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JP2912896B1 - 白金抵抗温度計の検出素子の製造方法及びその方法で製造された検出素子 - Google Patents

白金抵抗温度計の検出素子の製造方法及びその方法で製造された検出素子

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JP2912896B1
JP2912896B1 JP10029752A JP2975298A JP2912896B1 JP 2912896 B1 JP2912896 B1 JP 2912896B1 JP 10029752 A JP10029752 A JP 10029752A JP 2975298 A JP2975298 A JP 2975298A JP 2912896 B1 JP2912896 B1 JP 2912896B1
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豊如 荘
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Abstract

【要約】 【課題】 白金抵抗温度計の検出素子の製造方法および
その方法で製造された検出素子を提供する。 【解決手段】 シリコン基板31上に、二酸化ケイ素層
32をマスクとした化学的エッチングによって所定パタ
ーンの溝34が形成される。マスク除去後、シリコン基
板31は熱酸化され、溝34を含めた基板上に二酸化ケ
イ素層35が成長する。この二酸化ケイ素層35は、溝
34の粗い表面の部分と元の研磨された基板表面の部分
とに分けられる。スパッタリングが施され、白金層36
が二酸化ケイ素層35の表面に堆積され、基板31は軽
い研磨を受ける。基板表面に堆積した白金層36は接着
性が低いため容易に除去されるが、溝34に堆積した白
金層36は堅く付着しており除去されない。このため溝
34に残った白金層部分によって、実質上溝34のパタ
ーンと同様の白金回路37のパターンが形成される。さ
らに熱処理、配線等の後工程が行われ、白金抵抗検出素
子が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、白金抵抗温度計の
検出素子の製造方法及びその方法で作られた検出素子に
関する。
【0002】
【従来の技術】抵抗温度計装置(RTD)はその“検出
素子”の抵抗を温度に関係付けることによって温度を計
測する。RTD検出素子は主に金属又は合金からなる回
路を含み、その金属又は合金の抵抗値は温度に依存す
る。検出素子の抵抗値は絶対温度とほぼ正比例の関係を
なし、その比例定数はRTDの抵抗温度係数(TCR)
と定義する。即ち、高いTCR値を有するRTDは低い
TCR値を有するものよりも感度が高い。尚、周知の通
り、その回路を構成する金属又は合金の中にある不純物
の濃度が高いほど、そのTCR値が低い。
【0003】白金は化学的不活性及び物理的安定性を有
するため、重要な抵抗値及び温度を計測する装置と考え
られる。尚、検出素子回路の材料として、白金が高いT
CR値を有し、構成してなるRTDは温度変化に対する
感度が高いというメリットがある。
【0004】また、白金回路の抵抗値は−200〜10
00℃の範囲で、絶対温度にほぼ正比例するため、前記
温度範囲で容易に正確な温度を求めることができる。従
って、白金抵抗温度計の研究に従事する人も多いし、そ
の利用範囲も広い。前述した白金抵抗温度計の仕様がJ
IS C−1604、DIN 43760、及びIEC
Pub.751等に示され、中にもDIN 4376
0が標準として最も広く採用され、その白金抵抗温度計
のTCR値が3850ppm(℃)-1である。
【0005】同じ白金回路でも形の違いによってそのT
CR値が違う。詳細に、薄膜白金回路をバルク白金回路
に比べたら、前者のTCR値が後者より低く、これがい
わゆる“バルク効果”である。従って、バルク白金回路
を備える白金RTDの感度が薄膜白金回路を備える白金
RTDよりも優れている。
【0006】しかし、白金そのものが高価なものである
し、白金検出素子の製造コストが高いので、従来の白金
RTDは非常に高い。典型的に、従来の白金RTDは、
誘電体層の表面で白金検出素子の回路パターンを形成す
ることによって製造する。その欠点は、純白金が大部分
の誘電体材料に対して悪い接着性を示し、誘電体基板の
表面に堆積している白金回路パターンが表面から容易に
分離されることである。一部の誘電体材料は白金に対し
て良好な接着性を示すが、それぞれ欠点がある。例えば
シリコン基板は、安価で、良い平滑度を有し、かつ処理
が簡単であるというメリットを有するとはいえ、白金−
シリコン合金が高温熱処理の過程に形成されるため、検
出素子の特性に悪影響をもたらす。二酸化ケイ素基板は
安価であるが、白金と良好な接着性を提供できない。ア
