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JP3016538B2 - 表面処理された窒化アルミニウム基材 - Google Patents

表面処理された窒化アルミニウム基材

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JP3016538B2
JP3016538B2 JP6147637A JP14763794A JP3016538B2 JP 3016538 B2 JP3016538 B2 JP 3016538B2 JP 6147637 A JP6147637 A JP 6147637A JP 14763794 A JP14763794 A JP 14763794A JP 3016538 B2 JP3016538 B2 JP 3016538B2
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oxide
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aluminum
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恭子 吉澤
光彦 松井
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Tokuyama Corp
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Tokuyama Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な表面処理された
窒化アルミニウム基材に関する。詳しくは、メタライズ
層との高い接合力を実現した、表面処理された窒化アル
ミニウム基材である。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の開発において、回路の
高集積化、小型化、軽量化、高速化、高出力化などの技
術動向に伴い、チップの発熱をいかに効率良く系外に逃
がすかが電子機器一般の問題として取り上げられるよう
になってきた。
【0003】このような電子機器が抱える上記問題点を
解決するために好適な基材として、優れた熱伝導性を有
する窒化アルミニウム基材が注目されている。
【0004】即ち、窒化アルミニウム基材は、熱伝導率
がアルミナ基材の約10倍あり、且つ、優れた電気絶縁
性、シリコンに近い熱膨張率、アルミナ基材と同等以上
の強度を保持していることから、放熱性に優れた電子機
器用基材として期待されている。
【0005】ところで、一般に電子機器用基材は、その
表面上に金、白金、銀ーパラジウム等のメタライズ成分
よりなるメタライズ層により電極、デバイス間の配線、
抵抗体などのパターンが形成される。
【0006】これらのパターンの形成は、通常、印刷法
によって行われる。即ち、電子機器用基材上にスクリー
ン印刷で所望のメタライズ層を形成するためのペースト
(以下、メタライズ層形成用ペーストという)を印刷
し、焼成することによって行われる。上記のメタライズ
層形成用ペーストは、主成分となるメタライズ組成を粉
末状としたものに数重量%の酸化物を添加し、さらに有
機バインダー、有機溶剤を分散させたもの、または、主
成分となるメタライズ組成の金属有機物と金属有機物の
添加剤を均一に溶解し、液状としたものが一般に使用さ
れる。
【0007】しかしながら、上記方法により形成される
メタライズ層は、アルミナ基材に用いた場合、良好な接
合力が得られるものの、窒化アルミニウム基材に対して
は高い接合力が得られないという問題が生じる。
【0008】上記問題点を解決する方法として、例えば
特開平01−24083号には、窒化アルミニウム基材
表面を酸化処理することによって酸化アルミニウムを形
成する方法が提案されている。また、特開平01−19
6149号には、窒化アルミニウム基材表面上に酸化ア
ルミニウム層よりなる結合層を介して酸化けい素からな
る表面層を形成する方法が提案されている。さらに、特
開平05−85869号には、窒化アルミニウム表面に
