JP2964163B2 - R(―)―1,3―ブタンジオールの製造法 - Google Patents
R(―)―1,3―ブタンジオールの製造法Info
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- JP2964163B2 JP2964163B2 JP26453390A JP26453390A JP2964163B2 JP 2964163 B2 JP2964163 B2 JP 2964163B2 JP 26453390 A JP26453390 A JP 26453390A JP 26453390 A JP26453390 A JP 26453390A JP 2964163 B2 JP2964163 B2 JP 2964163B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、医薬や農薬、化粧品などの合成素材として
有用な光学活性R(−)−1,3−ブタンジオールの微生
物による製造法に関するものである。
有用な光学活性R(−)−1,3−ブタンジオールの微生
物による製造法に関するものである。
従来、光学活性な1,3−ブタンジオールを製造する方
法としては、(1)化学的に修飾されたラセミ体を光学
分割剤を用いて光学分割する方法(特開昭61−19163
1)、(2)光学活性な乳酸やβ−ヒドロキシ酪酸から
誘導する方法〔ジャーナル・オブ・オルガニック・ケミ
ストリー(J.Org.Chem.)47巻、3850頁(1982)〕、
(3)エステル修飾されたラセミ体にリパーゼを作用さ
せ立体選択的な加水分解を行なわせる方法(特開平2−
39898)及び(4)ラセミ体−1,3−ブタンジオールを特
定の微生物を用いて不斉資化する方法(特開平2−1958
97、特開平1−320997)等が知られている。
法としては、(1)化学的に修飾されたラセミ体を光学
分割剤を用いて光学分割する方法(特開昭61−19163
1)、(2)光学活性な乳酸やβ−ヒドロキシ酪酸から
誘導する方法〔ジャーナル・オブ・オルガニック・ケミ
ストリー(J.Org.Chem.)47巻、3850頁(1982)〕、
(3)エステル修飾されたラセミ体にリパーゼを作用さ
せ立体選択的な加水分解を行なわせる方法(特開平2−
39898)及び(4)ラセミ体−1,3−ブタンジオールを特
定の微生物を用いて不斉資化する方法(特開平2−1958
97、特開平1−320997)等が知られている。
しかしながら、(1)〜(3)の方法は高価な光学分
割剤、還元剤又は酵素剤を必要とする点で工業的製法と
して問題があり、また(4)の方法においては、工業的
規模で経済的にR(−)−1,3−ブタンジオールを製造
することのできる要件を具備した微生物が存在しないと
いう問題があり、工業的に有利なR(−)−1,3−ブタ
ンジオールの製造法の開発が望まれていた。
割剤、還元剤又は酵素剤を必要とする点で工業的製法と
して問題があり、また(4)の方法においては、工業的
規模で経済的にR(−)−1,3−ブタンジオールを製造
することのできる要件を具備した微生物が存在しないと
いう問題があり、工業的に有利なR(−)−1,3−ブタ
ンジオールの製造法の開発が望まれていた。
斯かる実情において、本発明者らは、微生物を用いる
不斉資化法について、基質のラセミ体−1,3−ブタンジ
オールに対する増殖及び資化における濃度耐性、選択資
化能を有する微生物を見出すべく、多数の微生物を分
離、培養して検索を行なった結果、沖縄県下の土壌より
分離したガラクトマイセス・ゲオトリクム(Galactomyc
es geotrichum)SAM1565、同SAM 1568及びロードコッ
カス(Rhodococcus)sp.SAM 1569と命名された微生物が
上記条件を具備することを見出し、本発明を完成した。
不斉資化法について、基質のラセミ体−1,3−ブタンジ
オールに対する増殖及び資化における濃度耐性、選択資
化能を有する微生物を見出すべく、多数の微生物を分
