JP3049456B2 - 筆記板用インキ組成物 - Google Patents
筆記板用インキ組成物Info
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- C09D11/16—Writing inks
- C09D11/17—Writing inks characterised by colouring agents
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- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
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- Organic Chemistry (AREA)
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所謂ホワイトボードな
どの筆記板にマーキングペンを用いて筆記することがで
き、不要となった筆跡を剥離する(拭き消す)ことので
きる筆記板用インキ組成物に関する。
どの筆記板にマーキングペンを用いて筆記することがで
き、不要となった筆跡を剥離する(拭き消す)ことので
きる筆記板用インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び解決しようとする課題】ホワイトボー
ドと通称されるような筆記板にマーキングペンを用いて
筆記することができ、筆記描画が不要となった際には、
その筆跡を剥離する(拭き消す)ことのできる筆記板用
マーキンインキにおいては、従来、溶剤としてケトン系
溶剤とエステル系溶剤の混合系のものが主に使用されて
いる。また着色剤としては、これらの溶剤に堅牢な顔料
が種々用いられている。例えば、チバガイギー社のマイ
クロリスレッド(MAICROLITH RED)BR−Kや4C−K
は、赤色アゾ系顔料を塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
樹脂キャリア中に分散させた加工顔料であって、ケトン
系溶剤とエステル系溶剤の混合系の溶剤を用いた筆記板
用インキに使用し得る(特許第936873号)。
ドと通称されるような筆記板にマーキングペンを用いて
筆記することができ、筆記描画が不要となった際には、
その筆跡を剥離する(拭き消す)ことのできる筆記板用
マーキンインキにおいては、従来、溶剤としてケトン系
溶剤とエステル系溶剤の混合系のものが主に使用されて
いる。また着色剤としては、これらの溶剤に堅牢な顔料
が種々用いられている。例えば、チバガイギー社のマイ
クロリスレッド(MAICROLITH RED)BR−Kや4C−K
は、赤色アゾ系顔料を塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
樹脂キャリア中に分散させた加工顔料であって、ケトン
系溶剤とエステル系溶剤の混合系の溶剤を用いた筆記板
用インキに使用し得る(特許第936873号)。
【0003】最近では、溶剤の臭気及び毒性の観点か
ら、低級アルコール系の溶剤の使用が求められている。
従って低級アルコール系の溶剤に対し堅牢な有機顔料を
必要としているのであるが、従来のアゾ系顔料は、一般
に、低級アルコール中で微分散された場合のアルコール
耐性が低い。そのため、筆記板用インキに用いた場合、
筆記板上の筆跡をイレーザー等で剥離(拭き消し)しよ
うとするとき汚れとなって残ったり、保存中にインキの
粘度上昇や顔料の凝集等を生じたりし易く、インキの安
定性及び筆跡の消去性などの点で実用上の問題があっ
た。
ら、低級アルコール系の溶剤の使用が求められている。
従って低級アルコール系の溶剤に対し堅牢な有機顔料を
必要としているのであるが、従来のアゾ系顔料は、一般
に、低級アルコール中で微分散された場合のアルコール
耐性が低い。そのため、筆記板用インキに用いた場合、
筆記板上の筆跡をイレーザー等で剥離(拭き消し)しよ
うとするとき汚れとなって残ったり、保存中にインキの
粘度上昇や顔料の凝集等を生じたりし易く、インキの安
定性及び筆跡の消去性などの点で実用上の問題があっ
た。
【0004】一般に高級顔料とされる耐溶剤性(アルコ
ール溶剤堅牢性)に優れた有機顔料として、アントラキ
ノン系顔料(例えば、C.I.Pigment Red 168,167)、 縮合
アゾ系顔料(例えば、C.I.Pigment Red 144,166,220)、
ペリレン系顔料(例えば、C.I.Pigment Red 149,178,1
79,224) キナクリドン系顔料 ( 例えば、C.I.Pigment
Red 122,207,209 、C.I.Pigment Violet 19)、 チオイン
ジゴ系顔料(C.I.Pigment Red 38,88 ) などが知られて
いる。
ール溶剤堅牢性)に優れた有機顔料として、アントラキ
ノン系顔料(例えば、C.I.Pigment Red 168,167)、 縮合
アゾ系顔料(例えば、C.I.Pigment Red 144,166,220)、
ペリレン系顔料(例えば、C.I.Pigment Red 149,178,1
79,224) キナクリドン系顔料 ( 例えば、C.I.Pigment
Red 122,207,209 、C.I.Pigment Violet 19)、 チオイン
ジゴ系顔料(C.I.Pigment Red 38,88 ) などが知られて
いる。
【0005】これらがアルコール系溶剤中に分散してペ
ン体に充填された状態で長期安定であるためには、顔料
が、超微細状態で溶剤中に分散されていなければならな
い。ところがその結果、良好であるとされる前記顔料の
アルコール堅牢度は低下する。
ン体に充填された状態で長期安定であるためには、顔料
が、超微細状態で溶剤中に分散されていなければならな
い。ところがその結果、良好であるとされる前記顔料の
アルコール堅牢度は低下する。
【0006】その状態で分散系を安定に保つためには、
超微細化により増大した顔料の表面積に比例した樹脂量
が必要になる。しかし、低級アルコール系溶剤を用いた
筆記板用インキ中の樹脂量が増えると、インキの粘度が
上昇し、ペン体に充填して使用した場合に筆記かすれが
生ずるおそれが高くなると共に、樹脂量の増大に比例し
て剥離性(消去性)が低下するといった問題点が生じ
る。
超微細化により増大した顔料の表面積に比例した樹脂量
が必要になる。しかし、低級アルコール系溶剤を用いた
筆記板用インキ中の樹脂量が増えると、インキの粘度が
上昇し、ペン体に充填して使用した場合に筆記かすれが
生ずるおそれが高くなると共に、樹脂量の増大に比例し
て剥離性(消去性)が低下するといった問題点が生じ
る。
【0007】本発明は、従来技術に存した上記のような
問題点に鑑み行われたものであって、その目的とすると
ころは、臭気及び毒性の問題がほとんどない低級アルコ
ール系の溶剤からなる又はそれを主体とする媒体が用い
られ、その媒体中に分散した顔料が、超微細でありなが
ら前記溶剤に対し堅牢であり、そのため、含有樹脂の量
が筆記かすれや剥離性(消去性)低下を回避し得る程度
であってもペン体に充填された状態で長期安定である筆
記板用インキ組成物を提供することにある。
問題点に鑑み行われたものであって、その目的とすると
ころは、臭気及び毒性の問題がほとんどない低級アルコ
ール系の溶剤からなる又はそれを主体とする媒体が用い
られ、その媒体中に分散した顔料が、超微細でありなが
ら前記溶剤に対し堅牢であり、そのため、含有樹脂の量
が筆記かすれや剥離性(消去性)低下を回避し得る程度
であってもペン体に充填された状態で長期安定である筆
記板用インキ組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の筆記板用インキ組成物は、低級アルコール系溶剤か
らなる又は低級アルコール系溶剤を主体とする媒体中
に、ストークス径の中央累積値が0.2μm以下の下記
一般式[I]で表わされるジケトピロロピロール系顔
料、アルコール溶剤可溶性ポリマー(以下、本明細書で
は単に「ポリマー」ということがある。)、剥離剤及び
界面活性剤を含んでなるものである。
明の筆記板用インキ組成物は、低級アルコール系溶剤か
らなる又は低級アルコール系溶剤を主体とする媒体中
に、ストークス径の中央累積値が0.2μm以下の下記
一般式[I]で表わされるジケトピロロピロール系顔
料、アルコール溶剤可溶性ポリマー(以下、本明細書で
は単に「ポリマー」ということがある。)、剥離剤及び
界面活性剤を含んでなるものである。
【0009】
【化2】
【0010】〔式[I]中、R1 及びR2 は、それぞれ
独立に、未置換の又は水溶性を付与しない基もしくは原
子で置換された、フェニル基又はナフチル基を表わし、
R3 及びR4 は、それぞれ独立に、水素原子又は水溶性
を付与しない置換基を表わす。〕
独立に、未置換の又は水溶性を付与しない基もしくは原
子で置換された、フェニル基又はナフチル基を表わし、
R3 及びR4 は、それぞれ独立に、水素原子又は水溶性
を付与しない置換基を表わす。〕
【0011】上記R1 及びR2 における水溶性を付与し
ない基もしくは原子としては、アルキル基、ハロゲン原
子、シアノ基、ニトロ基及びアルケニル基などが挙げら
れる。
ない基もしくは原子としては、アルキル基、ハロゲン原
子、シアノ基、ニトロ基及びアルケニル基などが挙げら
れる。
【0012】また上記R3 及びR4 で表わされる水溶性
を付与しない置換基としては、アルキル基、ハロゲン置
換アルキル基、シアノ置換アルキル基、フェニル基、ナ
フチル基、アラルキル基及びスチリル基などが挙げられ
る。
を付与しない置換基としては、アルキル基、ハロゲン置
換アルキル基、シアノ置換アルキル基、フェニル基、ナ
フチル基、アラルキル基及びスチリル基などが挙げられ
る。
【0013】上記ジケトピロロピロール系顔料として
は、R1 及びR2 が、未置換フェニル基、クロロフェニ
ル基、ブロムフェニル基及びシアノフェニル基からなる
群から選ばれるフェニル基であり、R3 及びR4 が水素
原子であるところの、一般式[I]で表わされる赤色系
の顔料が特に好ましい。
は、R1 及びR2 が、未置換フェニル基、クロロフェニ
ル基、ブロムフェニル基及びシアノフェニル基からなる
群から選ばれるフェニル基であり、R3 及びR4 が水素
原子であるところの、一般式[I]で表わされる赤色系
の顔料が特に好ましい。
【0014】本発明のインキ組成物に用いるジケトピロ
ロピロール系顔料は、IRGAZIN DPPRED BO及びCROMOPHTA
L DPP RED BP (共にチバーガイギー社製)等の商品名
で市販されている。このような市販品の顔料粒子の平均
粒径は1乃至2μm程度であるが、横型湿式分散機等に
よって、平均粒径において顔料の一次粒子の少なくとも
5分の1乃至10分の1程度の超微粉とすることが可能
である。ジケトピロロピロール系顔料は、ストークス径
の中央累積値が0.2μm以下であっても、低級アルコ
ール系溶剤に対し堅牢であり、低級アルコール系の溶剤
からなる又はそれを主体とする媒体中に分散したインキ
組成物は、含有樹脂の量が筆記板への付着性及び顔料の
分散安定性を維持し得、筆記かすれや剥離性(消去性)
低下を回避し得る程度であってもペン体に充填された状
