[go: up one dir, main page]

JP2964671B2 - ビス(3,5−ジブロモ−4−ジブロモプロポキシフェニル)プロパンの分離回収法 - Google Patents

ビス(3,5−ジブロモ−4−ジブロモプロポキシフェニル)プロパンの分離回収法

Info

Publication number
JP2964671B2
JP2964671B2 JP5307791A JP5307791A JP2964671B2 JP 2964671 B2 JP2964671 B2 JP 2964671B2 JP 5307791 A JP5307791 A JP 5307791A JP 5307791 A JP5307791 A JP 5307791A JP 2964671 B2 JP2964671 B2 JP 2964671B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tba
water
powder
solution
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5307791A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04270236A (ja
Inventor
秀雄 属
久雄 江口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP5307791A priority Critical patent/JP2964671B2/ja
Publication of JPH04270236A publication Critical patent/JPH04270236A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2964671B2 publication Critical patent/JP2964671B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビス[3,5−ジブロ
モ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル]プ
ロパン(以下、TBA−BPと略記する)をその製造過
程により得られた溶液から粉体として分離回収する方法
に関する。
【0002】TBA−BPは、ポリオレフィン樹脂等の
難燃剤として有用なものであり、特にポリプロピレン、
ポリスチレン等の難燃剤として極めて有用であることが
特開昭60−240750号、特開昭61−25225
6号公報などに述べられている。
【0003】
【従来の技術】TBA−BPは、一般にビス(4−アリ
ルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン(以
下、TBA−BAと略記する)を原料にした場合、TB
A−BAをハロゲン化炭化水素溶媒に溶解させた後、臭
素との反応により製造される。従って、生成TBA−B
Pは良溶媒であるハロゲン化炭化水素溶媒の溶液として
得られる。このTBA−BP溶液からTBA−BPを粉
体として分離回収する方法としては、TBA−BP溶液
からハロゲン化炭化水素溶媒を蒸発除去した後、再結晶
等の精製工程を経て結晶化する方法、または、TBA−
BP溶液をTBA−BPの溶解度の小さい溶媒、即ち貧
溶媒中に再沈殿させる方法が知られている(特開昭49
−125348号、特開昭55−111429号、特公
昭57−289号公報)。
【0004】しかしながら、再結晶化方法では、一旦反
応溶媒を留去させた後再結晶を行うため、操作が非常に
繁雑になる問題があり、一方、再沈殿方法では、多量の
種晶の添加若しくは強力な剪断力を有する特殊な装置を
使用しなければTBA−BPが樹脂状物となってしまう
欠点を有していた。また、両方法共に再沈澱後の濾液に
TBA−BPが溶解するため、回収が定量的でなく、得
られる結晶が低品質になる(低融点、着色等)という問
題を有していたため、工業規模の分離回収方法として、
必ずしも未だ満足出来なかった。
【0005】そこで、本発明者らは上記問題を解決すべ
く、簡易的な再沈澱方法によりTBA−BPを粉体とし
て分離回収する方法について鋭意検討した結果、TBA
−BP溶液中に、攪拌下、良溶媒よりも沸点の高い貧溶
媒を滴下し、滴下終了後、直ちに蒸溜により良溶媒を留
去すると、短時間のうちにTBA−BP粉体を分離回収
出来るだけでなく、得られたTBA−BPは高品質であ
ることを見出だし、先に特許出願をした(特願平2−4
15384号)。
【0006】しかし、該方法に於いても、多量の有機溶
剤を貧溶媒に使用するため経済的に有利でなく、また再
沈澱後の濾液中の残存する良溶媒及び貧溶媒の分離回収
操作が必要となること、更に作業環境上問題となる有機
溶剤に暴露される問題等を有していたため、工業的方法
としては未だ充分満足出来るものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ように従来製造工程上繁雑でかつ経済的にも問題があっ
たTBA−BPの粉体としての分離回収方法に於いて、
経済的に有利な、かつ従来のプロセスを簡略化した工業
的方法を提供することである。
【0008】更に作業環境上問題となる有機溶剤に暴露
される機会を少なくし、可燃性有機溶剤の引火等を防止
して安全性を高めた工業的プロセスを開発することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記現状
に鑑み、加熱水中にTBA−BP溶液を滴下し、同時に
脱溶媒を行いながらTBA−BPを水中に分散させた粉
体として分離回収する方法について、鋭意検討を行った
ところ、TBA−BPの疎水性が極めて高いため、脱溶
媒時に脱溶媒途中の粘稠なTBA−BPが凝集し、脱溶
媒槽内壁や攪拌羽根に付着したり、団塊状となって、T
BA−BPは粉体として得られず、また操作の遂行も困
難であることが判明した。
【0010】この問題を解決するために、TBA−BP
の水中での分散剤の探索を精力的に行ったところ、カチ
オン、アニオン及びノニオン型の多くの界面活性剤で
は、少量の添加の場合分散の効果がみられず、添加量を
増し分散を向上すると溶媒のストリッピング時の泡立ち
が激しく操作継続が満足に出来ないことも明らかとなっ
た。
【0011】これによる弊害、例えばTBA−BP中に
残留する分散剤の悪影響、分散剤による工場排水の汚
染、分散剤コストの製品コストへの影響などがあるた
め、極めて少量の添加量でTBA−BPを粉体として取
上げることが出来る分散剤が望まれる。
【0012】そこで、更に分散剤の探索をを行ったとこ
ろ、ノニオン系の界面活性剤の中で、特にポリオキシア
リキレンソルビタン脂肪酸エステルを用いた場合には、
極めて少量の添加量でTBA−BPの水相への分散が可
能となってTBA−BPを粉体として得ることが出来、
しかも脱溶媒時の発泡も少なく操作性が極めて良いこと
を見出だして、本発明を完成するに至った。
【0013】即ち、本発明の要旨は、TBA−BAの臭
素化反応で製造したTBA−BPを粉体として分離回収
する方法に於いて、製造工程で得られたTBA−BPの
溶液を、ポリオキシアリキレンソルビタン脂肪酸エステ
ルを含む加熱水中に滴下し、同時に溶媒を留去しながら
TBA−BPを水中に分散した粉体として回収すること
を特徴とするTBA−BPの分離回収法にある。
【0014】以下その詳細について説明する。
【0015】
【作用】本発明によるTBA−BPの分離回収は、製造
工程で得られたTBA−BPの溶液を、ポリオキシアリ
キレンソルビタン脂肪酸エステルを含む加熱水中に滴下
し、同時に溶媒を留去しながらTBA−BPを水中に分
散した粉体として取上げる事により達成される。
【0016】本発明の方法でTBA−BAを原料に、臭
素を用いてTBA−BPを製造する反応は、次の反応式
を用いて説明することが出来る。
【0017】
【化1】 本発明の方法でいう製造工程で得られたTBA−BP溶
液の有機溶媒とは、TBA−BPを溶解する良溶媒を指
し、TBA−BAの臭素化反応に於いて不活性なハロゲ
ン化炭化水素であり、かつ100℃以下で蒸留若しくは
水との共沸蒸留が出来る溶媒である。例えば、四塩化炭
素、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、ト
リクロロエタン、テトラクロロエタン等である。
【0018】また、TBA−BP溶液の濃度は特に制限
ないが通常5〜50重量%程度が用いられる。
【0019】本発明で使用されるポリオキシアリキレン
ソルビタン脂肪酸エステルとは、一般にソルビトールの
分子内脱水で得られる1,5−ソルビタン、1,4−ソ
ルビタン、3,6−ソルビタン、1,4,3,6−ソル
ビド等からなる混合物を脂肪酸の部分エステル誘導体と
した後、更に未反応の水酸基部分にポリオキシアルキレ
ン鎖を導入した化合物である。即ち、化2、化3、化4
【0020】
【化2】
【0021】
【化3】
【0022】
【化4】 (式中、置換基Rは脂肪酸残基、置換基R,R
は脂肪酸残基若しくは(CH2m+1O)
(ここでm=2〜4,n=1〜50の整数を表す)で示
されるポリオキシアルキレン基を表し、各化合物の置換
基の少なくとも1つはポリオキシアルキレン基である)
で表わされる化合物若しくはそれらの混合物である。本
化合物の脂肪酸部分としては、炭素数10〜18の直鎖
カルボン酸が選ばれ、具体的にはラウリン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。
【0023】更に、本化合物のHLB(親水性親油性バ
ランス)値は、8〜18の範囲のものである。例えば、
具体的にはポリオキシエチレンソルビタンモノラウレー
ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリ
オキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシ
エチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシプロピ
レンソルビタンモノラウレート等である。この界面活性
剤の使用量は、運転条件によって若干異なるが、TBA
−BP粉体100重量部に対して通常0.05〜5重量
部、好ましくは1.0〜3.0重量部である。
【0024】この界面活性剤の使用量が0.05重量部
未満の場合は、脱溶媒時に析出したTBA−BPが熱水
中に良好に分散せず、一部固結して均一な粉体として得
られない。
【0025】また、界面活性剤の使用量が5重量部を越
える場合は、脱溶媒時の発泡が大きくなり操作性が劣る
事及び前述の弊害があるため、好ましくはない。
【0026】この界面活性剤は、通常予め熱水中に混合
しておいて使用するが、操作の面から、一部を滴下する
TBA−BP溶液に混合しておいてもかまわない。
【0027】脱溶媒槽の熱水の量は、脱溶媒終了後のT
BA−BPのスラリー濃度により決まり、スラリーとし
て取扱いが可能でかつ経済的に有利な量が選ばれる。通
常、TBA−BP100gに対して0.2〜10リット
ル程度が選ばれる。
【0028】脱溶媒の熱水の温度は、TBA−BP溶液
の沸点若しくは水との共沸温度のいずれか以上であり、
通常40〜100℃程度である。脱溶媒中、脱溶媒槽内
は、TBA−BPが水中に均一に分散するように十分な
攪拌を行っておくことが望ましい。熱水中へのTBA−
BP溶液の添加は、加熱水面へ滴下する方法や口径の小
さいノズルから熱水へ噴出させる方法が選ばれる。
【0029】また、熱水中へのTBA−BP溶液の滴下
速度は、TBA−BPの固結を防ぐため、有機溶媒の留
出速度以下にすることが望ましい。
【0030】本発明の方法は、通常常圧下で行われる
が、減圧下でも実施可能である。
【0031】TBA−BP溶液を上記の界面活性剤を含
む熱水中に滴下し、同時に前述の操作により脱溶媒を行
うとTBA−BPは短時間のうちに析出し、水中に均一
に分散した粉体となる。従って、析出したTBA−BP
粉体は、そのスラリー液から慣用の方法で容易に分離出
来る。例えば、遠心分離,吸引濾過,スプレードライ等
により分離出来る。
【0032】これらの方法により、TBA−BPを製造
工程より得られた反応液から粉体として定量的に分離回
収出来る。
【0033】
【発明の効果】以上の説明から明らかな様に、本発明の
方法によれば水からのTBA−BP粉体の分離回収が可
能となる。従って、従来の有機溶媒を用いた再沈殿方法
に比べ、経済的にも有利に、また濾液中の溶媒の分離回
収が必要で無くなるため、大幅な製造工程の簡略化が図
れた。
【0034】更に、作業環境上、有機溶剤に暴露される
機会が少なくなるため、労働衛生上好ましく、加えて可
燃性有機溶剤の攪拌,混合,濾過等の取扱い操作を避け
得るため作業の安全性も著しく向上出来、工業的にも有
利なTBA−BPの分離回収が可能になった。
【0035】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0036】実施例1 温度計、攪拌翼及び冷却管を有する容量5リットルのフ
ラスコに、塩化メチレン3500g(2646ml)及
びTBA−BA1750g(2.8mol)を仕込み、
臭素941g(5.9mol)を24〜28℃で1.2
時間かけて滴下し、滴下後、1時間その温度で熟成を行
った。
【0037】反応後、残存臭素を亜硫酸水素ナトリウム
水溶液で還元し、更に水洗を行い、TBA−BP258
4g(2.74mmol)、塩化メチレン3384g
(2558ml)を含む溶液5996g(4002m
l)を得た。この溶液について、液体クロマトグラフィ
ーによる分析を行った結果、TBA−BPの収率は9
7.8%、TBA−BAの転化率は100%であった。
以下、この得られたTBA−BPを含む塩化メチレン溶
液を処理液と呼ぶ。この処理液より、TBS−BP18
5g(196mmol)、塩化メチレン242g(18
3ml)を含む溶液429g(287ml)を次の分離
回収で用いた。
【0038】温度計、攪拌翼及び蒸留装置を有する容量
1000mlの四ツ口フラスコに、水800ml及びH
LB値15.6のポリオキシエチレンソルビタンモノパ
ルミテート1.23gを溶解させ90℃に加熱した。
【0039】この加熱水に、攪拌下、ポリオキシエチレ
ンソルビタンモノパルミテート2.47gを溶解させた
上記の処理液を0.07リットル/hrの滴下速度で滴
下しながら、塩化メチレンを連続的に留去した。尚、ポ
リオキシエチレンソルビタンモノパルミテートの合計の
使用量は、TBA−BP100重量部に対して2.0重
量部に相当する。蒸留時、発泡は殆ど見られずTBA−
BPは直ちに析出し粉体となって水中に均一に分散し
た。
【0040】処理液の滴下終了後、得られたTBA−B
Pの水スラリーを濾過し、さらに水洗を行い、乾燥させ
て白色の粉体189.9gを得た。この得られた粉体に
ついて、液体クロマトグラフィーによる分析を行った結
果、TBS−BPの純度は97.3%、処理液からのT
BS−BPの回収率は99.9%とほぼ定量的であっ
た。
【0041】実施例2 温度計、攪拌翼及び蒸留装置を有する容量1000ml
の四ツ口フラスコに、水800ml及びHLB値11.
0のポリオキシエチレンソルビタントリオレエート1.
85gを溶解させ90℃に加熱した。尚、ポリオキシエ
チレンソルビタントリオレエートの使用量は、TBA−
BP100重量部に対して1.0重量部に相当する。
【0042】次に、実施例1により製造した処理液より
TBA−BP185g(196mmol)、塩化メチレ
ン242g(183ml)を含む溶液429g(287
ml)をを取りだし、上記の攪拌している加熱水中へ
0.08リットル/hrの滴下速度で滴下しながら、塩
化メチレンを連続的に留去した。蒸留時、発泡は殆ど見
られずTBA−BPは直ちに析出し粉体となって水中に
均一に分散した。
【0043】処理液の滴下終了後、得られたTBS−B
P水スラリーを実施例1と同様に処理し、白色の粉体1
89.2gを得た。この得られた粉体について、液体ク
ロマトグラフィーによる分析を行った結果、TBS−B
Pの純度は97.7%、処理液からのTBS−BPの回
収率は99.9%とほぼ定量的であった。
【0044】実施例3 温度計、攪拌翼及び蒸留装置を有する容量2.0リット
ルの四ツ口フラスコに、水1.5リットル及びHLB値
16.7のポリオキシエチレンソルビタンモノラウレー
ト5.55gを溶解させ90℃に加熱した。尚、ポキシ
エチレンソルビタントリオレエートの使用量は、TBA
−BP100重量部に対して3.0重量部に相当する。
【0045】次に、実施例1により製造した処理液より
TBA−BP185g(196mmol)、塩化メチレ
ン242g(183ml)を含む溶液429g(287
ml)を取りだし、上記の攪拌している加熱水中へ0.
07リットル/hrの滴下速度で滴下しながら、塩化メ
チレンを連続的に留去した。蒸留時、発泡は殆ど見られ
ずTBA−BPは直ちに析出し粉体となって水中に均一
に分散した。
【0046】処理液の滴下終了後、得られたTBA−B
P水スラリーを実施例1と同様に処理し、白色の粉体1
89.7gを得た。この得られた粉体について、液体ク
ロマトグラフィーによる分析を行った結果、TBS−B
Pの純度は97.4%、処理液からのTBS−BPの回
収率は99.9%とほぼ定量的であった。
【0047】実施例4 温度計、攪拌翼及び蒸留装置を有する容量1000ml
の四ツ口フラスコに、水800ml及びHLB値14.
9のポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート
2.78gを溶解させ95℃に加熱した。尚、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノステアレートの使用量は、T
BA−BP100重量部に対して1.5重量部に相当す
る。
【0048】次に、実施例1により製造した処理液より
TBA−BP185g(196mmol)、塩化メチレ
ン242g(183ml)を含む溶液429g(287
ml)を取りだし、上記の攪拌している加熱水中へ0.
05リットル/hrの滴下速度で滴下しながら、塩化メ
チレンを連続的に留去した。蒸留時、発泡は殆ど見られ
ずTBA−BPは直ちに析出し粉体となって水中に均一
に分散した。
【0049】処理液の滴下終了後、得られたTBA−B
P水スラリーを実施例1と同様に処理し、白色の粉体1
89.4gを得た。この得られた粉体について、液体ク
ロマトグラフィーによる分析を行った結果、TBS−B
Pの純度は97.6%、処理液からのTBS−BPの回
収率は99.9%とほぼ定量的であった。
【0050】実施例5 温度計、攪拌翼及び蒸留装置を有する容量5000ml
の四ツ口フラスコに、水400ml及びHLB値15.
6のポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート
1.23gを溶解させ90℃に加熱した。
【0051】実施例1により製造した処理液よりTBA
−BP185g(196mmol)、塩化メチレン24
2g(183ml)を含む溶液429g(287ml)
を取りだし、クロロホルムと溶媒置換を行い、更にポリ
オキシエチレンソルビタンモノパルミテート2.47g
を溶解させて290mlのクロロホルム溶液にした。
尚、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテートの
合計の使用量は、TBA−BP100重量部に対して
2.0重量部に相当する。
【0052】次にこの溶液を上記の攪拌している加熱水
中へ0.06リットル/hrの滴下速度で滴下しなが
ら、クロロホルムを連続的に留去した。蒸留時、発泡は
殆ど見られずTBA−BPは直ちに析出し粉体となって
水中に均一に分散した。
【0053】処理液の滴下終了後、得られたTBA−B
P水スラリーを実施例1と同様に処理し、白色の粉体1
89.4gを得た。この得られた粉体について、液体ク
ロマトグラフィーによる分析を行った結果、TBS−B
Pの純度は97.6%、処理液からのTBS−BPの回
収率は99.9%とほぼ定量的であった。
【0054】比較例1 実施例1で製造した処理液よりTBA−BP185g
(196mmol)、塩化メチレン242g(183m
l)を含む溶液429g(287ml)を取りだし、攪
拌しているイソプロパノール549ml中へ0.20リ
ットル/hrの滴下速度で滴下した。滴下終了後、TB
A−BPは多量の樹脂状物を含むスラリー溶液となって
いた。得られた結晶を吸引濾過し、水洗後、乾燥させて
多量の樹脂状物を含む黄色の結晶177.6gを得た。
この得られた結晶について、液体クロマトグラフィーに
よる分析を行った結果、TBA−BPの純度は97.9
%、処理液からのTBA−BPの回収率は94.0%で
あった。
【0055】比較例2 実施例1で製造した処理液よりTBA−BP185g
(196mmol)、塩化メチレン242g(183m
l)を含む溶液429g(287ml)を取りだし、攪
拌しているメタノール915ml中へ0.10リットル
/hrの滴下速度で滴下した。滴下終了後、TBA−B
Pは多量の樹脂状物を含むスラリー溶液となっていた。
得られた結晶を吸引濾過し、水洗後、乾燥させて多量の
樹脂状物を含む黄色の結晶174.6gを得た。この得
られた粉体について、液体クロマトグラフィーによる分
析を行った結果、TBS−BPの純度は98.3%、処
理液からのTBS−BPの回収率は92.8%であっ
た。
【0056】比較例3 温度計、攪拌翼及び蒸留装置を有する容量1000ml
の四ツ口フラスコに、水800ml及びHLB値11.
0のポリオキシエチレンソルビタントリオレエート0.
04gを溶解させ90℃に加熱した。尚、ポリオキシエ
チレンソルビタントリオレエートの使用量は、TBA−
BP100重量部に対して0.02重量部に相当する。
【0057】次に、実施例1により製造した処理液より
TBA−BP185g(196mmol)、塩化メチレ
ン242g(183ml)を含む溶液429g(287
ml)を取りだし、上記の攪拌している加熱水中へ0.
05リットル/hrの滴下速度で滴下しながら、塩化メ
チレンを連続的に留去を行った。蒸留時、析出するTB
A−BPは水中への分散が悪く、大半は攪拌羽根や器壁
に樹脂状に付着したため、粉体として得ることは出来な
かった。
【0058】比較例4 温度計、攪拌翼及び蒸留装置を有する容量1000ml
の四ツ口フラスコに、水800ml及びHLB値15.
6のポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート1
3.0gを溶解させ90℃に加熱した。尚、ポリオキシ
エチレンソルビタンモノパルミテートの使用量は、TB
A−BP100重量部に対して7.5重量部に相当す
る。
【0059】次に、実施例1により製造した処理液より
TBA−BP185g(196mmol)、塩化メチレ
ン242g(183ml)を含む溶液429g(287
ml)を取りだし、上記の攪拌している加熱水中へ0.
05リットル/hrの滴下速度で滴下しながら、塩化メ
チレンを連続的に留去を試みたが、泡立ちが激しく操作
の遂行は出来なかった。
【0060】また、析出するTBA−BPは水中への分
散が悪く、大半は器壁に樹脂状に付着したため、粉体と
して得ることは出来なかった。
【0061】比較例5 温度計、攪拌翼及び蒸留装置を有する容量1000ml
の四ツ口フラスコに、水800ml及びHLB値15.
1のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル3.7
0gを溶解させ90℃に加熱した。尚、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテルの使用量は、TBA−BP
100重量部に対して2.0重量部に相当する。
【0062】次に、実施例1により製造した処理液より
TBA−BP185g(196mmol)、塩化メチレ
ン242g(183ml)を含む溶液429g(287
ml)を取りだし、上記の攪拌している加熱水中へ0.
