JP2983184B2 - 生理用品 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は生理用品に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】生理用ナプキン（生理用品）には従来よ
り各種形状、構造のものがある。生理用品は装着時の位
置ずれ、横からの漏れ（横漏れ）、異臭の発生等を防止
するために従来より各種改良が加えられている。このよ
うな生理用品の一例として図４に示すものがある。これ
はコットン、パルプ等の体液吸収性の吸収材に高分子化
合物を含有させて形成した吸収層Ａの上に肉厚層Ｄを重
ね、吸収層Ａの裏面側をポリエチレン等の非透水性の防
漏シートＢで被覆すると共に表面側をメッシュシート、
不織布等の透水性の表面シートＣで被覆し、防漏シート
Ｂの外面に下着への止着を可能とする止着部Ｇを設ける
と共に、この止着部Ｇに離形紙Ｈを剥離可能に貼り付け
てある。前記肉厚層Ｄは疎水性のスポンジ、疎水性不織
布等により形成した疎水性のクッション材Ｅと、クッシ
ョン材Ｅの外周を被覆する高分子吸収剤含有の吸収シー
トＦとからなる。

【０００３】この種の生理用品の他の例として図５に示
すものもある。この生理用品は防水紙Ｉの上に、綿状パ
ルプ、ティッシュペーパー等の吸水紙で形成された吸液
層Ｊを設け、その上の略中心部に吸水性と脱臭性のある
素材を用いた吸水部材Ｌを配置してある。この吸水部材
Ｌは上記吸液層Ｊを構成する綿状パルプ、ティッシュペ
ーパー等よりも密度の高い吸液性材でなり、適当な長さ
及び厚みを有する直方体としてある。また、吸液層Ｊの
下面及び両側面にラミネート防水紙Ｋが配設し、その端
部Ｋ₁ を吸液層Ｊの上に折り重ねて、この端部Ｋ₁ に横
漏れ防止機能を持たせてある。更に、吸水部材Ｌを含む
吸液層Ｊ及びラミネート防水紙Ｋの周囲を肌触りの良い
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の繊維
で形成された表面シートＭで被覆し、その長手方向両端
部Ｍ₁ を圧着固定したものである。

【０００４】更に、図６（ａ）（ｂ）に示す生理用品も
ある。これは、脱脂綿からなる血液吸収用の吸収体Ｏの
上に棒状体Ｐをのせ、その外周を非透水性の外漏れ防止
用シートＱ、メッシュカバーＲで被覆したものである。

【０００５】又、従来は就寝時の生理用品の後方からの
漏れ（後漏れ）を防止するために、夜用の生理用品も販
売されている。この生理用品は、昼用のそれと比較して
長さも幅もかなり大きくして吸液能力を高め、就寝中に
交換する必要が無いようにしてある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来の生理用品は吸液
能力が高く、位置ずれや横漏れがしにくく、異臭が発生
しにくい、といった効果はあるが、次のような課題が残
されている。 １．長時間使用していると前記効果は必ずしも十分では
なく、下着が汚れるとか、使用者が不快感を覚えると
か、場合によっては異臭が発生するといったことがあ
る。 ２．下着の汚れ、不快感、異臭の発生等を防止するため
には生理用品を早目に交換すればよいが、頻繁に交換す
るのは煩わしく、面倒である。 ３．従来の生理用品は液漏れを防止するため、表面に止
水処理が施されているために、使用済のものを水洗トイ
レに流すことができず、使用後の処理が面倒である。 ４．一枚の価格が高価であるため、頻繁に交換すると経
済的負担が大きい。 ５．生理用品に使用されている不織布とか樹脂製の表面
シート等が皮膚に直接接触すると、肌がかぶれたり、荒
れたりする人もいる。 ６．昼用と夜用の生理用品を使い分けるのは面倒であ
る。また、夜用のものはサイズが大きいため後処理しに
くく、昼用のものより高価なため、不経済である。

【０００７】本発明の目的は、構造が簡潔で、小型で、
漏れにくく、位置ずれもしにくく、使用中に肌のかぶれ
や荒れが起きにくく、使用後の処理が簡単で、頻繁に交
換しても煩わしさがなく、昼夜を問わず使用でき、異臭
発生の心配も少ない生理用品を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の生理用品は、パ
ルプ製の紙を渦巻き状に巻いて女性器にあてがうことの
できる細長の棒状の吸水部材を形成し、その吸水部材の
外周面の一部に、同吸収部材を下着やナプキンに着脱可
能に付着させる止着部を設けてなるものである。

【００１３】

【発明の実施の形態１】本発明の生理用品の実施の形態
の第１の例を図１に基づいて詳細に説明する。この生理
用品１０は吸液性材としてパルプ１００％の紙を使用
し、それを丸棒状に成形したものである。この生理用品
１０は指で押すと変形可能な程度の柔らかさにして、女
性器にあてがい易くしてある。また、女性器の長手方向
に沿ってあてがうことができる長さと直径にしてあり、
例えば、長さ１００ｍｍ前後、直径１５ｍｍ〜１８ｍｍ
程度としてある。吸液性材としてパルプ１００％の紙を
使用するのは、女性器にあてがっても女性器の肌がかぶ
れたり荒れたりしないようにすると共に、水洗トイレに
流すと自然に溶解するようにするためである。吸液性材
としては例えばトイレットペーパーとか、他の紙を使用
することもできる。

【００１４】

【発明の実施の形態２】本発明の生理用品の実施の形態
の第２の例を図２（ａ）（ｂ）に基づいて詳細に説明す
る。この生理用品１０は吸液性材としてパルプ１００％
の紙を使用し、それを丸パイプ状に多重に巻いて吸水部
材１を成形し、その外周面の長手方向中央部に止着部２
を設けたものである。この吸水部材１は紙を多重に巻い
てあるため柔らかく、女性器にあてがい易くなってい
る。この吸水部材１も、例えば、長さ１００ｍｍ前後、
直径１５ｍｍ〜１８ｍｍ程度としてある。また、止着部
２は吸水部材１の外周面に両面粘着テープ３を貼り、そ
の外側に剥離紙４を貼ってなる。止着部２は長さ２０ｍ
ｍ〜４０ｍｍ程度とし、剥離紙４を剥して下着に着脱可
能に付着させたり、図３（ａ）（ｂ）のようにシート状
のナプキン５に着脱可能に付着させたりすることができ
るようにしてある。後者の場合は、吸水部材１が使用に
より汚れたらナプキン５から取外し、ナプキン５は交換
せずに同じものを使用し、そのナプキン５に新しい吸水
部材１を付け替えるようにするとナプキン５を何度も繰
返し使用することができる。この場合、止着部２を構成
する両面粘着テープ３は使用後の吸水部材１と共に水洗
トイレに流されるため、水溶性のものが望ましく、その
ため、両面粘着テープではなく、水溶性の糊とか水溶性
の他の接着剤等であってもよい。

【００１５】

【発明の実施の形態３】本発明の生理用品の実施の形態
の第３の例を図２（ｃ）に基づいて詳細に説明する。こ
の生理用品１０は吸水部材１にテープ状の止着部２を取
り付け、その止着部２の端部を重ねて貼り合せたもので
ある。

【００１６】

【発明の実施の形態４】本発明の生理用品の実施の形態
の第４の例を図３（ａ）（ｂ）に基づいて詳細に説明す
る。この生理用品１０は上記実施の形態２に示す様に止
着部２を設けた吸水部材１をシート状のナプキン５に製
造時に取り付けたものである。この場合も吸液性材とし
てパルプ１００％の紙を使用して吸水部材１を成形し、
吸水部材１とナプキン５の外周を他のフィルムで被覆せ
ずに、吸水部材１を表面に露出したままとして、吸水部
材１を女性器に接触させても、肌がかぶれたり荒れたり
しないようにしてある。この生理用品の場合も、使用に
当っては、吸水部材１が汚れたらナプキン５から外して
新しい止着部２付きの吸水部材１と付け替えることがで
きる。

【００１７】図３（ａ）（ｂ）のナプキン５は通常のナ
プキンと同様に中央部が内側に湾曲するようにくびれた
形状に成形されており、透水性の表面シート６と非透水
性の防漏シート７との間に、高分子吸収剤を含有した吸
水シート８を挟んで一体化した３層構造にしてある。ま
た、ナプキン５の裏面には衣類に付着させるための裏面
側止着部９が設けられている。このナプキン５の外形寸
法は長さ１８ｃｍ、最大幅８ｃｍ、中央のくびれ部分の
幅６ｃｍ程度が適当であるが、これらの寸法は使い易い
様に適宜選択することができる。また、裏面側止着部９
も裏面用両面粘着テープ１１の外側に剥離紙１２を貼り
付けてなり、その剥離紙１２を剥すと裏面用両面粘着テ
ープ１１の外側粘着面が衣類に付着するようにしてあ
る。このナプキン５は使用後にそのままトイレに流すも
のではないため、ナプキン５も、裏面用両面粘着テープ
１１も水溶性ではなくとも良い。また、ナプキン５の表
面には肌がかぶれず、肌荒れしにくい材質を使用するが
望ましい。

【００１８】

【発明の他の実施の形態】図示した吸水部材１は丸棒状
と丸パイプ状にしてあるが、形状は必ずしも丸形である
必要はなく、断面形状が楕円形、三角形でもよく、或は
四角形、多角形等の直方体であってもよく、要は、女性
器にあてがい易く、しかも、あてがったときに女性器に
密着して漏れにくい形状であればよい。吸水部材１の材
質はパルプ１００％のものが望ましいが、必ずしもパル
プ１００％である必要はなく、肌がかぶれたり、荒れた
りしにくいものであれば他の材質、例えば綿等であって
もよい。また、パイプ状に丸めた吸水部材１の中心部に
吸液性及び水溶性のポリマーを入れておくとか、そのポ
リマーと共に水溶性の脱臭剤を入れておく等しておけ
ば、より一層吸液性に優れたものとなり、しかも水に流
して詰まることがない。吸水部材１、止着部２の付いた
吸水部材１、ナプキン５、吸水部材１を取り付けたナプ
キン５等は一つづつ個別に包装しておいてもよく、数個
づつ包装しておいてもよい。但し、包装前にそれらを殺
菌処理とか抗菌処理等して衛生面には十分配慮しておく
必要があるのは言うまでも無い。

【００１９】

【使用例１】図１に示す生理用品１０を使用するには例
えば次のようにする。 １．生理用品１０をそのまま女性器にあてがい、その上
から下着を着用して押える。 ２．生理用品１０が汚れたら、それを水洗トイレに流す
とか、汚物入れ容器に入れる等し、新しい生理用品１０
と交換する。

【００２０】

【使用例２】図２（ａ）（ｂ）に示す生理用品１０を使
用するには例えば次のようにする。 １．吸水部材１を女性器にあてがう。 ２．吸水部材１の止着部２から剥離紙４を剥して、止着
部２の粘着面を下着に接着させる。 ３．吸水部材１が汚れたら、それを水洗トイレに流し、
新しい吸水部材１と交換する。

【００２１】

【使用例３】図２（ａ）（ｂ）に示す生理用品１０を使
用するには次のようにすることもできる。 １．吸水部材１の止着部２から剥離紙４を剥して、止着
部２の粘着面をナプキン５に貼り付ける。 ２．ナプキン５に貼り付けた吸水部材１を女性器にあて
がい、ナプキン５の裏面側止着部９を下着に付着させ
る。 ３．吸水部材１が汚れたら、それを水洗トイレに流すと
か、汚物入れ容器に入れるとかし、新しい吸水部材１と
交換する。 ４．ナプキン５が汚れたらそれを捨て、新しいナプキン
５と交換する。

【００２２】

【使用例４】図２（ｃ）に示す生理用品１０を使用する
には次のようにする。 １．貼り合せてある止着部２の端部を剥して止着部２を
広げる。 ２．吸水部材１を女性器にあてがい、広げてある止着部
２の端部を女性器の周囲に付着させて固定する。

【００２３】

【使用例５】図３（ａ）（ｂ）に示す生理用品１０を使
用するには例えば次のようにする。 １．通常の生理用品と同様に、ナプキン５の裏面側止着
部９を下着に付着させる。 ２．ナプキン５を付着させた下着を着用し、吸水部材１
を女性器にあてがう。 ３．吸水部材１が汚れたら、それを水洗トイレに流すと
か汚物入れ容器に入れるとかし、新しい吸水部材１と交
換する。 ４．ナプキン５が汚れたらそれを捨て、新しいナプキン
５と交換する。

【００２４】

【発明の効果】本発明の生理用品には、次のような効果
がある。 ．女性器にあてがい易く、あてがったときに女性器に
密着するので、位置ずれしにくく漏れにくい。 ．取付け、交換が容易である。 ．取付け、交換が容易であるため頻繁に交換しても苦
にならず、頻繁に交換すれば異臭が発生しにくく、周囲
の人に不快感を与えたり、本人が不快感を覚えたりする
ことが少なくなる。 ．吸水部材１の表面に取付けた止着部２により、同吸
水部材１を下着に付着させることが可能なため、より的
確に位置ずれを防ぐことができ、より漏れにくくなる。 ．昼夜を問わず使用できるので昼用と夜用の生理用品
を別々に用意する必要が無く、経済的である。 ．従来の生理用品は、１日につき５〜６枚使用するの
が平均的であったが、 本発明によれば吸水部材１は交換してもナプキン５は何
度も繰返し使用できるので、ナプキン５の使用量は１日
平均１〜２枚で足り、経済的である。 ．水洗トイレに流すことができるので、使用後の処理
がし易い。 ．使用中にかぶれや肌荒れが起きにくい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の生理用品の第１の実施形態を示す説明
図。

【図２】（ａ）は本発明の生理用品の第２の実施形態を
示す説明図、（ｂ）は（ａ）の横方向断面図、（ｃ）は
本発明の生理用品の第３の実施形態を示す横方向断面
図。

【図３】（ａ）は本発明の生理用品の第４の実施形態を
示す上面図、（ｂ）は（ａ）の横方向断面図。

【図４】従来の生理用品を示す横方向断面図。

【図５】従来の生理用品の他の例を示す説明図。

【図６】（ａ）は従来の生理用品の更に他の例を示す説
明図、（ｂ）は（ａ）の横方向断面図。

【符号の説明】

１は吸水部材 ２は止着部 ５はナプキン

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】パルプ製の紙を渦巻き状に巻いて女性器に
   あてがうことのできる細長の棒状の吸水部材（１）を形
   成し、その吸水部材（１）の外周面の一部に、同吸収部
   材（１）を下着やナプキン（５）に着脱可能に付着させ
   る止着部（２）を設けてなる生理用品。