JP3039936B2 - 電力線の劣化判定方法及びその装置 - Google Patents
電力線の劣化判定方法及びその装置Info
- Publication number
- JP3039936B2 JP3039936B2 JP1217366A JP21736689A JP3039936B2 JP 3039936 B2 JP3039936 B2 JP 3039936B2 JP 1217366 A JP1217366 A JP 1217366A JP 21736689 A JP21736689 A JP 21736689A JP 3039936 B2 JP3039936 B2 JP 3039936B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- deterioration
- power line
- zero
- phase
- signal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01R—MEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
- G01R31/00—Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
- G01R31/08—Locating faults in cables, transmission lines, or networks
- G01R31/088—Aspects of digital computing
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01R—MEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
- G01R31/00—Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
- G01R31/08—Locating faults in cables, transmission lines, or networks
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mathematical Physics (AREA)
- Theoretical Computer Science (AREA)
- Locating Faults (AREA)
- Testing Electric Properties And Detecting Electric Faults (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、三相電力線の劣化判定方法及びその装置に
係り、特に電力線の致命的な劣化に至る前記現象をとら
えることで三相電力線の劣化を予知的に判定する電力線
の劣化判定方法及びその装置に関する。
係り、特に電力線の致命的な劣化に至る前記現象をとら
えることで三相電力線の劣化を予知的に判定する電力線
の劣化判定方法及びその装置に関する。
〔従来の技術〕 電力線、特に配電線は広範囲に多数の電気機器が配置
されており、その補修に多大の時間と労力を要すること
から、劣化を予知し更にはその区間を特定したいという
要望が高いが、実用的な劣化予知手法が得られていない
という状況にある。
されており、その補修に多大の時間と労力を要すること
から、劣化を予知し更にはその区間を特定したいという
要望が高いが、実用的な劣化予知手法が得られていない
という状況にある。
尚、事故発生後ではあるが、地絡事故区間を特定する
ものとして、特公昭57−20779号「地絡地区表示装置」
が知られている。
ものとして、特公昭57−20779号「地絡地区表示装置」
が知られている。
上記従来技術に地絡地区表示装置は配電線の適宜の位
置に設けられ、この地点で検出した地絡信号の入力回路
に設けた高周波濾過器の出力が一定レベル以上のとき地
絡と判断し、この設置位置に地絡表示をさせたものであ
る。
置に設けられ、この地点で検出した地絡信号の入力回路
に設けた高周波濾過器の出力が一定レベル以上のとき地
絡と判断し、この設置位置に地絡表示をさせたものであ
る。
しかし、これら従来技術に示されたものはある区間内
にて地絡が発生した場所を特定することは可能である
が、特定の場所にて劣化が進んでいることを検出するこ
とはできなかった。
にて地絡が発生した場所を特定することは可能である
が、特定の場所にて劣化が進んでいることを検出するこ
とはできなかった。
上記の課題を達成するために、本発明は三相電力線の
劣化を判定する電力線の劣化判定方法において、電力線
の複数地点について、電力線の零相信号の高周波成分を
検出すること、高周波成分が変動した複数地点の中か
ら、高周波成分が最も大きな値を示した特定地点を検出
することにより、特定地点の近傍で電力線に劣化が発生
したことを判定するようにしたものである。
劣化を判定する電力線の劣化判定方法において、電力線
の複数地点について、電力線の零相信号の高周波成分を
検出すること、高周波成分が変動した複数地点の中か
ら、高周波成分が最も大きな値を示した特定地点を検出
することにより、特定地点の近傍で電力線に劣化が発生
したことを判定するようにしたものである。
また、上記の課題を達成するために、本発明は三相電
力線の劣化を判定する電力線の劣化判定装置において、
電力線の複数地点について、電力線の零相信号の高周波
成分を検出する手段と、高周波成分が変動した複数地点
の中から、高周波成分が最も大きな値を示した特定地点
を検出する検出手段を備えることにより、特定地点の近
傍で電力線に劣化が発生したことを判定するようにした
ものである。
力線の劣化を判定する電力線の劣化判定装置において、
電力線の複数地点について、電力線の零相信号の高周波
成分を検出する手段と、高周波成分が変動した複数地点
の中から、高周波成分が最も大きな値を示した特定地点
を検出する検出手段を備えることにより、特定地点の近
傍で電力線に劣化が発生したことを判定するようにした
ものである。
上記本発明によれば、三相電力線の特定の箇所におい
て電力線の劣化現象が発生しているかを予知的に判定す
ることが可能になる。
て電力線の劣化現象が発生しているかを予知的に判定す
ることが可能になる。
以下本発明の一実施例について説明するが、その前に
電力線の地絡事故に至るまでの予兆、つまり前駆現象が
いかなるものであり、かつ従来例に記述された地絡事故
現象と明確に区別されるものであることを説明する。
尚、以上の説明においては電力線として配電線を対象と
して説明する。
電力線の地絡事故に至るまでの予兆、つまり前駆現象が
いかなるものであり、かつ従来例に記述された地絡事故
現象と明確に区別されるものであることを説明する。
尚、以上の説明においては電力線として配電線を対象と
して説明する。
第2図は、変電所で実測された零相電圧V0の様相を示
したものであり、同図(I)の波形(零相電圧の基本波
にパルスが重畳)が観測されてから相当時間後に同図
(II)の同様の波形が観測され、更に、相当時間後に同
図(III)の同様の波形が観測された。これらの波形は
不定期的に発生したのち、本当の地絡事故に至るものと
思われる。そして第2図に於けるパルスの大きさは時間
の経緯とともに増大するような関係にはなく、その発生
時期は任意であり、かつ発生周期に周期性は認められな
い。このように、V0波形に含まれるパルス性の前駆現象
波形には高周波成分が多く含まれる。高周波成分は配電
性を伝播するに従つて減衰する事から地絡点の近くの零
相電圧V0を監視していれば、より早期にパルス信号の発
生が観測されると考えられる。
したものであり、同図(I)の波形(零相電圧の基本波
にパルスが重畳)が観測されてから相当時間後に同図
(II)の同様の波形が観測され、更に、相当時間後に同
図(III)の同様の波形が観測された。これらの波形は
不定期的に発生したのち、本当の地絡事故に至るものと
思われる。そして第2図に於けるパルスの大きさは時間
の経緯とともに増大するような関係にはなく、その発生
時期は任意であり、かつ発生周期に周期性は認められな
い。このように、V0波形に含まれるパルス性の前駆現象
波形には高周波成分が多く含まれる。高周波成分は配電
性を伝播するに従つて減衰する事から地絡点の近くの零
相電圧V0を監視していれば、より早期にパルス信号の発
生が観測されると考えられる。
ここでは、劣化の前駆現象の一例として第2図でパル
ス性のV0波形を示すが、パルス性のV0発生周期は数サイ
クル続いたり、又、基本周期に比べて相当の高周波成分
波形が短時間に重量する事がくり返されて段々劣化に進
展することが考えられる。
ス性のV0波形を示すが、パルス性のV0発生周期は数サイ
クル続いたり、又、基本周期に比べて相当の高周波成分
波形が短時間に重量する事がくり返されて段々劣化に進
展することが考えられる。
第3図(a),(b)は、従来例の特公昭57−20779
号に記載された地絡事故波形(零相電圧と零相電流)を
示しており、高周波が連続発生している。尚、同様の前
駆現象は零相電流についても認められる。
号に記載された地絡事故波形(零相電圧と零相電流)を
示しており、高周波が連続発生している。尚、同様の前
駆現象は零相電流についても認められる。
以上のことから、地絡の前駆現象波形と地絡現象波形
とを比較してみると、以下の関係が存在することが判
る。
とを比較してみると、以下の関係が存在することが判
る。
配電線機器劣化の前兆の一例として、第2図に示すよ
うに前駆現象としては単発的パルス波形となる零相信号
が発生する特徴がある。すなわち横軸に周波数、たて軸
に大きさを取って表わした第4図のグラフに示すよう
に劣化の前兆時には、商用周波成分の大きさは平常時か
ら変化せず、パルス信号(高周波成分)のみが大きく変
化する特徴があるのに対し、劣化の末期(地絡事故時)
には同図のグラフのように高周波成分も大きくなる
が、商用周波成分も相対的に大きくなつている。このよ
うに、機器の劣化に対する零相信号の商用周波成分と高
周波成分の変化の度合は、概ね下記の様相を示す。
うに前駆現象としては単発的パルス波形となる零相信号
が発生する特徴がある。すなわち横軸に周波数、たて軸
に大きさを取って表わした第4図のグラフに示すよう
に劣化の前兆時には、商用周波成分の大きさは平常時か
ら変化せず、パルス信号(高周波成分)のみが大きく変
化する特徴があるのに対し、劣化の末期(地絡事故時)
には同図のグラフのように高周波成分も大きくなる
が、商用周波成分も相対的に大きくなつている。このよ
うに、機器の劣化に対する零相信号の商用周波成分と高
周波成分の変化の度合は、概ね下記の様相を示す。
また、第2図(I)(II)および(III)とを比較す
ると、劣化の末期には遠方でも観測されるが、初期には
劣化点の近傍でのみ観測され、このことは高周波はその
発生地点から離れるに従い減衰するという線路特性のあ
ることをうらづけている。さらに、パルスの発生周期は
商用周波数の周期に比して十分に長いと言える。
ると、劣化の末期には遠方でも観測されるが、初期には
劣化点の近傍でのみ観測され、このことは高周波はその
発生地点から離れるに従い減衰するという線路特性のあ
ることをうらづけている。さらに、パルスの発生周期は
商用周波数の周期に比して十分に長いと言える。
本発明は、以上の前駆現象に基づいてなされた。
以下本発明装置の配電線に於ける設置状況を第1図に
より説明する。同図(a)に於いて、Tは配電用変圧
器、Bは配電用変電所における配電用母線であり、これ
に配電線用しや断器FCB1〜FCBnが引出し配電線の数だけ
設置される。しや断器FCBの先には樹枝状に引き廻され
る配電線F11,F12,F13…Fnが、張られている。すなわち
幹線F11から必要に応じて支線F12,F13等が図のように張
られている。
より説明する。同図(a)に於いて、Tは配電用変圧
器、Bは配電用変電所における配電用母線であり、これ
に配電線用しや断器FCB1〜FCBnが引出し配電線の数だけ
設置される。しや断器FCBの先には樹枝状に引き廻され
る配電線F11,F12,F13…Fnが、張られている。すなわち
幹線F11から必要に応じて支線F12,F13等が図のように張
られている。
これ等配電線路上の任意の地点にセンサ1,1′,1″,
…を図示のように配設し、これ等で導出した零相信号
(零相電圧或いは零相電流を基本とし必要に応じてこれ
を加工又は抽出した電気量)が、情報伝送路2を介して
判定装置3へ送られてくる。
…を図示のように配設し、これ等で導出した零相信号
(零相電圧或いは零相電流を基本とし必要に応じてこれ
を加工又は抽出した電気量)が、情報伝送路2を介して
判定装置3へ送られてくる。
また、配電用母線にも上記センサ1と同様の機能を有
したセンサ4を適宜設け、母線で抽出した電気量を判定
装置3へ送信する。
したセンサ4を適宜設け、母線で抽出した電気量を判定
装置3へ送信する。
このような構成に於いて、本発明では以下詳細に述べ
る如く配電系統の各点に於いて導出される零相信号を1
ケ所に集めて配電線路F1〜Fn上のどの部位に劣化配電線
があるかを推定するものである。
る如く配電系統の各点に於いて導出される零相信号を1
ケ所に集めて配電線路F1〜Fn上のどの部位に劣化配電線
があるかを推定するものである。
尚、ここで情報を判定装置3へ伝送する手段としての
伝送路2は専用通信線であつても、電力線を利用した搬
送方式によつても、或いは無線等の通信手段を構じても
よい。
伝送路2は専用通信線であつても、電力線を利用した搬
送方式によつても、或いは無線等の通信手段を構じても
よい。
第1図(b)は、第1図(a)のシステムを有線通信
路で結合したときのシステム構成例を示したものであり
高圧配電線F11上の開閉器SWごとに零相信号を検出する
センサ1,1′,1″…機能を内蔵する柱上子局10,10′,1
0″…を設置し、各柱上子局10と変電所の子局100(セン
サ4等を内蔵する)と例えば営業所に設置される親装置
30(判定装置3はこの中に含まれる)との間に通信線2
が形成される。親装置30は変復調部31,送受信部32,信号
母線39,結合部33,33′,プリンタ34,CRT35,キーボード3
6,CRT操作卓37,オペレータ,コンソール38等で構成さ
れ、さらに結合部33′から配電コンピユータに結合され
る。このため、柱上子局10で検知された情報は親装置30
のコンピユータに入力され、CRT35,プリンタ34に出力さ
れ、コンピユータ,キーボード36,CRT操作卓37,オペレ
ータコンソール38等からの指令は柱上子局10に伝達され
て開閉器SWの制御,所定入力の検出,取込み等が行なわ
れる。
路で結合したときのシステム構成例を示したものであり
高圧配電線F11上の開閉器SWごとに零相信号を検出する
センサ1,1′,1″…機能を内蔵する柱上子局10,10′,1
0″…を設置し、各柱上子局10と変電所の子局100(セン
サ4等を内蔵する)と例えば営業所に設置される親装置
30(判定装置3はこの中に含まれる)との間に通信線2
が形成される。親装置30は変復調部31,送受信部32,信号
母線39,結合部33,33′,プリンタ34,CRT35,キーボード3
6,CRT操作卓37,オペレータ,コンソール38等で構成さ
れ、さらに結合部33′から配電コンピユータに結合され
る。このため、柱上子局10で検知された情報は親装置30
のコンピユータに入力され、CRT35,プリンタ34に出力さ
れ、コンピユータ,キーボード36,CRT操作卓37,オペレ
ータコンソール38等からの指令は柱上子局10に伝達され
て開閉器SWの制御,所定入力の検出,取込み等が行なわ
れる。
第1図(c)は、公知の配電線利用信号伝送方式とす
るときのシステム構成例を示したものであり、通信線2
として高圧配電線F11を利用する。このとき柱上では、
開閉器SWに対応して、センサ1を含む遠隔制御装置10a
と、絶縁と信号検出のための高圧結合器10bより成る柱
上子局10を設置する。変電所には絶縁と信号検出のため
の高圧結合器が各配電線F11〜Fnごとに設けられ中継装
置に接続される。変電所と親装置(判定装置3はこの中
に設置される)30との間は高速にかつ多量の信号伝送を
する必要があり、有線の通信ケーブルで接続される。親
装置30は伝送ユニツトTU,計算機統括ユニツトCPU,操作
パネルOP等で構成される遠隔制御装置40の他に、各種情
報を出力しかつ各種入力を与えるためのCRT装置41や、
配電系統の括線状況等を表示するための配電系統盤42
や、配電コンピユータ等を含む。第1図(c)の装置構
成によつても第1図(b)と同様の信号入力,表示出
力、並びに開閉器操作を行ない得る。尚、第1図(b)
と(c)とで親装置30の備える機器構成が相違するが、
これは情報の入力,表示,出力,演算の各機能を備える
ものであればよいことは言うまでもない。以下有線の通
信路による構成で説明する。
るときのシステム構成例を示したものであり、通信線2
として高圧配電線F11を利用する。このとき柱上では、
開閉器SWに対応して、センサ1を含む遠隔制御装置10a
と、絶縁と信号検出のための高圧結合器10bより成る柱
上子局10を設置する。変電所には絶縁と信号検出のため
の高圧結合器が各配電線F11〜Fnごとに設けられ中継装
置に接続される。変電所と親装置(判定装置3はこの中
に設置される)30との間は高速にかつ多量の信号伝送を
する必要があり、有線の通信ケーブルで接続される。親
装置30は伝送ユニツトTU,計算機統括ユニツトCPU,操作
パネルOP等で構成される遠隔制御装置40の他に、各種情
報を出力しかつ各種入力を与えるためのCRT装置41や、
配電系統の括線状況等を表示するための配電系統盤42
や、配電コンピユータ等を含む。第1図(c)の装置構
成によつても第1図(b)と同様の信号入力,表示出
力、並びに開閉器操作を行ない得る。尚、第1図(b)
と(c)とで親装置30の備える機器構成が相違するが、
これは情報の入力,表示,出力,演算の各機能を備える
ものであればよいことは言うまでもない。以下有線の通
信路による構成で説明する。
第5図(I)は配電線上に分散配置される柱上子局10
のうちのセンサ1の一実施例であり、高周波成分を含む
零相電圧V0の波形に着目したものである。つまり、通常
平常時の零相電圧V0は商用周波数、或いは第3,第5を含
む比較的低次の高調波成分を含み、高次周波数成分はほ
とんど含んでいないが、微地絡等の異常が発生すると急
岐なるピーク値を有する波形となることに着目した。す
なわち、短時間地絡が発生するとその期間だけ零相電圧
V0が異常に大きくなり、地絡が回復すると以前の低いレ
ベルの波形となる。この短時間だけ大きくなる零相電圧
波形には多くの高周波成分が含まれているが、機器の劣
化はその微地絡が継続せず1回だけで終了し、又しばら
く時間をおいて異常に大きなV0をピーク(針状)として
発生することが多い。
のうちのセンサ1の一実施例であり、高周波成分を含む
零相電圧V0の波形に着目したものである。つまり、通常
平常時の零相電圧V0は商用周波数、或いは第3,第5を含
む比較的低次の高調波成分を含み、高次周波数成分はほ
とんど含んでいないが、微地絡等の異常が発生すると急
岐なるピーク値を有する波形となることに着目した。す
なわち、短時間地絡が発生するとその期間だけ零相電圧
V0が異常に大きくなり、地絡が回復すると以前の低いレ
ベルの波形となる。この短時間だけ大きくなる零相電圧
波形には多くの高周波成分が含まれているが、機器の劣
化はその微地絡が継続せず1回だけで終了し、又しばら
く時間をおいて異常に大きなV0をピーク(針状)として
発生することが多い。
この為、高周波成分をフイルタで分離抽出出来ないよ
うな1発だけの異常V0値のピーク値の高さを保持し、互
いに比較する目的で構成したのが第5図(I)の例であ
る。
うな1発だけの異常V0値のピーク値の高さを保持し、互
いに比較する目的で構成したのが第5図(I)の例であ
る。
第5図(I)は配電線上に分散配置されるセンサ1の
構成例を示す。
構成例を示す。
配電線Fと大地間電圧は分圧するコンデンサーC1,C2
によつて任意の大きさの電圧に夫々変換され、零相電圧
導出回路4でのベクトル和演算によつて零相電圧V0を求
める。今、第5図(II)(a)に示すように時刻t1にお
いて大きさv1なるパルス上の零相電圧変化があつた時、
減算器20の一方の入力端にはこの零相電圧信号V0をその
まま入力し、他方には基本波並びに低次高調波を導出す
るローパスフイルタ(LPF)によりパルス状の電圧波形
を取り除いた第5図(II)(b)のような出力を入力
し、零相電圧信号V0から低次周波分(基本波並びに低次
高調波分を路り除くことにより第5図(II)(c)に示
すようにパルス状の電圧変化分v1のみが減算器20の出力
として得られる。パルス状の電圧変化の大きさv1はアナ
ログ−デジタル変換器(A/D)で数値化するためピーク
値保持器21,22で第5図(II)(d)に示すように電圧
変化の大きさv1がホールドされる。
によつて任意の大きさの電圧に夫々変換され、零相電圧
導出回路4でのベクトル和演算によつて零相電圧V0を求
める。今、第5図(II)(a)に示すように時刻t1にお
いて大きさv1なるパルス上の零相電圧変化があつた時、
減算器20の一方の入力端にはこの零相電圧信号V0をその
まま入力し、他方には基本波並びに低次高調波を導出す
るローパスフイルタ(LPF)によりパルス状の電圧波形
を取り除いた第5図(II)(b)のような出力を入力
し、零相電圧信号V0から低次周波分(基本波並びに低次
高調波分を路り除くことにより第5図(II)(c)に示
すようにパルス状の電圧変化分v1のみが減算器20の出力
として得られる。パルス状の電圧変化の大きさv1はアナ
ログ−デジタル変換器(A/D)で数値化するためピーク
値保持器21,22で第5図(II)(d)に示すように電圧
変化の大きさv1がホールドされる。
パルス状の電圧変化は、正の場合、負の場合があるの
でピーク値保持器21で正側の変化分を導出し、ピーク値
保持器22で負側の変化分を導出する。起動検出器5はピ
ーク値保持器の出力が、起動検出器5内部に設定した検
出レベル以上になつた時にCPUに対し、第5図(II)
(e)に示すように起動信号を出力する。CPUではこの
起動信号によりA/D変換を行ない、電圧変化の大きさv1
に比例した数値を取り込み記憶し、一定時間後の時刻t2
にリセツト信号によりピーク値保持器を初期状態にリセ
ツトする。CPUに取り込まれたデータは検出したセンサ
に固有の番号,検出時刻等とともに通信部6,通信路2を
介して親装置30内の判定装置3へ伝送される。
でピーク値保持器21で正側の変化分を導出し、ピーク値
保持器22で負側の変化分を導出する。起動検出器5はピ
ーク値保持器の出力が、起動検出器5内部に設定した検
出レベル以上になつた時にCPUに対し、第5図(II)
(e)に示すように起動信号を出力する。CPUではこの
起動信号によりA/D変換を行ない、電圧変化の大きさv1
に比例した数値を取り込み記憶し、一定時間後の時刻t2
にリセツト信号によりピーク値保持器を初期状態にリセ
ツトする。CPUに取り込まれたデータは検出したセンサ
に固有の番号,検出時刻等とともに通信部6,通信路2を
介して親装置30内の判定装置3へ伝送される。
本実施例においては、CPUがA/D変換を行なうタイミン
グは、起動検出器5の出力により起動するように構成し
たが、起動検出器5に関係なく、一定周期毎にA/D変換
を行つてもよく、また、通信路2,通信部6を介して他所
から起動信号を受信してもよい。
グは、起動検出器5の出力により起動するように構成し
たが、起動検出器5に関係なく、一定周期毎にA/D変換
を行つてもよく、また、通信路2,通信部6を介して他所
から起動信号を受信してもよい。
更に、多地点に於けるデータの同時性の確保を行なう
ことは、CPU内部に時計機能をもたせ入力データに入力
した時の時刻情報も同時に付加して記憶することにより
実現することができる。同時性の確保については特開平
2−188034号「配電系統情報収集方式」によるものが最
も効果的であるがもちろん他の手法によつてもよい事は
明白である。
ことは、CPU内部に時計機能をもたせ入力データに入力
した時の時刻情報も同時に付加して記憶することにより
実現することができる。同時性の確保については特開平
2−188034号「配電系統情報収集方式」によるものが最
も効果的であるがもちろん他の手法によつてもよい事は
明白である。
第5図はパルス状電圧波形のピーク値の高さに注目し
た実施例であるが、高周波成分に着目したのが第6図に
示す別の実施例である。
た実施例であるが、高周波成分に着目したのが第6図に
示す別の実施例である。
第6図はセンサ1の他の構成例を示す。
大地間電圧を分圧して取出す為には第5図のようにコ
ンデンサーとコンデンサーの組合せでもよいが、本実施
例の発明を最も効果的にするために第6図の如くコンデ
ンサーC1と抵抗Rからなる微分特性を有する分圧回路構
成とするのがよい。導出された零相電圧信号V0に含まれ
る高周波成分を抽出するハイパスフイルターHPFの後に
は、任意の周波数帯域成分のみを抽出するバンドパス特
性を有するバンドパスフイルターBPF1,BPF2…を必要数
設けこれ等の出力信号が夫々A/D変換器によりデジタル
変換された後CPU部へ取込まれる。取込まれたデータは
通信部6、通信線路2を介して親装置30内の判定装置3
へ必要な時に必要なデータを伝送する。ここに各データ
の取込むタイミングは第5図に設けた起動検出器5を設
けてもよく、又他所での起動信号を通信線路2を介して
受信して決定してもよい。
ンデンサーとコンデンサーの組合せでもよいが、本実施
例の発明を最も効果的にするために第6図の如くコンデ
ンサーC1と抵抗Rからなる微分特性を有する分圧回路構
成とするのがよい。導出された零相電圧信号V0に含まれ
る高周波成分を抽出するハイパスフイルターHPFの後に
は、任意の周波数帯域成分のみを抽出するバンドパス特
性を有するバンドパスフイルターBPF1,BPF2…を必要数
設けこれ等の出力信号が夫々A/D変換器によりデジタル
変換された後CPU部へ取込まれる。取込まれたデータは
通信部6、通信線路2を介して親装置30内の判定装置3
へ必要な時に必要なデータを伝送する。ここに各データ
の取込むタイミングは第5図に設けた起動検出器5を設
けてもよく、又他所での起動信号を通信線路2を介して
受信して決定してもよい。
次に、第7図(a)により、配電線上に分散配置する
上で工夫されたセンサ1の他の実施例について説明す
る。センサ1は、配電線から大地間電圧を分圧して取り
出す分圧回路を2組実装し、第7図(a)に示すように
配電線上のフイーダF1とフイーダF2とを接続又は切り離
すための開閉器SWの両側へ分圧回路を接続して零相電圧
導出回路4及び4′によりフイーダF1及びF2の零相電圧
を得るように構成している。電圧変化検出回路23及び2
3′は第5図にて説明したローパスフイルターLPFと減算
器20とから構成されており、急激な電圧変化分のみを出
力するようになつている。データ処理部25は第5図にて
説明したピーク値保持器21、及び22とこれを入力として
A/D変換器により数値化し、CPUにその値を取り込む部分
から構成されている。差動検出器24は電圧変化検出回路
23と23′の出力を入力し、2つの入力の差分を求め、デ
ータ処理部25の内にあるCPUへデータを取り込む。取り
込んだデータは第5図にて説明した同様な手順により、
通信部6,通信路2を介して判定装置3へ伝送される。本
実施例に於いて、開閉器SWが「入」の時と「切」の時に
ついてその作用を以下述べる。
上で工夫されたセンサ1の他の実施例について説明す
る。センサ1は、配電線から大地間電圧を分圧して取り
出す分圧回路を2組実装し、第7図(a)に示すように
配電線上のフイーダF1とフイーダF2とを接続又は切り離
すための開閉器SWの両側へ分圧回路を接続して零相電圧
導出回路4及び4′によりフイーダF1及びF2の零相電圧
を得るように構成している。電圧変化検出回路23及び2
3′は第5図にて説明したローパスフイルターLPFと減算
器20とから構成されており、急激な電圧変化分のみを出
力するようになつている。データ処理部25は第5図にて
説明したピーク値保持器21、及び22とこれを入力として
A/D変換器により数値化し、CPUにその値を取り込む部分
から構成されている。差動検出器24は電圧変化検出回路
23と23′の出力を入力し、2つの入力の差分を求め、デ
ータ処理部25の内にあるCPUへデータを取り込む。取り
込んだデータは第5図にて説明した同様な手順により、
通信部6,通信路2を介して判定装置3へ伝送される。本
実施例に於いて、開閉器SWが「入」の時と「切」の時に
ついてその作用を以下述べる。
開閉器SWが「入」の場合. 電圧変化検出回路23と23′の出力は同じ大きさである
ため、差動検出器24の差分出力は零となる。
ため、差動検出器24の差分出力は零となる。
開閉器SWが「切」の場合. 電圧変化検出回路23と23′の出力は夫々独立で、劣化
が発生していない時は両方とも出力はほとんど無しであ
る。今いずれかのフイーダのみに微地絡等が発生した時
には、その変化分のみを効率良く導出する事が出来る。
特に常時のノイズ(例えば遠雷等のノイズ)に対しては
両配電線に入るため差動出力としては導出されず、いず
れかの配電線の微地絡に対してのみ出力を高感度で得る
事が出来る。この場合配電線F1とF2は同一系統(同ーバ
ンク)でも別系統であつてもよい。
が発生していない時は両方とも出力はほとんど無しであ
る。今いずれかのフイーダのみに微地絡等が発生した時
には、その変化分のみを効率良く導出する事が出来る。
特に常時のノイズ(例えば遠雷等のノイズ)に対しては
両配電線に入るため差動出力としては導出されず、いず
れかの配電線の微地絡に対してのみ出力を高感度で得る
事が出来る。この場合配電線F1とF2は同一系統(同ーバ
ンク)でも別系統であつてもよい。
次に第7図(b)により配電線上に分散配置する上で
工夫された他の実施例について説明する。
工夫された他の実施例について説明する。
センサ1の構成において第7図(a)との違いは、差
分回路26と検出器27でありその他は同じ動作をするもの
である。
分回路26と検出器27でありその他は同じ動作をするもの
である。
開閉器SW切のとき、差分回路26は零相電圧導出回路4
と4′の出力を入力し、この2つの入力の差分を求め検
出器27へ出力する。検出器27では、電圧変化検出回路23
と同じようにローパスフイルターLPFと減算器により低
次周波分を取り除いた電圧変化分のみとして信号を出力
するようにしてある。本実施例においては、フイーダF1
とF2が同じバンクであれば、零相電圧導出回路4と4′
の出力において、低次周波数分は全く等しいため、差分
回路26の出力は劣化による電圧変化分のみが出力される
ため、起動の検出レベルを小さくすることができ、感度
の高い検出器とすることができる。
と4′の出力を入力し、この2つの入力の差分を求め検
出器27へ出力する。検出器27では、電圧変化検出回路23
と同じようにローパスフイルターLPFと減算器により低
次周波分を取り除いた電圧変化分のみとして信号を出力
するようにしてある。本実施例においては、フイーダF1
とF2が同じバンクであれば、零相電圧導出回路4と4′
の出力において、低次周波数分は全く等しいため、差分
回路26の出力は劣化による電圧変化分のみが出力される
ため、起動の検出レベルを小さくすることができ、感度
の高い検出器とすることができる。
このときは零相キャリヤ伝送方式等の低周波信号を利
用した電力線搬送方式を適用した系統に於いても零相キ
ャリヤ信号に左右されない高感度検出器とする事が出来
る事を示している。尚、第5図から第7図において、大
地間電圧を分圧して取出すために、第5図では各相ごと
にコンデンサを設置し、第6図と第7図では各相ごとに
コンデンサと可変抵抗の直列回路としたが、これは以下
のようにしてもよい。つまり、この構成は各相ごとにコ
ンデンサの直列回路を形成するとともに、大地側コンデ
ンサCに並列に可変抵抗Rを設置する。これによりこの
回路は、高周波成分に対しては直列コンデンサ回路とし
て作動し、比較的低周波成分に対しては抵抗回路として
作動させることができる。
用した電力線搬送方式を適用した系統に於いても零相キ
ャリヤ信号に左右されない高感度検出器とする事が出来
る事を示している。尚、第5図から第7図において、大
地間電圧を分圧して取出すために、第5図では各相ごと
にコンデンサを設置し、第6図と第7図では各相ごとに
コンデンサと可変抵抗の直列回路としたが、これは以下
のようにしてもよい。つまり、この構成は各相ごとにコ
ンデンサの直列回路を形成するとともに、大地側コンデ
ンサCに並列に可変抵抗Rを設置する。これによりこの
回路は、高周波成分に対しては直列コンデンサ回路とし
て作動し、比較的低周波成分に対しては抵抗回路として
作動させることができる。
以上、第5図から第7図を用いて配電線上に設置され
るセンサ1の構成について示したが、このうち第6図並
びに第7図(b)では零相電圧信号V0に含まれるパルス
状成分を導出するためにフイルターHPF,BPFを使用して
いるが、これらフイルターの検出する周波数帯域は配電
線の周囲環境に存在する他の周波数成分を除外するもの
である必要がある。つまり、本発明では、配電線機器の
劣化に伴なう微少な信号を検出するものであるために、
配電線周囲環境に存在する各種電波ノイズ等を検出する
ものであつてはならない。
るセンサ1の構成について示したが、このうち第6図並
びに第7図(b)では零相電圧信号V0に含まれるパルス
状成分を導出するためにフイルターHPF,BPFを使用して
いるが、これらフイルターの検出する周波数帯域は配電
線の周囲環境に存在する他の周波数成分を除外するもの
である必要がある。つまり、本発明では、配電線機器の
劣化に伴なう微少な信号を検出するものであるために、
配電線周囲環境に存在する各種電波ノイズ等を検出する
ものであつてはならない。
第15図(a)は、従来より放送あるいは通信に使用さ
れている周波数帯域を示したものであり、これによれ
ば、300KHz〜1014Hz位の所がこのために使用され、これ
らの範囲に本発明のフイルターの周波数帯域を設定する
ことは、これらのノイズと区別する上で得策でない。10
14Hz以上の領域は使用可能であるが、配電線上に設ける
ための簡便なフイルターとしては適さない。このため、
実用上は300KHz以下とならざるを得ないが、この範囲を
第15図(b)に示すように、実際には更に限定される。
つまり、同図において200KHz〜300KHzは電力線搬送方式
の保護継電装置のキヤリヤとして使用される帯域であ
り、200KHz以下の領域に設定されるべきである。また下
限については、5KHz以下では配電線のノイズが多くなる
ので、本発明の周波数帯域は5KHz〜200KHzに設定される
べきである。尚、フイルター後段の増幅器は300KHzを越
えると簡便なる製作が困難となるため、これらの事情も
考え併せると、更に望ましくは5〜30KHzとすべきであ
る。
れている周波数帯域を示したものであり、これによれ
ば、300KHz〜1014Hz位の所がこのために使用され、これ
らの範囲に本発明のフイルターの周波数帯域を設定する
ことは、これらのノイズと区別する上で得策でない。10
14Hz以上の領域は使用可能であるが、配電線上に設ける
ための簡便なフイルターとしては適さない。このため、
実用上は300KHz以下とならざるを得ないが、この範囲を
第15図(b)に示すように、実際には更に限定される。
つまり、同図において200KHz〜300KHzは電力線搬送方式
の保護継電装置のキヤリヤとして使用される帯域であ
り、200KHz以下の領域に設定されるべきである。また下
限については、5KHz以下では配電線のノイズが多くなる
ので、本発明の周波数帯域は5KHz〜200KHzに設定される
べきである。尚、フイルター後段の増幅器は300KHzを越
えると簡便なる製作が困難となるため、これらの事情も
考え併せると、更に望ましくは5〜30KHzとすべきであ
る。
第7図(a),(b)では分圧回路を2つ実装し、ど
ちらのフイーダに劣化が発生しているかを判定すること
を説明したが、第5図、または第6図の構成のものを開
閉器SWの両端に2つ実装してセンサを構成しても同様
に、どちらのフイーダに劣化が発生しているかを判定す
ることができることは明白である。
ちらのフイーダに劣化が発生しているかを判定すること
を説明したが、第5図、または第6図の構成のものを開
閉器SWの両端に2つ実装してセンサを構成しても同様
に、どちらのフイーダに劣化が発生しているかを判定す
ることができることは明白である。
尚、第7図(a)及び(b)で24及び27の検出部はア
ナログ量のままA/D変換して、25へデータ量として取込
んでもよく又、或る一定量以上となつた事を検出して、
劣化信号取込みのトリガー(起動)信号としてもよい。
ナログ量のままA/D変換して、25へデータ量として取込
んでもよく又、或る一定量以上となつた事を検出して、
劣化信号取込みのトリガー(起動)信号としてもよい。
すなわち、配電系統の末端に近い電源系統突合せ個所
の開閉器の所のいずれかで劣化信号を高感度で検出出来
れば、これによつて各センサから一斉にデータを収集す
る事が出来る。
の開閉器の所のいずれかで劣化信号を高感度で検出出来
れば、これによつて各センサから一斉にデータを収集す
る事が出来る。
第8図は、第5図〜第7図の方法で取込まれたデータ
から配電線の劣化ゾーンを判断する判定装置3での判断
状況について示す。
から配電線の劣化ゾーンを判断する判定装置3での判断
状況について示す。
横軸は配電線上の各センサの取付場所の距離関係を示
し、縦軸は各センサの検出値(大きさ)のデータを示
す。
し、縦軸は各センサの検出値(大きさ)のデータを示
す。
劣化点から発生する高周波成分を主体とする零相電圧
は高周波領域ではL,C分布回路と見倣される配電線上を
伝播するが徐々に減衰する事となる。この為、第8図の
如く、劣化点に最も近い点10のデータ値が最大であり、
離れるに従って徐々に小さくなる事明白である。
は高周波領域ではL,C分布回路と見倣される配電線上を
伝播するが徐々に減衰する事となる。この為、第8図の
如く、劣化点に最も近い点10のデータ値が最大であり、
離れるに従って徐々に小さくなる事明白である。
この事は高周波成分の大きさ(第5図)でもそのピー
ク値(第6図)でも同様であると云える。
ク値(第6図)でも同様であると云える。
第9図は、高周波成分を周波数帯毎にその大きさと減
衰の状況を示したものでいずれの周波数帯のデータ群を
とつても、ピーク値は劣化点に近い点10が最大値とな
る。一般に高周波領域でL,C分布定数回路となる配電線
に於いては高い周波数になるほどその減衰が大きくなる
ため、第9図に示すように比較的に低い周波数帯のデー
タV0(HFL)は、高い周波数帯のデータV0(HFH)より
も、なだらかに減衰する。
衰の状況を示したものでいずれの周波数帯のデータ群を
とつても、ピーク値は劣化点に近い点10が最大値とな
る。一般に高周波領域でL,C分布定数回路となる配電線
に於いては高い周波数になるほどその減衰が大きくなる
ため、第9図に示すように比較的に低い周波数帯のデー
タV0(HFL)は、高い周波数帯のデータV0(HFH)より
も、なだらかに減衰する。
第10図は、劣化信号として零相電圧波形に含まれる高
周波成分の割合を示すパターン図である。図において横
軸は周波数、縦軸は信号レベルを示す。
周波成分の割合を示すパターン図である。図において横
軸は周波数、縦軸は信号レベルを示す。
劣化のパターンによつて大別して3つが考えられる。
即ち、全ての周波数を同じ割合で含む(イ)のパターン
と、低周波成分を多く含み、高周波領域に行くに従つて
その割合が低下する(ロ)のパターンと、低周波成分で
は少なく、高周波域に行くに従つて段々増加する(ハ)
のパターンである。
即ち、全ての周波数を同じ割合で含む(イ)のパターン
と、低周波成分を多く含み、高周波領域に行くに従つて
その割合が低下する(ロ)のパターンと、低周波成分で
は少なく、高周波域に行くに従つて段々増加する(ハ)
のパターンである。
第11図は(イ),(ロ),(ハ)のパターン劣化現象
が発生したとき、第9図で示した、距離と大きさのデー
タ分布はどのようになるかを示す概念図で、各(イ),
(ロ),(ハ)について示す。即ち、劣化点10ではいず
れの場合でも、各周波数帯のデータ共最大値を示すが、
その大きさは(イ)ではほぼ同一、(ロ)では、低周波
域が大きく、(ハ)では逆に高周波域が大きい。
が発生したとき、第9図で示した、距離と大きさのデー
タ分布はどのようになるかを示す概念図で、各(イ),
(ロ),(ハ)について示す。即ち、劣化点10ではいず
れの場合でも、各周波数帯のデータ共最大値を示すが、
その大きさは(イ)ではほぼ同一、(ロ)では、低周波
域が大きく、(ハ)では逆に高周波域が大きい。
これ等の事から、判定装置3では学習する事によつて
どの辺でのどのような劣化が生じているかを判定する事
が可能となる。
どの辺でのどのような劣化が生じているかを判定する事
が可能となる。
以下、親装置30内の判定装置3での処理について、第
5図のピーク検出するセンサの場合について説明する。
5図のピーク検出するセンサの場合について説明する。
配電線を監視する判定装置3は、随時または定時に配
電線上に設置した第5図の全てのピーク検出センサ1と
通信を行い、各センサから零相信号に含まれる高周波成
分のピーク値を収集し、当該配電線の劣化ゾーンを判定
する。
電線上に設置した第5図の全てのピーク検出センサ1と
通信を行い、各センサから零相信号に含まれる高周波成
分のピーク値を収集し、当該配電線の劣化ゾーンを判定
する。
第12図(a)に判定装置3の概略処理手順を示す。判
定装置3は、変電所引出口から該配電線末端に散在設置
したセンサ1〜Nに対し、順番に零相信号に含まれる高
周波成分のピーク値VOHを収集する為の通信を行う。該
通信結果により配電線に分布する零相信号に含まれる高
周波成分のピーク値VOHの大きさの状況を第12図(b)
の様にセンサごとに把握し、本図の例では、最大値を示
したセンサ10付近に劣化の徴候があと判定する。
定装置3は、変電所引出口から該配電線末端に散在設置
したセンサ1〜Nに対し、順番に零相信号に含まれる高
周波成分のピーク値VOHを収集する為の通信を行う。該
通信結果により配電線に分布する零相信号に含まれる高
周波成分のピーク値VOHの大きさの状況を第12図(b)
の様にセンサごとに把握し、本図の例では、最大値を示
したセンサ10付近に劣化の徴候があと判定する。
次に、第6図の異なる周波数帯域の複数の周波数成分
をセンサ1で検出する場合の判定装置3の処理について
説明すると、配電線を監視する判定装置3は、随時また
は定時に配電線上に散在設置した全てのセンサと通信を
行い、各センサから零相信号の高次高調波成分を収集し
当該配電線の劣化ゾーンを判定する。
をセンサ1で検出する場合の判定装置3の処理について
説明すると、配電線を監視する判定装置3は、随時また
は定時に配電線上に散在設置した全てのセンサと通信を
行い、各センサから零相信号の高次高調波成分を収集し
当該配電線の劣化ゾーンを判定する。
第13図(a)に判定装置の概略処理手順を示す。判定
装置は変電所引出口から該配電線末端に散在設置したセ
ンサ1〜Nに対し、順番に零相信号に含まれる複数の帯
域の周波数成分VOfHを収集する為の通信を行う。該通信
結果により、配電線に分布するVOfHの大きさの状況を各
周波数帯域の信号に分けて第11図の様に把握し、本図の
例では、センサ10付近に劣化の徴候があると判定する。
ここで劣化点から発生する高周波成分を主体とする零相
信号は、高周波領域ではL,C分布回路と見倣される配電
線上を伝播するため徐々に減衰する事となる。また、こ
の減衰度合は高次になればなる程大きくなるため、例え
ば、2種類VOfH1,VOfH2の高調波成分を収集するなら
ば、第13図(b)の様になり、劣化ゾーンをより確実に
判定する事が出来る。
装置は変電所引出口から該配電線末端に散在設置したセ
ンサ1〜Nに対し、順番に零相信号に含まれる複数の帯
域の周波数成分VOfHを収集する為の通信を行う。該通信
結果により、配電線に分布するVOfHの大きさの状況を各
周波数帯域の信号に分けて第11図の様に把握し、本図の
例では、センサ10付近に劣化の徴候があると判定する。
ここで劣化点から発生する高周波成分を主体とする零相
信号は、高周波領域ではL,C分布回路と見倣される配電
線上を伝播するため徐々に減衰する事となる。また、こ
の減衰度合は高次になればなる程大きくなるため、例え
ば、2種類VOfH1,VOfH2の高調波成分を収集するなら
ば、第13図(b)の様になり、劣化ゾーンをより確実に
判定する事が出来る。
更に、各地点から零相信号波形そのものを判定装置3
へ伝送する時は次のような方法によつても、効果的に劣
化点を判定する事が出来る。
へ伝送する時は次のような方法によつても、効果的に劣
化点を判定する事が出来る。
すなわち、配電線を監視する判定装置3は、周期的に
当該配電線の連なる変電所母線に於ける零相信号をセン
サ4からと配電線上に散在設置したセンサ1,1′,1″…
からの零相信号とを比較し同時刻の瞬時値の差動分によ
り、当該配電線の劣化ゾーンを判定する。すなわち、劣
化点から発生する高周波成分を主体とする零相信号(単
発的なパルス状V0電圧のピーク値の大きさでもよいが以
下、高周波成分と称する。)は、高周波領域ではL,C分
布回路と見倣される配電線上を伝播するため徐々に減衰
する事となる。従つて、劣化点に最も近い場所に設置し
たセンサの零相信号に高周波成分が最も含まれる事にな
る。つまり、同一配電線系統の2地点に於ける同時刻の
零相信号の差分を導出する事により、高周波分を瞬時値
として検出する事となり、その大きさの分布から劣化ゾ
ーンが判定可能なる。この場合の判定装置3の概略処理
手順の一例を第14図に示す。判定装置3は劣化状況を監
視する時刻Tを決め、当該時刻Tでの変電所母線に於け
る零相信号を収集し格納する。その後、各センサとの通
信により時刻Tでの零相信号の大きさを収集する。ここ
で、変電所母線とセンサからの零相信号の大きさを比較
減算する事により、高周波成分の大きさの差異を検出す
る。前述の様に劣化点から遠ざかれば遠ざかる程、高周
波成分は減衰するので、全てのセンサからの零相信号に
ついて上記比較演算を実施する事により、劣化の有無,
劣化ゾーンの判定が可能となる。尚、この様な実施例に
よれば、収集した零相信号をそのまま用いて、比較演算
を行うので、零相電圧を信号分とする電力線搬送による
伝送(例えば零相キヤリヤ伝送方式)を実施中であつて
も伝送信号自身は低周波であるため差引かれるので、何
ら影響を受ける事なく、劣化ゾーンの判定が可能であ
る。
当該配電線の連なる変電所母線に於ける零相信号をセン
サ4からと配電線上に散在設置したセンサ1,1′,1″…
からの零相信号とを比較し同時刻の瞬時値の差動分によ
り、当該配電線の劣化ゾーンを判定する。すなわち、劣
化点から発生する高周波成分を主体とする零相信号(単
発的なパルス状V0電圧のピーク値の大きさでもよいが以
下、高周波成分と称する。)は、高周波領域ではL,C分
布回路と見倣される配電線上を伝播するため徐々に減衰
する事となる。従つて、劣化点に最も近い場所に設置し
たセンサの零相信号に高周波成分が最も含まれる事にな
る。つまり、同一配電線系統の2地点に於ける同時刻の
零相信号の差分を導出する事により、高周波分を瞬時値
として検出する事となり、その大きさの分布から劣化ゾ
ーンが判定可能なる。この場合の判定装置3の概略処理
手順の一例を第14図に示す。判定装置3は劣化状況を監
視する時刻Tを決め、当該時刻Tでの変電所母線に於け
る零相信号を収集し格納する。その後、各センサとの通
信により時刻Tでの零相信号の大きさを収集する。ここ
で、変電所母線とセンサからの零相信号の大きさを比較
減算する事により、高周波成分の大きさの差異を検出す
る。前述の様に劣化点から遠ざかれば遠ざかる程、高周
波成分は減衰するので、全てのセンサからの零相信号に
ついて上記比較演算を実施する事により、劣化の有無,
劣化ゾーンの判定が可能となる。尚、この様な実施例に
よれば、収集した零相信号をそのまま用いて、比較演算
を行うので、零相電圧を信号分とする電力線搬送による
伝送(例えば零相キヤリヤ伝送方式)を実施中であつて
も伝送信号自身は低周波であるため差引かれるので、何
ら影響を受ける事なく、劣化ゾーンの判定が可能であ
る。
以上、配電線に分散設置したセンサからの零相信号に
より、劣化ゾーンを特定化する判定装置3について第12
図から第14図に記したが、この判定装置3は常時又は定
時に収集する各センサからの情報により判定した劣化ゾ
ーンについてその都度出力する。具体的には第1図
(b)(c)の親装置において出力方法として、フロツ
ピーディスク43等の記憶装置,プリンター34,画面表示
(CRT35),ランプ表示(配電系統盤42)等に出力する
ことが挙げられるが、出力した内容は判定装置に記憶さ
れるとともに、劣化ゾーンとして判定した回数並びに間
隔さらにその他の有意の情報等をも前記出力処理時に併
せて出力する。
より、劣化ゾーンを特定化する判定装置3について第12
図から第14図に記したが、この判定装置3は常時又は定
時に収集する各センサからの情報により判定した劣化ゾ
ーンについてその都度出力する。具体的には第1図
(b)(c)の親装置において出力方法として、フロツ
ピーディスク43等の記憶装置,プリンター34,画面表示
(CRT35),ランプ表示(配電系統盤42)等に出力する
ことが挙げられるが、出力した内容は判定装置に記憶さ
れるとともに、劣化ゾーンとして判定した回数並びに間
隔さらにその他の有意の情報等をも前記出力処理時に併
せて出力する。
つまり、検出されたパルス信号の存在は、前記予知信
号としてのもののほかに、アレスターなどの配電線保護
設備が動作した時や、襲雷サージなどによる一過性のノ
イズあるいは、各種の信号ノイズ等の時にも存在し、劣
化ゾーンを見誤る様な状況が発生し得ることから、この
ため、その他の有意な判断の情報として (1)検出時刻の天候(襲雷時,台風etc) (2)当該ゾーンが1〜数回短時間検出され、長期に亘
つては、劣化ゾーンと検出されない。
号としてのもののほかに、アレスターなどの配電線保護
設備が動作した時や、襲雷サージなどによる一過性のノ
イズあるいは、各種の信号ノイズ等の時にも存在し、劣
化ゾーンを見誤る様な状況が発生し得ることから、この
ため、その他の有意な判断の情報として (1)検出時刻の天候(襲雷時,台風etc) (2)当該ゾーンが1〜数回短時間検出され、長期に亘
つては、劣化ゾーンと検出されない。
(3)劣化ゾーンが移動する(自動車ノイズ)等につい
ても出力し、運転員が劣化とは異なるという判断をしや
すくなる。
ても出力し、運転員が劣化とは異なるという判断をしや
すくなる。
換言すると、 『同一の付近が、ある程度の時間的間隔を置いて何回
か発生する。』という状況により、配電線に劣化が発生
している事を人為的に判断し易くしてやり、劣化ゾーン
の探索に当たるに必要な、監視結果を出力するという事
である。尚、例えば、同じゾーンをN回検出したら出力
する、或いは、T時間(日,月の間隔でも良い)以内
に、2回以上検出したゾーンについて出力する等の条件
を加える事は、本発明の応用例にすぎない。
か発生する。』という状況により、配電線に劣化が発生
している事を人為的に判断し易くしてやり、劣化ゾーン
の探索に当たるに必要な、監視結果を出力するという事
である。尚、例えば、同じゾーンをN回検出したら出力
する、或いは、T時間(日,月の間隔でも良い)以内
に、2回以上検出したゾーンについて出力する等の条件
を加える事は、本発明の応用例にすぎない。
更に、判定装置3に配電線の各部位の特徴を登録する
事により、前述の有意な情報の出力を充実させる事がで
きる。
事により、前述の有意な情報の出力を充実させる事がで
きる。
すなわち、 (イ) 樹木接触の可能性の有る地区の表示、 (ロ) 重塩害地区 (ハ) 配電設備(柱上Tr,柱上開閉器,カツトアウトS
Wなど) (ニ) 配電線の太さ (ホ) 地絡事故発生来歴有り 等を入力する事により、CRT41の出力等に入力したコメ
ントを付加し、運転員の判断を助成可能とする。
Wなど) (ニ) 配電線の太さ (ホ) 地絡事故発生来歴有り 等を入力する事により、CRT41の出力等に入力したコメ
ントを付加し、運転員の判断を助成可能とする。
将来、この種の情報を判定装置が自動的に駆使する
(いわゆるオート機能)ようにしていくのも本発明の応
用例である。
(いわゆるオート機能)ようにしていくのも本発明の応
用例である。
尚、本発明は単に劣化を予知しその区域を特定し出力
するというに止まらず、この結果に基づき例えば親装置
30からの指示により以下の配電線運用をすることが有効
である。
するというに止まらず、この結果に基づき例えば親装置
30からの指示により以下の配電線運用をすることが有効
である。
その1つは、配電線の常開点を劣化検出点の付近に移
動しておくことであり、これにより劣化検出点をより具
体的に特定でき、さらには劣化部の修復以前に地絡事故
が発生した場合に、フイーダの遮断器トリツプによる停
電区間を縮少できるという効果がある。第16図は、通常
の配電線を示しており、開閉器SW1〜12までが母線B1か
ら給電され、開閉器20〜30が母線B2から給電されてい
る。常開点は開閉器SW−0であり、フイーダーF1とF2を
切り離している。ここで、ここに示した開閉器SWは保護
機能付きのものであり、センサがこの単位ごとに付加さ
れるものとする。そして、この開閉器間の距離は通常1
〜3kmである。さらに、その上これらの開閉器間には多
数の手動の開閉器が設置されている。このため、仮りに
開閉器SW−10に設置したセンサからの信号により、この
点が微地絡を発生していると判定できたとしても、具体
的にどこかとなると、その周辺を調査する必要がある。
このため実際には、SW−9〜SW−11の間ということにな
る。ところで、上記のように常開点をSW−10に移して
(SW−0を閉じ、SW−10を切る)おけば、次に発生した
微地絡パルス信号の最大値がSW−9で観測されたとする
と、これはSW−10とSW−9の間(SW−9とSW−10を含ま
ず)と判断され、劣化推定範囲を更に限定できる。また
その直後に地絡が発生したとしてもSW−10〜SW−0の間
の停電が防止できる。そして、このようにして劣化区間
が特定できたときは、この区間の配電線や各種機器を全
て交換してしまうというのも有効である。尚、常開点の
切替え(現在常開点となつている開閉器を一旦投入し、
センサ10付近の開閉器を開放する)は、一時的に配電系
統をループさせる事になり、保護上、上記ループ状態は
出来るだけ短時間にとどめる必要がある。
動しておくことであり、これにより劣化検出点をより具
体的に特定でき、さらには劣化部の修復以前に地絡事故
が発生した場合に、フイーダの遮断器トリツプによる停
電区間を縮少できるという効果がある。第16図は、通常
の配電線を示しており、開閉器SW1〜12までが母線B1か
ら給電され、開閉器20〜30が母線B2から給電されてい
る。常開点は開閉器SW−0であり、フイーダーF1とF2を
切り離している。ここで、ここに示した開閉器SWは保護
機能付きのものであり、センサがこの単位ごとに付加さ
れるものとする。そして、この開閉器間の距離は通常1
〜3kmである。さらに、その上これらの開閉器間には多
数の手動の開閉器が設置されている。このため、仮りに
開閉器SW−10に設置したセンサからの信号により、この
点が微地絡を発生していると判定できたとしても、具体
的にどこかとなると、その周辺を調査する必要がある。
このため実際には、SW−9〜SW−11の間ということにな
る。ところで、上記のように常開点をSW−10に移して
(SW−0を閉じ、SW−10を切る)おけば、次に発生した
微地絡パルス信号の最大値がSW−9で観測されたとする
と、これはSW−10とSW−9の間(SW−9とSW−10を含ま
ず)と判断され、劣化推定範囲を更に限定できる。また
その直後に地絡が発生したとしてもSW−10〜SW−0の間
の停電が防止できる。そして、このようにして劣化区間
が特定できたときは、この区間の配電線や各種機器を全
て交換してしまうというのも有効である。尚、常開点の
切替え(現在常開点となつている開閉器を一旦投入し、
センサ10付近の開閉器を開放する)は、一時的に配電系
統をループさせる事になり、保護上、上記ループ状態は
出来るだけ短時間にとどめる必要がある。
具体的な手段としては、 (1)現在の常開点とセンサ10付近の開閉器設置場所
に、作業者を夫々配置し、無線等で連絡をとり合い、
「常開点の投入」→「センサ10付近の開閉器開放」を迅
速に行う。
に、作業者を夫々配置し、無線等で連絡をとり合い、
「常開点の投入」→「センサ10付近の開閉器開放」を迅
速に行う。
(2)開閉器制御について、遠制化(有線方式であろう
と搬送方式であろうと構わない)されていれば、営業所
(遠制親装置)から常開点の切替えを行う。
と搬送方式であろうと構わない)されていれば、営業所
(遠制親装置)から常開点の切替えを行う。
等があるが、これら上述の操作を運転員の判断により実
施しても良い。この理由としては、常開点の切替えは系
統の運用状態を変える事であり、配電線の各部での負荷
電流状態を把握し、負荷融通の可否等を意識した上で実
施する必要があるからである。本件についは、配電自動
化システムとして全ての開閉器が遠制化され、負荷分
布,負荷融通処理,工事作業計画等を組込んだシステム
が構築されたならば、記録を残し乍ら自動的に実施する
事が可能である。
施しても良い。この理由としては、常開点の切替えは系
統の運用状態を変える事であり、配電線の各部での負荷
電流状態を把握し、負荷融通の可否等を意識した上で実
施する必要があるからである。本件についは、配電自動
化システムとして全ての開閉器が遠制化され、負荷分
布,負荷融通処理,工事作業計画等を組込んだシステム
が構築されたならば、記録を残し乍ら自動的に実施する
事が可能である。
尚、本発明の上記説明は、零相信号として、零相電圧
を例にとり説明したが、零相電流を用いても同様に行な
い得ることは言うまでもない。
を例にとり説明したが、零相電流を用いても同様に行な
い得ることは言うまでもない。
本発明によれば、三相電力線の系統内において、特定
の場所で電力線の劣化が発生しているかを判定すること
が可能になり、これにより事故発生前に特定の場所の劣
化現象を減少できるので、大規模な電力系統においても
電力線の保守,点検の労力を少なくすることができる効
果がある。
の場所で電力線の劣化が発生しているかを判定すること
が可能になり、これにより事故発生前に特定の場所の劣
化現象を減少できるので、大規模な電力系統においても
電力線の保守,点検の労力を少なくすることができる効
果がある。
第1図は、本発明の概略構成を示す図、第2図は本発明
の地絡前駆現象を説明するための図、第3図は地絡事故
時の零相信号を示す図、第4図は前駆現象と事故現象を
比較する図、第5図から第7図はセンサの一例を示す
図、第8図から第11図は劣化点特定の考え方を示す図、
第12図から第14図は判定装置の処理を示す図、第15図は
本発明のフイルターで使用可能な周波数帯域を示す図、
第16図は常開点の切替説明図である。 1……センサ、2……通信線路、3……判定装置、4…
…零相電圧導出回路、5……起動検出器、6……通信
部。
の地絡前駆現象を説明するための図、第3図は地絡事故
時の零相信号を示す図、第4図は前駆現象と事故現象を
比較する図、第5図から第7図はセンサの一例を示す
図、第8図から第11図は劣化点特定の考え方を示す図、
第12図から第14図は判定装置の処理を示す図、第15図は
本発明のフイルターで使用可能な周波数帯域を示す図、
第16図は常開点の切替説明図である。 1……センサ、2……通信線路、3……判定装置、4…
…零相電圧導出回路、5……起動検出器、6……通信
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西島 一夫 茨城県日立市国分町1丁目1番1号 株 式会社日立製作所国分工場内 (72)発明者 中村 満 茨城県日立市国分町1丁目1番1号 株 式会社日立製作所国分工場内 (72)発明者 永井 一 東京都千代田区神田駿河台4丁目6番地 株式会社日立製作所内 (56)参考文献 特開 平1−209388(JP,A) 特開 昭59−15870(JP,A) 特開 昭54−155442(JP,A) 特開 昭55−44976(JP,A) 特開 昭57−179764(JP,A) 特公 昭53−29816(JP,B2) 特公 昭46−35465(JP,B1)
Claims (4)
- 【請求項1】三相電力線の劣化を判定する電力線の劣化
判定方法において、前記電力線の複数地点について、前
記電力線の零相信号の高周波成分を検出すること、高周
波成分が変動した前記複数地点の中から、前記高周波成
分が最も大きな値を示した特定地点を検出することによ
り、該特定地点の近傍で電力線に劣化が発生したことを
判定する電力線の劣化判定方法。 - 【請求項2】特許請求の範囲第1項の電力線の劣化判定
方法において、前記高周波成分として5kHz乃至200kHzの
範囲内の成分を検出することを特徴とする電力線の劣化
判定方法。 - 【請求項3】三相電力線の劣化を判定する電力線の劣化
判定装置において、前記電力線の複数地点について、前
記電力線の零相信号の高周波数分を検出する手段と、高
周波成分が変動した前記複数地点の中から、前記高周波
成分が最も大きな値を示した特定地点を検出する検出手
段を備えることにより、該特定地点の近傍で電力線に劣
化が発生したことを判定する電力線の劣化判定装置。 - 【請求項4】特許請求の範囲第3項の電力線の劣化判定
装置において、前記高周波成分検出手段は5kHz乃至200k
Hzの範囲の高調波成分を検出することを特徴とする電力
線の劣化判定装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1217366A JP3039936B2 (ja) | 1989-08-25 | 1989-08-25 | 電力線の劣化判定方法及びその装置 |
DE4026428A DE4026428C2 (de) | 1989-08-25 | 1990-08-21 | Einrichtung zum Feststellen einer Isolationsverschlechterung an einer Kraftstromleitung |
KR1019900013092A KR100238895B1 (ko) | 1989-08-25 | 1990-08-24 | 3상 전력선의 열화판정 장치 |
CN90107791A CN1017829B (zh) | 1989-08-25 | 1990-08-25 | 确定电力线接地故障前兆的方法及系统 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1217366A JP3039936B2 (ja) | 1989-08-25 | 1989-08-25 | 電力線の劣化判定方法及びその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0382326A JPH0382326A (ja) | 1991-04-08 |
JP3039936B2 true JP3039936B2 (ja) | 2000-05-08 |
Family
ID=16703051
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1217366A Expired - Fee Related JP3039936B2 (ja) | 1989-08-25 | 1989-08-25 | 電力線の劣化判定方法及びその装置 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3039936B2 (ja) |
KR (1) | KR100238895B1 (ja) |
CN (1) | CN1017829B (ja) |
DE (1) | DE4026428C2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7592997B2 (ja) | 2020-03-24 | 2024-12-03 | 株式会社戸上電機製作所 | 地絡継電器、地絡要因推定方法、プログラム、及び推定基準生成方法 |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100418195B1 (ko) * | 2001-07-05 | 2004-02-11 | 주식회사 우리기술 | 전력케이블의 다중절연진단장치 및 그 방법 |
KR100719138B1 (ko) | 2007-03-15 | 2007-05-18 | 주식회사 젤파워 | 수배전 설비 고장 진단 방법 |
JP2015073237A (ja) * | 2013-10-04 | 2015-04-16 | 株式会社東芝 | 通信システム及び通信装置 |
KR101762505B1 (ko) | 2015-09-14 | 2017-07-28 | 아주대학교산학협력단 | 케이블 검사 장치 |
CN110705038B (zh) * | 2019-09-10 | 2023-09-26 | 国网浙江省电力有限公司嘉兴供电公司 | 一种高压断路器生命周期评估及故障预警方法 |
CN110673024B (zh) * | 2019-09-10 | 2022-05-13 | 国网浙江省电力有限公司嘉兴供电公司 | 一种基于电力物联网的高压断路器故障预警方法 |
JP2021081398A (ja) * | 2019-11-22 | 2021-05-27 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 異常検知システム、分電盤、異常検知方法、及びプログラム |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54155442A (en) * | 1978-05-29 | 1979-12-07 | Nissin Electric Co Ltd | Insulation deterioration detector for electric appliances |
JPS5544976A (en) * | 1978-09-27 | 1980-03-29 | Sumitomo Electric Ind Ltd | Trouble shooter for power cable |
JPS5720779A (en) * | 1980-07-11 | 1982-02-03 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Image display unit |
JPS5720778A (en) * | 1980-07-11 | 1982-02-03 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Image display unit |
JPS5915870A (ja) * | 1982-07-16 | 1984-01-26 | Mitsubishi Electric Corp | 部分放電測定装置 |
DE3636367C2 (de) * | 1986-10-25 | 1995-07-13 | Licentia Gmbh | Verfahren und Vorrichtung zur Feststellung der Entfernung und der Richtung von Erdschlüssen in isolierten und kompensierten Starkstromnetzen |
GB8727490D0 (en) * | 1987-11-24 | 1987-12-23 | Nat Res Dev | Detecting faults in transmission circuits |
-
1989
- 1989-08-25 JP JP1217366A patent/JP3039936B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1990
- 1990-08-21 DE DE4026428A patent/DE4026428C2/de not_active Expired - Fee Related
- 1990-08-24 KR KR1019900013092A patent/KR100238895B1/ko not_active IP Right Cessation
- 1990-08-25 CN CN90107791A patent/CN1017829B/zh not_active Expired
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7592997B2 (ja) | 2020-03-24 | 2024-12-03 | 株式会社戸上電機製作所 | 地絡継電器、地絡要因推定方法、プログラム、及び推定基準生成方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE4026428A1 (de) | 1991-02-28 |
DE4026428C2 (de) | 1994-10-13 |
KR910005059A (ko) | 1991-03-29 |
JPH0382326A (ja) | 1991-04-08 |
CN1049761A (zh) | 1991-03-06 |
CN1017829B (zh) | 1992-08-12 |
KR100238895B1 (ko) | 2000-01-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN107179492B (zh) | 在线绝缘监测式阻性漏电电气火灾监控探测装置 | |
US5659453A (en) | Arc burst pattern analysis fault detection system | |
AU673298B2 (en) | Load analysis system for fault detection | |
US8174268B2 (en) | Protective relay monitoring system and method of comparing behavior patterns | |
KR101303597B1 (ko) | 활선 절연저항 측정 장치 | |
US7200502B2 (en) | Dual connection power line parameter analysis method and system | |
CN109917230B (zh) | 中性点含电阻接地配电网接地故障监测保护一体化方法 | |
US7777498B2 (en) | Networked power line parameter analysis method and system | |
JP3039936B2 (ja) | 電力線の劣化判定方法及びその装置 | |
CN107290583A (zh) | 一种变压器高频局部放电与工频接地电流联合监测装置 | |
KR100978459B1 (ko) | 초고압 전력 케이블용 부분방전 카운터 | |
CN113805010A (zh) | 一种配电网单相接地故障的研判方法及系统 | |
JP3082132B2 (ja) | 高電圧機器の絶縁状態監視装置 | |
EP1707969A1 (en) | Power line parameter analysis method and system | |
CN214795067U (zh) | 故障全感知终端 | |
JPH09127181A (ja) | 電力設備のコロナ放電検出装置 | |
CN106019063A (zh) | 故障指示器和故障检测方法 | |
KR100888902B1 (ko) | 저압 전로의 활선 절연감시장치 | |
CN115469193A (zh) | 高压电缆故障预警及定位系统 | |
CN208092182U (zh) | 一种电缆中间头局部放电在线监测系统 | |
CN207020237U (zh) | 一种变压器高频局部放电与工频接地电流联合监测装置 | |
KR200318656Y1 (ko) | 중성점 전류정보에 의한 전력용 콘덴서 뱅크 진단장치 | |
JPH0894698A (ja) | 中性点非接地高圧配電系統における間欠弧光地絡区間標定方法及びその標定システム | |
JP3546396B2 (ja) | 高圧配電系統における地絡判別装置 | |
US20240429701A1 (en) | Method for checking the adequacy at the residual currents of differential circuit breakers |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090303 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |