JP3012138B2 - 凹凸面読み取り装置 - Google Patents
凹凸面読み取り装置Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、指紋などのような凹
凸面を読み取るための凹凸面読み取り装置に関する。
凸面を読み取るための凹凸面読み取り装置に関する。
【０００２】指紋などを簡便かつ正確に読み取るため
に、インク等を塗布せずに光学的に直接読み取る凹凸面
読み取り装置が求められている。
に、インク等を塗布せずに光学的に直接読み取る凹凸面
読み取り装置が求められている。
【０００３】
【従来の技術】図１２に示されるように、ガラスのよう
な透明な平行平面板１０１の表面１０１ａに指先を押し
当てて、平行平面板１０１の裏面１０１ｂ側に光源１０
２を配置して指紋５０を照明すると、平行平面板の表面
１０１ａに密着していない指紋５０の凹部で散乱した光
は、一度空気層を通ってから平行平面板１０１に入射す
る。
な透明な平行平面板１０１の表面１０１ａに指先を押し
当てて、平行平面板１０１の裏面１０１ｂ側に光源１０
２を配置して指紋５０を照明すると、平行平面板の表面
１０１ａに密着していない指紋５０の凹部で散乱した光
は、一度空気層を通ってから平行平面板１０１に入射す
る。
【０００４】したがって、その散乱光は平行平面板１０
１内では、破線で示されるように、臨界角より小さい角
度の光にしかならず、再び空気層と接する平行平面板の
裏面１０１ｂ側において、全反射することなく空気中に
抜け出す。
１内では、破線で示されるように、臨界角より小さい角
度の光にしかならず、再び空気層と接する平行平面板の
裏面１０１ｂ側において、全反射することなく空気中に
抜け出す。
【０００５】しかし、平行平面板の表面１０１ａに密着
している指紋５０の凸部で散乱した光は、平行平面板１
０１内のあらゆる方向に向かって進む。そして、平行平
面板の裏面１０１ｂ側に臨界角より大きい角度で達した
光は、平行平面板１０１内に全反射される。したがっ
て、全反射した光だけを光学系１０３〜１０７で固体撮
像素子１０６の受像面などに結像させることにより、指
紋５０を読み取ることができる。
している指紋５０の凸部で散乱した光は、平行平面板１
０１内のあらゆる方向に向かって進む。そして、平行平
面板の裏面１０１ｂ側に臨界角より大きい角度で達した
光は、平行平面板１０１内に全反射される。したがっ
て、全反射した光だけを光学系１０３〜１０７で固体撮
像素子１０６の受像面などに結像させることにより、指
紋５０を読み取ることができる。
【０００６】しかし、指紋５０の凹部に汗や雨水等（以
下、単に「水」という）５１があると、水５１の屈折率
は空気より大きいので、矢印Ａで示されるように、空気
からの入射の場合より平行平面板１０１内を大きな角度
で進む光が生じる。そのため、凹部からの散乱光が平行
平面板の裏面１０１ｂ側で全反射をして、指紋５０を正
しく読み取ることができない。
下、単に「水」という）５１があると、水５１の屈折率
は空気より大きいので、矢印Ａで示されるように、空気
からの入射の場合より平行平面板１０１内を大きな角度
で進む光が生じる。そのため、凹部からの散乱光が平行
平面板の裏面１０１ｂ側で全反射をして、指紋５０を正
しく読み取ることができない。
【０００７】そのように指紋５０の谷線部が汗で埋まっ
てしまった場合には、指紋５０の隆線と隆線の間に擬似
隆線が現れ、隆線どうしが橋で繋がった形をとる。その
結果、汗が入り込んだ谷線部は、図１３に示されるＢ部
のように、隆線部分として検出される。
てしまった場合には、指紋５０の隆線と隆線の間に擬似
隆線が現れ、隆線どうしが橋で繋がった形をとる。その
結果、汗が入り込んだ谷線部は、図１３に示されるＢ部
のように、隆線部分として検出される。
【０００８】このような指紋５０の特徴を抽出した場合
には、橋の部分（Ｂ部）が分岐点として登録されてしま
うが、汗による「橋」は再現性がないので、特徴として
登録されると指紋照合率の低下を引き起こす。
には、橋の部分（Ｂ部）が分岐点として登録されてしま
うが、汗による「橋」は再現性がないので、特徴として
登録されると指紋照合率の低下を引き起こす。
【０００９】そこで従来は、例えば図１４に示されるよ
うに、指紋の凸部で透明体２０１内に散乱したあとその
まま透明体２０１の側面から空中へ抜け出していく光
を、凹部内の水の層から透明体２０１内に入った光の達
しない位置（斜線部３００の領域）で検出して、それを
結像させることによって指紋を読み取るようにしてい
た。２０２は光源、２０７はカメラである（例えば特開