酸化処理によって酸化アルミニウムを形成した後、金属
アルコキシドを塗布、焼成することによって基材表面を
酸化物で被覆する方法が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記方法のいずれもが
窒化アルミニウム基材表面に酸化アルミニウムを形成し
ているのは、現在市販されているメタライズ層形成用ペ
ーストの多くが、アルミナ基材を対象にしているからで
ある。
【0010】しかし、窒化アルミニウム表面を酸化処理
することによって形成される酸化アルミニウム層は、市
販のアルミナ基板のようにペーストと強固に結合する助
剤等が含まれていないためその純度が高く、この表面に
形成されるメタライズ層との充分な接合力を得ることが
できない。
【0011】また、酸化アルミニウムが形成されると基
材表面の平滑性が失われ、これに薄膜用ペーストを用い
てパターン形成を行うと、パターンのゆがみや断線など
が生じる場合がある。
【0012】一方、上記酸化処理によって形成された酸
化アルミニウムよりなる層上に酸化けい素や金属アルコ
キシドによって形成された中間層を設けた場合は、メタ
ライズ層との接合力は良好なものの、該中間層と酸化ア
ルミニウムとの界面が脆弱になり、該部分において剥離
が生じ易い。また、該中間層によっても酸化アルミニウ
ム層の形成によって失われた表面の平滑性を回復するこ
ともできない。
【0013】従って、メタライズ層との接合力が高
く、基材表面の平滑性を失うことがなく、窒化アル
ミニウム基材から剥離しない表面処理層を有する表面処
理された窒化アルミニウム基材を開発することが大きな
課題であった。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決した表面処理された窒化アルミニウム基材を開発
すべく研究を重ねた。その結果、窒化アルミニウム基材
の表面に、酸化けい素または特定割合の酸化アルミニウ
ムを含有する酸化けい素に、特定量の酸化イットリウム
および/または酸化カルシウムを含有させてなる表面処
理層を有する構造の表面処理された窒化アルミニウム基
材が、メタライズ層との接合力を著しく向上せしめ、窒
化アルミニウム基材からのメタライズ層の剥離を極めて
確実に防止することができること、更に、上記表面処理
層を形成する窒化アルミニウム基材の表層部に、薄い酸
化処理層を介することにより、基材表面の平滑性を失う
ことなく、上記接合力を一層向上できることを見い出
し、本発明を提案するに至った。
【0015】即ち、本発明は、窒化アルミニウム基材の
表面に、(1)酸化けい素または酸化けい素と該酸化け
い素との合計量に対して80重量%以下の割合の酸化ア
ルミニウム、及び(2)上記酸化けい素または酸化けい
素と酸化アルミニウムとの合計量に対して0.01〜2
重量%の酸化イットリウムおよび/または酸化カルシウ
ムよりなる層が形成されてなる表面処理された窒化アル
ミニウム基材、及び窒化アルミニウム基材の表面に、該
窒化アルミニウム基材の表層部に形成された厚さ1μm
以下の酸化処理層を介して、(1)酸化けい素または酸
化けい素と該酸化けい素との合計量に対して80重量%
以下の割合の酸化アルミニウム、及び(2)上記酸化け
い素または酸化けい素と酸化アルミニウムとの合計量に
対して0.01〜2重量%の酸化イットリウムおよび/
または酸化カルシウムよりなる層が形成されてなる表面
処理された窒化アルミニウム基材を提供するものであ
る。
【0016】本発明において、窒化アルミニウム基材の
形状、大きさ等は特に制限されるものではなく、その用
途に対して適宜決定すればよい。例えば、厚みが0.1
mm以上、一般には、0.15〜20mmの板状体が使
用される。
【0017】また、上記窒化アルミニウム基材の表面荒
さをRaで0.1μm以下とすることが、これに形成さ
れる表面処理層の表面を平滑に維持するために好まし
い。
【0018】また、後記するように窒化アルミニウム基
材の表面に酸化処理層を設ける場合においても、該酸化
処理層は、1μm以下というわずかな厚みで十分効果を
発揮するため、かかる処理により窒化アルミニウム基材
