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JP2980488B2 - 低イヤリング容器用鋼板の製造方法 - Google Patents

低イヤリング容器用鋼板の製造方法

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Publication number
JP2980488B2
JP2980488B2 JP5186269A JP18626993A JP2980488B2 JP 2980488 B2 JP2980488 B2 JP 2980488B2 JP 5186269 A JP5186269 A JP 5186269A JP 18626993 A JP18626993 A JP 18626993A JP 2980488 B2 JP2980488 B2 JP 2980488B2
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JP
Japan
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earring
rolling
hot
cold rolling
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Application number
JP5186269A
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English (en)
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JPH0741916A (ja
Inventor
武秀 瀬沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐イヤリング性に優れた
極薄容器用めっき原板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】軽量化および省資源の観点から容器用原
板の極薄化が市場より要請されている。これに対応し、
材料供給メーカーでは従来の熱延−冷延−焼鈍−調質圧
延の工程で冷延率を高めることで極薄化を達成する努力
をしている。しかし、ここで2つの大きな問題が生じて
いる。1つは冷延後の板厚が極めて薄いため、焼鈍を連
続焼鈍で行なうと通板が難しく、形状が悪化したり、場
合によっては板破断が起こり、品質だけでなく操業上大
きな問題になることがある。この問題を回避する技術と
して、特公平1−52451号公報において冷延後の板
厚を極薄までは薄くせず、0.3mm程度とし焼鈍後、従
来の調質圧延より大きな10〜50%の圧下率で冷延を
することにより、狙いの板厚まで減厚しようとする技術
が開示されている。しかし、このように大きな2次圧下
率で製造した鋼板は異方性が大きく、DI(drawing and
ironing)加工をして製造する2ピース缶においてDI
加工後、開口部にイヤリングと呼ばれる缶胴の高さの不
均一が顕著に起こり(イヤリングを定量的に表わす指標
としてイヤリング率があるが、これは缶胴高さの最大値
から最小値を引いて、最大値で割った値に100を掛け
た値である)、このイヤリングが大きい場合、缶胴高さ
を揃えるためにトリミングをすることになり、歩留まり
が低下するだけでなく、工程が1つ増えるためコスト高
になる。このイヤリングの問題は、焼鈍後に行なう冷延
率が大きい場合だけでなく、焼鈍前の冷延の圧下率が大
きい時も顕在化する傾向がある。
【0003】これを解決するには熱延板の板厚を薄くす
る手段が考えられる。しかし、熱延板の薄手化は仕上温
度の低下や圧延荷重の増加を招き、品質および通板の安
定性に問題が生じるばかりでなく、表面積が増えること
による酸洗コストの上昇など工業的に魅力のある手段で
はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような技術の現状
から本発明は鋼中の成分を調整し経済的な圧延方法でイ
ヤリングの小さい極薄容器用鋼板を製造する方法を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は極薄容器用鋼
板のイヤリングに及ぼす成分・製造条件の影響を詳細に
検討した結果、熱延板を極端に薄手化しなくても、特定
の元素を添加することにより、集合組織を効果的に制御
でき、イヤリングを著しく低減できることがわかった。
本発明はこれらの知見に基づくものであって、以下の構
成を要旨とする。すなわち、重量比でC :0.003
%超、0.08%以下、 Si:0.2%以下、M
n:0.6%以下、 Sn:0.005%以上、0.
2%以下、Al:0.005%以上、0.1%以下、
N :0.015%以下を含み、残部がFeおよび不
可避的不純物からなる鋼を840℃以上の温度で熱間圧
延し、巻取、酸洗後、熱延板の板厚thと冷間圧延、再
結晶焼鈍、その後の冷間圧延を行なった最終板厚tfの
間に(th−tf)/th<0.95の関係を成り立た
せ、再結晶焼鈍後の冷延率を0.5%以上、30%以下
とし、tfを0.22mm以下、0.14mm以上とするこ
とを特徴とする低イヤリング容器用鋼板の製造方法であ
る。
【0006】次に、本発明の限定条件を述べる。まず、
成分の限定条件について述べる。本発明で最も重要な元
素はSnで、微量のSnの添加により極薄容器用鋼板を
経済的に製造できる熱延板板厚および冷延率の範囲でイ
ヤリングを小さくすることができる。Sn添加量の下限
を0.005%としたのは、これ以下の量の添加ではS
n添加の効果が十分に現われず、イヤリングの顕著の低
下が見られないためである。また、上限の添加量を0.
2としたのは、これ以上の添加ではイヤリング低減の効
果が飽和し、合金コストが無用に増加するためである。
【0007】C量を0.003%超としたのは、C量が
この下限以下になると、缶成形後の塗装工程で行なわれ
る塗装焼き付け処理において強度の上昇が達成できない
ためである。この強度上昇はBH(Bake Hardening)と呼
ばれ、転位に侵入型元素であるC,Nが固着することに
より起こる現象で、加工後に強度が上昇するので、加工
時は低荷重で容易に成形ができ、成形後は缶強度が高く
なるため、工業的に魅力のある特性である。C量の上限
を0.08%としたのは、これ以上の添加は、加工性を
劣化し、フランジ割れなど成形時の欠陥の発生頻度が増
えるためである。
【0008】Nの大量添加は製鋼時にバブリングを発生
し、材質を劣化するので、Nの添加量の上限を0.01
5%と限定した。Al量は脱酸成分として効果的に利用
するには、少なくとも鋼中に0.005%以上存在する
量の添加が必要である。また、多量の添加はコストアッ
プになるだけでなく、加工性も劣化させるので、添加量
の上限は0.1%とする。Si,Mnの添加量をSi:
0.2%以下、Mn:0.6%以下と限定したのは、こ
れ以上これらの合金を添加すると、加工性の劣化や耐食
性を阻害する要因となるからである。
【0009】次に、製造条件の限定について述べる。熱
延仕上温度を840℃以上としたのは、本発明鋼の成分
では、これ以下の温度で仕上圧延をすると部分的あるい
は全部が仕上圧延時にフェライト組織になり、前者では
特性にバラツキが生じやすくなり、後者ではイヤリング
率が大きくなるためである。
【0010】熱延板の板厚thと最終板厚tfの間の関
係において、(th−tf)/th<0.95を限定条
件としたのは、図1に見られるようにこの条件範囲で本
発明鋼が優れた耐イヤリング性を示すためである。これ
はSn添加との相互作用で、イヤリング率低減により好
ましい集合組織を作るためと考えられる。ここで、図1
に見られるように、th−tfの板厚減厚を再結晶焼鈍
前の冷延だけで達成しても、再結晶焼鈍後に冷延をし
て、再結晶焼鈍前の冷延の組み合わせで達成しても耐イ
ヤリング性についてはほぼ同じ効果を示す。再結晶焼鈍
後の冷延率を0.5%以上、30%以下と限定したの
は、0.5%以下の冷延率では調質効果が十分得られな
いためである。また、冷延率が30%を超えるとDI加
工時にボトムしわ、ネックしわ、フランジ割れ、ティア
ーオフなど成形不良が発生する確率が大きくなるためで
ある。最終板厚tfを0.22mm以下、0.14mm以上
と限定したのは、最終板厚tfが0.22mm以上になる
と、本来の目標である軽量化、省資源化が有効に達成で
きないためである。また、最終板厚tfが0.14mm以
下になると缶底の剛性が小さくなり過ぎ、缶内圧により
形状変化が顕著に起こるためである。
【0011】本発明鋼の製造方法において、鋳造−熱延
ルート(鋳造後、直接熱延するか、あるいは、鋳造後、
加熱炉で再加熱するか)、熱延の加熱条件、巻取温度な
どの影響は比較的小さいので、特に限定条件を設けな
い。焼鈍については鋼板が再結晶すれば所定の特性が達
成できるので、焼鈍速度など特に限定する必要はない。
【0012】
【実施例】表1に本発明鋼と比較鋼の化学成分を示す。
また、表2には表1の材料を用いて、諸製造条件で製造
した鋼板をDI加工した時のイヤリング率、ボトムしわ
の有無、ネックしわの有無、耐圧強度、BH性を調べた
結果を示す。ボトムしわ、ネックしわの発生の有無は肉
眼による観察により判断した。耐圧強度は図2に示す缶
底形状で缶底が内圧により反転した時の圧力で定義し、
ここでは0.5MPa以上で合格とした。BH量は10%
の予ひずみを与えた時の応力σ1 とその後、200℃で
30分の時効処理をした後で測定した降伏応力σ2 の差
σ2 −σ1 の値を指標として評価した。
【0013】この実施例の基本的な製造プロセスは、連
続鋳造スラブを1200℃に加熱し、連続熱延をした
後、酸洗、冷延、連続焼鈍、強圧下調質圧延をした。実
験番号6は加熱温度を1100℃に設定した。実験番号
2は連続鋳造後、直接熱延するパターンで製造された。
実験番号23は双ロール法で2mm厚の薄鋳片を製造し、
それを酸洗後、冷延、連続焼鈍、強圧下調質圧延をし
た。実験番号12では通電加熱により、加熱速度を10
00℃/secの連続焼鈍を行なった。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】本発明鋼である実験番号1〜4,6,8,
10〜13,15,16,18,21,23はイヤリン
グ率が低く、耐圧強度も満足し、ボトムしわ、ネックし
わなどの発生もなく、優れた缶成形性を示し、BH量も
50MPa 以上を示した。再結晶焼鈍後に35%の冷延を
行なった実験番号5では、加工硬化が大きかったためか
缶成形時にしわが観察された。(th−tf)/thの
比が本発明の範囲を超えた実験番号7では高いイヤリン
グ率を示した。また、最終板厚が0.12mmと本発明の
範囲より薄い実験番号9ではボトムしわの発生のほか
に、耐圧強度が合格の水準に達しなかった。熱延仕上温
度が本発明の範囲以下であった実験番号14は熱延板の
集合組織が異なるためか、イヤリング率が高かった。C
が本発明の範囲より多く添加された実験番号17では缶
成形時にしわが発生した。また、一部でフランジ割れも
観察された。C量が本発明の範囲以下であった実験番号
17では十分なBH量が得られなかった。Snの添加量
が本発明の範囲以下であった実験番号20,22では高
いイヤリング率を示した。
【0017】
【発明の効果】以上のように、本発明は、極薄容器用鋼
板の製造において従来問題とされていたイヤリングを低
減できる新しい技術を提供するもので、その工業的意味
は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】イヤリング率に及ぼす(熱延板板厚−最終板
厚)と熱延板板厚の比の関係を本発明鋼と比較鋼を対比
して示す。
【図2】耐圧強度を測定した缶の底の形状を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 9/46 - 9/48 C21D 8/04 C22C 38/00 - 38/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で C :0.003%超、0.08%以下、 Si:0.2%以下、 Mn:0.6%以下、 Sn:0.005%以上、0.2%以下、 Al:0.005%以上、0.1%以下、 N :0.015%以下を含み、残部がFeおよび不可
    避的不純物からなる鋼を840℃以上の温度で熱間圧延
    し、巻取、酸洗後、熱延板の板厚thと冷間圧延、再結
    晶焼鈍、その後の冷間圧延を行なった最終板厚tfの間
    に(th−tf)/th<0.95の関係を成り立た
    せ、再結晶焼鈍後の冷延率が0.5%以上、30%以下
    とし、tfを0.22mm以下、0.14mm以上とするこ
    とを特徴とする低イヤリング容器用鋼板の製造方法。
JP5186269A 1993-07-28 1993-07-28 低イヤリング容器用鋼板の製造方法 Expired - Lifetime JP2980488B2 (ja)

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JPH0741916A JPH0741916A (ja) 1995-02-10
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