昭６３−２１１４６号）。
うに、指紋の凸部で透明体２０１内に散乱したあとその
まま透明体２０１の側面から空中へ抜け出していく光
を、凹部内の水の層から透明体２０１内に入った光の達
しない位置（斜線部３００の領域）で検出して、それを
結像させることによって指紋を読み取るようにしてい
た。２０２は光源、２０７はカメラである（例えば特開
昭６３−２１１４６号）。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】しかし、指紋の凸部で
透明体２０１内に散乱したあとそのまま透明体２０１か
ら空中へ抜け出していく光だけが到達できる領域３００
に結像光学系を配置すると、結像光学系を透明体２０１
に対して傾けて配置しなければならないので、使用時の
位置調整など、取り扱いが面倒で使用し難い欠点があ
る。また、プリズム又は平行平面板などで形成される透
明体２０１が大きくなってしまい、例えば平行平面板の
場合、１７．４７mm以上の厚さが必要となる。
透明体２０１内に散乱したあとそのまま透明体２０１か
ら空中へ抜け出していく光だけが到達できる領域３００
に結像光学系を配置すると、結像光学系を透明体２０１
に対して傾けて配置しなければならないので、使用時の
位置調整など、取り扱いが面倒で使用し難い欠点があ
る。また、プリズム又は平行平面板などで形成される透
明体２０１が大きくなってしまい、例えば平行平面板の
場合、１７．４７mm以上の厚さが必要となる。
【００１１】そこで本発明は、凹部に入った汗などの水
に影響されず、しかも取り扱いが容易で小型化すること
ができる凹凸面読み取り装置を提供することを目的とす
る。
に影響されず、しかも取り扱いが容易で小型化すること
ができる凹凸面読み取り装置を提供することを目的とす
る。
【００１２】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の凹凸面読み取り装置は、実施例を説明する
ための図１に示されるように、水より屈折率が大きくて
照明光に対して透明な透明体からなり、一方の面１ａに
凹凸物体５０が密着される平行平面板１と、上記平行平
面板１を介して上記凹凸物体５０を照明するための光源
２と、上記凹凸物体５０によって散乱されて上記平行平
面板１内を通り平行平面板１の他方の面１ｂで全反射さ
れる光のうち、平行平面板１と水５１との境界の臨界角
より大きな角度で全反射される光のみを結像させるため
の結像手段３，４，５とを設けたことを特徴とする。
め、本発明の凹凸面読み取り装置は、実施例を説明する
ための図１に示されるように、水より屈折率が大きくて
照明光に対して透明な透明体からなり、一方の面１ａに
凹凸物体５０が密着される平行平面板１と、上記平行平
面板１を介して上記凹凸物体５０を照明するための光源
２と、上記凹凸物体５０によって散乱されて上記平行平
面板１内を通り平行平面板１の他方の面１ｂで全反射さ
れる光のうち、平行平面板１と水５１との境界の臨界角
より大きな角度で全反射される光のみを結像させるため
の結像手段３，４，５とを設けたことを特徴とする。
【００１３】また、水５１より屈折率が大きくて照明光
に対して透明な透明体からなり、一方の面１ａに凹凸物
体５０が密着される平行平面板１と、屈折率が水と上記
平行平面板１との間にあって照明光に対して透明な透明
体からなり上記平行平面板１の他方の面１ｂに密着して
配置されたトラップ透明体９と、上記平行平面板１を介
して上記凹凸物体５０を照明するための光源２と、上記
凹凸物体５０によって散乱されて上記平行平面板１内を
通り上記トラップ透明体９との境界面で全反射される光
のみを結像させるための結像手段３，４，５とを設けた
ことを特徴とする。その場合、上記トラップ透明体９の
上記平行平面板１との密着面と反対側の面に、全反射防
止手段１０，１１，１２を設けてもよい。
に対して透明な透明体からなり、一方の面１ａに凹凸物
体５０が密着される平行平面板１と、屈折率が水と上記
平行平面板１との間にあって照明光に対して透明な透明
体からなり上記平行平面板１の他方の面１ｂに密着して
配置されたトラップ透明体９と、上記平行平面板１を介
して上記凹凸物体５０を照明するための光源２と、上記
凹凸物体５０によって散乱されて上記平行平面板１内を
通り上記トラップ透明体９との境界面で全反射される光
のみを結像させるための結像手段３，４，５とを設けた
ことを特徴とする。その場合、上記トラップ透明体９の
上記平行平面板１との密着面と反対側の面に、全反射防
止手段１０，１１，１２を設けてもよい。