ルミナ基板は高価でないし、耐熱性を有し、白金と素晴
らしい接着性を有するが、その凸凹な表面は微細なパタ
ーンを形成するのに支障になる。この凸凹な表面は研磨
で平滑化することができるが、高い硬度を有するアルミ
ナ基板を研磨することは基板材料のコストの大幅な増大
につながる。サファイア基板は、良好な耐熱性及び平滑
度を有し、白金と良好な接着性を有するというメリット
があるが、非常に高価であり、また小さいチップに切削
し難いという欠点がある。故に、典型的な白金抵抗温度
計は特殊な製造過程及び/又は設備を利用して誘電体材
料の表面で白金パターンを形成することによって作られ
るため、製造コストが高くなる。
【0007】上記の問題を解決するため、ある特殊な白
金RTDが米国特許番号4,129,848に示され
た。図1(a)に示す如く、酸素を含む環境の中で基板
11を加熱することにより、二酸化ケイ素層12を基板
11の上表面で成長させる。二酸化ケイ素層12のさら
された表面は、スパッタエッチングで凸凹化され、よっ
てさらされた表面から下へ延び、基板11までは届かな
い複数の極微の穴が生じる(図1(b))。次に、白金
層13が2ステップ過程で二酸化ケイ素層12の表面に
スパッタリング堆積される。二酸化ケイ素層12と白金
層13との間にある凸凹化されたインターフェースのた
め、白金層13の二酸化ケイ素層12に対する接着性が
良くなる(図1(c))。次に、水晶層がスパッタリン
グで白金層13の上に堆積され、そして化学的エッチン
グ用のフォトレジスト・マスクを塗る。化学的エッチン
グされた水晶層は望ましい白金回路パターンと同様なポ
ジパターンを有する水晶マスク14を形成する(図1
(d))。さらされた白金層13と水晶マスク14の一
部がスパッタエッチングでエッチングされ、結果として
白金が予定のパターンで(即ち、白金回路パターン1
5)水晶マスク14に保護される。続いて、水晶マスク
14が取り去られ、そして熱処理のような後続の手順が
進められる。しかし、スパッタエッチング手順は不純物
を導入しやすいので、白金パターンの端の解像度がぼん
やりする。すなわち、二酸化ケイ素のスパッタエッチン
グは二酸化ケイ素分子を不純物として白金の中に堆積さ
せ、よって白金構造は影響されて端の解像度が劣化す
る。尚、スパッタエッチング手順の選択性が悪いので、
二酸化ケイ素層12のさらされた表面もエッチングされ
てしまう。前述したように、導入された不純物が白金検
出素子のTCR値を下げるので、高いTCR値を維持す
るため、高純度の白金回路が必要である。
【0008】商品化された白金抵抗温度計において、一
般に白金回路はアルミナのような誘電体基板の表面に配
置される。これは、アルミナの白金に対する接着性が素
晴らしいからである。米国特許番号4,805,296
には白金抵抗温度計を製造する方法が示されており、そ
こでは、白金層はスパッタでシリコン基板の表面にある
アルミナ膜の上に堆積され、白金回路パターンもスパッ
タエッチングによって形成される。しかし、望ましくな
い区域の白金膜をマスクによってエッチングするのは、
必要な精度及び均一性を有するパターンが得られないと
いう問題を起こす。尚、エッチング手順が終了する前、
マスク層が劣化しがちであり、不純物が白金の中に導入
される傾向がある。したがって、大部分の白金抵抗温度
計に関連ある特許(例えば、米国特許番号405005
2、4103275、4469717、462790
2、及び4649364)では白金及び基板の処理条件
のみが述べられており、白金パターンを形成するための
詳細な手順については示されていない。
【0009】スパッタエッチング・マスクを使用しない
で白金抵抗温度計を形成する方法は米国特許番号508
9293に示されており、そこでは、白金に対して素晴
らしい接着力を備えるアルミナ(又はサファイア)基板
が使われる。図2(a)に示すように、離昇媒体(lift
off medium)と呼ばれる二酸化ケイ素層22が基板21
の上表面に堆積される。望ましいパス・パターンがフォ
トレジストに露出し、フォトレジストが現像された後、
フォトレジスト・パターン24が形成され、よって二酸
化ケイ素層22の上表面にあるフォトレジストにストリ
ップ・パターンを残す(図2(b))。下にある二酸化
ケイ素層22において、フォトレジスト・パターン24
に保護されていない区域が化学的エッチングされ、よっ
て望ましいパズができる。即ち、基板21の上表面に白
金回路パターン堆積用の正パターンができる(図2
(c))。フォトレジスト・パターン24が残りの負パ
ターンされた二酸化ケイ素層22から完全に取り去られ
た後、白金の堆積の用意ができた(図2(d))。次
に、白金がスパッタによって負パターンされた二酸化ケ
イ素層22及び基板21の露出した表面の上で堆積さ
れ、白金層23を形成する(図2(e))。二酸化ケイ
素層22の厚さが少なくとも白金層23の1.3〜1.
5倍である。図2(f)を参照し、二酸化ケイ素層22
の側面にある相互連結段23Aが二酸化ケイ素層22の
上にある白金層と基板21の上にある白金層とを連結す
る。この相互連結段23Aが多孔性の薄膜構造になるよ
う堆積条件が制御される。尚、相互連結段23Aはエッ
チング溶液がその薄膜を通過できるように、十分に多孔
性である。次に、フッ化水素酸が入れられ、基板21と
白金層23との間にある二酸化ケイ素層22の残りの部
分をエッチングする。すべての二酸化ケイ素層22がエ
ッチングされた後、白金層における二酸化ケイ素層の上
にある部分が白金層における基板21の上にある部分
と、相互連結段23Aの区域で機械的に分離できる。基
板21の上に堆積される白金層が基板表面に固く結合す
るので、抵抗温度計の白金回路パターン25が基板21
の表面に形成される(図2(g))。上記の手順におい
て、白金に対する汚染がないように、適切な材料及び処
理手順を決める。
【0010】前記米国特許番号5089293に示され
る方法により、予定の白金パターン及び純白金回路を有
する白金抵抗温度計が得られる。しかし、基板の材料と
してアルミナ及びサファイアを採用し、その硬度が非常
に高いため、アルミナ及びサファイアそのものに対する
処理が難しいし、後続の手順及び処理も難しい。また、
多孔性白金薄膜を通って妨げられる離昇媒体をエッチン
グするのは特殊な製造手順及び設備が必要で、製造コス
トがよって増える。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記先行技術から、も
し半導体工業で一般に用いられる標準の手順及び設備で
高純度の白金回路を備える白金検出素子を一括製造(ba
tch producing )することができれば、その白金検出素
子の製造コストが大幅に下げられ、白金検出素子の値段
もよって大幅に低くなる。尚、シリコン基板を用いる場
合、白金検出素子と他の集積回路が単一チップで作られ
ることができ、よってRTDの組み立てが簡易化され、
サイズも縮小される。
【0012】本発明の目的は、白金抵抗温度計の検出素
子を製造する方法として、この検出素子を、半導体工業
で一般に採用される材料及び製造手順を利用して、例え
ばシリコン基板の上で形成する方法を提供することであ
る。またこの方法で製造された白金抵抗温度計の検出素
子を提供するものである。これにより、その製造コスト
が大幅に下げられ、構成してなる白金抵抗温度計の値段
も下がる。
【0013】また、白金抵抗温度計のTCR値が高くな
るよう、高純度の白金回路を形成すし、さらに、白金抵
抗温度計の感度が高くなるよう、バルク白金回路を備え
る検出素子を形成することも本発明の目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の実施例では、白
金抵抗検出素子の基板としてシリコン・ウェーハを用い
る。まず、マスクとして二酸化ケイ素層を用いて化学的
エッチングすることにより、望ましい回路パターンを有
する溝がシリコン基板の上に形成される。次に、前記マ
スクが取り去られ、上表面に溝があるエッチングされた
シリコン基板が熱酸化され、シリコン基板及び溝の上に
二酸化ケイ素の層を成長させる。この二酸化ケイ素層は
二つの部分、すなわち溝の凹んだ粗い表面に成長された
凹面の部分と元の研磨された基板の表面に成長された平
滑な部分とに分けることができる。次に、スパッタリン
グが施され、白金層が二酸化ケイ素層の表面に堆積され
る。そして、上に二酸化ケイ素層のある基板部分と上に
白金層のある基板部分とは軽い研磨を受ける。白金は平
滑な二酸化ケイ素層の表面に対しては接着性が悪いの
で、二酸化ケイ素層の平滑な部分に堆積された白金層は
二酸化ケイ素層から容易に取り除かれる。一方、二酸化
ケイ素層の凹んだ部分の上に堆積された白金層は前記溝
のため、二酸化ケイ素層に堅く付着し、すなわち、白金
層は凹んだ部分の粗面に対しては接着性が良い。溝の中
にある白金層部分が実質上溝のパターンと同様な白金回
路パターンを形成する。次に、熱処理及び配線のような
後続の手順が行われてから、白金抵抗検出素子が形成さ
れる。
【0015】尚、溝の横断面がV形になる(V溝と呼
ぶ)ように特定のエッチング溶液を用いることによっ
て、V溝の中に堆積される白金が溝の表面に一様に広が
る代わりに、溝の底に蓄積しやすくなる。この結果、実
質上バルク構造を有する白金回路が形成されるので、白
金抵抗検出素子のTCR値が高くなり、白金RTDの感
度も向上される。
【0016】本発明に係る白金抵抗検出素子のメリット
を以下に述べる。まず、半導体工業で広汎に採用される
シリコン基板がかなり安価で、豊富に供給でき、素晴ら
しい平滑度を有し、詳しく研究され、容易に処理でき
る。次に、シリコンの物理的特性及び化学的特性が適切
に定義される。尚、本発明による白金抵抗検出素子の製
造設備がすべて半導体工業で一般に採用され、製造手順
もすべて一般の手順であるため、設備のコスト及び開発
の経費は両方とも随分減少される。更に、一様な品質を
有する白金抵抗検出素子は一括製造で量産することがで
きるため、製造コストが一層に減少される。尚、本発明
に係る白金抵抗温度計の白金回路は製造過程において汚
染されないため、白金RTD検出素子のTCR値を精密
に決めることができ、バッチ変動も随分減少される。ま
た、特殊な溝構造でバルク白金回路が得られ、よって白
金抵抗温度計のTCR値が一層に増える。さらに、本発
明が先行技術と異なるのは、本発明に係る白金抵抗温度
計の白金回路が基板の表面から下へ延びる溝の中に配置
されるのに対して、先行技術に係る白金抵抗温度計の白
金回路は基板の表面より上の方に配置される点である。
したがって、本発明は研磨のような機械的な方法で白金
層の望ましくない部分を取り去ることによって、簡単に
白金回路パターンを形成することができ、さらにその白
金回路は溝構造によって保護される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施例を説明する。図3(a)及び図3(b)に示すよう
に、まず、二酸化ケイ素層32がシリコン基板31の表
面に形成される。次に、望ましい白金回路パターンの負
パターンと実質上同様なフォトレジスト・パターン33
が二酸化ケイ素層32の表面に形成される。フォトレジ
スト・パターン33をマスクとして使うことにより、二
酸化ケイ素層32におけるフォトレジスト・パターン3
3に保護されない部分がエッチングされる。従って、コ
ンタクト・ホールが二酸化ケイ素層32に形成され、シ
リコン基板31の表面の一部が前記コンタクト・ホール
によって露出する。エッチングが行われた後、図3
(c)に示すように、シリコン基板31の露出した表面
が望ましい白金回路パターンと実質上同様である。
【0018】次に、フォトレジスト・パターン33及び
エッチングされた二酸化ケイ素層32をマスクとしてシ
リコン基板31の表面にエッチングを施す。方向依存的
にシリコン基板31をエッチングするように、特殊なエ
ッチング溶液(例えば、水酸化カリウムを含む溶液)が
用いられる。このエッチング溶液の(100)面シリコ
ンに対するエッチング・レートは(111)面シリコン
に対するものよりもずっと大きいので、V溝(横断面が
“V”の形をする溝)がシリコン基板31の表面に形成
される(図3(d))。方向依存のエッチング手順を利
用してV溝を形成する理由は後で述べる。前述した溝は
V字形を例とするが、この形に限られるものではない。
エッチング手順が行われた後、シリコン基板31の表面
上にあるマスクが取り去られ、V溝34を有するシリコ
ン基板が得られる(図3(e))。図3(e)の部分拡
大図である図4に示すように、シリコン基板31の表面
が二つの部分、すなわち、元シリコン基板31の滑らか
な表面31AとV溝34の凹んだ表面31Bとに分かれ
る。凹んだ表面31Bはエッチングによって形成される
ため、その表面が粗い。
【0019】次に、エッチングを経たシリコン基板31
は加熱炉の中にある高温酸素によって熱酸化され、よっ
て熱酸化物(二酸化ケイ素層35)が誘電体層としてそ
の表面に成長する(図3(f))。二酸化ケイ素以外で
も、誘電体層としてその他の誘電材料、例えば、窒化ケ
イ素Si34によって形成してもよい。続いて、シリコ
ン基板31及びその上にある二酸化ケイ素層35は、不
純物が取り去られるように処理を受け、白金の汚染物が
よって最小限にされる。V溝34の横断面は依然として
“V”の形をする。次に、図3(g)に示すように、白
金はスパッタリングによって二酸化ケイ素層35の表面
に堆積され、白金層36になる。図5は図3(g)の部
分拡大図であり、白金層36、二酸化ケイ素層35及び
シリコン基板31の詳細な構造を示す図である。図5に
示すように、シリコン基板31の滑らかな表面31Aか
ら成長した二酸化ケイ素は滑らかな部分35Aである。
一方、シリコン基板31の粗い凹面31Bから成長した
二酸化ケイ素は粗い凹面35Bである。白金層36にお
ける滑らかな表面35Aの上に堆積された部分が平らな
薄膜になり、一方、白金層36におけるV溝34の中に
堆積された部分は、凹面35Bの上に均等に分布するよ
り、むしろV溝34の底に蓄積しやすい。V溝34の底
に蓄積した白金層36が実質上バルク構造をする。
【0020】次に、前記白金被覆したシリコン基板31
は軽い研磨を受ける。適切なスラリー及び研磨パッドを
選ぶことにより、研磨を受けた白金は汚染物を含まな
い。白金層36における滑らかな表面35Aの上にある
部分は二酸化ケイ素層35に緩く付着し、かつ直接前記
スラリー及び研磨パッドにさらされるため、容易にこす
り落とされる。一方、白金層36におけるV溝34の上
にある部分は、その凹面35Bが粗い表面を有するた
め、凹面35Bに堅く付着し、また、V溝34によって
保護されるため、直接研磨パッドにさらされない。従っ
て、研磨が施されても依然として凹面35Bに付着す
る。図6に示すように、上述したプロセスによって、白
金層36の望ましくない部分は簡単に基板から取り除く
ことができる上、残りの白金層(凹面35Bに付着する
部分)すなわち白金回路37を形成する部分は汚染され
ない。尚、形成された白金回路37のパターンは実質上
V溝34のパターン、つまり望ましい白金回路パターン
と同様である。この白金回路37は実質上バルク構造を
するため、本発明に基づく白金抵抗温度計のTCR値が
高くなり、その感度がよって素晴らしい。
【0021】図7は本実施例に係る白金抵抗温度計の白
金回路の全体図である。図7においいて、白金回路37
の両端はボンディングパッド38であり、白金回路37
はボンディングパッド38を介して外部回路に接続され
る。
【0022】前述したメリット以外、本発明に係る白金
抵抗温度計は、一般の集積回路技術によってシリコン基
板の上に回路が形成されるので、そのサイズは小さくな
り、したがって、回路の集積性が向上する。
【0023】シリコン基板を利用し、本発明に係る白金
抵抗検出素子及びその他の集積回路を単一チップに形成
することができる。さらに、白金配線の線幅が細くなる
とともに、その切断手順が容易になる。
【0024】さらに、白金回路37はV溝34の中に隠
れるため、熱処理およびボンディングのような後続の手
順において保護される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(e)は従来の白金抵抗温度計の白金
回路が形成されるまでの各工程における断面図である。
【図2】(a)〜(g)は他の従来の白金抵抗温度計の
白金回路が形成されるまでの各工程における断面図であ
る。
【図3】(a)〜(h)は本発明の一実施例に係る白金
抵抗温度計の白金回路が形成されるまでの各工程におけ
る断面図である。
【図4】図3(e)の部分拡大図であり、V溝の粗い表
面を示す図である。
【図5】図3(g)の部分拡大図であり、白金層、二酸
化ケイ素層及び基板の詳細な構造を示す図である。
【図6】図3(h)の部分拡大図であり、本発明の一実
施例に係る白金回路の断面の一部を示す図である。
【図7】本発明の一実施例に係る白金抵抗温度計の白金
回路の全体斜視図である。
【符号の説明】
11 基板 12 二酸化ケイ素層 13 白金層 14 水晶マスク 15 白金回路パターン 21 基板 22 二酸化ケイ素層 23 白金層 24 フォトレジスト・パターン 25 白金回路パターン 31 シリコン基板 32 二酸化ケイ素層 33 フォトレジスト・パターン 34 V溝 35 二酸化ケイ素層 36 白金層 37 白金回路 38 ボンディングパッド

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白金抵抗温度計の検出素子を製造する方
    法において、 基板の表面に実質上その検出素子の白金回路の負パター
    ンと同様なパターンを有するマスクを形成するステップ
    と、 前記マスクの開口部を通して前記基板の表面に、実質上
    その検出素子の白金回路の正パターンと同様なパターン
    を有する溝が形成されるように、前記基板をエッチング
    するステップと、 前記基板から完全に前記マスクを除去するステップと、 前記基板の表面に、前記溝の表面上にある第一部分及び
    その他の表面上にある第二部分に分けられる誘電体層を
    形成するステップと、 前記誘電体層の第一部分及び前記誘電体層の第二部分の
    表面に、それぞれ第一白金層及び第二白金層との白金薄
    膜を堆積するステップと、 前記第二白金層が除去され、前記第一白金層が前記誘電
    体層の第一部分に付着するように、前記基板を研磨する
    ことにより、前記検出素子の白金回路を形成するステッ
    プとを備えていることを特徴とする白金抵抗温度計の検
    出素子を製造する方法。
  2. 【請求項2】 前記基板は、シリコン基板であることを
    特徴とする請求項1記載の白金抵抗温度計の検出素子を
    製造する方法。
  3. 【請求項3】 前記誘電体層は、二酸化ケイ素層又は窒
    化ケイ素層であることを特徴とする請求項2記載の白金
    抵抗温度計の検出素子を製造する方法。
  4. 【請求項4】 前記溝の断面は、V字形であることを特
    徴とする請求項1記載の白金抵抗温度計の検出素子を製
    造する方法。
  5. 【請求項5】 白金抵抗温度計の検出素子を製造する方
    法において、 誘電体基板の表面に実質上その検出素子の白金回路の負
    パターンと同様なパターンを有するマスクを形成するス
    テップと、 前記マスクの開口部を通して前記誘電体基板の表面に、
    実質上その検出素子の白金回路の正パターンと同様なパ
    ターンを有する溝が形成されるように、前記誘電体基板
    をエッチングするステップと、 前記誘電体基板から完全に前記マスクを除去するステッ
    プと、 前記誘電体基板の表面で、前記溝に対応する第一部分及
    びその他である第二部分にそれぞれ第一白金層及び第二
    白金層との白金薄膜を堆積するステップと、 前記第二白金層が除去され、前記第一白金層が前記誘電
    体基板の第一部分に付着するように、前記誘電体基板を
    研磨することにより、前記検出素子の白金回路を形成す
    るステップとを備えていることを特徴とする白金抵抗温
    度計の検出素子を製造する方法。
  6. 【請求項6】 前記溝の断面は、V字形であることを特
    徴とする請求項5記載の白金抵抗温度計の検出素子を製
    造する方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の方法によって製造された
    白金抵抗温度計の検出素子。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の方法によって製造された
    白金抵抗温度計の検出素子。
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