表面の平滑性が失われることがない。
【0019】従って、上記平滑面にあたっては、薄膜の
メタライズ層による微細パターンの形成が容易になると
いうメリットを生じる。
【0020】本発明において、窒化アルミニウム基材の
表面に形成される表面処理層は、酸化けい素または特定
割合の酸化アルミニウムと酸化けい素、及び特定量の酸
化イットリウムおよび/または酸化カルシウムよりなる
ことが重要である。
【0021】即ち、かかる構成によりなる表面処理層
は、窒化アルミニウム基材または窒化アルミニウム基材
の表面に形成された酸化処理層に対して極めて高い接合
力を発揮することができる。
【0022】上記表面処理層を構成する複合酸化物の組
成において、酸化けい素は、窒化アルミニウム基材また
は酸化処理層を有する窒化アルミニウム基材表面の平滑
性を損なうことなく、表面処理層とメタライズ層とを強
固に接合させるために重要な成分である。かかる作用
は、酸化けい素が酸化アルミニウム、酸化イットリウ
ム、酸化カルシウムを均一に混合、分散させる作用を有
するものと推定している。
【0023】また、酸化アルミニウムは、表面処理層と
窒化アルミニウム基材または窒化アルミニウム基材の酸
化処理層とを均一に接合させることにより、より接合力
を向上させるために有効である。その添加量は酸化けい
素との合計量に対して80重量%以下の割合とすること
が望ましい。即ち、上記表面処理層において、酸化アル
ミニウムの割合が80重量%を越えた場合、メタライズ
層との接合力が低下するばかりでなく、表面処理層表面
の平滑性が損なわれる。
【0024】上記のように酸化アルミニウムを使用する
場合、表面処理層における酸化アルミニウムの割合は、
上記の範囲内であれば良いが、表面処理層の形成の容易
さ及び安定性から、特に、10〜75重量%の範囲であ
ることが好ましい。
【0025】表面処理層を構成する酸化イットリウムお
よび/または酸化カルシウムは、窒化アルミニウム基材
及び窒化アルミニウム基材表面に形成される酸化処理層
との反応性が高いため、これを含む表面処理層と窒化ア
ルミニウム基材または窒化アルミニウム基材表面に形成
された酸化処理層との接合強度を高めるために特に重要
な成分である。その添加量は、酸化けい素または酸化け
い素と酸化アルミニウムの合計に対して0.01から
2.0重量%が必要である。
【0026】即ち、表面処理層において、酸化イットリ
ウムおよび/または酸化カルシウムが0.01重量%未
満の場合、窒化アルミニウム基材または酸化処理層を有
する窒化アルミニウムとの反応が不充分で接合力が低下
し、一方、酸化イットリウムおよび/または酸化カルシ
ウムの割合が2.0重量%を越えた場合、表面処理層内
での分散が不均一になって表面処理層の剥離を引き起こ
す。
【0027】表面処理層における酸化イットリウムおよ
び/または酸化カルシウムは、どちらか一方のみが存在
していれば良いが、合計量が上記の範囲内であれば、両
者が同時に存在しても良い。また、酸化イットリウムお
よび/または酸化カルシウムの割合は、上記の範囲内で
あれば良いが、表面処理層の形成の容易さ及び安定性か
ら、特に、0.05〜1.5重量%の範囲であることが
好ましい。
【0028】本発明において、表面処理層の厚みは特に
制限されないが、一般に0.01〜0.2μm、好まし
くは0.03〜0.1μmに調整することが接合力を充
分発揮させるために好ましい。
【0029】本発明において、表面処理層の形成方法
は、前記組成の複合酸化物を形成する方法であれば特に
制限されない。一般には、金属の有機または無機化合物
の溶液を、加水分解・重縮合反応によってゾルからゲル
と固化し、ゲルの加熱によって酸化物を作製するゾルー
ゲル法、得ようとする物質をいったん気相にし、基材上
で固相に戻す真空蒸着法、スパッタリング法などが採用
される。
【0030】このうち、特にゾルーゲル法が、酸化イッ
トリウムや酸化カルシウムを表面処理層内により均一に
分散させ、表面処理層と窒化アルミニウム基材との接合
力を向上させることができ好ましい。
【0031】上記ゾルーゲル法を使用した表面処理層の
形成方法をより具体的に説明すれば、例えば、前記特定
