JP3023387B2 - 薬物投与用粘着剤 - Google Patents
薬物投与用粘着剤Info
- Publication number
- JP3023387B2 JP3023387B2 JP3063085A JP6308591A JP3023387B2 JP 3023387 B2 JP3023387 B2 JP 3023387B2 JP 3063085 A JP3063085 A JP 3063085A JP 6308591 A JP6308591 A JP 6308591A JP 3023387 B2 JP3023387 B2 JP 3023387B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- adhesive
- drug
- skin
- methyl
- pentene
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Medicinal Preparation (AREA)
- Polymerization Catalysts (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薬物投与用粘着剤に関
し、特に各種の薬物を配合して皮膚に適度の粘着力で粘
着し、皮膚刺激性が少ないためかぶれを起こすことがな
く、薬物の皮膚への吸収を適度に保つことができるポリ
オレフィン系の薬物投与用粘着材およびそれを含む皮膚
貼付型粘着製剤、ならびに配合された各種薬剤を適度の
量で徐放することができる徐放性に優れた徐放性粘着材
に関する。
し、特に各種の薬物を配合して皮膚に適度の粘着力で粘
着し、皮膚刺激性が少ないためかぶれを起こすことがな
く、薬物の皮膚への吸収を適度に保つことができるポリ
オレフィン系の薬物投与用粘着材およびそれを含む皮膚
貼付型粘着製剤、ならびに配合された各種薬剤を適度の
量で徐放することができる徐放性に優れた徐放性粘着材
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から用いられている通常の薬物の投
与形態である経口投与においては、薬効効果は高いが、
高濃度に投与すると、弊害を生じる薬物があった。例え
ば、インドメタシン、クエン酸ペリソキサール、フルル
ビプロフェン等の鎮痛消炎剤、狭心症の薬であるニトロ
グリセリンや硝酸イソソルビドなどは、高濃度で経口投
与すると、肝臓に負担がかかり、消化器障害を起こす原
因となる。そのため、薬物の投与経路を改善したり、投
与形態を徐放化することが望まれ、薬物を粘着剤と混合
してなる皮膚貼付型粘着製剤を、患部近傍の皮膚に貼付
けることにより、薬物を肝臓等を経由せずに患部近傍か
ら直接吸収させることにより、肝臓の負担をなくし、ま
た肝臓における解毒作用を回避して薬効効果を有効に発
揮させるとともに、あわせて薬物の徐放投与により、薬
効の持続化を図ることが行なわれるようになってきてい
る。また、皮膚貼付型粘着製剤によれば、少量ずつ頻繁
に投与しなければならないという経口投与の不便さを解
消することもできる。
与形態である経口投与においては、薬効効果は高いが、
高濃度に投与すると、弊害を生じる薬物があった。例え
ば、インドメタシン、クエン酸ペリソキサール、フルル
ビプロフェン等の鎮痛消炎剤、狭心症の薬であるニトロ
グリセリンや硝酸イソソルビドなどは、高濃度で経口投
与すると、肝臓に負担がかかり、消化器障害を起こす原
因となる。そのため、薬物の投与経路を改善したり、投
与形態を徐放化することが望まれ、薬物を粘着剤と混合
してなる皮膚貼付型粘着製剤を、患部近傍の皮膚に貼付
けることにより、薬物を肝臓等を経由せずに患部近傍か
ら直接吸収させることにより、肝臓の負担をなくし、ま
た肝臓における解毒作用を回避して薬効効果を有効に発
揮させるとともに、あわせて薬物の徐放投与により、薬
効の持続化を図ることが行なわれるようになってきてい
る。また、皮膚貼付型粘着製剤によれば、少量ずつ頻繁
に投与しなければならないという経口投与の不便さを解
消することもできる。
【0003】この皮膚貼付型粘着製剤に用いられる粘着
剤として、従来、天然ゴム、オレフィン系ゴム、あるい
はオレフィン系重合体からなるものが使用されている。
剤として、従来、天然ゴム、オレフィン系ゴム、あるい
はオレフィン系重合体からなるものが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の皮
膚貼付型粘着製剤に用いられている粘着剤は、皮膚に対
する粘着力が弱かったり、逆に粘着力が強すぎて皮膚に
剥し残りを生じたりすることがあった。また、皮膚刺激
性が強いためかぶれを起こすものもあった。
膚貼付型粘着製剤に用いられている粘着剤は、皮膚に対
する粘着力が弱かったり、逆に粘着力が強すぎて皮膚に
剥し残りを生じたりすることがあった。また、皮膚刺激
性が強いためかぶれを起こすものもあった。
【0005】さらに防虫剤、植物発育促進剤、消毒剤、
防錆剤、防腐剤、芳香剤、消臭剤等の薬剤の効力を長期
間に亙って発揮させるために、該薬剤を保持するととも
に適度な速度で徐放されるようにすれば、好ましい。そ
のため、薬剤を配合し、薬剤の投与を要する箇所に粘着
させ、その薬剤の徐放性に優れた粘着材が求められてい
る。
防錆剤、防腐剤、芳香剤、消臭剤等の薬剤の効力を長期
間に亙って発揮させるために、該薬剤を保持するととも
に適度な速度で徐放されるようにすれば、好ましい。そ
のため、薬剤を配合し、薬剤の投与を要する箇所に粘着
させ、その薬剤の徐放性に優れた粘着材が求められてい
る。
【0006】そこで本発明の第1の目的は、各種の薬物
とともに皮膚に適度の粘着力で粘着し、皮膚刺激性が少
ないためかぶれを起こすことがなく、徐放性に優れるた
め薬物の皮膚への吸収を適度に保つことができる薬物投
与用粘着材およびそれを含む皮膚貼付型粘着製剤を提供
することにある。
とともに皮膚に適度の粘着力で粘着し、皮膚刺激性が少
ないためかぶれを起こすことがなく、徐放性に優れるた
め薬物の皮膚への吸収を適度に保つことができる薬物投
与用粘着材およびそれを含む皮膚貼付型粘着製剤を提供
することにある。
【0007】また、本発明の第2の目的は、配合された
各種薬剤を適度の量で徐々に放出することができる徐放
性に優れた徐放性粘着材を提供することにある。
各種薬剤を適度の量で徐々に放出することができる徐放
性に優れた徐放性粘着材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、ルイス酸系触媒による重合体である4−
メチル−1−ペンテン系重合体を主成分とするポリオレ
フィン系の薬物投与用粘着剤を提供するものである。
決するために、ルイス酸系触媒による重合体である4−
メチル−1−ペンテン系重合体を主成分とするポリオレ
フィン系の薬物投与用粘着剤を提供するものである。
【0009】前記4−メチル−1−ペンテン系重合体
が、4−メチル−1−ペンテンの低温カチオン重合体で
あると、好ましい。
が、4−メチル−1−ペンテンの低温カチオン重合体で
あると、好ましい。
【0010】また、本発明は、前記ポリオレフィン系の
薬物投与用粘着剤を粘着成分として含む皮膚貼付型粘着
製剤を提供するものである。
薬物投与用粘着剤を粘着成分として含む皮膚貼付型粘着
製剤を提供するものである。
【0011】前記皮膚貼付型粘着製剤が、経皮吸収促進
剤を含むものであると、好ましい。
剤を含むものであると、好ましい。
【0012】さらに、本発明は、前記ポリオレフィン系
の薬物投与用粘着剤を粘着成分として含む徐放性粘着材
を提供するものである。
の薬物投与用粘着剤を粘着成分として含む徐放性粘着材
を提供するものである。
【0013】以下、本発明の薬物投与用粘着剤、それを
含む皮膚貼付型粘着製剤および徐放性粘着材について、
詳細に説明する。
含む皮膚貼付型粘着製剤および徐放性粘着材について、
詳細に説明する。
【0014】本発明のポリオレフィン系の薬物投与用粘
着剤の主成分である4−メチル−1−ペンテン系重合体
は、4−メチル−1−ペンテンを主成分とする重合体で
あり、例えば、4−メチル−1−ペンテンの単独重合
体、あるいは4−メチル−1−ペンテンと、該4−メチ
ル−1−ペンテンと共重合可能な他の化合物との共重合
体が挙げられる。
着剤の主成分である4−メチル−1−ペンテン系重合体
は、4−メチル−1−ペンテンを主成分とする重合体で
あり、例えば、4−メチル−1−ペンテンの単独重合
体、あるいは4−メチル−1−ペンテンと、該4−メチ
ル−1−ペンテンと共重合可能な他の化合物との共重合
体が挙げられる。
【0015】前記4−メチル−1−ペンテンと共重合可
能な他の化合物の代表例としては、ブテン、および2−
メチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、
2,3−ジメチル−2−ブテン、3,3−ジメチル−1
−ブテン等の置換ブテン類;1−ペンテン、2−ペンテ
ン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−2−ペン
テン、3−メチル−2−ペンテン、4−メチル−2−ペ
ンテン等のペンテン類および置換ペンテン類;1−ヘキ
セン、2−ヘキセン、2−メチル−1−ヘキセン、3−
メチル−1−ヘキセン等のヘキセン類および置換ヘキセ
ン類;ブタジエン、イソプレン、ピペリレン等のジオレ
フィン類;シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボル
ネン、トリシクロデセン、1,3−シクロペンタジエン
等の環状不飽和炭化水素類などが挙げられる。これら
は、1種単独でも2種以上が4−メチル−1−ペンテン
系重合体中に含まれていてもよい。
能な他の化合物の代表例としては、ブテン、および2−
メチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、
2,3−ジメチル−2−ブテン、3,3−ジメチル−1
−ブテン等の置換ブテン類;1−ペンテン、2−ペンテ
ン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−2−ペン
テン、3−メチル−2−ペンテン、4−メチル−2−ペ
ンテン等のペンテン類および置換ペンテン類;1−ヘキ
セン、2−ヘキセン、2−メチル−1−ヘキセン、3−
メチル−1−ヘキセン等のヘキセン類および置換ヘキセ
ン類;ブタジエン、イソプレン、ピペリレン等のジオレ
フィン類;シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボル
ネン、トリシクロデセン、1,3−シクロペンタジエン
等の環状不飽和炭化水素類などが挙げられる。これら
は、1種単独でも2種以上が4−メチル−1−ペンテン
系重合体中に含まれていてもよい。
【0016】この4−メチル−1−ペンテン系重合体の
平均分子量(ゲルパーミェーションクロマトグラフィー
(GPC)測定法による重量平均分子量(ポリスチレン
換算値))は、通常、5000〜500000程度であ
り、加工性と接着強度のバランスの点で好ましくは40
000〜300000程度である。
平均分子量(ゲルパーミェーションクロマトグラフィー
(GPC)測定法による重量平均分子量(ポリスチレン
換算値))は、通常、5000〜500000程度であ
り、加工性と接着強度のバランスの点で好ましくは40
000〜300000程度である。
【0017】また、この4−メチル−1−ペンテン系重
合体中の4−メチル−1−ペンテンの含有量は、通常、
10〜100重量%であり、十分な接着強度が得られる
点で、30〜100重量%の範囲であるのが好ましい。
合体中の4−メチル−1−ペンテンの含有量は、通常、
10〜100重量%であり、十分な接着強度が得られる
点で、30〜100重量%の範囲であるのが好ましい。
【0018】この4−メチル−1−ペンテン系重合体
は、常法にしたがって製造されたものでもよいが、低温
カチオン重合により得られる重合体であると、好まし
い。
は、常法にしたがって製造されたものでもよいが、低温
カチオン重合により得られる重合体であると、好まし
い。
【0019】この低温カチオン重合は、通常のカチオン
重合触媒を用いて行われる。用いられるカチオン重合触
媒としては、例えば、三塩化アルミニウム、三フッ化ホ
ウ素、三臭化アルミニウム、アルキルアルミニウムジク
ロリド等のフリーデルクラフツ型触媒、および/または
そのエステル錯体、エーテル錯体、あるいはトリフルオ
ロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ
メチル硫酸等のハロゲン化有機酸などが挙げられる。こ
れらの中でも、三塩化アルミニウム、アルキルアルミニ
ウムジクロリド、三フッ化ホウ素のエーテル錯体等が好
ましい。
重合触媒を用いて行われる。用いられるカチオン重合触
媒としては、例えば、三塩化アルミニウム、三フッ化ホ
ウ素、三臭化アルミニウム、アルキルアルミニウムジク
ロリド等のフリーデルクラフツ型触媒、および/または
そのエステル錯体、エーテル錯体、あるいはトリフルオ
ロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ
メチル硫酸等のハロゲン化有機酸などが挙げられる。こ
れらの中でも、三塩化アルミニウム、アルキルアルミニ
ウムジクロリド、三フッ化ホウ素のエーテル錯体等が好
ましい。
【0020】重合反応は、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の不活性炭
化水素溶媒、あるいはクロロメタン、メチレンジクロリ
ド、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタ
ン、エチルクロリド、トリクロロエタン、1−クロロプ
ロパン、2−クロロプロパン、1−クロロブタン、2−
クロロブタン、1−クロロ−2−メチルプロパン、クロ
ルベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶
媒の存在もしくは不存在下に、−200〜25℃、好ま
しくは−150〜0℃の範囲で行われる。
ン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の不活性炭
化水素溶媒、あるいはクロロメタン、メチレンジクロリ
ド、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタ
ン、エチルクロリド、トリクロロエタン、1−クロロプ
ロパン、2−クロロプロパン、1−クロロブタン、2−
クロロブタン、1−クロロ−2−メチルプロパン、クロ
ルベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶
媒の存在もしくは不存在下に、−200〜25℃、好ま
しくは−150〜0℃の範囲で行われる。
【0021】反応の形式は、一般に回分指揮、あるいは
連続式のいずれでもよい。また、反応時間は、特に限定
されない。
連続式のいずれでもよい。また、反応時間は、特に限定
されない。
【0022】本発明の薬物投与用粘着剤は、前記4−メ
チル−1−ペンテン系重合体以外に、必要に応じてこの
種の粘着剤に配合される各種の添加剤を含有していても
よい。例えば、無機あるいは有機の充填剤、滑剤、柔軟
剤、耐熱安定剤、界面活性剤、顔料、染料などを含有し
ていてもよい。
チル−1−ペンテン系重合体以外に、必要に応じてこの
種の粘着剤に配合される各種の添加剤を含有していても
よい。例えば、無機あるいは有機の充填剤、滑剤、柔軟
剤、耐熱安定剤、界面活性剤、顔料、染料などを含有し
ていてもよい。
【0023】本発明の薬物投与用粘着剤中における前記
4−メチル−1−ペンテン系重合体の含有量は、通常、
10〜95重量%程度であり、好ましくは30〜90重
量%程度である。
4−メチル−1−ペンテン系重合体の含有量は、通常、
10〜95重量%程度であり、好ましくは30〜90重
量%程度である。
【0024】本発明の薬物投与用粘着剤の製造は、前記
4−メチル−1−ペンテン系重合体、および必要に応じ
て各種添加剤を所要量混合し、練合後、圧延シート状と
する方法によって用いられる。この方法として、ロール
混練による練合の後、圧縮成形による方法、Tダイ成形
等の通常の押出成形による方法などが挙げられる。
4−メチル−1−ペンテン系重合体、および必要に応じ
て各種添加剤を所要量混合し、練合後、圧延シート状と
する方法によって用いられる。この方法として、ロール
混練による練合の後、圧縮成形による方法、Tダイ成形
等の通常の押出成形による方法などが挙げられる。
【0025】また、本発明は、前記薬物投与用粘着剤を
含む皮膚貼付型粘着製剤をも提供するものである。
含む皮膚貼付型粘着製剤をも提供するものである。
【0026】この皮膚貼付型粘着製剤は、前記薬物投与
用粘着剤に所定の薬物を所定量配合してなるものであ
る。
用粘着剤に所定の薬物を所定量配合してなるものであ
る。
【0027】本発明の皮膚貼付型粘着製剤に配合可能な
薬物は、特に制限されず、例えば、インドメタシン、フ
ルルビプロフェン、アスピリン、クエン酸ペリソキサー
ル、モルヒネ等の鎮痛消炎剤、ノシル酸ピトルテロール
等の気管支拡張薬、テオフィリン、臭化水素酸デキスト
ロメトルファン等の鎮咳薬、フマル酸ケトチファン、ト
ラニラスト、クロモグリク酸ナトリウム等のアレルギー
薬、ピンドロール等の不整脈治療薬、コルヒチル等の痛
風治療薬、抗生物質、かゆみ止め等の皮膚の表面から皮
膚内部に吸収させて、患部を治療するために投与される
薬物等などが挙げられる。
薬物は、特に制限されず、例えば、インドメタシン、フ
ルルビプロフェン、アスピリン、クエン酸ペリソキサー
ル、モルヒネ等の鎮痛消炎剤、ノシル酸ピトルテロール
等の気管支拡張薬、テオフィリン、臭化水素酸デキスト
ロメトルファン等の鎮咳薬、フマル酸ケトチファン、ト
ラニラスト、クロモグリク酸ナトリウム等のアレルギー
薬、ピンドロール等の不整脈治療薬、コルヒチル等の痛
風治療薬、抗生物質、かゆみ止め等の皮膚の表面から皮
膚内部に吸収させて、患部を治療するために投与される
薬物等などが挙げられる。
【0028】また、この皮膚貼付型粘着製剤に、経皮吸
収促進剤を含有すると、粘着製剤からの薬物の放出速度
を高くすることができ、また薬物の皮膚透過性を促進さ
せることができる点で、好ましい。この経皮吸収促進剤
は、薬物の皮膚透過性を促進する物質であり、皮膚刺激
性のない物質から選ばれる。また、粘着製剤からの放出
がなければ皮膚透過性を持たせることができない。そこ
で、経皮吸収促進剤として、皮膚の表面温度において、
固体の薬物を少なくとも一部分溶解し、かつ疎水性粘着
剤と親和性を有することによって薬物の粘着剤中への拡
散を促進し、しかも皮膚への吸収を促進する作用に優れ
るものが好ましい。
収促進剤を含有すると、粘着製剤からの薬物の放出速度
