JP2974474B2 - 光ディスクの製造方法 - Google Patents
光ディスクの製造方法Info
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- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
- Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
関し、特に、離型剤に起因した欠陥の発生を減少するこ
とのできる光ディスクの製造方法に関する。
能なコンパクトディスク(CD)やレーザーディスク
(LD)、一度だけ記録可能な追記型光ディスク、何度
でも記録、再生が可能な書換え型光ディスクがあり、そ
れらに使われている基板のほとんどはポリカーボネート
樹脂基板となっている。光ディスクは、ポリカーボネー
ト樹脂をスタンパ(金型)を用いて成形し、このポリカ
ーボネート基板上に記録層等を形成して製造する。
スタンパと基板との離型性をコントロールするために、
離型剤が添加されている。離型剤として種々のものが使
用されているが、脂肪酸エステル、特に多価アルコール
の部分エステルがよく用いられており、この多価アルコ
ールの部分エステルとしては、C14〜C30の脂肪酸モノ
グリセリドが代表的に用いられている。
学用成形品の型転写性の改良を目的として、ポリカーボ
ネート樹脂中に脂肪酸モノグリセリドを0.01〜0.
2重量部添加する技術が開示されている。
型性の向上を目的として、ポリカーボネート樹脂中に、
飽和一価カルボン酸と脂肪族飽和一価アルコール又は多
価アルコールとのエステルを0.05〜5%添加する技
術が開示されている。
同じく離型性の向上を目的として、ポリカーボネート樹
脂中に、飽和脂肪族カルボン酸と三価のアルコールとの
エステルを0.1〜2重量%添加する技術が開示されて
いる。
は、帯電性の向上を目的として、ポリカーボネート樹脂
中に、脂肪酸モノグリセリドを0.1〜5重量部添加す
る技術が開示されている。このように、ポリカーボネー
ト樹脂にモノグリセリドを添加することは、一般的に行
なわれている手法であり、また、この手法を採用した場
合、モノグリセリドの添加量は、離型性の効果を上げる
ために多量に添加される傾向にある。
録膜を成膜する場合もあれば、成形後数ヶ月間保管する
場合もある。また、成膜する際、基板中の水分を脱ガス
するために、加熱処理や乾燥ガス中での処理が通常行な
われている。例えば、特願平2−124088号には、
光磁気ディスクの成膜において、ポリカーボネート基板
中の水分を除去するために、乾燥ガスまたは加熱によっ
て脱ガスを行なう技術が開示されている。
た従来の光ディスクの製造方法において、ポリカーボネ
ート基板を成膜後すぐに記録膜等を成膜しない場合にあ
っては、光ディスク用ポリカーボネート基板に多量に添
加されている離型剤(脂肪酸モノグリセリド)が、長期
保管中に基板表面に析出し、小さな欠陥(基板のグルー
ブ(溝)に沿った細長い形をした欠陥で、サイズは数μ
m〜数十μm)となり、成膜して光ディスク(メディ
ア)にした場合にエラーレートが悪化し、光ディスクと
しての品質が低下するという問題がある。
パラフィン等の離型剤を用いれば上記のような問題は生
じない。しかし、スタンパと基板との離型性、メディア
の長期信頼性等を考慮すると、脂肪酸モノグリセリドは
バランスの取れた離型剤であり、安易に他の種類の離型
剤に変更できないという問題がある。
たもので、離型剤に起因した欠陥の発生を減少すること
のできる光ディスクの製造方法の提供を目的とする。
意研究を重ねた結果、光ディスクの製造方法において、
ポリカーボネート基板の成形後、これを一旦加熱処理す
ることによって、基板中の離型剤を基板内部に拡散さ
せ、離型剤が基板表面に析出するまでの時間を延ばし、
離型剤に起因した欠陥の発生を低減できることを第一に
見い出した。また、この場合に、基板中に添加される脂
肪酸モノグリセリドの量を低減化することによって、離
型剤に起因した欠陥の発生をさらに低減できることを第
二に見い出し本発明を完成させるに至った。
ィスクの製造方法は、脂肪酸モノグリセリドを添加した
ポリカーボネート樹脂を成形してポリカーボネート基板
を作製し、該ポリカーボネート基板を保管後、ポリカー
ボネート基板上に記録層を形成する光ディスクの製造方
法において、ポリカーボネート基板の作製後7日以内
に、該ポリカーボネート基板を40〜120℃の範囲内
の温度で加熱処理するようにしてあり、好ましくは、脂
肪酸モノグリセリドの添加量を0.04重量%以下と
し、脂肪酸モノグリセリドを炭素数14〜30の脂肪酸
モノグリセリドとし、ポリカーボネート樹脂の粘度平均
分子量を12000〜20000としてある。
光ディスクの製造方法においては、まず、脂肪酸モノグ
リセリドを添加したポリカーボネート樹脂を成形してポ
リカーボネート基板を作製する。
粘度平均分子量が12000〜20000、好ましくは
14000〜16000であるポリカーボネート樹脂を
用いることが好ましい。粘度平均分子量が12000未
満であると基板としての強度が不足し、20000を超
えると転写性及び複屈折性の面で光ディスク基板として
使用できなくなる。なお、粘度平均分子量Mvは、下記
Schnellの粘度式(1)に従って計算(極限粘度
[η]は測定によって求める)した値である。 [η]=1.23×10-8Mv0.85 ・・・ (1) ポリカーボネート樹脂としては、ゴミや他の不純物等を
含まない純度の高いものを用いることが好ましい。
リドとしては、炭素数が14〜30の脂肪酸モノグリセ
リドが好ましい。このような脂肪酸モノグリセリドとし
ては、例えば、ステアリン酸モノグリセリド,ベヘン酸
モノグリセリド等が挙げられる。脂肪酸モノグリセリド
の添加量は、0.04重量%以下、好ましくは0.03
重量%以下である。脂肪酸モノグリセリドの添加量が
0.04重量%を超えると基板表面に析出する欠陥の量
が増加し、かつ欠陥を加熱して消滅させるのに長時間を
要するので好ましくない。
限されないが、射出成形が好ましい。射出成形における
成形温度は、通常、300〜400℃とされ、スタンパ
(金型)の温度は80〜130℃とされる。成形する基
板のサイズは特に制限されず、例えば、64mmφ、8
6mmφ、120mmφ、130mmφ、200mm
φ、300mmφ等のいずれのサイズであっても成形可
能である。
基板を成形後一定期間内に一定の温度で加熱処理する。
加熱温度は40〜120℃、好ましくは50〜100℃
である。加熱温度が120℃を超えると基板が変形し使
用に耐えなくなり、40℃未満であると加熱効果がなく
欠陥の発生を抑制する効果がない。
での期間は7日以内、好ましくは5日以内である。成形
から加熱処理までの期間が7日を超えると、欠陥が発生
し加熱処理によって欠陥を消滅させることが困難とな
る。
基板に熱を加えることのできる方法であればよく、この
ときの加熱は湿度や圧力と関係なく行なわれる方法であ
ってもよい。上記加熱処理に用いる加熱処理装置として
は、乾燥機のはか、真空乾燥機や恒温恒湿槽なども利用
できる。加熱処理時間は、加熱温度にもよ、一般に3時
間から24時間とすることが好ましい。加熱処理時間が
24時間を超えると基板が変形することがあり、3時間
を未満であると欠陥の発生を抑制する効果がない。
か、あるいは基板をカートリッジに収納しカートリッジ
ごとクリーンルームまたはクリーン槽に保管する。
カーボネート基板上に記録層等を形成(成膜)して光デ
ィスクを製造する。記録層等の形成方法としては、例え
ば、スパッタリング法や蒸着法等等が挙げられる。記録
層は、保護膜、記録膜、反射膜、オーバーコート膜等で
構成される。記録層の層構成及び各層の形成材料は適宜
選択され、これによりCD,LD,追記型光ディスク、
書換え型光ディスク等が製造される。
板中の水分を除去するために乾燥ガス等によって脱ガス
処理を行なうことが好ましい。また、ポリカーボネート
基板成形後成膜を行なうまでの間に基板表面にゴミや傷
が付かないように基板のハンドリング及び基板の管理に
十分な注意を払うことが必要である。
を添加したポリカーボネート樹脂を原料とするレンズ、
プリズム等の光学部品の製造方法にも同様に適用できる
ものである。
に説明する。実施例1 ステアリン酸モノグリセリドを100ppm添加した粘
度平均分子量が14800のポリカーボネート樹脂を押
出機でペレット化した。このペレット化した樹脂を成形
温度340℃、金型温度110℃で射出成形して、厚さ
1.2mm、基板サイズ130mmφの円板状のポリカ
ーボネート基板を得た。基板成形後5日間経過した後、
基板をカートリッジに入れクリーン乾燥機に投入して基
板の加熱処理を行なった。加熱条件は80℃、4時間と
した。加熱処理終了後カートリッジを取り出し、室温
(23℃、50%RH)で保管した。上記過程におい
て、成膜直後、加熱処理前、成形後0.5ヶ月、成形後
1ヶ月、成形後3ヶ月のポリカーボネート基板を光学顕
微鏡で観察し、離型剤析出状況を検査した。検査は基板
の1/100面積における析出した欠陥の個数をカウン
トして行ない、基板10枚を観察し、1枚当たりの平均
を求めた。この結果を表1に示す。次に、成形後3ヶ月
の基板に記録膜等を成膜し、光ディスクとした後、その
ビットエラーレート(BER)を測定した。この結果を
表1に示す。なお、成膜は、基板上にSi系の保護膜、
TbFeCo記録膜、Si系の保護膜、Al系の反射膜
の順で成膜した。さらに、スピンコーターで紫外線硬化
樹脂を塗布し、紫外線で硬化させて光ディスクとした。
し、基板の加熱処理条件を50℃、8時間としたこと以
外は実施例1と同様にして実施した。
ppmとしたこと以外は実施例1と同様にして実施し
た。
し、基板の成形から加熱処理までの期間を3時間とした
こと以外は実施例1と同様にして実施した。
同様にして実施した。
したこと以外は比較例1と同様にして実施した。
としたこと以外は比較例1と同様にして実施した。
したこと以外は実施例1と同様にして実施した。
は実施例2と同様にして実施した。
以外は実施例4と同様にして実施した。
1に示す。
の製造方法によれば、離型剤に起因した欠陥の発生を減
少することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 脂肪酸モノグリセリドを添加したポリカ
ーボネート樹脂を成形してポリカーボネート基板を作製
し、該ポリカーボネート基板を保管後、ポリカーボネー
ト基板上に記録層を形成する光ディスクの製造方法にお
いて、 ポリカーボネート基板の作製後7日以内に、該ポリカー
ボネート基板を40〜120℃の範囲内の温度で加熱処
理することを特徴とした光ディスクの製造方法。 - 【請求項2】 脂肪酸モノグリセリドの添加量を0.0
4重量%以下としたことを特徴とする請求項1記載の光
ディスクの製造方法。 - 【請求項3】 脂肪酸モノグリセリドが、炭素数14〜
30の脂肪酸のモノグリセリドである請求項2記載の光
ディスクの製造方法。 - 【請求項4】 ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量
が、12000〜20000である請求項1,2又は3
記載の光ディスクの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3287078A JP2974474B2 (ja) | 1991-10-07 | 1991-10-07 | 光ディスクの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3287078A JP2974474B2 (ja) | 1991-10-07 | 1991-10-07 | 光ディスクの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05101452A JPH05101452A (ja) | 1993-04-23 |
JP2974474B2 true JP2974474B2 (ja) | 1999-11-10 |
Family
ID=17712774
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3287078A Expired - Lifetime JP2974474B2 (ja) | 1991-10-07 | 1991-10-07 | 光ディスクの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2974474B2 (ja) |
-
1991
- 1991-10-07 JP JP3287078A patent/JP2974474B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05101452A (ja) | 1993-04-23 |
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