態で長期に亙り安定し、粘度上昇や顔料の凝集がなく、
ペン先での目詰まりもなくて筆記性が良好である。而
も、色濃度が高く色彩も鮮明である。本発明におけるジ
ケトピロロピロール系顔料のストークス径の中央累積値
としてより好ましい範囲は、0.1乃至0.15μmで
ある。0.1μmを下回る場合は、分散された顔料の表
面積が大きくなりすぎて分散系を安定に保つために要す
る樹脂量が増大し、インキ粘度が筆記に適さなくなるお
それが生じる。
ロピロール系顔料は、IRGAZIN DPPRED BO及びCROMOPHTA
L DPP RED BP (共にチバーガイギー社製)等の商品名
で市販されている。このような市販品の顔料粒子の平均
粒径は1乃至2μm程度であるが、横型湿式分散機等に
よって、平均粒径において顔料の一次粒子の少なくとも
5分の1乃至10分の1程度の超微粉とすることが可能
である。ジケトピロロピロール系顔料は、ストークス径
の中央累積値が0.2μm以下であっても、低級アルコ
ール系溶剤に対し堅牢であり、低級アルコール系の溶剤
からなる又はそれを主体とする媒体中に分散したインキ
組成物は、含有樹脂の量が筆記板への付着性及び顔料の
分散安定性を維持し得、筆記かすれや剥離性(消去性)
低下を回避し得る程度であってもペン体に充填された状
態で長期に亙り安定し、粘度上昇や顔料の凝集がなく、
ペン先での目詰まりもなくて筆記性が良好である。而
も、色濃度が高く色彩も鮮明である。本発明におけるジ
ケトピロロピロール系顔料のストークス径の中央累積値
としてより好ましい範囲は、0.1乃至0.15μmで
ある。0.1μmを下回る場合は、分散された顔料の表
面積が大きくなりすぎて分散系を安定に保つために要す
る樹脂量が増大し、インキ粘度が筆記に適さなくなるお
それが生じる。
【0015】本発明の筆記板用インキ組成物では、上記
ジケトピロロピロール系顔料を、インキ全量に対し、通
常1乃至10重量%程度、好ましくは2乃至5重量%程
度使用する。1重量%未満では筆記板用インキとして必
要な濃度を示さないおそれが高くなり、10重量%を越
えると、分散された顔料を安定に保持しておくために要
する樹脂使用量が、筆記板用インキとしての適量を越
え、インキの粘度が高くなり過ぎて筆記できなくなるお
それが高くなる。
ジケトピロロピロール系顔料を、インキ全量に対し、通
常1乃至10重量%程度、好ましくは2乃至5重量%程
度使用する。1重量%未満では筆記板用インキとして必
要な濃度を示さないおそれが高くなり、10重量%を越
えると、分散された顔料を安定に保持しておくために要
する樹脂使用量が、筆記板用インキとしての適量を越
え、インキの粘度が高くなり過ぎて筆記できなくなるお
それが高くなる。
【0016】本発明のインキ組成物に用いる媒体には、
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−
プロパノールなどのような1価の低級アルコールを単独
で若しくは2種以上混合して用いるか又はそれを主体と
して用いる。
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−
プロパノールなどのような1価の低級アルコールを単独
で若しくは2種以上混合して用いるか又はそれを主体と
して用いる。
【0017】媒体が、メタノール、エタノール、n−プ
ロパノール及びiso−プロパノール等の揮発性の高い
1価の低級アルコール溶剤のみでは、マーキングペン等
のペン先部でインキが乾燥して筆記の際にかすれを生じ
たり、筆跡が白化したりし易くなることが多いため、媒
体中に、白化防止剤または乾燥抑制剤として、炭素数4
以上のアルコール系溶剤、エチレングリコールモノアル
キルエーテル系溶剤、グリコール系溶剤または庶糖エス
テルを加えることが好ましい。特に乾燥抑制剤として
は、特開昭60-84369号公報及び特開昭61-34080号公報に
記載された蔗糖エステルを加えることが好ましい。な
お、同様の目的のために、芳香族系有機溶剤を加えるこ
とも可能である。
ロパノール及びiso−プロパノール等の揮発性の高い
1価の低級アルコール溶剤のみでは、マーキングペン等
のペン先部でインキが乾燥して筆記の際にかすれを生じ
たり、筆跡が白化したりし易くなることが多いため、媒
体中に、白化防止剤または乾燥抑制剤として、炭素数4
以上のアルコール系溶剤、エチレングリコールモノアル
キルエーテル系溶剤、グリコール系溶剤または庶糖エス
テルを加えることが好ましい。特に乾燥抑制剤として
は、特開昭60-84369号公報及び特開昭61-34080号公報に
記載された蔗糖エステルを加えることが好ましい。な
お、同様の目的のために、芳香族系有機溶剤を加えるこ
とも可能である。
【0018】本発明のインキ組成物に用いるポリマー
は、インキに被膜形成能を与えると共に、被筆記面への
付着性及び顔料の分散安定性を付与するものであって、
使用する低級アルコール系溶剤に可溶なものであれば使
用可能である。
は、インキに被膜形成能を与えると共に、被筆記面への
付着性及び顔料の分散安定性を付与するものであって、
使用する低級アルコール系溶剤に可溶なものであれば使
用可能である。
【0019】使用し得るポリマーの具体例としては、ポ
リビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニ
ル樹脂、ポリアクリル酸エステル、シェラック及びエチ
ルセルロース等が挙げられる。これらは、単独で又は2
種以上混合して使用することができる。その使用量は、
インキ組成物全量に対して、通常1乃至20重量%程
度、好ましくは2乃至10重量%程度である。なお、イ