離、培養して検索を行なった結果、沖縄県下の土壌より
分離したガラクトマイセス・ゲオトリクム(Galactomyc
es geotrichum)SAM1565、同SAM 1568及びロードコッ
カス(Rhodococcus)sp.SAM 1569と命名された微生物が
上記条件を具備することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ラセミ体−1,3−ブタンジオー
ルに、ガラクトマイセス属又はロードコッカス属に属す
る微生物を作用させてS(+)−1,3−ブタンジオール
を選択的に資化させ、残存するR(−)−1,3−ブタン
ジオールを採取することを特徴とするR(−)−1,3−
ブタンジオールの製造法を提供するものである。
ルに、ガラクトマイセス属又はロードコッカス属に属す
る微生物を作用させてS(+)−1,3−ブタンジオール
を選択的に資化させ、残存するR(−)−1,3−ブタン
ジオールを採取することを特徴とするR(−)−1,3−
ブタンジオールの製造法を提供するものである。
本発明で使用する微生物は次のような菌学的性質を有
する。
する。
(A)ガラクトマイセス・ゲオトリクムSAM 1565、SAM
1568 培地における生育状態 〔MEYA培地(麦芽エキス4%、酵母エキス0.5%、寒天
2%、pH無調整)、25℃、8日間培養〕 SAM 1565:コロニーの直径は53〜54mm。コロニーはほふ
く菌糸あるいは培地表面からやや立ち上がった菌糸の束
からなる。コロニーの中心部は白色の培地表面に密着し
た菌糸の束からなる。基中菌糸を欠く。コロニーの周縁
はぎざぎざのへり取り状(fimbriate)。コロニー表面
は乾性。臭いは無い。コロニーの裏面はクリーム色。
1568 培地における生育状態 〔MEYA培地(麦芽エキス4%、酵母エキス0.5%、寒天
2%、pH無調整)、25℃、8日間培養〕 SAM 1565:コロニーの直径は53〜54mm。コロニーはほふ
く菌糸あるいは培地表面からやや立ち上がった菌糸の束
からなる。コロニーの中心部は白色の培地表面に密着し
た菌糸の束からなる。基中菌糸を欠く。コロニーの周縁
はぎざぎざのへり取り状(fimbriate)。コロニー表面
は乾性。臭いは無い。コロニーの裏面はクリーム色。
SAM 1568:コロニーの直径は45〜47mm。コロニーは白
色。やや帯状を呈す。コロニーは伏した菌糸の束からな
り、平滑。コロニー表面は乾性。臭いは無い。コロニー
の裏面はクリーム色。
色。やや帯状を呈す。コロニーは伏した菌糸の束からな
り、平滑。コロニー表面は乾性。臭いは無い。コロニー
の裏面はクリーム色。
形態 アナモルフ:分生子形成様式は分節型。分生子は円筒形
又は楕円形、無色、長さ5〜17μm,幅4〜6μm。
又は楕円形、無色、長さ5〜17μm,幅4〜6μm。
テレオモルフ:配偶子のうは菌糸の隔膜を挟んで形成さ
れる。配偶子のうは球形又は棍棒形。子のうは亜球形又
は楕円形、子のう胞子を1個持つ、長さ6〜9μm,幅7
〜10μm。子のう胞子は楕円形、薄黄褐色、長さ6〜9
μm,幅7〜10μm。
れる。配偶子のうは球形又は棍棒形。子のうは亜球形又
は楕円形、子のう胞子を1個持つ、長さ6〜9μm,幅7
〜10μm。子のう胞子は楕円形、薄黄褐色、長さ6〜9
μm,幅7〜10μm。
生理・生化学的性質 なお、Galactomyces geotrichum SAM 1568株は工業技
術院微生物工業技術研究所に微工研条寄第3115号(FERM
BP−3115)として平成2年9月25日に寄託されてい
る。
術院微生物工業技術研究所に微工研条寄第3115号(FERM
BP−3115)として平成2年9月25日に寄託されてい
る。
(B)ロードコッカス sp.SAM 1569 形態 (1)細胞は桿菌→短い菌糸状→桿菌の多形性を示す。
(2)胞子を形成しない。
