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JP2939239B1 - 大型魚の解凍方法及び装置 - Google Patents

大型魚の解凍方法及び装置

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JP2939239B1
JP2939239B1 JP10103710A JP10371098A JP2939239B1 JP 2939239 B1 JP2939239 B1 JP 2939239B1 JP 10103710 A JP10103710 A JP 10103710A JP 10371098 A JP10371098 A JP 10371098A JP 2939239 B1 JP2939239 B1 JP 2939239B1
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heat
thawing
water
thawed
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智 赤澤
健二 奥山
芳孝 幡谷
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智 赤澤
健二 奥山
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  • Freezing, Cooling And Drying Of Foods (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 大型魚の丸のままの解凍を変色や劣化のない
ように行う。 【解決手段】 冷凍大型魚を所定の温度の水に浸漬して
魚体の表面から解凍すると共に、魚の脊椎骨内を通るよ
うに熱放出部を設置し熱放出部からの熱により魚体の内
部から解凍する工程を含む方法。熱放出部が温水により
熱を供給される。熱放出部を設置する前に、所定の温度
の水に浸漬して魚体表面からの解凍を途中まで進行させ
る工程を含む。熱放出部を設置する部分が、脊椎骨内の
神経腔である。解凍中の魚に高圧の重畳波電位を印加す
る。水温調節手段10を有し冷凍大型魚を収容可能な大き
さの解凍水槽2 と、解凍する魚体の脊椎骨内を貫通する
ように設けられる熱放出部3 と、熱放出部に熱を供給す
る熱供給手段4 とを具備する装置。熱放出部が、熱伝導
性のパイプ16で形成され、熱供給手段が温水流通装置で
ある。解凍水槽に重畳波電位印加手段を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食用の冷凍された
大型魚、例えば、鮪、あら等の解凍方法及びその方法に
使用する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鮪は、多くの場合頭と尾鰭を切り
落として殆ど丸のままで冷凍されて保存され、必要に応
じて丸のままの冷凍状態で出荷されて商取引が行われ、
その後冷凍状態のまま鋸歯によって解体され、そして解
凍されてから包丁で料理されて食に供されている。商取
引は、基本的には品質に応じた価格で行われるが、冷凍
状態では品質の良否の見極め、例えば油ののり具合等の
判断等がつきにくいことから、一般的には低価格で取引
されてしまうことが多い。また、鋸歯による切断は大き
な骨も含めて魚体を容易に切断できて能率良く解体でき
る反面、かなり大まかに切断される点と鋸屑に相当する
損失部分がある点とで、歩留りが低下する原因になって
いる。このような状況から判断して、解凍された鮪は、
品質の良否を見極めやすいから、冷凍状態のものよりも
適正な価格で、しかも解凍を必要としないから、より高
い価格で取引されることが期待できる。また、解体に鋸
歯を用いる必要がなく、包丁による解体が可能であるか
ら歩留りがよくなる。
【0003】このようなことから冷凍鮪を丸のまま解凍
してから市場に出荷することが望まれる。しかし、その
解凍は必ずしも良好にはできない。すなわち、従来一般
に冷凍魚の丸のままの解凍は適当な温度、肉質があまり
影響を受けない程度の温度、例えば15°C程度の水に
浸漬して行われている。この解凍方法を適用すると、鮪
のように大型の魚になると、中心部が解凍されにくく、
かなり長時間(1日〜1.5日)水に浸漬しておいて
も、解凍されない部分が残ってしまう。これは表面から
中心部までの寸法が大きく、肉に水分が多く、解凍前で
は中心部まで温度が−40°C程度になっているためで
ある。中心部に解凍されていない部分が残らないように
解凍するには、より長時間水に浸漬しておくか、水温を
上げるかである。しかしながら、あまり長時間水に浸漬
しておくと、速く解凍された部分の鮮度が劣化する恐れ
があ。また、出願人の行った実験では、頭と尾を切除し
て冷凍してある鮪で、重量約35kgのもの(胴長75c
m、最大断面の長径36cm、短径27cm)を、水温を3
0°Cに維持した水槽に、20時間浸漬してから、解体
してみると、図4に示すように、中心部に−1.7°C
の解凍されていない部分30が残っており、尾に近い部
分に明らかに肉が劣化した部分31や、表皮に近い部分
に肉が変色した部分32等が認められた。従って、浸漬
する水の温度を上げることは品質が大幅に低下して商品
にはならず、解凍時間もそれほど短縮できない。
【0004】また別に、比較的小型の食用水産物の解凍
方法としては、特開平9−131158号公報に記載の
ものがある。その概略は、被解凍物に高圧の重畳波電位
を印加すると共に水のシャワーを浴びせる方法である。
水のシャワーは流動する水を被解凍物に接触させて水か
らの熱を効果的に伝達して解凍を速めることができ、高
圧の重畳波電位を印加することは被解凍物である水産物
がこれを構成している水、蛋白質、脂肪、炭水化物等に
ついての分子構造を整える作用を受け、解凍後の水の構
造化の崩壊を防止されて水の流出が防止され、鮮度の劣
化が抑制されて、解凍後の水産物の品質を安定させると
いうものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、冷凍保存さ
れている大型魚の丸のままの解凍を、変色や劣化のない
ように行うことが可能な解凍方法及びその方法に使用す
る装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の方法は、冷凍さ
れた大型魚を所定の温度の水に浸漬して魚体の表面から
解凍すると共に、魚の脊椎骨内を通るように熱放出部を
設置しその熱放出部から放出される熱により魚体の内部
から解凍する工程を含み、前記熱放出部が、内部に温水
を流通させることにより熱を供給されることを特徴とす
る(請求項1)。
【0007】魚体の表面と内部との双方から解凍するこ
とにより、従来の水中に単に浸漬する方法のように中心
部に沿って解凍されない部分が長時間残ることがなく、
比較的短時間で全体の解凍が可能となる。この短時間の
解凍はその分肉質の鮮度劣化を軽減する。魚体内部から
の解凍は、脊椎骨内に設置した熱放出部からの熱が脊椎
骨を介して分散して肉部に伝わるから、浸漬する水の温
度よりも熱放出部の表面温度を少し高くすることが可能
となる。これによって脊椎骨周辺部の肉質を低下させる
ことなく、解凍に有効に作用する。
【0008】また、前記熱放出部が、内部に温水を流通
させることにより熱を供給される構成であるから、流
させる温水の温度を制御することにより熱放出部の適切
な解凍温度を維持できる。
【0009】前記本発明の方法において、前記熱放出部
を設置する前に、所定の温度の水に浸漬して魚体表面か
らの解凍を途中まで進行させる工程を含む構成とするの
がよい(請求項)。魚体の表面からの解凍を進行させ
ると、中心部にある脊椎骨の温度も他の部分よりは低い
が上昇してくる。脊椎骨の温度が−3°Cを越える頃に
なると、脊椎骨内の神経腔や血管腔内に針金あるいは棒
状体を一端から押し込んで刺し通し貫通孔を形成するこ
とができるようになるから、この貫通孔に熱放出部を簡
単に挿通して設置でき、あるいは熱放出部を直接刺し通
して設置することも可能である。
【0010】前記本発明の方法において、前記熱放出部
を設置する部分が、前記脊椎骨内の神経腔である構成と
するのがよい(請求項)。魚体の肉は魚体の略中心位
置を通っている脊椎骨に対してやや上側に偏って厚く付
いており、神経腔は脊椎骨内の上部に沿った位置にあ
る。従って、神経腔に設置した熱放出部からの熱は魚体
の上方の肉の厚い部分に伝わりやすい。すなわち、最も
肉の厚い部分に熱が伝わりやすい。これによって魚体の
内側からの解凍がより効果的に行われる。
【0011】前記本発明の方法において、解凍中の前記
魚に高圧の重畳波電位を印加する構成とするのがよい
(請求項)。解凍中の魚等に高圧の重畳波電位を印加
して鮮度劣化を抑制し解凍後の魚等の肉質を安定させる
ことは前述したように公知の技術であるが、この技術を
併用することによって、単に解凍後の品質が安定するだ
けでなく、次のような作用効果が得られる。すなわち、
大型魚のかなり長時間を要する解凍では初期に解凍され
た部分がそのまま解凍環境に置かれることになるから、
全体の解凍を終了した段階で初期解凍部分の鮮度が終わ
り頃に解凍された部分に比べて劣化していることが予想
される。解凍中に高圧の重畳波電位を印加することによ
って、初期解凍部分の鮮度劣化を抑制しながら残りの解
凍を続けるので、魚体全体が部分的に鮮度の差異の少な
い状態に解凍可能となる。
【0012】本発明の装置は、収容した水を所望温度に
維持する水温調節手段を有し冷凍された大型魚を収容可
能な大きさの解凍水槽と、細長く形成されていて解凍す
る魚体の脊椎骨内を貫通するように設けられる熱放出部
と、その熱放出部に熱を供給する熱供給手段とを具備
し、前記熱放出部が、熱伝導性のパイプで形成され、前
記熱供給手段が、前記パイプに所定温度に調節した温水
を流通させる温水流通装置であることを特徴とする(請
求項)。魚体の表面と内部との双方から解凍すること
により、従来の水中に単に浸漬する方法のように中心部
に沿って解凍されない部分が長時間残ることがなく、比
較的短時間で全体の解凍が可能となる。この短時間の解
凍はその分肉質の鮮度劣化を軽減する。魚体内部からの
解凍は、脊椎骨内に設置した熱放出部からの熱が脊椎骨
を介して分散して肉部に伝わるから、浸漬する水の温度
よりも熱放出部の表面温度を少し高くすることが可能と
なる。これによって脊椎骨周辺部の肉質を低下させるこ
となく、解凍に有効に作用する。
【0013】また、脊椎骨に挿通したパイプに、所望の
温度の温水を流通させることにより、脊椎骨を介して魚
体の中心部から所望の温度で解凍でき、その解凍温度の
調節が供給する水温の調節であるから、容易である。
【0014】前記本発明の装置において、前記解凍水槽
に収容される魚に重畳波電位を印加する重畳波電位印加
手段を設けた構成とするのがよい(請求項)。解凍中
に高圧の重畳波電位を印加することによって、初期解凍
部分の鮮度劣化を抑制しながら残りの解凍を続けるの
で、魚体全体が部分的に鮮度の差異の少ない状態に解凍
可能となる。なお、この発明の装置において使用する重
畳波電位発生装置は、特開昭51−81939号公報、
特開昭56−6673号公報に見られるような公知のも
のである。例えば、その一つの重畳波電位発生装置の概
略は、一次側に商用周波数電源100Vを接続し、二次
側を分巻きにしたトランスにより任意の波形を装入し、
部分的に周波数の異なった波形を積み重ね、その波形で
構成される電圧を絶縁トランスを介して最終トランスで
10KV以上に昇圧し、最終トランスの二次側の巻始め
リード線(出力端子)は変圧器外部に出さず、内部にお
いて絶縁処理して封鎖し、巻終わりリード線のみを外部
端子(出力端子)に出したものである。その出された一
方の出力端子が、前記解凍水槽を導電性材料で形成して
その解凍水槽に接続されることによって、あるいは解凍
水槽に浸漬した電極に接続されることによって、高圧の
重畳波電位が水を介して解凍される魚に印加される。こ
の時対地電圧は零に等しく、電流は流れない。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を図
1、図2を用いて説明する。図1は大型魚の解凍装置1
の概略の構成を示し、2は解凍水槽、3は熱放出部、4
は熱供給手段、5は解凍中の鮪である。解凍水槽2は、
解凍する大型の魚を余裕を持って収容できる大きさにス
テンレス鋼板で形成され、収容した水の温度を所定の温
度に、例えば15°C程度に維持できるように、温度調
整手段10を備えている。温度調整手段10は、水温が
所定温度よりも低下したことを検出して解凍水槽2の底
に略全域にわたって適当に配置した加熱パイプ11に、
加熱したオイルを循環させて水温を上昇させ、所定の温
度になると加熱を止める構成であり、温度センサー、オ
イル溜め、ヒーター、ポンプ、モータ等を解凍水槽2の
下面部12に設置してある。また、解凍水槽2内の水の
温度が全体でできるだけ均一となるように攪拌手段13
を設けてある。攪拌手段13は前記加熱パイプ11とは
別に多数の空気噴出孔を備えたパイプ14を解凍水槽2
の底に配置してこれに空気を供給するように構成してあ
り、空気を供給するための送風機、モータ等を解凍水槽
2の下面部15に設置してある。適量の空気が解凍水槽
2の底の略全域から噴出することにより水が攪拌され、
その温度が均一化する。また、解凍中の魚の表面では水
が熱を奪われて温度が低下するが、前記攪拌によりその
表面の水が所定温度の水と速く入れ代わり、解凍も効果
的に行われる。
【0016】熱放出部3は、例えば、直径4mmのステ
ンレス製パイプ16で、解凍する魚5の長さよりもやや
長く形成されていて、両端部が可撓性のホース17、1
8を接続するための接続部とされている。熱供給手段4
は、所定の温度の温水を熱放出部3のパイプ16に流通
させるもので、解凍水槽2に近い適当な位置に設けてあ
り、ホース17、18、固定配管19、20、ヒーター
等の水温調整装置付き受水槽21、ポンプ22、圧力タ
ンク23等で構成されている。ホース17、18は一端
にパイプ16に着脱自在な継手24を有し、他端を解凍
水槽2の縁で中継固定継手25を介して固定配管19、
又は20に接続されている。図示の接続状態で、受水槽
21の所定温度、例えば55°C、に調整された温水
が、ポンプ22、圧力タンク23、固定配管19、ホー
ス17を介してパイプ16に供給されて熱を放出し、ホ
ース18、固定配管20を介して受水槽21に戻るよう
になっている。なお、この他に圧力タンク23の出口側
には、必要に応じて図示していない流量調節弁等が設け
られる。
【0017】この解凍装置1を使用する鮪の解凍方法を
次に説明する。解凍する冷凍鮪は、頭部と尾鰭を切除し
てあり、重さ34.7kg、長さ82cm、最大断面部
分の長径33.5cm、同断面の短径24.5cm、肉
温度−40°Cであった。先ず、解凍水槽2の水の温度
を15°Cに調節し、その温度が維持されるように温度
調整手段10を設定して運転を開始し、冷凍魚体を丸ご
と、図示していない枠に取付けて解凍水槽2に収容し、
水面下に拘束して12時間解凍した。解凍水槽2から取
り出して調べてみると、この12時間の解凍では中心部
に未解凍部分がかなり残っている。この時、未解凍部分
の肉部の最低温度は−2.6°Cであった。この段階で
熱放出部3であるパイプ16を設置する。パイプ16の
設置は、数回の実験結果から、未解凍部分の肉部の最低
温度が略−3°Cを越えるようになると、次に説明する
脊椎骨の神経腔に硬い棒状体であれば刺し通すことが可
能となることから、−3°Cを越えることを目安にパイ
プ16を設置する。
【0018】パイプ16は、図2に拡大して示す魚体の
脊椎骨26の神経腔27に挿通するものとする。同図
中、28は血管腔、29は骨髄である。パイプ16の設
置は、予め準備した直径4mmのパイプ16と同等の直
径のステンレス鋼製の丸棒を、魚体の頭部切断側端面の
前記脊椎骨26の神経腔27から、尾側に貫通するよう
に刺し通し、この丸棒を抜き去った後に、熱放出部3で
あるパイプ16を挿入し、再び解凍水槽2に鮪5を収容
するとともに、パイプ16の端部に継手24、24を結
合してホース17、18と接続し、熱供給手段4を水温
55°Cに設定し、解凍水槽2の水温は同じ15°Cの
ままとして解凍した。パイプ16を流通させる水の流量
は1リットル/分である。なお、解凍中に数回実測した
温度の平均値を示すと、パイプ16の入口水温54.8
°C、出口水温44.3°Cであった。このパイプ16
を用いる解凍工程において、適当な時間間隔で、肉部の
最低温度、表面から凍結部までの厚さ(表皮側の解凍部
の厚さ)、脊椎骨から凍結部までの厚さ(脊椎骨側の解
凍部の厚さ)、凍結している部分の厚さを測定した結果
を、表1に示す。解凍工程の終了は肉部の最低温度が0
°Cを越えた時であり、この例では+0.6°Cで終了
した。
【0019】
【表1】
【0020】このようにして解凍された鮪を直ちに解体
してみると、肉部の全体が解凍されており、肉色が良好
で変色部分はなく、劣化部分は認められなかった。解凍
所要時間は、魚体の外表面からのみの解凍時間11時間
40分と、魚体の外表面及び内部の双方からの解凍時間
6時間38分との合計で18時間18分であった。従っ
て、従来の魚体外表面からのみ解凍する場合に比べて、
解凍後の全体の肉質が損なわれないように、解凍時間を
大幅に短縮できる。
【0021】本発明の装置の第2の実施の形態を図3に
示す。この解凍装置1aは、第1の実施の形態のものと
は、重畳波電位発生装置7を付加してある点のみが異な
り、他は同じであるから同等部分を同一図面符号で示し
てその説明を省略する。重畳波電位発生装置7は、解凍
水槽2に一方の出力端子を導線40を介して接続され、
他方の出力端子を絶縁封鎖されたものである。図中3
7、38、39はいずれも電気絶縁用碍子であり、それ
ぞれが解凍水槽2、熱供給手段4、重畳波電位発生装置
7を床面に対して絶縁支持している。
【0022】この第2の実施の形態の場合、重畳波電位
発生装置7は、第1の実施の形態において説明した解凍
中常に動作状態にあり、解凍水槽2内の水を介して解凍
中の魚体に高圧の重畳波電位を印加している。これによ
って解凍を終わった部分の肉部が鮮度の劣化を抑制さ
れ、解凍終了段階で全体の肉質は鮮度の差異が少ないも
のとなり、良好に解凍される。良好な解凍状態であるこ
とを判断するためには、解凍後に解体して冷蔵した場合
に所定時間後のドリップの量が少ないことが一つの目安
となる。丸ごと解凍は個体差があって比較が困難である
が、敢えて比較してみると、第1の実施の形態の場合よ
りも第2の実施の形態の方がドリップの量が少ない点が
認められた。
【0023】前記実施の形態において、放熱部3のパイ
プ16を神経腔27に挿通したが、場合によっては血管
腔28に挿通して解凍することもあり得る。また、魚体
外表面からの解凍を途中まで行ってから、パイプ16を
挿通したが、場合によっては全く解凍していない冷凍状
態で、ドリル状の穿孔工具を用いて骨髄29の部分を通
るように穿孔し、その孔に放熱部3を設置してもよい。
これによって解凍の始めから魚体内外の双方から解凍す
ることが可能となる。また、放熱部3は、温度を確実に
制御できるようにして電気抵抗発熱体を使用してもよ
い。
【0024】
【発明の効果】請求項1に記載の発明は、魚体の表面と
内部との双方から解凍するから、解凍時間を短縮できる
とともに、解凍初期に解凍された部分が、解凍環境に置
かれる時間を解凍時間が短くなる分短くできて、肉質が
劣化しにくい効果を奏する。また、熱放出部の適切な解
凍所望温度を維持し易い効果を奏する。請求項に記載
の発明は、脊椎骨に熱放出部を設置する作業が容易にな
る効果を奏する。請求項に記載の発明は、最も肉の厚
い部分に熱が伝わりやすから、魚体の内側からの解凍が
より効果的に行われる効果を奏する。請求項に記載の
発明は、初期解凍部分の鮮度劣化を抑制しながら残りの
解凍を続けるので、より一層魚体全体が鮮度劣化が少な
く、部分的に鮮度の差異の少ない状態に解凍可能となる
効果を奏する。請求項に記載の発明は、魚体の表面と
内部との双方から解凍するから、解凍時間を短縮できる
とともに、解凍初期に解凍された部分が、解凍環境に置
かれる時間を解凍時間が短くなる分短くできて、肉質が
劣化しにくい効果を奏する。また、魚体の中心部から所
望の温度で解凍でき、その解凍温度の調節が容易である
効果を奏する。請求項6に記載の発明は、より一層魚体
全体が鮮度劣化が少なく、部分的に鮮度の差異の少ない
状態に解凍可能となる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の方法及び装置を説
明するための装置の概略の構成を示す説明図である。
【図2】大型魚の脊椎骨の概略の構造を示し、(a)は
長手方向に直角な縦断正面図、(b)は部分側面図であ
る。
【図3】本発明の第2の実施の形態の方法及び装置を説
明するための装置の概略の構成を示す説明図である。
【図4】従来の解凍方法に略従い解凍した魚体の中央部
縦断側面の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 解凍装置 1a 解凍装置 2 解凍水槽 3 熱放出部 4 熱供給手段 5 鮪 7 重畳波電位発生装置 10 温度調整手段 11 加熱パイプ 12 下面部 13 攪拌手段 14 パイプ 15 下面部 16 パイプ 17 ホース 18 ホース 19 固定配管 20 固定配管 21 受水槽 22 ポンプ 23 圧力タンク 24 継手 25 中継固定継手 26 脊椎骨 27 神経腔 37 碍子 38 碍子 39 碍子 40 導線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 幡谷 芳孝 兵庫県神戸市須磨区竜が台1丁目1−2 30−301 (56)参考文献 特開 昭56−85694(JP,A) 特開 平4−349844(JP,A) 実開 平1−142684(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23B 4/00 - 4/32 A23L 3/36 - 3/365

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷凍された大型魚を所定の温度の水に浸
    漬して魚体の表面から解凍すると共に、魚の脊椎骨内を
    通るように熱放出部を設置しその熱放出部から放出され
    る熱により魚体の内部から解凍する工程を含み、前記熱
    放出部が、内部に温水を流通させることにより熱を供給
    されることを特徴とする大型魚の解凍方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の大型魚の解凍方法にお
    いて、前記熱放出部を設置する前に、所定の温度の水に
    浸漬して魚体表面からの解凍を途中まで進行させる工程
    を含むことを特徴とする大型魚の解凍方法。
  3. 【請求項3】 請求項1、または請求項2に記載の大型
    魚の解凍方法において、前記熱放出部を設置する部分
    が、前記脊椎骨内の神経腔であることを特徴とする大型
    魚の解凍方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2、または請求項3に
    記載の大型魚の解凍方法において、解凍中の前記魚に高
    圧の重畳波電位を印加することを特徴とする大型魚の解
    凍方法。
  5. 【請求項5】 収容した水を所望温度に維持する水温調
    節手段を有し冷凍された大型魚を収容可能な大きさの解
    凍水槽と、細長く形成されていて解凍する魚体の脊椎骨
    内を貫通するように設けられる熱放出部と、その熱放出
    部に熱を供給する熱供給手段とを具備し、前記熱放出部
    が、熱伝導性のパイプで形成され、前記熱供給手段が、
    前記パイプに所定温度に調節した温水を流通させる温水
    流通装置であることを特徴とする大型魚の解凍装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の大型魚の解凍装置にお
    いて、前記解凍水槽に収容される魚に重畳波電位を印加
    する重畳波電位印加手段を設けたことを特徴とする大型
    魚の解凍装置。
JP10103710A 1998-03-30 1998-03-30 大型魚の解凍方法及び装置 Expired - Fee Related JP2939239B1 (ja)

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