【００１４】また、上記結像手段３，４，５が、上記平
行平面板１の他方の面１ｂで全反射された光を平行平面
板１内において平面と平行方向に反射させるように平行
平面板１の側面部に傾けて設けられたミラー３を有して
いてもよく、そのミラー３に対向する側の平行平面板１
の側面部に視野絞り４とを有していてもよい。また、上
記結像手段３，４，５が、上記凹凸物体５０の像の歪み
を補正するための歪み補正用光学系１５を含んでいても
よい。
行平面板１の他方の面１ｂで全反射された光を平行平面
板１内において平面と平行方向に反射させるように平行
平面板１の側面部に傾けて設けられたミラー３を有して
いてもよく、そのミラー３に対向する側の平行平面板１
の側面部に視野絞り４とを有していてもよい。また、上
記結像手段３，４，５が、上記凹凸物体５０の像の歪み
を補正するための歪み補正用光学系１５を含んでいても
よい。
【００１５】
【作用】平行平面板１の他方の面１ｂで全反射される光
のうち、平行平面板１と水５１との境界の臨界角より大
きな角度で反射される光のみを結像させることによっ
て、平行平面板１に密着している凸部で散乱した光だけ
が結像され、凹部内が水５１の層になっていても、凸部
の形状を正しく読み取ることができる。
のうち、平行平面板１と水５１との境界の臨界角より大
きな角度で反射される光のみを結像させることによっ
て、平行平面板１に密着している凸部で散乱した光だけ
が結像され、凹部内が水５１の層になっていても、凸部
の形状を正しく読み取ることができる。
【００１６】また、平行平面板１の他方の面１ｂにトラ
ップ透明体９を密着して設けたものでは、平行平面板１
に密着している凸部で散乱した光だけしか他方の面１ｂ
で全反射されないので、その全反射光を結像させること
によって、凹部内が水５１の層になっていても、凸部の
形状を正しく読み取ることができる。
ップ透明体９を密着して設けたものでは、平行平面板１
に密着している凸部で散乱した光だけしか他方の面１ｂ
で全反射されないので、その全反射光を結像させること
によって、凹部内が水５１の層になっていても、凸部の
形状を正しく読み取ることができる。
【００１７】そして、トラップ透明体９に全反射防止手
段１０，１１，１２を設ければ、平行平面板１からトラ
ップ透明体９に入射した光は、トラップ透明体９の厚さ
が薄くても平行平面板１に戻らない。
段１０，１１，１２を設ければ、平行平面板１からトラ
ップ透明体９に入射した光は、トラップ透明体９の厚さ
が薄くても平行平面板１に戻らない。
【００１８】また、平行平面板１の他方の面１ｂで全反
射された光を、平行平面板１の側面部に傾けて設けたミ
ラー３で平行平面板１内に反射させて反射側の側面部に
設けた視野絞り４を通すことによって、光軸を平行平面
板１の平面と平行にすることができる。
射された光を、平行平面板１の側面部に傾けて設けたミ
ラー３で平行平面板１内に反射させて反射側の側面部に
設けた視野絞り４を通すことによって、光軸を平行平面
板１の平面と平行にすることができる。
【００１９】そして、結像手段３，４，５に達する光に
よって生じる凹凸物体５０の凸部の像の歪みは、歪み補
正用光学系１５によって補正し、本来の凹凸物体５０の
形状とほぼ変わらない正しい形状の結像をさせることが
できる。
よって生じる凹凸物体５０の凸部の像の歪みは、歪み補
正用光学系１５によって補正し、本来の凹凸物体５０の
形状とほぼ変わらない正しい形状の結像をさせることが
できる。
【００２０】
【実施例】図面を参照して実施例を説明する。図１は第
１の実施例を示しており、１は、少なくとも光源２から
出射される照明光に対して透明な、ガラス又はプラスチ
ックからなる平行平面板であり、その上面１ａに凹凸物
体である指先の指紋５０を密着させるようになってい
る。
１の実施例を示しており、１は、少なくとも光源２から
出射される照明光に対して透明な、ガラス又はプラスチ
ックからなる平行平面板であり、その上面１ａに凹凸物
体である指先の指紋５０を密着させるようになってい
る。
【００２１】平行平面板１の下面１ｂの下方には、波長
が例えば６６０nmの光を出射する光源２（例えば発光ダ
イオード等）が上方に向けて配置されており、平行平面
板１の上面１ａに密着している指紋５０が、平行平面板
１を通して、光源２からの光によって照明される。な
お、平行平面板１の屈折率は、波長が６６０nmの光にお
いて例えば１．５１４である。
が例えば６６０nmの光を出射する光源２（例えば発光ダ
イオード等）が上方に向けて配置されており、平行平面
板１の上面１ａに密着している指紋５０が、平行平面板
１を通して、光源２からの光によって照明される。な
お、平行平面板１の屈折率は、波長が６６０nmの光にお
いて例えば１．５１４である。
【００２２】平行平面板１の一方の側端面（図において
左端側の面）は、平面１ａ，１ｂに対する角度θがθ＝
７７．５°の斜面に形成されていて、その面には、平面
ミラー３が内方に向けて設けられている。
左端側の面）は、平面１ａ，１ｂに対する角度θがθ＝
７７．５°の斜面に形成されていて、その面には、平面
ミラー３が内方に向けて設けられている。
【００２３】平面ミラー３が設けられている面に対向す
る、平行平面板１の反対側の側端面は、平面１ａ，１ｂ
に対して垂直に形成されていて、そこに視野絞り４が設
けられている。そして、平行平面板１の平面１ａ，１ｂ
と平行な方向を光軸として、視野絞り４の外側に結像レ
ンズ５が設けられている。
る、平行平面板１の反対側の側端面は、平面１ａ，１ｂ
に対して垂直に形成されていて、そこに視野絞り４が設
けられている。そして、平行平面板１の平面１ａ，１ｂ
と平行な方向を光軸として、視野絞り４の外側に結像レ
ンズ５が設けられている。
【００２４】結像レンズ５より先の光軸上には、平行平
面板１の上面１ａの像が結像される位置に、例えば電荷
結合素子（ＣＣＤ）からなる固体撮像素子６の受像面が
配置されている。
面板１の上面１ａの像が結像される位置に、例えば電荷
結合素子（ＣＣＤ）からなる固体撮像素子６の受像面が
配置されている。
【００２５】７は、結像レンズ５と固体撮像素子６との
間で光軸を曲げるように配置されたミラー、８は、固体
撮像素子６によって撮像された映像を処理して、図示さ
れていないモニタ等に画像を再生させるための映像処理
装置である。
間で光軸を曲げるように配置されたミラー、８は、固体
撮像素子６によって撮像された映像を処理して、図示さ
れていないモニタ等に画像を再生させるための映像処理
装置である。
【００２６】このように構成された実施例装置において
は、光源２からの光が平行平面板１内から指紋５０を照
明し、指紋５０に当たった光はそこで全方向に向かって
散乱する。
は、光源２からの光が平行平面板１内から指紋５０を照
明し、指紋５０に当たった光はそこで全方向に向かって
散乱する。
【００２７】図２は、平行平面板１に密着する指紋５０
の凸部に当たって散乱した光の光路を示している。この
光は、指紋５０に当たって散乱される際に空気中に出な
いので、平行平面板１内のあらゆる方向に向かう。
の凸部に当たって散乱した光の光路を示している。この
光は、指紋５０に当たって散乱される際に空気中に出な
いので、平行平面板１内のあらゆる方向に向かう。
【００２８】そして、平行平面板１の下面１ｂの空気層
との境界面において、平行平面板１と空気層との間の臨
界角より小さな角度で入射する光は空気中へ抜け、臨界
角より大きな角度で入射する光は全反射して平行平面板
１内に戻される。臨界角は、この実施例においては４
０．５度である。
との境界面において、平行平面板１と空気層との間の臨
界角より小さな角度で入射する光は空気中へ抜け、臨界
角より大きな角度で入射する光は全反射して平行平面板
１内に戻される。臨界角は、この実施例においては４
０．５度である。
【００２９】図３は、平行平面板１との間に空気層５２
が存在する指紋５０の凹部に当たって散乱した光の光路
を示している。この光は、平行平面板１の上面１ａにお
いて空気層５２から平行平面板１内に入り、下面１ｂに
おいて空中へ出る。したがって、平行平面板１の下面１
ｂでは全く全反射をせず、すべてが空中に抜け出す。
が存在する指紋５０の凹部に当たって散乱した光の光路
を示している。この光は、平行平面板１の上面１ａにお
いて空気層５２から平行平面板１内に入り、下面１ｂに
おいて空中へ出る。したがって、平行平面板１の下面１
ｂでは全く全反射をせず、すべてが空中に抜け出す。
【００３０】図４は、指紋５０の凹部内に汗５１または
雨などの水が存在する場合を示している。この汗５１の
屈折率を例えば１．３４とすると、平行平面板１と汗５
１の層との境界面の臨界角は６０．５度である。したが
って、指紋５０の凹部に当たって散乱して汗５１の層か
ら平行平面板１中を通る光は、平行平面板１の下面１ｂ
に入射角が６０．５度より小さい角度で到達する。
雨などの水が存在する場合を示している。この汗５１の
屈折率を例えば１．３４とすると、平行平面板１と汗５
１の層との境界面の臨界角は６０．５度である。したが
って、指紋５０の凹部に当たって散乱して汗５１の層か
ら平行平面板１中を通る光は、平行平面板１の下面１ｂ