ンキの粘度を低くするために、重合度の比較的低いもの
を用いるのが好ましい。
リビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニ
ル樹脂、ポリアクリル酸エステル、シェラック及びエチ
ルセルロース等が挙げられる。これらは、単独で又は2
種以上混合して使用することができる。その使用量は、
インキ組成物全量に対して、通常1乃至20重量%程
度、好ましくは2乃至10重量%程度である。なお、イ
ンキの粘度を低くするために、重合度の比較的低いもの
を用いるのが好ましい。
【0020】特に本発明のインキに適したポリマーは、
ポリビニルアセタール部分、ポリビニルアルコール部分
及びポリ酢酸ビニル部分の3部分からなるトリポリマー
たるポリビニルブチラールである。このトリポリマー
は、ブチラール基、水酸基及びアセチル基を適度な割合
で含むので、少量の使用により、本発明のインキ組成物
を長期に亙り安定させることができる。市販品では、積
水化学社製のエスレックBM−S(ポリビニルブチラー
ルの商品名)、電気化学工業社製のデンカブチラール #
4000-1(ポリビニルブチラールの商品名)を採用した場
合に良好な結果が得られた。
ポリビニルアセタール部分、ポリビニルアルコール部分
及びポリ酢酸ビニル部分の3部分からなるトリポリマー
たるポリビニルブチラールである。このトリポリマー
は、ブチラール基、水酸基及びアセチル基を適度な割合
で含むので、少量の使用により、本発明のインキ組成物
を長期に亙り安定させることができる。市販品では、積
水化学社製のエスレックBM−S(ポリビニルブチラー
ルの商品名)、電気化学工業社製のデンカブチラール #
4000-1(ポリビニルブチラールの商品名)を採用した場
合に良好な結果が得られた。
【0021】剥離剤は、本発明のインキ組成物により筆
記板に描かれた筆記文字など(以下、筆跡ということも
ある。)が不要となった際に、その筆跡を筆記板から剥
離(消去)させるための添加剤である。この剥離剤は、
筆記後、前記ポリマーと顔料が乾燥して粒子となって析
出する際に、この粒子のまわりを取り囲み、筆記文字を
拭き消すことを可能とする。剥離剤がポリマーと完全に
相溶すると、剥離(拭き消し)の際に汚れとなって残
り、また、全く相溶しないと筆記板上の筆跡は硬くな
り、時間の経過と共に剥離し難くなるので、用いるポリ
マーと適度に相溶するものが好適である。
記板に描かれた筆記文字など(以下、筆跡ということも
ある。)が不要となった際に、その筆跡を筆記板から剥
離(消去)させるための添加剤である。この剥離剤は、
筆記後、前記ポリマーと顔料が乾燥して粒子となって析
出する際に、この粒子のまわりを取り囲み、筆記文字を
拭き消すことを可能とする。剥離剤がポリマーと完全に
相溶すると、剥離(拭き消し)の際に汚れとなって残
り、また、全く相溶しないと筆記板上の筆跡は硬くな
り、時間の経過と共に剥離し難くなるので、用いるポリ
マーと適度に相溶するものが好適である。
【0022】剥離剤の使用量は、顔料と樹脂の合計に対
し、通常50乃至150重量%程度である。50重量%
未満では、良好な剥離性が得られないおそれが高くな
り、150重量%を越えると、筆跡が乾燥する際に均質
な筆記膜が形成されずに濃度低下を起こすおそれが高く
なる。
し、通常50乃至150重量%程度である。50重量%
未満では、良好な剥離性が得られないおそれが高くな
り、150重量%を越えると、筆跡が乾燥する際に均質
な筆記膜が形成されずに濃度低下を起こすおそれが高く
なる。
【0023】剥離剤としては、用いる低級アルコール溶
剤に可溶で、−5℃以上で液体である、不揮発性又は難
揮発性物質を使用することができる。その具体例として
は、高級脂肪酸エステル類(例えば、カプロン酸ミリス
チル、カプロン酸イソステアリル、カプロン酸オレイ
ル、カプリル酸イソステアリル、カプリル酸オレイル、
2エチルヘキサン酸セチル、2エチルヘキサン酸ステア
リル、2エチルヘキサン酸イソステアリル、2エチルキ
サン酸オレイル、カプリン酸イソオクタデシル、カプリ
ン酸オレイル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン
酸イソオクタデシル、ステアリン酸イソオクチル、ステ
アリン酸イソオクタデシル、ミリスチン酸イソプロピ
ル、オレイン酸ラウリル及びオレイン酸ブチル等)、グ
リコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、プロピレングリコール、2,5ヘキサンジ
オール並びに液状のポリエチレングリコール及びポリプ
ロピレングリコール等)、並びにエチレングリコールや
ジエチレングリコールの高級アルキルエーテル(例え
ば、モノオクチルエーテル及びモノラウリルエーテル
等)などが挙げられる。これらの剥離剤は、単独で又は
2種以上を適宣混合して使用することができる。
剤に可溶で、−5℃以上で液体である、不揮発性又は難
揮発性物質を使用することができる。その具体例として
は、高級脂肪酸エステル類(例えば、カプロン酸ミリス
チル、カプロン酸イソステアリル、カプロン酸オレイ
ル、カプリル酸イソステアリル、カプリル酸オレイル、
2エチルヘキサン酸セチル、2エチルヘキサン酸ステア
リル、2エチルヘキサン酸イソステアリル、2エチルキ
サン酸オレイル、カプリン酸イソオクタデシル、カプリ
ン酸オレイル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン
酸イソオクタデシル、ステアリン酸イソオクチル、ステ
アリン酸イソオクタデシル、ミリスチン酸イソプロピ
ル、オレイン酸ラウリル及びオレイン酸ブチル等)、グ
リコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、プロピレングリコール、2,5ヘキサンジ
オール並びに液状のポリエチレングリコール及びポリプ
ロピレングリコール等)、並びにエチレングリコールや
ジエチレングリコールの高級アルキルエーテル(例え
ば、モノオクチルエーテル及びモノラウリルエーテル
等)などが挙げられる。これらの剥離剤は、単独で又は
2種以上を適宣混合して使用することができる。
【0024】本発明の筆記板用インキ組成物において、
界面活性剤は、顔料の分散及び剥離の助剤として添加さ
れる。
界面活性剤は、顔料の分散及び剥離の助剤として添加さ
れる。
【0025】筆跡の消去性は、剥離剤のみでは十分でな
い場合が多い。そのため、界面活性剤を添加することに
より、筆記後において溶剤が揮発する際に析出するポリ
マーと顔料を含んだ粒子を、剥離させ易い適度な大きさ
の分散粒子とする必要がある。この粒子の大きさは、大
き過ぎると消去は容易であるが筆跡の濃度が低下し、小
さいと逆に濃度は高いが、消去は困難となる。特に好適
な粒径は、2乃至4μmである。
い場合が多い。そのため、界面活性剤を添加することに
より、筆記後において溶剤が揮発する際に析出するポリ
マーと顔料を含んだ粒子を、剥離させ易い適度な大きさ
の分散粒子とする必要がある。この粒子の大きさは、大
き過ぎると消去は容易であるが筆跡の濃度が低下し、小
さいと逆に濃度は高いが、消去は困難となる。特に好適
な粒径は、2乃至4μmである。
【0026】界面活性剤は、使用する低級アルコール溶
剤に可溶で、筆跡の乾燥時、顔料とポリマーの粒子を剥
離剤で包み込み、適度な大きさに粒子化でき、均一な筆
記膜を形成し易くさせるものであればよい。ノニオン系
であるか、アニオン系あるか、またカチオン系であるか
は特に問わない。界面活性剤の使用量は、インキ全量に
対し、通常1乃至5重量%程度である。
剤に可溶で、筆跡の乾燥時、顔料とポリマーの粒子を剥
離剤で包み込み、適度な大きさに粒子化でき、均一な筆
記膜を形成し易くさせるものであればよい。ノニオン系
であるか、アニオン系あるか、またカチオン系であるか
は特に問わない。界面活性剤の使用量は、インキ全量に
対し、通常1乃至5重量%程度である。
【0027】使用し得る界面活性剤の具体例としては次
のようなものが挙げられる。ノニオン系の界面活性剤と
しては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂
肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステル等である。アニオン系の
界面活性剤としては、例えば ポリオキシエチレンアル
キル硫酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキ
ルリン酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩
等である。カチオン系の界面活性剤としては、例えばア
ルキルアミン塩、4級アンモニウム塩等である。
のようなものが挙げられる。ノニオン系の界面活性剤と
しては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂
肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステル等である。アニオン系の
界面活性剤としては、例えば ポリオキシエチレンアル
キル硫酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキ
ルリン酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩
等である。カチオン系の界面活性剤としては、例えばア
ルキルアミン塩、4級アンモニウム塩等である。
【0028】本発明の筆記板用インキ組成物は、例えば
次のような4工程により製造し得る。 第1工程:ポリマーを低級アルコールに溶解させ、ポリ
マー溶液を調整する。 第2工程:第1工程で得られたポリマー溶液にジケトピ
ロロール系顔料を投入し、プレミックベースを調製す
る。 第3工程:第2工程で得られたプレミックスベースを、
ジケトピロロール系顔料のストークス径の中央累積値が
0.2μm以下となるようにミルで超微分散する。
次のような4工程により製造し得る。 第1工程:ポリマーを低級アルコールに溶解させ、ポリ
マー溶液を調整する。 第2工程:第1工程で得られたポリマー溶液にジケトピ
ロロール系顔料を投入し、プレミックベースを調製す
る。 第3工程:第2工程で得られたプレミックスベースを、
ジケトピロロール系顔料のストークス径の中央累積値が
0.2μm以下となるようにミルで超微分散する。
【0029】得られるミルベースは流動性を有し、長期
保存によっても粘度上昇や顔料の凝集などを生ずること
なく安定である。第4工程:第3工程で得られたミルベ
ースに剥離剤及び界面活性剤を添加し、更に第1工程で
用いた低級アルコールでインキの粘度を調節する。
保存によっても粘度上昇や顔料の凝集などを生ずること
なく安定である。第4工程:第3工程で得られたミルベ
ースに剥離剤及び界面活性剤を添加し、更に第1工程で
用いた低級アルコールでインキの粘度を調節する。
【0030】以上のようにして得られるインキは、色濃
度が高く、筆記板に鮮やかに筆記し得、その筆跡は、長
時間経過後であっても、イレイザーで軽く擦ることによ
り剥離(消去)することができる。
度が高く、筆記板に鮮やかに筆記し得、その筆跡は、長
時間経過後であっても、イレイザーで軽く擦ることによ
