JP2909820B2 - 交流無停電電源装置による負荷起動方法 - Google Patents
交流無停電電源装置による負荷起動方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
(利用分野)
本発明は交流無停電電源装置を用いた負荷起動方法に
関する。 (従来技術) 最近の通信および情報処理装置などにおいては、瞬時
の停電も許されないものが多く、極めて信頼度の高い電
源として、交流無停電電源装置が一般に広く使用されて
いる。 第1図および第2図は、それぞれ従来の交流無停電電
源装置の概要構成図を示すブロック図であり、各図にお
いて同一の符号は同一または同等部分をあらわしてい
る。 第1図の交流無停電電源装置において、商用電源1が
正常な場合、充電器2は、商用電源を整流して、蓄電池
4を充電する。同時に前記商用電源1は、制御装置10を
介して逆変換装置3を動作させる。このようにして、前
記逆変換装置3によって所定の電圧と周波数に変換され
た交流電力は、スイッチ6を経て負荷7に供給される。
なお、このスイッチ5は開かれている。 また逆変換装置3が故障した場合には、スイッチ6を
開路するとともに、スイッチ5を閉路する。これにより
商用電源1から直接負荷7に交流電力が供給される。 商用電源1が停電した場合には、充電器2からの蓄電
池4への充電は無くなる。しかし、蓄電池4に畜えられ
たエネルギーによって、引続き逆変換装置3を動作させ
ることにより、負荷7に対しては瞬断することなく交流
電力が供給される。 しかしこの装置には以下のような欠点がある。 (1)商用電源1が正常な場合にも、負荷7に供給する
電力を得るため、充電器2と逆変換装置3を動作させな
ければならない。すなわち、常時、順変換および逆変換
の、2重の電力変換処理を行なわなければならないた
め、効率が著しく低下する。 (2)蓄電池4を充電しながら、逆変換装置3に電力を
供給するために大容量の充電器2を必要とする。 (3)充電器2と逆変換装置3とが負荷7に対して直列
に接続されるために総合信頼度が低下する。そして、こ
のいずれかが故障した場合、その修理が完了するまで、
負荷7は、定電圧が保証されていない商用電源1で直接
動作することになる。 (4)逆変換装置の故障時に、商用電源1から負荷7に
給電する方式をとる場合において、仮に逆変換装置の正
常運転時から商用電源電圧と逆変換装置出力電圧の位相
差を零に調整していたとしても、逆変換装置3の故障検
出は、その出力電圧の低下または電圧位相の遅れなど、
制御装置10において検知することによつて行なわれ、故
障検出が確認された後に、スイッチ6の開路、スイッチ
5の閉路が実行されるので、瞬断等を確実に防止するこ
とは不可能で、完全に並列冗長システムを構成すること
は出来ない。 (5)前記(3)および(4)の欠点を改善して高信頼
度電源を得るためには、更に予備の充電器および逆変換
装置を1組並列に待機運転するなどの冗長システムにす
る必要がある。 第2図は、商用電源1と逆変換装置3からの電力を合
成し、負荷7に安定な電力を供給するために、3巻線ト
ランス9を用いた構成である。3巻線トランス9は2つ
の磁気シャンツ96によって鉄心95を3つの部分を区画
し、中央の区画に第3巻線93(負荷7に接続される出力
巻線)を、両端の区画に第1巻線91(商用電源入力巻
線)および第2巻線92(逆変換装置入力巻線)をそれぞ
れ巻回したものである。 なお、この各区画の各巻線に接続される商用電源1、
逆変換装置3、出力7の配列は、無停電電源装置の性能
に影響を与えるので、その使用目的等により色々の組合
せが考えられている。 第2図において、商用電源1が正常な場合、その電力
は、スイッチ5→3巻線トランス9の第1巻線91→同第
3巻線93→電圧安定化回路8→負荷7の経路で商用電源
1から負荷へ伝達される。 一方逆変換装置からの電力は、充電器2→蓄電池4→
逆変換装置3→スイッチ6→3巻線トランス9の第2巻
線92→同第3巻線93→電圧安定化回路8→負荷7の経路
で負荷へ伝達される。 この場合、逆変換装置3の出力電圧の位相を、負荷7
の電圧位相と同相となるように制御することにより、逆
変換装置3から負荷7への電力は流れは零になり、逆変
