JP3013157B2 - 乳酸酸度上昇が抑制された乳酸菌発酵乳材料 - Google Patents
乳酸酸度上昇が抑制された乳酸菌発酵乳材料Info
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- A23C9/12—Fermented milk preparations; Treatment using microorganisms or enzymes
- A23C9/123—Fermented milk preparations; Treatment using microorganisms or enzymes using only microorganisms of the genus lactobacteriaceae; Yoghurt
- A23C9/1234—Fermented milk preparations; Treatment using microorganisms or enzymes using only microorganisms of the genus lactobacteriaceae; Yoghurt characterised by using a Lactobacillus sp. other than Lactobacillus Bulgaricus, including Bificlobacterium sp.
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Description
れた乳酸菌発酵乳材料及びこの乳酸菌発酵乳材料を含む
発酵乳、乳製品乳酸菌飲料及び乳主原乳酸菌飲料に関す
る。
飲料類は、種々のタイプのものが商品化され、消費量も
順調に拡大している。また、これらの中には様々な健康
に寄与する生理機能を有することが近年の研究により明
らかにされつつあるものもあり、急速な高齢化等により
高まっている消費者の健康志向に合致し、今後さらに消
費が拡大することが期待されている。
及び乳製品の成分規格等に関する省令」(乳等省令)に
より分類されている。発酵乳は、無脂乳固形分8.0重
量%以上、乳酸菌及び酵母数1×107/ml以上のも
のとされている。乳製品乳酸菌飲料は、無脂乳固形分
3.0重量%以上、乳酸菌及び酵母数1×107/ml
以上のものとされている。乳主原乳酸菌飲料は、無脂乳
固形分3.0重量%未満、乳酸菌及び酵母数1×106
/ml以上のものとされている。この分類に従って、各
種の乳酸発酵した乳製品が商品化されている。なお、本
発明において乳酸菌発酵乳材料とは、これら各種の発酵
乳及び乳酸菌飲料類の配合原料となる、乳等を発酵させ
たものを意味する。
ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helve
ticus)は、古くから発酵乳製造に際して代表的な乳酸菌
スターターとして用いられている。ラクトバチルス・ヘ
ルベティカスは、強いプロテイナーゼ活性を有し、その
菌体外プロテイナーゼが乳蛋白質を分解するために、ラ
クトバチルス・ヘルベティカスをスターターとして製造
された乳酸菌発酵乳材料は消化吸収が良く、また、菌体
外プロテイナーゼによる乳蛋白質の分解の際に生成され
るペプチドが、血圧上昇作用の原因物質であるアンギオ
テンシン変換酵素に対して阻害活性を有することが報告
されている(Nakamura Y.ら、日本農芸化学会誌67,289
(1993))。
actobacillus acidophilus)は、ヒトを含む動物の腸内
に常在し、抗菌物質の産生(Babel,F.J.: J/ Dairy Sc
i., 60, 815(1977))により、腸内菌叢のバランスを整え
(Sandineら: J. Milk Food Technol., 35, 691(197
2))、腸内において発癌性アミン類の生成に関わる酵素
活性を低下させ(Goldinら : Am. J. Clin. Nutr., 39,
756(1984))、その菌体は腸管からのコレステロールミセ
ルの吸収を減少させる作用(鈴木ら:日本畜産学会報,6
2(6), 565(1987))があることが報告されている。
をはじめとするラクトバチルス属乳酸菌を発酵乳及び乳
