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JP3075371B2 - Fm−cwレーダ装置を用いた目標物検知方法 - Google Patents

Fm−cwレーダ装置を用いた目標物検知方法

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JP3075371B2
JP3075371B2 JP03221598A JP22159891A JP3075371B2 JP 3075371 B2 JP3075371 B2 JP 3075371B2 JP 03221598 A JP03221598 A JP 03221598A JP 22159891 A JP22159891 A JP 22159891A JP 3075371 B2 JP3075371 B2 JP 3075371B2
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Japan
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beat
beat signal
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JP03221598A
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修 伊佐治
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Denso Ten Ltd
Original Assignee
Denso Ten Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はFM−CWレーダ装置を
用いた目標物検知方法に関し、特に大きな物標にマスク
されることなく、該物標より手前にいる小さな物標を検
出しうるようにした、目標物(物標)検知方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般にこの種のFM−CWレーダ装置に
おいては、図3に示されるように、マイコン1側からセ
ンサ2側に送られる三角波の変調信号により電圧制御発
振器(VCO)21の周波数が変調され、このようにし
てFM変調された送信信号TF が送信アンテナ31を介
して外部に放射されるとともに、該送信信号の一部を方
向性結合器22を介して分岐させてローカル信号とし、
該ローカル信号と前方の物標で反射され受信アンテナ3
2を介して受信された受信信号RF とをミキサ23でミ
キシングすることによりビート信号を得、該ビート信号
がハイパスフィルタ(HPF)24(変調信号周波数の
変化によってローカル信号成分が振幅変動を生じ、受信
信号がなくても変調周波数成分のものがAM検波されて
出力されるのを防いだり、近距離の物標のビート信号レ
ベルを遠距離の物標のビート信号にそろえたりするため
などに用いられる)およびローパスフィルタ(LPF)
25(物標の検知範囲をある距離、例えば60mに制限
したり、あまり帯域を広げた場合のノイズを制限するた
めなどに用いられる)を通して、マイコン1側に送られ
てパルス化される。そして該マイコン1側で該変調信号
(三角波)の上り傾斜部分と下り傾斜部分のそれぞれに
ついて、該パルス化されたビート信号のパルス数をパル
スカウントすることにより、上記各傾斜部分についての
ビート周波数を求め、これらのビート周波数の平均値に
もとづいて該受信信号が反射されてきた物標までの距離
が計測され、またこれらのビート周波数の周波数差にも
とづいて該物標との相対速度が計測される。
【0003】図8は上記FM−CWレーダ装置から送信
された送信信号TFと先行車等の目標物(物標)から反
射した受信信号RF との関係を、横軸に時間tを、また
縦軸に周波数fをとって示している。すなわち送信信号
F (図8で実線で示す)は上記周波数変調によってそ
の周波数が周期的に(三角波状に)変化する。なおf 0
は上記電圧制御発振器21の発振周波数を示している。
【0004】一方、受信信号RF (図8で点線で示す)
は、該送信信号が上記目標物で反射して戻ってくる時間
Δtだけ遅れ、したがって該送信信号TF とは該Δt
(ここで該送信信号が反射する目標物までの距離をR、
電磁波の速度をCとすればΔT=2R/Cである)だけ
の時間的ずれを生ずる。その結果、ある時点についてみ
ると、該送信信号TF と受信信号RF とは該図8に示す
ようにfB だけの周波数差を生じ、該fB が上記ビート
信号の周波数となる。そして該ビート信号の周波数fB
は、該目標物までの距離Rが大きくなるほど(Δtが大
きくなるほど)大きくなり、かかるビート信号の周波数
の大きさによって(該周波数を上述したようにパルスカ
ウントすることによって)該目標物までの距離Rを求め
ることができる。
【0005】ここで上記した受信信号RF は、該レーダ
と該目標物との間に相対速度がない(すなわち両者間の
距離に変化がない)場合の受信信号を示しており、した
がってこの場合には該変調信号(三角波)の上り傾斜部
分に対応するビート信号も、下り傾斜部分に対応するビ
ート信号もその周波数は上記fB のままであり、該f B
より該目標物までの距離が求められる。
【0006】しかしながら該レーダと該目標物との間に
相対速度がある(すなわち該レーダに対して該目標物が
接近したり遠ざかったりする場合)には、ドップラシフ
トの影響を受けて該受信信号がR′F (図8に一点鎖線
で示す)のように上方に持ち上ったり(例えば該目標物
が接近する場合)、あるいは逆に該受信信号RF より下
方に移動したりする(例えば該目標物が遠ざかる場
合)。
【0007】そしていま仮に該受信信号が上記R′F
ように上方に持ち上ると、該変調信号(三角波)の上り
傾斜部分に対応するビート信号の周波数はf′B となっ
て該fB よりも低下し、一方該三角波の下り傾斜部分に
対応するビート信号の周波数はf″B となって該fB
りも上昇する。そしてこの場合には該f′B とf″B
の平均値から該目標物までの距離が求められ、該f′B
とf″B との差から該目標物の相対速度が求められる。
また仮に該図8において該受信信号が上記R′ F とは逆
に上記RF より下方に移動した場合には、該変調信号
(三角波)の上り傾斜部分に対応するビート信号の周波
数が上記fB より増加し、一方、該三角波の下り傾斜部
分に対応するビート信号の周波数が上記fB より低下す
る。
【0008】図7は前方に2つの目標物A,Bがあり、
該2つの目標物A,Bの相対速度がともに0であるとき
の、該変調信号の上り傾斜部分に対応する該ビート信号
の周波数スペクトル(図7)、および該変調信号の下
り傾斜部分に対応する該ビート信号の周波数スペクトル
(図7)を、横軸に周波数fを、また縦軸にレベルL
(受信信号レベル)をとって示している。なお図7に
おけるA1と図7におけるA2は、上記目標物Aから
反射した受信信号によりえられたビート信号の周波数ス
ペクトルであって、その周波数はともにfA となってお
り、また図7におけるB1と図7におけるB2は、
上記目標物Bから反射した受信信号によりえられたビー
ト信号の周波数スペクトルであって、その周波数はとも
にfB となっている。
【0009】このように上記各目標物A,Bの相対速度
が0のときは、上記上り傾斜部分および下り傾斜部分に
対応するビート信号の周波数を上記各目標物A,Bに対
してそれぞれ上記fA およびfB に固定することができ
るため、仮に上記図7に示されるようにレーダの検出領
域内において大きな目標物B(例えばトラック)の手前
に小さな目標物A(例えばオートバイ)が存在するよう
な場合でも、該周波数fA とfB との間に該ローパスフ
ィルタ(LPF)25のカットオフ周波数を設定するこ
とによって、該目標物Bに対応するビート信号(周波数
B )をカットオフして、その手前にいる小さい目標物
Aまでの距離を、該周波数fA にもとづいて計測するこ
とが可能である。なお該図7中に示される矢印のうち、
白地の矢印は該目標物A又はBが自車に対して接近して
くる場合の上記ドップラシフトの影響によるビート信号
周波数の移動方向を示しており、また斜線付の矢印は該
目標物A又はBが自車から遠ざかる場合の上記ドップラ
シフトの影響によるビート信号周波数の移動方向を示し
ている。
【0010】図6は上記2つの目標物A,Bに相対速度
がある(自車に対して接近し又は遠ざかる)ときの、該
変調信号の上り、および下り傾斜部分に対応するビート
信号の周波数スペクトルを示すもので、図6(1)は該
目標物Aが接近し目標物Bが遠ざかる場合について、該
上り傾斜部分に対応する該ビート信号の周波数スペクト
ル(図6(1)の)および該下り傾斜部分に対応する
該ビート信号の周波数スペクトル(図6(1)の)を
示し、また図6(2)は該目標物Aが遠ざかり目標物B
が接近する場合について、該上り傾斜部分に対応する該
ビート信号の周波数スペクトル(図6(2)の)およ
び該下り傾斜部分に対応する該ビート信号の周波数スペ
クトル(図6(2)の)を示している。
【0011】そして上記図6(1)の場合について考え
