引張破断強度が0.5G
Pa以上であることを特徴とするポリテトラフルオロエ
チレンの高強度繊維。 - 【請求項4】引張破断強度が1GPa〜4.2GPaで
ある請求項3記載のポリテトラフルオロエチレンの高強
度繊維。 - 【請求項5】ポリテトラフルオロエチレン系ポリマのビ
レットをペースト押出によってモノフィラメントにし、
このモノフィラメントを伸縮が自由な状態で熱処理した
後徐冷し、その後、これを延伸して繊維化することを特
徴とするポリテトラフルオロエチレンの高強度繊維の製
造方法。 - 【請求項6】ポリテトラフルオロエチレン系のファイン
パウダを押出助剤によって湿潤処理し、これを圧縮して
ビレットを形成する請求項5記載のポリテトラフルオロ
エチレンの高強度繊維の製造方法。 - 【請求項7】一次粒子径が0.1μm〜0.5μmのフ
ァインパウダを使用する請求項6記 載のポリテトラフル
オロエチレンの高強度繊維の製造方法。 - 【請求項8】340℃以上の温度で熱処理を行う請求項
5記載のポリテトラフルオロエチレンの高強度繊維の製
造方法。 - 【請求項9】350℃以上の温度で30分以上熱処理を
行う請求項8記載のポリテトラフルオロエチレンの高強
度繊維の製造方法。 - 【請求項10】10℃/分以下の冷却速度で徐冷を行う
請求項5記載のポリテトラフルオロエチレンの高強度繊
維の製造方法。 - 【請求項11】10℃/分以下の冷却速度でもってポリ
テトラフルオロエチレンのガラス転移温度Tg(約12
2℃)以下まで徐冷を行う請求項10記載のポリテトラ
フルオロエチレンの高強度繊維の製造方法。 - 【請求項12】5℃/分以下の冷却速度で徐冷を行う請
求項5記載のポリテトラフルオロエチレンの高強度繊維
の製造方法。 - 【請求項13】5℃/分以下の冷却速度でもってポリテ
トラフルオロエチレンのガラス転移温度Tg(約122
℃)以下まで徐冷を行う請求項12記載のポリテトラフ
ルオロエチレンの高強度繊維の製造方法。 - 【請求項14】340℃以上の温度および50mm/秒以
上の速度でもって50倍以上に延伸を行う請求項5記載
のポリテトラフルオロエチレンの高強度繊維の製造方
法。 - 【請求項15】360℃以上の温度および50mm/秒以
上の速度でもって50倍以上に延伸を行う請求項5記載
のポリテトラフルオロエチレンの高強度繊維の製造方
法。 - 【請求項16】熱処理を施したモノフィラメントをチャ
ック間に固定し、380℃〜390℃ で5分間以上予熱
した後、同温度で延伸を行う請求項5記載のポリテトラ
フルオロエチレンの高強度繊維の製造方法。 - 【請求項17】ポリテトラフルオロエチレン系ポリマの
ビレットを30℃以上の温度及びリダクション比300
以上でペースト押出によって0.5mmφ以下のモノフィ
ラメントにし、このモノフィラメントを伸縮が自由な状
態で340℃以上の温度で熱処理した後、5℃/分以下
の冷却速度で徐冷し、その後、この熱処理モノフィラメ
ントを340℃以上の温度および50mm/秒以上の速度
で50倍以上に延伸し、延伸後直ちに冷却して、直径5
0μm以下のポリテトラフルオロエチレン繊維を形成す
ることを特徴とするポリテトラフルオロエチレンの高強
度繊維の製造方法。 - 【請求項18】350℃以上の温度で30分以上熱処理
を行う請求項17記載のポリテトラフルオロエチレンの
高強度繊維の製造方法。 - 【請求項19】熱処理後のモノフィラメントの結晶化度
が26%以上である請求項17または請求項18記載の
ポリテトラフルオロエチレンの高強度繊維の製造方法。 - 【請求項20】360℃以上の温度および50mm/秒以
上の速度でもって50倍以上に延伸を行う請求項17記
載のポリテトラフルオロエチレンの高強度繊維の製造方
法。 - 【請求項21】熱処理を施したモノフィラメントをチャ
ック間に固定し、380℃〜390℃で5分間以上予熱
した後、同温度で延伸を行う請求項17記載のポリテト
ラフルオロエチレンの高強度繊維の製造方法。 - 【請求項22】ポリテトラフルオロエチレン系のファイ
ンパウダを押出助剤によって湿潤処理し、これを圧縮し
てビレットを形成する請求項17記載のポリテトラフル
オロエチレンの高強度繊維の製造方法。 - 【請求項23】一次粒子径が0.1μm〜0.5μmの
ファインパウダを使用する請求項17記載のポリテトラ
フルオロエチレンの高強度繊維の製造方法。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27195894A JP3077534B2 (ja) | 1994-05-31 | 1994-11-07 | ポリテトラフルオロエチレンの高強度繊維及びその製造方法 |
EP95107403A EP0685578B1 (en) | 1994-05-31 | 1995-05-15 | High-strength fiber of polytetrafluoroethylene and method of manufacturing the same |
DE69511465T DE69511465T2 (de) | 1994-05-31 | 1995-05-15 | Faser von hoher Festigkeit aus Polytetrafluoroethylen und Verfahren zu ihrer Herstellung |
US08/450,875 US5562987A (en) | 1994-05-31 | 1995-05-26 | High strength fiber of polytetrafluoroethylene and a method for manufacturing the same |
CN95107309A CN1073646C (zh) | 1994-05-31 | 1995-05-30 | 聚四氟乙烯的高强度纤维及其制造方法 |
KR1019950014030A KR0172657B1 (ko) | 1994-05-31 | 1995-05-31 | 플리테트라플루오로에틸렌 고강도 섬유및 그의 제조 방법 |
US08/651,866 US5686033A (en) | 1994-05-31 | 1996-05-21 | Process of making PTFE fibers |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-118824 | 1994-05-31 | ||
JP11882494 | 1994-05-31 | ||
JP27195894A JP3077534B2 (ja) | 1994-05-31 | 1994-11-07 | ポリテトラフルオロエチレンの高強度繊維及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0849112A JPH0849112A (ja) | 1996-02-20 |
JP3077534B2 true JP3077534B2 (ja) | 2000-08-14 |
Family
ID=26456683
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27195894A Expired - Fee Related JP3077534B2 (ja) | 1994-05-31 | 1994-11-07 | ポリテトラフルオロエチレンの高強度繊維及びその製造方法 |
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---|---|
US (2) | US5562987A (ja) |
EP (1) | EP0685578B1 (ja) |
JP (1) | JP3077534B2 (ja) |
KR (1) | KR0172657B1 (ja) |
CN (1) | CN1073646C (ja) |
DE (1) | DE69511465T2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE69531625T2 (de) * | 1994-10-04 | 2004-06-24 | Daikin Industries, Ltd. | Polytetrafluorethylenfaser, baumwollartiges diese faser enthaltendes material und verfahren zu deren herstellung |
CN1062571C (zh) * | 1996-05-15 | 2001-02-28 | 梁主宇 | 压制用聚四氟乙烯、聚全氟乙丙烯和聚苯硫醚共混改性聚四氟乙烯纤维复合材料造粒工艺方法 |
JPH10323890A (ja) * | 1997-05-23 | 1998-12-08 | Nippon Oil Co Ltd | フッ素樹脂延伸成形体の製造方法 |
US5989709A (en) * | 1998-04-30 | 1999-11-23 | Gore Enterprises Holdings, Inc. | Polytetrafluoroethylene fiber |
DE10061936A1 (de) * | 2000-12-13 | 2002-07-04 | Valentin Kramer | Gegenstand aus ePTFE und Verfahren zum Herstellen desselben |
US6725596B2 (en) * | 2001-02-08 | 2004-04-27 | Ferrari Importing Co. | Fishing line with enhanced properties |
US6790213B2 (en) | 2002-01-07 | 2004-09-14 | C.R. Bard, Inc. | Implantable prosthesis |
US6763559B2 (en) | 2002-04-25 | 2004-07-20 | Scimed Life Systems, Inc. | Cold drawing process of polymeric yarns suitable for use in implantable medical devices |
US7105021B2 (en) * | 2002-04-25 | 2006-09-12 | Scimed Life Systems, Inc. | Implantable textile prostheses having PTFE cold drawn yarns |
US20050086850A1 (en) * | 2003-10-23 | 2005-04-28 | Clough Norman E. | Fishing line and methods for making the same |
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