酸菌飲料類等用のスターターとして使用した場合、発酵
時における乳酸生成量が多いため製品のpH低下が著し
く、更にチルド流通チャネル等における低温保存におい
て乳酸酸度が上昇しやすいため製品の風味も変化しやす
い。従って、ラクトバチルス属乳酸菌を発酵乳及び乳酸
菌飲料類等用のスターターとして使用することは困難で
あり、特にラクトバチルス・ヘルベティカスは、ヨーグ
ルト等には殆ど用いられていないのが現状である。
保存中における乳酸酸度上昇を抑えるための試みとし
て、乳酸菌株の育種等の検討がこれまでになされている
(山本ら:特開平7−123977号公報)。しかしな
がら、ラクトバチルス・ヘルベティカスをはじめとする
ラクトバチルス属乳酸菌を発酵乳及び乳酸菌飲料類等用
のスターターとして使用した場合の乳酸酸度上昇を十分
解決する手段は得られていない。
トバチルス・ヘルベティカスをはじめとするラクトバチ
ルス属乳酸菌の生理機能を有し、且つ保存中における乳
酸酸度の上昇が抑制され、風味の経時変化が少なくラク
トバチルス属乳酸菌の生菌の生残性が良好となる乳酸菌
発酵乳材料及び該乳酸菌発酵乳材料を含む発酵乳、乳製
品乳酸菌飲料及び乳主原乳酸菌飲料を提供することにあ
る。
バチルス・ヘルベティカス及びラクトバチルス・アシド
フィルスに属する2種のラクトバチルス属乳酸菌を必須
の乳酸菌として用い、乳を原料として発酵させてなる、
乳酸酸度上昇が抑制された乳酸菌発酵乳材料が提供され
る。
材料を含み10℃、2週間保存時における乳酸酸度増加
量が0.5%以下であることを特徴とする発酵乳、前記
乳酸菌発酵乳材料を含み10℃、2週間保存時における
乳酸酸度増加量が0.3%以下であることを特徴とする
乳製品乳酸菌飲料、及び前記乳酸菌発酵乳材料を含み1
0℃、2週間保存時における乳酸酸度増加量が0.2%
以下であることを特徴とする乳主原乳酸菌飲料が提供さ
れる。
た乳酸菌発酵乳材料は、ラクトバチルス・ヘルベティカ
スに属する乳酸菌(以下、乳酸菌(a)と略す)及びラ
クトバチルス・アシドフィルスに属する乳酸菌(以下、
乳酸菌(b)と略す)の2種のラクトバチルス属乳酸菌
を必須の乳酸菌として用い、乳を原料として発酵させて
なる。
記乳(以下単に原料乳と称す)は、特に限定されず、各
種の動物性乳、植物性乳等を使用することができる。具
体的には例えば、牛乳、山羊乳、羊乳、馬乳等の動物性
乳、又は大豆由来の豆乳等の植物性乳等を挙げることが
できる。これらの原料乳は、全脂乳、脱脂乳、乳清等の
いずれであってもよく、また粉乳、濃縮乳等からの還元
乳であってもよい。これらの原料乳は、単独若しくは混
合物として用いることができる。
20重量%、好ましくは3〜15重量%であることが望
ましい。無脂乳固形分含有量を3重量%以上とすること
により、乳酸菌の発酵効率を良好とし、乳主原乳酸菌飲
料に限定されず発酵乳及び乳製品乳酸菌飲料の各種製品
にも本発明の乳酸菌発酵乳材料を使用することができ
る。また無脂乳固形分含有量を20重量%以下とするこ
とにより、乳酸発酵時にpH低下により形成されるカー
ド組織が滑らかさを欠くことを防ぎ、これにより口当た
りが粗くなることを防ぐことができる。しかしながら無
脂乳固形分含有量が前記範囲外であっても、許容しうる
本発明の効果を得ることができる。
のような成分組成になるよう成分を調整し、必要に応じ
てショ糖等の糖類を混合し、更に通常は均質化処理等を
行なってから殺菌を行なった後に、発酵に供することが
できる。
HT(超高温殺菌)又は90〜95℃のHTST(高温
殺菌)により行なうことができる。殺菌時間は、原料乳
の品質、工程環境等に応じて選択できる。例えばUHT
殺菌の場合は数秒間、HTST殺菌の場合は達温迄〜達
温後30分間の条件において行なうことができる。この
ような加熱による殺菌を行なった場合、殺菌終了後発酵
温度迄冷却した後、発酵に供することができる。
発酵乳材料は、前記乳を原料として、乳酸菌(a)及び
乳酸菌(b)の2種のラクトバチルス属乳酸菌を必須の
乳酸菌として用い発酵させてなる。これら特定の2種の
ラクトバチルス属乳酸菌を、組み合わせて同時発酵する
ことにより、保存中における乳酸酸度の上昇が抑制され
た乳酸菌発酵乳材料とすることができる。