(3)運動性はない (4)グラム染色は陽性 生理学的性質 (1)カタラーゼの生成 陽性 (2)オキシダーゼの生成 陰性 (3)酸素に対する態度 好気性 DNAのGC含量 69.5% DNA のGC含量はFEMS・ミクロバイオロジ・レターズ
(FEMS Microbiology Letters)、第25巻、125−128
頁、1984年に従って測定した。
(FEMS Microbiology Letters)、第25巻、125−128
頁、1984年に従って測定した。
細胞内キノンの分子種の同定 MK8(H2)を有する。
測定は、山田雄三、倉石衍著、「ユビキノンとメナキ
ノン」、駒形和男編「微生物の化学分類実験法」143−1
55頁、1982年、学会出版センター、東京に従って行っ
た。
ノン」、駒形和男編「微生物の化学分類実験法」143−1
55頁、1982年、学会出版センター、東京に従って行っ
た。
菌体脂肪酸組成 測定はインターナショナル・ジャーナル・オブ・シス
ティマティック・バクテリオロジー(International Jo
urnal of systematic Bacteriology)第33巻、188−200
頁、1983年に従って行った。
ティマティック・バクテリオロジー(International Jo
urnal of systematic Bacteriology)第33巻、188−200
頁、1983年に従って行った。
直鎖不飽和脂肪酸 n−14 2.2(%) n−16 32.2 n−17 0.2 n−18 1.2 モノ不飽和脂肪酸 16:1 21.2 18:1 10.0 10メチル脂肪酸 10−Me−17 4.9 10−Me−18 0.6 10−Me−19 27.7 細胞壁ペプチドグリカンの主要アミノ酸meso−ジアミ
ノピメリン酸が検出された。
ノピメリン酸が検出された。
分析方法は鈴木健一郎著、ペプチドグリカン、日本細
菌学会教育委員会編「細菌学技術叢書8新しい分類学に
伴走する細菌同定法」74−85頁、菜根出版、1987年、東
京に従った。
菌学会教育委員会編「細菌学技術叢書8新しい分類学に
伴走する細菌同定法」74−85頁、菜根出版、1987年、東
京に従った。
なお、Rhodococcus sp.SAM 1569株は工業技術院微生
物工業技術研究所に微工研条寄第3114号(FERM BP−311
4)として平成2年9月25日に寄託されている。
物工業技術研究所に微工研条寄第3114号(FERM BP−311
4)として平成2年9月25日に寄託されている。
上記微生物を培養するための培地組成としては、通常
これらの微生物が成育しうる培地ならなんら限定される
ものはなく、例えば、グルコース、シュークロースなど
の糖類や本発明の資化対象であるラミセ体−1,3−ブタ
ンジオールなどの炭素源、硫酸アンモニウム、尿素、各
種ペプトン、酵母エキスなどの窒素源、鉄、銅、亜鉛な
どの無機塩類、ビタミン類など通常の培養に用いられる
栄養源を適宜混合して用いることができる。
これらの微生物が成育しうる培地ならなんら限定される
ものはなく、例えば、グルコース、シュークロースなど
の糖類や本発明の資化対象であるラミセ体−1,3−ブタ
ンジオールなどの炭素源、硫酸アンモニウム、尿素、各
種ペプトン、酵母エキスなどの窒素源、鉄、銅、亜鉛な
どの無機塩類、ビタミン類など通常の培養に用いられる
栄養源を適宜混合して用いることができる。
上記微生物の培養は通気攪拌培養、しんとう培養など
通常の方法に従えばよく、例えばpHを9〜3、培養温度
を15〜35℃の範囲に設定し好気的に10〜72時間培養する
のが望ましい。
通常の方法に従えばよく、例えばpHを9〜3、培養温度
を15〜35℃の範囲に設定し好気的に10〜72時間培養する
のが望ましい。
ラセミ体−1,3−ブタンジオールに本発明の微生物を
作用させてR(−)−1,3−ブタンジオールを得るため
には、前記のようにして培養した培養液、あるいはこの
培養液から遠心分離、フィルター濾過などの操作によっ
て得られる菌体懸濁液に基質であるラセミ体−1,3−ブ
タンジオールを添加し、微生物に資化反応を行なわせ
る。また、微生物をアルギン酸ゲル、寒天ゲルなどを用
いた公知の方法により固定化して用いることもできる。
目的製造物に不純物が混入しない限りにおいて、資化反
応を速やかに行なわせるために窒素源やその他の栄養源
を加えてもよいし、反応中のpHを保持するための緩衝剤
を添加してもよい。資化反応は温度15〜35℃、反応pH10
〜3の範囲で行なうことが好ましい。反応中の基質濃度
は1〜20%(v/v)が好ましく、基質は反応初期に一括
して加えてもよいし、分割して添加してもよい。資化反
応は静置、しんとう、攪拌あるいは通気攪拌しながら行
なう。菌体添加量、基質添加量を調節することにより24
〜120時間内に目的とする光学純度物を得られるように
設定するのが望ましい。
作用させてR(−)−1,3−ブタンジオールを得るため
には、前記のようにして培養した培養液、あるいはこの
培養液から遠心分離、フィルター濾過などの操作によっ
て得られる菌体懸濁液に基質であるラセミ体−1,3−ブ
タンジオールを添加し、微生物に資化反応を行なわせ
る。また、微生物をアルギン酸ゲル、寒天ゲルなどを用
いた公知の方法により固定化して用いることもできる。
目的製造物に不純物が混入しない限りにおいて、資化反
応を速やかに行なわせるために窒素源やその他の栄養源
を加えてもよいし、反応中のpHを保持するための緩衝剤
を添加してもよい。資化反応は温度15〜35℃、反応pH10
〜3の範囲で行なうことが好ましい。反応中の基質濃度
は1〜20%(v/v)が好ましく、基質は反応初期に一括
して加えてもよいし、分割して添加してもよい。資化反
応は静置、しんとう、攪拌あるいは通気攪拌しながら行
なう。菌体添加量、基質添加量を調節することにより24
〜120時間内に目的とする光学純度物を得られるように
設定するのが望ましい。
資化反応後残存したR(−)−1,3−ブタンジオール
は反応液から直接、あるいは菌体を遠心分離、フィルタ
ー濾過などの操作によって除去した後、酢酸エチルなど
の有機溶媒による抽出、蒸留、カラムクロマトグラフィ
ーなどの通常の精製方法を用いて得ることができる。
は反応液から直接、あるいは菌体を遠心分離、フィルタ
ー濾過などの操作によって除去した後、酢酸エチルなど
の有機溶媒による抽出、蒸留、カラムクロマトグラフィ
ーなどの通常の精製方法を用いて得ることができる。
以下、本発明を具体的に実施例によって説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例における反応液中の1,3−ブタンジオールの定
量はガスクロマトグラフィー(カラム:クロモソルブW
を支持体とするアドバンスDS(2m)、温度190℃)によ
り行い、光学純度は常法に従い無水酢酸/ピリジンでア
セチル化した後、光学分割カラムを用いた高速液体クロ
マトグラフィー(カラム:ダイセル化学工業製キラルセ
ルOB、溶媒:n−ヘキサン/2−プロパノール=9:1、波長2
15mm、流速0.5ml/分)により測定した。
量はガスクロマトグラフィー(カラム:クロモソルブW
を支持体とするアドバンスDS(2m)、温度190℃)によ
り行い、光学純度は常法に従い無水酢酸/ピリジンでア
セチル化した後、光学分割カラムを用いた高速液体クロ
マトグラフィー(カラム:ダイセル化学工業製キラルセ
ルOB、溶媒:n−ヘキサン/2−プロパノール=9:1、波長2
15mm、流速0.5ml/分)により測定した。
実施例1 基本組成液(培地1あたりKH2PO4 2g,K2HPO4 7g,Mg
SO4・7H2O 0.8g,ZnSO4・7H2O 60mg,FeSO4・7H2O 90mg,C
uSO4・5H2O 5mg,MnSO4・4−5H2O 10mg,NaCl 100mgを含
む)に、最終濃度として1%ラセミ体−1,3−ブタンジ
オール、0.5%ポリペプトン、0.25%酵母エキスとなる
ように加えた培地の10mlを試験管(内径25mm)に入れ滅
菌後、本発明菌株であるSAM 1565、SAM 1568菌株を植菌
し、28℃で48時間しんとう培養を行なった。これにより
得られた培養物から遠心分離により菌体を分離し、生理
的食塩水で1度洗浄し、生菌体を得た。この生菌体を上
記基本組成液に5%ラセミ体−1,3−ブタンジオール、
0.25%酵母エキス、0.3%硫酸アンモニウムを加えた資
化反応液の10mlで懸濁させた後、試験管(内径25mm)に
入れ28℃で4日間しんとうすることにより反応を行なっ
た。反応終了後、遠心分離により菌を除き、得られた上
澄の5mlを塩化ナトリウムで飽和させた後に酢酸エチル1
0mlを用いて抽出を行ない、酢酸エチル層に移行した1,3
−ブタンジオール残存量をガスクロマトグラフィーで測
定して、1,3−ブタンジオール残存量を求めた。次に、
酢酸エチル抽出物を無水硫酸ナトリウムで脱水した後に
濃縮し、常法に従い無水酢酸/ピリジンでアセチル化し
た。このアセチル化反応物から薄層クロマトグラフィー
により1,3−ブタンジオールのジアセチル化物を分画
し、これを溶媒に溶出させ、高速液体クロマトグラフィ
ーにより残存1,3−ブタンジオールの絶対配置及び光学
純度を測定した。結果を表1に示す。
SO4・7H2O 0.8g,ZnSO4・7H2O 60mg,FeSO4・7H2O 90mg,C
uSO4・5H2O 5mg,MnSO4・4−5H2O 10mg,NaCl 100mgを含
む)に、最終濃度として1%ラセミ体−1,3−ブタンジ
オール、0.5%ポリペプトン、0.25%酵母エキスとなる
ように加えた培地の10mlを試験管(内径25mm)に入れ滅
菌後、本発明菌株であるSAM 1565、SAM 1568菌株を植菌
し、28℃で48時間しんとう培養を行なった。これにより
得られた培養物から遠心分離により菌体を分離し、生理
的食塩水で1度洗浄し、生菌体を得た。この生菌体を上
記基本組成液に5%ラセミ体−1,3−ブタンジオール、
0.25%酵母エキス、0.3%硫酸アンモニウムを加えた資
化反応液の10mlで懸濁させた後、試験管(内径25mm)に
入れ28℃で4日間しんとうすることにより反応を行なっ
た。反応終了後、遠心分離により菌を除き、得られた上
澄の5mlを塩化ナトリウムで飽和させた後に酢酸エチル1
0mlを用いて抽出を行ない、酢酸エチル層に移行した1,3
−ブタンジオール残存量をガスクロマトグラフィーで測
定して、1,3−ブタンジオール残存量を求めた。次に、
酢酸エチル抽出物を無水硫酸ナトリウムで脱水した後に
濃縮し、常法に従い無水酢酸/ピリジンでアセチル化し
た。このアセチル化反応物から薄層クロマトグラフィー
により1,3−ブタンジオールのジアセチル化物を分画
し、これを溶媒に溶出させ、高速液体クロマトグラフィ
ーにより残存1,3−ブタンジオールの絶対配置及び光学
純度を測定した。結果を表1に示す。
実施例2 基本組成液に最終濃度として1%ラセミ体−1,3−ブ
タンジオール、0.3%硫酸アンモニウム、0.3%酵母エキ
ス、0.1%消泡剤(KM72、信越化学製)となるように加
え製した培地を500ml坂口フラスコに100mlずつ入れ滅菌
後、SAM 1565菌株を植菌し、28℃、2日間、しんとう培
養することにより種菌を調製した。上記の培地30を50
ジャーファーメンターに入れ滅菌後、上記の種菌培養
物300mlを植菌し、28℃、48時間、通気攪拌培養(0.5vv
m、300rpm)を行なった。これにより得られた培養物か
ら遠心分離により菌体を分離し、生理的食塩水で1度洗
浄した後に、5生理的食塩水を加え菌体懸濁液を調製
した。この菌体懸濁液の1に、3%硫酸アンモニウ
ム、0.03%酵母エキスを加えた上記基本組成液の3倍濃
縮液を1、15%(v/v)ラセミ体−1,3−ブタンジオー
ル水溶液を1混合させた後に5ジャーファーメンタ
ーに入れ、28℃で通気攪拌(0.5vvm、500rpm)すること
により資化反応を行なわせた。その結果として、反応90
時間後に、1,3−ブタンジオール残存量が39.8%、R体
としての光学純度は93.6ee%に到達した。
タンジオール、0.3%硫酸アンモニウム、0.3%酵母エキ
ス、0.1%消泡剤(KM72、信越化学製)となるように加
え製した培地を500ml坂口フラスコに100mlずつ入れ滅菌
後、SAM 1565菌株を植菌し、28℃、2日間、しんとう培
養することにより種菌を調製した。上記の培地30を50
ジャーファーメンターに入れ滅菌後、上記の種菌培養
物300mlを植菌し、28℃、48時間、通気攪拌培養(0.5vv
m、300rpm)を行なった。これにより得られた培養物か
ら遠心分離により菌体を分離し、生理的食塩水で1度洗
浄した後に、5生理的食塩水を加え菌体懸濁液を調製
した。この菌体懸濁液の1に、3%硫酸アンモニウ
ム、0.03%酵母エキスを加えた上記基本組成液の3倍濃
縮液を1、15%(v/v)ラセミ体−1,3−ブタンジオー
ル水溶液を1混合させた後に5ジャーファーメンタ
ーに入れ、28℃で通気攪拌(0.5vvm、500rpm)すること
により資化反応を行なわせた。その結果として、反応90
時間後に、1,3−ブタンジオール残存量が39.8%、R体
としての光学純度は93.6ee%に到達した。
実施例3 基本組成液(培地1あたりKH2PO4 2g,K2HPO4 7g,Mg
SO4・7H2O 0.8g,ZnSO4・7H2O 60mg,FeSO4・7H2O 90mg,C
uSO4・5H2O 5mg,MnSO4・4−5H2O 10mg,NaCl 100mgを含
む)に、最終濃度として1%ラセミ体−1,3−ブタンジ
オール、0.5%ポリペプトン、0.25%酵母エキスとなる
ように加えた培地の10mlを試験管(内径25mm)に入れ滅
菌後、本発明菌株であるSAM 1569菌株を植菌し、28℃で
48時間しんとう培養を行なった。これにより得られた培
養物から遠心分離により菌体を分離し、生理的食塩水で
1度洗浄し、生菌体を得た。この生菌体を上記基体組成
液に3%ラセミ体−1,3−ブタンジオール、1%硫酸ア
ンモニウムを加えた資化反応液の10mlで懸濁させた後、
試験管(内径25mm)に入れ28℃で4日間しんとうするこ
とにより反応を行った。反応終了後、遠心分離により菌
を除き、得られた上澄の5mlを塩化ナトリウムで飽和さ
せた後に酢酸エチル10mlを用いて抽出を行い、酢酸エチ
ル層に移行した1,3−ブタンジオール残存量をガスクロ
マトグラフィーで測定し、1,3−ブタンジオール残存量
を求めた。次に、酢酸エチル抽出物を無水硫酸ナトリウ
ムで脱水した後に濃縮し、常法に従い無水酢酸/ピリジ
ンでアセチル化した。このアセチル化反応物から薄層ク
ロマトグラフィーにより1,3−ブタンジオールのジアセ
チル化物を分画し、これを溶媒に溶出させ、高速液体ク
ロマトグラフィーにより残存1,3−ブタンジオールの絶
対配置及び光学純度を測定した結果、1,3−ブタンジオ
ール残存量が47.3%、R体としての光学純度は84.01ee
%であった。
SO4・7H2O 0.8g,ZnSO4・7H2O 60mg,FeSO4・7H2O 90mg,C
uSO4・5H2O 5mg,MnSO4・4−5H2O 10mg,NaCl 100mgを含
む)に、最終濃度として1%ラセミ体−1,3−ブタンジ
オール、0.5%ポリペプトン、0.25%酵母エキスとなる
ように加えた培地の10mlを試験管(内径25mm)に入れ滅
菌後、本発明菌株であるSAM 1569菌株を植菌し、28℃で
48時間しんとう培養を行なった。これにより得られた培
養物から遠心分離により菌体を分離し、生理的食塩水で
1度洗浄し、生菌体を得た。この生菌体を上記基体組成
液に3%ラセミ体−1,3−ブタンジオール、1%硫酸ア
ンモニウムを加えた資化反応液の10mlで懸濁させた後、
試験管(内径25mm)に入れ28℃で4日間しんとうするこ
とにより反応を行った。反応終了後、遠心分離により菌
を除き、得られた上澄の5mlを塩化ナトリウムで飽和さ
せた後に酢酸エチル10mlを用いて抽出を行い、酢酸エチ
ル層に移行した1,3−ブタンジオール残存量をガスクロ
