JP2951739B2 - 高炉の原料装入装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、高炉の原料装入装
置、とくに並列させた３基以上の原料ホッパーを具える
マルチホッパータイプのベルレス式高炉炉頂部の原料装
入装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のベルレスマルチホッパー形式の高
炉炉頂部原料装入装置としては、例えば、特開昭４９−
１０３８０４号公報に開示されているような、図３に示
す如きものが一般的である。この既知の原料装入装置
は、炉体31の炉頂部内に旋回シュート32を設置し、その
上方に気密ホッパー33を介して略等間隔に並列配置した
３ケの原料ホッパー34a, 34b, 34c を配置し、さらにそ
の上部に旋回式分配シュート35とダンプシュート36を配
設し、そのダンプシュート36の直上に装入コンベヤ37の
端部が位置する構成となっているものである。そして、
この装置の場合、上記気密ホッパー33, 上記原料ホッパ
ー34a, 34b, 34c の頂部および上記ダンプシュート36下
端部に、それぞれガスシール弁もしくはダンパーを設置
している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の前記原料装入装
置は、分配装入のための主駆動装置が気密内部にないこ
と、マルチホッパー構成になったことなどから、それ以
前の装置が抱えていた問題点の解消には役立つものであ
った。

【０００４】しかしながら、この従来装置は、装入コン
ベヤー37から落下する原料を、原料ホッパー34a 〜34c
に投入する場合、ダンプシュート36を経て旋回式分配シ
ュート35を介して行うため、次のような問題があった。
すなわち、原料ホッパー切換えの度に前記分配シュー
トを旋回させなければならず、切換えに時間がかかる、
シュート旋回駆動部が原料落下時のダスト雰囲気に
曝されるためにトラブルが頻発する、分配シュートが
旋回式であることから可動部が大きく集塵が困難であ
る、故障し易い分配ホッパーやダンプシュートが故障
すると、全ての原料ホッパーの使用ができなくなり、装
置の稼働率が低い。

【０００５】この発明の目的は、このような従来原料装
入装置が抱える問題点を解消できる新規な装置を開発し
提案するところにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の目
的について検討した結果、従来装置における旋回式分配
シュート３５の採用を止めると同時に、ダンプシュート
３６の機能を装入コンベヤー端直下の位置から外す一方
で、複数の切出し口を有する固定式分配ホッパーと、そ
の延在位置に分岐シュートを配設する新規な構成の採用
により、上記問題点の悉くが解消できることを突き止
め、次のような装置を完成させた。

【０００７】すなわち、本発明は、ベルレスマルチホッ
パー形式の高炉炉頂部原料装入装置において、装入コン
ベヤー端直下に、複数の切出し口を有する逆角錐形の分
配ホッパーを配設し、この分配ホッパーの各原料ホッパ
ー頂部を臨む各下側面にはそれぞれ分岐シュートを延在
配設すると共に、その分岐シュート上端と連絡する前記
分配ホッパーの各下側面に設けた切出し口には開閉ゲー
トを設置したことを特徴とする高炉の原料装入装置であ
る。

【０００８】

【作用】従来の旋回式分配シュートを、本発明のように
固定式の分岐シュートに変えると、パス切り換え時間の
短縮、旋回駆動部を無くすこと、および集塵効率を上げ
ることができる。

【０００９】また、装入コンベヤー端直下の最頂部位置
に、従来のダンプシュートに代えて分配ホッパーを配設
し、この分配ホッパーと原料ホッパーとの間には分岐シ
ュートを設け、その分岐シュートと連絡する前記分配ホ
ッパーの各下側面に設けた切出し口には開閉ゲートを設
ける。このような構成にすると、故障が少なくかつ集塵
効率が上がる上、このような組合わせだと、部分的な故
障が全体に及ばないので、装置稼働率を上げることがで
きる。

【００１０】

【実施例】図１, 図２に基づいてこの発明の構成の詳細
を説明する。図中の符号１は炉体、２は旋回シュート、
３は集合ホッパー、４は原料ホッパーを示しており、こ
の原料ホッパー４の上・下端にはそれぞれシール弁
４_V1,４_V2が、ダンパー4dと共に設置されている。な
お、図１に示す本発明にかかる装置は、特定の原料ホッ
パー４の系統のみを示しており、並列状態に配設されて
いる他の複数の原料ホッパーの系統についても同様に構
成される。

【００１１】さて、本発明にかかる装置の特徴は、前記
原料ホッパー４と装入コンベヤー７との間に、上から固
定式の、図２に示すような分配ホッパー６を配設し、こ
こで各装入系統に切り出される原料を前記原料ホッパー
４に導くための分岐シュート５が、この分配シュート６
と前記原料ホッパー４頂部との間に設けられる。

【００１２】前記分配ホッパー６は、図２に示すとお
り、原料ホッパー４の数に見合う多角形の漏斗状（逆角
錐形）のものであり、各下側面はそのまま原料ホッパー
４の頂部に対応していて、ここに切出し口８がそれぞれ
設けられる。なお、この切出し口８の対向側面は、切出
し残が出ないように急斜面6a…としてあり、緩斜面に当
たる位置がそれぞれ各原料ホッパーに対応する切出し口
８…となる。

【００１３】この切出し口８は、前記分岐シュート５に
臨んで開口しており、ここには開閉ゲート９が設置さ
れ、原料の切出しは、この開閉ゲート９をシリンダーな
どを介して作動させることにより行う。このため、本発
明にあっては、駆動部が開閉ゲートだけと少なく、故障
のおそれが少ないので、設備稼動率向上に有効である。

【００１４】次に、本発明の装置は、前記分配ホッパー
６の下流側, すなわち切出し口８と原料ホッパー４頂部
との間を繋ぐ分岐シュート５が設けられるが、この分岐
シュート５は密閉構造であって、上・下端が、前記開閉
ゲート９間前記シール弁４_V1でシールされているから、
装入過程で生ずる粉塵を外部に飛散させるようなことが
なくなる。しかも、前記分配ホッパー６との組合わせで
あれば、あまり高さを必要としないので、装入装置の全
高を小さくする上で有効であり、炉頂設備への負荷を軽
減する上で効果がある。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したような構成によってなる本
発明の原料装入装置によれば、パス切換えの時間を短縮
化できる他、駆動部が少ないことおよびそれが発塵雰囲
気に曝されることがないことなどのために故障がなく、
メンテナンスの負担が小さく、そして装置を小型化でき
る。さらにこの発明によれば、部分的な故障が全体に波
及することがないので、安定した高炉操業を約束でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明装入装置の一部を示す略線図で
ある。

【図２】図２は、分配ホッパーの水平断面図である。

【図３】図３は、従来装置の略線図である。

【符号の説明】

１ 炉体 ２ 旋回シュート ３ 集合ホッパー ４ 原料ホッパー ５ 分岐シュート ６ 分配ホッパー ７ 装入コンベヤー ８ 切出し口 ９ 開閉ゲート

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベルレスマルチホッパー形式の高炉炉頂
   部原料装入装置において、装入コンベヤー端直下に、複
   数の切出し口を有する逆角錐形の分配ホッパーを配設
   し、この分配ホッパーの各原料ホッパー頂部を臨む各下
   側面にはそれぞれ分岐シュートを延在配設すると共に、
   その分岐シュート上端と連絡する前記分配ホッパーの各
   下側面に設けた切出し口には開閉ゲートを設置したこ
   と、を特徴とする高炉の原料装入装置。