ルベティカスに属する乳酸菌である限り特に限定されな
いが、具体的には例えばラクトバチルス・ヘルベティカ
スATCC−521、ラクトバチルス・ヘルベティカス
ATCC−8001、ラクトバチルス・ヘルベティカス
IFO−3807等を挙げることができる。また、前記
乳酸菌(b)は、広義のラクトバチルス・アシドフィル
スグループに属する乳酸菌である限り特に限定されない
が、具体的には例えばラクトバチルス・アシドフィル
ス、ラクトバチルス・ガッセリー(Lactobacillus gasse
ri)、ラクトバチルス・ジョンソニー(Lactobacillus jo
hnsonii)等を好ましく挙げることができる他、ラクトバ
チルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラ
クトバチルス・アミロボラス(Lactobacillus amylovoru
s)、ラクトバチルス・ガリナラム(Lactobacillus galli
narum)なども挙げることができる。更に具体的にはラク
トバチルス・アシドフィルスATCC−4356、ラク
トバチルス・ガッセリーATCC−33323、ラクト
バチルス・ジョンソニーATCC−33200等を好ま
しく挙げることができる。
及び乳酸菌(b)の生菌数の比率は、得られる乳酸菌発
酵乳材料の乳酸酸度の上昇を十分抑制し、且つ両菌株に
よるそれぞれの機能発現を十分なものとするために、好
ましくは1:10〜10:1、さらに好ましくはほぼ
1:1であることが望ましい。乳酸菌(a)及び乳酸菌
(b)の生菌数の比率を前記好ましい値とする方法とし
ては、特に限定されないが、例えば、乳酸菌(a)と乳
酸菌(b)とをそれぞれ単独で発酵させてスターターと
し、それぞれのスターター接種量の菌数比を乳酸菌
(a):乳酸菌(b)=1:1000〜1:1、特に好
ましくは乳酸菌(a):乳酸菌(b)=1:100〜
1:10とする方法が好ましく挙げられる。また、乳酸
菌(a)及び乳酸菌(b)を1つのバルクスターター中
に共存させ、乳酸菌発酵乳材料中の乳酸菌(a)と乳酸
菌(b)との生菌数の比率が所望の値となるよう培養条
件等を調節することにより生菌数の比率を調整してもよ
い。
が、通常発酵温度20〜50℃、好ましくは30〜45
℃、発酵時間3〜48時間、好ましくは6〜24時間の
範囲で行なうことができる。しかしながら、前述の、乳
酸菌(a)及び乳酸菌(b)を1つのバルクスターター
中に共存させて培養する場合には、発酵温度は乳酸菌
(a)よりも乳酸菌(b)の成育至適温度に近い温度、
即ち20〜45℃、好ましくは28〜35℃の範囲が好
ましい。
酸菌(a)よりも弱いため、乳酸菌(b)の増殖促進物
質を添加することによって、その増殖を促進させること
ができる。乳酸菌(b)の増殖促進物質としては、酵母
エキス、ブドウ糖、トマトジュース、ニンジンジュース
等の使用が一般的であるが、これらに限定されず、製品
の風味に影響を与えない範囲で様々な増殖促進物質を使
用することができる。
び乳酸菌(b)の他に、さらに他の菌を併用して用いて
もよい。前記他の菌としては、特に限定されないが、保
存中における乳酸菌(a)の乳酸産生能力を減弱させる
乳酸菌(b)以外の他の属種の乳酸菌、例えば各種の乳
酸球菌、各種のビフィズス菌、乳酸菌(a)、(b)以
外のラクトバチルス属乳酸菌を好ましく挙げることがで
きる。
度上昇の抑制は、乳酸菌(a)と乳酸菌(b)とを乳中
において同時に増殖させることにより発酵過程において
起こる両菌種の拮抗作用により、保存中の乳酸菌(a)
の乳酸産生能力が減弱されることにより発現するもので
あると思われる。後述する実施例の結果において、乳酸
菌(b)が存在しない比較例と比べて、本発明の乳酸菌
発酵乳材料において前記乳酸酸度上昇が抑制されている
にも拘らず乳酸菌(a)の生菌数の著しい減少が見られ
ないこと等から示唆される通り、前記乳酸酸度上昇の抑
制は、通常想起されるような、単に乳酸菌発酵乳材料中
において乳酸菌(a)の生菌数を著しく少なく抑えるこ
とによるものではない。前記乳酸菌(a)と乳酸菌
(b)との拮抗作用による乳酸産生能力の減弱即ち乳酸
酸度上昇の抑制は、主にスターターの接種量の多寡、培
養温度を適切に設定することにより、乳酸菌(b)によ
る乳酸菌(a)の乳酸産生能力を制御することで調節さ
れる。
材料を含み、10℃、2週間保存時における乳酸酸度増
加量が0.5%以下、好ましくは0.4%以下である。
本発明の発酵乳中の前記乳酸菌発酵乳材料の含有割合
は、発酵乳中の無脂乳固形分が8重量%以上となるよう
な割合である限り特に限定されないが、風味の観点から
は、発酵乳中の無脂乳固形分が8〜12重量%となるよ
う含有割合を調節することが好ましい。
酸菌発酵乳材料を含み、10℃、2週間保存時における
乳酸酸度増加量が0.3%以下、好ましくは0.2%以
下である。本発明の乳製品乳酸菌飲料中の前記乳酸菌発
酵乳材料の含有割合は、発酵乳中の無脂乳固形分が3重
量%以上8重量%未満となるような割合である限り特に
限定されないが、発酵乳中の無脂乳固形分が3〜5重量
%程度となるような含有割合とすることが一般的であ
る。
酸菌発酵乳材料を含み、10℃、2週間保存時における
乳酸酸度増加量が0.2%以下、好ましくは0.1%以
下である。本発明の発酵乳中の前記乳酸菌発酵乳材料の
含有割合は、発酵乳中の無脂乳固形分が3重量%未満と
なるような割合である限り特に限定されないが、発酵乳
中の無脂乳固形分が0.5〜2重量%程度となるような
含有割合とすることが一般的である。
チルス・ヘルベティカス及びラクトバチルス・アシドフ
ィルスに属する2種のラクトバチルス属乳酸菌を必須の
乳酸菌として用い原料乳を発酵させてなる乳酸菌発酵乳
材料であるので、発酵乳、乳製品乳酸菌飲料又は乳主原
乳酸菌飲料として保存した際に、その乳酸酸度の上昇が
抑制され、風味の経時変化が少なく、且つラクトバチル
ス属乳酸菌の生菌の生残性が良好である。さらに本発明
の乳酸菌発酵乳材料は、ラクトバチルス・ヘルベティカ
ス発酵乳材料が有する血圧降下作用等の生理機能と、ラ
クトバチルス・アシドフィルス発酵乳材料が有する脂質
代謝改善、整腸作用、発癌物質産生抑制作用、生菌のま
ま腸内に到達し腸内フローラを改善する作用等の生理機
能とを兼ね備えている。従って、本発明の乳酸菌発酵乳
材料は、前記各種の生理機能を有し且つ保存期間の長い
発酵乳、乳製品乳酸菌飲料又は乳主原乳酸菌飲料の原料
として有用である。
及び乳主原乳酸菌飲料は、前記乳酸菌発酵乳材料を含む
ので、前記各種の生理機能を有し且つチルド流通チャネ
ル等における低温保存において乳酸酸度の上昇が抑制さ
れるので、各種の生理機能を有し且つ風味変化が少なく
保存期間の長い発酵乳、乳製品乳酸菌飲料及び乳主原乳
酸菌飲料として有用である。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
り、115℃、20分間オートクレーブ滅菌した。これ
を培地として、ラクトバチルス・ヘルベティカスATC
C−521を接種し、37℃、18時間培養したものを
乳酸菌(a)の継代スターターとした。一方、MRS培
地(Difco製)100gをフラスコにとり、115
℃、20分間オートクレーブ滅菌した。これを培地とし
て、ラクトバチルス・アシドフィルスATCC−435
6を接種し、37℃、18時間培養したものを乳酸菌
(b)の継代スターターとした。
ラスコにとり、115℃、20分間オートクレーブ滅菌
した。これを培地として乳酸菌(a)の継代スターター
を接種し、37℃、18時間培養したものを乳酸菌
(a)のマザースターターとした。一方、10重量%還
元脱脂乳水溶液100gをフラスコにとり、0.3重量
%の酵母エキスを加えたものを115℃、20分間オー
トクレーブ滅菌した。これを培地として乳酸菌(b)の
継代スターターを接種し、乳酸酸度が1.2重量%に達
するまで培養したものを乳酸菌(b)のマザースタータ
ーとした。
0.3重量%の酵母エキスを加えたものを95℃、2秒
間殺菌した。これを培地として乳酸菌(b)のマザース
ターターを接種し、37℃、18時間培養し、乳酸酸度
が1.2重量%に達したものを乳酸菌(b)のバルクス
ターターとした。
0.1重量%の酵母エキスを加えたものを95℃、2秒
間殺菌した。これを培地として乳酸菌(a)のマザース
ターター0.05重量%及び乳酸菌(b)のバルクスタ
ーター1.0重量%を接種し、32℃で乳酸酸度が1.