り剥離(消去)することができる。
【0031】
【発明の効果】請求項1の筆記板用インキ組成物は、臭
気及び毒性の問題がほとんどない低級アルコール系の溶
剤からなる又はそれを主体とする媒体が用いられ、その
媒体中に分散した顔料が、ストークス径の中央累積値が
0.2μm以下でありながら前記溶剤に対し堅牢である
ため、含有樹脂の量が筆記かすれや剥離性(消去性)低
下を回避し得る程度であってもペン体に充填された状態
で長期安定であり、粘度上昇や顔料の凝集がなく、ペン
先での目詰まりもなくて筆記性が良好であり、色濃度が
高く色彩も鮮明である。
気及び毒性の問題がほとんどない低級アルコール系の溶
剤からなる又はそれを主体とする媒体が用いられ、その
媒体中に分散した顔料が、ストークス径の中央累積値が
0.2μm以下でありながら前記溶剤に対し堅牢である
ため、含有樹脂の量が筆記かすれや剥離性(消去性)低
下を回避し得る程度であってもペン体に充填された状態
で長期安定であり、粘度上昇や顔料の凝集がなく、ペン
先での目詰まりもなくて筆記性が良好であり、色濃度が
高く色彩も鮮明である。
【0032】請求項2の筆記板用インキ組成物は、赤色
系の色彩を呈する。請求項3の筆記板用インキ組成物
は、顔料の長期間に亙る分散安定性に優れている。
系の色彩を呈する。請求項3の筆記板用インキ組成物
は、顔料の長期間に亙る分散安定性に優れている。
【0033】請求項4の筆記板用インキ組成物は、白化
防止又は乾燥抑制剤を含有するため、メタノール、エタ
ノール、n−プロパノール及びiso−プロパノール等
の揮発性の高い1価の低級アルコール溶剤を用いなが
ら、ペン体に用いられた場合のペン先部でのインキ乾燥
や筆記の際のかすれや筆跡の白化が効果的に防止され
る。
防止又は乾燥抑制剤を含有するため、メタノール、エタ
ノール、n−プロパノール及びiso−プロパノール等
の揮発性の高い1価の低級アルコール溶剤を用いなが
ら、ペン体に用いられた場合のペン先部でのインキ乾燥
や筆記の際のかすれや筆跡の白化が効果的に防止され
る。
【0034】
【実施例】実施例1 ポリビニルチラール(電気化学工業社製、商品名:デン
カブチラール #40000-1 )10部を、変性エチルアルコ
ール系溶剤(日本化成品社製、商品名:ソルミックス A
P-1 )75部に溶解させ、このポリマー溶液にジケトピ
ロロピロール系顔料(チバーガイギー社製、商品名:CR
OMOPHTAL DPP RED BP )15部を投入して2時間ディゾ
ルバーで撹拌することによりプレミックスベースを調製
した。
カブチラール #40000-1 )10部を、変性エチルアルコ
ール系溶剤(日本化成品社製、商品名:ソルミックス A
P-1 )75部に溶解させ、このポリマー溶液にジケトピ
ロロピロール系顔料(チバーガイギー社製、商品名:CR
OMOPHTAL DPP RED BP )15部を投入して2時間ディゾ
ルバーで撹拌することによりプレミックスベースを調製
した。
【0035】このプレミックスベースを、ジルコニアビ
ーズを充填した横型湿式分散機を使用して15時間循環
分散することにより、流動性のあるミルベース(600
cP/25℃) を得た。
ーズを充填した横型湿式分散機を使用して15時間循環
分散することにより、流動性のあるミルベース(600
cP/25℃) を得た。
【0036】このミルベース8重量部に対して、更にソ
ルミックスAP-1 34.5部、エチレングルコールモノ
ブチルエーテル1部、剥離剤[パルミチン酸オクチル]
(日本油脂社製、商品名:ユニスター MB-816 )5部及
び界面活性剤(第一工業製薬社製、商品名:プライサー
フ A212E)1.5部を添加し、2時間撹拌することによ
り、粘度8cP/25℃の赤色インキを得た。
ルミックスAP-1 34.5部、エチレングルコールモノ
ブチルエーテル1部、剥離剤[パルミチン酸オクチル]
(日本油脂社製、商品名:ユニスター MB-816 )5部及
び界面活性剤(第一工業製薬社製、商品名:プライサー
フ A212E)1.5部を添加し、2時間撹拌することによ
り、粘度8cP/25℃の赤色インキを得た。
【0037】得られたミルベース及びインキは、長期間
に亙る保存においても安定であった。また、このインキ
を筆記板用マーキングペンに充填して筆記試験を行った
ところ、ペン先でのインキの目詰まりや筆跡の濃度低下
もなく、筆記板上に鮮やかな筆跡を描くことができ、そ
の筆跡は、長期間経過後もイレイザーで軽く消去するこ
とができた。ミルベースの品質(分散状態、顔料粒径
[ストークス径の中央累積値]及び経時保存安定性)、
インキの色目、インキ安定性及び筆跡の剥離性を表1に
示す。
に亙る保存においても安定であった。また、このインキ
を筆記板用マーキングペンに充填して筆記試験を行った
ところ、ペン先でのインキの目詰まりや筆跡の濃度低下
もなく、筆記板上に鮮やかな筆跡を描くことができ、そ
の筆跡は、長期間経過後もイレイザーで軽く消去するこ
とができた。ミルベースの品質(分散状態、顔料粒径
[ストークス径の中央累積値]及び経時保存安定性)、
インキの色目、インキ安定性及び筆跡の剥離性を表1に
示す。
【0038】なお、顔料粒径については、遠心式粒度分
布測定機(堀場製作所社製、商品名:CAPA700)
を用いて、遠心沈降法により顔料粒子のストークス径を
測定した。測定のためのサンプルは、エタノール約10
mlに上記ミルベースを1滴加えて超音波を15秒間か
け、更に適量のエタノール(50乃至70ml程度)を
これに加え、超音波を15秒間かけることにより調製し
た。測定のため測定機に設定する値として、エタノール
の密度及び粘度は室温よりも3℃高い値とし、顔料の密
度は1.55g/cm3 とした。また測定機の回転数は
5000rpmとした。測定結果は、0.1乃至1μm
の間を0.1μm毎に区切った各区に含まれる粒子個数
の割合及びそれによって算出された中央累積値として得
られた。
布測定機(堀場製作所社製、商品名:CAPA700)
を用いて、遠心沈降法により顔料粒子のストークス径を
測定した。測定のためのサンプルは、エタノール約10
mlに上記ミルベースを1滴加えて超音波を15秒間か
け、更に適量のエタノール(50乃至70ml程度)を
これに加え、超音波を15秒間かけることにより調製し
た。測定のため測定機に設定する値として、エタノール
の密度及び粘度は室温よりも3℃高い値とし、顔料の密
度は1.55g/cm3 とした。また測定機の回転数は
5000rpmとした。測定結果は、0.1乃至1μm
の間を0.1μm毎に区切った各区に含まれる粒子個数
の割合及びそれによって算出された中央累積値として得
られた。
【0039】粒子個数の割合は次のとおりであり、その
中央累積値は表1に示されるとおり0.12μmであっ
た。 1.0μmを越えるもの: 0.0% 1.0−0.9μm : 0.0% 0.9−0.8μm : 0.0% 0.8−0.7μm : 0.0% 0.7−0.6μm : 1.5% 0.6−0.5μm : 5.5% 0.5−0.4μm : 9.0% 0.4−0.3μm : 4.6% 0.3−0.2μm :13.0% 0.2−0.1μm :21.8% 0.1−0.0μm :44.6%
中央累積値は表1に示されるとおり0.12μmであっ
た。 1.0μmを越えるもの: 0.0% 1.0−0.9μm : 0.0% 0.9−0.8μm : 0.0% 0.8−0.7μm : 0.0% 0.7−0.6μm : 1.5% 0.6−0.5μm : 5.5% 0.5−0.4μm : 9.0% 0.4−0.3μm : 4.6% 0.3−0.2μm :13.0% 0.2−0.1μm :21.8% 0.1−0.0μm :44.6%
【0040】実施例2 ポリビニルブチラール(積水化学社製、商品名:エスレ
ック MB-S )15部を、変性エチルアルコール系溶剤
(日本化成品社製、商品名:ソルミックスAP-2)70部
に溶解させ、このポリマー溶液にジケトピロロピロール
系顔料(チバーガイギー社製、商品名:IRGAZIN DPP RE
D BO)15部を投入して2時間ディゾルバーで撹拌する
ことによりプレミックスベースを調製した。
ック MB-S )15部を、変性エチルアルコール系溶剤
(日本化成品社製、商品名:ソルミックスAP-2)70部
に溶解させ、このポリマー溶液にジケトピロロピロール
系顔料(チバーガイギー社製、商品名:IRGAZIN DPP RE
D BO)15部を投入して2時間ディゾルバーで撹拌する
ことによりプレミックスベースを調製した。
【0041】このプレミックスベースを、ジルコンビー
ズを充填した横型湿式分散機を使用して20時間循環分
散することにより、流動性のあるミルベース(500c
P[センチポイズ]/25℃) を得た。
ズを充填した横型湿式分散機を使用して20時間循環分
散することにより、流動性のあるミルベース(500c
P[センチポイズ]/25℃) を得た。
【0042】このミルベース10重量部に対して、更に
ソルミックスAP-2 34部、剥離剤[ミリスチン酸イソ
プロピル](日光ケミカルズ社製、商品名:IPM-EX)5
部及び界面活性剤(第一工業製薬社製、商品名:ハイテ
ノールNo.8)1部を添加し、2時間撹拌することによ
り、粘度8cP/25℃の赤色インキを得た。
ソルミックスAP-2 34部、剥離剤[ミリスチン酸イソ
プロピル](日光ケミカルズ社製、商品名:IPM-EX)5
部及び界面活性剤(第一工業製薬社製、商品名:ハイテ
ノールNo.8)1部を添加し、2時間撹拌することによ
り、粘度8cP/25℃の赤色インキを得た。
【0043】得られたミルベース及びインキは、長期間
に亙る保存においても安定であった。また、このインキ
を筆記板用マーキングペンに充填して筆記試験を行った
ところ、ペン先でのインキの目詰まりや筆跡の濃度低下
もなく、筆記板上に鮮やかな筆跡を描くことができ、そ
の筆跡は、長期間経過後もイレイザーで軽く消去するこ
とができた。
に亙る保存においても安定であった。また、このインキ
を筆記板用マーキングペンに充填して筆記試験を行った
ところ、ペン先でのインキの目詰まりや筆跡の濃度低下
もなく、筆記板上に鮮やかな筆跡を描くことができ、そ
の筆跡は、長期間経過後もイレイザーで軽く消去するこ
とができた。
【0044】ミルベースの品質(分散状態、顔料粒径
[ストークス径の中央累積値]及び経時保存安定性)、
インキの色目、インキ安定性及び筆跡の剥離性を表1に
示す。顔料粒径については実施例1と同様に測定した。
[ストークス径の中央累積値]及び経時保存安定性)、
インキの色目、インキ安定性及び筆跡の剥離性を表1に
示す。顔料粒径については実施例1と同様に測定した。
【0045】実施例3 プレミックスベースの循環分散時間を10時間とした以
外は実施例1と同様にして、流動性のあるミルベース
(500cP/25℃) を調製した。
外は実施例1と同様にして、流動性のあるミルベース
(500cP/25℃) を調製した。
【0046】このミルベース8重量部に対して、更にソ
ルミックスAP-1 34.5部、エチレングルコールモノ
ブチルエーテル1部、乾燥抑制剤[蔗糖エステル](第
一工業製薬社製、商品名:DKエステル F−14
0)、(剥離剤[パルミチン酸オクチル](日本油脂社
製、商品名:ユニスター MB-816 )5部及び界面活性剤
(第一工業製薬社製、商品名:プライサーフ A212E)
1.5部を添加し、2時間撹拌することにより、粘度8
cP/25℃の赤色インキを得た。
ルミックスAP-1 34.5部、エチレングルコールモノ
ブチルエーテル1部、乾燥抑制剤[蔗糖エステル](第
一工業製薬社製、商品名:DKエステル F−14
0)、(剥離剤[パルミチン酸オクチル](日本油脂社
製、商品名:ユニスター MB-816 )5部及び界面活性剤
(第一工業製薬社製、商品名:プライサーフ A212E)
1.5部を添加し、2時間撹拌することにより、粘度8
cP/25℃の赤色インキを得た。
【0047】ミルベースの品質(分散状態、顔料粒径
[ストークス径の中央累積値]及び経時保存安定性)、
インキの色目、インキ安定性及び筆跡の剥離性を表1に
示す。顔料粒径については実施例1と同様に測定した。
[ストークス径の中央累積値]及び経時保存安定性)、
インキの色目、インキ安定性及び筆跡の剥離性を表1に
示す。顔料粒径については実施例1と同様に測定した。
【0048】
【表1】
【0049】比較例1〜5 本発明インキの効果を確認するために、上記実施例2で
用いたジケトピロロピロール系顔料を表2に示した各顔
料に代えて、実施例2と同様にして比較例インキ1乃至
5を作成し、評価した。
用いたジケトピロロピロール系顔料を表2に示した各顔
料に代えて、実施例2と同様にして比較例インキ1乃至
5を作成し、評価した。
【0050】
【表2】
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20
Claims (4)
- 【請求項1】低級アルコール系溶剤からなる又は低級ア
ルコール系溶剤を主体とする媒体中に、ストークス径の
中央累積値が0.2μm以下の下記一般式[I]で表わ
されるジケトピロロピロール系顔料、アルコール溶剤可
溶性ポリマー、剥離剤及び界面活性剤を含んでなる筆記
板用インキ組成物。 【化1】 〔式[I]中、R1 及びR2 は、それぞれ独立に、未置
換の又は水溶性を付与しない基もしくは原子で置換され
た、フェニル基又はナフチル基を表わし、R3 及びR4
は、それぞれ独立に、水素原子又は水溶性を付与しない
置換基を表わす。〕 - 【請求項2】上記ジケトピロロピロール系顔料が、R1
及びR2 が、未置換フェニル基、クロロフェニル基、ブ
ロムフェニル基及びシアノフェニル基からなる群から選
ばれるフェニル基であり、R3 及びR4 が水素原子であ
る一般式[I]で表わされる赤色系の顔料である請求項
1記載の筆記板用インキ組成物。 - 【請求項3】上記ポリマーが、ポリビニルアセタール部
分、ポリビニルアルコール部分及びポリ酢酸ビニル部分
の3部分からなるトリポリマーたるポリビニルブチラー
ルである請求項1又は請求項2記載の筆記板用インキ組
成物。 - 【請求項4】前記媒体が、メタノール、エタノール、n
−プロパノール及びiso−プロパノールからなる群か
ら選ばれた1種の又は2種以上からなる溶剤であり、炭
素数4以上のアルコール系溶剤、エチレングリコールモ
ノアルキルエーテル系溶剤、グリコール系溶剤及び庶糖
エステルからなる群から選ばれた白化防止又は乾燥抑制
剤を含む請求項1、請求項2又は請求項3記載の筆記板
用組成物。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10856992A JP3049456B2 (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 筆記板用インキ組成物 |
US08/038,474 US5318617A (en) | 1992-03-31 | 1993-03-29 | Writing board ink composition |
DE69301670T DE69301670T2 (de) | 1992-03-31 | 1993-03-30 | Tintenzusammensetzung für Schreibtafeln |
EP19930105282 EP0563901B1 (en) | 1992-03-31 | 1993-03-30 | Writing board ink composition |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10856992A JP3049456B2 (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 筆記板用インキ組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05279615A JPH05279615A (ja) | 1993-10-26 |
JP3049456B2 true JP3049456B2 (ja) | 2000-06-05 |
Family
ID=14488150
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10856992A Expired - Lifetime JP3049456B2 (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 筆記板用インキ組成物 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5318617A (ja) |
EP (1) | EP0563901B1 (ja) |
JP (1) | JP3049456B2 (ja) |
DE (1) | DE69301670T2 (ja) |
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