の組成に調整されたけい素、アルミニウム、イットリウ
ム及びカルシウムの金属アルコキシドを、乳酸エチルお
よびアセチルアセトン中に約80℃で溶解させ、これに
乳酸エチル、酢酸及び純水の混合液を滴下した後、スピ
ンコーターによって窒化アルミニウム基材表面に均一に
塗布し、400〜600℃で約30分乾燥させて表面処
理層を得る方法が挙げられる。
【0032】以上のように、本発明の表面処理層は、窒
化アルミニウム基材と直接に接合することができるが、
窒化アルミニウム基材表面に形成される酸化処理層を介
することにより、更に高い接合力を発揮する。
【0033】本発明において、窒化アルミニウム基材の
表面に形成される酸化処理層は、窒化アルミニウム基材
の表面層を酸化し、酸化アルミニウムに変化せしめたも
のであり、窒化アルミニウム基材と表面処理層との接合
力をより向上させるために必要である。
【0034】即ち、上記酸化処理層は窒化アルミニウム
自体が変化したものであるから基材との接合力は高く、
且つ、表面処理層との反応性も高いため、この表面処理
層に対しても良好な接合力を示すのであろう。
【0035】酸化処理層の厚みは、1μm以下とするこ
とが必要である。酸化処理層の厚みが1μmを越えた場
合、窒化アルミニウム基材表面の平滑性が失われ、薄膜
のメタライズ層形成用ペーストによるパターン形成が困
難になる。また、窒化アルミニウム基材との整合性が低
下し、基材から剥離しやすくなる。
【0036】酸化処理層の厚みは上記の範囲内であれば
よいが、好ましくは0.7μm以下、更に好ましくは、
0.005〜0.6μmに調整することが、窒化アルミ
ニウム基材表面の平滑性を充分に発揮させるために好ま
しい。
【0037】酸化処理層の形成方法は、大気もしくは水
蒸気中で窒化アルミニウム基材を加熱する方法、薬品に
より腐食させる方法、プラズマ照射を行う方法など、窒
化アルミニウムを酸化アルミニウムに変える公知の方法
が特に制限なく採用される。
【0038】そのうち、大気中での加熱による方法が本
発明の目的を達成するために最適である。かかる加熱温
度は、950〜1200℃が好適であり、酸化処理層の
厚みは、該加熱温度と加熱時間を調節することにより実
施することができる。
【0039】本発明の表面処理された窒化アルミニウム
基材は、メタライズ層に対して高い接合力を有し、メタ
ライズ層を有する窒化アルミニウム基材を高い信頼性を
もって得ることができる。上記メタライズ層としては、
金、白金、銀ーパラジウム、銅等の電極、配線用材料
や、はんだ、モリブデンーマンガン等の接合用材料など
が挙げられる。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明にかかる表面処理された窒化アルミニウム基材は、窒
化アルミニウム基材表面に、酸化けい素または特定割合
の酸化アルミニウムを含有する酸化けい素に特定量の酸
化イットリウムおよび/または酸化カルシウムを含有さ
せた表面処理層を、直接、もしくは窒化アルミニウム基
材表面に形成される酸化処理層を介して形成することに
より、電極や抵抗体などを形成するメタライズ層と強固
に接合することが可能である。
【0041】また、上記表面処理層は、窒化アルミニウ
ム基材および窒化アルミニウム基材表面を処理して形成
された酸化処理層に対しても高い接合力を有し、窒化ア
ルミニウム基材とメタライズ層との高い接合力を発揮す
ることができる。
【0042】更に、窒化アルミニウム基材表面の平滑性
が保たれたまま表面処理層が形成されるため、薄膜のメ
タライズ層形成用ペーストによる微細なパターンも形成
することができる。
【0043】従って、本発明の表面処理された窒化アル
ミニウム基材は、あらゆる材質、形状および寸法の抵抗
体や電極などを搭載する電子機器用の基材として幅広く
活用することができる。特に、窒化アルミニウムの熱伝
導率が非常に良好なことから、チップやデバイスなどの
発熱が機器に悪影響を及ぼす部材に対して用いるとその
効果は顕著である。
【0044】
【実施例】本発明を具体的に説明するために以下の実施
例を挙げて説明するが、本発明は、これらの実施例に限
定されるものではない。