2重量%に達するまで培養し、乳酸菌発酵乳材料(以
下、発酵乳材料Aと称する)を得た。得られた発酵乳材
料Aの特性値を表1に示す。
0.1重量%の酵母エキスを加えたものを95℃、2秒
間殺菌した。これを培地として乳酸菌(a)のマザース
ターター1.0重量%を接種し、32℃で乳酸酸度が
1.2重量%に達するまで培養し、乳酸菌発酵乳材料
(以下、発酵乳材料Bと称する)を得た。得られた発酵
乳材料Bの特性値を表1に示す。
料A及びBをそれぞれラクトバチルス・ヘルベティカス
生菌数が300個/ml程度になるように生理食塩水で
希釈した。それぞれの0.1mlを表2に示すCM寒天
培地に塗抹し、37℃、48時間培養した。発酵乳材料
Aを塗抹した培地では、集落の下部及び周辺に白濁は見
られなかったかごく弱い白濁が見られたのみであった
が、発酵乳材料Aを塗抹した培地では、集落の下部及び
周辺が強く白濁した。このことは、発酵乳材料Bに比べ
て、発酵乳材料Aのラクトバチルス・ヘルベティカスの
乳酸産生能力が減弱され、発酵乳材料Aの乳酸酸度上昇
が抑制されていることを示す。
酵乳の製造 実施例1及び比較例1で得られた発酵乳材料A又はB
に、それぞれ表3に示す配合割合に従って他の成分を混
合し、十分均一に撹拌溶解した後に、ラボラトリーホモ
ゲナイザー(APVゴーリン社製)を用いて、150k
g/cm2の均質化圧にて無菌的に均質化処理を行な
い、発酵乳A及びBを得た。得られた発酵乳A及びBの
特性値を表4に示す。
に容量300mlのゲーブルトップ紙容器に充填し、ヒ
ートシールして製品とした。得られた発酵乳A及びB製
品を10℃、2週間保存した後の酸度、pH、生菌数の
変化を表5に示す。
べ、発酵乳A製品の酸度上昇及びそれに伴うpHの低下
は強く抑制された。
製品乳酸菌飲料の製造 実施例1及び比較例1で得られた発酵乳材料A又はB
に、それぞれ表6に示す配合割合に従って他の成分を混
合し、十分均一に撹拌溶解した後に、ラボラトリーホモ
ゲナイザーを用いて、150kg/cm2の均質化圧に
て無菌的に均質化処理を行ない、乳製品乳酸菌飲料A及
びBを得た。得られた乳製品乳酸菌飲料A及びBの特性
値を表7に示す。
ぞれ無菌的に容量300mlのゲーブルトップ紙容器に
充填し、ヒートシールして製品とした。得られた乳製品
乳酸菌飲料A及びB製品を10℃、2週間保存した後の
酸度、pH、生菌数の変化を表8に示す。
製品に比べ、乳製品乳酸菌飲料A製品の酸度上昇及びそ
れに伴うpHの低下は強く抑制された。
主原乳酸菌飲料の製造 実施例1及び比較例1で得られた発酵乳材料A又はB
に、それぞれ表9に示す配合割合に従って他の成分を混
合し、十分均一に撹拌溶解した後に、ラボラトリーホモ
ゲナイザーを用いて、150kg/cm2の均質化圧に
て無菌的に均質化処理を行ない、乳主原乳酸菌飲料A及
びBを得た。得られた乳主原乳酸菌飲料A及びBの特性
値を表10に示す。
ぞれ無菌的に容量300mlのゲーブルトップ紙容器に
充填し、ヒートシールして製品とした。得られた乳主原
乳酸菌飲料A及びB製品を10℃、2週間保存した後の
酸度、pH、生菌数の変化を表11に示す。
B製品に比べ、乳主原乳酸菌飲料A製品の酸度上昇及び
それに伴うpHの低下は強く抑制された。
Claims (4)
- 【請求項1】 ラクトバチルス・ヘルベティカス及びラ
クトバチルス・アシドフィルスに属する2種のラクトバ
チルス属乳酸菌を必須の乳酸菌として用い、乳を原料と
して発酵させてなる、乳酸酸度上昇が抑制された乳酸菌
発酵乳材料。 - 【請求項2】 請求項1記載の乳酸菌発酵乳材料を含
み、10℃、2週間保存時における乳酸酸度増加量が
0.5%以下であることを特徴とする発酵乳。 - 【請求項3】 請求項1記載の乳酸菌発酵乳材料を含
み、10℃、2週間保存時における乳酸酸度増加量が
0.3%以下であることを特徴とする乳製品乳酸菌飲
料。 - 【請求項4】 請求項1記載の乳酸菌発酵乳材料を含
み、10℃、2週間保存時における乳酸酸度増加量が
0.2%以下であることを特徴とする乳主原乳酸菌飲
料。
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