JP3066461B2 - 燃料電池セパレータ - Google Patents
燃料電池セパレータInfo
- Publication number
- JP3066461B2 JP3066461B2 JP9045131A JP4513197A JP3066461B2 JP 3066461 B2 JP3066461 B2 JP 3066461B2 JP 9045131 A JP9045131 A JP 9045131A JP 4513197 A JP4513197 A JP 4513197A JP 3066461 B2 JP3066461 B2 JP 3066461B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electrolyte
- separator
- gas
- wet seal
- plate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Fuel Cell (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶融炭酸塩型燃料電
池のセパレータに係り、特に、塑性加工などによる中空
フレームを有するセパレータ構造において、ウエットシ
ール部を回り込む反応ガスの流れを防止するとともに、
連続運転時における電池への電解質の自動補給を可能と
する燃料電池セパレータに関する。
池のセパレータに係り、特に、塑性加工などによる中空
フレームを有するセパレータ構造において、ウエットシ
ール部を回り込む反応ガスの流れを防止するとともに、
連続運転時における電池への電解質の自動補給を可能と
する燃料電池セパレータに関する。
【0002】
【従来の技術】セパレータのウエットシール内部のガス
の流れ止めとしては、ウエットシール部を機械的にキャ
ップにて閉止した例として、特開平4−106876号
公報がある。また、セパレータのウエットシール部に開
口部を設け、この開口部より電解質を補給した例として
は、特開平5−343086号公報がある。なお、ウエ
ットシールとは電解質板中の電解質が溶融した状態で、
セパレータフレームと電解質板が接触する面であり、電
解質の表面張力により形成されるシール面で、セパレー
タ内部を流れる反応ガスが電池外部へ漏れだすことを防
ぐものである。
の流れ止めとしては、ウエットシール部を機械的にキャ
ップにて閉止した例として、特開平4−106876号
公報がある。また、セパレータのウエットシール部に開
口部を設け、この開口部より電解質を補給した例として
は、特開平5−343086号公報がある。なお、ウエ
ットシールとは電解質板中の電解質が溶融した状態で、
セパレータフレームと電解質板が接触する面であり、電
解質の表面張力により形成されるシール面で、セパレー
タ内部を流れる反応ガスが電池外部へ漏れだすことを防
ぐものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
例には、以下のような問題がある。特開平4−1068
76号公報記載の例は、外部マニホールドを前提として
いる構造であり、内部マニホールドにも適用することを
考えた場合、スペーサ部材を貫通するマニホールドの処
理が困難であること、および、流れ止めの構成が複数部
材であることから、部材の加工および製作に精度が必要
であるなどの問題を有している。また、特開平5−34
3086号公報は、セパレータおよび電解質板のウエッ
トシール部に設けられた貫通孔を通して各セルに電解質
を補給するものである。
例には、以下のような問題がある。特開平4−1068
76号公報記載の例は、外部マニホールドを前提として
いる構造であり、内部マニホールドにも適用することを
考えた場合、スペーサ部材を貫通するマニホールドの処
理が困難であること、および、流れ止めの構成が複数部
材であることから、部材の加工および製作に精度が必要
であるなどの問題を有している。また、特開平5−34
3086号公報は、セパレータおよび電解質板のウエッ
トシール部に設けられた貫通孔を通して各セルに電解質
を補給するものである。
【0004】これは、貫通孔で連絡しているセル全てに
電解質の補給が行われるものであるが、補給される電解
質は、最上部のセルから最初になくなり、最下部のセル
では最後まで電解質が補給されることになる。また、電
池の高さが高くなった場合、貫通孔の上下で電解質の自
重により圧力差を生じ、電池の上下セル間で補給量にば
らつきを生じる恐れがあるといった問題がある。
電解質の補給が行われるものであるが、補給される電解
質は、最上部のセルから最初になくなり、最下部のセル
では最後まで電解質が補給されることになる。また、電
池の高さが高くなった場合、貫通孔の上下で電解質の自
重により圧力差を生じ、電池の上下セル間で補給量にば
らつきを生じる恐れがあるといった問題がある。
【0005】本発明の目的は、以下のようなセパレータ
構造を提供することである。 中空フレームを有するセパレータにおいて、ウエッ
トシール部に回り込む燃料ガスを容易且つ効果的に閉止
し、燃料ガスを効率よく利用可能なセパレータ構造を提
供すること。 燃料電池運転時の各セルへの電解質補給を、セル単
位で適切に行いうる構造を提供すること。 以下、の目的について説明を補足する。電池を長時間
にわたり運転した場合、電解質板中の電解質は、セル部
材の腐食および反応ガス中への蒸散等により、徐々に減
少して行くが、このような電解質板中の電解質の減少
は、電解質板の抵抗を増大させ、セル性能を低下させ
る。さらに、この電解質減少が著しく進行した場合に
は、電解質板中の細孔を通してアノードガス、カソード
ガスが互いに透過可能となり、アノードガスとカソード
ガスとが直接燃焼して電池反応が進まなくなり、電池の
運転継続が不可能となる(この現象をガスクロスと呼
ぶ)。このため、電池の長期運転には電解質の補給が不
可欠となるが、このような電解質の減少は、電池内の温
度分布、各セルの性能、セル部材の腐食の進行程度など
の要因が、複雑に関係しあってくることから、全てのセ
ルで均等に進行するとは限らない。また、セル内におけ
る電解質板、アノード、カソードにおける電解質の分布
は、電解質板、電極の細孔分布の組み合わせのバランス
によるものであり、セル性能と密接に関連してくるもの
である。このため、特定のセルにあわせて電解質を補給
することは、他の健全なセルの性能に悪影響を与える恐
れがある。これらのことから電解質の補給法としては、
各セルごとに適切な量の電解質が自動的に補給されるこ
とが理想である。本発明はこのような電解質補給を可能
とするものである。
構造を提供することである。 中空フレームを有するセパレータにおいて、ウエッ
トシール部に回り込む燃料ガスを容易且つ効果的に閉止
し、燃料ガスを効率よく利用可能なセパレータ構造を提
供すること。 燃料電池運転時の各セルへの電解質補給を、セル単
位で適切に行いうる構造を提供すること。 以下、の目的について説明を補足する。電池を長時間
にわたり運転した場合、電解質板中の電解質は、セル部
材の腐食および反応ガス中への蒸散等により、徐々に減
少して行くが、このような電解質板中の電解質の減少
は、電解質板の抵抗を増大させ、セル性能を低下させ
る。さらに、この電解質減少が著しく進行した場合に
は、電解質板中の細孔を通してアノードガス、カソード
ガスが互いに透過可能となり、アノードガスとカソード
ガスとが直接燃焼して電池反応が進まなくなり、電池の
運転継続が不可能となる(この現象をガスクロスと呼
ぶ)。このため、電池の長期運転には電解質の補給が不
可欠となるが、このような電解質の減少は、電池内の温
度分布、各セルの性能、セル部材の腐食の進行程度など
の要因が、複雑に関係しあってくることから、全てのセ
ルで均等に進行するとは限らない。また、セル内におけ
る電解質板、アノード、カソードにおける電解質の分布
は、電解質板、電極の細孔分布の組み合わせのバランス
によるものであり、セル性能と密接に関連してくるもの
である。このため、特定のセルにあわせて電解質を補給
することは、他の健全なセルの性能に悪影響を与える恐
れがある。これらのことから電解質の補給法としては、
各セルごとに適切な量の電解質が自動的に補給されるこ
とが理想である。本発明はこのような電解質補給を可能
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、中空フレー
ムセパレータの電池反応に関与しないウエットシール内
部に、ガス流れ止めとして弾性を有する多孔質体または
フェルト様の繊維を詰め込み、燃料ガスの回り込みを防
ぐとともに、詰め込んだ流れ止め中に電解質を充填し、
セパレータフレームのウエットシール部に開口部(電解
質補給孔)を設けて電解質板とガス流れ止めを接触させ
ることにより、該補給孔から接触している電解質板中へ
電解質を補給可能な構造とすることにより解決される。
すなわち、本発明は、溶融炭酸塩型燃料電池の中空フレ
ームに設けた内部マニホールドにウエットシール部を有
し、前記ウエットシール内部のガス流れ止め材中に貯蔵
された電解質が、前記中空フレームに設けられた電解質
補給孔より各セルの電解質板中に自動補給される構造の
内部マニホールド型の燃料電池セパレータにおいて、
前記ウエットシール部は、前記中空フレームの4辺
に設けられ、 それぞれのウエットシール部に設置
したガス流れ止め材は、電解質に対して耐食性を有する
弾性材として、Ni多孔質体および/またはアルミナフ
ェルト材が用いられ、 かつ、前記Ni多孔質体お
よび/またはアルミナフェルト材は、前記電解質補給孔
のフレーム板厚相当部分に、前記ガス流れ止め材と前記
電解質板とが直接接触するように充填され、 前記
Ni多孔質体の穴径または前記アルミナフェルト材によ
り構成される空隙の大きさを、前記電解質板の細孔径よ
り大となるよう設定するとともに、 前記穴径また
は空隙が25μmないし100μm近傍であることを特
徴とするものである。このような構成によれば、セパレ
ータのウエットシール部フレーム中に充填された弾性を
有する多孔質体またはフェルト様の繊維は、セパレータ
の電極反応部以外に反応ガスが回り込むのを防ぐ働きを
する。このとき、本ガス流れ止めのみではガスの流れを
完全に遮断することは不可能であるが、この流れ止め材
中に電解質をしみこませることにより完全なシールが可
能となり、燃料ガスを無駄なく電極面内のみに導くよう
にすることができる。また、このガス流れ止め材にしみ
こませた電解質は、セパレータフレームのウエットシー
ル部表面に設けた電解質補給孔を通って容易に電解質板
中へ移動するため、電池の長期運転時において電解質補
給が可能である。このときの電解質の移動は電解質板と
ガス流れ止め材との電解質保持力の違いによるものであ
るため、各セルの電解質消失状況に応じて自動的に補給
を行うことができる。また、本発明の副次的な効果とし
ては、セパレータウエットシール部の剛性が全面で均一
に低剛性となることから、セパレータのウエットシール
部と電解質板とのなじみがよく、ウエットシールの気密
性がより向上するといった効果も有するものである。
ムセパレータの電池反応に関与しないウエットシール内
部に、ガス流れ止めとして弾性を有する多孔質体または
フェルト様の繊維を詰め込み、燃料ガスの回り込みを防
ぐとともに、詰め込んだ流れ止め中に電解質を充填し、
セパレータフレームのウエットシール部に開口部(電解
質補給孔)を設けて電解質板とガス流れ止めを接触させ
ることにより、該補給孔から接触している電解質板中へ
電解質を補給可能な構造とすることにより解決される。
すなわち、本発明は、溶融炭酸塩型燃料電池の中空フレ
ームに設けた内部マニホールドにウエットシール部を有
し、前記ウエットシール内部のガス流れ止め材中に貯蔵
された電解質が、前記中空フレームに設けられた電解質
補給孔より各セルの電解質板中に自動補給される構造の
内部マニホールド型の燃料電池セパレータにおいて、
前記ウエットシール部は、前記中空フレームの4辺
に設けられ、 それぞれのウエットシール部に設置
したガス流れ止め材は、電解質に対して耐食性を有する
弾性材として、Ni多孔質体および/またはアルミナフ
ェルト材が用いられ、 かつ、前記Ni多孔質体お
よび/またはアルミナフェルト材は、前記電解質補給孔
のフレーム板厚相当部分に、前記ガス流れ止め材と前記
電解質板とが直接接触するように充填され、 前記
Ni多孔質体の穴径または前記アルミナフェルト材によ
り構成される空隙の大きさを、前記電解質板の細孔径よ
り大となるよう設定するとともに、 前記穴径また
は空隙が25μmないし100μm近傍であることを特
徴とするものである。このような構成によれば、セパレ
ータのウエットシール部フレーム中に充填された弾性を
有する多孔質体またはフェルト様の繊維は、セパレータ
の電極反応部以外に反応ガスが回り込むのを防ぐ働きを
する。このとき、本ガス流れ止めのみではガスの流れを
完全に遮断することは不可能であるが、この流れ止め材
中に電解質をしみこませることにより完全なシールが可
能となり、燃料ガスを無駄なく電極面内のみに導くよう
にすることができる。また、このガス流れ止め材にしみ
こませた電解質は、セパレータフレームのウエットシー
ル部表面に設けた電解質補給孔を通って容易に電解質板
中へ移動するため、電池の長期運転時において電解質補
給が可能である。このときの電解質の移動は電解質板と
ガス流れ止め材との電解質保持力の違いによるものであ
るため、各セルの電解質消失状況に応じて自動的に補給
を行うことができる。また、本発明の副次的な効果とし
ては、セパレータウエットシール部の剛性が全面で均一
に低剛性となることから、セパレータのウエットシール
部と電解質板とのなじみがよく、ウエットシールの気密
性がより向上するといった効果も有するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して説明する。図1は本発明のセパレータの一
実施形態を示す平面図、図2は図1のA−A断面図であ
る。 (1)本実施形態のセパレータ構造 本実施形態のセパレータは、仕切板4、フレーム9、波
板5、カレントコレクタ6により構成される。本実施形
態では、本発明のガス流れ止め構造の簡便性を示すため
に、内部マニホールド型セパレータを用いた。フレーム
9の4辺には内部マニホールドが設けられており、それ
ぞれアノードガス入口7a、カソードガス入口7c、ア
ノードガス出口7b、カソードガス出口7dが配置され
ている。また、アノード面のカソードガスマニホールド
側ウエットーシール内部には、図2に示すように、ガス
流れ止め1を、図1中の2点鎖線部に設置している。
面を参照して説明する。図1は本発明のセパレータの一
実施形態を示す平面図、図2は図1のA−A断面図であ
る。 (1)本実施形態のセパレータ構造 本実施形態のセパレータは、仕切板4、フレーム9、波
板5、カレントコレクタ6により構成される。本実施形
態では、本発明のガス流れ止め構造の簡便性を示すため
に、内部マニホールド型セパレータを用いた。フレーム
9の4辺には内部マニホールドが設けられており、それ
ぞれアノードガス入口7a、カソードガス入口7c、ア
ノードガス出口7b、カソードガス出口7dが配置され
ている。また、アノード面のカソードガスマニホールド
側ウエットーシール内部には、図2に示すように、ガス
流れ止め1を、図1中の2点鎖線部に設置している。
【0008】本ガス流れ止めは、セパレータのウエット
シール内部に設置されるが、本部分には電解質板中の電
解質がクリープにより到達する恐れがある。このため、
その材質としては電解質に対する耐食性を考慮して、弾
性を有する多孔質体としては、電池の電極に用いられる
Ni多孔質焼結体が、フェルト材としては、同じく電池
の電解質板に用いられるLiAlO2 などのアルミナ繊
維などが有効である。このときの多孔質体の細孔径、ま
たはフェルト材の繊維により構成される空隙の大きさ
は、電解質板の細孔径より大となるよう設定するが、通
常電解質板の細孔径は、0.1μm程度であることか
ら、本ガス流れ止めの細孔径または空隙の大きさは、1
0〜100μm近傍であることが望ましい。
シール内部に設置されるが、本部分には電解質板中の電
解質がクリープにより到達する恐れがある。このため、
その材質としては電解質に対する耐食性を考慮して、弾
性を有する多孔質体としては、電池の電極に用いられる
Ni多孔質焼結体が、フェルト材としては、同じく電池
の電解質板に用いられるLiAlO2 などのアルミナ繊
維などが有効である。このときの多孔質体の細孔径、ま
たはフェルト材の繊維により構成される空隙の大きさ
は、電解質板の細孔径より大となるよう設定するが、通
常電解質板の細孔径は、0.1μm程度であることか
ら、本ガス流れ止めの細孔径または空隙の大きさは、1
0〜100μm近傍であることが望ましい。
【0009】ガス流れ止め2にアルミナフェルトを使用
する場合、電池の運転面圧が2〜4kg/cm2 程度で
あることから、4kg/cm2 以上の面圧にて成形され
ていることが望ましい。このとき、フェルトの厚さは電
池の設計面圧(2〜4kg/cm2 )がかかった場合
に、フレーム高さの設計値と一致するよう、やや厚めの
ものを用いることにより、フレーム内部のガスの流れを
効果的に閉止し、且つウエットシール部にクッション性
を持たせることができる。以上、ガス流れ止めとして、
Ni多孔質体、アルミナフェルトなどの例を示したが、
これらの材料は切断が容易であり、本例のような複雑な
形状の加工が容易であるといった利点がある。
する場合、電池の運転面圧が2〜4kg/cm2 程度で
あることから、4kg/cm2 以上の面圧にて成形され
ていることが望ましい。このとき、フェルトの厚さは電
池の設計面圧(2〜4kg/cm2 )がかかった場合
に、フレーム高さの設計値と一致するよう、やや厚めの
ものを用いることにより、フレーム内部のガスの流れを
効果的に閉止し、且つウエットシール部にクッション性
を持たせることができる。以上、ガス流れ止めとして、
Ni多孔質体、アルミナフェルトなどの例を示したが、
これらの材料は切断が容易であり、本例のような複雑な
形状の加工が容易であるといった利点がある。
【0010】また、このセパレータのフレームには、直
径約6mm程度の電解質補給孔2を設け、この補給孔の
フレーム板厚相当部分には、アルミナ繊維またはNi多
孔質体等を充填して、セパレータ内のガス流れ止めと電
解質板8とが、直接接触するようにしておく。また、本
例では、カソードガスマニホールドの周囲のみに流れ止
めを設けているが、アノードガスマニホールドの周囲で
あっても、ガスの流れに影響を与えない部分に設置する
ことは可能である。
径約6mm程度の電解質補給孔2を設け、この補給孔の
フレーム板厚相当部分には、アルミナ繊維またはNi多
孔質体等を充填して、セパレータ内のガス流れ止めと電
解質板8とが、直接接触するようにしておく。また、本
例では、カソードガスマニホールドの周囲のみに流れ止
めを設けているが、アノードガスマニホールドの周囲で
あっても、ガスの流れに影響を与えない部分に設置する
ことは可能である。
【0011】(2)本実施形態のセパレータの製法 本実施形態のセパレータは、まず仕切板4の上に波板5
を仮止めし、周囲にガス流れ止め1を配置した後、フレ
ーム9、カレントコレクタ6などを設置して組み立て
る。これら部材の接合は真空ろう付けまたはビーム溶接
等による。次に、図4に、ガス流れ止め1への電解質の
充填法を示す。セパレータ組立後、ウエットシール部の
電解質補給孔2に、漏斗様の電解質充填治具10を取付
け、その中に電解質11(固体)を充填した後、加熱炉
内で加熱して電解質を溶融し、ガス流れ止め1内に電解
質を充填する。このときの電解質充填量は以下のように
して、あらかじめ定量しておくことにより、本作業時に
おいて、セパレータの内部へ余剰の電解質があふれ出す
ことを防止できる。まず最初に、同一形状のガス流れ止
めの乾燥状態での重量を計る。次に、このガス流れ止め
に水分をよく含ませ、もう一度重量を測定する。水分含
浸前後の重量から、フェルトに吸い込まれた水の体積を
算出する。この水の体積に電解質の比重を乗じて、本フ
ェルトの含浸に必要な電解質量を算出することができ
る。
を仮止めし、周囲にガス流れ止め1を配置した後、フレ
ーム9、カレントコレクタ6などを設置して組み立て
る。これら部材の接合は真空ろう付けまたはビーム溶接
等による。次に、図4に、ガス流れ止め1への電解質の
充填法を示す。セパレータ組立後、ウエットシール部の
電解質補給孔2に、漏斗様の電解質充填治具10を取付
け、その中に電解質11(固体)を充填した後、加熱炉
内で加熱して電解質を溶融し、ガス流れ止め1内に電解
質を充填する。このときの電解質充填量は以下のように
して、あらかじめ定量しておくことにより、本作業時に
おいて、セパレータの内部へ余剰の電解質があふれ出す
ことを防止できる。まず最初に、同一形状のガス流れ止
めの乾燥状態での重量を計る。次に、このガス流れ止め
に水分をよく含ませ、もう一度重量を測定する。水分含
浸前後の重量から、フェルトに吸い込まれた水の体積を
算出する。この水の体積に電解質の比重を乗じて、本フ
ェルトの含浸に必要な電解質量を算出することができ
る。
【0012】(3)本実施形態のセパレータの動作 本実施形態のセパレータを用いて電池を運転する場合、
アノードガスはアノードガス入口マニホールド7aより
各セパレータのアノード側波板5へ流れ込む。このとき
燃料ガスは、セパレータのカソード側マニホールドのウ
エットシール部が、電解質を満たしたガス流れ止め1に
より閉塞されているため、本部分を流れることができな
い。このときの燃料ガスの流れを、図1に、ガス流れと
して矢印にてしめす。このように本セパレータでは、燃
料ガスが、電池反応が進行しないウエットシール部に回
り込んで、そのまま電池反応に使用されずにアノード出
口側マニホールド7bに抜ける恐れがなく、効率的に燃
料ガスを使用することができる。
アノードガスはアノードガス入口マニホールド7aより
各セパレータのアノード側波板5へ流れ込む。このとき
燃料ガスは、セパレータのカソード側マニホールドのウ
エットシール部が、電解質を満たしたガス流れ止め1に
より閉塞されているため、本部分を流れることができな
い。このときの燃料ガスの流れを、図1に、ガス流れと
して矢印にてしめす。このように本セパレータでは、燃
料ガスが、電池反応が進行しないウエットシール部に回
り込んで、そのまま電池反応に使用されずにアノード出
口側マニホールド7bに抜ける恐れがなく、効率的に燃
料ガスを使用することができる。
【0013】また、本例では、通常、電池運転時には、
カソード側では冷却のためガスの利用率が低く設定され
ることから、燃料ガスの利用率向上を目的として、セパ
レータの燃料ガス側のみに流れ止めを設けているが、酸
化剤ガス側にも本構造の適用は可能である。本構造をカ
ソード側にも採用した場合は、電解質板のカソード側か
らも電解質の補給が可能となることから、トータルとし
て電解質の供給量が約2倍となり、より長期期間での電
池運転が可能となる。
カソード側では冷却のためガスの利用率が低く設定され
ることから、燃料ガスの利用率向上を目的として、セパ
レータの燃料ガス側のみに流れ止めを設けているが、酸
化剤ガス側にも本構造の適用は可能である。本構造をカ
ソード側にも採用した場合は、電解質板のカソード側か
らも電解質の補給が可能となることから、トータルとし
て電解質の供給量が約2倍となり、より長期期間での電
池運転が可能となる。
【0014】次に、図3に、電解質の補給の様子を示
す。電解質板細孔中の電解質の保持は毛細管現象による
ものであることから、電解質を保持する細孔径が小さい
ほど電解質の保持力は大きくなる。細孔径を電解質板8
と、ガス流れ止め1とで比較してみると、電解質板の電
解質を保持している細孔径が、約0.1μm程度である
のに対して、ガス流れ止めの細孔径または空隙の大きさ
は、約10〜100μmであり、およそ100〜100
0倍である。このため、電解質の保持力は電解質板のほ
うが大きく、電池の運転に伴って電解質板8中の電解質
が不足すると、ガス流れ止め中の電解質は、電解質補給
孔2を通って電解質板8中へ移動する。このように、電
解質の保持力の違いにより、セパレータ内ガス流れ止め
1から電解質板8中に、電解質が自動的に吸い上げられ
て補給されるため、この補給は各セルでの電解質不足状
況に応じてセル個別に進行し、常に最適な電解質量が各
セルに供給される。また、このとき、補給孔2はセパレ
ータのウエットシール部に設けられており、アノード3
a、カソード3bとは接していない。このため、電解質
の移動は電解質板8に対してのみ自動的に行われ、電極
の電解質分布には影響を与えない。
す。電解質板細孔中の電解質の保持は毛細管現象による
ものであることから、電解質を保持する細孔径が小さい
ほど電解質の保持力は大きくなる。細孔径を電解質板8
と、ガス流れ止め1とで比較してみると、電解質板の電
解質を保持している細孔径が、約0.1μm程度である
のに対して、ガス流れ止めの細孔径または空隙の大きさ
は、約10〜100μmであり、およそ100〜100
0倍である。このため、電解質の保持力は電解質板のほ
うが大きく、電池の運転に伴って電解質板8中の電解質
が不足すると、ガス流れ止め中の電解質は、電解質補給
孔2を通って電解質板8中へ移動する。このように、電
解質の保持力の違いにより、セパレータ内ガス流れ止め
1から電解質板8中に、電解質が自動的に吸い上げられ
て補給されるため、この補給は各セルでの電解質不足状
況に応じてセル個別に進行し、常に最適な電解質量が各
セルに供給される。また、このとき、補給孔2はセパレ
ータのウエットシール部に設けられており、アノード3
a、カソード3bとは接していない。このため、電解質
の移動は電解質板8に対してのみ自動的に行われ、電極
の電解質分布には影響を与えない。
【0015】ガス流れ止め中の電解質は、このように徐
々に電解質板中に移動して減少するが、ガス流れ止めと
しては、最充填時の約3割程度の電解質残量でも十分で
あり、ガス流れ止め1に貯蔵された約7割の電解質は、
補給用として使用可能である。
々に電解質板中に移動して減少するが、ガス流れ止めと
しては、最充填時の約3割程度の電解質残量でも十分で
あり、ガス流れ止め1に貯蔵された約7割の電解質は、
補給用として使用可能である。
【0016】セパレータのウエットシール部と電解質板
の密着性という面から見ると、本発明ではガスの流れ止
め1に多孔質体、またはフェルト材などの弾性体を使用
していることから、ウエットシール部の剛性が従来のセ
パレータと比較して低くなり、且つウエットシール部全
面の剛性を均一にすることができる。このため、セパレ
ータのウエットシール部と電解質板とのなじみがよく、
良好なシール性を保つことができる。
の密着性という面から見ると、本発明ではガスの流れ止
め1に多孔質体、またはフェルト材などの弾性体を使用
していることから、ウエットシール部の剛性が従来のセ
パレータと比較して低くなり、且つウエットシール部全
面の剛性を均一にすることができる。このため、セパレ
ータのウエットシール部と電解質板とのなじみがよく、
良好なシール性を保つことができる。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、中空フレームを有する
セパレータにおいて、燃料ガスのウエットシール部への
回り込みを防止し、燃料ガスを効率よく利用することが
できる効果がある。また、燃料電池連続運転時の各セル
の電解質板中の電解質消費に伴い、セパレータ中のガス
流れ止めから自動的に電解質が補給されることにより、
電池性能低下を防止し電池の長寿命化を可能にすること
ができる。さらに、セパレータのウエットシール部の剛
性を下げることができるため、本シール部と電解質板の
なじみを向上させる効果がある。
セパレータにおいて、燃料ガスのウエットシール部への
回り込みを防止し、燃料ガスを効率よく利用することが
できる効果がある。また、燃料電池連続運転時の各セル
の電解質板中の電解質消費に伴い、セパレータ中のガス
流れ止めから自動的に電解質が補給されることにより、
電池性能低下を防止し電池の長寿命化を可能にすること
ができる。さらに、セパレータのウエットシール部の剛
性を下げることができるため、本シール部と電解質板の
なじみを向上させる効果がある。
【図1】本発明の燃料電池セパレータの一実施形態を示
す平面図。
す平面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】本発明における電解質移動を示す説明図。
【図4】本発明における電解質充填を示す説明図。
1 ガス流れ止め 2 電解質補給孔 3a アノード(電極) 3b カソード(電極) 4 仕切板 5 波板 6 カレントコレクタ 7a アノードガス入口マニホールド 7b アノードガス出口マニホールド 7c カソードガス入口マニホールド 7d カソードガス出口マニホールド 8 電解質板 9 フレーム 10 電解質充填治具 11 電解質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 宏 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 岡崎 喜一 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 日立 ニュークリアエンジニアリング株式会社 内 (56)参考文献 特開 平2−78157(JP,A) 特開 平4−106876(JP,A) 特開 平4−289671(JP,A) 特開 平6−290797(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 8/00 - 8/24
Claims (1)
- 【請求項1】 溶融炭酸塩型燃料電池の中空フレームに
設けた内部マニホールドにウエットシール部を有し、前
記ウエットシール内部のガス流れ止め材中に貯蔵された
電解質が、前記中空フレームに設けられた電解質補給孔
より各セルの電解質板中に自動補給される構造の内部マ
ニホールド型の燃料電池セパレータにおいて、 前記ウエットシール部は、前記中空フレームの4辺
に設けられ、 それぞれのウエットシール部に設置したガス流れ止
め材は、電解質に対して耐食性を有する弾性材として、
Ni多孔質体および/またはアルミナフェルト材が用い
られ、 かつ、前記Ni多孔質体および/またはアルミナフ
ェルト材は、前記電解質補給孔のフレーム板厚相当部分
に、前記ガス流れ止め材と前記電解質板とが直接接触す
るように充填され、 前記Ni 多孔質体の穴径または前記アルミナフェル
ト材により構成される空隙の大きさを、前記電解質板の
細孔径より大となるよう設定するとともに、 前記穴径または空隙が25μmないし100μm近
傍 であることを特徴とする燃料電池セパレータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9045131A JP3066461B2 (ja) | 1997-02-28 | 1997-02-28 | 燃料電池セパレータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9045131A JP3066461B2 (ja) | 1997-02-28 | 1997-02-28 | 燃料電池セパレータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10241708A JPH10241708A (ja) | 1998-09-11 |
JP3066461B2 true JP3066461B2 (ja) | 2000-07-17 |
Family
ID=12710729
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9045131A Expired - Fee Related JP3066461B2 (ja) | 1997-02-28 | 1997-02-28 | 燃料電池セパレータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3066461B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ITMI20031881A1 (it) * | 2003-10-01 | 2005-04-02 | Nuvera Fuel Cells Europ Srl | Separatore bipolare per batteria di celle a combustibile. |
JP7344802B2 (ja) * | 2020-01-27 | 2023-09-14 | Nok株式会社 | 燃料電池のシール構造 |
-
1997
- 1997-02-28 JP JP9045131A patent/JP3066461B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10241708A (ja) | 1998-09-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA1291525C (en) | Electrolytic cell stack with molten electrolyte migration control | |
EP1055263B1 (en) | The use of catalysts in standby valve-regulated lead acid cells | |
JPS61161676A (ja) | 軽量の双極の金属‐ガス電池 | |
JP3066461B2 (ja) | 燃料電池セパレータ | |
CA2410005C (en) | Fuel cell assembly comprising an electrolyte reservoir | |
KR101966491B1 (ko) | 전해질 고갈을 방지할 수 있는 리튬 공기 전지 | |
JPS61277169A (ja) | 溶融炭酸塩型燃料電池のセル構造 | |
JP2590526B2 (ja) | マトリックス形燃料電池の電解液補給方法 | |
JPS59154772A (ja) | 燃料電池 | |
KR20140037479A (ko) | 연료전지용 가습 장치 | |
JPS624831B2 (ja) | ||
JPH0695459B2 (ja) | 燃料電池 | |
JPS58103784A (ja) | 燃料電池 | |
IT9067582A1 (it) | Batteria a combustibile in carbonato fuso | |
KR20050025212A (ko) | 직접 메탄올 연료전지용 연료 공급장치 | |
CN116936901A (zh) | 电池单格以及用于制造这样的电池单格的方法 | |
JPH081803B2 (ja) | 燃料電池 | |
JPS62234870A (ja) | 溶融炭酸塩型燃料電池 | |
JPH01195669A (ja) | 溶融炭酸塩型燃料電池及び該電池への電解質補給方法 | |
JPH0218929Y2 (ja) | ||
JPH07105962A (ja) | リン酸型燃料電池 | |
JPH06251784A (ja) | 燃料電池 | |
JP2952966B2 (ja) | 溶融炭酸塩型燃料電池の積層体 | |
JPH0244655A (ja) | 溶融炭酸塩型燃料電池 | |
JPH0673304B2 (ja) | 燃料電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |