[go: up one dir, main page]

JP3025743B2 - 硬質炭素被膜形成装置 - Google Patents

硬質炭素被膜形成装置

Info

Publication number
JP3025743B2
JP3025743B2 JP6119224A JP11922494A JP3025743B2 JP 3025743 B2 JP3025743 B2 JP 3025743B2 JP 6119224 A JP6119224 A JP 6119224A JP 11922494 A JP11922494 A JP 11922494A JP 3025743 B2 JP3025743 B2 JP 3025743B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
plasma
intermediate layer
vacuum chamber
hard carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6119224A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0770756A (ja
Inventor
均 平野
慶一 蔵本
洋一 堂本
精一 木山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP6119224A priority Critical patent/JP3025743B2/ja
Priority to KR1019940016062A priority patent/KR100325560B1/ko
Publication of JPH0770756A publication Critical patent/JPH0770756A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3025743B2 publication Critical patent/JP3025743B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気かみそり等の刃
物、及び薄膜ヘッド半導体材料の表面に硬質炭素被膜を
形成するための装置に関するものであり、特にバイアス
プラズマCVD法により硬質炭素被膜を形成するための
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、バイアスプラズマCVD法により
硬質炭素被膜を形成するための装置としては、特開平3
−175620号公報に示された装置が知られている。
この装置は、ECR(電子サイクロトロン共鳴)プラズ
マCVD装置を用いたバイアスプラズマCVD法により
基板上に硬質炭素被膜であるダイヤモンド状被膜を形成
する装置である。
【0003】図12は、このような従来のダイヤモンド
状被膜を形成する装置を示す模式図である。図12を参
照して、マイクロ波供給手段1で発生されたマイクロ波
は、導波管2、マイクロ波導入窓3を通って、プラズマ
発生室4に導かれる。プラズマ発生室4には、アルゴン
(Ar)ガスなどの放電ガスを導入させるための放電ガ
ス導入管5が設けられている。またプラズマ発生室4の
周囲には、プラズマ磁界発生装置6が設けられている。
マイクロ波による高周波磁界とプラズマ磁界発生装置6
からの磁界の作用により、プラズマ発生室4に高密度の
プラズマが形成される。このプラズマは、プラズマ磁界
発生装置6による発散磁界に沿って、基板7を配置した
真空チャンバ8に導かれる。
【0004】真空チャンバ8内には、原料ガスとしての
メタン(CH4 )ガスを導入させるための反応ガス導入
管9が設けられている。この反応ガス導入管9により真
空チャンバ8内に導入されたメタンガスは、プラズマの
作用により分解され、炭素被膜が形成される。チャンバ
8の外部には、例えば13.56MHzの高周波電源1
0が設けられており、この高周波電源10により、所定
の高周波電圧(RF電圧)が基板ホルダ11に印加され
ており、それによって基板7に負の自己バイアスを発生
させている。プラズマ中におけるイオンの移動速度は電
子に比べて遅いため、RF電圧印加中の電位の振れに対
して、電子は追随するが、イオンは追随できない。従っ
て、RF電圧を基板7に印加することにより、基板7に
電子が多く放射され、基板7に負の自己バイアスが発生
する。従って、プラズマ中の正イオンが引き込まれ、基
板7上にダイヤモンド状被膜が形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の装置
では、真空チャンバ内の基板ホルダに基板を装着させた
後、真空排気を行って被膜形成処理を行っている。従っ
て、1回の処理で被膜形成できる基板の枚数は、1枚、
あるいは多くとも2枚が限度であった。
【0006】また、従来の装置では、基板ホルダに装着
された被膜形成部分以外の基板の近傍で放電が発生し、
この放電によって基板の温度が上昇するという問題があ
った。
【0007】本発明の目的は、複数の基板を1回のプロ
セスによって同時に処理することができるとともに、基
板の過度の温度上昇を防ぎ、基板上に硬質炭素被膜を形
成させることができる硬質炭素被膜形成装置を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の硬質炭素被膜形
成装置は、基板上に硬質炭素被膜を形成するための装置
であり、真空チャンバと、真空チャンバ内に回転自在に
設けられる基板ホルダと、基板ホルダの周面を囲むよう
に設けられその一部に開口部を有するシールドカバー
と、真空チャンバ内にプラズマを発生させ該プラズマを
開口部を介して基板に向けて放射するプラズマ発生手段
と、プラズマ発生手段からのプラズマ中に炭素を含む反
応ガスを供給する反応ガス導入手段と、基板に発生する
自己バイアスが負となるように高周波電圧を基板ホルダ
に印加する高周波電源とを備えている。
【0009】本発明の第1の局面に従う硬質炭素被膜形
成装置は、基板上に中間層を形成し、該中間層の上に硬
質炭素被膜を形成するための装置であり、真空チャンバ
と、真空チャンバ内に回転自在に設けられる基板ホルダ
と、基板ホルダの周面を囲むように設けられその一部に
第1及び第2開口部を有するシールドカバーと、真空チ
ャンバ内にプラズマを発生させ該プラズマを第1開口部
を介して基板に向けて放射するプラズマ発生手段と、プ
ラズマ発生手段からのプラズマ中に炭素を含む反応ガス
を供給する反応ガス導入手段と、基板に発生する自己バ
イアスが負となるように高周波電圧を基板ホルダに印加
する高周波電源と、真空チャンバ内に設けられ第2開口
部を介して基板に向けて中間層を構成する材料原子を放
射する中間層形成手段とを備えている。
【0010】本発明の第2の局面に従う装置は、上記第
1の局面に従う装置であり、中間層形成手段が、真空チ
ャンバ内に設けられ第2開口部を介して基板に向けて中
間層を構成する材料原子を放射する蒸発源と、蒸発源か
らの材料原子の放射と同時に第2開口部を介して基板に
向けて不活性ガスのイオンを放射するイオンガンとを備
えることを特徴としている。
【0011】本発明の第3の局面に従う装置は、上記第
1の局面に従う装置であり、中間層形成手段が、真空チ
ャンバ内に設けられ中間層を構成する材料原子を第2開
口部を介して基板に向けてスパッタするため該材料原子
からなるターゲットと、ターゲットをスパッタするため
にターゲットに向けて不活性ガスのイオンを放射するイ
オンガンとを備えることを特徴としている。
【0012】本発明において、プラズマ発生手段とし
て、好ましくは、電子サイクロトロン共鳴プラズマCV
D装置が用いられる。本発明において、シールドカバー
は、好ましくは、基板ホルダの周面から気体分子の平均
自由行程以下の距離隔てて設けられる。また、さらに好
ましくは、シールドカバーは、基板ホルダの周面から気
体分子の平均自由行程の1/10以下の距離隔てて設け
られる。
【0013】また、本発明において、シールドカバー
は、好ましくは、所定電位に保持され、さらに好ましく
は接地されている。本発明において、中間層を形成する
材料原子は、例えば、Si、Ru、炭素、Ge、または
これらの元素と炭素、窒素及び酸素のうちの少なくとも
1種の元素との混合物であり、例えば、NiまたはAl
を主成分とする金属もしくは合金、またはステンレス鋼
からなる基板の上に、このような中間層を介して硬質炭
素被膜が形成される。
【0014】本発明における硬質炭素被膜の概念は、結
晶質のダイヤモンド及び非晶質のダイヤモンド状被膜を
含むものである。
【0015】
【作用】本発明の装置は、真空チャンバ内に回転自在に
設けられる基板ホルダを備えている。従って、この基板
ホルダに基板を複数装着することができ、一回の真空排
気によって処理できる基板の個数を増大させることがで
きる。
【0016】本発明においては、基板ホルダの周面を囲
むようにシールドカバーが設けられており、該シールド
カバーの開口部を介してプラズマ発生手段からのプラズ
マが放射され、基板上に硬質炭素被膜が形成される。こ
のようなシールドカバーにより、被膜が形成される箇所
以外での放電の発生を防止することができ、基板の温度
上昇を抑えることができる。
【0017】本発明の第1の局面では、シールドカバー
の第2開口部を介して基板に向けて中間層を構成する材
料原子を放射する中間層形成手段が設けられている。従
って、1回の真空排気によって、中間層の形成と、硬質
炭素被膜の形成を行うことができる。また硬質炭素被膜
の形成と、中間層の形成をそれぞれ個別に制御すること
ができる。従って、基板上に所望の中間層を形成した
後、硬質炭素被膜を形成することができる。
【0018】また、中間層形成の際、第1開口部を介し
てのプラズマCVD法による炭素被膜の堆積と、第2開
口部を介しての中間層を構成する材料原子の堆積とを交
互に繰り返すことにより、中間層の材料組成比を所望の
通りに制御することができる。従って、中間層の材料組
成比を、硬質炭素被膜に近づくにつれ、徐々に硬質炭素
被膜の組成に近づく傾斜構造にすることができる。この
ような傾斜構造を有する中間層を形成することにより、
基板と硬質炭素被膜との間の密着性をさらに向上させる
ことが可能となる。
【0019】
【実施例】図1は、本発明の一実施例における硬質炭素
被膜形成のための装置を示す概略断面図である。図1を
参照して、真空チャンバ8には、プラズマ発生室4が設
けられている。プラズマ発生室4には、導波管2の一端
が取り付けられており、導波管2の他端には、マイクロ
波供給手段1が設けられている。マイクロ波供給手段1
で発生したマイクロ波は、導波管2及びマイクロ波導入
窓3を通って、プラズマ発生室4に導かれる。プラズマ
発生室4には、プラズマ発生室4内にアルゴン(Ar)
ガスなどの放電ガスを導入させるための放電ガス導入管
5が設けられている。またプラズマ発生室4の周囲に
は、プラズマ磁界発生装置6が設けられている。マイク
ロ波による高周波磁界と、プラズマ磁界発生装置6から
の磁界を作用させることにより、プラズマ発生室4内に
高密度のプラズマが形成される。
【0020】真空チャンバ8内には筒状の基板ホルダ1
2が設けられいる。この筒状の基板ホルダ12は、真空
チャンバ8の壁面に対し垂直に設けられた軸(図示せ
ず)のまわりに回転自在に設けられている。基板ホルダ
12の周面には、複数の基板13が等しい間隔で装着さ
れている。なお、本実施例では、基板13として、ニッ
ケル(Ni)基板を用いており、基板ホルダ12の周面
に24個装着している。基板ホルダ12には、高周波電
源10が接続されている。
【0021】基板ホルダ12の周囲には、金属製の筒状
のシールドカバー14が所定の距離隔てて設けられてい
る。このシールドカバー14は、接地電極に接続されて
いる。このシールドカバー14は、被膜を形成するとき
に、基板ホルダ12に印加されるRF電圧によって被膜
形成箇所以外の基板ホルダ12と真空チャンバ8との間
で放電が発生するのを防止するために設けられている。
基板ホルダ12とシールドカバー14との間の間隙は、
気体分子の平均自由行程以下の距離となるように配置さ
れている。気体分子の平均自由行程は、何らかの原因で
発生したイオン及び電子が電界により加速され、衝突せ
ずに移動できる平均距離と同じあるいはそれ以下の距離
である。従って、基板ホルダ12とシールドカバー14
との間隙を気体分子の平均自由行程以下にすることによ
り、イオン及び電子が気体分子と衝突する確率を小さく
し、連鎖的に電離が進行するのを防止している。
【0022】基板ホルダ12とシールドカバー14との
間隙は、特に気体分子の平均自由行程の1/10以下の
距離にすることが好ましい。本実施例では、基板ホルダ
12とシールドカバー14との間隙を気体分子の平均自
由行程の1/10以下である約5mmとしている。
【0023】シールドカバー14には、開口部15が形
成されている。この開口部15を通って、プラズマ発生
室4から引き出されたプラズマが基板ホルダ12に装着
された基板13に放射されるようになっている。真空チ
ャンバ8内には、反応ガス導入管16が設けられてい
る。この反応ガス導入管16の先端は、開口部15の上
方に位置する。図2は、この反応ガス導入管16の先端
部分近傍を示す平面図である。図2を参照して、反応ガ
ス導入管16は、外部から真空チャンバ内にCH 4 ガス
を導入するガス導入部16aと、このガス導入部16a
と垂直方向に接続されたガス放出部16bとから構成さ
れている。ガス放出部16bは、基板ホルダ12の回転
方向Aに対して垂直方向に配置され、かつ開口部15の
上方の回転方向の上流側に位置するように設けられてい
る。ガス放出部16bには、下方に向けて約45度の方
向に複数の孔21が形成されている。本実施例では、8
個の孔21が形成されている。孔21の間隔は、中央か
ら両側に向かうに従い徐々に狭くなるように形成されて
いる。このような間隔で孔21を形成することにより、
ガス導入部16aから導入されたCH4 ガスがそれぞれ
の孔21からほぼ均等に放出される。
【0024】以下、図1に示す装置を用いて、ニッケル
基板上に硬質炭素被膜であるダイヤモンド状被膜を形成
する実施例について説明する。まず、基板ホルダ12の
周面に24個のNi基板13を等しい間隔で装着する。
次に、真空チャンバ8内を10-5〜10-7Torrに排
気し、基板ホルダ12を約10rpmの速度で回転させ
る。次に、ECRプラズマ発生装置の放電ガス導入管5
からArガスを5.7×10-4Torrで供給するとと
もに、マイクロ波供給手段1から2.45GHz、10
0Wのマイクロ波を供給して、プラズマ発生室4内に形
成されたArプラズマを基板13の表面に放射する。こ
れと同時に、基板13に発生する自己バイアスが−20
Vとなるように、高周波電源10から13.56MHz
のRF電圧を基板ホルダ12に印加する。反応ガス導入
管16からは、CH4 ガスを1.3×10-3Torrで
供給する。反応ガス導入管16から供給されたCH4
スは、プラズマの作用により分解され、炭素が反応性の
高いイオンまたは中性の活性状態となって、基板13の
表面に放射される。
【0025】以上の工程をおよそ15分間行い、基板1
3の表面に膜厚1200Åのダイヤモンド状被膜を形成
した。図10は、このようにして基板上に形成したダイ
ヤモンド状被膜を示す断面図である。図10を参照し
て、基板13上にダイヤモンド状被膜21が形成されて
いる。
【0026】図3は、上記の実施例(以下「実施例1」
という)における成膜時間と基板温度との関係を示す図
である。また、図3においては、比較として、基板ホル
ダを回転させない以外は実施例1と同様にしてダイヤモ
ンド状被膜を形成させた比較例1、及びシールドカバー
を設けていない装置で基板ホルダを回転させずダイヤモ
ンド状被膜を形成した比較例2のデータを示している。
図3に示されるように、成膜15分経過後において、実
施例1では基板温度が約45℃となっているのに対し、
比較例1では約60℃であり、比較例2では約150℃
となっている。比較例2において基板温度が非常に高く
なっているのは、被膜形成箇所以外の基板ホルダ12と
真空チャンバ8間で放電が発生したためと思われる。比
較例1では、比較例2より基板温度が低くなっており、
シールドカバーを設けることにより基板温度が低くなる
ことがわかる。実施例1と比較例1を比較すると、実施
例1の方が基板温度が低くなっている。実施例1では基
板ホルダを回転させているため、プラズマ放電によって
加熱される部分が順次移動し、基板温度の上昇が抑えら
れるためと考えられる。本発明に従えば、基板温度の上
昇を抑制することができるので、基板の耐熱性を考慮す
ることなく、基板の種類を選択することができる。
【0027】以下、基板上に中間層を形成し、この中間
層上に硬質炭素被膜であるダイヤモンド状被膜を形成す
る実施例について説明する。図11は、基板上に中間層
を形成し、この中間層上に硬質炭素被膜を形成した実施
例の断面図を示している。図11を参照して、基板13
上には、中間層22が形成されており、この中間層22
上に硬質炭素被膜21が形成されている。
【0028】図4は、本発明の第1の局面及び第2の局
面に従う実施例の硬質炭素被膜形成装置を示す概略断面
図である。図4を参照して、真空チャンバ8内に設けら
れた基板ホルダ12の周囲には、シールドカバー44が
設けられている。このシールドカバー44には、第1開
口部45と第2開口部43が形成されている。本実施例
では、第1開口部45と第2開口部43はほぼ反対側の
位置に形成されている。シールドカバー44は接地電極
に接続されている。第1開口部45は、図1に示す開口
部15と同様にして形成されており、図1に示す装置と
同様に、第1開口部45の上方に反応ガス導入管16の
先端が位置している。
【0029】第2開口部43の下方には、中間層を構成
する材料原子を電子ビームにより蒸発させて基板13に
向けて放射するための蒸発源41が設けられている。ま
た蒸発源41の近傍には、蒸発源41から蒸発した材料
原子にエネルギーを付与するため、不活性ガスのイオン
を放射するイオンガン42が設けられている。本実施例
では、不活性ガスとしてArガスを用いている。本実施
例においては、蒸発源41及びイオンガン42により、
中間層形成手段が構成されている。蒸発源41及びイオ
ンガン42により第2開口部43を介して、基板13上
に中間層を構成する材料原子が放射される。
【0030】その他の構成は、図1に示す実施例と同様
であるので、同一の参照番号を付して説明を省略する。
【0031】以下、中間層として単一の元素から中間層
を形成し、その中間層の上にダイヤモンド状被膜を形成
する実施例について説明する。まず、実施例1と同様に
して、基板ホルダ12の周面に24個のNi基板13を
等間隔で装着する。真空チャンバ8内を10-5〜10-7
Torrに排気して、基板ホルダ12を約10rpmの
速度で回転させる。次に、イオンガン42にArガスを
供給して、Arイオンを取り出し、これを基板13の表
面に放射する。このときのArイオンの加速電圧は40
0eV、イオン電流密度は0.3mA/cm2 に設定し
た。このArイオンの放射と同時に、蒸発源41を駆動
し、Ru原子を蒸発させて基板12の表面に放射する。
このときのRuの蒸発速度は、基板13上での成膜速度
に換算して420Å/分になるよう設定した。以上の工
程を約5分間行い、基板13の表面に膜厚200ÅのR
uからなる中間層を形成した。
【0032】次に、蒸発源41及びイオンガン42から
のRu原子及びArイオンの放射を止めた後、ECRプ
ラズマ発生装置の放電ガス導入管5からArガスを5.
7×10-4Torrで供給するとともに、マイクロ波供
給手段1から2.45GHz、100Wのマイクロ波を
供給して、プラズマ発生室4内に形成されたArプラズ
マを基板13の表面に放射する。これと同時に、基板1
3に発生する自己バイアスが−20Vとなるように、高
周波電源10から13.56MHzのRF電圧を基板ホ
ルダ12に印加し、反応ガス導入管16からCH4 ガス
を1.3×10 -3Torrで供給する。以上の工程を約
15分間行い、基板13上に形成した中間層の上に膜厚
1200Åのダイヤモンド状被膜を形成した。
【0033】以上の2つの工程の結果、図11に示すよ
うな、基板13の表面にRuからなる中間層22を形成
し、この中間層22上にダイヤモンド状被膜21を形成
した積層薄膜が得られた。このような中間層22の形成
により、ダイヤモンド状被膜21中の応力を緩和させる
ことができ、基板13とダイヤモンド被膜21の密着性
を高めることができる。中間層22の存在により、基板
13とダイヤモンド状被膜21との熱膨張係数の差によ
り生じていた熱応力を緩和させることができるため、ダ
イヤモンド状被膜21中の応力を緩和させることができ
るものと考えられる。
【0034】以下、中間層として、材料原子と炭素の混
合層を形成し、この中間層上にダイヤモンド状被膜を形
成する実施例について説明する。この実施例でも、図4
に示す装置と同様の装置を用いる。
【0035】まず、上記実施例1と同様にして、基板ホ
ルダ12の周面に24個のNi基板13を等しい間隔で
装着する。真空チャンバ8内を10-5〜10-7Torr
に排気して、基板ホルダ12を約10rpmの速度で回
転させる。
【0036】次に、ECRプラズマ発生装置の放電ガス
導入管5からArガスを5.7×10-4Torrで供給
するとともに、マイクロ波供給手段1から2.45GH
z、100Wのマイクロ波を供給して、プラズマ発生室
4内に形成されたArプラズマを基板13の表面に放射
する。これと同時に、基板13に発生する自己バイアス
が−20Vとなるように、高周波電源10から13.5
6MHzのRF電圧を基板ホルダ12に印加し、反応ガ
ス導入管16からCH4 ガスを供給する。このときのC
4 ガスの供給量を、図5に示すように、時間経過とと
もに漸次増加させ、5分経過時に100sccm、すな
わち1.3×10-3Torrとなるように設定する。
【0037】上記ECRプラズマ発生装置よる被膜形成
処理と同時に、基板13の表面にイオンガン42からA
rイオンを放射するとともに、蒸発源41からRu原子
を放射する。このときのArイオンの加速電圧を400
eV、イオン電流密度を0.3mA/cm2 に設定す
る。またRuの蒸発速度は、図6に示すように、基板1
3上での成膜速度に換算して420Å/分から時間経過
につれて漸次減少させ、5分経過後に0Å/分になるよ
うに設定する。Ruの蒸発速度が0Å/分になった時
点、すなわち5分経過後に、イオンガン42からのAr
イオンの放射を止める。
【0038】以上のように、第1開口部45におけるプ
ラズマCVD法による炭素被膜形成と、第2開口部43
におけるRuの蒸着を同時に行うことにより、中間層と
してRuとCが混合した中間層が形成される。本実施例
では、以上の工程を約5分間行うことにより、基板13
の表面に合計膜厚200ÅのRuとCの混合層を形成し
た。図5及び図6に示すように、時間経過とともに、R
uの蒸着量を少なくし、炭素被膜形成量を多くしてい
る。従って、この中間層では、基板13の表面から離れ
るに従いRuの含有量が漸次減少し、Cの含有量が漸次
増加する傾斜構造となっている。
【0039】次に、このように形成した中間層の上に、
ダイヤモンド状被膜を形成した。反応ガス導入管16か
ら供給するCH4 ガスの供給分圧を1.3×10-3To
rrと一定にし、上記工程におけるECRプラズマ発生
装置による被膜形成処理を引き続き行う。この工程を約
15分間行い、基板13の中間層の上に膜厚1200Å
のダイヤモンド状被膜を形成した。
【0040】以上の結果、基板上に、傾斜構造を有する
RuとCからなる中間層とダイヤモンド状被膜が積層さ
れた積層被膜が形成された。このような傾斜構造を有す
る中間層とすることにより、上記単一の元素の中間層よ
りも、基板とダイヤモンド状被膜の密着性を高めること
ができる。
【0041】以下、上記実施例の装置を用いて形成した
ダイヤモンド状被膜の密着性の評価試験を行った。サン
プルとしてはNi基板上に直接ダイヤモンド状被膜を形
成したサンプル(実施例1)、Ni基板上にRuからな
る中間層を形成し、この中間層の上にダイヤモンド状被
膜を形成したサンプル(実施例2)、Ni基板上にRu
とCの混合層からなる中間層を形成し、この中間層上に
ダイヤモンド状被膜を形成したサンプル(実施例3)、
蒸発源としてSiの蒸発源を用い、Ni基板上にSiか
らなる中間層を形成し、この中間層上にダイヤモンド状
被膜を形成したサンプル(実施例4)を用いた。密着性
の評価は、ビッカース圧子を用いた一定荷重(荷重=1
kg)の押し込み試験により行った。サンプル数を50
個とし、Ni基板上のダイヤモンド状被膜に剥離が発生
した個数を数えて評価した。表1は、この結果を示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1から明らかなように、中間層を設けた
実施例2、3及び4は、中間層を設けていない実施例1
よりも剥離発生個数が少なくなっている。従って、中間
層を設けることによりダイヤモンド状被膜の密着性が向
上することがわかる。特に、実施例3から明らかなよう
に、RuとCからなる傾斜構造を有する中間層を形成す
ることにより、ダイヤモンド状被膜の密着性が飛躍的に
向上することがわかる。
【0044】また実施例2と実施例4の比較から明らか
なように、Ni基板に対しては、SiよりもRuの方が
中間層を構成する材料原子として優れていることがわか
る。
【0045】図7は、本発明の第1の局面及び第3の局
面に従う実施例の硬質炭素被膜形成装置を示す概略断面
図である。図7を参照して、真空チャンバ8内に設けら
れた基板ホルダ12の周囲には、シールドカバー44が
設けられている。このシールドカバー44には、第1開
口部45と第2開口部43が形成されている。本実施例
では、第1開口部45と第2開口部43はほぼ反対側の
位置に形成されている。シールドカバー44は接地電極
に接続されている。第1開口部45は、図1に示す開口
部15と同様にして形成されており、図1に示す装置と
同様に、第1開口部45の上方に反応ガス導入管16の
先端が位置している。
【0046】第2開口部43の下方には、中間層を構成
する材料原子からなるターゲット46が設けられてい
る。またターゲット46の近傍には、ターゲット46を
スパッタするため、不活性ガスのイオンをターゲット4
6に放射するイオンガン47が設けられている。本実施
例では、不活性ガスとしてArガスを用いている。本実
施例においては、ターゲット46及びイオンガン47に
より、中間層形成手段が構成されている。本実施例で
は、基板として薄膜ヘッド48が基板ホルダ12に装着
されている。ターゲット46及びイオンガン47により
第2開口部43を介して、薄膜ヘッド48上に中間層を
構成する材料原子が放射される。
【0047】また、イオンガン47からのイオンはター
ゲット46のみならず薄膜ヘッド48にも照射される。
【0048】その他の構成は、図1に示す実施例と同様
であるので、同一の参照番号を付して説明を省略する。
【0049】以下、中間層として単一の元素から中間層
を形成し、その中間層の上にダイヤモンド状被膜を形成
する実施例について説明する。まず、実施例1と同様に
して、基板ホルダ12の周面に24個の薄膜ヘッド48
を等間隔で装着する。真空チャンバ8内を10-5〜10
-7Torrに排気して、基板ホルダ12を約10rpm
の速度で回転させる。次に、イオンガン47にArガス
を供給して、Arイオンを取り出し、これをSiからな
るターゲット46の表面に放射する。このときのArイ
オンの加速電圧は900eV、イオン電流密度は0.3
mA/cm2 に設定した。以上の工程を約2分間行い、
薄膜ヘッド48の表面に膜厚60ÅのSiからなる中間
層を形成した。
【0050】次に、イオンガン47からのArイオンの
放射を止めた後、ECRプラズマ発生装置の放電ガス導
入管5からArガスを5.7×10-4Torrで供給す
るとともに、マイクロ波供給手段1から2.45GH
z、100Wのマイクロ波を供給して、プラズマ発生室
4内に形成されたArプラズマを薄膜ヘッド48の表面
に放射する。これと同時に、薄膜ヘッド48に発生する
自己バイアスが−20Vとなるように、高周波電源10
から13.56MHzのRF電圧を基板ホルダ12に印
加し、反応ガス導入管16からCH4 ガスを1.3×1
-3Torrで供給する。以上の工程を約2.5分間行
い、薄膜ヘッド48上に形成した中間層の上に膜厚20
0Åのダイヤモンド状被膜を形成した。
【0051】以上の2つの工程の結果、薄膜ヘッド48
の表面にSiからなる中間層を形成し、この中間層上に
ダイヤモンド状被膜を形成した積層薄膜が得られた。こ
のような中間層の形成により、ダイヤモンド状被膜中の
応力を緩和させることができ、基板とダイヤモンド被膜
の密着性を高めることができる。中間層の存在により、
基板とダイヤモンド状被膜との熱膨張係数の差により生
じていた熱応力を緩和させることができるため、ダイヤ
モンド状被膜中の応力を緩和させることができるものと
考えられる。また、中間層形成の際、Arイオンがター
ゲットのみならず薄膜ヘッドにも照射されるため、より
密着性の高い中間層が形成される。
【0052】以下、中間層として、材料原子と炭素の混
合層を形成し、この中間層上にダイヤモンド状被膜を形
成する実施例について説明する。この実施例でも、図7
に示す装置と同様の装置を用いる。
【0053】まず、基板ホルダ12の周面に24個の薄
膜ヘッド48を等しい間隔で装着する。真空チャンバ8
内を10-5〜10-7Torrに排気して、基板ホルダ1
2を約10rpmの速度で回転させる。
【0054】次に、ECRプラズマ発生装置の放電ガス
導入管5からArガスを5.7×10-4Torrで供給
するとともに、マイクロ波供給手段1から2.45GH
z、100Wのマイクロ波を供給して、プラズマ発生室
4内に形成されたArプラズマを薄膜ヘッド48の表面
に放射する。これと同時に、薄膜ヘッド48に発生する
自己バイアスが−20Vとなるように、高周波電源10
から13.56MHzのRF電圧を基板ホルダ12に印
加し、反応ガス導入管16からCH4 ガスを供給する。
このときのCH4 ガスの供給量を、図8に示すように、
時間経過とともに漸次増加させ、3分経過時に100s
ccm、すなわち1.3×10-3Torrとなるように
設定する。
【0055】上記ECRプラズマ発生装置よる被膜形成
処理と同時に、ターゲット46の表面にイオンガン47
からArイオンを放射する。このときのArイオンの加
速電圧を900eV、イオン電流密度を0.3mA/c
2 に設定する。またイオン電流密度を、図9に示すよ
うに、時間経過につれて漸次減少させ、3分経過後に0
mA/cm2 になるように設定する。
【0056】以上のように、第1開口部45におけるプ
ラズマCVD法による炭素被膜形成と、第2開口部43
におけるSiのスパッタリングを同時に行うことによ
り、中間層としてSiとCが混合した中間層が形成され
る。本実施例では、以上の工程を約3分間行うことによ
り、薄膜ヘッド48の表面に合計膜厚60ÅのSiとC
の混合層を形成した。図8及び図9に示すように、時間
経過とともに、Siの量を少なくし、炭素被膜形成量を
多くしている。従って、この中間層では、薄膜ヘッド4
8の表面から離れるに従いSiの含有量が漸次減少し、
Cの含有量が漸次増加する傾斜構造となっている。
【0057】次に、このように形成した中間層の上に、
ダイヤモンド状被膜を形成した。反応ガス導入管16か
ら供給するCH4 ガスの供給分圧を1.3×10-3To
rrと一定にし、上記工程におけるECRプラズマ発生
装置による被膜形成処理を引き続き行う。この工程を約
2.5分間行い、薄膜ヘッド48の中間層の上に膜厚2
00Åのダイヤモンド状被膜を形成した。
【0058】以上の結果、基板上に、傾斜構造を有する
SiとCからなる中間層とダイヤモンド状被膜が積層さ
れた積層被膜が形成された。このような傾斜構造を有す
る中間層とすることにより、上記単一の元素の中間層よ
りも、基板とダイヤモンド状被膜の密着性を高めること
ができる。
【0059】上記実施例では、プラズマ発生手段として
ECRプラズマ発生装置を例にして説明したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、例えば高周波プラズ
マCVD装置、DCプラズマCVD装置などその他のプ
ラズマCVD装置を用いることができる。
【0060】
【発明の効果】本発明の装置では、真空チャンバ内に筒
状の基板ホルダが設けられており、この基板ホルダに多
数の基板を装着することができる。従って、1回の真空
排気で処理できる基板の個数を増大させることが可能と
なる。
【0061】また基板ホルダの周りにはシールドカバー
が設けられているので、被膜形成箇所以外の基板近傍で
の放電の発生を防止することができる。従って、基板を
低温に維持したまま成膜を行うことが可能となり、基板
の耐熱性を考慮する必要がなくなる。
【0062】また、本発明に従う第1の局面の装置で
は、さらに中間層形成手段が設けられている。このた
め、1回の真空排気の工程で、基板上に中間層を形成さ
せることができる。
【0063】また、プラズマ発生手段による薄膜形成工
程と中間層形成手段による薄膜形成工程を交互に行い、
それぞれの薄膜形成条件を変化させることにより、中間
層の材料組成比を変化させることができる。従って、中
間層として傾斜構造を有した中間層を形成することがで
き、基板と硬質炭素被膜との間の密着性をより一層向上
させることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う一実施例の硬質炭素被膜形成装置
を示す概略断面図。
【図2】図1に示す実施例における反応ガス導入管の先
端部分近傍を示す平面図。
【図3】本発明に従う実施例における成膜時間と基板温
度との関係を示す図。
【図4】本発明の第2の局面に従う実施例の硬質炭素被
膜形成装置を示す概略断面図。
【図5】本発明の第2の局面に従う実施例の装置を用い
て傾斜構造を有する中間層を形成する際の成膜時間とC
4 流量との関係を示す図。
【図6】本発明の第2の局面に従う実施例の装置を用い
て傾斜構造を有する中間層を形成する場合の成膜時間と
蒸発速度との関係を示す図。
【図7】本発明の第3の局面に従う実施例の硬質炭素被
膜形成装置を示す概略断面図。
【図8】本発明の第3の局面に従う実施例の装置を用い
て傾斜構造を有する中間層を形成する際の成膜時間とC
4 流量との関係を示す図。
【図9】本発明の第3の局面に従う実施例の装置を用い
て傾斜構造を有する中間層を形成する場合の成膜時間と
イオン電流密度との関係を示す図。
【図10】基板上に直接ダイヤモンド状被膜を形成する
実施例の断面図。
【図11】基板上に中間層を形成し、その上にダイヤモ
ンド状被膜を形成する実施例の断面図。
【図12】従来の硬質炭素被膜形成装置を示す概略断面
図。
【符号の説明】
1…マイクロ波供給手段 2…導波管 3…マイクロ波導入窓 4…プラズマ発生室 5…放電ガス導入管 6…磁界発生手段 8…真空チャンバ 10…高周波電源 12…基板ホルダ 13…基板 14…シールドカバー 15…開口部 16…反応ガス導入管 41…蒸発源 42…イオンガン 43…第2開口部 44…シールドカバー 45…第1開口部 46…ターゲット 47…イオンガン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木山 精一 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−177576(JP,A) 特開 平5−140730(JP,A) 特開 平4−346653(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 16/00 - 16/54

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に硬質炭素被膜を形成するための
    装置であって、 真空チャンバと、 前記真空チャンバ内に回転自在に設けられる基板ホルダ
    と、 前記基板ホルダの周面を囲むように設けられ、その一部
    に開口部を有し、さらに所定電位に保持されているシー
    ルドカバーと、 前記真空チャンバ内にプラズマを発生させ、該プラズマ
    を前記開口部を介して前記基板に向けて放射するプラズ
    マ発生手段と、 前記プラズマ発生手段からのプラズマ中に炭素を含む反
    応ガスを供給する反応ガス導入手段と、 前記基板に発生する自己バイアスが負となるように高周
    波電圧を前記基板ホルダに印加する高周波電源と、 を備える硬質炭素被膜形成装置。
  2. 【請求項2】 基板上に硬質炭素被膜を形成するための
    装置であって、 真空チャンバと、 前記真空チャンバ内に回転自在に設けられる基板ホルダ
    と、 前記基板ホルダの周面を囲むように設けられ、その一部
    に開口部を有し、さらに接地されているシールドカバー
    と、 前記真空チャンバ内にプラズマを発生させ、該プラズマ
    を前記開口部を介して前記基板に向けて放射するプラズ
    マ発生手段と、 前記プラズマ発生手段からのプラズマ中に炭素を含む反
    応ガスを供給する反応ガス導入手段と、 前記基板に発生する自己バイアスが負となるように高周
    波電圧を前記基板ホルダに印加する高周波電源と、 を備える硬質炭素被膜形成装置。
  3. 【請求項3】 基板上に中間層を形成し、該中間層の上
    に硬質炭素被膜を形成するための装置であって、 真空チャンバと、 前記真空チャンバ内に回転自在に設けられる基板ホルダ
    と、 前記基板ホルダの周面を囲むように設けられ、その一部
    に第1、及び第2開口部を有し、さらに所定電位に保持
    されているシールドカバーと、 前記真空チャンバ内にプラズマを発生させ、該プラズマ
    を前記第1開口部を介して前記基板に向けて放射するプ
    ラズマ発生手段と、 前記プラズマ発生手段からのプラズマ中に炭素を含む反
    応ガスを供給する反応ガス導入手段と、 前記基板に発生する自己バイアスが負となるように高周
    波電圧を前記基板ホルダに印加する高周波電源と、 前記真空チャンバ内に設けられ、前記第2開口部を介し
    て前記基板に向けて前記中間層を構成する材料原子を放
    射する中間層形成手段と、 を備える硬質炭素被膜形成装置。
  4. 【請求項4】 基板上に中間層を形成し、該中間層の上
    に硬質炭素被膜を形成するための装置であって、 真空チャンバと、 前記真空チャンバ内に回転自在に設けられる基板ホルダ
    と、 前記基板ホルダの周面を囲むように設けられ、その一部
    に第1、及び第2開口部を有し、さらに接地されている
    シールドカバーと、 前記真空チャンバ内にプラズマを発生させ、該プラズマ
    を前記第1開口部を介して前記基板に向けて放射するプ
    ラズマ発生手段と、 前記プラズマ発生手段からのプラズマ中に炭素を含む反
    応ガスを供給する反応ガス導入手段と、 前記基板に発生する自己バイアスが負となるように高周
    波電圧を前記基板ホルダに印加する高周波電源と、 前記真空チャンバ内に設けられ、前記第2開口部を介し
    て前記基板に向けて前記中間層を構成する材料原子を放
    射する中間層形成手段と、 を備える硬質炭素被膜形成装置。
  5. 【請求項5】 前記中間層形成手段が、 前記真空チャンバ内に設けられ、前記第2開口部を介し
    て前記基板に向けて前記中間層を構成する材料原子を放
    射する蒸発源と、 前記蒸発源からの材料原子の放射と同時に、前記第2開
    口部を介して前記基板に向けて不活性ガスのイオンを放
    射するイオンガンと、 を備える請求項3乃至請求項4に記載の硬質炭素被膜形
    成装置。
  6. 【請求項6】 前記中間層形成手段が、 前記真空チャンバ内に設けられ、前記中間層を構成する
    材料原子を、前記第2開口部を介して前記基板に向けて
    スパッタするための該材料原子からなるターゲットと、 前記ターゲットをスパッタするために前記ターゲットに
    向けて不活性ガスのイオンを放射するイオンガンと、 を備える請求項3乃至請求項4に記載の硬質炭素被膜形
    成装置。
  7. 【請求項7】 前記プラズマ発生手段が、電子サイクロ
    トロン共鳴プラズマCVD装置である請求項1〜のい
    ずれかに記載の硬質炭素被膜形成装置。
  8. 【請求項8】 前記シールドカバーが、前記基板ホルダ
    の周面から気体分子の平均自由行程以下の距離隔てて設
    けられている請求項1〜のいずれかに記載の硬質炭素
    被膜形成装置。
  9. 【請求項9】 前記シールドカバーが、前記基板ホルダ
    の周面から気体分子の平均自由行程の1/10以下の距
    離隔てて設けられている請求項1〜のいずれかに記載
    の硬質炭素被膜形成装置。
  10. 【請求項10】 前記中間層を構成する材料原子が、S
    i、Ru、炭素、Ge、またはこれらの元素と炭素、窒
    素及び酸素のうちの少なくとも1種の元素との混合物で
    ある請求項〜9のいずれかに記載の硬質炭素被膜形成
    装置。
  11. 【請求項11】 前記基板がNiまたはAlを主成分と
    する金属もしくは合金、またはステンレス鋼からなる基
    板である請求項1〜10のいずれかに記載の硬質炭素被
    膜形成装置。
JP6119224A 1993-07-07 1994-05-31 硬質炭素被膜形成装置 Expired - Fee Related JP3025743B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6119224A JP3025743B2 (ja) 1993-07-07 1994-05-31 硬質炭素被膜形成装置
KR1019940016062A KR100325560B1 (ko) 1993-07-07 1994-07-06 경질탄소피막기판및그형성방법및장치

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16786693 1993-07-07
JP5-167866 1993-07-07
JP6119224A JP3025743B2 (ja) 1993-07-07 1994-05-31 硬質炭素被膜形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0770756A JPH0770756A (ja) 1995-03-14
JP3025743B2 true JP3025743B2 (ja) 2000-03-27

Family

ID=26457005

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6119224A Expired - Fee Related JP3025743B2 (ja) 1993-07-07 1994-05-31 硬質炭素被膜形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3025743B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3340001B2 (ja) * 1995-10-31 2002-10-28 京セラ株式会社 耐摩耗性部材
JPH10130865A (ja) * 1996-09-06 1998-05-19 Sanyo Electric Co Ltd 硬質炭素被膜基板及びその形成方法
EP0828015A3 (en) 1996-09-06 1998-07-15 SANYO ELECTRIC Co., Ltd. Hard carbon film-coated substrate and method for fabricating the same
JP4536090B2 (ja) * 2007-07-26 2010-09-01 トヨタ自動車株式会社 炭素薄膜の製造方法
CN103597118B (zh) * 2011-06-17 2016-10-26 太阳诱电化学科技株式会社 利用硬质膜被覆而成的硬质膜被覆构件及其制造方法
CN106062348A (zh) * 2014-03-04 2016-10-26 本田技研工业株式会社 内燃机用气缸体及其制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0770756A (ja) 1995-03-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5695832A (en) Method of forming a hard-carbon-film-coated substrate
Rossnagel et al. Metal ion deposition from ionized mangetron sputtering discharge
US4676194A (en) Apparatus for thin film formation
US4622919A (en) Film forming apparatus
JP3169151B2 (ja) 薄膜形成装置
EP0739001B1 (en) Deposition of insulating thin film by plurality of ion beams
EP0435098A2 (en) Deposition apparatus and method for enhancing step coverage and planarization of semiconductor wafers
US6101972A (en) Plasma processing system and method
US20050136656A1 (en) Process for depositing composite coating on a surface
US20090236217A1 (en) Capillaritron ion beam sputtering system and thin film production method
JP3025743B2 (ja) 硬質炭素被膜形成装置
JPH06136527A (ja) スパッタリング用ターゲットおよびそれを用いたスパッタリング装置とスパッタリング法
JP2777543B2 (ja) 硬質炭素被膜基板及びその形成方法
JP3162906B2 (ja) 非晶質ダイヤモンド状被膜基板の形成方法
JPH07258840A (ja) カーボン薄膜形成方法
JPH1087397A (ja) 硬質炭素被膜、及び該被膜を用いた電気シェーバー刃
US5631050A (en) Process of depositing thin film coatings
KR100325560B1 (ko) 경질탄소피막기판및그형성방법및장치
JP2000094564A (ja) 高機能被膜形成基体、及び該基体の形成方法
JPH02175864A (ja) 薄膜形成装置およびこれを用いた薄膜形成方法
JP2975817B2 (ja) ダイヤモンド状被膜形成方法
JP3056827B2 (ja) ダイヤモンド様炭素保護膜を有する物品とその製造方法
JPH0741386A (ja) ダイヤモンド状被膜基板およびその形成方法
JPH0582467B2 (ja)
JP3172384B2 (ja) 硬質炭素被膜形成装置及びこれを用いた被膜形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090121

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100121

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100121

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110121

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110121

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120121

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130121

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees