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JP2899028B2 - ジベンゾオキセピン誘導体 - Google Patents

ジベンゾオキセピン誘導体

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Publication number
JP2899028B2
JP2899028B2 JP31263089A JP31263089A JP2899028B2 JP 2899028 B2 JP2899028 B2 JP 2899028B2 JP 31263089 A JP31263089 A JP 31263089A JP 31263089 A JP31263089 A JP 31263089A JP 2899028 B2 JP2899028 B2 JP 2899028B2
Authority
JP
Japan
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compound
solvent
paf
acid
reference example
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP31263089A
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English (en)
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JPH03176487A (ja
Inventor
悦男 大島
宏之 小場瀬
一郎 三木
昭男 石井
健守 大森
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KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd filed Critical Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
Priority to JP31263089A priority Critical patent/JP2899028B2/ja
Publication of JPH03176487A publication Critical patent/JPH03176487A/ja
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Publication of JP2899028B2 publication Critical patent/JP2899028B2/ja
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  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は血小板活性化因子(platelet activating fa
ctor;以下PAFと略す)の受容体拮抗作用を有することに
より、PAFの生理作用を強力に抑制する新規ジベンゾオ
キセピン誘導体に関する。
従来の技術 従来、PAFは血小板の強力な凝集剤として知られ、ま
たPAFが気道過敏症、ショック、心臓および全身性アナ
フィラキシー、消化管潰瘍、乾癬、免疫および腎疾患、
虚血性疾患およびその他の炎症に関与していることが報
告されている〔トレンズ イン ファルマコロジカル
サイエンシズ(Trends in Pharmacological Sciences)
第10巻、23頁、1989年参照〕。したがって、PAFは広範
囲の疾患に関与するものと考えられ、その例として次の
ようなものを挙げることができる〔ファルマコロジカル
レビューズ(Pharmacol.Rev.)第39巻、97頁、1987
年〕。
(1) 虚血性疾患 例えば、心筋梗塞症、狭心症、血栓症、脳挫傷、背椎
損傷 (2) 脳血管疾患 例えば、一過性脳虚血、偏頭痛、脳溢血、脳梗塞 (3) 末梢血管疾患および脂質不均衡による疾患 例えば、アテローム性動脈硬化症、毛細管けいれん、
末梢循環不全、高血圧症、肺栓塞 (4) 炎症およびアレルギー性急性炎症 例えば、気管支炎、肺炎、腎炎、肝炎、関節リューマ
チ、皮膚炎、鼻炎 (5) 喘息と全身性アナフィラキシー 例えば、気管支喘息、小児喘息、気道過敏症、アナフ
ィラキシーショック (6) 組織移植拒絶反応 例えば、組織移植手術後の拒絶反応 (7) 心臓アナフィラキシー 例えば、心原性ショック (8) エンドトキシンおよびIgG誘導ショック 例えば、細菌性ショック、アレルギー性ショック (9) 腎疾患と免疫疾患 例えば、腎臓免疫傷害、薬物ショック、膜性腎炎、糸
球体腎炎 (10) 消化管潰瘍 例えば、消化性潰瘍、胃炎 (11) アレルギー性皮膚疾患 例えば、乾癬、じんましん (12) 眼疾患 例えば、網膜炎、角膜炎 (13) 中枢性疾患 例えば、抗うつ症、恐慌症 (14) 免疫性疾患 例えば、免疫応答異常による疾患、全身エリテマトー
テス(S.L.E) (15) 癌と化学療法 例えば、癌転移抑制 (16) 硬変 例えば、肝硬変 (17) ショック 例えば、上記以外の汎発性血管内血液凝固症(DIC)
神経性ショック、出血性ショック、熱傷性ショック、外
傷性ショック 従って、PAFの作用を抑制する化合物は、前記の疾
患、またはPAFの作用を抑制することによって阻止でき
る他の疾患を予防ないし治療する効果を有するものと期
待される。
また、従来医療の目的で使用されている薬剤におい
て、PAFを介したあるいはPAFを介すると推定される副作
用の発現や主薬効の減少により、その使用が限定されて
いる場合、PAF拮抗剤の併用により、副作用の軽減や主
薬効の増加が期待される。
ファルマコロジカル レビューズ(Pharmacol.Rev.)
第39巻、97頁(1987年)や、ジャーナル オブ メディ
シナル ケミストリー(J.Med.Chem.)第31巻、466頁
(1988年)に本発明化合物とは構造の異なるPAF拮抗剤
が例示されている。
特開昭64−31766号公報には次式で示される化合物がP
AF拮抗作用を有することが開示されている。
また、ジベンゾオキセピン誘導体で11位にメチン(=
CH−)を介して置換カルバモイル基を有し、血糖低下ま
たは血中脂質低下効果を有する次式で示される化合物
が、米国特許第4,136,197号に開示されている。
本発明化合物のようにジベンゾオキセピン誘導体で11
位に共役ジエンを介して置換カルバモイル基を有する化
合物は知られていない。
発明が解決しようとする課題 新規かつ有用なPAF抑制剤は、広範囲な疾患に対し、
予防および治療効果を有すると期待され求められてい
る。
本発明はPAF拮抗作用により、PAFの生理作用を抑制す
る新規なジベンゾオキセピン誘導体を提供することにあ
る。
課題を解決するための手段 本発明は、式(I) {式中、R1、R2aおよびR2bは同一または異なって、水素
または低級アルキルを表わし、Xは を表わし、nは0または1を表わし、mは0〜4の整数
を表わし、lは0〜2の整数を表わす} で表されるジベンゾオキセピン誘導体〔以下、化合物
(I)という。他の式番号の化合物についても同様であ
る〕またはその薬理上許容される塩に関する。
式(I)の各基の定義における低級アルキルとは、炭
素数1〜6の直鎖もしくは分岐状のアルキル基であり、
例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル等を包含する。
化合物(I)の薬理上許容される塩は、薬理上許容さ
れる酸付加塩、アンモニウム塩、アミノ酸付加塩等を包
含する。化合物(I)の薬理上許容される酸付加塩とし
ては、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸
塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩
等の有機酸塩があげられ、薬理上許容されるアミノ酸付
加塩としては、リジン、グリシン、フェニルアラニン等
のアミノ酸を付加した塩があげられる。
次に化合物(I)の製造法について説明する。また以
下の記載において、反応式を簡潔にするために、反応に
直接関与しない三環部分 (式中lは前記と同義である) を と略記する場合がある。
化合物(I)は、次の反応工程に従い式(II)で示さ
れるカルボン酸の反応性誘導体と式(III)で示される
アミンを脱水縮合させて得ることができる。
(式中、R1、R2a、R2b、n、mおよびXは前記と同義で
ある) ここでカルボン酸(II)の反応活性体としては、p−
ニトロフェニルエステル、N−オキシコハク酸イミドエ
ステル等の活性エステル、酸クロリド、酸ブロミド等の
酸ハライド、炭酸モノエチルエステル、炭酸モノイソブ
チルエステル等の混合酸無水物があげられる。
例えば化合物(II)のp−ニトロフェニルエステルの
場合、化合物(II)を1〜5当量のパラニトロフェノー
ルと適当な縮合剤、好ましくは1〜10当量のジシクロヘ
キシルカルボジイミドの存在下、不活性溶媒、例えばジ
クロロメタン、ジエチルエーテルまたはジメチルホルム
アミド中で、−80〜50℃で、0.1〜24時間反応させるこ
とにより得ることができる。得られたp−ニトロフェニ
ルエステルを1〜10当量の化合物(III)と不活性溶媒
中、例えばテトラヒドロフランまたはジエチルエーテル
中で、−80℃〜用いた溶媒の沸点で1〜24時間反応させ
ることにより化合物(I)を得ることができる。
化合物(II)の酸ハライドは、化合物(II)と1〜10
当量の塩化チオニル、オキザリルクロリド、五塩化リ
ン、オキシ塩化リン、三臭化リン等のハロゲン化剤と
を、無溶媒あるいは不活性溶媒、例えばジクロロメタン
またはトルエン中で、−80〜50℃で0.1〜24時間反応さ
せることにより得られる。得られたハライドを1〜10当
量の化合物(III)と不活性溶媒、例えばジクロロメタ
ン中で、必要ならば、当量〜大過剰のトリエチルアミ
ン、ピリジン等の塩基の存在下、−80〜50℃で0.1〜24
時間反応させることにより化合物(I)を得ることがで
きる。
さらに化合物(II)の混合酸無水物は1〜10当量の適
当な低級アルキルクロロホルメート、例えばイソブチル
クロロホルメートを用い、当量〜大過剰のアミン、例え
ばトリエチルアミンの存在下、ジクロロメタンのような
不活性溶媒中で−80〜50℃で、0.1〜24時間反応させる
ことにより得られる。得られる混合酸無水物を、酸ハラ
イドと同様の方法で、化合物(III)と反応させ化合物
(I)を得ることもできる。
原料化合物(II)は化合物(IV)を出発原料として次
のようにして製造される。
〔式中、 は前記と同義を表わし、R4a、R4bは同一または異なって
低級アルキルであるか、または一緒になって飽和の含窒
素複素環を形成しても良く、R5はアルキルを表わす〕 ここで低級アルキルは、式(I)の低級アルキルの定
義と同義であり、含窒素複素環としてはピロリジン、ピ
ペリジン、N−メチルピペラジン、モルホリン、チオモ
ルホリン、N−メチルホモピペラジン等があげられる。
出発原料となる化合物(IV)は、インターサイエンス
(Interscience)社刊“ヘテロサイクリックコンパウン
ズ(Heterocyclic Compounds)第26巻(1972年)”中に
記載されている他、ケミカルアブストラクト第71巻8122
6uおよび101591q、同79巻136902j等に記載されている。
化合物(IV)をテトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ル等の不活性溶媒中で、メチルトリフェニルホスホニウ
ムブロミド等のメチルトリフェニルホスホニウムハライ
ド塩と適当な塩基、例えばn−ブチルリチウム、カリウ
ムtert−ブトキシド、水素化ナトリウム等により生成さ
せた1〜10当量のイリド(V)と、−80℃〜用いた溶媒
の沸点で0.5〜24時間反応させることにより化合物(V
I)を得る。
化合物(XI)は化合物(VI)を下記に示したビルスマ
イヤー(Vilsmeier)反応に付すことによって製造する
ことが可能である。すなわち、不活性溶媒例えばジクロ
ロエタン、テトラクロロエタン中、1〜10当量のオキシ
塩化リンと1〜10当量のN,N−ジメチルホルムアミド、
N−メチルホルムアミド等のホルムアミド類を0〜100
℃で、0.5〜24時間反応させる。生成したビルスマイヤ
ー試薬を含有する反応溶媒に、化合物(VI)を加え、0
〜100℃で0.5〜24時間反応させることにより化合物(X
I)を得る。
化合物(XI)は次のような方法によっても化合物(V
I)から得ることができる。すなわち、化合物(VI)を
適当な溶媒、たとえばジクロロエタン中で1〜5当量の
二級アミン(VII)および当量〜大過剰のホルムアルデ
ヒドまたはその等価体であるパラホルムアルデヒドと、
当量〜大過剰の酸、例えばトリフルオロ酢酸、トリクロ
ロ酢酸の存在下、室温〜用いた溶媒の沸点で1〜48時間
反応させることにより化合物(VIII)を得る。
化合物(VIII)は、通常幾何異常体の混合物として得
られるが、そのものでまたは適当な酸たとえば、トリフ
ルオロ酢酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸等の塩にす
ることにより、単一幾何異性体に精製することも可能で
ある。
化合物(VIII)は、ケミストリー レターズ(Chem.L
ett.)1977年、1025頁に示された方法に従って、幾何異
性体比を保持したまま、クロル体(IX)、次いでアルコ
ール体(X)へと導くことが可能である。すなわち、化
合物(VIII)を、不活性溶媒、例えばジクロロメタン中
で、1〜10当量のクロルぎ酸エチルと0〜50℃で、1〜
24時間反応させることによりクロル体(IX)を得る。こ
のものをアセトニトリルのような適当な極性溶媒中、1
〜10当量の酢酸カリウム等の酢酸塩と、必要ならば適当
な相間移動触媒、たとえばクラウンエーテル、テトラブ
チルアンモニウムプロミド等の存在下、0℃〜用いた溶
媒の沸点で1〜24時間反応させることにより、アセトキ
シ体を得る。次いでこのものを加水分解、好ましくは水
酸化カリウムないし炭酸カリウムの存在下、メタノール
中で−50〜60℃で1〜24時間反応させることにより、ア
ルコール体(X)を得ることができる。
化合物(X)を酸化することにより化合物(XI)を得
ることができる。酸化方法としては、例えばスワン(Sw
ern)酸化が好適である。すなわち化合物(X)を不活
性溶媒、たとえばジクロロメタン中で1〜10当量のジメ
チルスルホキサイドの存在下、1〜10当量のオキザリル
クロリドと−78〜0℃で0.5〜24時間反応させ、次いで
1〜10当量のトリエチルアミンと−78〜50℃で、0.1〜2
4時間反応させることにより、化合物(XI)を得ること
ができる。この酸化方法に関し、例えばコーリ−キム
(Corey−Kim)酸化等も同様にして有効である。
化合物(XI)を不活性溶媒、例えばテトラヒドロフラ
ンまたはジエチルエーテル中で1〜10当量のホーナ−エ
モンズ(Horner−Emmons)試薬(XII)と、試薬(XII)
に対して0.2〜1当量の塩基、たとえば水素化リチウ
ム、カリウムtert−ブトキシドの存在下、−80℃〜用い
た溶媒の沸点で0.5〜24時間反応させることによりα,
β−不飽和エステル体(XIII)を得る。
化合物(VIII)を通常用いられるエステル類の加水分
解条件、たとえば含水メタノール、含水ジオキサン中で
1〜10当量の適当な塩基、たとえば水酸化ナトリウム、
炭酸ナトリウムの存在下0℃〜用いた溶媒の沸点で0.5
〜48時間反応させることにより、化合物(II)を得るこ
とができる。
以上説明した化合物(II)の製造法では、通常化合物
(II)に存在するすべての幾何異性体(4種類)の混合
物が得られる。
化合物(II)の共に化合物(I)の原料となる化合物
(III)は、ジャーナル オブ メディシナル ケミス
トリー(J.Med.Chem.)第31巻、466頁(1988年)および
特開昭64−31766号公報に開示された方法、またはそれ
に準じた方法により製造することができる。
上記各製造法における中間体および目的化合物は有機
合成化学で常用される精製法、例えば、過、抽出、乾
燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィー等に付して
単離精製することができる。また中間体においては、と
くに精製することなく次の反応に供することも可能であ
る。
化合物(I)の塩を取得したいときは、化合物(I)
が塩の形で得られる場合には、そのまま精製すればよ
く、また遊離の形で得られる場合には、通常の方法によ
り塩を形成させればよい。
以上の製造法によって得られる化合物(I)には立体
化学に関し、幾何異性体あるいは光学異性体が存在する
ものがあるが、本発明には化合物(I)のすべての可能
な立体異性体およびそれらの混合物が包含される。
また、化合物(I)およびその薬理上許容される塩
は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することも
あるが、これら付加物も本発明に包含される。
上記した製造法によって得られる化合物(I)の具体
例を示す。
試験例 次に化合物(I)の薬理作用について説明する。3 HラベルしたPAFを用いる結合実験 本発明にかかわる化合物のPAF受容体に対する結合阻
害活性を、ウサギ血小板膜を用いて検討した。実験方法
はバイオケミストリー(Biochemistry)22巻、4756頁
(1983年)に示された方法に若干の改良を加えて行っ
た。
すなわち、ウサギ血小板膜(25μg蛋白)を1mlの緩
衝液(10mMトリス−塩酸pH7.0、10mM MgCl2および0.25
%ウシ血清アルブミンを含む)に懸濁し、0.3nM 1−0
−〔ヘキサデシル−1′,2′,3H(N)〕−ヘキサデシ
ル−2−アセチル−sn−グリセリル−3−ホスフォリル
コリン〔hexadecyl−1′,2′,3H(N)〕−Hexadecyl
−2−acetyl−sn−glyceryl−3−phosphorylcholin
(NEN社製、以下、3H−C16PAFという)および各種濃度
の薬物を加えた。25℃で45分間保温後、ガラス繊維濾紙
GF/C(ワットマン社製)上で吸引ろ過し、前記緩衝液で
洗浄した。ガラス繊維濾紙をバイアルビンに移し、シン
チゾールEX−H(和光純薬工業社製)を加え、放射能を
液体シンチレーションカウンターで測定した。
薬物による3H−C16PAF結合に対する阻害率の算出は式
(1)により求めた。
全結合とは薬物非存在下での3H−C16PAF結合放射能量
である。
非特異的結合とは1μMのC16PAFの存在下での3H−C
16PAF結合放射能である。
その結果を第1表に示す。
PAFによるマウスの致死に対する作用 ブリティッシュ ジャーナル オブ ファーマコロジ
ー(Br.J.Pharmacol.)79巻、595頁(1983年)の方法に
したがって、被検化合物(100mg/kg)およびその溶媒
(対照群)をPAF投与の1時間前に経口投与した後、PAF
40μg/kgを静脈内投与した。その中毒症状を観察すると
ともに3時間後に死亡率を判定した。
その結果を第2表に示す。なお対照群との有意差検定
にはフィッシャーの正確確率法〔Fisher′s exact prol
ability test)を用いた。
PAFによる足浮腫に対する作用 エージェンツ アンド アクションズ(Agents and A
ctions)18巻、359頁(1986年)に示された方法にした
がって、体重155〜175gのWistar系ラットを用い、次の
ようにPAFを足蹠皮下に投与して足浮腫反応を惹起し
た。予めプレサイソメター(ple−thysometer,Type TK
101,Unicon社製)を用いて足容積を測定した後、被検化
合物(100mg/kg)および溶媒を経口投与した。1時間後
にPAF(0.5μg)を足蹠皮下に注射し、その45分後に、
再度足容積を測定して、PAF投与前値との比較から浮腫
率を算出した。
その結果を第3表に示す。なお対照群との有意差検定
にはスチューデントのt検定(Student′st・test)を
用いた。
このように本発明にかかわる化合物は、in vitroおよ
びin vivoの実験系においてPAFに対する抑制作用を示
す。
化合物(I)またはその薬理上許容される塩は、その
まま単独で投与することも可能であるが、通常各種の医
薬製剤として提供するのが好ましい。また、それら医薬
製剤は、動物および人に使用されるものである。
本発明にかかわる医薬製剤は、活性成分として化合物
(I)またはその薬理上許容される塩を単独で、あるい
は随意に任意の他の治療のための有効成分との混合物と
して含有することができる。またそれら医薬製剤は、活
性成分を薬理上許容される1種もしくはそれ以上の担体
と一緒に混合し、薬学の技術分野においてよく知られて
いる任意の方法により製造される。
ここで、化合物(I)またはその薬理上許容される塩
と共に含まれる他の治療のための有効成分としては、例
えば、ステロイド剤、非ステロイド抗炎症剤、末梢製鎮
痛剤、ロイコトリエン拮抗剤、ロイコトリエン生合成阻
害剤、H2レセプター拮抗剤、抗ヒスタミン剤、ヒスタミ
ン遊離抑制剤、気管支拡張剤、アンジオテンシン転換酵
素阻害剤、トロンボキサンA2生合成阻害剤、トロンボキ
サンA2拮抗剤、H+−K+ATPアーゼ阻害剤、冠血管拡張
剤、カルシウム拮抗剤、カリウムチャンネル作用剤、利
尿剤、キサンチンオキシダーゼ阻害剤、脳循環改善剤、
脳代謝賦活剤、脳保護剤、肝保護剤、抗血小板剤、血栓
溶解剤、アドレナリンα受容体拮抗剤、アドレナリンβ
受容体作動剤、アドレナリンβ受容体拮抗剤、セロトニ
ン拮抗剤、PAF生合成阻害剤、ホスホリパーゼA2阻害
剤、アデノシン受容体作動剤、アデノシン受容体拮抗
剤、抗高脂血症剤、コレステロール生合成阻害剤、免疫
賦活剤、免疫抑制剤、抗癌剤等が挙げられる。
また、投与経路は、治療に際しもっとも効果的なもの
を利用するのが好ましく、経口または例えば、直腸内、
局所、鼻内、眼内、口腔内、皮下、筋肉内および静脈内
等の非経口を挙げることができる。
投与形態としては、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、散
剤、シロップ剤、乳剤、坐剤、軟膏剤、点眼剤、点鼻
剤、トローチ剤、エアゾール剤、注射剤等がある。
経口投与に適当な、例えば乳剤およびシロップ剤のよ
うな液体調製物は、水、ショ糖、ソルビット、果糖など
の糖類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ルなどのグリコール類、ゴマ油、オリーブ油、大豆油な
どの油類、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類などの防
腐剤、ストロベリーフレーバー、ペパーミントなどのフ
レーバー類などを使用して製造できる。またカプセル
剤、錠剤、散剤および顆粒剤等は、乳糖、ブドウ糖、シ
ョ糖、マンニットなどの賦形剤、でん粉、アルギン酸ソ
ーダなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク
などの滑沢剤、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、ゼラチンなどの結合剤、脂肪酸エステ
ルなどの界面活性剤、グリセリンなどの可塑剤などを用
いて製造できる。
非経口投与に適当な製剤は、好ましくは受容者の血液
と等張である活性化合物を含む滅菌水性製剤からなる。
例えば注射剤は、塩溶液、ブドウ糖溶液または塩水とブ
ドウ糖溶液の混合物から成る担体等を用いて注射用の溶
液を調製する。
鼻噴霧製剤は、防腐剤および等張化剤を有する活性化
合物の精製水溶液からなる。そのような製剤は、鼻粘膜
と相容性のpHおよび等張状態に調節される。
眼科製剤は、pHおよび等張因子が眼のそれに適合する
ように調節されることを除いては、鼻噴霧剤と同様の方
法により製造される。
局所製剤は、活性化合物を1種もしくはそれ以上の媒
質、例えば鉱油、石油、多価アルコールまたは局所医薬
製剤に使用される他の基剤中に溶解または懸濁して調製
される。
腸内投与のための製剤は、通常の担体、例えばカカオ
脂、水素化脂肪または水素化脂肪カルボン酸等での坐剤
として提供される。
また、これら非経口剤においても、経口剤で例示した
希釈剤、香料、防腐剤(抗酸化剤を含む)、賦形剤、崩
壊剤、滑沢剤、結合剤、界面活性剤、可塑剤などから選
択される1種もしくはそれ以上の補助成分を添加するこ
ともできる。
化合物(I)もしくはその薬理上許容される塩の有効
容量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、
治療すべき症状の性質もしくは重篤度により異なるが、
通常投与量は1日当り、0.01〜1000mg/人であり、投与
回数は1日1回または分割して投与するのが好ましい。
以下に実施例、参考例および製剤例を示す。
なお、以下の実施例中の記載において化合物番号中の
Qは前記した様に、対応する化合物の塩または溶媒付加
物を意味する。
実施例1. (E,E)−4−(6,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕オキセ
ピン−11−イリデン)−N−〔3−(3−ピリジル)プ
ロピル〕−2−ブテンアミド(化合物1) 参考例7で得られる化合物g0.31gをジクロロメタン30
mlに溶解し、これに氷冷下トリエチルアミン0.15mlとオ
キザリルクロリド0.19mlを滴下し、さらに室温で4時間
撹拌した。減圧下溶媒留去し、得られた残渣をジクロロ
メタン50mlに溶解し、これを3−(3−ピリジル)プロ
ピルアミン0.45gを含有するジクロロメタン溶液80mlに
滴下し、さらに室温で一晩撹拌した。ジクロロメタン20
0mlで抽出し、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒留去した。
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶出溶媒酢酸エチル:トリエチルアミン=10:1)に付
し、さらに得られた粗精製物を酢酸エチルから再結晶す
ることにより、白色結晶の化合物1 0.23gを得た。
融点 137〜138℃ NMR(DMSO−d6,δ,ppm) 1.65−1.79(m,2H),2.59(t,J=7.7Hz,2H),3.08−
3.16(m,2H),4.8−5.5(広幅,2H),6.27(d,J=14.8H
z,1H),6.78(dd,J=1.1および8.1Hz,1H),6.86(d,J=
11.7Hz,1H),6.92−6.99(m,1H),7.04(dd,J=11.7お
よび14.8Hz,1H),7.17−7.55(m,7H),7.62(d,J=7.9H
z,1H),8.13(t,J=5.7Hz,1H),8.43(bs,2H) IR(KBr錠剤、cm-1) 1662,1616,1479,1328,1275,1205,1141,999 MASS(m/z) 396(M+) 元素分析(%) C26H24N2O2として C H N 実測値 78.88 6.19 6.90 計算値 78.76 6.10 7.06 実施例2. 工程A. (±)−(E,E)−4−(3−メトキシ−6,11−ジヒド
ロジベンゾ〔b,e〕オキセピン−11−イリデン)−N−
〔1−メチル−4−(3−ピリジル)ブチル〕−2−ブ
テンアミド(化合物2) 参考例11で得られる化合物k 1.5gと(±)−2−ア
ミノ−5−(3−ピリジル)ペンタン0.96gを用い、実
施例1と同様の方法により、微黄色油状の化合物2 1.
92gを得た。
NMR(CDCl3、δ、ppm) 1.13(d,J=6.6Hz,3H),1.30−1.70(m,4H),2.45−
2.70(m,2H),3.73(s,3H),3.80−4.22(m,1H),5.09
(bs,2H),5.42(d,J=8.0Hz,1H),5.95(d,J=14.7Hz,
1H),6.35(d,J=2.4Hz,1H),6.50(dd,J=2.4Hzおよび
9.0Hz,1H),6.62(d,J=11.9Hz,1H),7.0−7.5(m,8
H),8.41(bs,2H) IR(CHCl3、cm-1) 1645,1596,1497,1322,1271,1228,1212,1162,1040,984 MASS(m/z) 454(M+) 工程B. (±)−(E,E)−4−(3−メトキシ−6,11−ジヒド
ロジベンゾ〔b,e〕オキセピン−11−イリデン)−N−
〔1−メチル−4−(3−ピリジル)ブチル〕−2−ブ
テンアミド・1.5フマル酸(化合物2Q) 工程Aで得られる化合物2 1.85gとフマル酸0.48gを
イソプロパノール100mlに溶解し、室温で1時間撹拌し
た。アセトニトリルを徐々に加え、析出した固体をろ取
した。得られた粗生成物をアセトニトリルから再結晶す
ることにより、白色結晶の化合物2Q 1.57gを得た。
融点 176−177℃ NMR(DMSO−d6、δ、ppm) 1.03(d,J=6.7Hz,3H),1.30−1.65(m,4H),2.50−
2.65(m,2H),3.71(s,3H),3.75−3.95(m,1H),4.9−
5.4(非常に広幅),6.19(d,J=15.0Hz,1H),6.34(d,J
=2.7Hz,1H),6.57(dd,J=2.7および8.7Hz,1H),6.63
(s,3H,フマル酸),6.73(d,J=11.9Hz,1H),7.08(dd,
J=11.9および15.0Hz,1H),7.19−7.60(m,7H),7.85
(d,J=8.2Hz,1H),8.39(bs,2H) IR(KBr錠剤、cm-1) 1715,1702,1558,1270,1231,1171,980 元素分析(%) C29H30N2O3・1.5C4H4O4として C H N 実測値 66.93 5.76 4.30 計算値 66.87 5.77 4.46 実施例3. (E,E)−4−(3−メトキシ−6,11−ジヒドロジベン
ゾ〔b,e〕オキセピン−11−イリデン)−N−〔3−
(5−アザベンゾイミダゾリル)プロピル〕−2−ブテ
ンアミド(化合物3) 参考例11で得られる化合物k 1.0gと3−(5−アザ
ベンゾイミダゾリル)プロピルアミン0.7gを用い、実施
例1と同様の方法により粗精製の目的物を得、これを酢
酸エチルから再結晶することにより、白色結晶の化合物
3Q 0.77gを得た。
融点 177−179.5℃ MASS(m/z) 466(M+) 元素分析(%) C28H26N4O6として C H N 実測値 71.85 5.68 11.94 計算値 72.08 5.62 12.01 実施例4. 4−(3−メトキシ−6,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕
オキセピン−11−イリデン)−N−〔3−(6−アザベ
ンゾイミダゾリル)プロピル〕−2−ブテンアミド(化
合物4) 参考例11で得られる化合物k 1.0gと3−(6−アザ
ベンゾイミダゾリル)プロピルアミン0.7gを用い実施例
1と同様の方法により、粗精製の目的物を得、これをア
セトニトリルから再結晶することより白色結晶の化合物
4Q 0.38gを得た。
融点 111−114℃ MASS(m/z) 466(M+) 元素分析(%) C28H26N4O3・1.4H2O C H N 実測値 68.43 6.30 11.29 計算値 68.39 5.90 11.39 参考例1. 11−メチル−6,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕オキセピ
ン(化合物a) メチルトリフェニルホスホニウムブロミド80.4gをテ
トラヒドロフラン500mlに懸濁し、これにアルゴン雰囲
気中氷冷下、水素化ナトリウム(油性、60%)7.5gを加
え、1時間半加熱還流した。放冷後、11−オキソ−6,11
−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕オキセピン31.5gを加え、室
温で3時間撹拌した。氷水を加え酢酸エチル1000mlで抽
出し、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥後減圧下溶媒留去した。得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒
ヘキサン:酢酸エチル=10:1)に付し、得られた粗精製
物をヘキサンで固体化することにより、化合物a 17g
を得た。
融点 77−79℃ NMR(CDCl3、δ、ppm) 5.12(s,2H),5.22および5.65(それぞれs,2H),6.70
−7.55(m,8H) IR(KBr錠剤、cm-1) 1438,1297,1249,1220,1046,1003 MASS(m/z) 208(M+) 元素分析(%) C15H12Oとして C H 実測値 86.55 5.96 計算値 86.51 5.81 参考例2. (E)/(Z)−11−〔(4−メチル−1−ピペラジニ
ル)エチリデン〕−6,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕オ
キセピン・2トリフルオロ酢酸塩(化合物b) 1−メチルピペラジン18mlおよびパラホルムアルデヒ
ド4.8gを180mlのジクロロエタンに溶解し、トリフルオ
ロ酢酸62mlおよび酢酸20mlを滴下した。60℃で1時間撹
拌したのち参考例1で得られる化合物a 17gをジクロ
ロエタン50mlに溶解した溶液を滴下し、さらに1時間加
熱還流した。減圧下濃縮乾固し、500mlの塩化メチレン
で抽出、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた目的物のトリフ
ルオロ酢酸塩を含む残渣を、イソプロパノールで再結晶
することにより、化合物b 20.2gを白色結晶として得
た。
融点 166−166.5℃ NMR(CDCl3、δ、ppm) 2.5−3.8(m,10H),4.8−5.5(非常に広幅,2H),6.03
(t,J=7.0Hz,1H,E体),6.6−7.6(m,8H) IR(KBr錠剤、cm-1) 1663,1480,1404,1128,1015 参考例3. (E)/(Z)−11−(2−クロロエチリデン)−6,11
−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕オキセピン(化合物c) 参考例2で得られる化合物b 20.2gを炭酸水素ナト
リウム水溶液とジクロロメタン中で振とうし、さらに有
機層を飽和食塩水で洗浄した。これを無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後、減圧下溶媒留去することにより遊離塩基
13.6gを得た。これをジクロロエタン300mlに溶解し、酢
酸ナトリウム17.4gを加え懸濁し、次いでクロロぎ酸エ
チル20mlを滴下した。室温で3時間撹拌したのち塩化メ
チレン300mlで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒留去す
ることにより無色油状の化合物c 15.9gを得た。
NMR(CDCl3、δ、ppm) 4.15(d,J=7.0Hz,2H),4.5−5.5(広幅,2H),6.22
(t,J=7.0Hz),6.6−7.5(m,8H) IR(CHCl3、cm-1) 1687,1481,1108,1007 MASS(m/z) 256(M+) 参考例4. (E)/(Z)−11−(2−ヒドロキシエチリデン)−
6,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕オキセピン(化合物
d) 参考例3で得られる化合物cをアセトニトリル200ml
に溶解し、これに酢酸カリウム7.0gおよびトリス〔2−
(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン(TDA−1)
3滴を加え、60℃で3時間撹拌した。酢酸エチル300ml
で抽出し、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで
乾燥後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒 ヘキサン:酢
酸エチル=10:1)で精製し、無色油状の(E)/(Z)
−11−(2−アセトキシエチリデン)−6,11−ジヒドロ
ジベンゾ〔b,e〕オキセピン1.25gを得た。
NMR(CDCl3、δ、ppm) 2.06(s,3H),4.65(d,J=7.0Hz,E体)および4.90
(d,J=6.8Hz,Z体),5.21(bs,2H),5.82(t,J=6.8Hz,
Z体)および6.15(t,J=7.0Hz,E体),6.6−7.4(m,8H) IR(液膜、cm-1) 1741,1604,1481,1442,1226,1111,1009 MASS(m/z) 280(M+) 上記のアセトキシ体1.25gをメタノール100mlに溶解
し、5%水酸化カリウム−メタノール溶液10mlを加え、
室温で一晩撹拌した。希酢酸水で中和したのち、減圧下
溶媒留去し、得られた残渣を酢酸エチル300mlで抽出し
た。これを飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄、無水硫
酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒留去することによ
り無色油状の化合物d 1.2gを得た。
NMR(CDCl3、δ、ppm) 4.24(d,J=7.0Hz,E体),4.49(d,J=6.6Hz,Z体),5.
21(bs,2H),5.89(t,J=6.6Hz,Z体),6.23(t,J=7.0H
z,E体),6.6−7.5(m,8H) IR(液膜、cm-1) 3306,1602,1477,1437,1277,1107,1004 MASS(m/z) 238(M+) 参考例5. (E)/(Z)−2−(6,11−ジヒドロジベンゾ〔b,
e〕オキセピン−11−イリデン)エタナール(化合物
e) オキザリルクロリド0.65mlをジクロロメタン20mlに溶
解し、−60℃に冷却した。これにジメチルスルホキサイ
ド0.6mlのジクロロメタン溶液10mlを滴下し、さらに−6
0℃で30分間撹拌した。参考例4で得られる化合物d
1.2gのジクロロメタン溶液10mlを滴下し、さらに−60℃
で2時間撹拌した。トリエチルアミン2mlを滴下したの
ち、徐々に室温にもどした。ジクロロメタン300mlで抽
出し、1規定塩酸水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水で順
次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒
留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(溶出溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で
精製し、黄色油状の化合物e 0.9gを得た。
NMR(CDCl3、δ、ppm) アルデヒドのプロトンに関して E体 9.62(d,J=8.1Hz) Z体 9.90(d,J=7.7Hz) MASS(m/z) 236(M+) 参考例6. (E,E)−4−(6,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕オキセ
ピン−11−イリデン)−2−ブテン酸エチル(化合物
f) ジエチルホスホノ酢酸エチル1.67gをテトラヒドロフ
ラン20mlに溶解し、これに氷冷下、水素化ナトリウム
(油性、60%)0.27gを加え、室温で30分間撹拌した。
これに、参考例5で得られる化合物e 0.8gのテトラヒ
ドロフラン溶液15mlを加え、さらに室温で1時間撹拌し
た。酢酸エチル200mlで抽出し、1規定塩酸水溶液、飽
和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒 ヘキサ
ン:酢酸エチル=4:1)に付し、さらに得られた粗精製
物をジイソプロピルエーテルから再結晶することによ
り、化合物f 0.4gを白色結晶の単一異性体として得
た。
融点 111−112℃ NMR(DMSO−d6、δ、ppm) 1.18(t,J=7,1Hz,3H),4.10(q,J=7.1Hz,2H),4.8
−5.5(広幅,2H),6.25(d,J=15.0Hz,1H),6.80(d,J
=8.2Hz,1H),6.94−7.58(m,9H) IR(KBr錠剤、cm-1) 1715,1618,1291,1137,1002 MASS(m/z) 306(M+) 元素分析(%) C20H18O3として C H 実測値 78.59 5.94 計算値 78.41 5.92 参考例7. (E,E)−4−(6,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕オキセ
ピン−11−イリデン)−2−ブテン酸(化合物g) 参考例6で得られた化合物f 0.4g、水酸化ナトリウ
ム0.1g、メタノール50mlと水20mlを混合し、1時間加熱
還流したのち、減圧下溶媒留去した。水で希釈し、2規
定塩酸水溶液を用いてpH2.0に調整した。析出した固体
をろ取することにより白色固体の化合物gを0.1水和物
として0.33g得た。
融点 236.5−237℃ NMR(DMSO−d6、δ、ppm) 4.8−5.5(広幅,2H),6.17(d,J=14.9Hz,1H),6.80
(dd,J=1.1および8.2Hz,1H),6.96(d,J=11.5Hz,1
H),6.94−7.00(m,1H),7.19(dd,J=11.5および14.9H
z,1H),7.20−7.57(m,6H),12.2(bs,1H) IR(KBr錠剤、cm-1) 1683,1610,1276,1203,1113 MASS(m/z) 278(M+) 元素分析(%) C18H14O3・0.1H2Oとして C H 実測値 76.89 4.83 計算値 77.18 5.11 参考例8. 11−メチレン−3−メトキシ−6,11−ジヒドロジベンゾ
〔b,e〕オキセピン(化合物h) メチルトリフェニルホスホニウムブロミド89.2g、水
素化ナトリウム(油性、60%)11gおよび11−オキソ−
3−メトキシ−6,11−ジヒドロジベンゾ〔b,e〕オキセ
ピン30.0gを用い参考例1と同様の方法により白色固体
の化合物h 22.1gを得た。
融点 80−82.5℃ NMR(CDCl3、δ、ppm) 3.74(s,3H),5.14(s,2H),5.18(d,J=1.1Hz,1H),
5.59(d,J=1.1Hz,1H),6.37(d,J=2.5Hz,1H),6.51
(dd,J=2.5および8.6Hz,1H),7.10−7.45(m,5H) IR(KBr錠剤、cm-1) 1620,1599,1414,1318,1265,1030,907 MASS(m/z) 238(M+) 参考例9. (E)/(Z)−2−(3−メトキシ−6,11−ジヒドロ
ジベンゾ〔b,e〕オキセピン−11−イリデン)エタナー
ル(化合物i) オキシ塩化リン10mlとジクロロエタン13mlの混合溶液
を16〜18℃に保ち、これにN−メチルホルムアニリド1
3.6mlを滴下した。30℃で30分間撹拌したのち、参考例
8で得られる化合物h 19.7gを加えた。これを50〜70
℃に保ちながら1時間撹拌した。ジロロエタン100mlを
加えたのち10〜20℃に冷却しながら水50mlを加えた。ジ
クロロメタン800mlで抽出し、飽和食塩水で2回洗浄、
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒留去した。
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶出溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製し、
化合物i 15.3gを得た。
NMR(CDCl3、δ、ppm) アルデヒドのプロトンに関して E体 9.60(d,J−8.1Hz) Z体 9.88(d,J=7.9Hz) MASS(m/z) 266(M+) 参考例10. (E,E)−4−(3−メトキシ−6,11−ジヒドロジベン
ゾ〔b,e〕オキセピン−11−イリデン)−2−ブテン酸
エチル(化合物j) ジエチルホスホノ酢酸エチル25.6g、水素化ナトリウ
ム(油性、60%)4.2gおよび参考例9で得られる化合物
i 13.8gを用い、参考例6と同様の方法により、かつ
ジイソプロピルエーテルを再結晶溶媒とすることにより
化合物jを白色結晶単一異性体として5.5gを得た。
融点 145−146℃ NMR(CDCl3、δ、ppm) 1.26(t,J=7.1Hz,3H),3.74(s,3H),4.17(q,J=7.
1Hz,2H),5.12(bs,2H),6.03(d,J=15.2Hz,1H),6.35
(d,J=2.4Hz,1H),6.53(dd,J=2.5および8.7Hz,1H),
6.68(d,J=11.9Hz,1H),7.10−7.55(m,6H) IR(KBr錠剤、cm-1) 1715,1609,1270,1231,1136,1039 MASS(m/z) 336(M+) 元素分析(%) C21H20O4として C H 実測値 74.88 6.02 計算値 74.98 5.99 参考例11. (E,E)−4−(3−メトキシ−6,11−ジヒドロジベン
ゾ〔b,e〕オキセピン−11−イリデン)−2−ブテン酸
(化合物k) 参考例10で得られる化合物j 5.5gを参考例7と同様
の方法により白色固体の化合物k 4.9gを得た。
融点 251−252℃ NMR(DMSO−d6、δ、ppm) 3.74(s,3H),6.00(d,J=14.9Hz,1H),6.32(d,J=
2.4Hz,1H),6.52(dd,J=2.4および8.7Hz,1H),6.71
(d,J=11.4Hz,1H),7.19−7.50(m,6H) IR(KBr錠剤、cm-1) 1695,1608,1288,1167,1143,1039 MASS(m/z) 308(M+) 元素分析(%) C19H16O4として C H 実測値 73.89 5.46 計算値 74.01 5.23 製剤例1. 錠剤 常法により、次の組成からなる錠剤を作成する。
化合物1 200mg 乳 糖 60mg 馬鈴薯でんぷん 30mg ポリビニルアルコール 2mg ステアリン酸マグネシウム 1mg タール色素 微 量 製剤例2. 散剤 常法により、次の組成からなる散剤を作成する。
化合物2Q 200mg 乳 糖 300mg 製剤例3. シロップ剤 常法により、次の組成からなるシロップ剤を作成す
る。
化合物1 200mg 精製白糖 30 g p−ヒドロキシ安息香酸エチル 40mg p−ヒドロキシ安息香酸プロピル 10mg ストロベリーフレーバー 0.1cc これに水を加えて、全量100ccとする。
製剤例4. 錠剤 常法により、次の組成からなる錠剤を作成する。
化合物1 200mg 乳 糖 60mg 馬鈴薯でんぷん 30mg ポリビニルアルコール 2mg ステアリン酸マグネシウム 1mg タール色素 微 量 製剤例5. シロップ剤 常法により、次の組成からなるシロップ剤を作成す
る。
化合物2Q 200mg 精製白糖 30 g p−ヒドロキシ安息香酸エチル 40mg p−ヒドロキシ安息香酸プロピル 10mg ストロベリーフレーバー 0.1cc これに水を加えて、全量100ccとする。
発明の効果 本発明によれば、PAF拮抗作用を有し、広範囲な疾患
に対し、予防および治療効果を有すると期待される化合
物(I)およびその薬理上許容される塩が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 405/12 C07D 471/04 A61K 31/55

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 {式中、R1、R2aおよびR2bは同一または異なって、水素
    または低級アルキルを表わし、Xは を表わし、nは0または1を表わし、mは0〜4の整数
    を表わし、 は0〜2の整数を表わす}で表わされるジ
    ベンゾオキセピン誘導体またはその薬理上許容される
    塩。
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