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JP2948899B2 - 光記録媒体および光記録方法 - Google Patents

光記録媒体および光記録方法

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JP2948899B2
JP2948899B2 JP2304749A JP30474990A JP2948899B2 JP 2948899 B2 JP2948899 B2 JP 2948899B2 JP 2304749 A JP2304749 A JP 2304749A JP 30474990 A JP30474990 A JP 30474990A JP 2948899 B2 JP2948899 B2 JP 2948899B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は光記録媒体および光記録方法に関し、特にレ
ーザー光照射による加熱によって結晶構造の変化を生じ
る合金の薄膜を利用して光記録を行なう媒体と、この媒
体を用いた光記録方法とに関する。
<従来の技術> 大容量情報記録媒体として、光記録ディスク等の光記
録媒体が注目されている。
光記録媒体としては、相変化型光記録媒体や光磁気記
録媒体等の書き換え可能タイプ、あるいはピット形成型
光記録ディスク等の追記タイプなどがある。
これらのうち、相変化型光記録媒体は、加熱により結
晶構造が変化して光反射率も変化する相変化合金を記録
膜としたものである。
相変化型光記録媒体に用いられる相変化合金として
は、Ag−Zn系合金等が用いられている(特開昭61−1300
89号公報等)。
しかし、Ag−Zn合金等を記録膜に用いた相変化型光記
録媒体は、相変化による反射率の差が小さく、コンパク
トディスク(CD)規格において要求されている反射率変
化が得られない。また、CDでは情報担持部の反射率が未
担持部の反射率よりも低いが、Ag−Zn合金を用いる場
合、通常、光照射部、すなわち記録部で反射率が増加す
る構成となるため、この点からもCD規格に対応すること
が困難である。
従って、このような相変化型光記録媒体を、いわゆる
追記型のCDとして用いることは不可能である。
このような事情から、CD規格を満足する光記録ディス
クが提案されている(特開平2−235789号公報)。
同公報に開示されているのは、Au、Al、Ag、Pt、Pd、
Ni、Cr、Coより選択される元素やこれらの元素を含む合
金で構成される高反射率層と、レーザー波長750−850nm
において吸収が認められる材料で構成された低反射率層
が、この順で基板表面に積層された光学情報記録部材で
あり、低反射率層の構成材料としてはTe等のカルコゲン
元素が用いられている。高反射率層は、レーザー光に吸
収は示さないので、単独では記録材料として用いること
ができない。
この光学情報記録部材では、基板表面側から、すなわ
ち、低反射率層側からの記録光照射によって低反射率層
を構成するカルコゲン元素が高反射率層と反応して合金
を形成し、これによって光照射部の光反射率が低下す
る。そして、記録光と逆側、すなわち基板裏面側から基
板を通して再生光を照射し、前記光反射率変化を検出す
るものである。
そして、このような構成により、追記型のCDとするこ
とができるとしている。
<発明が解決しようとする課題> 上記特開平2−235789号公報記載の光学情報記録部材
では、低反射率層および高反射率層をスパッタ法により
形成しているが、本発明者らがスパッタ法を用いて上記
構成の光ディスクを作製し、記録および再生を行なった
ところ、未記録部での反射率は僅かに14〜16%程度しか
得られず、また、記録部では反射率が10%程度までしか
低下しなかった。このため、CD規格での再生は勿論、相
変化型光記録ディスク用の駆動装置での再生も不可能で
あった。
本発明者らの研究によれば、Agからなる高反射率層の
上にTeからなる低反射率層をスパッタ法で形成する際
に、両層が相互拡散してAgとTeとの合金ないし化合物が
生成し、スパッタ直後に既に記録状態となってしまって
いるためであることが判明した。
なお、この結果は、CD規格の線速1.2〜1.4m/sでの記
録が可能な500Å程度の厚さに高反射率層を形成した場
合のものである。
一方、高反射率層の厚さを1000Å程度とすると、低反
射率層形成時の相互拡散の影響は少なくなり、未記録状
態での高反射率層からの反射は十分にとれる。しかし、
この場合、両層を相互拡散させるために長時間かかるよ
うになり、CD規格の線速で記録レーザー光を照射しても
記録は不可能である。
また、この光学情報記録部材では、記録光が基板の表
面側から照射されるため、記録時には光学情報記録部材
を裏返して逆回転させる必要があり、また、トラッキン
グの極性も逆にする必要があるため、記録時には専用の
駆動装置が必要となってしまう。このように記録光を低
反射率層側から照射するのは、高反射率層の融点が高
く、基板裏面側から照射する場合、著しく高い記録パワ
ーが必要とされるからである。
本発明は、このような事情からなされたものであり、
CD規格に対応する再生が可能な光記録媒体と、この光記
録媒体に記録を行なう光記録方法とを提供することを目
的とする。
<課題を解決するための手段> このような目的は下記(1)〜(7)の本発明によっ
て達成される。
(1)基板表面に相変化合金薄膜を有し、前記相変化合
金薄膜上に低融点薄膜を有し、 前記相変化合金薄膜が、元素周期表1B族から選択され
る元素の少なくとも1種と、元素周期表2B族から選択さ
れる元素の少なくとも1種とを主成分として含有し、 前記低融点薄膜がTe、SeおよびSから選択される1種
以上の元素を主成分として含有する、 基板をとおして記録および再生が行われる光記録媒
体。
(2)前記相変化合金薄膜がAgおよびZnを主成分として
含有する上記(1)の光記録媒体。
(3)前記低融点薄膜の厚さを前記相変化合金薄膜の厚
さで除した値が1〜5である上記(1)または(2)の
光記録媒体。
(4)前記相変化合金薄膜の厚さが300〜700Åであり、
前記低融点薄膜の厚さが500〜1500Åである上記(1)
〜(3)のいずれかの光記録媒体。
(5)前記基板と前記相変化合金薄膜との間に低融点中
間薄膜を有し、前記低融点中間薄膜がTe、SeおよびSの
1種以上を主成分として含有する上記(1)〜(4)の
いずれかの光記録媒体。
(6)前記低融点中間薄膜の厚さが10〜100Åである上
記(5)の光記録媒体。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかの光記録媒体に、
前記相変化合金薄膜と前記低融点薄膜との間の相互拡散
により光反射率が変化している書き換え不可能な記録部
と、前記相変化合金薄膜の結晶構造の変化により光反射
率が変化している書き換え可能な記録部とを有するよう
に記録を行なうことを特徴とする光記録方法。
<作用> 第1図に示されるように、本発明の光記録媒体1は、
基板2の表面に相変化合金薄膜3を有し、相変化合金薄
膜3上に低融点薄膜4を有する。
基板2の裏面側から記録レーザー光を照射すると、相
変化合金薄膜3および低融点薄膜4が加熱される。この
加熱により、低融点薄膜4の構成元素と相変化合金薄膜
3の構成元素とが相互に拡散してこれらの元素の合金な
いし化合物が生成し、レーザー光照射部の光反射率が著
しく低下する。
この光反射率の変化は不可逆的であるので、追記型の
光記録媒体として使用することができる。そして、CDに
対して用いられている780nmの光の反射率が、レーザー
光照射前の90%程度以上から照射後には20%程度以下と
著しく低下するので、CD規格対応の追記型光記録ディス
クとしての使用が可能である。
また、ヘキサゴナル構造とした相変化合金薄膜3に、
比較的低パワーの記録レーザー光を照射すると、低融点
薄膜4に変化は起こらないが、相変化合金薄膜3の結晶
構造がbcc構造または非晶質へと変化して光反射率が増
加する。この光反射率の変化は可逆的であるので、書き
換え可能型光ディスクとしての使用が可能である。
なお、低融点薄膜4は、後述するようにスパッタ法等
の気相成長法で相変化合金薄膜3の上に形成されるが、
相変化合金薄膜3中のZn等の2B族元素が、Te等の低融点
薄膜4構成元素の拡散を防止するロッキング元素として
はたらくため、相変化合金薄膜3が500Å程度と薄い場
合でも低融点薄膜4形成時には両薄膜間での相互拡散は
殆ど生じない。
一方、記録レーザー光照射により相変化合金薄膜3が
加熱され、次いで冷却する際には、相変化合金薄膜3に
はbcc、ヘキサゴナル、非晶質等の種々の結晶構造およ
び結晶状態を選択できる自由度が生じ、Zn等の2B族元素
のロックが解除されて、両薄膜構成元素の相互拡散が急
激に生じ、上記したように合金ないし化合物が形成され
て反射率低下が生じる。
<具体的構成> 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
第1図に本発明の光記録媒体の好適実施例を示す。
同図に示されるように、光記録媒体1は、基板2表面
に相変化合金薄膜3を有し、相変化合金薄膜3上に低融
点薄膜4を有し、低融点薄膜4上に保護膜5を有する。
光記録媒体1では、基板2を通して相変化合金薄膜3
に記録光および再生光が照射されるので、基板2はこれ
らの光に対して実質的に透明である必要がある。このた
め、基板2の材質には、各種ガラスや、アクリル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン
樹脂等の各種樹脂などを用いればよい。
また、基板2の形状および寸法は特に限定されない
が、通常、ディスク状であり、その厚さは、通常、0.5
〜3mm程度、直径は50〜360mm程度である。
基板2の表面には、トラッキング用、アドレス用等の
ために、ピットあるいはグループ等の所定のパターンが
必要に応じて設けられる。
相変化合金薄膜3は、1B族から選択される元素の少な
くとも1種と2B族から選択される元素の少なくとも1種
とを含有する。1B族としては、Cu、AgおよびAuから選択
される少なくとも1種が好ましく、2B族としては、Znお
よびCdから選択される少なくとも1種が好ましい。具体
的には、高い反射率が得られ、また、加熱後の冷却条件
により反射率変化を十分起こす合金であることから、Ag
−Zn合金、Cu−Zn合金、Ag−Cd合金、Au−Zn合金等が好
ましく、これらのうち、融点が低いことから、特にAg−
Zn合金、Ag−Cd合金が好ましい。
相変化合金薄膜3中における1B族元素と2B族元素の比
率は、要求される反射率およびその変化率に応じて適宜
設定すればよいが、1B族元素と2B族元素との合計含有量
に対する1B族元素の割合は、40〜60原子%、特に45〜55
原子%であることが好ましい。
なお、相変化合金薄膜3には、Sb、Sn、In、S、Cuの
各種元素が必要に応じて添加されていてもよい。Sbは、
相変化合金薄膜3と低融点薄膜4との相互拡散速度の向
上作用を有するため、より低パワーでの記録が可能とな
り、記録感度が向上する。また、Sn、In、Cuは相変化合
金薄膜の融点を低下させる作用を有するため、これらの
添加によっても記録感度を向上させることができる。
これらの元素を添加する場合、その合計含有量は、1B
族元素と2B族元素との合計含有量に対し5原子%以下と
することが好ましい。添加元素の含有量が多くなりすぎ
ると、反射率が著しく低下するからである。
相変化合金薄膜3は、スパッタ法や蒸着法などの気相
成長法により形成されることが好ましい。
スパッタ法を用いる場合、成膜時の雰囲気の圧力は1.
5Pa以下、特に0.5〜1.0Paとすることが好ましい。1B族
元素および2B族元素を含有する相変化合金薄膜をスパッ
タ法により形成した場合、通常、300℃程度以上の温度
まで加熱して急冷する熱処理を施す必要がある。相変化
合金薄膜は、このような熱処理により、通常、bcc構造
となり、90%程度以上の反射率を示すようになって、CD
規格への対応が可能となる。基板材料として樹脂を用い
る場合、相変化合金薄膜形成後にこのような熱処理を施
すことは難しいが、上記範囲の圧力にてスパッタするこ
とにより、熱処理なしで90%程度以上の反射率が得られ
るので、通常の樹脂基板を問題なく使用することができ
る。
なお、本発明の光記録媒体を通常の相変化型の光記録
媒体として用いる場合、bcc構造の相変化合金薄膜3を
形成後に200℃程度の低温で熱処理を施して、ヘキサゴ
ナル構造とすることが好ましい。また、この状態で、CD
対応の追記型光記録媒体として用いることも可能であ
る。
相変化合金薄膜3は少なくとも2元系の合金であり、
通常、融点等の各種物性が異なるので、スパッタ法にお
いて合金ターゲットを用いる場合には、必要に応じてタ
ーゲット組成を目的とする薄膜組成とずらすことが好ま
しい。また、蒸着法を用いる場合には、各金属を独立し
て蒸着源とすることが好ましい。
低融点薄膜4は、Te、SeおよびSから選択される1種
以上の元素を主成分として含有する。
低融点薄膜4は、相変化合金薄膜3と同様に気相成長
法により形成されることが好ましい。
低融点薄膜4には、Snが添加元素として必要に応じて
含有されていてもよい。これらの添加元素の含有量は、
全体の5原子%以下であることが低融点を維持するため
に好ましい。
低融点薄膜4の融点は、200〜400℃程度である。
相変化合金薄膜3と低融点薄膜4との積層体に相変化
合金薄膜3側から記録レーザー光を照射すると、相変化
合金薄膜3に結晶構造の変化が生じ、相変化合金薄膜3
構成元素と低融点薄膜4構成元素とが相互に拡散し易い
状態となってこれらの元素の化合物ないし合金が形成さ
れ、光反射率が著しく減少してCD規格に対応する再生が
可能となる。このとき、ZnやCd等の2B族元素は、Te等の
低融点薄膜4構成元素の拡散を助ける作用を示す。
一方、気相成長法により低融点薄膜4を形成する際に
は、相変化合金薄膜3は低融点薄膜4と相互拡散しな
い。これは、ZnやCd等の2B族元素が、記録レーザー光照
射とは逆にTe等の低融点薄膜4構成元素とAg等の1B族元
素との反応を防ぐロッキング元素として作用するためで
ある。このため、スパッタ後、未記録状態ではCD規格に
対応する光反射率が得られる。
なお、相変化合金薄膜3を、加熱による相変化を生じ
ないAg薄膜等の単なる反射薄膜に置き換えると、低融点
薄膜4を気相成長法で形成する際に両薄膜の間で相互拡
散が生じてしまうため、未記録部においてCD規格に対応
する反射率が得られなくなる。
各薄膜の厚さは、目的とする反射率およびその変化率
に応じて適宜決定すればよいが、高いモジュレーション
を得るためには、低融点薄膜4の厚さを相変化合金薄膜
3の厚さで除した値が1〜5、特に1〜3であることが
好ましい。
なお、モジュレーションは、 で表わされる。ただし、RNONは未記録部の光反射率であ
り、Rは記録部、すなわちレーザー光照射部の光反射率
である。
また、具体的厚さとしては、相変化合金薄膜3は300
〜700Å、特に400〜700Åであることが好ましい。相変
化合金薄膜3の厚さが前記範囲未満であると70%以上の
十分な初期反射が得られず、前記範囲を超えると低融点
薄膜4構成元素の拡散に時間がかかり、記録感度が不十
分となる。
また、低融点薄膜4の厚さは、500〜1500Å、特に800
〜1200Åであることが好ましい。低融点薄膜4の厚さが
前記範囲未満であると、Ag等の1B族元素と低融点薄膜4
構成元素との反応が不十分となって未反応の相変化合金
薄膜が残存するので、十分な反射率変化が得られない。
前記範囲を超えると、未反応の低融点薄膜4が残存する
ので、やはり十分な反射率変化が得られない。
各薄膜の厚さおよびそれらの関係を上記のように設定
すれば、70%以上のモジュレーションが得られる。
本発明の他の態様の好適実施例を、第2図に示す。
同図に示される光記録媒体1は、第1図に示される光
記録媒体1の基板2と相変化合金薄膜3との間に、Te、
SeおよびSの1種以上を主成分として含有する低融点中
間薄膜6が設けられたものである。
低融点中間薄膜6は吸熱作用を有し、また、相変化合
金薄膜3の表面状態の融点を低下させるため、記録感度
を向上させる効果を示す。
低融点中間薄膜6の厚さは、10〜100Å、特に30〜70
Åであることが好ましい。
厚さが前記範囲未満となると十分な融点の低下が認め
られず、前記範囲を超えると、未記録部において十分な
光反射率が得られにくくなる。
保護膜5は、耐擦傷性や耐食性の向上のために設けら
れるものであり、種々の有機系の物質から構成されるこ
とが好ましいが、特に、放射線硬化型化合物やその組成
物を、電子線、紫外線等の放射線により硬化させた物質
から構成されることが好ましい。
保護膜5の厚さは、通常、0.1〜100μm程度であり、
スピンコート、グラビア塗布、スプレーコート、ディッ
ピング等、通常の方法により形成すればよい。
以上では、本発明をCD規格に対応する片面記録型の光
記録媒体に適用する場合を説明したが、本発明は両面記
録型の光記録媒体にも適用可能である。
両面記録型の光記録媒体に適用する場合、一対の基板
2、2を、相変化合金薄膜3が内封されるように接着す
る。
また、片面記録型であって、保護膜5上に保護板を接
着した構成とすることもできる。この場合の保護板とし
ては、通常、基板2と同質のものを用いればよいが、透
明である必要はなく、その他の材質も用いることができ
る。
本発明の光記録媒体は、上記したようにCD規格対応の
追記型光記録ディスクとしての使用が可能であるが、相
変化合金薄膜3と低融点薄膜4との間に相互拡散が生じ
ないような低パワーのレーザー光を照射すれば、通常の
相変化型光記録ディスクとしての使用が可能である。
また、記録レーザー光のパワーを制御することによ
り、1枚のディスクに書き換え可能領域と書き換え不可
能領域とを設けることもできる。ただし、この場合、書
き換え可能領域では相変化合金薄膜3をヘキサゴナル構
造からbcc構造ないし非晶質に変化させて反射率を増加
させることにより記録部を形成するので、前述したよう
にbcc構造ないし非晶質の相変化合金薄膜3を形成後に2
00℃程度の低温で熱処理を施して、ヘキサゴナル構造と
する。
これにより、低パワーのレーザー光照射部ではヘキサ
ゴナル構造がbcc構造ないし非晶質に変化して反射率が7
0%程度から90%程度まで増加することになり、書き換
え可能な記録部が形成される。そして、高パワーのレー
ザー光照射部では、前述したような相互拡散が生じて反
射率が70%程度から20%程度以下まで低下し、書き換え
不可能な記録部が形成される。
なお、相変化合金薄膜3を、bcc構造ないし非晶質か
らヘキサゴナル構造へと変える方法としては、上記した
熱処理の他、適当な強度のレーザー光照射を利用するこ
ともできる。
<実施例> 以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明をさらに
詳細に説明する。
[実施例1] 基板2の表面に、順次、相変化合金薄膜3、低融点薄
膜4および紫外線硬化型樹脂の保護膜5を形成し、第1
図に示される構成を有する光記録ディスクサンプルNo.1
を作製した。
基板2には、射出成形によりグルーブを同時形成した
直径133mm、厚さ1.2mmのディスク状ポリカーボネート樹
脂を用いた。
相変化合金薄膜3はAgを50.0原子%含有するAg−Zn合
金であり、スパッタ法により厚さ500Åに形成した。ス
パッタ時の雰囲気の圧力は0.9Paとした。
低融点薄膜4はTeからなり、スパッタ法により厚さ10
00Åに形成した。
保護膜5は紫外線硬化型樹脂からなり、スピンコート
法により塗布後、紫外線照射により硬化した。硬化後の
厚さは5μmであった。
サンプルNo.1について、記録再生特性の測定を行なっ
た。
記録時には20mWのレーザー光を照射し、再生時には5m
Wのレーザー光を照射した。なお、レーザー光の波長
は、780nmとした。
この結果、未記録部の反射率は90%、記録部の反射率
は21%であり、CD規格に対応する再生が可能であった。
また、厚さ1.5mmのガラス基板上に、サンプルNo.1と
同様にして相変化合金薄膜3および低融点薄膜4を形成
し、分光光度計により分光反射率を測定した。これを初
期反射率として第3図に示す。
また、このものを300℃にて5分間加熱後、空気中で
冷却し、再び分光反射率を測定した。これを加熱後反射
率として第3図に示す。
第3図から明らかなように、本発明の光記録媒体は、
極めて広い波長域において、十分に高い初期反射率およ
び十分な反射率変化が得られている。
[実施例2] 基板2と相変化合金薄膜3との間に低融点中間薄膜6
を設けた第2図に示される構成を有する光記録ディスク
サンプルNo.2を作製した。
低融点中間薄膜6はTeからなり、スパッタ法により厚
さ50Åに形成した。
その他の構成については、サンプルNo.1と同じとし
た。
サンプルNo.2について記録再生特性の測定を行なった
ところ、未記録部の反射率は82%、記録部の反射率は20
%であり、CD規格に対応する再生が可能であった。
また、レーザー光のパワーを10mWまで落した場合で
も、記録が可能であった。
[実施例3] 相変化合金薄膜3の組成を、Cu−Zn合金またはAg−Cd
合金とし、その他は上記各実施例と同様にして光記録デ
ィスクサンプルを作製した。
また、低融点薄膜4の組成を、SeまたはSとし、その
他は上記各実施例と同様にして光記録ディスクサンプル
を作製した。
また、低融点中間薄膜6の組成を、SeまたはSとし、
その他は上記各実施例と同様にして光記録ディスクサン
プルを作製した。
これらの各サンプルについて、上記各実施例と同様な
記録再生特性の測定を行なったところ、上記各実施例と
同等の結果が得られた。
<発明の効果> 本発明の光記録媒体は、未記録部において90%程度以
上もの反射率が得られ、また、記録部では20%程度まで
反射が低下するので、CD規格に対応する追記型光記録デ
ィスクとしての使用が可能である。
また、このようにモジュレーションが高いので再生信
号が大きくとれ、駆動装置の精度や信頼性が低くてもエ
ラーが発生しにくい。
また、低パワーのレーザー光を照射すれば、通常の相
変化型光記録ディスクとしての使用が可能なので、1枚
のディスクに書き換え可能領域と書き換え不可能領域と
を設けることができる。しかも、これらの領域の比率は
ユーザーが任意に設定できるため、幅広い応用が可能で
ある。
【図面の簡単な説明】 第1図および第2図は、本発明の光記録媒体の好適実施
例を示す部分断面図である。 第3図は、本発明の光記録媒体の分光反射率およびその
変化を示すグラフである。 符号の説明 1……光記録媒体 2……基板 3……相変化合金薄膜 4……低融点薄膜 5……保護膜 6……低融点中間薄膜

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板表面に相変化合金薄膜を有し、前記相
    変化合金薄膜上に低融点薄膜を有し、 前記相変化合金薄膜が、元素周期表1B族から選択される
    元素の少なくとも1種と、元素周期表2B族から選択され
    る元素の少なくとも1種とを主成分として含有し、 前記低融点薄膜がTe、SeおよびSから選択される1種以
    上の元素を主成分として含有する、 基板をとおして記録および再生が行われる光記録媒体。
  2. 【請求項2】前記相変化合金薄膜がAgおよびZnを主成分
    として含有する請求項1の光記録媒体。
  3. 【請求項3】前記低融点薄膜の厚さを前記相変化合金薄
    膜の厚さで除した値が1〜5である請求項1または2の
    光記録媒体。
  4. 【請求項4】前記相変化合金薄膜の厚さが300〜700Åで
    あり、前記低融点薄膜の厚さが500〜1500Åである請求
    項1〜3のいずれかの光記録媒体。
  5. 【請求項5】前記基板と前記相変化合金薄膜との間に低
    融点中間薄膜を有し、前記低融点中間薄膜がTe、Seおよ
    びSの1種以上を主成分として含有する請求項1〜4の
    いずれかの光記録媒体。
  6. 【請求項6】前記低融点中間薄膜の厚さが10〜100Åで
    ある請求項5の光記録媒体。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかの光記録媒体に、
    前記相変化合金薄膜と前記低融点薄膜との間に相互拡散
    により光反射率が変化している書き換え不可能な記録部
    と、前記相変化合金薄膜の結晶構造の変化により光反射
    率が変化している書き換え可能な記録部とを有するよう
    に記録を行なうことを特徴とする光記録方法。
JP2304749A 1990-11-09 1990-11-09 光記録媒体および光記録方法 Expired - Fee Related JP2948899B2 (ja)

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