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JP2973453B2 - 帯電防止性を有するポリエステルの製造方法 - Google Patents

帯電防止性を有するポリエステルの製造方法

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JP2973453B2 JP2079930A JP7993090A JP2973453B2 JP 2973453 B2 JP2973453 B2 JP 2973453B2 JP 2079930 A JP2079930 A JP 2079930A JP 7993090 A JP7993090 A JP 7993090A JP 2973453 B2 JP2973453 B2 JP 2973453B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はポリエステルの製造方法に関するものであ
り、さらに詳しくは優れた透明性、帯電防止性を有する
ポリエステルの製造方法に関するものである。
[従来の技術] ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレートあるいはポリ−1,4−シクロ
ヘキサンジメチレンテレフタレート及びこれらを主体と
するポリエステルは優れた物理的、化学的特性を有して
おり、繊維、フィルムあるいはシートさらにはその成形
品として広く使用されている。しかしながら、かかるポ
リエステルは静電気を帯び易いため、繊維、フィルムあ
るいは各種成形品の製造工程時あるいは製造工程時さら
に製品の使用時などにおいて種々のトラブルを発生し易
い欠点がある。
従来よりポリエステルに帯電防止性を付与する目的で
各種のスルホン酸金属塩化合物およびスルホン酸金属塩
化合物と各種金属塩化合物またはポリオキシアルキレン
グリコールなどを配合することが提案されている。例え
ば特開昭50−53465号公報、特開昭52−134662号公報に
は単にスルホン酸金属塩化合物をポリエステルに配合し
たり、また特開昭54−6049号公報にはスルホン酸金属塩
化合物とアルカリ土類金属のハロゲン化物または硫酸
塩、特開昭60−38123号公報にはスルホン酸金属塩化合
物と高級脂肪酸金属塩をポリエステルに配合することな
どが開示されている。
しかし、これらの方法ではポリエステルの帯電防止性
能が不十分であり、かつポリエステルへのスルホン酸金
属塩化合物の相溶性が十分でなかったりまた、配合する
他の金属塩化合物のため、得られる繊維、フィルムある
いは他の成形加工製品は粗大な表面突起を形成したり、
透明性が著しく損なわれるなど欠点がある。また、特公
昭44−31828号公報には実質的にポリオキシアルキレン
グリコールを用いた例が述べられているがこの場合得ら
れるポリエステルは白濁しており透明性が悪いため好ま
しくない。さらに、特開昭52−47069号公報、特開昭52
−47072号公報にはスルホン酸金属塩化合物と分子量400
〜8000のポリオキシアルキレングリコールの組成物によ
るフィルムが例示されている。この場合確かにある程度
の帯電防止性は付与できるがフィルムの透明性が劣る欠
点を有している。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者らは前記の問題点を鑑み鋭意検討した結果、
本発明に到達したものである。
すなわち本発明の目的は、ポリエステルから得られる
繊維、フィルムあるいはシートさらには各種成形加工品
の表面欠点、透明性を損なうことなく、帯電防止性を向
上させるためのポリエステルの製造方法を提供すること
にある。
[課題を解決するための手段] 前記した本発明の目的は、ジカルボン酸もしくはその
エステル形成性誘導体とグリコールとの反応によってポ
リエステルを製造するに際し、第4級アンモニウム化合
物およびアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化
物または酢酸塩から選択されたpH調整剤を用いてpHを7.
5〜13.0に調整したスルホン酸金属塩化合物をポリエス
テル製造工程の任意の段階で反応系へ添加してなること
を特徴とする帯電防止性を有するポリエステルの製造方
法によって達成できる。
本発明のポリエステルとはジカルボン酸もしくはその
エステル誘導体とグリコールとのエステル交換もしくは
エステル化反応ならびに重縮合反応によって製造される
ポリエステルを対象とする。ポリエステルの種類につい
ては繊維、フィルム、シートおよびその他の成形品に成
形しうるものであれば特に限定されない。繊維、フィル
ム、シートおよびその他の成形品に成形しうる好適なポ
リエステルとしては、ジカルボン酸成分が芳香族ジカル
ボン酸を使用したものがよく、グリコール成分としては
脂肪族、脂環式グリコールが好適に使用される。例えば
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリヘキシレンテレフタレート、ポリエチレン−
P−オキシベンゾエード、ポリエチレン−1,2−ビス
(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボキ
シレート、ポリエチレン−1,2−ビス(2−フェノキ
シ)エタン−4,4′−ジカルボキシレート、ポリエチレ
ン−2,6−ナフタリンジカルボキシレート、ポリエチレ
ンイソフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチ
レンテレフタレート等が挙げられ、なかでもポリエチレ
ンテレフタレートが好ましい。
もちろん、これらのポリエステルはホモポリエステル
であっても、コポリエステルであってもよく、共重合す
る成分としては例えば、ジエチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、p−キシリレングリコール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、5−ナトリウムスルホレ
ゾルシン等のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、
フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタリンジカルボン
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン
酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多官能カ
ルボン酸成分、p−オキシエトキシ安息香酸等のオキシ
カルボン酸成分などがあげられる。
上記ジカルボン酸またはその誘導体とグリコールとか
らなるポリエステルを製造するには、任意の方法が採用
される。例えばテレフタル酸成分とエチレングリコール
成分とからなるポリエチレンテレフタレートについて説
明するとテレフタル酸とエチレングリコールとを直接エ
ステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチルとエチレ
ングリコールとをエステル交換反応させるかしてテレフ
タル酸のグリコールエステルまたはその低重合体を生成
する第1段階の反応と、この第1段階の反応生成物を重
縮合反応させる第2段階とによって製造されるのが最も
一般的である。
また本発明において、エステル化反応またはエステル
交換反応には触媒適量のリチウム、ナトリウム、カリウ
ムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、ス
トロンチウム、バリウムなどのアルカリ土類金属および
亜鉛、マンガン、コバルトなどの水素化物、アルコラー
ト、塩素化物およびモノカルボン酸のグリコール可溶性
塩、さらにはチタン化合物、スズ化合物などが触媒とし
て好ましく使用される。特に好ましいものとして酢酸リ
チウム、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネ
シウム、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、塩化マンガンなどが
ある。また重縮合反応使用される代表的な触媒は、グリ
コールに可溶なアンチモンあるいはゲルマニウム化合物
で、具体的には三酸化アンチモン、酸化ゲルマニウムな
どが好ましい。さらにはチタン化合物を使用することも
よい。また、一般的にポリエステル製造時に使用される
各種の着色防止剤としてのリン化合物も好ましく使用す
ることができ、リン化合物としてはリン酸、亜リン酸、
ホスホン酸およびそれらの誘導体などがあげられ、具体
的にはリン酸、亜リン酸、リン酸トリメチルエステル、
リン酸トリブチルエステル、リン酸トリフェニルエステ
ル、リン酸モノあるいはジメチルエステル、フェニルホ
スホン酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸ジエチ
ルエステルなどを挙げることができる。さらにこれらの
触媒および着色防止剤は単独であっても2種以上を併用
してもよい。
本発明のスルホン酸金属塩化合物は下記式で示される
ものである。
R−SO3Mm R:アルキル基あるいはアルキルアリール基もしくはア
リール基 M:アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属 m:1あるいは1/2 該スルホン酸金属塩化合物のRがアルキル基またはア
ルキルアリール基であるときは、直鎖状あるいは分岐し
た側鎖を有してもよい。特にポリエステルへの相溶性の
面からRがアルキル基またはアルキルアリール基が好ま
しく、さらにはアルキルアリール基であるスルホン酸金
属塩化合物が好ましい。特にRがアルキル基またはアル
キルアリール基の場合、炭素数5〜40、特に8〜30が好
ましい。MはNa、K、Li等のアルカリ金属あるいはMg、
Ca等のアルカリ土類金属等が挙げられる。なかでもNa、
K、Liが好ましい。
このようなスルホン酸金属塩化合物の具体例として
は、ヘキシルスルホン酸ナトリウム、ヘプチルスルホン
酸ナトリウム、オクチルスルホン酸ナトリウム、ノニル
スルホン酸ナトリウム、デシルスルホン酸ナトリウム、
ドデシルスルホン酸ナトリウム、オクタデシルスルホン
酸ナトリウム、デシルスルホン酸カリウム、ドデシルス
ルホン酸カリウム、オクタデシルスルホン酸リチウム、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ステアリルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウ
ム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム、オクチルナ
フタレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレンス
ルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸カ
リウムなどを挙げることができる。なかでもドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸リチウムが好ましい。
本発明のR−SO3Mmで示されるスルホン酸金属塩化合
物はpH調整剤を用いてpH7.5〜13.0に調整し、ポリエス
テル製造工程の任意の段階で反応系へ添加する必要があ
り、好ましくはpH8.0〜12.5、さらに好ましくpH8.5〜1
2.0であり、特にpH9.0〜11.5に調整したのち添加するこ
とが好ましい。
ポリエステル反応系へ添加するスルホン酸金属塩化合
物のpH調整が7.5未満であると帯電防止剤のポリエステ
ルの相溶性が十分でなく、得られる成形加工製品の表面
欠点および透明性を改良することができず、かつ帯電防
止性の改良効果が現れない。一方、pHが13.0を越えると
ポリエステルの重縮合反応性が低下したり、得られるポ
リエステルが着色するさらには帯電防止性剤の相溶性が
劣るため得られる成形加工製品の表面が粗面化したり、
成形加工製品が着色し商品価値を損なうことになる。
本発明のpH調整剤は第4級アンモニウム化合物および
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物または
酢酸塩から選択される。第4級アンモニウム化合物とし
ては、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テト
ラエチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラオクチル
アンモニウムヒドロキサイドなどを例示することができ
る。
本発明のpH調整剤は、R−SO3Mmで示されるスルホン
酸金属塩化合物の例えば、水および/またはグリコール
溶液へ添加してpHを7.5〜13.0に調整するものであり、
これらの各成分の混合割合としては、好ましくは水およ
び/又はグリコールに対してスルホン酸金属塩化合物0.
5〜80重量%、さらには1〜70重量%、さらに好ましく
は5〜50重量%であり、pH調整剤の量はスルホン酸金属
塩化合物に対して0.005〜30重量%、さらには0.05〜25
重量%、さらに好ましくは0.1〜20重量%である。
また、pH調整剤を添加したR−SO3Mmで示されるスル
ホン酸金属塩化合物の水および/またはグリコール溶液
を加熱することも特に限定されることはなく、特に各溶
液状態において、沸点以下で5分以上加熱したのちポリ
エステル反応系に添加した場合優れた帯電防止性能が得
られ、かつポリエステルへの相溶性も著しく向上し、得
られる成形加工製品の表面状態、透明性は極めて良好と
なる。
本発明のpH調整したスルホン酸金属塩化合物の添加量
はポリエステル100重量部に対して、0.01〜20.0重量部
の範囲が適当であり、好ましくは0.05〜15重量部であ
り、さらに好ましくは0.1〜10重量部である。0.01重量
部未満では帯電防止効果が十分でなく、20.0重量部を越
えて添加すると機械的性質の低下を招き好ましくない。
本発明のスルホン酸金属塩化合物のポリエステルへの
添加方法および時期は任意であり特に限定されるもので
はない。添加時期としてはエステル交換反応、エステル
化反応の前あるいは反応時、もしくは反応終了後、重縮
合反応前あるいは反応時、重縮合反応終了後に添加して
もよい。好ましくはポリエステル製造工程のエステル交
換反応もしくはエステル化反応以降から重縮合反応終了
までの任意の段階で添加することがよく、さらに好まし
くはエステル交換反応もしくはエステル化反応終了後か
ら重縮合反応以前までの任意の段階で添加する方法がよ
い。
また本発明の目的である透明性、帯電防止性をさらに
向上させるためにポリオキシアルキレングリコールなど
も好ましく使用することができ、ポリオキシアルキレン
グリコールとしては分子量300以上のポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレ
ングリコールなどが挙げられる。このようなポリオキシ
アルキレングリコールは片末端あるいは両末端がエステ
ル結合、カーボネート結合等のエステル形成性官能基を
有する有機基で封鎖されているものでもよい。ポリオキ
シアルキレングリコールの好ましい分子量は300〜50000
であり、さらに好ましくは400〜20000である。特に好ま
しいポリオキシアルキレングリコールとしては分子量60
0〜10000のポリエチレングリコールである。これらのポ
リオキシアルキレングリコールの添加量はポリエステル
100重量部に対して、0.1〜20.0重量部の範囲が適当であ
り、好ましくは0.2〜10.0量部、さらに好ましくは0.5〜
8重量部である。0.1重量部未満ではポリエステルに添
加した場合、帯電防止効果が十分でなく、20.0重量部を
越えて添加すると機械的性質、耐熱性が低下し好ましく
ない。
これらのポリオキシアルキレングリコールのポリエス
テルへの添加方法および時期は任意であり特に限定され
るものではない。
本発明の製造方法によってポリエステルを製造する際
には必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、
顔料、染料、脂肪酸エステル、ワックスなどの有機滑剤
あるいはポリシロキサンなどの消泡剤を添加してもよ
く、さらには成形加工製品の光沢性、艶消し性、結晶
性、滑り性などを付与する目的でクレー、マイカ、酸化
チタン、炭酸カルシウム、カオリン、乾式および湿式法
シリカさらにはコロイド状シリカ、リン酸カルシウム、
硫酸バリウム、アルミナなどの無機粒子さらにはシリコ
ン、アクリル、スチレンなどを構成成分とする有機化合
物からなる粒子などを添加してもよい。
また本発明の製造方法によって得られたポリエステル
からは常法に従って繊維、フィルム、シートおよびその
他の成形加工製品を製造することができる。
[実施例] 以下本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
なお実施例中の特性は次のようにして測定した。
A.スルホン酸金属塩化合物のpH スルホン酸金属塩化合物が3重量%となるようにスル
ホン酸金属塩化合物および/又はpH調整剤を含む水およ
び/又はグリコール溶液をイオン交換水で希釈し、該希
釈液の示すpHをスルホン酸金属塩化合物のpHとする。
B.帯電防止剤のポリエステルへの相溶性 カバーガラスにはさんだポリマ20mgを290℃のホット
プレート上で溶融プレス冷却後、顕微鏡観察によって判
定した。
◎ 5μ以上の粗大物は観察されない。
○ 5μ以上の粗大物がわずかに観察される。
× 10μ以上の粗大物が数多く観察される。
C.ポリエステルの帯電防止性 川口電気製作所MMA II−15超微小電流計を用い、帯電
防止剤を含有したポリエステルから得られたフィルムを
室温20℃、湿度65%のもとに1時間放置し、フィルムの
表面固有抵抗を測定した。
D.ポリエステルの透明性 帯電防止剤を含有したポリエステルから得られたフィ
ルムをASTM−D−1003−59に準じてフィルムヘイズを測
定した。
実施例1 ジメチルテレフタレート100重量部、エチレングリコ
ール70重量部およびエステル交換反応触媒として酢酸カ
ルシウム0.09重量部、重縮合反応触媒として三酸化アン
チモン0.03重量部を加え、常法に従いエステル交換反応
せしめたのち着防剤としてリン酸トリメチル0.05重量部
を添加し、次いでテトラエチルアンモニウムヒドロキサ
イドでpHを11.0に調整したドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウムエチレングリコール溶液(ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウムの濃度30重量%)をドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウムが6重量部となるように添加
した。
その後高温減圧下にて常法に従い重縮合反応を行い、
o−クロロフェノール溶媒を用い、25℃で測定した極限
粘度0.645のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを
含有したポリエチレンテレフタレートを得た。得られた
ポリマの色調、透明性良好であり、帯電防止剤のポリエ
ステルへの相溶性を観察したところ微分散されていた。
得られたポリマとドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウムを含有しないポリエチレンテレフタレートをドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウムがポリエステル100重
量部に対して1重量部となるようにブレンド、さらに乾
燥し、フィルム成形機で290〜300℃にて製膜後、二軸延
伸機により、縦延伸倍率3.2倍、横延伸倍率3.2倍で延伸
した後、220℃で熱処理して厚さ50μのフィルムを得
た。該フィルムの表面固有抵抗は5.9×109Ω、フィルム
ヘイズは0.7%であり帯電防止性、透明性ともに優れて
いた。
比較実施例1 実施例1と同様の方法でpH調整剤を含まないpH7.0の
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムエチレングリコ
ール溶液を添加して、ポリエステルおよびフィルムを得
た。
帯電防止剤のポリエステルへの相溶性を観察したとこ
ろ30〜40μの分散状態であった。
また、フィルムの表面固有抵抗は10.3×109Ω、フィ
ルムヘイズは5.8%と帯電防止性、透明性ともに不良で
あった。
実施例2〜5,比較実施例2 表−1に記載した如く、実施例1と同様の方法で各種
pH調整剤を用いてpH調整したスルホン酸金属塩化合物を
添加しポリエステルおよびフィルムを得た。
表−1に結果を示した。
実施例2〜5は本発明の範囲内のものでありポリエステ
ルの色調、帯電防止剤のポリエステルへの相溶性、フィ
ルムの表面固有抵抗、フィルムヘイズともに良好であっ
た。
一方、比較実施例2はスルホン酸金属塩化合物のpHが
本発明の範囲外であり、得られたポリエステルは黄味が
強く、帯電防止剤のポリエステルへの相溶性を観察した
とろろ粗大物が多数観察された。また得られたフィルム
の透明性も劣るものであった。
実施例6〜10 表−2に記載した如く、実施例1と同様の方法でpH調
整剤を用いてpH調整したスルホン酸金属塩化合物の添加
量を変更しポリエステルを得た。
また、該スルホン酸金属塩化合物の添加に次いで各種
ポリオキシアルキレングリコールを添加したポリエステ
ルを製造した。得られたポリエステルは単独で実施例1
と同様の方法によってフィルムを製造した。
各種ポリエステル、フィルム特性を表−2に示した。
いずれの実施例も本発明の範囲内のものでありポリエ
ステルの色調、帯電防止剤のポリエステルへの相溶性、
フィルムの表面固有抵抗、フィルムヘイズともに良好で
あった。
[発明の効果] 本発明は上述したように、pH調整剤を用いて特定のpH
に調整したスルホン酸金属塩化合物をポリエステル製造
工程の任意の段階で添加することによって、従来得られ
なかった帯電防止剤のポリエステルへの相溶性、透明性
の良好なポリエステルを得ることができる。
本発明の製造方法によって得られたポリエステルから
は表面欠点がなく、透明性、帯電防止剤の良好な繊維、
フィルム、シート、その他の成形加工製品が得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/42 C08K 5/42 (56)参考文献 特開 昭62−161823(JP,A) 特開 昭63−308059(JP,A) 特開 昭55−50082(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 63/00 - 63/91 C08L 67/00 - 67/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性
    誘導体とグリコールとの反応によってポリエステルを製
    造するに際し、第4級アンモニウム化合物およびアルカ
    リ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物または酢酸塩
    から選択されたpH調整剤を用いてpHを7.5〜13.0に調整
    したスルホン酸金属塩化合物をポリエステル製造工程の
    任意の段階で反応系へ添加してなることを特徴とする帯
    電防止性を有するポリエステルの製造方法。
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