JP3042705U - 擁 壁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［課題］ 雨水の浸透により移動が生ぜず、雨水の浸透
と微生物の繁殖によって腐食すると共にその腐食により
植物の自然の生育にて密植固定させ、自然環境の保護を
兼ねた擁壁を提供する。 ［解決手段］ 任意形状のコンクリートブロック１内に
複数の石２と前記コンクリートブロック１の長手方向に
複数の木材３の周面３ａの一部を露出するように配設固
定させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、複数の石を充填したコンクリートブロック内に複数の木材等を変位 配設させて固着し、これを積上げることができるようにした擁壁に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の植生ブロックは、前面を開口して土壌を入れて植物を植えたものを比較 的低く積上げるので、擁壁としては使用していない。

【０００３】 又、法面に沿って控えブロックを積上げ、各控えブロックに対応して植生ブロ ックを積上げ、各植生ブロックと控えブロックとを連結部材で連結し、各控えブ ロックの収納空間内に植栽土を充填して植物を植え込むようにした擁壁構造が提 案されている（例えば実開平７−８４４３号公報参照）。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来提案されている擁壁の実開平７−８４４３号は、植栽土に雨が浸透し複数 積上げた擁壁は安定した状態を保持していても、雨水が漸次浸透して流下し、基 礎に支障が生じて安全な擁壁の役目を果たすことができず、再構築を余儀なくし なければならないという問題点があった。

【０００５】 そこで、本考案は、雨水の浸透により移動が生ぜず、多年の雨水の浸透と微生 物の繁殖によって腐食すると共にその腐食により植物の自然の生育にて密植固定 させ、自然環境の保護を兼ねた擁壁を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案のうち請求項１記載の考案は、任意形状のコ ンクリートブロック内に複数の石とコンクリートブロックの長手方向に複数の木 材周面の一部を露出するように配設固定させたことを特徴とするものである。こ のように木材を配設すると、露出部分が表皮のため、一旦腐食すると長時間に亘 り、微生物の繁殖と共に植物が密生してコンクリートブロックを隠蔽し、法面が 恰も自然の環境を形成しているような状態になり、コンクリートブロック表面に 付着した砂埃等が洗い流されて木材に繁殖した植生物に達っして蓄積し、更に、 繁茂を増大させる。

【０００７】 本考案のうち請求項２記載の考案は、任意形状のコンクリートブロック内に複 数の石と木材の切断面を露出して配設固定させたことを特徴とする。このように 木材を配設すると、木材の年輪等の組織に沿って雨水等か浸透し易く、微生物の 繁殖度が増大し腐食度が早く、植物の生育も良好であり、自然環境を急速に美化 させる。

【０００８】 本考案のうち請求項３記載の考案は、木材の一方の切断面を露出させ、他方の 切断面はコンクリートブロックの底面位置まで延設固定させていることを特徴と する。このように 木材を延設固定すると、地面の水分を木材の組織により吸い 上げ湿潤状態を保持するので、より微生物の繁殖度が増大し腐食度が早く、植物 の生育を良好ならしめるものである。

【０００９】 本考案のうち請求項４記載の考案は、切断面が、石の露出面よりも前方に突出 するように延設されており、内側を窪ませて凹部を形成したことを特徴とする。 この凹部に土を入れ植栽することができるものである。

【００１０】 本考案のうち請求項５記載の考案は、木材を、切断面が石の露出面よりも著し く前方に位置するように突出させて配設し、該突出部の上面には内部に土若しく は腐葉土を充填して植栽可能な溝を凹設したことを特徴とする。

【００１１】 本考案のうち請求項６記載の考案は、コンクリートブロック内にこのコンクリ ートブロックの長手方向に沿って木材を埋設し、この木材が、延設固定させた木 材と直交するように配設されてなることを特徴とする。

【００１２】 本考案のうち請求項７記載の考案は、木材が、竹であることを特徴とする。

【００１３】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。

【００１４】 図１及び図２は、成形されたコンクリートブロック１内に複数の石２の表面が 露出するように挿入固着させ、複数の木材３の周面３ａの一部を露出するように 切断面を左右にし、コンクリートブロック１の長手方向に配設固定している。

【００１５】 本考案の実施の形態においては、上方に複数の石２を下方に木材３を配設して いることを説明したが、本考案は土方に木材３を下方に石２を、上下に複数の石 ２を中央に木材３を配設することも考えられ、木材３と石２の配設位置は限定す るものではない。

【００１６】 このように形成されたコンクリートブロック１を擁壁として図３に示されるよ うに法面の形斜面に応じて順次積み上げて施工するものである。

【００１７】 擁壁表面に路面の砂埃等が飛来して堆積し、雨水により下方に押し流されて擁 壁の木材周面露出部分に蓄積する。時の経過により、木材は腐食し、微生物の発 生と共に植物が繁茂して擁壁の補強を増大せしめ、自然環境を良好ならしめる。

【００１８】 図４及び図５の実施の形態は、成形されたコンクリートブロック１内に複数の 石２の表面が露出するように挿入固着させ、複数の木材３の切断面３ｂを露出す るように配設固定している。

【００１９】 本考案の実施の形態においては、対角線上に石２を分断するように木材３の切 断面３ｂを配設しているものを説明したが、本考案はこれに限定するものではな く、上方に木材３を下方に石２を、上下に複数の石２を中央に木材３を配設する ことも考えられ、複数の石２と木材３の配設位置は限定するものではない。

【００２０】 木材の切断面を露出することによって、木材の年輪等の組織から雨水の浸透が 迅速に行われ腐食が促進し、微生物の繁殖が著しく、更に、木材の腐食と砂埃等 により植物が繁茂して自然環境を良好ならしめ、擁壁としての価値を倍加するも のである。

【００２１】 図６の実施の形態は、木材３の一方の切断面３ｂの表面を露出させ、他方の切 断面３ｃをコンクリート１の底面位置まで延設させコンクリートト１内に固定さ せている。あとの構成は前述の図４及び図５で説明した実施の形態と同様なので その説明は省略する。

【００２２】 木材の他方の切断面をコンクリートの底面位置まで延設することによって、木 材の切断面が地面に直接接触するため、木材の年輪等の組織により地面の雨水の 浸透が迅速に行われ、湿潤状態を保持し、より腐食が促進し、微生物の繁殖が著 しくするものである。

【００２３】 図７及び図８の実施の形態は、木材３の一方の切断面３ｂの表面を露出させ、 切断面３ｂの露出面よりも著しく前方に突出するように木材３の周面３ａに沿っ てこの木材３の径より小の径の木材４を複数配設させている。

【００２４】 複数の木材４が切断面３ｂの日除けになり、切断面３ｂの乾燥及び変色を防止 するものである。

【００２５】 図９の実施の形態は、切断面３ｂが、石２の露出面よりも前方に突出するよう に延設されており、内側を窪ませて凹部５を形成し、他方の切断面３ｃは切断面 ３ｂよりも著しく直径を小に形成させる。

【００２６】 凹部に土を充填し、植栽すると苗木の生育と木材の腐食が同時に行われ、自然 環境の美化を促進させるものである。

【００２７】 図１０の実施の形態は、木材３を、切断面３ｂが石２の露出面よりも著しく前 方に位置するように突出させて配設している。この突出部には、上面に開口する 内部に土を充填して植栽可能な溝６を前傾して凹設させている。

【００２８】 そして、コンクリートブロック１を積載して擁壁を構築すると溝６壁が地表面 に対して略垂直な位置関係となるように溝６が配設され、溝６の内部に土を充填 しても土がこぼれることなく植栽が可能となる。

【００２９】 図１１及び図１２の実施の形態は、コンクリートブロック１内にこのコンクリ ートブロック１の長手方向に沿って木材７を左右に埋設し、この木材７を、延設 固底させた木材３とコンクリート１内で直交するように配設している。

【００３０】 図１３及び図１４の実施の形態は、前述の図４〜図８、図１１及び図１３で説 明した木材３、７が竹８、９である。この竹８内に土或いは腐葉土を入れ、種子 を蒔き植物を生育させるものである。

【００３１】 コンクリートブロックに木材を配設することで、利用度の低い木材を有効活用 でき、コンクリートブロックの軽重により労力の軽減と工期の短縮化を図ること ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】コンクリートブロック内に複数の石と木材を配
設した状態を示す斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】使用状態を示す説明図である。

【図４】本考案の実施の形態を示す斜視図である。

【図５】図４のＢ−Ｂ線断面図である。

【図６】本考案の実施の形態を示す断面図である。

【図７】本考案の実施の形態を示す斜視図である。

【図８】図７の中央断面図である。

【図９】本考案の実施の形態を示す断面図である。

【図１０】本考案の実施の形態を示す側面図である。

【図１１】本考案の実施の形態を示す側面図である。

【図１２】図１１のＣ−Ｃ線断面図である。

【図１３】本考案の実施の形態を示す断面図である。

【図１４】本考案の実施の形態を示す断面図である。

【符号の説明】

１ コンクリートブロック ２ 石 ３、７ 木材 ３ａ 周面 ３ｂ、３ｃ 切断面 ５ 凹部 ６ 溝 ８、９ 竹

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 任意形状のコンクリートブロック１内に
   複数の石２と前記コンクリートブロック１の長手方向に
   複数の木材３の周面３ａの一部を露出するように配設固
   定させたことを特徴とする擁壁。
2. 【請求項２】 任意形状のコンクリートブロック１内に
   複数の石２と木材３の切断面３ｂを露出するように配設
   固定させたことを特徴とする擁壁。
3. 【請求項３】 木材３の一方の切断面３ｂを露出させ、
   他方の切断面３ｃはコンクリートブロック１の底面位置
   まで延設固定させていることを特徴とする請求項２記載
   の擁壁。
4. 【請求項４】 切断面３ｂが、石２の露出面よりも前方
   に突出するように延設されており、内側を窪ませて凹部
   ５を形成したことを特徴とする請求項２又は３記載の擁
   壁。
5. 【請求項５】 木材３を、切断面３ｂが石２の露出面よ
   りも著しく前方に位置するように突出させて配設し、該
   突出部の上面には内部に土若しくは腐葉土を充填して植
   栽可能な溝６を凹設したことを特徴とする請求項２又は
   ３記載の擁壁。
6. 【請求項６】 コンクリートブロック１内にこのコンク
   リートブロック１の長手方向に沿って木材７を埋設し、
   この木材７が、延設固定させた木材３と直交するように
   配設されてなることを特徴とする請求項２、３、４又は
   ５記載の擁壁。
7. 【請求項７】 木材３、７が、竹８、９であることを特
   徴とする請求項１、２、３又は６記載の擁壁。