換装置3は待機状態となる。 商用電源1が停電した場合には、蓄電池4からの電力
を、前述した逆変換装置3を通る経路へ、直ちに交流電
力に変換して負荷に供給することが出来る。 この構成は、前記第1図の装置の欠点を除去して、高
効率高信頼度および経済的な無停電電源装置を実現する
ものである。 しかしこの装置においては、逆変換装置の出力電圧位
相を負荷7の電圧位相と同相になるように制御している
ため、電源1の停電の際、そのままでは直ちに電力を逆
変換装置から負荷に供給することが出来ない。 この対策としては、商用電源1の停電検出の際に、直
ちに逆変換装置3の出力電圧位相を商用電源の位相まで
進めることができるような、移相回路を必要とする。 すなわち、具体的には、商用電源1の異常を瞬時に検
出し、それに応じて、逆変換装置3の出力電圧位相を急
速に進めるシーケンスが必要で、回路構成が複雑になる
とともに、その制御特性が検出感度や精度に依存するな
ど、信頼度を低下させる原因ともなっている。 (目的) 本発明は前述の欠点を除去するために行なわれたもの
で、その目的は、停電時に逆変換装置の位相シフトなど
の複雑な操作を必要とせず、したがって制御回路を簡単
化し、信頼度を向上させることができると共に、所要起
動電流の大きい負荷の起動に際しては、商用電源および
無停電電源装置の両方から並列的に給電可能にし、これ
ら両電源の所要容量を低減することのできる無停電電源
装置による負荷起動方法を提供することにある。 (概 要) 本発明は、鉄共振型定電圧装置および逆変換装置をリ
アクタンス成分を介して鉄共振型定電圧装置および負荷
に接続し、逆変換装置入の出力電力を商用電源の電圧と
同期させ、商用電源が正常な間は逆変換装置を待機運転
状態に保持して商用電源から負荷に給電し、又、商用電
源が断となったときは逆変換装置を負荷に接続して逆変
換装置から負荷に給電するように構成すると共に、特に
起動電流の大きい負荷を起動する場合、起動時には前記
逆変換装置を商用電源と並列運転することにより、前記
商用電源および逆変換器の両方から給電して負荷を起動
し、負荷が平常運転に移行した後に逆変換器を切り離す
ようにした点に特徴がある。 (実施例) 以下図面を参照して、本発明を詳細に説明する。 第3図は本発明に好適な交流無停電電源装置の一例の
構成を示すブロック図である。磁気シャントを有しな
い、通常の3巻線トランス90には、それぞれ第1巻線
(商用電源入力巻線)91、第2巻線(逆変換装置入力巻
線)92、および第3巻線(出力巻線)93が巻回されてい
る。第1巻線91とスイッチ5との間、および第9巻線92
とスイッチとの間には、それぞれインダクタンス11,12
が直列に接続されている。 商用電源が正常な場合、商用電源1からの電力はスイ
ッチ5→3巻線トランス90の第1巻線91→同第3巻線93
→電圧安定化回路8→負荷7の順に伝達される。 一方逆変換装置3からの電力は、蓄電池4→逆変換装
置3→スイッチ6→3巻線トランス90の第2巻線92→同
第3巻線93→電圧安定化回路8→負荷7の順に伝達され
る。 第4図は、第3図に示した3巻線トランスにおける電
力の流れと電圧の位相関係を説明するための等価回路図
である。 同図において、商用電源1の電圧Vac、および逆変換
装置3の出力電圧Vinは同一の周波数を有し、かつ負荷
7に印加される電圧−すなわち電圧安定化回路8の出力
電圧Voutの位相を基準として、それぞれφ1,φの位相差
を有するものと仮定する。 この仮定のもとでは、商用電源1からインダクタンス
L1を介して電圧安定化回路8および負荷7に供給される
電力P1ならびに、逆変換装置3からインダクタンスL2を
介して電圧安定化回路8および負荷7に供給される電力
P2は、それぞれ次の(1)、(2)式であらわされる。 P1=(Vac・Vout/ωL1)Sinφ1… …(1) P2=(Vin・Vout/ωL2)Sinφ2… …(2) 従って、前記位相差φ1,およびφ2をそれぞれ正(進
相)から負(遅相)まで変化させれば、P1およびP2で示
される電力の流れをさまざまに調整できる。 特に、位相差φ2が零のときは、逆変換装置3および
電圧安定化回路8の出力電圧VinおよびVoutの値にかか
わらず、前記(2)式のP2が0となる。すなわち逆変換
装置3と電圧安定化回路8および負荷7との間での電力
の授受はなく、逆変装置3は待機運転状態となる。これ
が第2図に示した従来装置の動作原理である。 第3図の例では、前記の位相差φ2をφ1と等しくす
る。即ち、商用電源1の正常時には、逆変換装置3の出
力電圧Vinの位相を電源電圧Vacの位相と同期させ、かつ
スイッチ6を開放した状態で、逆変換装置3は待機運転
状態におかれる。 電圧安定化回路8は、鉄共振定電圧回路を含み、エネ
ルギー蓄積機能を有するので、商用電源1および逆変換
装置3のいずれからの電力供給に対しても、多少の電圧
変動や1/2サイクル以内程度の瞬断には何ら影響される
ことなく、出力電圧を安定化するのみならず、また過電
流に対しては、垂下特性を有するとともに、高調波除去
機能をも備え、負荷7に安定な電圧を供給する。 制御回路10は、無停電電源装置の各回路の状態や動作
を監視制御するための自動同期機能、波形調整機能、各
部位のモニターやスイッチの制御、および逆変換装置の
駆動制御、警報機能等を備えている。 前述の自動同期機能は、常時商用電源1の電圧、周波
数を監視すると共に、逆変換装置3の出力周波数および
位相を商用電源1のそれと常に同期させるように作用す
るので、商用電源断の検出に応答して直ちにスイッチ6
を投入することにより、前記鉄共振定電圧回路のエネル
ギ蓄積機能と相まって、実質上無瞬断で、逆変換装置3
から3巻線トランス90を介して負荷7に電力を供給する
ことが出来る。 波形調整機能は、逆変換装置3の出力電圧波形を調整
することにより、出力電圧に含まれる高調波成分を低減
し、装置の性能を向上させることが出来る。 第5図、第6図、第7図は、本発明に好適な交流無停
電電源装置の他の例を示すブロック図である。これらの
図において、第2図、第3図と同一の符号は同一または
同等部分をあらわしている。 第3図との対比から明らかなように、第5図の電源装
置は、リアクトル11,13を3巻線トランス90の第1巻線9
1と第3巻線93とに接続したものである。第6図は第3
図の3巻線トランスを省略して直結したものである。ま
た、第7図は更に、第6図における2つのリアクトル1
1,12を1つのリアクトル14で置換して共通に接続したも
のである。これらの電源装置の動作原理が第3図及び、
第4図のものと全く同じであることは明らかであろう。 なお、第7図の装置では、商用電源1および逆変換装
置3の出力電圧が同位相であることのほか、それらの電
圧値が等しいという条件を満足することが必要となる。
また、第3図および第5図においては、外付けのリアク
トル11,12を、磁気シャント付3巻線変圧器による等価
リアクタンスで代用できる。 以上では負荷の平常運転時について述べたが、上述の
各無停電電源装置では逆変換器の出力電圧が商用電源の
電圧と同位相に制御されるので、両者を並列運転して逆
変換器と商用電源の両方から負荷に電力を供給すること
ができる。本発明にこの点に着目し、特に起動電流の大
きい負荷を起動する場合、起動時には前記逆変換装置を
商用電源と並列運転することにより、前記商用電源およ
び逆変換器の負荷起動時の負担を低減するようにしたも
のである。負荷が平常運転に移行した後では、逆変換器
を切り離して商用電源による単独運転に移行するように
制御することができる。本発明によれば、商用電源およ
び逆変換器の容量はほぼ負荷容量と同じであれば良くな
るので、設備を簡略化できる。 (効 果) (1)起動電流が大きく、しかも電力を必要とする負荷
に対して、その起動時に商用電源1と逆変換装置3とを
並列運転し、商用電源と逆変換装置の両方から負荷に電
力が供給されるため、従来であれば無停電電源装置や商
用電源は負荷容量の2〜3倍の容量を必要とするのに対
し、本発明の場合は負荷容量とほぼ同一容量の無停電電
源装置および商用電源で済むことになる。そして負荷が
正常運転に移行した後では、スイッチ6を切離して通常
運転に移行することが可能である。なお上記のような並
列運転時に生じ易い循環電流は直列インダクタンスによ
って事実上問題にならない程度に抑制できる。 (2)平常運転時にスイッチ6を開放とすることによ
り、商用電源から全負荷電力を供給し、逆変換装置は待
機運転となるので、経済運用が出来る。 (3)商用電源の停電時に逆変換装置のスイッチ6を投
入しても、常に逆変換装置が商用電源と同位相運転され
ているために実質的な瞬断なく、かつ負荷側の鉄共振定
電圧回路がエネルギ蓄積機能を有しているため、負荷電
圧変動や位相遅れ等のような過渡現象を起こすことな
く、円滑に商用電源から逆変換装置への電力の移行が実
現される。 (4)従来のように、停電時に逆変換装置に切り換える
場合、その出力電圧位相を急速に商用電源の位相までシ
フトする必要がないため、移相回路等複雑な制御回路が
不要となり、装置の信頼度が向上する。 (5)鉄共振型電圧安定化回路を使用するため、商用電
源の停電、復電時の切換えによって発生しがちな前記過
渡現象を防止でき、商用電源や逆変換装置からの雷、サ
ージ、雑音、波形歪等の影響を受けず、安定した良質の
電力供給が行なわれる。 (6)大容量(数千KVA)から小容量(1KVA以下)まで
広範囲に使用可能であり、しかも常時は商用電源供給方
式が行なわれるため、省エネルギ効果が大きく、経済運
用が出来る。 (7)従来の直列方式のように、負荷の全容量をまかな
う整流器は不要であり、蓄電池を充電するだけの小容量
充電器があればよいので、装置および保守コストも低く
なる。
関する。 (従来技術) 最近の通信および情報処理装置などにおいては、瞬時
の停電も許されないものが多く、極めて信頼度の高い電
源として、交流無停電電源装置が一般に広く使用されて
いる。 第1図および第2図は、それぞれ従来の交流無停電電
源装置の概要構成図を示すブロック図であり、各図にお
いて同一の符号は同一または同等部分をあらわしてい
る。 第1図の交流無停電電源装置において、商用電源1が
正常な場合、充電器2は、商用電源を整流して、蓄電池
4を充電する。同時に前記商用電源1は、制御装置10を
介して逆変換装置3を動作させる。このようにして、前
記逆変換装置3によって所定の電圧と周波数に変換され
た交流電力は、スイッチ6を経て負荷7に供給される。
なお、このスイッチ5は開かれている。 また逆変換装置3が故障した場合には、スイッチ6を
開路するとともに、スイッチ5を閉路する。これにより
商用電源1から直接負荷7に交流電力が供給される。 商用電源1が停電した場合には、充電器2からの蓄電
池4への充電は無くなる。しかし、蓄電池4に畜えられ
たエネルギーによって、引続き逆変換装置3を動作させ
ることにより、負荷7に対しては瞬断することなく交流
電力が供給される。 しかしこの装置には以下のような欠点がある。 (1)商用電源1が正常な場合にも、負荷7に供給する
電力を得るため、充電器2と逆変換装置3を動作させな
ければならない。すなわち、常時、順変換および逆変換
の、2重の電力変換処理を行なわなければならないた
め、効率が著しく低下する。 (2)蓄電池4を充電しながら、逆変換装置3に電力を
供給するために大容量の充電器2を必要とする。 (3)充電器2と逆変換装置3とが負荷7に対して直列
に接続されるために総合信頼度が低下する。そして、こ
のいずれかが故障した場合、その修理が完了するまで、
負荷7は、定電圧が保証されていない商用電源1で直接
動作することになる。 (4)逆変換装置の故障時に、商用電源1から負荷7に
給電する方式をとる場合において、仮に逆変換装置の正
常運転時から商用電源電圧と逆変換装置出力電圧の位相
差を零に調整していたとしても、逆変換装置3の故障検
出は、その出力電圧の低下または電圧位相の遅れなど、
制御装置10において検知することによつて行なわれ、故
障検出が確認された後に、スイッチ6の開路、スイッチ
5の閉路が実行されるので、瞬断等を確実に防止するこ
とは不可能で、完全に並列冗長システムを構成すること
は出来ない。 (5)前記(3)および(4)の欠点を改善して高信頼
度電源を得るためには、更に予備の充電器および逆変換
装置を1組並列に待機運転するなどの冗長システムにす
る必要がある。 第2図は、商用電源1と逆変換装置3からの電力を合
成し、負荷7に安定な電力を供給するために、3巻線ト
ランス9を用いた構成である。3巻線トランス9は2つ
の磁気シャンツ96によって鉄心95を3つの部分を区画
し、中央の区画に第3巻線93(負荷7に接続される出力
巻線)を、両端の区画に第1巻線91(商用電源入力巻
線)および第2巻線92(逆変換装置入力巻線)をそれぞ
れ巻回したものである。 なお、この各区画の各巻線に接続される商用電源1、
逆変換装置3、出力7の配列は、無停電電源装置の性能
に影響を与えるので、その使用目的等により色々の組合
せが考えられている。 第2図において、商用電源1が正常な場合、その電力
は、スイッチ5→3巻線トランス9の第1巻線91→同第
3巻線93→電圧安定化回路8→負荷7の経路で商用電源
1から負荷へ伝達される。 一方逆変換装置からの電力は、充電器2→蓄電池4→
逆変換装置3→スイッチ6→3巻線トランス9の第2巻
線92→同第3巻線93→電圧安定化回路8→負荷7の経路
で負荷へ伝達される。 この場合、逆変換装置3の出力電圧の位相を、負荷7
の電圧位相と同相となるように制御することにより、逆
変換装置3から負荷7への電力は流れは零になり、逆変
換装置3は待機状態となる。 商用電源1が停電した場合には、蓄電池4からの電力
を、前述した逆変換装置3を通る経路へ、直ちに交流電
力に変換して負荷に供給することが出来る。 この構成は、前記第1図の装置の欠点を除去して、高
効率高信頼度および経済的な無停電電源装置を実現する
ものである。 しかしこの装置においては、逆変換装置の出力電圧位
相を負荷7の電圧位相と同相になるように制御している
ため、電源1の停電の際、そのままでは直ちに電力を逆
変換装置から負荷に供給することが出来ない。 この対策としては、商用電源1の停電検出の際に、直
ちに逆変換装置3の出力電圧位相を商用電源の位相まで
進めることができるような、移相回路を必要とする。 すなわち、具体的には、商用電源1の異常を瞬時に検
出し、それに応じて、逆変換装置3の出力電圧位相を急
速に進めるシーケンスが必要で、回路構成が複雑になる
とともに、その制御特性が検出感度や精度に依存するな
ど、信頼度を低下させる原因ともなっている。 (目的) 本発明は前述の欠点を除去するために行なわれたもの
で、その目的は、停電時に逆変換装置の位相シフトなど
の複雑な操作を必要とせず、したがって制御回路を簡単
化し、信頼度を向上させることができると共に、所要起
動電流の大きい負荷の起動に際しては、商用電源および
無停電電源装置の両方から並列的に給電可能にし、これ
ら両電源の所要容量を低減することのできる無停電電源
装置による負荷起動方法を提供することにある。 (概 要) 本発明は、鉄共振型定電圧装置および逆変換装置をリ
アクタンス成分を介して鉄共振型定電圧装置および負荷
に接続し、逆変換装置入の出力電力を商用電源の電圧と
同期させ、商用電源が正常な間は逆変換装置を待機運転
状態に保持して商用電源から負荷に給電し、又、商用電
源が断となったときは逆変換装置を負荷に接続して逆変
換装置から負荷に給電するように構成すると共に、特に
起動電流の大きい負荷を起動する場合、起動時には前記
逆変換装置を商用電源と並列運転することにより、前記
商用電源および逆変換器の両方から給電して負荷を起動
し、負荷が平常運転に移行した後に逆変換器を切り離す
ようにした点に特徴がある。 (実施例) 以下図面を参照して、本発明を詳細に説明する。 第3図は本発明に好適な交流無停電電源装置の一例の
構成を示すブロック図である。磁気シャントを有しな
い、通常の3巻線トランス90には、それぞれ第1巻線
(商用電源入力巻線)91、第2巻線(逆変換装置入力巻
線)92、および第3巻線(出力巻線)93が巻回されてい
る。第1巻線91とスイッチ5との間、および第9巻線92
とスイッチとの間には、それぞれインダクタンス11,12
が直列に接続されている。 商用電源が正常な場合、商用電源1からの電力はスイ
ッチ5→3巻線トランス90の第1巻線91→同第3巻線93
→電圧安定化回路8→負荷7の順に伝達される。 一方逆変換装置3からの電力は、蓄電池4→逆変換装
置3→スイッチ6→3巻線トランス90の第2巻線92→同
第3巻線93→電圧安定化回路8→負荷7の順に伝達され
る。 第4図は、第3図に示した3巻線トランスにおける電
力の流れと電圧の位相関係を説明するための等価回路図
である。 同図において、商用電源1の電圧Vac、および逆変換
装置3の出力電圧Vinは同一の周波数を有し、かつ負荷
7に印加される電圧−すなわち電圧安定化回路8の出力
電圧Voutの位相を基準として、それぞれφ1,φの位相差
を有するものと仮定する。 この仮定のもとでは、商用電源1からインダクタンス
L1を介して電圧安定化回路8および負荷7に供給される
電力P1ならびに、逆変換装置3からインダクタンスL2を
介して電圧安定化回路8および負荷7に供給される電力
P2は、それぞれ次の(1)、(2)式であらわされる。 P1=(Vac・Vout/ωL1)Sinφ1… …(1) P2=(Vin・Vout/ωL2)Sinφ2… …(2) 従って、前記位相差φ1,およびφ2をそれぞれ正(進
相)から負(遅相)まで変化させれば、P1およびP2で示
される電力の流れをさまざまに調整できる。 特に、位相差φ2が零のときは、逆変換装置3および
電圧安定化回路8の出力電圧VinおよびVoutの値にかか
わらず、前記(2)式のP2が0となる。すなわち逆変換
装置3と電圧安定化回路8および負荷7との間での電力
の授受はなく、逆変装置3は待機運転状態となる。これ
が第2図に示した従来装置の動作原理である。 第3図の例では、前記の位相差φ2をφ1と等しくす
る。即ち、商用電源1の正常時には、逆変換装置3の出
力電圧Vinの位相を電源電圧Vacの位相と同期させ、かつ
スイッチ6を開放した状態で、逆変換装置3は待機運転
状態におかれる。 電圧安定化回路8は、鉄共振定電圧回路を含み、エネ
ルギー蓄積機能を有するので、商用電源1および逆変換
装置3のいずれからの電力供給に対しても、多少の電圧
変動や1/2サイクル以内程度の瞬断には何ら影響される
ことなく、出力電圧を安定化するのみならず、また過電
流に対しては、垂下特性を有するとともに、高調波除去
機能をも備え、負荷7に安定な電圧を供給する。 制御回路10は、無停電電源装置の各回路の状態や動作
を監視制御するための自動同期機能、波形調整機能、各
部位のモニターやスイッチの制御、および逆変換装置の
駆動制御、警報機能等を備えている。 前述の自動同期機能は、常時商用電源1の電圧、周波
数を監視すると共に、逆変換装置3の出力周波数および
位相を商用電源1のそれと常に同期させるように作用す
るので、商用電源断の検出に応答して直ちにスイッチ6
を投入することにより、前記鉄共振定電圧回路のエネル
ギ蓄積機能と相まって、実質上無瞬断で、逆変換装置3
から3巻線トランス90を介して負荷7に電力を供給する
ことが出来る。 波形調整機能は、逆変換装置3の出力電圧波形を調整
することにより、出力電圧に含まれる高調波成分を低減
し、装置の性能を向上させることが出来る。 第5図、第6図、第7図は、本発明に好適な交流無停
電電源装置の他の例を示すブロック図である。これらの
図において、第2図、第3図と同一の符号は同一または
同等部分をあらわしている。 第3図との対比から明らかなように、第5図の電源装
置は、リアクトル11,13を3巻線トランス90の第1巻線9
1と第3巻線93とに接続したものである。第6図は第3
図の3巻線トランスを省略して直結したものである。ま
た、第7図は更に、第6図における2つのリアクトル1
1,12を1つのリアクトル14で置換して共通に接続したも
のである。これらの電源装置の動作原理が第3図及び、
第4図のものと全く同じであることは明らかであろう。 なお、第7図の装置では、商用電源1および逆変換装
置3の出力電圧が同位相であることのほか、それらの電
圧値が等しいという条件を満足することが必要となる。
また、第3図および第5図においては、外付けのリアク
トル11,12を、磁気シャント付3巻線変圧器による等価
リアクタンスで代用できる。 以上では負荷の平常運転時について述べたが、上述の
各無停電電源装置では逆変換器の出力電圧が商用電源の
電圧と同位相に制御されるので、両者を並列運転して逆
変換器と商用電源の両方から負荷に電力を供給すること
ができる。本発明にこの点に着目し、特に起動電流の大
きい負荷を起動する場合、起動時には前記逆変換装置を
商用電源と並列運転することにより、前記商用電源およ
び逆変換器の負荷起動時の負担を低減するようにしたも
のである。負荷が平常運転に移行した後では、逆変換器
を切り離して商用電源による単独運転に移行するように
制御することができる。本発明によれば、商用電源およ
び逆変換器の容量はほぼ負荷容量と同じであれば良くな
るので、設備を簡略化できる。 (効 果) (1)起動電流が大きく、しかも電力を必要とする負荷
に対して、その起動時に商用電源1と逆変換装置3とを
並列運転し、商用電源と逆変換装置の両方から負荷に電
力が供給されるため、従来であれば無停電電源装置や商
用電源は負荷容量の2〜3倍の容量を必要とするのに対
し、本発明の場合は負荷容量とほぼ同一容量の無停電電
源装置および商用電源で済むことになる。そして負荷が
正常運転に移行した後では、スイッチ6を切離して通常
運転に移行することが可能である。なお上記のような並
列運転時に生じ易い循環電流は直列インダクタンスによ
って事実上問題にならない程度に抑制できる。 (2)平常運転時にスイッチ6を開放とすることによ
り、商用電源から全負荷電力を供給し、逆変換装置は待
機運転となるので、経済運用が出来る。 (3)商用電源の停電時に逆変換装置のスイッチ6を投
入しても、常に逆変換装置が商用電源と同位相運転され
ているために実質的な瞬断なく、かつ負荷側の鉄共振定
電圧回路がエネルギ蓄積機能を有しているため、負荷電
圧変動や位相遅れ等のような過渡現象を起こすことな
く、円滑に商用電源から逆変換装置への電力の移行が実
現される。 (4)従来のように、停電時に逆変換装置に切り換える
場合、その出力電圧位相を急速に商用電源の位相までシ
フトする必要がないため、移相回路等複雑な制御回路が
不要となり、装置の信頼度が向上する。 (5)鉄共振型電圧安定化回路を使用するため、商用電
源の停電、復電時の切換えによって発生しがちな前記過
渡現象を防止でき、商用電源や逆変換装置からの雷、サ
ージ、雑音、波形歪等の影響を受けず、安定した良質の
電力供給が行なわれる。 (6)大容量(数千KVA)から小容量(1KVA以下)まで
広範囲に使用可能であり、しかも常時は商用電源供給方
式が行なわれるため、省エネルギ効果が大きく、経済運
用が出来る。 (7)従来の直列方式のように、負荷の全容量をまかな
う整流器は不要であり、蓄電池を充電するだけの小容量
充電器があればよいので、装置および保守コストも低く
なる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、それぞれ従来の交流無停電電源
装置の構成を示すブロック図、第3図は本発明の好適な
無停電電源装置の一例のブロック図、第4図は、第3図
の等価回路図、第5図、第6図、第7図は本発明に好適
な無停電電源装置の他の例のブロック図である。 1……商用電源、2……充電器、3……逆変換装置、4
……蓄電池、5……スイッチ、6……スイッチ、7……
負荷、8……電圧安定化回路、90……3巻線トランス、
91〜93……トランス巻線、95……トランス鉄心、96……
磁気シャント、10……制御装置、11,12,14……リアクト
ル
装置の構成を示すブロック図、第3図は本発明の好適な
無停電電源装置の一例のブロック図、第4図は、第3図
の等価回路図、第5図、第6図、第7図は本発明に好適
な無停電電源装置の他の例のブロック図である。 1……商用電源、2……充電器、3……逆変換装置、4
……蓄電池、5……スイッチ、6……スイッチ、7……
負荷、8……電圧安定化回路、90……3巻線トランス、
91〜93……トランス巻線、95……トランス鉄心、96……
磁気シャント、10……制御装置、11,12,14……リアクト
ル
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭59−175347(JP,A)
特開 昭52−114936(JP,A)
特開 昭53−126120(JP,A)
特開 昭58−47902(JP,A)
特開 昭55−153235(JP,A)
実開 昭55−67650(JP,U)
特公 昭56−19195(JP,B2)
特公 昭45−39133(JP,B1)
特公 昭49−19535(JP,B1)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.出力側に負荷が接続されるようにされた鉄共振型定
電圧装置と、前記鉄共振型定電圧装置の入力側に、第1
スイッチを介して接続された商用電源と、前記鉄共振型
定電圧装置の入力側に、第2スイッチを介して接続さ
れ、商用電源の正常時にも逆変換動作し、その出力電圧
が前記商用電源の電圧と同位相にされる逆変換装置と、
前記商用電源の動作状態に応答して前記逆変換器ならび
に第1、第2スイッチを制御する制御装置とを具備した
交流無停電電源装置による負荷起動方法であって、 起動時には前記第1および第2スイッチを閉成し、前記
商用電源および逆変換装置の両方によって負荷に給電
し、 負荷の平常運転時には第2スイッチを開放することを特
徴とする交流無停電電源装置による負荷起動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60211961A JP2909820B2 (ja) | 1985-09-25 | 1985-09-25 | 交流無停電電源装置による負荷起動方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60211961A JP2909820B2 (ja) | 1985-09-25 | 1985-09-25 | 交流無停電電源装置による負荷起動方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6271440A JPS6271440A (ja) | 1987-04-02 |
JP2909820B2 true JP2909820B2 (ja) | 1999-06-23 |
Family
ID=16614564
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60211961A Expired - Fee Related JP2909820B2 (ja) | 1985-09-25 | 1985-09-25 | 交流無停電電源装置による負荷起動方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2909820B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0214251U (ja) * | 1988-07-09 | 1990-01-29 | ||
JP2849598B2 (ja) * | 1988-10-25 | 1999-01-20 | ニシム電子工業株式会社 | トライポート無停電電源装置の並列運転装置 |
CN114355236B (zh) * | 2021-11-29 | 2024-12-20 | 漳州科华技术有限责任公司 | 整流逆变电路的检测方法、装置及不间断电源 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4919535A (ja) * | 1972-06-15 | 1974-02-21 | ||
JPS52114936A (en) * | 1976-03-19 | 1977-09-27 | Sanken Electric Co Ltd | Nonnservice interruption power supply device |
JPS53126120A (en) * | 1977-04-12 | 1978-11-04 | Mitsubishi Electric Corp | No-break power unit |
JPS55153235A (en) * | 1979-05-17 | 1980-11-29 | Matsunaga Mfg | Noobreak power supply device |
JPS5847902A (ja) * | 1981-09-17 | 1983-03-19 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 燃焼装置 |
JPS59175347A (ja) * | 1983-03-24 | 1984-10-04 | ニシム電子工業株式会社 | 交流無停電電源装置 |
-
1985
- 1985-09-25 JP JP60211961A patent/JP2909820B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6271440A (ja) | 1987-04-02 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |