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JP2923572B2 - 変化幅検出装置 - Google Patents

変化幅検出装置

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JP2923572B2
JP2923572B2 JP14245090A JP14245090A JP2923572B2 JP 2923572 B2 JP2923572 B2 JP 2923572B2 JP 14245090 A JP14245090 A JP 14245090A JP 14245090 A JP14245090 A JP 14245090A JP 2923572 B2 JP2923572 B2 JP 2923572B2
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Hitachi Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は変化幅検出装置に係り、特に、配電線に残留
零相電圧や残留零相電流が存在する系統においても地絡
事故を高感度に検出するに好適な変化幅検出装置に関す
る。
〔従来の技術〕
一般に、降圧配電系統は樹枝状に配線されており、三
相の配電線で構成される高圧配電系統は対地に対し幾何
学的配置が非対称となっている部分が存在するので、各
相の対地静電容量が不平衡となることがある。このた
め、このような系統には常時残留零相電圧や残留零相電
流が存在している。
ところで、このような系統において地絡事故を検出す
るには、一般に、地絡方向継電器が用いられており、こ
の継電器の検出感度は保安上の面から高感度のものが望
まれている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来技術では、常時残留電圧又は残留
電流が存在する系統でも、地絡方向継電器を用いて地絡
事故を検出している。このため、系統で地絡事故が発生
したときには、残留電気量と地絡事故によって発生する
零相分電気量のベクトル合成量を入力として位相弁別す
ることになり、特に継電器の動作限界近傍における高抵
抗地絡事故時には位相弁別を誤ることがある。このよう
な位相弁別の誤りを防止するために、検出感度を悪く
し、残留電圧又は残留電流によって位相弁別性能に影響
を受けないようにする方法が採用されているが、地絡事
故時には事故時の零相電圧又は零相電流が残留零相電圧
又は残留零相電流に重畳されるため、残留零相電圧又は
残留零相電流の値によっては同一の事故抵抗であっても
継電器が動作したり、しなかったりすることがあり、地
絡事故を確実に検出できない恐れがある。
本発明の目的は配電系統に常時残留零相電圧及び残留
零相電流が存在しても、これらの残留電気量の大きさに
左右されることなく地絡事故を確実に検出することがで
きる変化幅検出装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
前記目的を達成するために、本発明は、第1の装置と
して、配電線の各相の対地電圧を検出する対地電圧検出
手段と、対地電圧検出手段の検出出力から各相の線間電
圧を算出する線間電圧算出手段と、配電線の各相の相電
流を検出する相電流検出手段と、相電流検出手段の検出
出力から零相電流を検出する零相検出手段と、線間電圧
算出手段の出力と零相電流検出手段の出力とを乗算する
乗算手段と、乗算手段の出力から直流成分を抽出するフ
ィルタ手段と、フィルタ手段の出力を一定時間遅延する
遅延手段と、遅延手段の出力とフィルタ手段の出力との
偏差を算出する偏差算出手段と、偏差算出手段の出力が
設定レベルを越えているときに事故信号を発生する事故
信号発生手段とを有する変化幅検出装置を構成したもの
である。
第2の装置として、配電線の各相の対地電圧を検出す
る対地電圧検出手段と、対地電圧検出手段の検出出力か
ら各相の線間電圧を算出する線間電圧算出手段と、配電
線の各相の相電流を検出する相電流検出手段と、相電流
検出手段の検出出力から零相電流を検出する零相検出手
段と、線間電圧算出手段の出力と零相電流検出手段の出
力とを乗算する乗算手段と、乗算手段の出力から直流成
分を抽出するフィルタ手段と、フィルタ手段の出力を一
定時間遅延する遅延手段と、ホールド指令によりホール
ド指令入力時の遅延手段出力をホールドして出力し、ホ
ールド解除指令により遅延手段出力をそのまま出力する
ホールド手段と、遅延手段の出力とホールド手段の出力
との偏差を出力する偏差算出手段と、偏差算出手段の出
力が設定レベルを越えているときに事故信号を発生する
事故信号発生手段と、事故信号を受け、事故信号の発生
中ホールド指令を出力し、事故信号の発生が停止された
ときには一定時間ホールド指令の発生を継続してその後
ホールド解除指令を出力するホールド指令手段とを有す
る変化幅検出装置を構成したものである。
第3の装置として、配電線の各相の対地電圧を検出す
る対地電圧検出手段と、対地電圧検出手段の検出出力か
ら各相の線間電圧を算出する線間電圧算出手段と、対地
電圧検出手段の出力から配電線の零相電圧を検出する零
相電圧検出手段と、線間電圧検出手段の出力と零相電圧
検出手段の出力とを乗算する乗算手段と、乗算手段の出
力から直流成分を抽出するフィルタ手段と、フィルタ手
段の出力を一定時間遅延する遅延手段と、遅延手段の出
力とフィルタ手段の出力との偏差を算出する偏差算出手
段と、偏差算出手段の出力が設定レベルを越えていると
きに事故信号を発生する事故信号発生手段とを有する変
化幅検出装置を構成したものである。
第4の装置として、配電線の各相の対地電圧を検出す
る対地電圧検出手段と、対地電圧検出手段の検出出力か
ら各相の線間電圧を算出する線間電圧算出手段と、対地
電圧検出手段の出力から配電線の零相電圧を検出する零
相電圧検出手段と、線間電圧検出手段の出力と零相電圧
検出手段の出力とを乗算する乗算手段と、乗算手段の出
力から直流成分を抽出するフィルタ手段と、フィルタ手
段の出力を一定時間遅延する遅延手段と、ホールド指令
によりホールド指令入力時の遅延手段出力をホールドし
て出力し、ホールド解除指令により遅延手段出力をその
まま出力するホールド手段と、遅延手段の出力とホール
ド手段の出力との偏差を出力する偏差算出手段と、偏差
算出手段の出力が設定レベルを越えているときに事故信
号を発生する事故信号発生手段と、事故信号を受け、事
故信号の発生中ホールド指令を出力し、事故信号の発生
が停止されたときには一定時間ホールド指令の発生を継
続してその後ホールド解除指令を出力するホールド指令
手段とを有する変化幅検出装置を構成したものである。
第2又は第4の装置を含む第5の装置として、各相の
ホールド指令手段とホールド指令手段との間に入力信号
の論理和に従った信号をホールド手段へ出力するゲート
手段を有し、各相のホールド指令手段の出力が自己のゲ
ート手段と他相のゲート手段の入力に接続されている変
化幅検出装置を構成したものである。
第1、第2、第3又は第4の装置を含む第6の装置と
して、遅延手段としてバンドパスフィルタを用いてなる
変化幅検出装置を構成したものである。
第2、第4、第5又は第6の装置を含む第8の装置と
して、事故信号の発生を監視して、事故信号の発生が設
定時間以上継続されたときにはホールド指令手段にホー
ルド解除指令を強制的に出力させるホールド解除指令手
段を有する変化幅検出装置を構成したものである。
第1乃至第7の装置のうちいずれか1つを含む第8の
装置として、事故信号発生手段は、偏差算出手段の出力
がプラスの設定レベルを越えたときに事故信号を発生す
るレベル比較器と、偏差算出手段の出力がマイナスの設
定レベルを越えたときに事故信号を発生するレベル比較
器とから構成されている変化幅検出装置を構成したもの
である。
〔作用〕
配電線の各相の対地電圧から各相の線間電圧を求め、
この線間電圧を基準信号として零相電流と線間電圧とを
乗算し、この乗算値から直流成分を抽出し、抽出した信
号を一定時間遅延させ、遅延した信号と遅延しない信号
との偏差を求め、この偏差が設定レベルを越えたときに
事故信号を発生するようにしている。即ち、配線系統に
残留零相電圧及び残留零相電流が存在する場合でも、残
留電気量を定常時の基準値として、基準値からの変化分
を検出し、この変化分が設定レベルを越えたときに地絡
事故として事故信号を発生することとしている。このた
め、配電系統に残留零相電圧及び残留零相電流が存在す
る場合でも、残留電気量のレベルに左右されることなく
配電系統の地絡事故を確実に検出することができる。こ
のような検出は基準信号と零相電圧とを乗算し、この乗
算値から地絡事故を検出する場合でも同様に行うことが
できる。
ホールド手段及びホールド指令手段を有する場合に
は、遅延手段の出力をホールド指令によりホールドし、
ホールドした信号と遅延手段の出力との偏差を求め、こ
の偏差が設定レベルを越えたときに事故信号を発生する
ようにしている。即ち、配電系統に残留零相電圧及び残
留零相電流が存在している場合には、これらのレベルを
定常時のレベルとして記憶し、地絡事故発生時には記憶
したレベルからの変化分を検出し、この変化分が設定レ
ベルを越えたときに地絡事故として事故信号を発生する
こととしている。さらに地絡事故が回復したときには、
地絡事故の発生が停止された後も一定時間地絡事故発生
時のレベルを記憶した状態を継続し、その後記憶したレ
ベルを消去し、新たに入力された信号を基準レベルとし
て地絡事故の検出を行っている。このため、事故回復後
の基準レベルを高いレベルに設定することなく、その後
の地絡事故を定常時のレベルで検出することができる。
又、この場合ゲート手段を設ければ、事故を検出した相
の入力信号のホールド及びホールドの解除を全ての相が
同時に行うことができるため、事故相以外の相が誤動作
するのを防止することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図において、3相配電線10のR相、S相、T相に
は、対地電圧検出手段を構成する分圧コンデンサCT,CS,
CR,CTG,CSG,CRGが接続されており、各コンデンサによっ
て分圧された線電圧VR,VS,VTが対地電圧として地絡方向
継電器12に入力されている。又3相配電線10には相電流
検出手段を構成する変流器CTR,CTS,CTTが設けられてお
り、各変流器の出力が相電流IR,IS,ITとして継電器12に
入力されている。地絡方向継電器12は、第2図に示され
る演算部14、第3図に示される検出部16,18,20を備えて
構成されている。
演算部14はベクトル演算移相器22,24,26ベクトル演算
器28,30を備えて構成されており、ベクトル演算移相器2
2,24,26は線電圧VR,VS,VTから各相の基準信号として線
間電圧VRS,VST,VTRを算出する線間電圧算出手段を構成
するようになっている。即ち、本実施例では、地絡事故
が発生したときには相電圧は変化するが、線間電圧は変
化しないところから、各相の基準信号として線間電圧を
求めることとしている。そして、この線間電圧を求める
に際しては、各相の線電圧VR,VS,VTの検出値から各相間
の線間電圧をベクトル演算によって求めると共に、各相
間の線間電圧の位相を30°移相させた線間電圧を求め、
線電圧と同相の線間電圧VRS,VST,VTRを出力するように
なっている。
一方、ベクトル演算器28は線電圧VR,VS,VTのベクトル
値から零相電圧Voを検出する零相電圧検出手段として構
成されており、ベクトル演算器30は相電流IR,IS,ITのベ
クトル値から零相電流Ioを検出する零相電流検出手段と
して構成されている。そして演算部14の出力はそれぞれ
各相の検出部16,18,20に供給されている。R相の検出部
16は乗算器32、ローパスフィルタ34、レベル記憶器36、
演算器38、レベル比較器40を備えて構成されており、又
S相の検出部18とT相の検出部20もR相の検出部16と同
一のもので構成されている。
乗算部32はR相の基準信号としてR相とS相の線間電
圧VRSと零相電流Ioとを乗算し、乗算した信号をローパ
スフィルタ34へ出力する乗算手段として構成されてお
り、ローパスフィルタ34は入力信号から直流成分を抽出
するフィルタ手段として構成されている。即ち、ローパ
スフィルタ34は、乗算器32の乗算値に2倍の高調波が含
まれるため、この高調波を除去して直流成分のみを抽出
するようになっている。そしてローパスフィルタ34の出
力はレベル記憶器36と演算器38に入力されている。
レベル記憶器36は抵抗RとコンデンサCとを有する遅
延回路42、サンプルホールド44、ORゲート46、限時復帰
タイマ48を備えて構成されている。そしてサンプルホー
ルド44の出力が演算器38のマイナス入力端子に入力され
ていると共にサンプルホールド44にはレベル比較器40の
出力がタイマ48、ORゲート46を介して入力されている。
このサンプルホールド44には、ローパスフィルタ34から
の信号が遅延回路42によって一定時間遅延されて入力さ
れており、サンプルホールド端子S/Hの入力レベルが
“0"のとき、すなわち、ホールド解除指令が入力されて
いるときには、入力信号をそのまま演算器38に出力し、
サンプルホールド端子S/Hの入力レベルが“1"のとき、
即ちホールド指令が入力されているときにはホールド指
令入力時の入力信号のレベルをホールドしホールドした
信号を演算器38へ出力するホールド手段として構成され
ている。演算器38はローパスフィルタ34の出力信号とサ
ンプルホールド44の出力信号との偏差に応じた信号を出
力する偏差算出手段として構成されており、レベル比較
器40は演算器38の出力と設定レベルVeとを比較し、演算
器38の比較信号が設定レベルVeを越えたときに事故信号
として、“1"の信号を端子1A及びタイマ48へ出力する事
故信号発生手段として構成されている。限時復帰タイマ
48は、事故信号が入力されたとき、即ちレベル比較器40
の出力が“1"のときには瞬時にホールド指令として、
“1"の信号をORゲート46とS相及びT相のORゲートへ出
力し、事故信号の発生が停止されたときには一定時間ホ
ールド指令の発生を継続した後、ホールド解除指令とし
て“0"の信号を出力するホールド指令手段として構成さ
れている。
以上の構成において、配電線10に残留零相電圧及び残
留零相電流が存在するときには、各相の基準信号と零相
電流Ioの乗算結果として、ローパスフィルタ34の出力に
は、第5図に示されるような波形の信号が出力される。
例えば、R相はプラス方向にレベルがオフセットしT相
はマイナス方向へレベルがオフセットし、S相は略零V
の信号が発生している。このようなオフセットが発生す
るのは、第6図に示されるように、配電線10に残留零相
電流分Ioeが存在し、定常状態においても、VR×Ioe、VS
×Ioe,VT×Ioeの演算値がローパスフィルタ34の出力に
生じるためである。
このような状態において、配電線10のR相の地絡事故
が発生すると、第6図に示されるように、残留零相電流
分Ioeに事故電流分Iosが加算され、ローパスフィルタ34
には、R相のレベルが高く、S相、T相のレベルが低下
する信号が発生する。このとき、第7図に示されるよう
に、ローパスフィルタ34の出力レベルが急激に高くな
り、この信号がそのまま演算器38に入力される。一方、
サンプルホールド44には破線で示されるように、遅延回
路42で一定時間遅延された信号が入力される。そしてこ
のときの偏差が演算器38によって算出され、算出値が設
定レベルVeを越えると、レベル比較器40から“1"の事故
信号が発生する。これによりタイマ48から“1"の信号が
ORゲート46を介してサンプルホールド端子S/Hに入力さ
れ、地絡事故発生時点のレベルSHoが基準レベルとして
ホールドされる。このため、地絡事故が発生している間
はレベル比較器40からは“1"の信号が継続して出力され
ることになる。このとき端子1Aの信号は遮断器などを制
御するためのコントローラに入力され、事故信号の発生
によって遮断器などを遮断するための制御が実行され
る。さらにこのときにはタイマ48の出力がS相及びT相
のORゲートに入力されており、S相、T相のサンプルホ
ールドも地絡事故発生時点T1におけるレベルを基準レベ
ルとしてホールドすることになる。
地絡事故が回復すると、時間T2から遅延回路42の出力
レベルは徐々に低下するが、遅延回路42の出力レベルが
地絡事故発生前の基準レベルSHoに戻るまでタイマ48の
出力は“1"のままに保持される。そして時間T2から一定
時間Tが経過した時間T3において、タイマ48の出力が
“0"に反転し、サンプルホールド44に対してホールドの
解除が指令され、以後は遅延回路42の出力がそのまま演
算器38に入力される。
このように、本実施例によれば、配電線10に残留電気
量が存在している場合でも、この残留成分を基準レベル
とし、この基準レベルからの変化分を検出し、この変化
分の検出値が設定レベルVeを越えたときに地絡事故が発
生したこととしているため、配線線10の残留電気量のレ
ベルに左右されることなく、地絡事故を確実に検出する
ことができる。さらに、零相電流Ioと線間電圧との乗算
値から地絡事故を検出しているため、地絡事故の発生し
た方向も判別することが可能となる。例えば、継電器12
を複数個配電線10に設置し、地絡事故発生時にいずれの
継電器12が地絡事故を検出したかにより地絡事故の発生
方向を判別することが可能となる。
又本実施例によれば、地絡事故が発生した後もタイマ
48の出力を“1"に保持しているため、地絡事故が回復し
た後サンプルホールド44の基準レベルとして高いレベル
を保持することなく、地絡事故が回復した後次に地絡事
故が続いて発生しても、地絡事故を確実に検出すること
ができる。さらに地絡事故の回復時に再び地絡事故が発
生したとして誤検出することも防止することができる。
即ち、タイマ48がない場合には第8図に示されるよう
に、R相で地絡事故が発生した後地絡事故が回復する
と、T相のレベルはプラス方向に変化するため、このレ
ベルが設定レベルVeを越えると、この信号によってT相
に地絡事故が発生したとしてT相のレベル比較器から事
故信号が発生することになる。このため、タイマ48を設
ければ、地絡事故が復帰されたときにローパスフィルタ
34の出力がプラス方向に変化した場合でも地絡事故を誤
検出するのを防止することができる。
又、前記実施例には各相のタイマ48の出力が他相のOR
ゲート46に入力されているので、いずれかの相で地絡事
故を検出したときには、各相のサンプルホールド34が同
時にホールド及びホールド解除作動を行うことになる。
このため、いずれかの相で地絡事故を検出したときに、
他の相の誤動作するのを防止することができる。
次に、本発明の他の実施例を第9図及び第10図に基い
て説明する。
本実施例は、ローパスフィルタ34の出力側にバンドパ
スフィルタ50、レベル比較器40,52、フリップフロップ5
4を設け、フリップフロップ54の出力をタイマ48及び端
子1Aへ出力するようにしたものであり、他の構成は前記
実施例と同様である。
バンドパスフィルタ50は振動減衰のない非振動タイプ
のバンドパスフィルタであり、Qとして0.7以下の特性
を有するもので構成されている。バンドパスフィルタ50
は直流成分をカットするため、ローパスフィルタ34から
第10図の(A)に示されるような信号が入力されると、
信号のレベルが変化したときのみ信号を発生し、信号の
レベルが一定したときには直流成分をカットし、(B)
に示されるような信号を出力するようになっている。そ
してバンドパスフィルタ50の出力レベルがプラスの設定
レベル+Veを越えたときには、レベル比較器40から事故
信号として“1"の信号が出力され、フリップフロップ54
がセットされる。これによりフリップフロップ54からは
事故信号として“1"の信号が出力されることになる。
一方、地絡事故が回復したときには、バンドパスフィ
ルタ50の出力レベルがマイナス側に変化し、そのレベル
がレベル比較器52のマイナスの設定レベル−Ve以下にな
るとフリップフロップ54がリセットされ、フリップフロ
ップ54からは“0"の信号が出力される。なお、タイマ48
からは、フリップフロップ54のレベルが“0"になった後
一定時間経過したときに、そのレベルが“0"に変化する
ことになる。
本実施例においても、前記実施例と同様に配電線10の
残留電気量のレベルに左右されることなく地絡事故を確
実に検出することができる。
又、前記各実施例においては、零相電流Ioと線間電圧
との乗算値を基に地絡事故の検出を行うものについて述
べたが、零相電圧Voと線間電圧の乗算値を基に地絡事故
を検出することも可能である。さらに零相電流Ioを検出
するために、零相電流を検出するものについて述べた
が、線電流から零相電流を検出する代わりに、零相電流
検出器ZCTを用いてZCTから直接零相電流を検出すること
も可能である。
又前記各実施例において、レベル比較器40又はフリッ
プフロップ54の出力を監視して事故信号の発生が一定時
間以上継続されたときには、タイマ48の出力を強制的に
“0"にするホールド解除指令手段を設ければ、地絡事故
が回復された後配電線10の系統の状態によって残留電気
量のレベルが地絡事故発生前のレベルよりも増加した場
合でも、増加したレベルを基準レベルとしてサンプルホ
ールド44を元の状態に復帰させることができる。
例えば、第4図の演算器38の出力側にレベル比較器4
0,52を接続し、各レベル比較器40,52の出力をそれぞれ
出力端子に接続すると共にORゲートを介してタイマ48に
接続し、ローパスフィルタ34の出力レベルを各レベル比
較器40,52で判定するようにすれば、地絡事故の発生場
所によって零相電流Ioの値がプラス又はマイナスになっ
ても、地絡事故の発生方向を判定できる。すなわち、地
絡事故の発生によってローパスフィルタ34の出力がプラ
ス側に変化したときには、レベル比較器40により地絡事
故を検出でき、マイナス側に変化したときにはレベル比
較器52の出力によって地絡事故を確実に検出することが
でき、レベル比較器40,52の出力を基に方向を判別する
ことが可能となる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、配電系統の残
留電気量を基準レベルとし、この基準レベルからの変化
分を検出し、この検出レベルが設定レベルを越えたとき
に地絡事故として検出するようにしたため、配電線に残
留電気量が存在しても、この残留電気量のレベルに左右
されることなく地絡事故を確実に検出することができ
る。
又地絡事故が回復されたときにも一定時間ホールド指
令の発生を継続し、その後ホールドを解除するようにし
たため、地絡事故の回復時に事故相以外の相が誤動作す
るのを防止することができる。
事故信号の発生が一定時間以上継続されているときに
は、ホールド状態を強制的に解除させるようにしたた
め、地絡事故の復帰時に残留電気量のレベルが変化して
も、変化したレベルを基準レベルとして元の状態に復帰
することができる。
又事故信号発生手段として、偏差算出手段の出力がプ
ラスの設定レベルを越えたか否かを判定するレベル比較
器と、偏差算出手段の出力がマイナスの設定レベルを越
えたか否かを判定するレベル比較器を設ければ、地絡事
故の発生方向を簡単に判別することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す全体構成図、第2図は
演算部の構成図、第3図は検出部の構成図、第4図はレ
ベル記憶部の構成説明図、第5図はローパスフィルタの
出力波形を示す波形図、第6図は配電系統の残留電気量
を示すベクトル図、第7図は第4図の各部の波形図、第
8図はタイマ48がないときの各部の波形図、第9図は本
発明の他の実施例を示す要部構成図、第10図は第9図の
動作を説明するための波形図である。 10…配電線、12…地絡方向継電器、14…演算部、16,18,
20…検出部、34…ローパスフィルタ、36…レベル記憶
器、38…演算器、40…レベル比較器、42…遅延回路、44
…サンプルホールド、46…ORゲート、48…限時復帰タイ
マ、50…バンドパスフィルタ、52…レベル比較器、54…
フリップフロップ。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配電線の各相の対地電圧を検出する対地電
    圧検出手段と、対地電圧検出手段の検出出力から各相の
    線間電圧を算出する線間電圧算出手段と、配電線の各相
    の相電流を検出する相電流検出手段と、相電流検出手段
    の検出出力から零相電流を検出する零相電流検出手段
    と、線間電圧算出手段の出力と零相電流検出手段の出力
    とを乗算する乗算手段と、乗算手段の出力から直流成分
    を抽出するフィルタ手段と、フィルタ手段の出力を一定
    時間遅延する遅延手段と、遅延手段の出力とフィルタ手
    段の出力との偏差を算出する偏差算出手段と、偏差算出
    手段の出力が設定レベルを越えているときに事故信号を
    発生する事故信号発生手段とを有する変化幅検出装置。
  2. 【請求項2】配電線の各相の対地電圧を検出する対地電
    圧検出手段と、対地電圧検出手段の検出出力から各相の
    線間電圧を算出する線間電圧算出手段と、配電線の各相
    の相電流を検出する相電流検出手段と、相電流検出手段
    の検出出力から零相電流を検出する零相電流検出手段
    と、線間電圧算出手段の出力と零相電流検出手段の出力
    とを乗算する乗算手段と、乗算手段の出力から直流成分
    を抽出するフィルタ手段と、フィルタ手段の出力を一定
    時間遅延する遅延手段と、ホールド指令によりホールド
    指令入力時の遅延手段出力をホールドして出力し、ホー
    ルド解除指令により遅延手段出力をそのまま出力するホ
    ールド手段と、遅延手段の出力とホールド手段の出力と
    の偏差を出力する偏差算出手段と、偏差算出手段の出力
    が設定レベルを越えているときに事故信号を発生する事
    故信号発生手段と、事故信号を受け、事故信号の発生中
    ホールド指令を出力し、事故信号の発生が停止されたと
    きには一定時間ホールド指令の発生を継続してその後ホ
    ールド解除指令を出力するホールド指令手段とを有する
    変化幅検出装置。
  3. 【請求項3】配電線の各相の対地電圧を検出する対地電
    圧検出手段と、対地電圧検出手段の検出出力から各相の
    線間電圧を算出する線間電圧算出手段と、対地電圧検出
    手段の出力から配電線の零相電圧を検出する零相電圧検
    出手段と、線間電圧検出手段の出力と零相電圧検出手段
    の出力とを乗算する乗算手段と、乗算手段の出力から直
    流成分を抽出するフィルタ手段と、フィルタ手段の出力
    を一定時間遅延する遅延手段と、遅延手段の出力とフィ
    ルタ手段の出力との偏差を算出する偏差算出手段と、偏
    差算出手段の出力が設定レベルを越えているときに事故
    信号を発生する事故信号発生手段とを有する変化幅検出
    装置。
  4. 【請求項4】配電線の各相の対地電圧を検出する対地電
    圧検出手段と、対地電圧検出手段の検出出力から各相の
    線間電圧を算出する線間電圧算出手段と、対地電圧検出
    手段の出力から配電線の零相電圧を検出する零相電圧検
    出手段と、線間電圧検出手段の出力と零相電圧検出手段
    の出力とを乗算する乗算手段と、乗算手段の出力から直
    流成分を抽出するフィルタ手段と、フィルタ手段の出力
    を一定時間遅延する遅延手段と、ホールド指令によりホ
    ールド指令入力時の遅延手段出力をホールドして出力
    し、ホールド解除指令により遅延手段出力をそのまま出
    力するホールド手段と、遅延手段の出力とホールド手段
    の出力との偏差を出力する偏差算出手段と、偏差算出手
    段の出力が設定レベルを越えているときに事故信号を発
    生する事故信号発生手段と、事故信号を受け、事故信号
    の発生中ホールド指令を出力し、事故信号の発生が停止
    されたときには一定時間ホールド指令の発生を継続して
    その後ホールド解除指令を出力するホールド指令手段と
    を有する変化幅検出装置。
  5. 【請求項5】各相のホールド指令手段とホールド指令手
    段との間に入力信号の論理和に従った信号をホールド手
    段へ出力するゲート手段を有し、各相のホールド指令手
    段の出力が自己のゲート手段と他相のゲート手段の入力
    に接続されている請求項2又は4記載の変化幅検出装
    置。
  6. 【請求項6】遅延手段としてバンドパスフィルタを用い
    てなる請求項1,2,3又は4記載の変化幅検出装置。
  7. 【請求項7】事故信号の発生を監視して、事故信号の発
    生が設定時間以上継続されたときにはホールド指令手段
    にホールド解除指令を強制的に出力させるホールド解除
    指令手段を有する請求項2,4,5又は6記載の変化幅検出
    装置。
  8. 【請求項8】事故信号発生手段は、偏差算出手段の出力
    がプラスの設定レベルを越えたときに事故信号を発生す
    るレベル比較器と、偏差算出手段の出力がマイナスの設
    定レベルを越えたときに事故信号を発生するレベル比較
    器とから構成されている請求項1,2,3,4,5,6又は7記載
    の変化幅検出装置。
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