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JP2989999B2 - 車両のタイヤ異常検知装置 - Google Patents

車両のタイヤ異常検知装置

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Publication number
JP2989999B2
JP2989999B2 JP5198423A JP19842393A JP2989999B2 JP 2989999 B2 JP2989999 B2 JP 2989999B2 JP 5198423 A JP5198423 A JP 5198423A JP 19842393 A JP19842393 A JP 19842393A JP 2989999 B2 JP2989999 B2 JP 2989999B2
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JP
Japan
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tire
damping constant
abnormality
tire abnormality
disturbance
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JP5198423A
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秀樹 大橋
弘之 河井
弘義 小島
信男 平岩
勝宏 浅野
孝治 梅野
俊道 高橋
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Publication date
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  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両のタイヤがパンク
し、あるいはリムが変形するなどの理由でタイヤ内の空
気圧が異常に低下し、タイヤが正常に機能を果たし得な
くなるタイヤ異常を検知する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開昭62−87816号公報にはパン
ク検知装置が記載されている。この装置は、タイヤ内の
空気圧であるタイヤ圧を検出するタイヤ圧検出手段と、
検出されたタイヤ圧に基づいてパンクを判定する判定手
段とを備えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、タイヤが正常
に機能しなくなるときのタイヤ圧はタイヤの種類,摩耗
程度や車速によって変わる。したがって、上記公報に記
載のパンク検知装置を、タイヤ異常の発生検知に使用す
る場合には、検出されたタイヤ圧と比較される基準タイ
ヤ圧を、対象とするタイヤの種類等に合わせて変更する
ことが必要であり、使い勝手が悪いという問題があっ
た。本発明はタイヤの種類や摩耗程度とは無関係にタイ
ヤ異常を検知できるタイヤ異常検知装置を得ることを課
題としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この課題は、タイヤ異常
検知装置を、タイヤのダンピング定数,ダンピング定
数変化速度およびダンピング定数変化加速度の少なくと
も一つを含むタイヤ異常関連情報を取得するタイヤ異常
関連情報取得手段と、取得されたタイヤ異常関連情報
に基づいてタイヤの異常を判定する異常判定手段とを含
むものとすることによって解決される。
【0005】
【作用】パンク等が発生したときタイヤ圧は滑らかに低
下するが、タンピング定数はあるところで急激に変化す
る。急激に大きくなるのである。そして、このダンピン
グ定数が急激に大きくなる時期とタイヤが正常に機能を
果たさなくなる時期とが一致している。したがって、タ
イヤのダンピング定数,ダンピング定数変化速度および
ダンピング定数変化加速度の一つまたはそれらの複数の
組合わせ(ダンピング定数関連情報と称する)を取得
し、その取得した情報に基づいてタイヤ異常を判定すれ
ば、タイヤ異常をタイヤの種類等とは無関係に検知する
ことができる。
【0006】また、タンピング定数関連情報に加えて、
タイヤのばね定数等ダンピング定数関連情報以外の情報
をも取得し、その取得情報も合わせてタイヤ異常を判定
すれば、一層確実にタイヤ異常の発生を検知することが
できる。すなわち、本発明においては、ダンピング定数
関連情報を取得することは不可欠であるが、それ以外の
情報を取得することは有効ではあるが不可欠ではない。
タイヤ異常関連情報なる用語は、ダンピング定数関連情
報は必ず含み、それ以外の情報を含む場合がある情報を
表す用語として使用する。
【0007】
【発明の効果】本発明に係るタイヤ異常検知装置によれ
ば、タイヤ異常をタイヤの種類等にかかわらず検知する
ことができる。また、前記公報に記載のパンク検知装置
によりパンクの検知に利用されていたタイヤ圧は前述の
ように滑らかに低下するのに対し、本発明で利用するダ
ンピング定数はあるところで急激に大きくなり、その時
期がタイヤが正常に機能を果たさなくなる時期と一致し
ているため、上記パンク検知装置をタイヤ異常の検知に
用いる場合に比較して確実にタイヤ異常の発生を検知す
ることができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明に係るタイヤ異常検知装置の機能を
示すブロック図であり、図2は構成を示すブロック図で
ある。図2において、10はコンピュータであり、CP
U12,ROM14,RAM16およびI/Oポート1
8を備えている。I/Oポート18には車体上下方向加
速度センサ20,報知装置22および電子制御燃料噴射
装置24が接続されている。
【0009】車体上下方向加速度センサ20は車体に取
り付けられている。本実施例が対象としている車両は4
個の車輪を備えており、図5に示すように、ホイール5
0およびタイヤ52を有する車輪54が、スプリング5
6およびショックアブソーバ58を有するサスペンショ
ン60により車体62の各部に取り付けられているが、
これら各部に1個ずつの車体上下方向加速度センサ20
が取り付けられているのである。タイヤ異常検知装置
は、4個の車輪の各々についてタイヤ異常を検知するも
のであり、各車輪54に対して同様に構成される。
【0010】報知装置22は通常は4個の車輪54のタ
イヤ52の各々を図3に実線で示すように正常な形状で
表示しているが、いずれかのタイヤ52の異常が検知さ
れた場合には、そのタイヤ52を破線で示す異常な形状
で表示する状態に変わって、運転者にそのタイヤ52の
タイヤ圧が異常に低下して正常に機能を果たさなくなっ
たことを知らせるものであり、例えば液晶ディスプレイ
等を使用し得る。
【0011】電子制御燃料噴射装置24は、エンジンへ
の燃料供給をコンピュータにより高精度に制御する装置
であり、このコンピュータにコンピュータ10が接続さ
れているのである。コンピュータ10はいずれのタイヤ
のタイヤ異常を検知した場合でも、車速抑制指令を発
し、それに応じて電子制御燃料噴射装置24のコンピュ
ータが燃料供給量の上限値をすべてのタイヤ54が正常
な場合より低く変更し、車速を抑制する。
【0012】コンピュータ10のROM14には種々の
制御プログラムが格納されており、それによって図1の
ダンピング定数推定部30,変化速度演算部32,タイ
ヤ異常判定部34,報知指令部36および車速抑制指令
部38が構成されている。以下、これら各部を順次説明
する。
【0013】ダンピング定数推定部30は車体上下方向
加速度センサ20により検出された車体62の上下方向
の加速度から上下方向速度を演算するとともに、その上
下方向速度を入力とする外乱オブザーバを利用してタイ
ヤ52のタンピング定数を推定する部分である。そのた
めに、ダンピング定数推定部30は図4に示す上下方向
速度演算部40,外乱オブザーバ42,相関演算部4
4,正規化部46およびダンピング定数演算部48を備
えている。
【0014】上下方向速度演算部は、車体上下方向加速
度センサ20により検出された車体上下方向加速度を積
分して車体上下方向速度を取得し、外乱オブザーバ42
に供給する。外乱オブザーバ42は路面66からタイヤ
52の接地部64に与えられる外力等の外乱を状態変数
の一つと見なして推定するものであり、本実施例におい
ては、特にタイヤ52のダンピング定数の変化量を推定
し得るように構成されている。次に、この外乱オブザー
バ42の構成について説明する。
【0015】外乱オブザーバ42は、図5に示す車輪5
4とサスペンション60と車体62とを、図6に示すよ
うにモデル化した質点系について構成されている。図6
において、M1 はばね上質量、K1 ,D1 はそれぞれサ
スペンション60のばね定数およびダンピング定数、M
2 はばね下質量、K2 ,D2 はタイヤ52のばね定数お
よびダンピング定数である。この質点系の下端、すなわ
ちタイヤ52の接地部64に路面66から加えられる外
力をuとし、ばね上質量M1 ,ばね下質量M2 および接
地部の基準位置(静的釣合い位置)から上方への移動量
をそれぞれq1 ,q2 およびq3 とすれば、質点系全体
の運動エネルギα,ポテンシャルエネルギβおよび摩擦
力の積分γはそれぞれ(1) ,(2) ,(3) 式で表される。
ただし、q1 ′,q2 ′はそれぞれq 1 ,q2 の微分で
ある。 α=M1 (q1 ′)2 /2+M2 (q2 ′)2 /2・・・(1) β=K1 (q1 −q22 /2+K1 (q2 −q32 /2・・・(2) γ=D1 (q1 ′−q2 ′)2 /2+D2 (q2 ′−q3 ′)2 /2・・・(3) また、この質点系の運動方程式は(4) 式で表される。
【0016】
【数1】
【0017】(4) 式に(1) 〜(3) 式をそれぞれ代入すれ
ば(5) 〜(7) 式を得る。 M11 ″+K1 (q1 −q2 )+D1 (q1 ′−q2 ′)=0・・・(5) M22 ″−K1 (q1 −q2 )+K2 (q2 −q3 )−D1 (q1 ′−q2 ′ )+D2 (q2 ′−q3 ′)=0・・・(6) −K2 (q2 −q3 )−D2 (q2 ′−q3 ′)=u・・・(7) ここでx1 =q1 ′,x2 =q2 ,x3 =q1 ,x4
2 ′,x5 =q3 ,x6 =q3 ′とおけば、x3 ′=
1 ,x2 ′=x4 ,x5 ′=x6 であり、これら3式
と、上記(5) 〜(7) 式のq1 ′等にx1 等を代入した3
式とをベクトルおよび行列で表せば(8) 式を得る。
【0018】
【数2】
【0019】ここでタイヤ52のダンピング定数D2
ΔD2 だけ変化したとすれば、(8)式は(9) 式となり、
ダンピング定数D2 の変化は外乱の変化と等価である。
【0020】
【数3】
【0021】外乱のベクトル〔w〕のうち推定可能であ
るのは理論上一要素であるので、第4要素w4 を推定す
ることとすれば、外乱w4 は(10)式で表わされる。 w4 =−(ΔD2 /M2 )x4 +(ΔD2 /M2 )x6 ・・・(10) そして、(9) 式は(11)式となる。
【0022】
【数4】
【0023】外乱オブザーバ42は外乱w4 をシステム
の状態変数の一つとして推定するものである。そこで、
(10)式の外乱w4 をシステムの状態に含めるために、外
乱のダイナミクスを(12)式で近似する。 w4 ′=0・・・(12) これは図7に示すように連続して変化する外乱を階段状
に近似(零次近似)することを意味し、外乱オブザーバ
42の外乱推定速度を推定すべき外乱の変化に比べて十
分速くすれば、この近似は十分に許容される。外乱をシ
ステムの状態に含めると(11)式より(13)式の拡張系が構
成される。
【0024】
【数5】
【0025】上記(13)式において、q1 ′が直接検出さ
れる状態変数、〔q2 ,q1 ,q2′,q3 ,q3 ′,
4T が直接検出されない状態となる。したがって、
このシステムに基づいて外乱オブザーバ42を構成すれ
ば、外乱w4 と状態変数q2,q1 ,q2 ′,q3 ,q3
′とを推定することができる。記述を簡単にするため
に、(13)式のベクトルおよび行列を分解して次のように
表すこととする。
【0026】
【数6】
【0027】このとき、状態〔z〕=〔q2 ,q1 ,q
2 ′,q3 ,q3 ′,w4T を推定する最小次元オブ
ザーバの構成は次式で表される。 〔zp ′〕=〔A21〕〔xa 〕+〔A22〕〔zp 〕+〔G〕{〔xa ′〕−(〔 A11〕〔xa 〕+〔A12〕〔zp 〕)}=(〔A21〕−〔G〕〔A11〕)〔xa 〕+(〔A22〕−〔G〕〔A12〕)〔zp 〕+〔G〕〔xa ′〕・・・(14) ただし、〔zp 〕は〔z〕の推定値、〔zp ′〕は推定
値〔zp 〕の変化率、〔G〕は外乱オブザーバ42の推
定速度を決めるゲインである。これをブロック線図で表
わすと図8のようになる。また、真値と推定値との誤差
〔e〕を〔e〕=〔z〕−〔zp 〕とおき、誤差〔e〕
の変化率を〔e′〕とすると、(15)式の関係を得る。 〔e′〕=(〔A22〕−〔G〕〔A12〕)〔e〕・・・(15) これは外乱オブザーバ42の推定特性を表しており、行
列(〔A22〕−〔G〕〔A12〕)の固有値がすなわち外
乱オブザーバ42の極となる。したがって、この固有値
がs平面の左半面において原点から離れるほど外乱オブ
ザーバ42の推定速度が速くなる。オブザーバゲイン
〔G〕は希望の推定速度になるように決定すればよい。
【0028】以上のように構成された外乱オブザーバ4
2においては、上下方向速度演算部40で演算されたば
ね上質量M1 の速度q1 ′を入力として、タイヤ52の
ダンピング定数D2 がΔD2 変化した場合の(10)式で表
される外乱w4 が推定され、外乱推定値w4pが取得され
るが、それとともに直接には検出されないばね下質量M
2 の速度q2 ′や接地部の速度q3 ′も推定され、それ
ぞれ推定値q2p,q3p′が取得される。
【0029】これら推定値w4p,q2p′,q3p′を用い
て相関演算部44において相関演算が行われ、正規化部
46で正規化が行われ、ダンピング定数演算部48にお
いてタイヤ52のダンピング定数D2 が演算される。(1
0)式において、x4 =q2 ′,x6 =q3 ′であるの
で、外乱w4 の推定値w4pとばね下質量の速度推定値q
2p′との相互相関Φ(w4p,q2p′)=Σw4p2p′を
とれば(16)式を得る。 Φ(w4p,q2p′)=−(ΔD2 /M2 )・Φ(q2p′,q2p′)+(ΔD2 / M2 )Φ(q3p′,q2p′)=(ΔD2 /M2 ){Φ(q3p′,q2p′)−Φ( q2p′,q2p′)}・・・(16)
【0030】したがって、Φ(w4p,q2p′)をΦ(q
3p′,q2p′)−Φ(q2p′,q2p′)で割って正規化
すれば(17)式で表されるLD2値が得られる。 LD2=Φ(w4p,q2p′)/{Φ(q3p′,q2p′)−Φ(q2p′,q2p′)} =ΔD2 /M2 ・・・(17) ここで、ばね下質量M2 は既知であり、変化量ΔD2
正規のダンピング定数D20からの変化量であるため、L
D2値からダンピング定数D2 を演算することができる。
【0031】相関演算部44における相関演算はコンピ
ュータ10のROM14に格納された図9のフローチャ
ートで表される相関演算ルーチンによって行われる。S
21の初期設定において、整数iが1にリセットされ、
前記(10)式で表される外乱w4 の推定値w4pとばね下質
量速度推定値q2p′との相互相関値Φ(w4p,q2p′)
と、接地部速度推定値q3p′とばね下質量速度推定値q
2p′との相互相関Φ(q3p′,q2p′)と、ばね下質量
速度推定値q2p′の自己相関Φ(q2p′,q2p′)とが
0にリセットされる。各相互相関メモリの内容が0にさ
れるのである。
【0032】続いて、S22で現時点の外乱推定値w
4pi ,ばね下質量速度推定値q2pi ′および接地部速度
推定値q3pi ′が読み込まれ、S23で外乱推定値w
4pi とばね下質両速度推定値q2pi ′との積が演算さ
れ、相互相関Φ(w4p,q2p′)に加算される。ただ
し、最初にS23が実行される際には相互相関Φ
(w4p,q2p′)が0であるため、相互相関メモリに外
乱推定値w4pi とばね下質量速度推定値q2pi ′との積
が格納されるのみである。同様にS24で接地部速度推
定値q3pi ′とばね下質量速度推定値q2pi ′との積が
演算され、相互相関メモリの相互相関Φ(q3p′,
2p′)に加算される。また、S25でばね下質量速度
推定値q2pi ′の2乗が演算され、相互相関メモリの自
己相関Φ(q2p′,q2p′)に加算される。
【0033】S26において整数iが予め定められた整
数M以上になったか否かが判定されるが、当初は判定が
NOであるため、S27で整数iが1増加させられ、再
びS22〜S25が実行される。この実行がM回繰り返
されたときS26の判定がYESとなり、相関演算ルー
チンの1回の実行が終了する。
【0034】相関演算部44において以上のようにして
相互相関Φ(w4p,q2p′),Φ(q3p′,q2p′)お
よび自己相関Φ(q2p′′,q2p′)が求められた後、
正規化部46において前記(17)式によりLD2値が求めら
れ、RAM50のLD2値メモリに格納される。
【0035】ダンピング定数演算部48においては、以
上のようにして取得され、LD2値メモリに格納されてい
るLD2値に基づいてダンピング定数D2 が演算される。
D2値をばね下質量M2 で割って変化量ΔD2 が求めら
れ、この変化量ΔD2 が正規のダンピング定数D20から
引かれて、現時点におけるダンピング定数D2 が求めら
れるのである。演算されたダンピング定数D2 はRAM
16のダンピング定数メモリに格納される。
【0036】図1におけるダンピング定数推定部30で
以上のようにしてタイヤ52のダンピング定数D2 が推
定されたならば、変化速度演算部32でダンピング定数
の変化速度D2 ′の演算が行われる。一定時間Δt毎に
ダンピング定数D2 が読み込まれ、今回のダンピング定
数D2(n)と前回のダンピング定数D2(n-1)との差が時間
Δtで割られてダンピング定数変化速度D2 ′が求めら
れるのである。
【0037】そして、このダンピング定数変化速度D
2 ′とダンピング定数推定部30で取得されたダンピン
グ定数D2 とを用いて、タイヤ異常判定部34でタイヤ
異常の判定が行われる。この判定は、 ダンピング定数D2 が定数基準値より大きい ダンピング定数変化速度D2 ′が変化速度基準値より
大きい という2つの条件のいずれかが満たされるか否かにより
行われ、判定の結果がYESであればタイヤ異常が発生
したとされる。
【0038】なお、定数基準値,変化速度基準値は一定
値としてもよく、操舵速度,車体の横方向加速度あるい
はヨーレイト等を検出するセンサを設け、それらの検出
結果に応じて変更してもよい。また、判定の仕方を変え
てもよい。例えば、定数基準値を大小2段階に設定し、
ダンピング定数D2 が小さい方の定数基準値を超えた場
合には、ダンピング定数変化速度D2 ′が変化速度基準
値を超えていればタイヤ異常が発生したとし、変化速度
基準値を超えていなければタイヤ異常は発生していない
とする一方、ダンピング定数D2 が大きい方の定数基準
値を超えればそれだけでタイヤ異常が発生したとするの
である。
【0039】タイヤ異常判定部34でタイヤ異常が発生
したと判定された場合には、報知指令部36から報知装
置22へ、報知指令として、タイヤ異常の発生を表すデ
ータと共にどのタイヤ52にタイヤ異常が発生したかを
表すデータが供給され、それに応じて報知装置22でタ
イヤ異常が発生したタイヤ52が表示される。また、車
速抑制指令部34においては、単にタイヤ異常の発生を
示すデータが車速抑制指令として電子制御燃料噴射装置
24に供給され、それに応じて車速が抑制される。
【0040】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、ダンピング定数推定手段30と変化速度演
算手段32とによってタイヤ異常関連情報取得手段が構
成され、タイヤ異常判定部34によって異常判定手段が
構成されている。
【0041】なお付言すれば、上記実施例においては、
図9の相関演算ルーチンが一定の時間(iがMに達する
に必要な時間)ごとに1組の相互相関を取得し、その結
果に基づいて正規化部58が正規化を行うようになって
いたが、例えば、ダンピング定数D2 取得するための演
算が図10に示すように行われるように変更し、得られ
たLD2( i)を前記LD2と同様に用いてダンピング定数
2 が演算されるようにすることも可能である。
【0042】また、ダンピング定数の検出(推定)を外
乱オブザーバ42を用いて行うことも不可欠ではない。
例えば、前記図6の質点系の運動方程式は、ばね上質量
1 ,ばね下質量M2および接地部64における基準位
置からの移動量q1 ,q2 ,q3 、ならびにそれらの変
化速度q1 ′,q2 ′,q3 ′および変化加速度q
1 ″,q2 ″により(18),(19)式で表される。 M11 ″+D1 (q1 ′−q2 ′)+K1 (q1 −q2 )=0・・・(18) M22 ″+D2 (q2 ′−q3 ′)+K2 (q2 −q3 )−D1 (q1 ′−q 2 ′)−K1 (q1 −q2 )=0・・・(19)
【0043】そして、ばね上質量M1 に対応する車体6
2と、ばね下質量M2 に対応するサスペンション60の
車輪保持部との、各基準位置からの移動量,速度,加速
度等はセンサで検出可能であるため、これらをセンサで
検出しあるいは検出結果から演算し、その結果とタイヤ
52のダンピング定数との関係を予め求めておき、車両
走行中における基準位置からの移動量,速度,加速度等
からその時点のダンピング定数を決定することができ
る。
【0044】また、ダンピング定数D2 はあるところで
急激に変化するため、ダンピング定数変化速度D2 ′あ
るいはダンピング定数変化加速度D2 ″のみに基づいて
タイヤ異常判定を行うことも可能である。
【0045】さらに、タイヤ異常の検知に基づく対応指
令も前記実施例の報知や車速抑制に限定されるものでは
ない。例えば、ダンピング定数とタイヤ圧との関係を予
め調べておき、ダンピング定数をタイヤ圧に変換して表
示装置に表示させることも可能である。また、タイヤ異
常を音声や警告ランプで運転者に知らせることも、ステ
アリングホイールやシートを振動させて知らせることも
可能である。タイヤ異常を知らせる相手も、タイヤ異常
が発生した車両の運転者に限られず、ハザードランプ,
パーキングランプ等で後続車の運転者に知らせることも
可能である。また、エンジンにおける燃料噴射量の上限
を低下させることと併せて、あるいはそれに代えて、ブ
レーキを自動的に作動させて車両を減速,停車させるこ
とも可能である。
【0046】タイヤ異常判定のための定数基準値,変化
速度基準値あるいは変化加速度基準値を複数段階に設定
し、各段階のタイヤ異常判定に応じて、エンジン出力の
抑制やブレーキの作動による車速抑制を複数段階に行う
ことも可能である。
【0047】車輪およびサスペンションのモデルも図6
の1輪モデルに限定されるわけではない。4輪モデル等
種々のモデルに基づいてタイヤのダンピング定数を検出
することができるのである。
【0048】その他、いちいち例示することはしない
が、種々の改良,変形を加えた態様で本発明を実施する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるタイヤ異常検知装置の
機能ブロック図である。
【図2】上記タイヤ異常検知装置の構成ブロック図であ
る。
【図3】上記タイヤ異常検知装置におけるタイヤ異常の
報知の一例を示す図である。
【図4】上記タイヤ異常検知装置の一部であるダンピン
グ定数推定部30の詳細を示す機能ブロック図である。
【図5】上記タイヤ異常検知装置によりタイヤ異常を検
知される車輪の周辺を概念的に示す図である。
【図6】上記車輪周辺の力学的モデルを示す図である。
【図7】上記タイヤ異常検知装置の一部である外乱オブ
ザーバの構成の過程で使用されるダイナミクスの近似を
説明するための図である。
【図8】上記外乱オブザーバを示すブロック図である。
【図9】上記タイヤ異常検知装置の一部である相関演算
部において実行される相関演算ルーチンのフローチャー
トである。
【図10】本発明の別の実施例であるタイヤ異常検知装
置で実行されるダンピング定数変化取得ルーチンを示す
フローチャートである。
【符号の説明】
10 コンピュータ 20 車体上下方向加速度センサ 22 報知装置 24 電子制御燃料噴射装置 30 ダンピング定数推定部 32 変化速度演算部 34 タイヤ異常判定部 40 上下方向速度演算部 42 外乱オブザーバ 44 相関演算部 46 正規化部 48 ダンピング定数演算部 54 車輪 60 サスペンション 62 車体 64 接地部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小島 弘義 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 平岩 信男 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 浅野 勝宏 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 梅野 孝治 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 高橋 俊道 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社豊田中央研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60C 23/00 - 23/20 G01M 17/00 - 17/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイヤのダンピング定数,ダンピング定
    数変化速度およびダンピング定数変化加速度の少なくと
    も一つを含むタイヤ異常関連情報を取得するタイヤ異常
    関連情報取得手段と、 取得されたタイヤ異常関連情報に基づいてタイヤの異常
    を判定する異常判定手段とを含むことを特徴とする車両
    のタイヤ異常検知装置。
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