マトグラフィーで測定し、1,3−ブタンジオール残存量
を求めた。次に、酢酸エチル抽出物を無水硫酸ナトリウ
ムで脱水した後に濃縮し、常法に従い無水酢酸/ピリジ
ンでアセチル化した。このアセチル化反応物から薄層ク
ロマトグラフィーにより1,3−ブタンジオールのジアセ
チル化物を分画し、これを溶媒に溶出させ、高速液体ク
ロマトグラフィーにより残存1,3−ブタンジオールの絶
対配置及び光学純度を測定した結果、1,3−ブタンジオ
ール残存量が47.3%、R体としての光学純度は84.01ee
%であった。
叙上の如く、本発明の微生物を使用すれば、簡単な操
作でS(+)−1,3−ブタンジオールのみを高い選択率
で資化し、高収率にて高光学純度のR(−)−1,3−ブ
タンジオールを製造することができる。
作でS(+)−1,3−ブタンジオールのみを高い選択率
で資化し、高収率にて高光学純度のR(−)−1,3−ブ
タンジオールを製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12P 41/00 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (1)
- 【請求項1】ラセミ体−1,3−ブタンジオールに、ガラ
クトマイセス属又はロードコッカス属に属する微生物を
作用させてS(+)−1,3−ブタンジオールを選択的に
資化させ、残存するR(−)−1,3−ブタンジオールを
採取することを特徴とするR(−)−1,3−ブタンジオ
ールの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26453390A JP2964163B2 (ja) | 1990-10-02 | 1990-10-02 | R(―)―1,3―ブタンジオールの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26453390A JP2964163B2 (ja) | 1990-10-02 | 1990-10-02 | R(―)―1,3―ブタンジオールの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04141096A JPH04141096A (ja) | 1992-05-14 |
JP2964163B2 true JP2964163B2 (ja) | 1999-10-18 |
Family
ID=17404585
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26453390A Expired - Fee Related JP2964163B2 (ja) | 1990-10-02 | 1990-10-02 | R(―)―1,3―ブタンジオールの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2964163B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2883712B2 (ja) * | 1990-10-15 | 1999-04-19 | ダイセル化学工業株式会社 | 光学活性1,3―ブタンジオールの製法 |
EP0769557B1 (en) * | 1990-10-15 | 2000-11-15 | Daicel Chemical Industries, Ltd. | Process for producing optically active 1,3-butanediol |
-
1990
- 1990-10-02 JP JP26453390A patent/JP2964163B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04141096A (ja) | 1992-05-14 |
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