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JP2950877B2 - 光学用樹脂製造用単量体組成物および光学用樹脂 - Google Patents

光学用樹脂製造用単量体組成物および光学用樹脂

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JP2950877B2
JP2950877B2 JP1291590A JP1291590A JP2950877B2 JP 2950877 B2 JP2950877 B2 JP 2950877B2 JP 1291590 A JP1291590 A JP 1291590A JP 1291590 A JP1291590 A JP 1291590A JP 2950877 B2 JP2950877 B2 JP 2950877B2
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methyl group
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JP1291590A
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充利 有富
洋子 佐野
誠一郎 早川
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 <産業上の利用分野> 本発明は高屈折率を有する光学的樹脂およびそれを与
えるジエチレン性不飽和単量体組成物に関する。更に詳
細には、軽量で、耐熱性、光学的均一性、注型重合成形
性等に優れ、且つ高屈折率を有する光学用樹脂に関す
る。
<従来の技術> 高屈折率なプラスチック・レンズを与える樹脂に関す
る技術が公開されている。なかでもジアクリレートまた
はジメタクリレート化合物のようなアクリル系の重合性
化合物は、容易にラジカル重合することができ、その重
合体は、透明性に優れたレンズを与えることが知られて
いる。
ハロゲン化芳香族含有アクリル化合物、例えば、臭素
含有ビスフェノール骨格を有するジアリレートまたはジ
メタクリレート化合物は、高屈折率(nD=1.60以上)を
示す重合体を与えることが明らかにされている(特開昭
59−184210号公報、特開昭59−193915号公報等)。しか
しながら、これらの多くの化合物は、常温で固定もしく
は粘稠な高粘度の液状であるので、レンズ樹脂を製造す
る際に用いられる注型重合を行なうには、大きな支障と
なる。また、得られる樹脂の比重も大きいので、軽量化
が要求されるレンズ樹脂としては著しく不利である。既
に公知のごとくかかる問題点に対しては、低粘度であり
かつその重合体が高屈折率を示すラジカル重合性の芳香
族系単量体、例えばスチレン等で上記のハロゲン化芳香
族含有アクリル化合物を溶解せしめて注型作業性を高め
た後、ラジカル共重合を行なう方法が提案されている。
この方法により屈折率は維持されるもののラジカル重合
性の異なる官能基を有する化合物間の共重合となるた
め、注型重合時の条件により部分的な重合度の相異に基
づく光学歪等の特性が低下する傾向があり、実用に供し
得るレンズ樹脂を得るには、極めて高度に重合条件を制
御する必要がある。また、比重の低減も不充分である。
一方イオウ含有アクリル化合物、例えば、イオウ含有
芳香族系ジアクリレートまたはジメタクリレート化合物
(特開昭62−195357号等)は、比重が小さく軽量な硬化
物を与え、または高屈折率(nD=1.60以上)である等の
優れた光学特性を有し、さらに極めて低粘度の液状化合
物であることが明らかにされている。それ故に注型重合
時の作業性が良好で、容易にラジカル重合することによ
り高品質なレンズ樹脂を与えるものである。しかしなが
ら、得られたレンズ樹脂を高温(例えば130℃以上の数
時間)中に放置することにより色相低下、すなわち黄変
が発生し易く、光学歪を除去するためのアニール処理、
表面コーティング等の操作を行なう際に注意する必要が
ある。上記イオウ含有アクリル化合物より得られるレン
ズ樹脂の耐熱安定性の向上が望まれている。
上記のように屈折率等の光学特性に優れ、軽量であり
様々な使用環境にも耐えることのできるプラスチック・
レンズ樹脂を得るには、未だ克服すべき課題が多く残さ
れているのが現状であり、さらに注型作業性の点におい
ても一層の改良が望まれているところである。
<発明がを解決しようとする課題> 本発明は、上記の問題点を解決し、高屈折率かつ軽量
で、光学的均一性および耐熱性に優れ、高温下でも色相
低下、光学歪等が生じない、光学特性に優れた光学用樹
脂およびそれを与える単量体組成物を提供することを目
的とするものである。
〔発明の概要〕
<課題を解決するための手段> 本発明による光学用樹脂製造用単量体組成物は、下式
〔I〕で示されるハロゲン化芳香族含有アクリル化合物
50〜10重量%および下式〔II〕で示されるイオウ含有ア
クリル化合物50〜10重量%(重量%は両者の合計量を10
0重量%とする)からなるアクリル化合物100重量部に対
して、下式〔III〕および下式〔IV〕で示されるラジカ
ル重合性化合物からなる群から選ばれたラジカル重合性
化合物を5〜30重量部の比率で含んでなる、常温で液状
のものである。
(ここで、R1およびR2はそれぞれ水素原子またはメチル
基を示し、Xはフッ素を除くハロゲン原子を示し、aは
1〜10の数を示す。複数個存在するR1、R2、Xおよびa
は、それぞれ同一でも異なってもよい)。
(ただし、R1はそれぞれ水素原子またはメチル基を示
し、Xはフッ素を除くハロゲン原子を示し、R3およびR4
はそれぞれ炭素数1〜12の炭化水素基を示し、pは0ま
たは1〜4の整数を示す。複数個存在するR1〜R4、Xお
よびpは、それぞれ同一でも異なってもよい。) (ただし、R1は水素原子またはメチル基を示し、Xはフ
ッ素を除くハロゲン原子を示し、qは0または1〜5の
整数を示し、mは1または2の整数を示す。) (ただし、R1は水素原子またはメチル基を示し、mは1
または2の整数を示し、R5は炭素数1〜12のm価の炭化
水素基、またはエーテル基、チオエーテル基およびエス
テル基のいずれかの基を含有するm価の炭化水素基を示
す。) また、単量体組成物の使用にかかる、本発明による光
学用樹脂は、下式〔I a〕で示される繰返し単位50〜90
重量%および下式〔II a〕で示される繰返し単位50〜10
重量%(重量%は両者を合計量を100重量%とする)か
らなる繰返し単位100重量部に対して、下式〔III a〕お
よび下式〔IV a〕で示される繰返し単位からなる群から
選ばれる繰返し単位を5〜30重量部の比率で含んでな
る、実質的に不溶および不融で、屈折率nDが1.58以上で
あるものである。
(ここで、R1およびR2はそれぞれ水素原子またはメチル
基を示し、Xはフッ素を除くハロゲン原子を示し、aは
1〜10の数を示す。複数個存在するR1、R2、Xおよびa
は、それぞれ同一でも異なってもよい。) (ただし、R1はそれぞれ水素原子またはメチル基を示
し、Xはフッ素を除くハロゲン原子を示し、R3およびR4
はそれぞれ炭素数1〜12の炭化水素基を示し、pは0ま
たは1〜4の整数を示す。複数個存在するR1〜R4、Xお
よびpは、それぞれ同一でも異なってもよい。) (ただし、R1は水素原子またはメチル基を示し、Xはフ
ッ素を除くハロゲン原子を示し、qは0または1〜5の
整数を示し、mは1または2の整数を示す。) (ただし、R1は水素原子またはメチル基を示し、mは1
または2の整数を示し、R5は炭素数1〜12のm価の炭化
水素基、またはエーテル基、チオエーテル基およびエス
テル基のいずれかの基を含有するm価の炭化水素基を示
す。) <発明の効果> 前記の目的が達成される。すなわち、本発明による光
学用樹脂は、高屈折率、すなわちnD≧1.58を有し、軽量
性、耐熱性、光学的均一性に優れ、高温下でも、色相低
下、光学歪等が生じることがない。それを与える単量体
組成物は、常温で低粘度の液状であって、溶剤(たとえ
ばスチレン)を使用しなくても、それ自身で注型重合が
可能であり、注型作業性も優れている。
〔発明の具体的説明〕
<単量体> 本発明による光学用樹脂は、前記の式〔I〕および式
〔II〕で示されるアクリル化合物と、前記の式〔III〕
若しくは式〔IV〕で示されるラジカル重合性化合物と、
を含んでなる、特定の単量体組成物の重合により形成さ
せることができる。
(イ) ビス(メタ)アクリレート(I) この単量体組成物に含まれる、式〔I〕で示されるハ
ロゲン化芳香族含有アクリル化合物はテトラハロビスフ
ェノールAがアルキレンエーテル結合を介して、アクリ
ル酸またはメタクリル酸エステル化された構造を有する
ものである。
式〔I〕の化合物の具体例として、例えば、下記のも
のを挙げることができる。2,2,−ビス〔4−(β−アク
リロイルオキシエトキシ)−3,5−ジブロモフェニル〕
プロパン、2,2−ビス〔4−(β−メタクリロイルオキ
シエトキシ)−3,5−ジブロモフェニル〕プロパン、2,2
−ビス〔4−(β−アクリロイルオキシプロポキシ)−
3,5−ジブロモフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−
(β−メタクリロイルオキシプロポキシ)−3,5−ジブ
ロモフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(β−アク
リロイルオキシエトキシエトキシ)−3,5−ジブロモフ
ェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(β−メタクリロ
イルオキシエトキシエトキシ)−3,5−ジブロモフェニ
ル〕プロパン等。これらは、2種以上を併用することが
できる。
このハロゲン化芳香族含有のアクリル化合物は、例え
ば、対応テトラハロゲノビスフェノールA、すなわち2,
2−ビス〔4−ヒドロキシ−3,5−ジハロゲノフェニル〕
プロパンのエチレンオキサイドおよび(または)プロピ
レンオキサイドの付加化合物をアクリル酸またはメタク
リル酸またはそれらの機能的誘導体を用いてエステル化
することにより製造することができる。
アクリル酸またはメタクリル酸の機能的誘導体は、水
酸基とエステル結合を生成することができる任意のもの
でありえて、具体的には、酸ハライド(たとえば、酸ク
ロライド)、酸無水物(混合無水物を含有する)、低級
アルキルエステル、その他がある。
(ロ) ビス(メタ)アクリレート(II) この単量体組成物に含まれる、式〔II〕で示されるイ
オウ含有アクリル化合物は、アクリル酸またはメタクリ
ル酸をチオエーテル鎖で連結した構造を有するものであ
って、そのチオエーテル鎖中に炭化水素基の側鎖を有す
るベンゼン誘導体の二価基が存在する。このベンゼン誘
導体の二価基は、水素原子がハロゲン原子(フッ素原子
を除く)に置換しているものでもよい。ベンゼン誘導体
の二価基へのチオエーテル鎖の結合位置は、o−、m
−、p−のいずれでもよいが、m−およびpが代表的で
ある。
このイオウ含有アクリル化合物は、下式〔V〕で示さ
れるイオウ含有ポリオールをアクリル酸またはメタクリ
ル酸、またはそれらの誘導体によりエステル化すること
により、得られる。
(ただし、置換基の定義は式〔II〕の場合と同じであ
る。複数個存在するR3、R4、Xおよびpは、それぞれ同
一でも異なってもよい。) また、式〔V〕で示されるイオウ含有ポリオールは、
公知の反応、例えば、エヌ・カラシュ(N.Karasch):
オーガニック・サルファー・コンパウンズ(Organic Su
lfur Compounds)第1巻、第11章、第97〜111頁、米国
特許第3,824,293号明細書等に記載されたもの、により
合成することができる。
すなわち、具体的には、下式〔VI〕で示されるポリハ
ロゲン化合物と水酸基含有脂肪族メルカプタン化合物と
の反応によればよい。
(ただし、X aは塩素原子または臭素原子を示し、それ
以外の置換基の定義は式〔II〕の場合と同じである。) 式〔II〕で示されるイオウ含有アクリル化合物の具体
例としては、例えば、下記のものを挙げることができ
る。p−ビス(β−アクリロイルオキシエチルチオ)キ
シリレン、p−ビス(β−メタクリロイルオキシエチル
チオ)キシリレン、m−ビス(β−アクリロイルオキシ
エチルチオ)キシリレン、m−ビス(β−メタクリロイ
ルオキシエチルチオ)キシリレン、α,α′−ビス(β
−アクリロイルオキシエチルチオ)−2,3,5,6−テトラ
クロロ−p−キシリレン、α,α′−ビス(β−メタク
リロイルオキシエチルチオ)−2,3,5,6−テトラクロル
−p−キシリレン等。これらは単独または2種以上を併
用することができる。
(ハ) スチレン単量体(III) 式〔III〕で示されるラジカル重合性化合物の具体例
として、例えば下記のものを挙げることができる。スチ
レン、2−クロロスチレン、3,−クロロスチレン、4−
クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、3,4−ジクロ
ロスチレン、3,5−ジクロロスチレン、2,3,4−トリクロ
ロスチレン、2,3,5−トリクロロスチレン、2,3,6−トリ
クロロスチレン、3,4,5−トリクロロスチレン、2−ブ
ロモスチレン、3−ブロモスチレン、4−ブロモスチレ
ン、2,4−ジブロモスチレン、3,4−ジブロモスチレン、
3,5−ジブロモスチレン、2,3,4−トリブロモスチレン、
2,3,5−トリブロモスチレン、2,3,6−トリブロモスチレ
ン、3,4,5−トリブロモスチレン、ジビニルベンゼン、
m−ジイソプロペニルベンゼン、等。これらは2種以上
を併用することができる。好ましいのは、スチレン、4
−クロロスチレン、ジブロモスチレン(各異性体を含
む)、ジビニルベンゼンである。
(ニ) (メタ)クリレート(IV) 式〔IV〕で示されるラジカル重合性単量体の具体的な
例としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリ
レート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチル
ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレー
ト、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルアクリレ
ート、ベンジルメタクリレート、エチレングリコールジ
アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリ
コールジメタクリレート、トリエチレングリコールジア
クリレート、トリエチレングリコールジメタクリレー
ト、ネオベンチルグリコールジアクリレート、ネオベン
チルグリコールジメタクリレート等がある。これらは2
種以上併用することができる。好ましくは使用される具
体例としては、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
ト、ベンジルメタクリレート、ジエチレングリコールジ
メタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレ
ート等がある。
<光学用樹脂製造用単量体組成物> 本発明による光学用樹脂製造用単量体組成物は、式
〔I〕で示されるハロゲン化芳香族含有アクリル化合物
50〜90重量%、好ましくは60〜80重量%、および式〔I
I〕で示されるイオウ含有アクリル化合物50〜10重量
%、好ましくは40〜20重量%(重量%は式〔I〕および
式〔II〕のアクリル化合物の合計量基準)からなるアク
リル化合物100重量部に対して、式〔III〕および式〔I
V〕で示されるラジカル重合性化合物からなる群から選
ばれたラジカル重合性化合物を5〜30重量部、好ましく
は10〜20重量部、の比率で含んでなる、常温で液状のも
のである。
この単量体組成物において、式〔I〕のアクリル化合
物が式〔I〕および式〔II〕のアクリル化合物の合計量
の50重量%未満であると、単量体組成物の重合により得
られる光学用樹脂の耐熱安定性が劣る。90重量%を越え
ると、単量体組成物自体の粘度が高くなり過ぎて、注型
重合の際に、注型への注形作業が著しく困難となる。ま
た、そのような単量体組成物を重合しても、得られる光
学用樹脂の比重が大きくなり、レンズを軽量化すること
ができなくなる。
ラジカル重合性化合物(式〔III〕または式〔IV〕の
化合物)が、アクリル化合物100重量部(式〔I〕と式
〔II〕の化合物の合計量)に対して5重量部未満では、
単量体組成物の粘度が高くなって、注形作業が著しく困
難となる。30重量部を越えると、重合して得られる光学
用樹脂の屈折率nDの低下および光学歪の発生が著しくな
る。
<重合体> 本発明による光学用樹脂は、前記単量体組成物の重合
により形成させることができる。
すなわち、特定の単量体組成物を重合させることによ
り、式〔I a〕で示される繰返し単位50〜90重量%、好
ましくは60〜80重量%、および式〔II a〕で示される繰
返し単位50〜10重量%、好ましくは40〜20重量%(重量
%は式〔I a〕および式〔II a〕の繰返し単位合計量基
準)からなる繰返し単位100重量部に対して、式〔III
a〕および式〔IV a〕で示される繰返し単位からなる群
から選ばれる繰返し単位5〜30重量部、好ましくは10〜
20重量部、の比率で含んでなる、実質的に不溶および不
融で、屈折率nDが1.58以上であり、しかも高光線透過率
で光学歪が無い等の光学特性、および耐熱性に優れた光
学用樹脂を形成させることができる。
重合は、一般的なラジカル重合開始剤により、ラジカ
ル重合法によって実施され、例えば、塊状重合法、懸濁
重合法、乳化重合法等の公知の技術によって行うことが
できる。
また、一般的な光重合開始剤を使用する光重合法によ
っても行うことができる。
例えば、レンズ樹脂は、単量体組成物に過酸化物(ラ
ジカル重合開始剤)および(または)光重合開始剤を混
合したものを、注形型の中に注入して、加熱および(ま
たは)紫外線照射をして、ラジカル重合より形成させ
る。
重合の際に使用されるラジカル重合開始剤は特に限定
されず、一般的な開始剤が使用可能である。例えば、
(イ)過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルパーオキシカ
ーボネート、ラウロイルパーオキサイド、ターシャリー
ブチルパーオキシピバレート、ジクミルパーオキサイド
等の過酸化物、(ロ)アゾビスイソブチロニトリル等の
アゾ化合物等を用いることができる。
重合の際に使用される光重合開始剤は、特に限定され
ず、一般的な重合開始剤が使用可能であるが、下記の化
合物が好ましい。
例えばベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、
ベンジル、アセトフェノン、アントラキノン、ジフェニ
ルサルファイト、チオカーバメート等である。
ラジカル重合開始剤および光重合開始剤は、単量体組
成物中の式〔I〕および式〔II〕で示されるアクリル化
合物の合計量100重量部に対して、0.01〜20重量部、好
ましくは0.05〜10重量部、使用するのが適当である。
なお、本発明による光学用樹脂は、直接に、最終の光
学用製品に形成することができるが、光学用樹脂で素材
を作り、それを最終の光学用製品に加工してもよい。
例えば、光学用樹脂でレンズの形状以外の形状のレン
ズ用素材を作り、それを加工して、最終製品のレンズ形
状の樹脂に形成させる。
<実験例> 本発明を具体的に説明するために実験例を下記に示
す。実験例中の部及び%は、各々重量部および重量%を
示す。
実験例において、得られた諸物性は、下記の試験法に
より測定したものである。
(1)光線透過率:厚さ3mmの試験片を用いて、500nmの
光線透過率を示す。
(2)光学歪:東芝歪測定機(東芝硝子社製)にて測定
した。○:光学歪無し、×:光学歪あり。
(3)屈折率およびアッベ数:アッベ屈折計(アタゴ社
製)を用いて25℃にて測定した。
(4)耐熱性:DMA試験機(デュポン社製)にて測定し、
tanδピーク温度を示す。
(5)耐熱安定性:試験片をエアーオーブン中で130
℃、5時間放置した後、色相の変化を目視により判定し
た。○;変化無し、×:黄変あり。
実施例1 2,2−ビス〔4−(β−メタクリロイルオキシエトキ
シ)−3,5−ジブロモフェニル〕プロパン60部、p−ビ
ス(β−メタクリロイルオキシエチルチオ)キシリレン
40部からなるアクリル化合物にトリエチレングリコール
ジメタクリレート20部を配合して得られる混合物に対し
て1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(「イ
ルガキュアー184」チバガイギー社品)0.2部およびベン
ゾイルパーオキサイド0.2部を加えて均一に撹拌混合し
た後、系を真空にして脱気して窒素で常圧に戻した。こ
の脱気操作を3回繰返した後、0.3μmのフィルターを
通して過をし、十分に脱泡した。この液をガラス板と
シリコーンゴムとで構成された直径5cm厚さ5mmの鋳型の
中へ注入した。
次いで、出力80w/cmの高圧水銀灯を用いて、高さ40cm
の距離よりガラス板面を通して10分間(ガラス板両面各
々5分間)紫外線を照射した。得られた重合体を脱型
し、エアーオーブン中100〜130℃の温度を2時間かけて
徐々に昇温してポストキュアーした。得られたレンズ樹
脂の諸物性を測定した。
実施例2および3 アクリル化合物およびラジカル重合性化合物の割合を
種々変更する以外は、実施例1と同様にして、レンズ樹
脂を得た。諸物性を測定した。
実施例4および5 実施例1のトリエチレングリコールジメタクリレート
をスチレンに代え、アクリル化合物およびラジカル重合
性化合物の割合を種々変更する以外は、実施例1と同様
にして、レンズ樹脂を得た。諸物性を測定した。
比較例1 実施例1において、トリエチレングリコールジメタク
リレートを用いない以外は、同様にしてレンズ樹脂を得
た。諸物性を測定した。低粘度のラジカル重合性化合物
を含まないため、高粘度で注入作業が極めて困難であっ
た。また、硬化物の比重も大きな値を示した。
比較例2 実施例1のトリエチレングリコールジメタクリレート
をスチレンに代え、アクリル化合物およびラジカル重合
性化合物の割合を種々変更し、それ以外は、実施例1と
同様にしてレンズ樹脂を得た。諸物性を測定した。耐熱
安定性試験において黄変した。
比較例3および4 実施例1において、p−ビス(β−メタクリロイルオ
キシエチルチオ)キシリレンを使用せず、アクリル化合
物およびラジカル重合性化合物の割合を種々変更する以
外は、同様にしてレンズ樹脂を得た。諸物性を測定し
た。比較例3の場合には、屈折率の低下が著しく、比較
例4の場合には、硬化物の比重が大きく、しかも光学歪
が発生した。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−217407(JP,A) 特開 昭62−195357(JP,A) 特開 昭64−26613(JP,A) 特開 昭60−26010(JP,A) 特開 平1−254655(JP,A) 特開 平3−217411(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 290/06 C08F 220/38,220/20 C08F 20/38,20/20 G02B 1/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下式〔I〕で示されるハロゲン化芳香族含
    有アクリル化合物50〜90重量%および下式〔II〕で示さ
    れるイオウ含有アクリル化合物50〜10重量%(重量%は
    両者の合計量を100重量%とする)からなるアクリル化
    合物100重量部に対して、下式〔III〕および下式〔IV〕
    で示されるラジカル重合性化合物からなる群から選ばれ
    たラジカル重合性化合物を5〜30重量部の比率で含んで
    なる、常温で液状の光学用樹脂製造用単量体組成物。 (ここで、R1およびR2はそれぞれ水素原子またはメチル
    基を示し、Xはフッ素を除くハロゲン原子を示し、aは
    1〜10の数を示す。複数個存在するR1、R2、Xおよびa
    は、それぞれ同一でも異なってもよい。) (ただし、R1はそれぞれ水素原子またはメチル基を示
    し、Xはフッ素を除くハロゲン原子を示し、R3およびR4
    はそれぞれ炭素数1〜12の炭化水素基を示し、pは0ま
    たは1〜4の整数を示す。複数個存在するR1〜R4、Xお
    よびpは、それぞれ同一でも異なってもよい。) (ただし、R1は水素原子またはメチル基を示し、Xはフ
    ッ素を除くハロゲン原子を示し、qは0または1〜5の
    整数を示し、mは1または2の整数を示す。) (ただし、R1は水素原子またはメチル基を示し、mは1
    または2の整数を示し、R5は炭素数1〜12のm価の炭化
    水素基、またはエーテル基、チオエーテル基およびエス
    テル基のいずれかの基を含有するm価の炭化水素基を示
    す。) (ただし、上式〔I〕〜〔IV〕において、記号は式間で
    独立に定めたものである。)
  2. 【請求項2】下式〔I a〕で示される繰返し単位50〜90
    重量%および下式〔II a〕で示される繰返し単位50〜10
    重量%(重量%は両者の合計量を100%とする)からな
    る繰返し単位100重量部に対して、下式〔III a〕および
    下式〔IV a〕で示される繰返し単位からなる群から選ば
    れる繰返し単位を5〜30重量部の比率で含んでなる、実
    質的に不溶および不融で、屈折率nDが1.58以上である光
    学用樹脂。 (ここで、R1およびR2はそれぞれ水素原子またはメチル
    基を示し、Xはフッ素を除くハロゲン原子を示し、aは
    1〜10の数を示す。複数個存在するR1、R2、Xおよびa
    は、それぞれ同一でも異なってもよい。) (ただし、R1はそれぞれ水素原子またはメチル基を示
    し、Xはフッ素を除くハロゲン原子を示し、R3およびR4
    はそれぞれ炭素数1〜12の炭化水素基を示し、pは0ま
    たは1〜4の整数を示す。複数個存在するR1〜R4、Xお
    よびpは、それぞれ同一でも異なってもよい。) (ただし、R1は水素原子またはメチル基を示し、Xはフ
    ッ素を除くハロゲン原子を示し、qは0または1〜5の
    整数を示し、mは1または2の整数を示す。) (ただし、R1は水素原子またはメチル基を示し、mは1
    または2の整数を示し、R5は炭素数1〜12のm価の炭化
    水素基、またはエーテル基、チオエーテル基およびエス
    テル基のいずれかの基を含有するm価の炭化水素基を示
    す。) (ただし、上式〔I a〕〜〔IV a〕において、記号は式
    間で独立に定めたものである。)
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