08リットル/hrの滴下速度で滴下しながら、塩化メ
チレンを連続的に留去を行った。蒸留時、析出するTB
A−BPは水中への分散が悪く、大半は攪拌羽根や器壁
に樹脂状に付着したため、粉体として得ることは出来な
かった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 41/34 C07C 43/225 C07C 41/22 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビス(4−アリルオキシ−3,5−ジブロ
    モフェニル)プロパンの臭素化反応で製造したビス
    [3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキ
    シ)フェニル]プロパンを粉体として分離回収する方法
    に於いて、製造工程で得られたビス[3,5−ジブロモ
    −4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル]プロ
    パンの溶液を、ポリオキシアリキレンソルビタン脂肪酸
    エステルを含む加熱水中に滴下し、同時に溶媒を留去し
    ながらビス[3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロ
    モプロポキシ)フェニル]プロパンを水中に分散した粉
    体として回収すること特徴とするビス[3,5−ジブロ
    モ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル]プ
    ロパンの分離回収法。
JP5307791A 1991-02-26 1991-02-26 ビス(3,5−ジブロモ−4−ジブロモプロポキシフェニル)プロパンの分離回収法 Expired - Fee Related JP2964671B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5307791A JP2964671B2 (ja) 1991-02-26 1991-02-26 ビス(3,5−ジブロモ−4−ジブロモプロポキシフェニル)プロパンの分離回収法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5307791A JP2964671B2 (ja) 1991-02-26 1991-02-26 ビス(3,5−ジブロモ−4−ジブロモプロポキシフェニル)プロパンの分離回収法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04270236A JPH04270236A (ja) 1992-09-25
JP2964671B2 true JP2964671B2 (ja) 1999-10-18

Family

ID=12932741

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5307791A Expired - Fee Related JP2964671B2 (ja) 1991-02-26 1991-02-26 ビス(3,5−ジブロモ−4−ジブロモプロポキシフェニル)プロパンの分離回収法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2964671B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2784882B2 (ja) * 1994-04-28 1998-08-06 第一工業製薬株式会社 粉末状高融点2,2−ビス[4′−(2″,3″−ジブロモプロポキシ)−3′,5′−ジブロモフェニル]プロパンの製造方法
CN105622362B (zh) * 2016-03-25 2017-08-25 江苏丹霞新材料有限公司 甲基八溴醚类阻燃剂的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04270236A (ja) 1992-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4196289A (en) Process for producing triallyl isocyanurate
JP2964671B2 (ja) ビス(3,5−ジブロモ−4−ジブロモプロポキシフェニル)プロパンの分離回収法
JPH0532610A (ja) 1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリドの製造方法
JP3106506B2 (ja) ビス(3,5−ジブロモ−4−ジブロモプロポキシフェニル)スルホンの分離回収法
EP0375265B1 (en) Purification of isothiazolones
JP3159753B2 (ja) アリールイミドアルカン過酸の製造法
US5872291A (en) Process for producing benzoyl chlorides
WO2019145857A2 (en) Synthesis of 5-chloro-2-[(3,4,4-trifluoro-3-buten-1-yl)thio]-thiazole
JP3042122B2 (ja) N−シアノアセトアミジン誘導体の製造方法
JP2890846B2 (ja) ビス(3,5−ジブロモ−4−ジブロモプロポキシフェニル)プロパンの分離回収方法
JP2747780B2 (ja) 非対称ジエステルの製造方法
EP0552912A2 (en) Method for producing 2,6-dihydroxybenzoic acid
JP3717277B2 (ja) 高純度の1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノンおよびその製造方法
JPH0132825B2 (ja)
JPH0651660B2 (ja) ニトロベンズアルデヒドの精製方法
JP2722686B2 (ja) チオホスゲンの製造方法
US20230242493A1 (en) Processes for making tetrazolinone compounds
JP3061494B2 (ja) グリシジルアリールスルホナート類の製造方法
JPH10114729A (ja) アミノフェノールの製造
JP3235232B2 (ja) チオカーバメート類の製造方法
JPH10158224A (ja) 不飽和第4級アンモニウム塩の製造法
EP0002973B1 (fr) Procédé de préparation d'halogénomercurialdéhydes et cétones
JP2712675B2 (ja) フェニル クロロチオホルメイト類の工業的製造法
US20020091267A1 (en) Method for producing camphorsultam
SE453094B (sv) Anvendning av ett magnesiumhalogenidkomplex av alfa-brompropionsyra som mellanprodukt for framstellning av 2-arylpropionsyror

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070813

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080813

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees