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JP3005348B2 - 変速機の制御装置 - Google Patents

変速機の制御装置

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Publication number
JP3005348B2
JP3005348B2 JP3335604A JP33560491A JP3005348B2 JP 3005348 B2 JP3005348 B2 JP 3005348B2 JP 3335604 A JP3335604 A JP 3335604A JP 33560491 A JP33560491 A JP 33560491A JP 3005348 B2 JP3005348 B2 JP 3005348B2
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JP
Japan
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clutch
pressure
control
hydraulic pressure
oil
Prior art date
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Application number
JP3335604A
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English (en)
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JPH05149418A (ja
Inventor
常雄 今野
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
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Publication of JPH05149418A publication Critical patent/JPH05149418A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動力伝達経路中におけ
る駆動側と被動側との間に配設されて油圧作動制御さ
れ、これら両者の間の動力伝達を制御する油圧作動制御
式クラッチを有してなる変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】自動変速機等においては、変速用クラッ
チの作動制御は変速制御バルブから選択的に供給される
ライン圧を用いて行われる。このライン圧は変速クラッ
チの最大伝達トルクを考慮して設定され、変速クラッチ
が最大伝達トルクを伝達しても変速クラッチがスリップ
しないような油圧に設定される。このライン圧はエンジ
ンにより駆動される油圧ポンプからの吐出油から得るの
であるが、ライン圧を常時上記最大伝達トルクに対応す
る油圧に設定したのでは、エンジンによる油圧ポンプの
駆動馬力としては常に最大伝達トルクに対応する出力が
必要となり、エンジンの燃費効率が良くないという問題
がある。
【0003】このため、上記ライン圧を変速クラッチの
伝達トルクに対応して変化させれば、ライン圧を必要に
応じて低下させることができ、エンジンによる油圧ポン
プの駆動ロスを抑えて、燃費効率を向上させることかで
きる。このようなことから、例えば、特開平3−746
69号公報には、車速、スロットル開度等に基づいて変
速クラッチに供給されるライン圧を可変制御することが
開示されている。
【0004】一方、従来の自動変速機においてはエンジ
ンと変速機構の間にトルクコンバータが配設されること
が多いのであるが、エンジンから変速機構を介して出力
側に至る動力伝達経路中に、油圧により係脱制御されこ
の動力伝達を制御するクラッチ(以下、このクラッチを
メインクラッチと称する)を配設してなる変速機が用い
られることもある。なお、メインクラッチは、エンジン
と変速機構との間に配設されたり、変速機構の後側(出
力軸側)に配設されたりする。このようなメインクラッ
チを有する変速機においては、このメインクラッチの係
脱制御を行わせるクラッチ制御油圧も油圧ポンプからの
吐出油から得るようになっている。このため、このクラ
ッチ制御油圧も、メインクラッチの伝達トルクに対応し
て必要最小圧に抑えるような制御を行えば、エンジンに
よる油圧ポンプの駆動ロスを小さくして、燃費効率を向
上させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、変速クラッ
チの作動制御用として変速クラッチに供給されるライン
圧と、メインクラッチに供給されるクラッチ制御圧と
は、それぞれ独立して供給制御される油圧であり、上記
のように伝達トルクに対応して油圧を可変制御するには
それぞれ別個の装置を必要とする。このため、制御装置
が大型化、複雑化しやすいという問題がある。
【0006】また、油圧ポンプからの吐出油は、上記の
ようにメインクラッチ、変速クラッチ等の作動制御油圧
として供給されるだけでなく、残りはこれらメインクラ
ッチ、変速クラッチ等の潤滑油として供給される。この
場合、メインクラッチ、変速クラッチ等の伝達トルクが
大きい程、これらクラッチは多くの潤滑油量を必要とす
る。このため、この潤滑油量も伝達トルクに対応して可
変制御するのが好ましいのであるが、このためには、さ
らに制御装置が大型化、複雑化するおそれがあるという
問題がある。なお、油圧ポンプからクラッチの作動油圧
制御用に供給された残りの作動油を全て、潤滑用として
用いるということも可能であるが、クラッチ部に供給さ
れる潤滑油が多くなればこの部分の引きずりトルクが大
きくなり、その分エンジンの燃費効率が低下するという
問題がある。
【0007】本発明はこのような問題に鑑み、簡単な構
成で、メインクラッチ制御油圧、変速クラッチ制御油圧
(ライン圧)制御および変速機内の潤滑油量制御を、こ
れらクラッチの伝達トルク等に対応して行わせることが
できるような変速機の制御装置を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】このような目
的達成のため、本発明の制御装置は、油圧源とメインク
ラッチとの間に配設され、メインクラッチの係脱制御の
ためにメインクラッチに供給されるクラッチ制御油圧の
調圧を行う油圧調整バルブと、この油圧調整バルブによ
り調圧されたクラッチ制御油圧に応じて制御され、変速
機への潤滑油の供給量を調整する潤滑調整バルブとを有
し、この潤滑調整バルブは、クラッチ制御油圧が高い
程、前記潤滑油の供給量を増大させるようになってい
る。なお、このメインクラッチは、エンジンから変速機
構を介して出力側に至る動力伝達経路中に配設され、油
圧により係脱制御されこの動力伝達を制御するクラッチ
であり、エンジンと変速機構との間に配設されたり、変
速機構の後側(出力軸側)に配設されたりする。このよ
うに構成すれば、油圧調整バルブによるクラッチ制御油
圧の調整を行うだけで、このクラッチ制御油圧に応じて
潤滑油量も同時に制御される。すなわち、油圧調整バル
ブによる油圧調整のみで、クラッチ制御油圧と潤滑油量
とをともに調整することができる。
【0009】なお、この制御装置においては、クラッチ
制御油圧を、定常走行時には原動機の出力トルクに応じ
た油圧とし、変速時には定常走行時の油圧より高い油圧
とし、減速時にはエンジンブレーキトルクに応じた油圧
とするように、油圧調整バルブによる制御を行うことが
望ましい。このようにすれば、クラッチ制御油圧を必要
最小値となるように抑えることができ、油圧源である油
圧ポンプの駆動ロスが小さくなり、この油圧ポンプを駆
動するエンジンの燃費効率が向上する。また、油圧調整
バルブとしてはリニアソレノイドバルブを用いるのが好
ましく、このようにすれば制御が簡単となる。
【0010】本発明に係る別の制御装置は、油圧源とメ
インクラッチとの間に配設され、メインクラッチの係脱
制御のためにメインクラッチに供給されるクラッチ制御
油圧の調圧を行う油圧調整バルブと、この油圧調整バル
ブにより調圧されたクラッチ制御油圧に応じて制御さ
れ、変速機への潤滑油の供給量を調整する潤滑調整バル
ブと、油圧調整バルブにより調圧されたクラッチ制御油
圧に応じて制御され、変速クラッチに供給されるライン
圧の調圧を行うライン圧調整バルブとを有し、潤滑調整
バルブは、クラッチ制御油圧が高い程、潤滑油の供給量
を増大させるようになっており、ライン圧調整バルブ
は、クラッチ制御油圧が高い程、ライン圧を高くするよ
うになっている。このように構成すれば、油圧調整バル
ブによるクラッチ制御油圧の調整を行うだけで、このク
ラッチ制御油圧に応じて潤滑油量およびライン圧も同時
に制御される。すなわち、油圧調整バルブによる油圧調
整のみで、クラッチ制御油圧と潤滑油量とをともに調整
することができる。
【0011】なお、この制御装置においては、油圧源と
油圧調整バルブとの間に、油圧源からの作動油の油圧を
所定油圧に減圧するリデューシングバルブを配設し、油
圧調整バルブは、このリデューシングバルブにより減圧
された所定油圧の作動油を調圧して、クラッチ制御油圧
を作り出すように構成するのが望ましい。このようにす
れば、油圧源側の油圧変動の影響を受けることなく、ク
ラッチ制御油圧を作り出すことができる。特に、油圧源
側の油圧はライン圧として用いられることが多いのであ
るが、このような場合には、ライン圧の変動の影響がク
ラッチ制御油圧に及ぶことがなく、ライン圧およびクラ
ッチ制御油圧をともに安定して調整することができる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の好ましい実施
例について説明する。本発明の制御装置を有した自動変
速機の構成を図2および図3に示しており、この自動変
速機の動力伝達経路は図1のように構成される。なお、
図2および図3を併せて一つの自動変速機を示してお
り、図2は変速機の左半分を示し、図3は右半分を示
す。なお、以下の説明においては、図において矢印Uが
上方で、矢印Rが右方を示す。
【0013】まず、これら図1から図3を参照してこの
自動変速機の構成を説明する。この自動変速機は、メイ
ンシャフト21とカウンターシャフト24との間に複数
の動力伝達ギヤ列を配設してなるカウンターシャフト式
変速機構20を有している。メインシャフト21の先端
には油圧湿式メインクラッチ10が配設され、このメイ
ンクラッチ10を介してメインシャフト21が係脱可能
にエンジン出力軸1と連結される。
【0014】メインクラッチ10は、エンジン出力軸1
と一体結合されたフライホイール1aに取り付けられ、
クラッチハウジング11、クラッチピストン12、アシ
スト部材13、押圧プレート14および摩擦プレート1
5から構成される。クラッチハウジング11の本体部内
にクラッチピストン12が前後に摺動可能に配設されて
おり、このクラッチピストン12はアシスト部材13の
内径側端部と対向する。アシスト部材13の外径側端部
はクラッチハウジング11の内面に係止されており、こ
のため、内径側端部がクラッチピストン12により前方
(図における左方)に押圧されると、アシスト部材13
は外径側端部を支点として内径側端部が前方に移動す
る。
【0015】アシスト部材13の前側には、フライホイ
ール1aとの間に、押圧プレート14および摩擦プレー
ト15の摩擦面部15aが配設されている。このため、
上記のようにクラッチピストン12によりアシスト部材
13の内径側端部が押されて前方に移動すると、アシス
ト部材13の中央部が押圧プレート14の突起14aを
前方に押圧し、押圧プレート14とフライホイール1a
との間に摩擦面部15aを挟持する。なお、上記のよう
にピストン12はアシスト部材13の内径端部を押圧
し、アシスト部材13の中央部が押圧プレート14を押
圧するため、ピストン12の押圧力はアシスト部材13
により倍力されて押圧プレート14に伝達される。
【0016】これにより、摩擦プレート15は押圧プレ
ート14およびクラッチハウジング11と摩擦係合され
る。摩擦プレート15の内径側ハブ15bは変速機構2
0のメインシャフト21とスプライン結合しているた
め、この摩擦係合によりエンジン出力軸1がメインクラ
ッチ10を介して変速機メインシャフト21と連結され
る。上記クラッチピストン12は油路11c等を介して
供給されるクラッチ制御油圧を受けて上記押圧作動を行
うものである。すなわち、クラッチピストン12へのク
ラッチ制御油圧の供給制御を行うことにより、メインク
ラッチ10の係合作動を制御することかできる。このク
ラッチ制御油圧の供給制御については後述する。
【0017】クラッチハウジング11は、カバー部11
bを介してフライホイール1aと連結されており、クラ
ッチハウジング11の本体部にはポンプドライブギヤ1
1aが形成されている。このため、ポンプドライブギヤ
11aは常時エンジン出力軸1と同一回転で駆動され
る。ポンプドライブギヤ11aはポンプドリブンギヤ2
と噛合し、ポンプドリブンギヤ2は油圧ポンプ3の駆動
軸上に取り付けられている。このため、油圧ポンプ3は
エンジンにより常時回転駆動される。
【0018】変速機構20は、上記のようにメインクラ
ッチ10によりエンジン出力軸1との係脱が制御される
メインシャフト21と、メインシャフト21と平行に配
設されたカウンターシャフト24とを有する。両シャフ
ト21,24はそれぞれ、ベアリング22a,22b,
22cおよびベアリング25a,25b,25cにより
図示のように回転自在に支持されている。両シャフト2
1,24の間には、左から順に2速用ギヤ列32a,3
2b、5速用ギヤ列35a,35b、4速用ギヤ列34
a,34b、6速用ギヤ列36a,36b、リバース用
ギヤ列37a,37b、1速(LOW)用ギヤ列31
a,31b、3速用ギヤ列33a,33bが配設されて
いる。なお、リバース用ギヤ列は中間に図示しないリバ
ースアイドラギヤを有している。
【0019】これらギヤ列のうち、メインシャフト21
にはドライブ側ギヤが配設され、カウンターシャフト2
4にはドリブン側ギヤが配設される。ここで、ドライブ
側ギヤのうち、2速ドライブギヤ32a、4速ドライブ
ギヤ34aおよび3速ドライブギヤ33aは、メインシ
ャフト21上に回転自在に配設され、それぞれ2速クラ
ッチ42、4速クラッチ44および3速クラッチ43に
よりメインシャフト21と係脱可能となっている。これ
ら各クラッチ42,44,43は、それぞれ、摩擦係合
要素42a,44a,43aと、変速用油圧ピストン4
2b,44b,43b(変速用油圧アクチュエータ)と
から構成され、変速用油圧ピストン42a,44a,4
3aへのライン圧供給により各摩擦係合要素42a,4
4a,43aを係合させて、上記各ドライブギヤ32
a,34a,33aをメインシャフト21と係合させる
ことができるようになっている。なお、5速ドライブギ
ヤ35a、6速ドライブギヤ36a、リバースドライブ
ギヤ37aおよび1速ドライブギヤ31aはメインシャ
フト21に結合されている。
【0020】一方、ドリブン側ギヤのうち、5速ドリブ
ンギヤ35b、6速ドリブンギヤ36bおよび1速ドリ
ブンギヤ31bがカウンターシャフト24に回転自在に
配設されている。なお、1速ドリブンギヤ31bは駆動
方向の動力伝達のみを許容するワンウェイクラッチ48
を内蔵している。また、2速ドリブンギヤ32b、4速
ドリブンギヤ34b、リバースドリブンギヤ37bおよ
び3速ドリブンギヤ33bはカウンターシャフト24に
結合されている。5速ドリブンギヤ35bおよび6速ド
リブンギヤ36bは、上記変速用クラッチと同様の5速
クラッチ45および6速クラッチ46によりカウンター
シャフト24と係脱可能となっている。これら両クラッ
チ45,46も、上記クラッチと同様に、摩擦係合要素
と変速用油圧ピストン(変速用油圧アクチュエータ)と
から構成される。
【0021】1速ドリブンギヤ31bは、ドグ歯クラッ
チ41によりカウンターシャフト24と係脱可能となっ
ている。このドグ歯クラッチ41は、カウンターシャフ
ト24に固定されたハブ41bと、このハブ41b上に
左右に摺動自在に取り付けられたスリーブ41aと、ハ
ブ41bと隣接して1速ドリブンギヤ31bの側部に形
成されたスプライン41cとから構成され、スリーブ4
1aを左右に移動させてスプライン41aと係脱させる
ことにより、1速ドリブンギヤ31bとカウンターシャ
フト24との係脱を行わせる。すなわち、ドグ歯クラッ
チ41が1速変速段用の係合要素である。なお、スリー
ブ41aの左右方向の移動は、図示しない変速用油圧ア
クチュエータ(油圧サーボ)によりなされる。この変速
用油圧アクチュエータもライン圧の供給を受けて作動さ
れる。
【0022】リバース用ギヤ列を構成するリバースドラ
イブおよびドリブンギヤ37a,37bは図示のよう
に、それぞれメインシャフト21およびカウンターシャ
フト24に結合されている。ところが、両ギヤ37a,
37bの中間に配設されるリバースアイドラギヤ(図示
せず)が左右に移動可能に配設されており、このリバー
スアイドラギヤを両ギヤ37a,37bと噛合する位置
に移動させることにより、リバース段を設定することが
できるようになっている。また、リバースアイドラギヤ
を両ギヤ37a,37bから軸方向に離れた(横にずれ
た)位置に移動させることにより、リバース段を解除す
ることができる。すなわち、リバース用ギヤ列において
はリバースアイドラギヤ自体が係合要素であり、このリ
バースアイドラギヤの左右への移動は、図示していない
変速用油圧アクチュエータによりなされる。
【0023】カウンターシャフト24の左端部にはアウ
トプットドライブギヤ38が固設されており、このギヤ
38に噛合してアウトプットドリブンギヤ5がカウンタ
ーシャフト24と平行な回転軸を有して配設されてい
る。アウトプットドリブンギヤ5はディファレンシャル
機構6を有しており、このディファレンシャル機構6を
介してアウトプットドリブンギヤ5の回転が左右のアク
スルシャフト7a,7bに伝達されるようになってい
る。
【0024】以上のように構成された変速機において、
メインクラッチ10を係合させるとエンジン出力軸1の
回転は変速機構20のメインシャフト21に伝達され
る。そして、変速機構20の変速用クラッチ41〜46
を選択的に作動することにより、いずれかのギヤ列によ
る動力伝達を行わせて変速を行わせることができる。こ
のようにして変速されたエンジン出力はカウンターシャ
フト24に伝達され、アウトプットギヤ列38,5およ
びディファレンシャル機構6を介して左右のアクスルシ
ャフト7a,7bに伝達される。
【0025】上記変速機におけるメインクラッチの作動
を制御する制御装置について、図4を参照して説明す
る。なお、この図において、×印はドレンポートを示
す。油圧ポンプ3の吐出油は油路100と101とに吐
出され、油路100を介してマニュアルバルブ90に供
給されるとともに、油路101を介してライン圧調整バ
ルブ50に供給される。
【0026】ライン圧調整バルブ50はスプール51,
52とスプリング53とからなり、スプール52の左端
部に作用する油路101内の油圧がスプリング53の付
勢力とバランスする油圧に調整される。この油圧がライ
ン圧PLであり、油路100および101内の油圧はラ
イン圧PLとなる。なお、油路101から油路102が
図示のように分岐しており、この油路102にはオリフ
ィス102aが配設されている。このため、油圧ポンプ
3の吐出油の一部は油路102を介して潤滑調整バルブ
65に常時供給されるようになっている。また、ライン
圧調整バルブ50によるライン圧調整の際に余った作動
油(油路100および油路102に供給された残りの作
動油)は、このバルブ50から油路103aに供給さ
れ、オイルクーラ95において冷却された後、油路10
3bを介して潤滑調整バルブ65に送られる。
【0027】マニュアルバルブ90は運転席のシフトレ
バーと連動して作動されるスプールを有したバルブであ
り、シフトレバーが走行ポジションに位置しているとき
に、油路100を油路100および105に連通させる
ようになっている。油路105は、変速制御バルブ(図
示せず)に接続しており、油路105を介してライン圧
PLを有した作動油が変速制御バルブにより選択的に各
変速クラッチの油圧アクチュエータに供給され、変速制
御がなされる。なお、この変速制御については、従来か
ら公知であるので、その説明は省略する。
【0028】一方、油路105はリデューシングバルブ
55に接続している。リデューシングバルブ55は、ス
プリング57により右方に付勢されたスプール56を有
し、油路110から供給されるライン圧PLを減圧し
て、スプリング57の付勢力に対応する所定コンスタン
ト圧を作り出す。この所定コンスタント圧の作動油は油
路111を介して油圧調整バルブ60に送られる。
【0029】油圧調整バルブ60は、リニアソレノイド
バルブであり、右端に配設されたリニアソレノイド61
と、これに対抗するスプール62と、このスプール62
を右方に付勢するスプリング63とから構成される。リ
ニアソレノイド61は、内部ソレノイドへの通電電流を
制御することにより、スプール62への左方への押圧力
を可変制御することができる。このため、この通電電流
制御により、油路111からの所定コンスタント圧を調
整してクラッチ制御油圧PCを作り出し、このクラッチ
制御油圧PCを油路115に出力する。なお、この油路
115内のクラッチ制御油圧PCは油圧センサ93によ
り検出されるようになっている。
【0030】このクラッチ制御油圧PCは、クラッチハ
ウジング11内の油路11c等を介してクラッチピスト
ン12の油室に供給されるようになっており、クラッチ
制御油圧PCによりクラッチピストン12による摩擦プ
レート15の挟持力を制御し、メインクラッチ10の係
合制御を行う。この場合、クラッチ制御油圧PCが高い
程、メインクラッチ10の係合力が大きく、メインクラ
ッチ10の伝達可能トルクが大きくなる。このように、
リニアソレノイドバルブ60のソレノイド61への通電
電流を制御すれば、クラッチ制御油圧PCを制御してメ
インクラッチ10の係合制御を行うことができる。
【0031】一方、油路115は油路116から油路1
16a,116bに連通しており、クラッチ制御油圧P
Cを有した作動油は、油路116aを介してライン圧調
整バルブ50に供給されるとともに、油路116bを介
して潤滑調整バルブ65にも供給されるようになってい
る。ライン圧調整バルブ50に供給されるクラッチ制御
油圧PCは、このバルブ50の制御背圧として作用し、
このバルブ50により調整されるライン圧PLをクラッ
チ制御油圧PCに対応して変化させる。具体的には、ク
ラッチ制御油圧PCが高くなればなる程、ライン圧PLも
高くなる。例えば、クラッチ油圧PCが低いと、スプー
ル52は右動する。このとき油路101と103aとが
連通し、油はオイルクーラ95を通り、油路104から
潤滑油として供給される。クラッチ油圧PCが高いとス
プール52は左動し、油路101と103aとは遮断さ
れる。
【0032】潤滑調整バルブ65に供給されるクラッチ
制御油圧PCも、このバルブ65の制御背圧として作用
し、このバルブ65により調整される潤滑圧PJをクラ
ッチ制御油圧PCに対応して変化させる。具体的には、
クラッチ制御油圧PCが高くなる程、潤滑圧PJも高くな
る。この潤滑圧PJは、油路104を介して、変速機内
のメインクラッチ10、変速クラッチ等の潤滑用に供給
される作動油の油圧であり、潤滑油圧PJが高い程、油
路104を介して供給される潤滑油量が多くなる。
【0033】このため、例えば、クラッチ油圧PCが低
いと、スプール52は右動する。このとき油路101と
103aとが連通し、油はオイルクーラ95を通り、油
路104から潤滑油として供給される。また、潤滑調整
バルブ65のスプール66は、油路103bの油圧によ
り左動し、ドレン部を通して排出される。このようにク
ラッチ油圧PCが低い場合には、油がドレンされライン
圧も低くなる。一方、クラッチ油圧PCが高い場合に
は、スプール52は左動し、油路101と103aとは
遮断される。スプール66は右側にあり、ドレンポート
を閉じるので、油は潤滑に使用される。以上のことから
分かるように、油圧調整バルブ50によりクラッチ制御
油圧PCを制御すれば、メインクラッチ10の係合制御
を行うことができるだけでなく、変速クラッチに供給さ
れるライン圧PLの制御および潤滑油量の制御も同時に
行うことができる。
【0034】このクラッチ制御油圧PCの制御によるメ
インクラッチ制御について、図5〜7および図12に基
づいて説明する。図5〜7は全体で一つの制御フローを
構成しており、図における丸付き数字,,および
同士が繋がる。この制御は図12に示すように、コン
トローラ200により行われる。コントローラ200に
は、車速センサ211からの車速信号V、エンジンEに
設けられたスロットル開度センサ212およびスピード
センサ213からのストットル開度信号θthおよびNe
が入力される。さらに、このコントローラ200には、
変速機構20に設けられたスピードセンサ221からの
メインシャフト回転信号Nm、シフト位置検出器222
からのシフト位置信号、変速状態検出器223からの変
速状態信号が入力されるとともに、メインクラッチ10
に設けられた油圧センサ230からのクラッチ制御油圧
信号が入力されている。コントローラ200はこれら信
号に基づき、変速制御部224に制御信号を出力すると
ともに、メインクラッチ10のソレノイド61に制御信
号を出力し、以下に説明する制御を行うようになってい
る。
【0035】この制御はシフトレバーポジション、すな
わち、マニュアルバルブ90のスプールポジションに応
じて設定されるシフトレンジがどのレンジであるかを判
断することから始まる(ステップS2,10)。P(パ
ーキング)レンジもしくはN(ニュートラル)レンジの
場合には、ステップS2からステップS4に進み、モー
ド値MODE=0とし、リバースクラッチフラグFCR=
0にするとともにリバースフラグFREV=0とする(ス
テップS6,S8)。そして、制御電流値ICL=0に
設定するとともに、この電流値ICLを油圧調整バルブ
60のリニアソレノイド61に出力電流IC(OUT)として
出力する。この結果、PもしくはNレンジでは、油圧調
整バルブ60からメインクラッチ10に供給されるクラ
ッチ制御油圧PC=0となり、メインクラッチ10は解
放状態となる。
【0036】本制御におけるモード値MODEとして
は、0,1,2,4があり、MOEE=0のときには、
メインクラッチ10を解放する制御がなされる。このモ
ードは、上記のようにニュートラルに設定する場合や、
車両を急停止させる場合の制御において設定される。な
お、MODE=1は通常の停止モードであり、MODE
=2は発進モードであり、MODE=4は走行モードで
ある。
【0037】R(リバース)レンジの場合には、ステッ
プS10からステップS12に進み、リバースクラッチ
フラグFCR=0か否か判断する。このリバースクラッチ
フラグFCRは、リバースクラッチが解放された状態のと
き(リバースアイドラギヤがリバースドライブおよびド
リブンギヤ37a,37bから離れた位置にあるとき)
に0で、これが接続されている状態のときに1が立てら
れるフラグである。FCR=1のときには、ステップS4
0に進んで、クラッチ係合容量制御を行うのであるが、
FCR=0のときには、リバースアイドラギヤをリバース
ドライブおよびドリブンギヤ37a,37bと噛合させ
てリバース段を確実に設定させるために、ステップS1
4に進み、以下のような制御を行う。
【0038】ステップS14においては、リバースフラ
グFREV=1か否かを判断し、このフラグFREV=0であ
る場合には、まずこれに1を立て(ステップS16)、
リバースタイマTRに初期値TR0を設定し(ステップS
18)、制御電流値ICL=0に設定するとともに、こ
の電流値ICLを油圧調整バルブ60のリニアソレノイ
ド61に出力電流IC(OUT)として出力する(ステップS
28,30)。一方、ステップS14において、リバー
スフラグFREV=1であると判断された場合には、ステ
ップS20に進んでリバースタイマTR=0となったか
否か判断する。TR≠0であるときには、TRから1を減
じた値を新たなタイマー値TRとして設定し(ステップ
S22)、ステップS28,S30の処理を行う。
【0039】この結果、リバースフラグFREV=1とな
った後、リバースタイマTRの設定時間TR0が経過する
まで、油圧調整バルブ60のリニアソレノイド61への
出力電流IC(OUT) は0であり、メインクラッチ10は
解放されたままとなる。なお、この設定時間TR0はリバ
ース段を設定するためのものであり、油圧サーボにより
リバースアイドラギヤをリバースドライブおよびドリブ
ンギヤ37a,37bと噛合する位置まで移動させるに
要する時間に対応して、この設定時間TR0が設定され
る。
【0040】リバースタイマの設定時間TR0が経過する
と、ステップS24に進み、スイッチフラグFSW=0か
否かの判断がなされる。このスイッチフラグFSWは、リ
バース段設定用の油圧サーボのスプールがRポジション
に位置したときにオン作動されるスイッチに基づいて立
てられるフラグであり、このスイッチがオン作動される
とFSW=1となる。このフラグFSW=0であるとき、す
なわち、まだリバース段が完全に設定されていないとき
には、ステップS28,S30に進み、メインクラッチ
10を解放させる制御を継続する。
【0041】スイッチフラグFSW=1の場合には、ステ
ップS26においてリバースクラッチフラグFCR=1と
なし(ステップS26)、ステップS40に進んで、メ
インクラッチ10の係合容量制御を行う。以上のよう
に、Rレンジの場合には、リバース段の設定が完了して
リバースクラッチフラグFCR=1となるとステップS4
0に進み、メインクラッチ10の係合容量制御が行われ
る。
【0042】一方、シフトレンジがP,N,Rレンジ以
外の場合、すなわち、前進側走行レンジの場合には、ス
テップS10から直ちにステップS40に進み、メイン
クラッチ10の係合容量制御が行われる。
【0043】ステップS40においては、エンジン回転
数Neが所定回転数NEと比較され、Ne<NEのときに
は、ステップS42に進み、エンジン回転数の変化率Δ
Neが所定減速度(−α)より小さいか否か、すなわ
ち、エンジン回転数が所定減速度を越えた減速度で急減
速されているか否かが判断される。エンジン回転数が所
定減速度を越えた減速度で急減速されているときには、
ステップS52に進んでタイマTMに所定値TM0を設
定し、ステップS54を通過してステップS56〜S6
0に進む。ここでは、制御電流値ICL=0に設定する
とともに値(TM−1)を新たなタイマ値TMとして設
定し、モード値MODEとして急停止モードであること
を示す値MODE=0とする。そして、ステップS88
に進み、上記電流値ICLを油圧調整バルブ60のリニ
アソレノイド61に出力電流IC(OUT)として出力し、メ
インクラッチ10を解放させる制御を行う。
【0044】なお、エンジン回転数が所定減速度を越え
た減速度で急減速されている間は上記制御が繰り返され
るのであるが、急停止モードMODE=0が設定される
と、エンジン回転数の減速度が小さくなっても、ステッ
プS44からステップS54に進み、タイマTMの設定
時間TM0が経過するまでは、メインクラッチ10を解
放させる制御を継続する。この設定時間TM0が経過し
た後は、ステップS72に進み、解放されたメインクラ
ッチ10を再び係合させるための制御(発進制御)に移
行する。
【0045】一方、ステップS40において、Ne≧N
Eであると判断された場合、およびステップS40およ
びS42において、Ne<NEであるがΔNe≧−αで
あると判断された場合には、前回モードMODE=0で
ない限り、ステップS46に進む。そして、ステップS
46,S48において、前回モードがいずれのモードで
あるかの判断を行う。なお、前回がPもしくはNレンジ
であった場合には、モード値MODE=0であるが、こ
の場合には、ステップS54におけるタイマTM=0で
あるので、ステップS72に進み、メインクラッチ10
を係合させるための発進制御に移行する。
【0046】まず、前回モードMODE=1であり、
(通常の)停止モードである場合には、ステップS46
からステップS64に進み、ICL=0であるか否かを
判断する。停止モードではICL=0としてメインクラ
ッチ10を解放させる制御を行うものである。ところ
が、ICL=0の場合には、メインクラッチ10はすで
に解放されているため、これ以上の解放制御は不要であ
る。このため、この場合には、ステップS72に進み、
解放されたメインクラッチ10を再び係合させるための
制御(発進制御)に移行する。
【0047】一方、ICL≠0である場合には、(IC
L−α)を新たな制御電流値ICLとして設定するとと
もにMODE=1を設定する(ステップS66,S6
8)。そして、電流値ICLを油圧調整バルブ60のリ
ニアソレノイド61に出力電流IC(OUT)として出力し
(ステップS88)、メインクラッチ10の係合容量制
御を行う。この場合、ICLは徐々に減少するため、メ
インクラッチ10は緩やかに解放されるような制御がな
される。なお、ICL=0となりメインクラッチ10が
完全に解放されると、これ以上の解放制御は不要である
ため、ステップS72に進み、解放されたメインクラッ
チ10を再び係合させるための制御(発進制御)に移行
する。
【0048】前回モードMODE=4であり、走行モー
ドである場合には、ステップS62に進み、車速Vが低
速(LOW)であるか否かが判断される。走行モードで
あっても、車速Vが低速となった場合には、停止モード
に移行したと判断し、ステップS64に進み、上記の停
止モード制御を行う。一方、車速がある程度以上あり、
低速ではない場合には、ステップS100に進み、走行
制御を行う。
【0049】この走行制御の内容を図8に示している。
この制御においては、まず、エンジン回転数Ne、車速
Vおよびスロットル開度θthを検出する(ステップS1
02)とともに、変速状態および変速段の検出を行う
(ステップS106)。そして、変速中であるときに
は、ステップS108からステップS112に進み、シ
フトタイマTSとして所定値TS0 を設定し、変速時モー
ドの下での制御を行う(ステップS114)。この変速
時モードの下での制御は変速完了後、所定値TS0の時間
が経過するまで継続される(ステップS110)。
【0050】一方、変速中でない場合、もしくは変速完
了から所定時間TS0の経過後の場合においては、スロッ
トル開度θthが最低開度θthminより小さいか否かが判
断される(ステップS116)。θth>θthminのとき
には、ステップS120に進み、定常走行モードの下で
の制御を行う。一方、θth≦θthminのときには、ステ
ップS118に進み、車速の減速度ΔVが所定減速度V
M以上であるか否かを判断する。この減速度ΔVが小さ
い場合には、ステップS120に進み、定常走行モード
の下での制御を行う。ところが、減速度ΔVが大きい場
合には、ステップS122に進み、減速モードの下での
制御を行う。
【0051】上記定常走行モードでの制御においては、
エンジン回転数Neとスロットル開度θthとに対して予
め測定設定されているエンジントルクテーブルから、そ
のときのエンジン出力トルクTEを読み取り、このエン
ジン出力トルクTEによってもメインクラッチ10がス
リップしないような必要最小限の定常走行モード用クラ
ッチトルクT1を設定する。そして、このクラッチトル
クT1を得るように制御電流値ICLを設定する。この
定常走行モード用クラッチトルクT1を図9に示してお
り、このグラフから分かるように、エンジントルクTE
に対して若干の余裕ΔT1を設けてこのクラッチトルク
T1が設定される。すなわち、T1=TE+ΔT1となるよ
うなクラッチトルクT1の設定が行われる。
【0052】一方、変速時モードにおいては、トルク変
動が大きいため、エンジントルクTEに対して若干の余
裕ΔT1を設けるだけでは、メインクラッチ10にスリ
ップが生じるおそれがある。このため、変速時モードに
おいては、さらに、余裕ΔT2を加えたトルクT2(=T
E+ΔT1+ΔT2)を変速時モード用クラッチトルクと
して設定し、このクラッチトルクT2をえるように制御
電流値ICLが設定されるようになっている。
【0053】減速時モードにおいては、車体側からエン
ジンが駆動されエンジンブレーキ作動状態となる。この
ため、エンジン回転数Neに対応するエンジンブレーキ
トルクを予め設定したテーブルからそのときのエンジン
回転数Neに対応するエンジンブレーキトルクTEBを読
み取り、このエンジンブレーキトルクTEBによってもメ
インクラッチ10がスリップしないような必要最小限の
減速モード用クラッチトルクT3を設定する。そして、
このクラッチトルクT3を得るように制御電流値ICL
を設定する。この減速モード用クラッチトルクT3を図
10に示しており、このグラフから分かるように、エン
ジンブレーキトルクTEBに対して若干の余裕ΔT3を設
けてこのクラッチトルクT3が設定される。すなわち、
T3=TEB+ΔT3となるように設定される。
【0054】以上のようにして走行制御100において
は、各モードに対応して制御電流値ICLが設定され
る。そして、次に、ステップS100からステップS7
0に進み、走行モードを示すモード値MODE=4と
し、このように設定された制御電流値ICLを油圧調整
バルブ60のリニアソレノイド61に出力電流IC(OUT)
として出力し(ステップS88)、メインクラッチ10
の係合容量制御を行う。
【0055】一方、前回モードMODE=2であり、発
進モードである場合には、ステップS48からステップ
S50に進み、エンジン回転数Neがメインシャフト2
1の回転数Nmより大きいか否かの判断がなされる。N
e≦Nmの場合には、発進モードとは考えられないの
で、ステップS62に進み、上述の制御を行う。Ne>
Nmのときには、発進制御に移行するため、ステップS
72に進み、(Ne−Nm)≧Nxか否かが判断され
る。Nxは所定値であり、エンジン回転数Neがメイン
シャフト21よりかなり速い速度で回転している場合に
は、このままではメインクラッチ10を接続させる制御
に移行できないのでステップS76に進む。
【0056】但し、ステップS76において、スロット
ルがオフ(スロットルが閉じられていることを意味す
る)で、且つ、エンジン回転数Neが所定回転数Nmim
以下であると判断された場合には、メインクラッチ10
の接続制御を行っても問題ないので、スロットルフラグ
FTH=0として、発進制御(ステップS84)に移行す
る。これ以外の場合には、制御電流値ICL=0とする
とともにスロットルフラグFTH=1とし(ステップS8
0,S82)、発進モードであることを示すためMOD
E=2とし、この制御電流値ICL(=0)を出力電流
IC(OUT)として出力する(ステップS86,S88)。
【0057】一方、ステップS72において、(Ne−
Nm)<Nxであると判定され、且つステップS74に
おいてスロットルフラグFTH=0であると判定されたと
きには、ステップS84に進み、発進制御を行う。この
発進制御のため、図11に示すように、エンジン回転数
Neとスロットル開度θthとに基づき、そのときのエン
ジントルクTEに対応して要求されるメインクラッチ1
0のトルク容量TCが予め設定されている。このため、
このグラフからそのときのメインクラッチ10に要求さ
れるトルク容量TCを読み取り、このトルク容量TCが得
られるような制御電流値ICLを設定する。そして、発
進モードであることを示すためMODE=2とし、この
制御電流値ICL(=0)を出力電流IC(OUT)として出
力することによりメインクラッチ係合制御を行う(ステ
ップS86,S88)。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の制御装置
によれば、変速機への潤滑油の供給量を調整する潤滑調
整バルブが、クラッチ制御油圧の調圧を行う油圧調整バ
ルブにより調圧されたクラッチ制御油圧に応じて制御さ
れるようになっており、この潤滑調整バルブは、クラッ
チ制御油圧が高い程、前記潤滑油の供給量を増大させる
ようになっているので、油圧調整バルブによるクラッチ
制御油圧の調整を行うだけで、このクラッチ制御油圧に
応じて潤滑油量も同時に制御することができる。すなわ
ち、油圧調整バルブによる油圧調整のみで、クラッチ制
御油圧と潤滑油量とをともに調整することができる。
【0059】なお、この制御装置においては、クラッチ
制御油圧を、定常走行時には原動機の出力トルクに応じ
た油圧とし、変速時には定常走行時の油圧より高い油圧
とし、減速時にはエンジンブレーキトルクに応じた油圧
とするように、油圧調整バルブによる制御を行うことが
望ましく、このようにすれば、クラッチ制御油圧を必要
最小値となるように抑えることができ、油圧源である油
圧ポンプの駆動ロスが小さくなり、この油圧ポンプを駆
動するエンジンの燃費効率を向上させることができる。
また、油圧調整バルブとしてはリニアソレノイドバルブ
を用いるのが好ましく、このようにすれば制御が簡単と
なる。
【0060】さらに、本発明に係る別の制御装置によれ
ば、変速機への潤滑油の供給量を調整する潤滑調整バル
ブがクラッチ制御油圧の調圧を行う油圧調整バルブによ
り調圧されたクラッチ制御油圧に応じて制御され、変速
クラッチに供給されるライン圧の調圧を行うライン圧調
整バルブも油圧調整バルブにより調圧されたクラッチ制
御油圧に応じて制御されるようになっており、潤滑調整
バルブは、クラッチ制御油圧が高い程、潤滑油の供給量
を増大させ、ライン圧調整バルブは、クラッチ制御油圧
が高い程、ライン圧を高くするようになっているので、
油圧調整バルブによるクラッチ制御油圧の調整を行うだ
けで、このクラッチ制御油圧に応じて潤滑油量およびラ
イン圧も同時に制御することができる。すなわち、油圧
調整バルブによる油圧調整のみで、クラッチ制御油圧と
潤滑油量とをともに調整することができる。
【0061】なお、この制御装置においては、油圧源と
クラッチ圧調整バルブとの間に、油圧源からの作動油の
油圧を所定油圧に減圧するリデューシングバルブを配設
し、油圧調整バルブは、このリデューシングバルブによ
り減圧された所定油圧の作動油を調圧してクラッチ制御
油圧を作り出すように構成するのが望ましく、このよう
にすれば、油圧源側の油圧変動の影響を受けることな
く、クラッチ制御油圧を作り出すことができる。特に、
油圧源側の油圧はライン圧として用いられることが多い
のであるが、このような場合には、ライン圧の変動の影
響がクラッチ制御油圧に及ぶことがなく、ライン圧およ
びクラッチ制御油圧をともに安定して調整することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制御装置を有した自動変速機の動
力伝達経路を示すスケルトン図である。
【図2】上記自動変速機の構造を示す断面図である。
【図3】上記自動変速機の構造を示す断面図である。
【図4】本発明に係る制御装置を示す油圧回路図であ
る。
【図5】上記制御装置を用いたメインクラッチの係合制
御の内容を示すフローチャートである。
【図6】上記制御装置を用いたメインクラッチの係合制
御の内容を示すフローチャートである。
【図7】上記制御装置を用いたメインクラッチの係合制
御の内容を示すフローチャートである。
【図8】上記制御装置を用いたメインクラッチの係合制
御の内容を示すフローチャートである。
【図9】定常走行モードおよび変速時モードでのエンジ
ントルクとメインクラッチトルク容量との関係を示すグ
ラフである。
【図10】減速モードでのエンジンブレーキトルクとメ
インクラッチトルク容量との関係を示すグラフである。
【図11】発進モードでのメインクラッチトルク容量と
エンジン回転数およびスロットル開度との関係を示すグ
ラフである。
【図12】上記制御装置の構成を示すシステム図であ
る。
【符号の説明】
1 エンジン出力軸 3 油圧ポンプ 10 メインクラッチ 15 摩擦プレート 20 カウンターシャフト式変速機構 21 メインシャフト 24 カウンターシャフト 41 ドグ歯クラッチ 42〜46 変速用油圧クラッチ 50 ライン圧調整バルブ 60 油圧調整バルブ 65 潤滑調整バルブ 90 マニュアルバルブ 95 オイルクーラ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動側と被駆動側との間に配設され、油
    圧により係脱制御されるクラッチを有してなる変速機に
    おいて、 油圧源と前記クラッチとの間に配設され、前記クラッチ
    の係脱制御のために前記クラッチに供給されるクラッチ
    制御油圧の調圧を行う油圧調整バルブと、 この油圧調整バルブにより調圧された前記クラッチ制御
    油圧を用い、前記クラッチ制御油圧に応じて制御され、
    前記変速機への潤滑油の供給量を調整する潤滑調整バル
    ブとを有し、 この潤滑調整バルブは、前記クラッチ制御油圧が高い
    程、前記潤滑油の供給量を増大させるようになっている
    ことを特徴とする変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記クラッチ制御油圧が、定常走行時に
    は前記原動機の出力トルクに応じた油圧となり、変速時
    には前記定常走行時の油圧より高い油圧となり、減速時
    にはエンジンブレーキトルクに応じた油圧となるよう
    に、前記油圧調整バルブによる制御がなされることを特
    徴とする請求項1に記載の変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記油圧調整バルブがリニアソレノイド
    バルブであることを特徴とする請求項1に記載の変速機
    の制御装置。
  4. 【請求項4】 駆動側と被駆動側との間に配設されると
    ともに油圧により係脱制御されるメインクラッチと、油
    圧により係脱されて変速機構における変速段の設定を行
    う変速クラッチとを有してなる変速機において、 油圧源と前記メインクラッチとの間に配設され、前記メ
    インクラッチの係脱制御のために前記メインクラッチに
    供給されるクラッチ制御油圧の調圧を行う油圧調整バル
    ブと、 この油圧調整バルブにより調圧された前記クラッチ制御
    油圧を用い、前記クラッチ制御油圧に応じて制御され、
    前記変速機への潤滑油の供給量を調整する潤滑調整バル
    ブと、 前記油圧調整バルブにより調圧された前記クラッチ制御
    油圧を用い、前記クラッチ制御油圧に応じて制御され、
    前記変速クラッチの係脱制御のために前記変速クラッチ
    に供給されるライン圧の調圧を行うライン圧調整バルブ
    とを有し、 前記潤滑調整バルブは、前記クラッチ制御油圧が高い
    程、前記潤滑油の供給量を増大させるようになってお
    り、 前記ライン圧調整バルブは、前記クラッチ制御油圧が高
    い程、前記ライン圧を高くするようになっていることを
    特徴とする変速機の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記油圧源と前記油圧調整バルブとの間
    に、前記油圧源からの作動油の油圧を所定油圧に減圧す
    るリデューシングバルブが配設され、前記油圧調整バル
    ブは、このリデューシングバルブにより減圧された前記
    所定油圧の作動油を調圧して前記クラッチ制御油圧を作
    り出すようになっていることを特徴とする請求項4に記
    載の変速機の制御装置。
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