ると、該上り傾斜部分に対応する該ビート信号の周波数
は、該目標物Aについては上記周波数fA よりも低下
し、一方目標物Bについては上記周波数fB よりも上昇
する(図6(1)の参照)ため、上記ローパスフィル
タ(LPF)25により該目標物Bに対応するビート信
号をカットオフしてその手前にいる小さい目標物Aに対
応するビート信号の周波数を検知することができる。し
かし該下り傾斜部分に対応する該ビート信号の周波数
は、該目標物Aについては上記周波数fA よりも上昇
し、一方目標物Bについては上記周波数fB よりも低下
する(図6(1)の参照)ため、上記目標物Bに対応
するビート信号が上記ローパスフィルタ(LPF)25
の通過帯域内に入ってくることによってレベルの低い上
記目標物Aに対応するビート信号がマスクされてしまい
(また場合によっては該目標物Aに対応するビート信号
が該ローパスフィルタ(LPF)の通過帯域から外れて
しまい)、この結果該目標物Aに対応するビート信号の
周波数を識別することができず、結局該目標物Aまでの
距離およびその相対速度を正しく検知することができな
いこととなる。
【0012】同様に上記図6(2)の場合についても、
該下り傾斜部分に対応する該ビート信号の周波数は、図
6(2)のに示されるように、上記ローパスフィルタ
(LPF)により該目標物Bに対応するビート信号をカ
ットオフして該目標物Aに対応するビート信号の周波数
を検知することができるが、該上り傾斜部分に対応する
ビート信号の周波数は、図6(2)のに示されるよう
に、上記図6(1)のの場合と同様の理由によって、
該目標物Aに対応するビート信号の周波数を識別するこ
とができず、結局該目標物Aまでの距離およびその相対
速度を正しく検知することができない。
【0013】特に従来は目標物の相対速度を精度よく検
出するために、ある程度低い周波数の変調信号でFM変
調していた(変調信号を下げた方が相対速度によるドッ
プラシフトの影響(すなわちドップラシフトによるビー
ト信号周波数の変化分の影響)をより明確に検知しう
る)が、このように変調周波数を低下させると、逆に該
相対速度の大きさに応じた該ビート信号周波数の変化に
よって、上記図6(1)のある図6(2)ので述べ
たような現象が生じ、しかも従来は該ローパスフィルタ
(LPF)のカットオフ周波数を固定していたため、上
述したようにローパスフィルタの帯域外の大きな目標物
Aの手前に(ローパスフィルタ帯域内)小さな目標物B
があり、これらと自車との間に相対速度がある場合や、
大きな目標物Aと小さな目標物Bが両方とも帯域内にあ
る場合には、該ビート信号をパルス化する際にレベルの
大きい該目標物Aにもとずくビート信号が支配的となり
(すなわち該ビート信号によりレベルの小さい目標物B
にもとずくビート信号がマスクされて)、該目標物Bの
存在(したがってその距離および相対速度)を識別する
ことが困難であるという問題点があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる課題を
解決するためになされたもので、反射レベルの大きな物
標の手前に反射レベルの小さい物標が存在するような場
合、それらが相対速度を有していても、該反射レベルの
大きい物標によってマスクされることなく、その手前に
いる該反射レベルの小さい物標を確実に検出できるよう
にしたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに本発明によれば、上り傾斜と下り傾斜とで形成され
る1周期を繰り返す三角波からなる変調信号で周波数変
調された送信信号の一部を分流させたローカル信号と受
信アンテナを通して受信された受信信号とをミキシング
して、該三角波の上り傾斜と下り傾斜のそれぞれの部分
で目標物に対応するビート信号を検出し、該検出された
各ビート信号の周波数の平均値にもとづいて該目標物ま
での距離を計測する目標物検知方法であって、先ず比較
的低い繰り返し周波数の変調信号を用いることによって
第1の目標物までの距離を演算し、次いで該第1の目標
物の相対速度にもとづく該ビート信号のドップラシフト
成分の影響がほぼ無視できる程度に該変調信号の繰り返
周波数を上昇させ、更に該変調信号繰り返し周波数の
上昇に伴って上昇する該第1の目標物までの距離に応じ
た周波数のビート信号成分をカットオフするようにロー
パスフィルタのカットオフ周波数を決定し、該周波数決
定されたローパスフィルタを通過する周波数帯域内にお
いて、第2の目標物に対応する上記各ビート信号が存在
するか否かを検知し、該各ビート信号の存在が検知され
た場合には、該検知された各ビート信号の周波数にもと
づいて該第2の目標物までの距離を演算することを特徴
とする、FM−CWレーダ装置を用いた目標物検知方法
が提供される。
【0016】
【作用】上記構成によれば先ず比較的低い周波数の変調
信号を用いることによって反射レベルの大きな第1の目
標物までの距離および相対速度を演算し、次いで上述し
たように変調信号の周波数を上昇させ、かつローパスフ
ィルタのカットオフ周波数を決定することによって該第
1の目標物の手前にいる反射レベルの小さい第2の目標
物までの距離を求めることができる。
【0017】
【実施例】図1および図2は本発明方法の動作手順をフ
ローチャートで示すもので、先ず図1中のステップ1か
らステップ6までは比較的低い変調周波数を用いて上記
第1の目標物までの距離と相対速度とを求める手順を示
している。すなわちまずカウント数n=0からスタート
し、ステップ1でnを1つカウントアップし、ステップ
2で上記三角波の上り傾斜部分に対応するビート周波数
を上記パルスカウントにより演算し(その結果を例えば
F1とする)、次にステップ3で上記三角波の下り傾斜
部分に対応するビート信号周波数を上記パルスカウント
により演算する(その結果を例えばF2とする)。そし
てこれらの結果をもとにしてステップ4で上記第1の目
標物までの距離を、(F1+F2)・K/2により求め
る(ここでKはビート信号/ヘルツあたりの距離とす
る)とともに、該第1の目標物との相対速度を、(F2
−F1)・L/2により求める(ここでLはビート信号
/ヘルツ当りの相対速度であり、その値が正であるか負
であるかにより接近しているか遠ざかっているかも判別
できる)。次にステップ5でカウンタのカウント値nが
所定値aに達したか否かを判別し、イエスであればステ
ップ6に進んで、上記ステップ4で演算した各回数毎の
(この場合a回に亘っての)上記距離および相対速度の
平均値をもとにして、該第1の目標物までの距離および
相対速度を決定する。
【0018】次いでステップ7で、該第1の目標物の相
対速度にもとづく該ビート信号のドップラシフト成分
(上述したように該相対速度の大きさに応じて該上り傾
斜部分と下り傾斜部分において変化する該ビート信号周
波数の変化分)の影響がほぼ無視できる程度に該変調信
号の周波数を上昇させ、更に該変調信号周波数の上昇に
伴って上昇する該第1の目標物までの距離に応じたビー
ト信号周波数(該変調信号周波数をn倍にすれば、該第
1の目標物までの距離に応じたビート信号周波数も同一
距離に対してn倍となる)成分をカットオフするように
ローパスフィルタ(LPF)25のカットオフ周波数を
決定する。ここで該ローパスフィルタとしては例えば
S.C.F.(スイッチド・キャパシタ・フィルタ)を
用いることができ、この場合にはマイコン1から供給さ
れるクロック信号(すなわち図3に示されるSCF用ク
ロック)の周波数を変えることによって、そのカットオ
フ周波数を可変的に切換えることができる。
【0019】このようにして該ローパスフィルタのカッ
トオフ周波数を決定し、該第1の目標物に対応するビー
ト信号周波数成分(そのドップラシフト分も含む)をカ
ットオフした後、図2に示されるステップ8乃至ステッ
プ13において、上記第1の目標物の手前に上記第2の
目標物が存在するか否かを検地し、存在する場合には上
記ステップ1乃至6と同様の手順で上記第2の目標物ま
での距離を求める。なおこのステップでは上述したよう
に変調周波数が高められており、したがって上記相対速
度にもとづくドップラシフト成分の影響が無視できる反
面、該相対速度を精度よく求めることはできないので、
該第2の目標物については取り敢えず、該目標物までの
距離のみを求める(後述する図5ので示すように、該
検出された第2の目標物までの距離如何によっては、再
び該変調信号の周波数を低下させるとともに、該ローパ
スフィルタのカットオフ周波数をも再度決定して、該第
2の目標物の相対速度も検出しうる)。
【0020】なお上記第2のステップ8ではカウンタの
カウント数Kをカウントアップしており、ステップ9お
よび10でそれぞれ上記三角波の上り傾斜部分および下
り傾斜部分に対応するビート信号の存否を調べ、存在す
る場合には該ビート信号の周波数をパルスカウントし、
その結果にもとづいてステップ11で上記ステップ4の
場合と同様にして該第2の目標物までの距離を求め、ス
テップ12で該カウンタのカウント値が所定値bに達し
た場合には、ステップ13に進み、上記ステップ11で
演算した各回数毎の(この場合b回に亘っての)上記距
離の平均値をもとにして、該第2の目標物までの距離を
決定する。なお上記の手順を繰返し反覆することによ
り、該第2の目標物の更に手前にいる反射レベルの小さ
い第3、第4…の目標物までの距離を求めることも可能
である。
【0021】図4は上記第3の装置で用いられる各種信
号のタイミング図であって、(a)は三角波の変調信号
を示しており上述したように第1の目標物までの距離お
よびその相対速度を決定した後、その変調周波数が高め
られることを示している。また(b)はマイコンでのビ
ート信号周波数の演算タイミングを示す信号で、該変調
信号(三角波)の上り傾斜部分ではハイレベルとされ、
下り傾斜部分ではロウレベルとされる。更に(C)は上
記SCF用クロック周波数切換信号で上述したように変
調信号周波数の変更に伴って該切換信号により、上記ロ
ーパスフィルタが上記S.C.F.で形成されている場
合、そのカットオフ周波数が切換えられる。
【0022】図5は変調信号周波数を変化させたときの
各目標物A,B(反射レベルの大きい目標物Bが上記第
1の目標物に対応し、その手前にいる反射レベルの小さ
い目標物Aが上記第2の目標物に対応する)に対応する
ビート信号の周波数スペクトルと上記ローパスフィルタ
(LPF)25のカットオフ周波数fC との関係を示し
ている。
【0023】そして図5は変調信号周波数を低くして
上記第1の目標物Bまでの距離と相対速度を演算すると
き(上記図1のステップ1乃至6に対応)の状態を示し
ており、B1およびB2は該第1の目標物Bに対応する
ビート信号の周波数スペクトルBが、上記変調信号の上
り傾斜部分および下り傾斜部分で、該目標物Bの相対速
度に応じてドップラシフトしたときの周波数スペクトル
を示し、同様にA1およびA2は該第2の目標物Aに対
応するビート信号の周波数スペクトルAが、上記上り傾
斜部分および下り傾斜部分で、該目標物Aの相対速度に
応じてドップラシフトしたときの周波数スペクトルを示
している。そしてこの場合は該第1の目標物Aのビート
信号はそのレベルが低いため該第1の目標物Bのビート
信号によりマスクされ、その結果、該目標物Bの上記各
スペクトルB1およびB2に対応する周波数にもとづい
て、上述したようにして該目標物Bまでの距離およびそ
の相対速度を求める。
【0024】次に図5は上記図1のステップ7で述べ
たように変調信号の周波数を高めるとともに、該ローパ
スフィルタのカットオフ周波数fC を切換えて、上記第
2の目標物Aまでの距離を演算するとき(上記図2のス
テップ8乃至13に対応)の状態を示している。この場
合、上述したように変調周波数を高める(例えばn倍と
する)ことによって、各目標物AおよびBに対応するビ
ート周波数(該目標物までの距離に応じたビート周波数
の中心周波数)も高くなる(すなわちn倍となる)が、
該各目標物の相対速度にもとづく該ビート周波数のドッ
プラシフト分は相対速度が変らない限り変化しないの
で、結局該変調周波数を高めることによって該ドップラ
シフト分の影響が低減できる。このようにして該ビート
周波数のドップラシフト分の影響がほぼ無視しうる程度
に該変調周波数を上昇させることによって該図5のに
示されるように目標物Bのビート信号成分(B1乃至B
2)を、目標物Aのビート信号成分(A1乃至A2)か
ら周波数分離することができるので、それらの間に(す
なわち目標物Bのビート信号成分をカットするよう
に)、該ローパスフィルタのカットオフ周波数fC を決
定し、そのローパスフィルタの通過帯域内にある目標物
Aまでの距離を、上記各スペクトルA1およびA2に対
応する周波数にもとづいて演算する。なおその相対速度
については変調周波数が高いため精度よく求めることが
容易にはできないので、ここではその距離のみを求める
ことは上述したとおりである。
【0025】更に上記図5ので述べたようにして該目
標物Aまでの距離を求めた結果、図5のに示すよう
に、該変調周波数を低下させても該目標物Aのビート信
号成分(A1乃至A2)を該目標物Bのビート信号成分
(B1乃至B2)から周波数分離できるような場合(該
目標物Aが該目標物Bからかなり離れているような場
合)には、再度該変調信号周波数を低下させ、更にその
際の該目標物Bに対するビート信号成分をカットするよ
うに該ローパスフィルタのカットオフ周波数fC を再度
決定し、該ローパスフィルタの通過帯域内にある該目標
物Aの相対速度を、その際の上記各スペクトルA1およ
びA2に対応する周波数にもとづいて演算することがで
きる。
【0026】このようにして反射レベルの大きい目標物
Bの手前にいる反射レベルの小さい目標物Aの存在を識
別することができるので、該目標物Aまでの距離(およ
び場合によってはその相対速度)にもとづいて、例えば
車間距離の制御などを行うことができる。なお上述した
手順を繰返すことにより、更にその手前にいる反射レベ
ルの小さい目標物をも識別しうることは上述したとおり
である。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、反射レベルの大きい目
標物の手前に反射レベルの小さい目標物が存在するよう
な場合でも、該反射レベルの大きい目標物によってマス
クされることなく、その手前にいる反射レベルの小さい
目標物の存在を識別することができるので、該反射レベ
ルの小さい目標物を基準にして、例えば車間制御などを
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の動作手順をフローチャートで示す
図である。
【図2】本発明方法の動作手順をフローチャートで示す
図である。
【図3】本発明で使用されるFM−CWレーダ装置の構
成を例示する図である。
【図4】図3の装置で用いられる各種信号のタイミング
図である。
【図5】変調周波数を変化させたときの各目標物A,B
のビート信号の周波数スペクトルと、ローパスフィルタ
のカットオフ周波数との関係を示す図である。
【図6】目標物A,Bに相対速度があるときの、変調信
号の上り、及び下り傾斜部分に対応するビート信号の周
波数スペクトルを示す図である。
【図7】目標物A,Bの相対速度がともに0であるとき
の、変調信号の上り、及び下り傾斜部分に対応するビー
ト信号の周波数スペクトルを示す図である。
【図8】目標物との間に相対速度がある場合とない場合
の、FM−CWレーダにおける送、受信信号の関係を示
す図である。
【符号の説明】
1…マイコン 2…センサ 21…電圧制御発振器 22…方向性結合器 23…ミキサ 24…ハイパスフィルタ 25…ローパスフィルタ 31,32…送信および受信アンテナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上り傾斜と下り傾斜とで形成される1周
    期を繰り返す三角波からなる変調信号で周波数変調され
    た送信信号の一部を分流させたローカル信号と受信アン
    テナを通して受信された受信信号とをミキシングして、
    該三角波の上り傾斜と下り傾斜のそれぞれの部分で目標
    物に対応するビート信号を検出し、該検出された各ビー
    ト信号の周波数の平均値にもとづいて該目標物までの距
    離を計測する目標物検知方法であって、先ず比較的低い
    繰り返し周波数の変調信号を用いることによって第1の
    目標物までの距離を演算し、次いで該第1の目標物の相
    対速度にもとづく該ビート信号のドップラシフト成分の
    影響がほぼ無視できる程度に該変調信号の繰り返し周波
    数を上昇させ、更に該変調信号繰り返し周波数の上昇に
    伴って上昇する該第1の目標物までの距離に応じた周波
    数のビート信号成分をカットオフするようにローパスフ
    ィルタのカットオフ周波数を決定し、該周波数決定され
    たローパスフィルタを通過する周波数帯域内において、
    第2の目標物に対応する上記各ビート信号が存在するか
    否かを検知し、該各ビート信号の存在が検知された場合
    には、該検知された各ビート信号の周波数にもとづいて
    該第2の目標物までの距離を演算することを特徴とす
    る、FM−CWレーダ装置を用いた目標物検知方法。
  2. 【請求項2】 該第2の目標物までの距離を演算した結
    果、該変調信号の繰り返し周波数を低下させても、該第
    2の目標物に対応する上記各ビート信号を該第1の目標
    物に対応する上記各ビート信号から周波数分離すること
    が可能であると判定された場合には、再度該変調信号の
    繰り返し周波数を低下させ、該変調信号繰り返し周波数
    の低下に伴って低下する該第1の目標物までの距離に応
    じた周波数のビート信号成分をカットオフするように該
    ローパスフィルタのカットオフ周波数を再度決定し、該
    周波数決定されたローパスフィルタを通過する周波数帯
    域内に存在する該第2の目標物に対応する上記各ビート
    信号の周波数差にもとづいて、該第2の目標物に対する
    相対速度を演算するようにした、請求項1記載の目標物
    検知方法。
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