【0045】なお、実施例および比較例における各種試
験は下記の方法によって行った。
【0046】(1)接合力測定試験 表面処理された窒化アルミニウム基材の表面全体に、金
ペーストをスクリーン印刷後、800℃で1時間焼成し
て金のメタライズ層を形成した。
【0047】上記金ペーストは、厚膜ペースト(厚さ6
μm)と薄膜ペースト(厚さ0.8μm)をそれぞれ使
用した。
【0048】次に、上記金のメタライズ層表面にニッケ
ルめっきを施して接合力測定用試験体とした。なお、ニ
ッケルめっきを施した理由は、以下で用いるはんだが金
と直接反応し、合金化するのを防止するためである。ニ
ッケルめっきは電気めっき法によって行い、ニッケル浴
としてワット浴を用いた。ワット浴は、100ccの純
水に硫酸ニッケルを24g、塩化ニッケルを4.5g、
ほう酸を3gを加え、これを均一に攪拌することによっ
て作製した。めっき時の液温度は60℃とし、ニッケル
板を陽極に用いて、電圧1.5V、電流100mAでめ
っきを行った。ニッケルめっき層の厚みは1.0μmと
した。
【0049】ニッケルめっき後、断面積が1mm2のス
テンレス棒を、ニッケルめっき表面に対して垂直に取り
付けた。ステンレス棒とニッケルめっきの接合は、その
間にはんだを介在させることによって行った。はんだが
正しく装着されたことを確認した後、窒化アルミニウム
基材が動かないように固定し、引張試験機によってステ
ンレス棒を上方に引き上げ、表面処理された窒化アルミ
ニウム基材とステンレス棒が分離した瞬間の引張強度
を、金のメタライズ層との接合力とした。
【0050】上記試験を同一の試験体に対して10回行
い、その平均を測定値とした。
【0051】(2)パターン精度試験 上記(1)の接合力測定試験と同様にして、表面処理さ
れた窒化アルミニウム基材の表面全体に、薄膜ペースト
(厚さ0.8μm)を使用して金のメタライズを形成
し、試験体とした。
【0052】次に、得られた試験体の金のメタライズ層
表面に、ポジ型の厚膜レジスト材を膜厚が均一になるよ
うに塗布し、線幅5μm、線間隔5μmの線状パターン
が5本得られるように露光、現像した。
【0053】現像終了後、得ようとするパターン以外の
部分の金を、イオンミリング法によって除去した。な
お、イオンミリング時の加速電圧は600W、導入ガス
はアルゴンとした。
【0054】イオンミリング後の線状パターンを光学顕
微鏡によって観察し、断線やゆがみの有無を観察した。
断線やゆがみが存在しない場合は○、確認された場合は
×としてパターン精度を評価した。
【0055】実施例1〜14 表1に示す表面処理層を有する窒化アルミニウム基材を
以下の方法によって製造した。
【0056】先ず、1インチ角、厚さ0.635mmの
窒化アルミニウム基材を研削してその形状を1インチ
角、厚さ0.5mmに仕上げた。該窒化アルミニウム基
材の表面荒さはRa0.05μmであった。
【0057】上記酸化処理層の表面全体に、表1の組成
になるように計量されたテトラエトキシシランおよびア
ルミニウムイソプロポキシドを含む乳酸エチル100g
と、表1の組成になるように計量された三塩化イットリ
ウムを含むエタノール10gを室温で均一に混合した
後、80℃まで昇温した。
【0058】次に、アセチルアセトンを添加して80℃
で2時間環流下で攪拌した後、この溶液に乳酸エチル2
0g、純水0.9g、酢酸9gの混合液を適下して80
℃で2時間環流下で攪拌した。
【0059】このようにして得られた金属アルコキシド
溶液を室温まで徐冷した後、スピンコーターによって所
定の速度で回転している窒化アルミニウム基材表面上に
0.5ml適下して、溶液を基材表面全体に塗布した。
【0060】溶液塗布後、500℃で30分乾燥させて
表面処理層とした。
【0061】また、表1の酸化カルシウムを含有する表
面処理層は、表1の組成になるように計量されたテトラ
エトキシシラン、アルミニウムイソプロポキシドおよび
ジメトキシカルシウムを、100gの乳酸エチル中に均
一に溶解させた後、80℃まで昇温した。次に、アセチ
ルアセトンを添加して80℃で2時間環流下で攪拌した
後、この溶液に乳酸エチル20g、純水0.9g、酢酸
9gの混合液を適下して80℃で2時間環流下で攪拌し
た。
【0062】このようにして得られた金属アルコキシド
溶液を室温まで徐冷した後、スピンコーターによって、
所定の速度で回転している窒化アルミニウム基材表面上
に0.5ml適下して溶液を基材表面全体に塗布した。
溶液塗布後、500℃で30分乾燥させて表面処理層と
した。
【0063】以上のようにして得られた、表面処理され
た窒化アルミニウム基材につき、接合力測定試験及びパ
ターン精度試験を実施した。
【0064】その結果を表1に併せて示す。
【0065】実施例15〜24 表2に示す表面処理層を有する窒化アルミニウム基材を
以下の方法によって製造した。
【0066】先ず、1インチ角、厚さ0.635mmの
窒化アルミニウム基材を研削して、その形状を1インチ
角、厚さ0.5mmに仕上げた。該窒化アルミニウム基
材の表面荒さはRa0.05μmであった。
【0067】次に、この窒化アルミニウム基材を110
0℃の大気雰囲気に保たれたバッチ式電気炉内で所定の
時間加熱し、表2に示した厚みを持つ酸化処理層を得
た。
【0068】さらに、実施例1〜14と同様にしてそれ
ぞれ調製した金属アルコキシド溶液を、同様な方法で該
酸化処理層の表面全体に塗布した後、1000℃で30
分乾燥させて表面処理層とした。
【0069】以上のようにして得られた、表面処理され
た窒化アルミニウム基材につき、接合力測定試験及びパ
ターン精度試験を実施した。
【0070】その結果を表2に併せて示す。
【0071】比較例1〜10 実施例1〜14と同様な窒化アルミニウム基材を使用
し、表面処理層に含まれる酸化イットリウムまたは酸化
カルシウムの割合が本発明の範囲を外れるように調製さ
れた金属アルコキシドの溶液を、実施例1〜14と同様
な方法で窒化アルミニウム基材表面上に塗布、乾燥させ
て表面処理層を形成した。
【0072】以上のようにして得られた、表面処理され
た窒化アルミニウム基材につき、接合力測定試験及びパ
ターン精度試験を実施した結果を表1に併せて示す。
【0073】比較例11〜18 層の厚みが、本発明の範囲を外れるように形成された酸
化処理層を有する窒化アルミニウム基材を作製し、その
表面に金属アルコキシド溶液を、実施例15〜24と同
様にして塗布、乾燥させて表面処理層を形成した。
【0074】以上のようにして得られた、表面処理され
た窒化アルミニウム基材につき、接合力測定試験及びパ
ターン精度試験を実施した。
【0075】その結果を表2に併せて示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 41/87 C04B 41/89 C04B 41/90

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化アルミニウム基材の表面に、(1)酸
    化けい素または酸化けい素と該酸化けい素との合計量に
    対して80重量%以下の割合の酸化アルミニウム、及び
    (2)上記酸化けい素または酸化けい素と酸化アルミニ
    ウムとの合計量に対して0.01〜2重量%の酸化イッ
    トリウムおよび/または酸化カルシウムよりなる層が形
    成されてなる表面処理された窒化アルミニウム基材。
  2. 【請求項2】窒化アルミニウム基材の表面に、該窒化ア
    ルミニウム基材の表層部に形成された厚さ1μm以下の
    酸化処理層を介して、(1)酸化けい素または酸化けい
    素と該酸化けい素との合計量に対して80重量%以下の
    割合の酸化アルミニウム、及び(2)上記酸化けい素ま
    たは酸化けい素と酸化アルミニウムとの合計量に対して
    0.01〜2重量%の酸化イットリウムおよび/または
    酸化カルシウムよりなる層が形成されてなる表面処理さ
    れた窒化アルミニウム基材。
JP6147637A 1994-06-29 1994-06-29 表面処理された窒化アルミニウム基材 Expired - Fee Related JP3016538B2 (ja)

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