を高くすることができ、また薬物の皮膚透過性を促進さ
せることができる点で、好ましい。この経皮吸収促進剤
は、薬物の皮膚透過性を促進する物質であり、皮膚刺激
性のない物質から選ばれる。また、粘着製剤からの放出
がなければ皮膚透過性を持たせることができない。そこ
で、経皮吸収促進剤として、皮膚の表面温度において、
固体の薬物を少なくとも一部分溶解し、かつ疎水性粘着
剤と親和性を有することによって薬物の粘着剤中への拡
散を促進し、しかも皮膚への吸収を促進する作用に優れ
るものが好ましい。
【0029】用いられる経皮吸収促進剤は、皮膚の表面
温度において液状となり、薬物を少なくともごく一部分
溶解するもので、かつ粘着剤と親和性があればよく、特
に制限されず、例えば、オクチルアルコール、ノニルア
ルコール、デシルアルコール、ドデシルアルコール、ト
リデシルアルコール、ミリスチルアルコール、1−ペン
タデカノール、セチルアルコール、ステアリルアルコー
ル、オレイルアルコール、1−ノナデカノール、1−エ
イコサノール等の炭素数8〜20の高級アルコールが挙
げられる。これらは1種単独でも2種以上を混合しても
用いられる。
温度において液状となり、薬物を少なくともごく一部分
溶解するもので、かつ粘着剤と親和性があればよく、特
に制限されず、例えば、オクチルアルコール、ノニルア
ルコール、デシルアルコール、ドデシルアルコール、ト
リデシルアルコール、ミリスチルアルコール、1−ペン
タデカノール、セチルアルコール、ステアリルアルコー
ル、オレイルアルコール、1−ノナデカノール、1−エ
イコサノール等の炭素数8〜20の高級アルコールが挙
げられる。これらは1種単独でも2種以上を混合しても
用いられる。
【0030】さらにこの炭素数8〜20の高級アルコー
ルと、高級脂肪酸エステル、m−クレゾール、イソソル
ビトール、低級アルコール、グリセリン、ジグリセリ
ン、プロピレングリコール等の多価アルコール、ポリビ
ニルアルコール、アミルアルコールなどとの混合物であ
って皮膚の表面温度において液体となるものが、薬物の
粘着剤中への拡散が早く、しかも皮膚への薬物の吸収を
促進する効果に優れる点で、好ましい。
ルと、高級脂肪酸エステル、m−クレゾール、イソソル
ビトール、低級アルコール、グリセリン、ジグリセリ
ン、プロピレングリコール等の多価アルコール、ポリビ
ニルアルコール、アミルアルコールなどとの混合物であ
って皮膚の表面温度において液体となるものが、薬物の
粘着剤中への拡散が早く、しかも皮膚への薬物の吸収を
促進する効果に優れる点で、好ましい。
【0031】さらに、本発明の皮膚貼付型粘着製剤に
は、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で、炭
酸カルシウム、タルク、シリカ、合成ハイドロタルサイ
ト等の無機充填剤、有機フィラー、パラフィン、ラノリ
ン、ワックス、ミツロウ、ワセリン等の有機充填剤、酸
化防止剤、耐熱安定剤、界面活性剤等の安定剤;ゴム系
コポリマー等の粘着付与剤、増粘剤、柔軟化剤、可塑化
剤、チタンホワイト等の顔料、染料、着色剤などの各種
添加剤を配合することができる。
は、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で、炭
酸カルシウム、タルク、シリカ、合成ハイドロタルサイ
ト等の無機充填剤、有機フィラー、パラフィン、ラノリ
ン、ワックス、ミツロウ、ワセリン等の有機充填剤、酸
化防止剤、耐熱安定剤、界面活性剤等の安定剤;ゴム系
コポリマー等の粘着付与剤、増粘剤、柔軟化剤、可塑化
剤、チタンホワイト等の顔料、染料、着色剤などの各種
添加剤を配合することができる。
【0032】本発明の皮膚貼付型粘着製剤の形態とし
て、薄い層状の皮膚貼付剤を成形する方法としては、薬
物を粘着剤と経皮吸収促進剤と、必要に応じて、他の添
加物とを、該粘着剤の溶媒を使用するか、または加熱す
ることによって可塑化し、2本ロール、スクリュー式押
出機等を用いて練合した後、薄い膜状の支持体の一面上
に延展し、薬物含有量のもう一方の面にシリコーン等を
用いて剥離性を付与した離型紙または離型フィルムの剥
離面を重ね合わせて保護膜を形成する。皮膚貼付時に
は、この保護膜を剥離して使用する。膜状の支持体とし
ては、皮膚の伸縮についづいできる柔軟性を有する弾性
膜、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共
重合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プ
ロピレン・α−オレフィン共重合体、熱可塑性エラスト
マー、シリコーンゴム、軟質ポリウレタン等の膜、ある
いは多孔質膜、または織布、不織布、柔軟紙等の薄い膜
が好ましい。また、保護膜は、前記支持体よりも剛性が
高い材質または形状とすると、剥離時の操作性が良好と
なるため、好ましい。
て、薄い層状の皮膚貼付剤を成形する方法としては、薬
物を粘着剤と経皮吸収促進剤と、必要に応じて、他の添
加物とを、該粘着剤の溶媒を使用するか、または加熱す
ることによって可塑化し、2本ロール、スクリュー式押
出機等を用いて練合した後、薄い膜状の支持体の一面上
に延展し、薬物含有量のもう一方の面にシリコーン等を
用いて剥離性を付与した離型紙または離型フィルムの剥
離面を重ね合わせて保護膜を形成する。皮膚貼付時に
は、この保護膜を剥離して使用する。膜状の支持体とし
ては、皮膚の伸縮についづいできる柔軟性を有する弾性
膜、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共
重合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プ
ロピレン・α−オレフィン共重合体、熱可塑性エラスト
マー、シリコーンゴム、軟質ポリウレタン等の膜、ある
いは多孔質膜、または織布、不織布、柔軟紙等の薄い膜
が好ましい。また、保護膜は、前記支持体よりも剛性が
高い材質または形状とすると、剥離時の操作性が良好と
なるため、好ましい。
【0033】以上のようにして得られる本発明の皮膚貼
付型粘着製剤は、通常、20〜300μm程度の厚さの
薄い層状に成形されて使用に供される。
付型粘着製剤は、通常、20〜300μm程度の厚さの
薄い層状に成形されて使用に供される。
【0034】本発明の皮膚貼付型粘着製剤における薬物
投与用粘着剤と薬物の配合割合は、使用する薬物の薬効
濃度、形成する層の厚さ等に従って適宜選択され、特に
制限されない。用いる層の厚さが50〜150 程度の
場合には、十分な皮膚への粘着力が得られる点で、通
常、薬物投与用粘着剤30〜90重量部に対して薬物5
〜50重量部の割合であるのが好ましい。また、経皮吸
収促進剤を配合する場合には、薬物の皮膚への放出速度
が早くなり、経皮吸収速度が高くなり、また経皮吸収促
進剤がブリードアウトすることなく、十分な粘着力が得
られる点で、薬物の割合は5〜30重量部である。
投与用粘着剤と薬物の配合割合は、使用する薬物の薬効
濃度、形成する層の厚さ等に従って適宜選択され、特に
制限されない。用いる層の厚さが50〜150 程度の
場合には、十分な皮膚への粘着力が得られる点で、通
常、薬物投与用粘着剤30〜90重量部に対して薬物5
〜50重量部の割合であるのが好ましい。また、経皮吸
収促進剤を配合する場合には、薬物の皮膚への放出速度
が早くなり、経皮吸収速度が高くなり、また経皮吸収促
進剤がブリードアウトすることなく、十分な粘着力が得
られる点で、薬物の割合は5〜30重量部である。
【0035】また、本発明は、前記薬物投与用粘着剤を
粘着成分として含む徐放性粘着材をも提供するものであ
る。
粘着成分として含む徐放性粘着材をも提供するものであ
る。
【0036】この徐放性粘着材は、前記薬物投与用粘着
剤に所定の薬剤を所定量配合してなるものである。
剤に所定の薬剤を所定量配合してなるものである。
【0037】本発明の徐放性粘着材に配合可能な薬剤
は、特に制限されず、例えば、ナフタリン、ジクロルベ
ンゼン、ブトピロノキシル等の防虫剤、オーキシン等の
植物発育促進剤、シコニン、石炭酸、ホルマリン等の消
毒剤、殺菌剤、あるいは芳香剤、消臭剤などが挙げられ
る。
は、特に制限されず、例えば、ナフタリン、ジクロルベ
ンゼン、ブトピロノキシル等の防虫剤、オーキシン等の
植物発育促進剤、シコニン、石炭酸、ホルマリン等の消
毒剤、殺菌剤、あるいは芳香剤、消臭剤などが挙げられ
る。
【0038】本発明の徐放性粘着材中における前記薬物
投与用粘着剤の使用量は、通常、10〜95重量%程度
であり、好ましくは50〜95重量%程度である。
投与用粘着剤の使用量は、通常、10〜95重量%程度
であり、好ましくは50〜95重量%程度である。
【0039】本発明の徐放性粘着材は、前記薬物投与用
粘着剤と、所定量の薬剤とを、例えば、ロール混合、押
出成形等の方法により混合して製造することができる。
粘着剤と、所定量の薬剤とを、例えば、ロール混合、押
出成形等の方法により混合して製造することができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を挙げ、
本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に
より何ら限定されるものではない。
本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に
より何ら限定されるものではない。
【0041】(実施例1)TPA樹脂(4−メチル−1
−ペンテンの低温カチオン重合体、GPC測定法による
重量平均分子量:130,000)2.0g に、ナフタ
リン粉末(和光純薬(株))2.0g を配合した。(ナ
フタリン50重量%)
−ペンテンの低温カチオン重合体、GPC測定法による
重量平均分子量:130,000)2.0g に、ナフタ
リン粉末(和光純薬(株))2.0g を配合した。(ナ
フタリン50重量%)
【0042】得られた配合物を50℃でロール混練した
後、50℃で50kg/cm2の圧力で加圧成形して、3cm
×3cmの溶出試験用の試料を作成した。
後、50℃で50kg/cm2の圧力で加圧成形して、3cm
×3cmの溶出試験用の試料を作成した。
【0043】得られた溶出試験用の試料を23℃、湿度
50%の恒温恒湿槽内に静置し、経過時間に対する重量
減少率(重量%)を測定した。結果を図1に△で図示す
る。同様に、50℃、湿度50%での経過時間に対する
重量減少率(重量%)を図1に◆で図示する。
50%の恒温恒湿槽内に静置し、経過時間に対する重量
減少率(重量%)を測定した。結果を図1に△で図示す
る。同様に、50℃、湿度50%での経過時間に対する
重量減少率(重量%)を図1に◆で図示する。
【0044】(比較例1)ナフタリン2.0g を、実施
例1と同様にして加圧成形してナフタリンのみからなる
溶出試験用の試料を作成し、これを実施例1と同様に形
状を一定として恒温恒湿槽内に静置して経過時間に対す
る重量減少率を測定した。結果を図1に、23℃、湿度
50%の場合の経過時間に対する重量減少率(重量%)
の測定結果を○で、50℃、湿度50%の場合の経過時
間に対する重量減少率(重量%)の測定結果を●で図示
する。
例1と同様にして加圧成形してナフタリンのみからなる
溶出試験用の試料を作成し、これを実施例1と同様に形
状を一定として恒温恒湿槽内に静置して経過時間に対す
る重量減少率を測定した。結果を図1に、23℃、湿度
50%の場合の経過時間に対する重量減少率(重量%)
の測定結果を○で、50℃、湿度50%の場合の経過時
間に対する重量減少率(重量%)の測定結果を●で図示
する。
【0045】(実施例2〜4)各例において、TPA樹
脂(4−メチル−1−ペンテンの低温カチオン重合体、
GPCによる重量平均分子量:120,000)に、オ
ーキシン(インドール酢酸;和光純薬(株))、ポリビ
ニルアルコール(PVA−500;和光純薬(株))
を、表1に示すとおりに配合して配合物を調製した。
脂(4−メチル−1−ペンテンの低温カチオン重合体、
GPCによる重量平均分子量:120,000)に、オ
ーキシン(インドール酢酸;和光純薬(株))、ポリビ
ニルアルコール(PVA−500;和光純薬(株))
を、表1に示すとおりに配合して配合物を調製した。
【0046】
【0047】得られた配合物を、70℃で3分間ロール
混練した後、両面に離型紙を積層し、50℃で50kg
/cm2 の圧力で加圧成形し、溶出試験用の試料を作成
した。この試料を下記の溶出試験に供した。結果を図2
に示す。
混練した後、両面に離型紙を積層し、50℃で50kg
/cm2 の圧力で加圧成形し、溶出試験用の試料を作成
した。この試料を下記の溶出試験に供した。結果を図2
に示す。
【0048】〔オーキシンの溶出試験〕溶出試験用の試
料を、溶出面積(26mmφ)に切断した後、裏打ち材
として片面にEVAフィルムを貼り付けた。ガラス製パ
ーチカルタイプ拡散セルに溶出用膜材として透析膜(V
ISKING:40μm、2板)を取付け、溶出試験片
を作成した。次に、図2に概略を示す溶出試験装置を用
いて溶出試験を行った。この溶出試験装置は、下部リセ
プター4に、溶出用膜材3と裏打ち材1を貼り付けた溶
出試験片2を、円柱状の上部リセプター8で固定し、上
部リセプター8の頂部は開放されている。また、下部リ
セプター4内には、スターラー6が配置され、溶出液9
を攪拌し、下部リセプター外側5に恒温水を流し、系内
の温度が一定になるように構成されている。この溶出試
験装置において、下部リセプター4側に溶出液9として
蒸留水を拡散セルの取出口部7から泡が入らないように
規定量注入し溶出用膜材3に接するように充填し、下部
リセプター外側5を循環する水の温度を25℃に設定
し、また、装置全体を温度23℃、湿度50%の恒温恒
湿槽内に入れた。スターラー6によって攪拌しながら、
取出口部7から溶出液9を10ml抜き出し、オーキシ
ンの定量を行った。また、抜き出し量と同量の溶出液を
補充した。このときの拡散セルレセプター側の累積薬物
透過量(ppm)を測定し、図3に結果を示した。
料を、溶出面積(26mmφ)に切断した後、裏打ち材
として片面にEVAフィルムを貼り付けた。ガラス製パ
ーチカルタイプ拡散セルに溶出用膜材として透析膜(V
ISKING:40μm、2板)を取付け、溶出試験片
を作成した。次に、図2に概略を示す溶出試験装置を用
いて溶出試験を行った。この溶出試験装置は、下部リセ
プター4に、溶出用膜材3と裏打ち材1を貼り付けた溶
出試験片2を、円柱状の上部リセプター8で固定し、上
部リセプター8の頂部は開放されている。また、下部リ
セプター4内には、スターラー6が配置され、溶出液9
を攪拌し、下部リセプター外側5に恒温水を流し、系内
の温度が一定になるように構成されている。この溶出試
験装置において、下部リセプター4側に溶出液9として
蒸留水を拡散セルの取出口部7から泡が入らないように
規定量注入し溶出用膜材3に接するように充填し、下部
リセプター外側5を循環する水の温度を25℃に設定
し、また、装置全体を温度23℃、湿度50%の恒温恒
湿槽内に入れた。スターラー6によって攪拌しながら、
取出口部7から溶出液9を10ml抜き出し、オーキシ
ンの定量を行った。また、抜き出し量と同量の溶出液を
補充した。このときの拡散セルレセプター側の累積薬物
透過量(ppm)を測定し、図3に結果を示した。
【0049】(比較例2)オーキシン100ppm水溶
液10mlを、溶出試験用の試料とし、これを実施例2
と同様の方法に従って溶出試験に供し、経過時間毎のオ
ーキシンの累積薬物透過量(ppm)を測定した。結果
を図3に●で示した。
液10mlを、溶出試験用の試料とし、これを実施例2
と同様の方法に従って溶出試験に供し、経過時間毎のオ
ーキシンの累積薬物透過量(ppm)を測定した。結果
を図3に●で示した。
【0050】(実施例5〜9)各例において、TPA樹
脂(4−メチル−1−ペンテンの低温カチオン重合体、
GPC法による重量平均分子量;120,000)に、
シコニン(三井石油化学工業株式会社製)、ドデシルア
ルコール(DA;和光純薬(株))および充填材として
合成ハイドロタルサイト(SHT;協和化学(株)製)
を、表2に示す示すとおりに配合して4種の配合物を調
製した。得られた4種の配合物を、それぞれ実施例2と
同様に成形し、溶出試験用の試料を作成し、これを溶出
試験に供した。溶出試験は、溶出液を1重量%水酸化ナ
トリウム水溶液(pH13.2)、透析膜を濾紙(東洋
濾紙(株)製、No.6)に変えたした以外は、実施例
2と同様の方法に従って溶出試験に供し、経過時間毎の
シコニンの溶出量(mg/cm2 )を測定した。結果を
図4に示す。
脂(4−メチル−1−ペンテンの低温カチオン重合体、
GPC法による重量平均分子量;120,000)に、
シコニン(三井石油化学工業株式会社製)、ドデシルア
ルコール(DA;和光純薬(株))および充填材として
合成ハイドロタルサイト(SHT;協和化学(株)製)
を、表2に示す示すとおりに配合して4種の配合物を調
製した。得られた4種の配合物を、それぞれ実施例2と
同様に成形し、溶出試験用の試料を作成し、これを溶出
試験に供した。溶出試験は、溶出液を1重量%水酸化ナ
トリウム水溶液(pH13.2)、透析膜を濾紙(東洋
濾紙(株)製、No.6)に変えたした以外は、実施例
2と同様の方法に従って溶出試験に供し、経過時間毎の
シコニンの溶出量(mg/cm2 )を測定した。結果を
図4に示す。
【0051】(実施例10〜12)TPA樹脂(4−メ
チル−1−ペンテンの低温カチオン重合体:GPC法に
よる重量平均分子量;95,000)に鎮痛消炎剤であ
るインドメタシン(IM;和光純薬(株)製)30重量
部、および充填剤として合成ハイドロタルサイト(SH
T;協和化学(株)製)10重量部を共通配合とし、経
皮吸収促進剤として表3に示すとおりに配合して、配合
物を調製した。
チル−1−ペンテンの低温カチオン重合体:GPC法に
よる重量平均分子量;95,000)に鎮痛消炎剤であ
るインドメタシン(IM;和光純薬(株)製)30重量
部、および充填剤として合成ハイドロタルサイト(SH
T;協和化学(株)製)10重量部を共通配合とし、経
皮吸収促進剤として表3に示すとおりに配合して、配合
物を調製した。
【0052】
【0053】得られた配合物を、実施例2と同様に成形
し、溶出試験用の試料を作成した。
し、溶出試験用の試料を作成した。
【0054】〔インドメタシンの溶出試験〕溶出試験用
の試料を直径26mmφの円形に切取り、裏打ち材とし
て片面にジュラガード(微孔質ポリプロピレンフィル
ム)を貼り付け、さらに他方の片面に溶出用膜材として
脱皮蛇膜(シマヘビ:脱皮後3〜5日の品)を貼り付
け、ガラス製バーチカルタイプ拡散セルに取付け、溶出
試験片を得た。次に、オーキシンの溶出試験に用いたも
のと同じ図1に概略を示す溶出試験装置を用いて溶出試
験を行った。この溶出試験装置において、下部リセプタ
ー4側に溶出液9として37℃に保温した0.1モルの
リン酸緩衝液(pH:7.22)を拡散セルの取出口部
7から規定量注入し溶出用膜材3に接するように充填
し、下部リセプター外側5を循環する水の温度を37℃
に設定し、また、装置全体を温度23℃、湿度50%の
恒温恒湿槽内に入れた。スターラー6によって攪拌を5
分間行った後、取出口部7から溶出液を10ml採取
し、溶出液中へのインドメタシンの溶出量(ppm)を
定量した。同様にして、時間の経過にしたがって、溶出
液中へのインドメタシンの溶出量を定量した。インドメ
タシンの累積溶出量(mg)を算出し、溶出用膜材3で
ある脱皮蛇膜の鱗部の面積を画像解析装置((株)ピア
ス製)を用いて測定し、鱗部を除した脱皮蛇膜の面積か
ら、経過時間毎のインドメタシンの溶出量(mg/cm
2 )を求めた。結果を図5に示す。
の試料を直径26mmφの円形に切取り、裏打ち材とし
て片面にジュラガード(微孔質ポリプロピレンフィル
ム)を貼り付け、さらに他方の片面に溶出用膜材として
脱皮蛇膜(シマヘビ:脱皮後3〜5日の品)を貼り付
け、ガラス製バーチカルタイプ拡散セルに取付け、溶出
試験片を得た。次に、オーキシンの溶出試験に用いたも
のと同じ図1に概略を示す溶出試験装置を用いて溶出試
験を行った。この溶出試験装置において、下部リセプタ
ー4側に溶出液9として37℃に保温した0.1モルの
リン酸緩衝液(pH:7.22)を拡散セルの取出口部
7から規定量注入し溶出用膜材3に接するように充填
し、下部リセプター外側5を循環する水の温度を37℃
に設定し、また、装置全体を温度23℃、湿度50%の
恒温恒湿槽内に入れた。スターラー6によって攪拌を5
分間行った後、取出口部7から溶出液を10ml採取
し、溶出液中へのインドメタシンの溶出量(ppm)を
定量した。同様にして、時間の経過にしたがって、溶出
液中へのインドメタシンの溶出量を定量した。インドメ
タシンの累積溶出量(mg)を算出し、溶出用膜材3で
ある脱皮蛇膜の鱗部の面積を画像解析装置((株)ピア
ス製)を用いて測定し、鱗部を除した脱皮蛇膜の面積か
ら、経過時間毎のインドメタシンの溶出量(mg/cm
2 )を求めた。結果を図5に示す。
【0055】(比較例3)市販のインテバン軟膏(1%
インドメタシン含有)を、脱皮蛇膜上に1mm厚に塗布
し、実施例10と同様の方法にしたがって溶出試験に供
し、経過時間毎のインドメタシンの溶出量(mg/cm
2 )を求めた。結果を図5に●で示す。
インドメタシン含有)を、脱皮蛇膜上に1mm厚に塗布
し、実施例10と同様の方法にしたがって溶出試験に供
し、経過時間毎のインドメタシンの溶出量(mg/cm
2 )を求めた。結果を図5に●で示す。
【0056】
【発明の効果】本発明の薬物投与用粘着剤は、各種の薬
物を配合して皮膚に適度の粘着力で粘着し、皮膚刺激性
が少ないためかぶれを起こすことがなく、薬物の皮膚へ
の吸収を適度に保つことができる。またこの薬物投与用
粘着材を含む本発明の皮膚貼付型粘着製剤は、皮膚を介
して該薬物を徐放させることにより、従来の経口投与型
製剤の欠点である、少量ずつ頻繁に投与しなければなら
ないという不便を解消し、かつ、患部近傍の皮膚に貼付
することによって、肝臓における解毒作用を回避できる
ので、該薬物の利用効率が高くなり、また、従来の経口
投与型製剤の服用に付随する無用の副作用を回避し、患
者の負担を軽減できる利点を有する。
物を配合して皮膚に適度の粘着力で粘着し、皮膚刺激性
が少ないためかぶれを起こすことがなく、薬物の皮膚へ
の吸収を適度に保つことができる。またこの薬物投与用
粘着材を含む本発明の皮膚貼付型粘着製剤は、皮膚を介
して該薬物を徐放させることにより、従来の経口投与型
製剤の欠点である、少量ずつ頻繁に投与しなければなら
ないという不便を解消し、かつ、患部近傍の皮膚に貼付
することによって、肝臓における解毒作用を回避できる
ので、該薬物の利用効率が高くなり、また、従来の経口
投与型製剤の服用に付随する無用の副作用を回避し、患
者の負担を軽減できる利点を有する。
【0057】また、本発明の徐放性粘着剤は、各種薬剤
を配合して該薬剤を適度の量で徐々に放出することがで
き、徐放性に優れるものである。そのため本発明の徐放
性粘着材は、例えば、防虫剤、植物発育促進剤、消毒
剤、芳香剤等の用途にも好適である。
を配合して該薬剤を適度の量で徐々に放出することがで
き、徐放性に優れるものである。そのため本発明の徐放
性粘着材は、例えば、防虫剤、植物発育促進剤、消毒
剤、芳香剤等の用途にも好適である。
【図1】実施例1および比較例1で行なったナフタリン
の溶出試験の結果を示す図。
の溶出試験の結果を示す図。
【図2】溶出試験装置の概略断面を示す図。
【図3】実施例2〜4、ならびに比較例2で行なったオ
ーキシンの溶出試験の結果を示す図。
ーキシンの溶出試験の結果を示す図。
【図4】実施例5〜9で行ったシコニンの溶出試験の結
果を示す図。
果を示す図。
【図5】実施例10〜12、ならびに比較例3で行った
インドメタシンの溶出試験の結果を示す図。
インドメタシンの溶出試験の結果を示す図。
1 裏打ち材 2 試料 3 溶出用膜材 4 下部リセプター 5 下部リセプター外側 6 スターラー 7 取出口部 8 上部リセプター 9 溶出液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 9/70 A61K 47/32 C08F 4/14 C09J 123/20 CA(STN)
Claims (5)
- 【請求項1】 ルイス酸系触媒による重合体である4−
メチル−1−ペンテン系重合体を主成分とするポリオレ
フィン系の薬物投与用粘着剤。 - 【請求項2】 前記4−メチル−1−ペンテン系重合体
が、4−メチル−1−ペンテンの低温カチオン重合体で
ある請求項1に記載のポリオレフィン系の薬物投与用粘
着剤。 - 【請求項3】 前記請求項1または2に記載のポリオレ
フィン系の薬物投与用粘着剤を粘着成分として含む皮膚
貼付型粘着製剤。 - 【請求項4】 さらに経皮吸収促進剤を含む請求項3に
記載の皮膚貼付型粘着製剤。 - 【請求項5】 前記請求項1または2に記載のポリオレ
フィン系の薬物投与用粘着剤を粘着成分として含む徐放
性粘着材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3063085A JP3023387B2 (ja) | 1991-03-27 | 1991-03-27 | 薬物投与用粘着剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3063085A JP3023387B2 (ja) | 1991-03-27 | 1991-03-27 | 薬物投与用粘着剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04297416A JPH04297416A (ja) | 1992-10-21 |
JP3023387B2 true JP3023387B2 (ja) | 2000-03-21 |
Family
ID=13219144
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3063085A Expired - Lifetime JP3023387B2 (ja) | 1991-03-27 | 1991-03-27 | 薬物投与用粘着剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3023387B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999014283A1 (fr) * | 1997-09-16 | 1999-03-25 | Teijin Limited | Adhesif sensible a la pression sous forme de gel, et matiere adhesive et preparation medicale adhesive renfermant ce dernier |
-
1991
- 1991-03-27 JP JP3063085A patent/JP3023387B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04297416A (ja) | 1992-10-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0835136B1 (en) | Skin permeation enhancer compositions comprising glycerol monolaurate and lauryl acetate | |
EP0698393B1 (en) | 3-l-MENTHOXY-PROPANE-1, 2-DIOL AS SOLUBILIZING AGENT AND EXTERNAL PREPARATION CONTAINING THE SAME | |
EP0760238B1 (en) | Percutaneously administrable preparation for treating urination disorder | |
US5614211A (en) | Oxybutynin transdermal device having decreased delamination | |
FI110161B (fi) | Menetelmä joustavan, biologisesti tarttuvan koostumuksen valmistamiseksi paikallista antomuotoa varten | |
US8728514B2 (en) | Transdermal preparations containing hydrophoic non-steroidal anti-inflammatory drugs | |
US7153522B1 (en) | Sorbefacients and preparations for percutaneous absorption containing the same | |
HU227814B1 (en) | Transdermal device containing polyvinylpyrrolidone as solubility enhancer | |
US8440222B2 (en) | Reservoir system with closed membrane | |
IL109508A (en) | Transdermal therapeutic system containing estradiol or a derivative thereof and a process for the preparation thereof | |
JP5015562B2 (ja) | 貼付製剤 | |
KR20060086319A (ko) | 테이프 제제 | |
US7029693B2 (en) | Percutaneously absorptive preparation | |
EP1961417B1 (en) | Bisoprolol-containing adhesive patch | |
US6652876B2 (en) | Active substance patch, kind to the skin, for transdermal administration of nonsteroidal antirheumatics | |
CA2140468C (en) | Percutaneous administration tape preparation | |
EP0997144A1 (en) | Plasticizer and patch containing the plasticizer | |
KR102302582B1 (ko) | 첩부제 | |
KR20150032298A (ko) | 경피 흡수 촉진제, 및 그것을 함유하는 첩부제 | |
US6471984B1 (en) | Cataplasm and tape-aid containing a plasticizer | |
JP3023387B2 (ja) | 薬物投与用粘着剤 | |
JP3020630B2 (ja) | 薬物投与用粘着剤 | |
JPH0723306B2 (ja) | 新規貼付製剤 | |
JPH0336806B2 (ja) | ||
JPS63203613A (ja) | 親水性経皮投与製剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19991228 |