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JP3057773B2 - パイの製造方法 - Google Patents

パイの製造方法

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JP3057773B2
JP3057773B2 JP3014188A JP1418891A JP3057773B2 JP 3057773 B2 JP3057773 B2 JP 3057773B2 JP 3014188 A JP3014188 A JP 3014188A JP 1418891 A JP1418891 A JP 1418891A JP 3057773 B2 JP3057773 B2 JP 3057773B2
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oil
fat
pie
roll
composition
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徹 中西
浩 杉原
宏治 梅野
誠 小林
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Fuji Oil Co Ltd
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Fuji Oil Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の油中水型ロール
イン用油脂組成物を用いることを特徴とする、形状及び
食感に優れたパイの製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】パイは、生地を薄く延ばし、これに薄く
延ばした乳化油脂（マーガリン）をのせて折りたたみ、
再び薄く延ばしてパイ生地をつくり、これを適当な大き
さにカットして焼成することにより得られる、層状を呈
した独特の形状の菓子である。このような菓子を製造す
るために乳化油脂は展延性が良好でなければならず、従
来より特に展延性に優れたロールイン用として、特別の
油脂組成物が開発され使用されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最近では従来
以上の浮き、及びよりさくさくとした食感が望まれるよ
うになり、従来のロールイン用油脂組成物ではこのよう
な要求を満足できなかった。
【０００４】そこで、以上の要求を満足するため、数種
の乳化剤を配合した、ロールイン用マーガリンに用いら
れる乳化剤組成物が提案され（特開昭58−155043号明細
書）、また可塑性範囲の広い油脂が検討されてきたが、
このような乳化剤及び油脂の面からのアプローチには限
界があった。本発明は、上記の限界を克服した、極めて
満足し得るロールイン用油脂組成物を提供することを目
的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、特定のＳＦＩ
（固体脂含有指数）値を有する油脂を油相とし、特定濃
度の液糖を水相として両者を乳化して得られる乳化物が
上記要件を充分に満足し得るとの知見を得、本発明を完
成した。
【０００６】即ち、本発明は、ＳＦＩ値が20℃で30〜5
5、30℃で10〜30、40℃で５以下である油脂を30〜95重
量％含む油相並びに糖濃度が30重量％以上の液糖である
水相の両相の油中水型乳化物であるロールイン用油脂組
成物をパイ生地に載置して折り畳み、これを引延し、成
形し、そして焼成することを特徴とするパイの製造方法
である。
【０００７】従来より採用されてきた油脂成分のＳＦＩ
値は通常20℃で20〜25、30℃で10〜15、40℃で５以下で
あるが、本発明において採用する油脂は従来のものに比
較してそのＳＦＩ値が高く、20℃で30〜55、30℃で10〜
30、40℃で５以下である。各温度におけるＳＦＩ値が上
限を越えると硬くて作業性が悪化し、かつ口溶けも悪く
なる傾向を示すので好ましくなく、また逆に下限未満で
は製品パイの浮きが小さくなるので、上記範囲内である
のが好ましい。このような油脂成分は組成物全量に対し
30〜90重量％、好ましくは50〜80重量％の範囲内で含ま
れるのが好ましく、これらの範囲外では目的とする効果
を得難い。
【０００８】このような油脂原料として例えば、ナタネ
油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糖
油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック
油、ゴマ油、月見草油、パーム油、シア脂、サル脂、カ
カオ脂、ヤシ油、パーム核油等の植物性油脂並びに乳
脂、牛脂、ラード、魚油、鯨油等の動物性油脂が例示で
き、上記油脂類の単独又は混合油或いはそれらの硬化、
分別、エステル交換等を施した加工油脂で融点が15〜40
℃のものが適する。
【０００９】一方、水相として採用する液糖は糖濃度が
30％以上でなければならず、30％未満では油脂組成物の
展延性が悪化する傾向を示すと共に、焼成品のサクサク
した歯応えが得られない。
【００１０】その他、グリセリン脂肪酸エステル、プロ
ピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪
酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エ
ステル等の乳化剤、食塩、香料あるいは各種呈味材等が
適宜含まれていてもよいことはいうまでもない。
【００１１】以上のような油相と水相とを乳化する一般
的な方法としては、通常のマーガリンを製造する方法と
同様に実施すればよく、例えば40〜50℃に加温調製した
油相と水相とをプロペラ或いはホモミキサー等にて攪拌
して乳化した後ボテーター或いはコンビネーター等を使
用して混和する。
【００１２】かくして得られる油脂組成物は、これをパ
イ製造用のロールイン用油脂として使用したとき、ロー
ルイン作業時の展延性が極めて良好で、また焼成したと
き大きく全体が均一に浮くという特徴ある浮きとサクサ
クとしたフレイキーな歯ごたえを有したパイ製品が得ら
れ、焼成後の製品に良好な風味と口溶けのよい良好な食
感を与えるのである。
【００１３】
【作用】このような特徴的なパイが得られる理由とし
て、パイの大きな浮きに関しては油脂のＳＦＩ値が高い
ことによりグルテン膜の層の接触が防がれるためである
と推察される。
【００１４】また一方、このようなＳＦＩ値の高い油脂
の採用は、従来では硬すぎて作業性が悪く、ロールイン
作業自体が不可能であったが、水相に液糖を採用したこ
とにより油中水型乳化物であるロールイン用油脂組成物
自体が軟化し、優れた展延性を与え、安定なロールイン
作業が可能となった。この軟化効果は、油相の重量分率
が小さい程大であるが、逆に製品パイの浮きは減少す
る。従って、ここに適切な油相の比率が存在することに
なり、その比率の割合は前記したとおり30〜95重量％、
より好ましくは50〜80重量％である。なお、サクサクと
したフレーキーなパイの食感は、この油相と水相の特殊
な組成によりもたらされると考えられるが、特に水相の
効果の方が大きいようである。
【００１５】
【実施例】以下、実施例および比較例を掲げ本発明の効
果をより一層明確にする。なお、以下に例示の部、％は
何れも重量基準を意味する。
【００１６】実施例１ 融点42.2℃の魚油硬化油30部とＳＦＩ値が20℃で64.5、
30℃で41.1のパーム油軟質硬化油40部および融点21.6℃
のパーム油軟質油30部とを混合して、融点37℃でＳＦＩ
値が20℃で45.6、30℃で22.0、40℃で0.４である混合油
を得、かかる混合油にグリセリン脂肪酸エステル0.５
部、蔗糖脂肪酸エステル0.２部、レシチン0.３部を添加
して油相を調製した。この油相70部と糖濃度75％の麦芽
糖から成る液糖に食塩１部を添加して調製した水相30部
とを約45℃で10分間ホモミキサーにて攪拌予備乳化した
後混捏して、ロールイン用油脂組成物を調製した。
【００１７】かくして得たロールイン用油脂組成物を使
用し、以下の生地配合でパイを焼成した。
【００１８】以上の生地 100部に対し、上記で調製した
ロールイン用油脂組成物40部を使用して、23℃にて常法
どおりにして 144層に折り込み、一晩リタードをとった
後、シーターにて引延し、最終的に2.25mmの厚さに引延
した生地を 180〜190 ℃にて25分間焼成した。結果を第
１表に示す。
【００１９】比較例１ ＳＦＩ値が20℃で28、30℃で16、40℃で５である従来の
パイ用マーガリンを使用し、実施例と同様の条件で実施
してパイを焼成した。結果を第１表に示す。
【００２０】
【表１】
【００２１】以上の結果から明らかなように、作業性は
実施例１では品温が23℃で良好であったが、比較例１で
は15℃であった。また、層の状態は実施例１では全体が
均一で良好であったのに対し、比較例１では不均一であ
った。浮きの状態は実施例１では30.5mmで全体が均一に
良好な浮きを示していたが、比較例１では20mmであっ
て、かつ端が充分に浮かず不均一な状態であった。さら
に、食感は実施例１ではサクサクとしたフレーキーな歯
ごたえであったが、比較例１では実施例１ほどのフレー
キーな歯応えは得られなかった。
【００２２】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明におけるパイ
の製造方法では、特定のロールイン用油脂組成物を使用
することにより、ロールイン作業時の展延性が極めて良
好で、また焼成したとき大きく全体が均一に浮くという
特徴ある浮きと、サクサクとしたフレーキーな歯ごたえ
のあるパイ製品が得られ、かつ製品に良好な風味と食感
を与えるという効果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−11141（ＪＰ，Ａ) 特開 昭47−23555（ＪＰ，Ａ) 特公 昭61−35805（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A21D 2/14 A21D 2/18 A23D 7/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ＳＦＩ（固体脂含有指数）値が20℃で30
    〜55、30℃で10〜30、40℃で５以下である油脂を30〜95
    重量％含む油相並びに糖濃度が30重量％以上の液糖であ
    る水相の両相の油中水型乳化物であるロールイン用油脂
    組成物をパイ生地に載置して折り畳み、これを引延し、
    成形し、そして焼成することを特徴とするパイの製造方
    法。
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