に入射角が６０．５度より小さい角度で到達する。
【００３１】言い換えると、汗５１の層を通過した光
は、平行平面板１の下面１ｂに対して入射角が６０．５
度より大きな角度では到達しない。そして、入射角αが
４０．５度から６０．５度の範囲の光が、下面１ｂにお
いて平行平面板１内に全反射をする。
は、平行平面板１の下面１ｂに対して入射角が６０．５
度より大きな角度では到達しない。そして、入射角αが
４０．５度から６０．５度の範囲の光が、下面１ｂにお
いて平行平面板１内に全反射をする。
【００３２】図１に戻って、この実施例の装置では、平
面ミラー３の斜面の角度θを７７．５度に設定してある
ので、平行平面板１の下面１ｂに対して入射角が６５度
の角度で到達してそこで全反射する光が、平行平面板１
の平面１ａ，１ｂと平行の方向に平面ミラー３で反射さ
れて、視野絞り４に達する。
面ミラー３の斜面の角度θを７７．５度に設定してある
ので、平行平面板１の下面１ｂに対して入射角が６５度
の角度で到達してそこで全反射する光が、平行平面板１
の平面１ａ，１ｂと平行の方向に平面ミラー３で反射さ
れて、視野絞り４に達する。
【００３３】したがって、平行平面板１の下面１ｂに対
して入射角が６５度前後の角度で到達して全反射した光
のみが、結像レンズ５によって固体撮像素子６の受光面
に結像される。
して入射角が６５度前後の角度で到達して全反射した光
のみが、結像レンズ５によって固体撮像素子６の受光面
に結像される。
【００３４】前述したとおり、汗５１の層を通過した光
は、平行平面板１に対して入射角が６０．５度より大き
な角度では入射しないから、平面ミラー３を経て結像さ
れることはなく、結像されるのは指紋５０の凸部で散乱
された光だけである。したがって、指紋５０の凹部内に
汗５１が存在していても、指紋５０の凸部だけが固体撮
像素子６の受像面に結像されて、それを読み取ることが
できる。
は、平行平面板１に対して入射角が６０．５度より大き
な角度では入射しないから、平面ミラー３を経て結像さ
れることはなく、結像されるのは指紋５０の凸部で散乱
された光だけである。したがって、指紋５０の凹部内に
汗５１が存在していても、指紋５０の凸部だけが固体撮
像素子６の受像面に結像されて、それを読み取ることが
できる。
【００３５】そして、結像する光は、平行平面板１の下
面１ｂで全反射されてから斜面の平面ミラー３で平行平
面板１内を側方に向けて反射される光なので、平行平面
板１の厚さを薄く、例えば１０mm以下にしても結像に支
障がなく、また、その光軸が平行平面板１の平面１ａ，
１ｂと平行なので、結像レンズ５など光学系の配置が容
易で取り扱い易い。
面１ｂで全反射されてから斜面の平面ミラー３で平行平
面板１内を側方に向けて反射される光なので、平行平面
板１の厚さを薄く、例えば１０mm以下にしても結像に支
障がなく、また、その光軸が平行平面板１の平面１ａ，
１ｂと平行なので、結像レンズ５など光学系の配置が容
易で取り扱い易い。
【００３６】図５は本発明の第２の実施例を示してお
り、屈折率が平行平面板１より小さくて汗５１よりは大
きい、例えば屈折率１．４５の透明な平行平面体からな
るトラップ透明体９を、平行平面板１の下面１ｂに密着
して接合してある。
り、屈折率が平行平面板１より小さくて汗５１よりは大
きい、例えば屈折率１．４５の透明な平行平面体からな
るトラップ透明体９を、平行平面板１の下面１ｂに密着
して接合してある。
【００３７】光源２はトラップ透明体９の下方に配置さ
れていて、光源２から出射された照明光は、トラップ透
明体９と平行平面板１とを通って、平行平面板１の上面
１ａに密着する指紋５０を照明する。
れていて、光源２から出射された照明光は、トラップ透
明体９と平行平面板１とを通って、平行平面板１の上面
１ａに密着する指紋５０を照明する。
【００３８】このように構成された、平行平面板１とト
ラップ透明体９との境界面における臨界角は７０．３度
である。一方、指紋５０の凹部内の汗５１の層を通過し
て平行平面板１内に入った光は、平行平面板１の下面１
ｂに対して入射角が６０．５度以下であるから、図５に
破線で示されるように、下面１ｂにおいて全反射される
ことなく、トラップ透明体９側へ抜け出し、その後トラ
ップ透明体９から空中へ抜け出す。
ラップ透明体９との境界面における臨界角は７０．３度
である。一方、指紋５０の凹部内の汗５１の層を通過し
て平行平面板１内に入った光は、平行平面板１の下面１
ｂに対して入射角が６０．５度以下であるから、図５に
破線で示されるように、下面１ｂにおいて全反射される
ことなく、トラップ透明体９側へ抜け出し、その後トラ
ップ透明体９から空中へ抜け出す。
【００３９】一方、指紋５０の凸部で反射された光は、
平行平面板１の下面に対して７０．３度以上の角度でも
入射する。したがって、平行平面板１の下面１ｂで全反
射するのは、平行平面板１の上面１ａに密着する指紋５
０の凸部で散乱された光だけであり、この下面１ｂで全
反射した光だけを第１の実施例と同様に結像させること
により、指紋５０の凸部を読み取ることができる。
平行平面板１の下面に対して７０．３度以上の角度でも
入射する。したがって、平行平面板１の下面１ｂで全反
射するのは、平行平面板１の上面１ａに密着する指紋５
０の凸部で散乱された光だけであり、この下面１ｂで全
反射した光だけを第１の実施例と同様に結像させること
により、指紋５０の凸部を読み取ることができる。
【００４０】この実施例では、余分な光が平行平面板１
の下面１ｂで完全に分離されるので、よりコントラスト
の高い像を得ることができる。平行平面板１の下面１ｂ
に対して入射角が７２度の光を結像させるとすれば、平
面ミラー３が設けられた面の角度θは７９度にする。な
お、トラップ透明体９の屈折率は水の屈折率と平行平面
板１の屈折率の間の値をとればよく、それに対応してθ
の角度も変えればよい。
の下面１ｂで完全に分離されるので、よりコントラスト
の高い像を得ることができる。平行平面板１の下面１ｂ
に対して入射角が７２度の光を結像させるとすれば、平
面ミラー３が設けられた面の角度θは７９度にする。な
お、トラップ透明体９の屈折率は水の屈折率と平行平面
板１の屈折率の間の値をとればよく、それに対応してθ
の角度も変えればよい。
【００４１】図６及び図７は、本発明の第３及び第４の
実施例を示しており、トラップ透明体９に入射した光の
抜け出す方向を特定させたものである。図６の第３の実
施例においては、平面ミラー３をトラップ透明体９の側
端面まで密着するように形成し、その結果、破線で示さ
れるように、トラップ透明体９中に入った光が、結像光
軸と平行に近い向きで空中に抜け出す。
実施例を示しており、トラップ透明体９に入射した光の
抜け出す方向を特定させたものである。図６の第３の実
施例においては、平面ミラー３をトラップ透明体９の側
端面まで密着するように形成し、その結果、破線で示さ
れるように、トラップ透明体９中に入った光が、結像光
軸と平行に近い向きで空中に抜け出す。
【００４２】図７の第４の実施例においては、トラップ
透明体９の側端面を、トラップ透明体９中に入った光の
光軸と略垂直になるようにカットしてあり、トラップ透
明体９内の光が、そのカット面からほぼ真直に空中へ抜
け出す。
透明体９の側端面を、トラップ透明体９中に入った光の
光軸と略垂直になるようにカットしてあり、トラップ透
明体９内の光が、そのカット面からほぼ真直に空中へ抜
け出す。
【００４３】図８は本発明の第５の実施例を示してお
り、トラップ透明体９の下面に、例えば黒塗り塗装など
のような全反射防止膜１０を設けたものであり、そこに
達した光が全反射しないので、トラップ透明体９の厚さ
を薄くしても結像光線に余分な光線が混じらない。
り、トラップ透明体９の下面に、例えば黒塗り塗装など
のような全反射防止膜１０を設けたものであり、そこに
達した光が全反射しないので、トラップ透明体９の厚さ
を薄くしても結像光線に余分な光線が混じらない。
【００４４】図９及び図１０は本発明の第６及び第７の
実施例を示しており、トラップ透明体９の下面側に回折
格子を設けることにより、その面での全反射を阻止する
と共に、結像されない光がトラップ透明体９から下方の
所定方向に抜け出すようにしたものである。
実施例を示しており、トラップ透明体９の下面側に回折
格子を設けることにより、その面での全反射を阻止する
と共に、結像されない光がトラップ透明体９から下方の
所定方向に抜け出すようにしたものである。
【００４５】図９の第６の実施例では、回折格子として
トラップ透明体９の下面にグレーティング１１を形成
し、図１０の第７の実施例では、表面レリーフ型のホロ
グラム１２をトラップ透明体９の下面に密着して接合し
てある。このように、トラップ透明体９の下面側に回折
格子を配置することにより、トラップ透明体９を非常に
薄くしてもさしつかえなく、装置を小型化できる。
トラップ透明体９の下面にグレーティング１１を形成
し、図１０の第７の実施例では、表面レリーフ型のホロ
グラム１２をトラップ透明体９の下面に密着して接合し
てある。このように、トラップ透明体９の下面側に回折
格子を配置することにより、トラップ透明体９を非常に
薄くしてもさしつかえなく、装置を小型化できる。
【００４６】図１１は本発明の第８の実施例を示してお
り、固体撮像素子６の受光面に結像される指紋５０の像
の歪み（ゆがみ）を補正するための歪み補正用光学系１
５を結像光学系中に設けたものである。
り、固体撮像素子６の受光面に結像される指紋５０の像
の歪み（ゆがみ）を補正するための歪み補正用光学系１
５を結像光学系中に設けたものである。
【００４７】歪み補正用光学系１５としては、例えばレ
ンズの光軸を偏心させた光学系やプリズム等が用いられ
る。これによって像の歪みが補正されて、指紋５０を正
しい形状で読み取ることができる。なお、このような歪
み補正用光学系１５は、前述の第１ないし第７の実施例
のいずれに対しても適用することができる。
ンズの光軸を偏心させた光学系やプリズム等が用いられ
る。これによって像の歪みが補正されて、指紋５０を正
しい形状で読み取ることができる。なお、このような歪
み補正用光学系１５は、前述の第１ないし第７の実施例
のいずれに対しても適用することができる。
【００４８】
【発明の効果】本発明によれば、一方の面に凹凸物体が
密着される平行平面板の他方の面における全反射光の一
部を選択的に結像させることによって、凹凸物体の凹部
内に水が存在していても、凸部の像だけを結像させて正
しく読み取ることができ、しかも、結像光軸を、平行平
面板の平面と平行にする等取り扱い易い向きに任意に設
定することができ、また、平行平面板の厚さを薄くして
小型化することもできる。
密着される平行平面板の他方の面における全反射光の一
部を選択的に結像させることによって、凹凸物体の凹部
内に水が存在していても、凸部の像だけを結像させて正
しく読み取ることができ、しかも、結像光軸を、平行平
面板の平面と平行にする等取り扱い易い向きに任意に設
定することができ、また、平行平面板の厚さを薄くして
小型化することもできる。
【００４９】また、平行平面板の他方の面にトラップ透
明体を密着して配置すれば、凹部内の水の層を通ってき
た光が、平行平面板の他方の面で全反射することなく平
行平面板からトラップ透明体へ抜け出すので、コントラ
ストが増してより鮮明に結像させることができる。
明体を密着して配置すれば、凹部内の水の層を通ってき
た光が、平行平面板の他方の面で全反射することなく平
行平面板からトラップ透明体へ抜け出すので、コントラ
ストが増してより鮮明に結像させることができる。
【００５０】そして、トラップ透明体の、平行平面板と
の密着面と反対側の面に全反射防止手段を設けることに
より、トラップ透明体を非常に薄く形成して装置を小型
にすることができる。また、結像手段に歪み補正用光学
系を含ませることによって、結像される像の歪みを補正
して、正しい形状に鮮明に結像させることができる。
の密着面と反対側の面に全反射防止手段を設けることに
より、トラップ透明体を非常に薄く形成して装置を小型
にすることができる。また、結像手段に歪み補正用光学
系を含ませることによって、結像される像の歪みを補正
して、正しい形状に鮮明に結像させることができる。
【図１】第１の実施例の構成図である。
【図２】第１の実施例の動作説明図である。
【図３】第１の実施例の動作説明図である。
【図４】第１の実施例の動作説明図である。
【図５】第２の実施例の構成図である。
【図６】第３の実施例の構成図である。
【図７】第４の実施例の構成図である。
【図８】第５の実施例の構成図である。
【図９】第６の実施例の構成図である。
【図１０】第７の実施例の構成図である。
【図１１】第８の実施例の構成図である。
【図１２】従来例の構成図である。
【図１３】従来例の読み取り結果を示す図である。
【図１４】第２の従来例の構成図である。
１ 平行平面板 ２ 光源 ３ 平面ミラー ４ 視野絞り ５ 結像レンズ ５０ 指紋 ５１ 汗（水）
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−211468（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−176984（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−228271（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) G06T 1/00
Claims (5)
- 【請求項１】 水より屈折率が大きくて照明光に対して透
明な透明体からなり、一方の面に凹凸物体が密着される
平行平面板と、 屈折率が水と上記平行平面板との間にあって照明光に対
して透明な透明体からなり、上記平行平面板の他方の面
に密着して配置されたトラップ透明体と、 上記平行平面板を介して上記凹凸物体を照明するための
光源と、 上記凹凸物体によって散乱されて上記平行平面板内を通
り上記トラップ透明体との境界面で全反射される光のみ
を結像させるための結像手段とを設けたことを特徴とす
る凹凸面読み取り装置。 - 【請求項２】 上記トラップ透明体の上記平行平面板との
密着面と反対側の面に、全反射防止手段を設けた請求項
１記載の凹凸面読み取り装置。 - 【請求項３】 上記結像手段が、上記平行平面板の他方の
面で全反射された光を平行平面板内においてその平面と
平行方向に反射させるように平行平面板の側面部に傾け
て設けられたミラーを有している請求項１又は２記載の
凹凸面読み取り装置。 - 【請求項４】 上記ミラーが設けられている平行平面板の
側面部に対向する側の側面部に視野絞りが設けられてい
る請求項３記載の凹凸面読み取り装置。 - 【請求項５】 上記結像手段が、上記凹凸物体の像の歪み
を補正するための歪み補正用光学系を含んでいる請求項
１、２、３又は４記載の凹凸面読み取り装置。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6012425A JP3012138B2 (ja) | 1994-02-04 | 1994-02-04 | 凹凸面読み取り装置 |
| US08/371,808 US5621516A (en) | 1994-02-04 | 1995-01-12 | Optical device for forming an image of an uneven surface |
| KR1019950001253A KR0155034B1 (ko) | 1994-02-04 | 1995-01-25 | 요철면 판독장치 |
| FR9501264A FR2716742B1 (fr) | 1994-02-04 | 1995-02-03 | Appareil de lecture de surface inégale. |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6012425A JP3012138B2 (ja) | 1994-02-04 | 1994-02-04 | 凹凸面読み取り装置 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07220041A JPH07220041A (ja) | 1995-08-18 |
| JP3012138B2 true JP3012138B2 (ja) | 2000-02-21 |
Family
ID=11804934
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6012425A Expired - Fee Related JP3012138B2 (ja) | 1994-02-04 | 1994-02-04 | 凹凸面読み取り装置 |
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| Country | Link |
|---|---|
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| JP (1) | JP3012138B2 (ja) |
| KR (1) | KR0155034B1 (ja) |
| FR (1) | FR2716742B1 (ja) |
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| JPH10289304A (ja) * | 1997-02-12 | 1998-10-27 | Nec Corp | 指紋画像入力装置 |
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1994
- 1994-02-04 JP JP6012425A patent/JP3012138B2/ja not_active Expired - Fee Related
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1995
- 1995-01-12 US US08/371,808 patent/US5621516A/en not_active Expired - Lifetime
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