JP2881648B2 - 撚り線 - Google Patents
撚り線Info
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- JP2881648B2 JP2881648B2 JP1038943A JP3894389A JP2881648B2 JP 2881648 B2 JP2881648 B2 JP 2881648B2 JP 1038943 A JP1038943 A JP 1038943A JP 3894389 A JP3894389 A JP 3894389A JP 2881648 B2 JP2881648 B2 JP 2881648B2
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- wire
- stranded
- strand
- stranded wire
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、非晶質金属細線からなり、高強度及び高疲労
特性を有する撚り線に関するものである。
特性を有する撚り線に関するものである。
(従来の技術) 近年、鉄系又はコバルト系の非晶質金属細線が得られ
ており、その優れた機械的性質(高強度、高疲労特性)
を利用して、タイヤコード、ベルト補強材、バネ材など
の各種産業用資材への応用が試みられている。
ており、その優れた機械的性質(高強度、高疲労特性)
を利用して、タイヤコード、ベルト補強材、バネ材など
の各種産業用資材への応用が試みられている。
鉄系の非晶質金属細線のタイヤコードへの応用に関し
ては、非晶質金属細線の撚り線を用いて優れた特性のタ
イヤコードを作製できることが特開昭61−47839号公報
に記載されている。また、特開昭62−282087号公報に
は、ゴム物品用補強材への非晶質金属細線を用いた撚り
線の応用が記載されている。さらに、特開昭61−158233
号公報には、車両用タイミングベルト等に使用する伝動
ベルトに非晶質金属細線からなる撚り線を用いることが
記載されており、高強度伝動ベルトが非晶質金属細線の
撚り線を用いて実現できることが記載されている。
ては、非晶質金属細線の撚り線を用いて優れた特性のタ
イヤコードを作製できることが特開昭61−47839号公報
に記載されている。また、特開昭62−282087号公報に
は、ゴム物品用補強材への非晶質金属細線を用いた撚り
線の応用が記載されている。さらに、特開昭61−158233
号公報には、車両用タイミングベルト等に使用する伝動
ベルトに非晶質金属細線からなる撚り線を用いることが
記載されており、高強度伝動ベルトが非晶質金属細線の
撚り線を用いて実現できることが記載されている。
この撚り線の構造について、特開昭62−282087号公報
には、非晶質金属細線を用いて1×n(素線の数n:3,4,
5,7)で示されるストランドを4本撚り合わせてなるコ
ードの記載があり、このコードのストランドのピッチ長
さS1がS1≧40d(d:線径)であり、かつそのストランド
を撚り合わせたコードのピッチ長さS2が1.4S1≦S2≦2.4
S1の範囲であることが破断性に優れた補強用撚り線とし
て望ましいことが記載されている。
には、非晶質金属細線を用いて1×n(素線の数n:3,4,
5,7)で示されるストランドを4本撚り合わせてなるコ
ードの記載があり、このコードのストランドのピッチ長
さS1がS1≧40d(d:線径)であり、かつそのストランド
を撚り合わせたコードのピッチ長さS2が1.4S1≦S2≦2.4
S1の範囲であることが破断性に優れた補強用撚り線とし
て望ましいことが記載されている。
(発明が解決しようとする課題) 前記したように鉄系又はコバルト系の非晶質金属細線
は、優れた高強度及び高疲労特性を有するものの、その
特性が撚り線には十分に活かされていないのが現状であ
る。
は、優れた高強度及び高疲労特性を有するものの、その
特性が撚り線には十分に活かされていないのが現状であ
る。
すなわち、前記したごとく、特開昭62−282087号公報
に記載されている、コードのストランドのピッチ長さS1
がS1≧40d(d:線径)であり、かつそのストランドを撚
り合わせたコードのピッチ長さS2が1.4S1≦S2≦2.4S1の
条件を満足する撚り線の強度及び疲労特性を調べてみる
と、両者とも非常に悪く、素線である非晶質金属細線の
優れた高強度及び高疲労特性が十分に活かされていない
という問題点が判明した。
に記載されている、コードのストランドのピッチ長さS1
がS1≧40d(d:線径)であり、かつそのストランドを撚
り合わせたコードのピッチ長さS2が1.4S1≦S2≦2.4S1の
条件を満足する撚り線の強度及び疲労特性を調べてみる
と、両者とも非常に悪く、素線である非晶質金属細線の
優れた高強度及び高疲労特性が十分に活かされていない
という問題点が判明した。
本発明は、非晶質金属細線からなり、優れた高強度及
び高疲労特性を有する撚り線を提供することを目的とす
るものである。
び高疲労特性を有する撚り線を提供することを目的とす
るものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究の
結果、撚り線の強度及び疲労特性は、撚り線の素線の線
径と撚り構造の関係に大きく左右されるという知見を見
出し、この知見に基づいて撚り線の素線の線径と撚り構
造をある特定の範囲に限定することにより、優れた高強
度及び高疲労特性を有する撚り線が得られることを見出
し、本発明を完成した。
結果、撚り線の強度及び疲労特性は、撚り線の素線の線
径と撚り構造の関係に大きく左右されるという知見を見
出し、この知見に基づいて撚り線の素線の線径と撚り構
造をある特定の範囲に限定することにより、優れた高強
度及び高疲労特性を有する撚り線が得られることを見出
し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、冷間伸線加工を施した複数の非
晶質金属細線を素線として撚り合わせてストランドを形
成し、さらに撚り方向が同一の複数のストランドを該ス
トランドの撚り方向と逆方向に撚り合わせて形成した撚
り線において、 次の関係式 10≦d≦115 (1) S≧N (2) 10≦dN≦130 (3) 〔式中:dは素線の線径(μm)、Sはストランド1cm当
たりの撚り数(回)、Nは撚り線1cm当たりの撚り数
(回)を表す。〕 を満足することを特徴とする撚り線を要旨とするもので
ある。
晶質金属細線を素線として撚り合わせてストランドを形
成し、さらに撚り方向が同一の複数のストランドを該ス
トランドの撚り方向と逆方向に撚り合わせて形成した撚
り線において、 次の関係式 10≦d≦115 (1) S≧N (2) 10≦dN≦130 (3) 〔式中:dは素線の線径(μm)、Sはストランド1cm当
たりの撚り数(回)、Nは撚り線1cm当たりの撚り数
(回)を表す。〕 を満足することを特徴とする撚り線を要旨とするもので
ある。
本発明に用いられる非晶質金属細線は、例えば鉄族系
(Fe,Co,Ni系)の非晶質金属細線があげられ、鉄系非晶
質金属細線としては、 (1)P,C,Si,B,Geの何れか1種又は2種以上で0.01〜3
5原子% (2)Co及びNiの何れか1種又は2種以上で0.01〜40原
子% (3)Cr,Nb,Ta,V,Mo,W,Ti,Zrの何れか1種又は2種以
上で0.01〜15原子% (4)Mn,Pd,A1,Au,Cu,Zu,Cd,Sn,Sb,Hf及びPtの何れか
1種又は2種以上で0.01〜5原子% の群から選ばれた何れか1群又は2群以上を含有量で0.
01〜75原子%含有し、残部が実質的にFeからなる非晶質
金属細線が好ましい。
(Fe,Co,Ni系)の非晶質金属細線があげられ、鉄系非晶
質金属細線としては、 (1)P,C,Si,B,Geの何れか1種又は2種以上で0.01〜3
5原子% (2)Co及びNiの何れか1種又は2種以上で0.01〜40原
子% (3)Cr,Nb,Ta,V,Mo,W,Ti,Zrの何れか1種又は2種以
上で0.01〜15原子% (4)Mn,Pd,A1,Au,Cu,Zu,Cd,Sn,Sb,Hf及びPtの何れか
1種又は2種以上で0.01〜5原子% の群から選ばれた何れか1群又は2群以上を含有量で0.
01〜75原子%含有し、残部が実質的にFeからなる非晶質
金属細線が好ましい。
また、コバルト系非晶質金属細線としては、 (1)P,C,Si,B,Geの何れか1種又は2種以上で0.01〜3
5原子% (2)Fe及びNiの何れか1種又は2種以上で0.01〜40原
子% (3)Cr,Nb,Ta,V,Mo,W,Ti,Zrの何れか1種又は2種以
上で0.01〜15原子% (4)Mn,Pd,A1,Au,Cu,Zu,Cd,Sn,Sb,Hf及びPtの何れか
1種又は2種以上で0.01〜5原子% の群から選ばれた何れか1群又は2群以上を含有量で0.
01〜75原子%含有し、残部が実質的にCoからなる非晶質
金属細線が好ましい。
5原子% (2)Fe及びNiの何れか1種又は2種以上で0.01〜40原
子% (3)Cr,Nb,Ta,V,Mo,W,Ti,Zrの何れか1種又は2種以
上で0.01〜15原子% (4)Mn,Pd,A1,Au,Cu,Zu,Cd,Sn,Sb,Hf及びPtの何れか
1種又は2種以上で0.01〜5原子% の群から選ばれた何れか1群又は2群以上を含有量で0.
01〜75原子%含有し、残部が実質的にCoからなる非晶質
金属細線が好ましい。
さらに、ニッケル系非晶質金属細線としては、 (1)P,C,Si,B,Geの何れか1種又は2種以上で0.01〜3
5原子% (2)Fe及びCoの何れか1種又は2種以上で0.01〜40原
子% (3)Cr,Nb,Ta,V,Mo,W,Ti,Zrの何れか1種又は2種以
上で0.01〜15原子% (4)Mn,Pd,A1,Au,Cu,Zu,Cd,Sn,Sb,Hf及びPtの何れか
1種又は2種以上で0.01〜5原子% の群から選ばれた何れか1群又は2群以上を含有量で0.
01〜75原子%含有し、残部が実質的にNiからなる非晶質
金属細線が好ましい。
5原子% (2)Fe及びCoの何れか1種又は2種以上で0.01〜40原
子% (3)Cr,Nb,Ta,V,Mo,W,Ti,Zrの何れか1種又は2種以
上で0.01〜15原子% (4)Mn,Pd,A1,Au,Cu,Zu,Cd,Sn,Sb,Hf及びPtの何れか
1種又は2種以上で0.01〜5原子% の群から選ばれた何れか1群又は2群以上を含有量で0.
01〜75原子%含有し、残部が実質的にNiからなる非晶質
金属細線が好ましい。
上記の素線となる非晶質金属細線の線径としては、10
μm以上115μ以下であることが必要である。
μm以上115μ以下であることが必要である。
すなわち、下記の(1)式を満足せねばならない。
10≦d≦115 (1) なお、dは素線の線径(μm)である。
素線の線径が10μm未満であると、素線の強力が低
く、撚り工程の際に素線の破断が多発し、また、線径が
115μmを超えると、撚り線を構成する素線の靱性が悪
くなり、撚り線の疲労特性も低下する。
く、撚り工程の際に素線の破断が多発し、また、線径が
115μmを超えると、撚り線を構成する素線の靱性が悪
くなり、撚り線の疲労特性も低下する。
上記の非晶質金属細線は、冷間伸線加工したものを使
用する。この場合、断面圧下率3〜40%の条件で冷間伸
線加工したものが望ましい。
用する。この場合、断面圧下率3〜40%の条件で冷間伸
線加工したものが望ましい。
本発明における撚り線は、複数の前記非晶質金属細線
を素線として撚り合わせたストランドの複数本の撚り合
わせて形成されるが、ストランド1cm当たりの撚り数S
と撚り線1cm当たりの撚り数Nは下記の(2)式を満足
せねばならない。なお、本発明にいう撚り数とは撚り長
さ(ピッチ)p〔cm〕の逆数をいう。
を素線として撚り合わせたストランドの複数本の撚り合
わせて形成されるが、ストランド1cm当たりの撚り数S
と撚り線1cm当たりの撚り数Nは下記の(2)式を満足
せねばならない。なお、本発明にいう撚り数とは撚り長
さ(ピッチ)p〔cm〕の逆数をいう。
S≧N (2) この式の条件は、素線とストランドの力学的安定条件
に基づくものであり、ストランドの撚り数Sが撚り線の
撚り数Nよりも小さくなると、撚り線に捻り応力が残り
撚り線の直線性が悪くなり、疲労特性が劣化する。
に基づくものであり、ストランドの撚り数Sが撚り線の
撚り数Nよりも小さくなると、撚り線に捻り応力が残り
撚り線の直線性が悪くなり、疲労特性が劣化する。
さらに、本発明における撚り線においては、素線の線
径dと撚り線の撚り数Nとが下記の(3)式で表される
関係を満足せねばならない。
径dと撚り線の撚り数Nとが下記の(3)式で表される
関係を満足せねばならない。
10≦dN≦130 (3) この条件は、非晶質金属細線からなる疲労特性に優れ
た高強度の撚り線を得るために満足しなければならない
条件であり、前記関係式のdNの値が130を越えると、素
線である非晶質金属細線が受ける捻り応力が高くなり、
素線の疲労特性が損なわれ、それに伴い撚り線の疲労特
性も大幅に低下する。また、前記関係式のdNの値が10よ
り小さいと、撚り線の集束性が悪くなり、撚り線の疲労
特性もばらつき、撚り線としての実用性が低下する。
た高強度の撚り線を得るために満足しなければならない
条件であり、前記関係式のdNの値が130を越えると、素
線である非晶質金属細線が受ける捻り応力が高くなり、
素線の疲労特性が損なわれ、それに伴い撚り線の疲労特
性も大幅に低下する。また、前記関係式のdNの値が10よ
り小さいと、撚り線の集束性が悪くなり、撚り線の疲労
特性もばらつき、撚り線としての実用性が低下する。
さらに、本発明の撚り線の撚り構造としては、撚り線
を構成する複数のストランドの撚り方向が同じ方向であ
り、かつ、撚り線の撚り方向がストランドの撚り方向と
は逆方向になっていることが必要である。これは撚り線
を構成する素線とストランドの力学的安定条件に基づく
ものであり、ストランドの撚り方向と撚り線の撚り方向
が逆でない場合は疲労特性に優れた高強度の撚り線が得
られなくなる。
を構成する複数のストランドの撚り方向が同じ方向であ
り、かつ、撚り線の撚り方向がストランドの撚り方向と
は逆方向になっていることが必要である。これは撚り線
を構成する素線とストランドの力学的安定条件に基づく
ものであり、ストランドの撚り方向と撚り線の撚り方向
が逆でない場合は疲労特性に優れた高強度の撚り線が得
られなくなる。
本発明の撚り線を製造するには、例えばリングねん糸
機などの各種ねん糸機やチューブラーなどの各種撚り線
機を用いて行うことができる。
機などの各種ねん糸機やチューブラーなどの各種撚り線
機を用いて行うことができる。
例えば、リングねん糸機の場合には、糸(非晶質金属
細線)速度10〜150m/分、スビンドル回転数200〜4000r.
p.m.の条件下で、S撚りあるいはZ撚りのストランドを
作製した後、そのストランドを用いてストランドの撚り
方向とは逆方向に撚りをかけることによって撚り線を作
製することができる。このリングねん糸機を用いると、
本発明の疲労特性に優れた高強度の撚り線が効率良く経
済的に得ることができる。
細線)速度10〜150m/分、スビンドル回転数200〜4000r.
p.m.の条件下で、S撚りあるいはZ撚りのストランドを
作製した後、そのストランドを用いてストランドの撚り
方向とは逆方向に撚りをかけることによって撚り線を作
製することができる。このリングねん糸機を用いると、
本発明の疲労特性に優れた高強度の撚り線が効率良く経
済的に得ることができる。
(実施例) 次に本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 回転液中紡糸法により、Co45原子%、Fe23原子%、Cr
10原子%、Si9原子%、B13原子%からなる線径125μm
の非晶質金属細線を作製した。このときの製造条件とし
ては、アルゴンガス噴出圧が4.5Kg/cm2で、紡糸ノズル
先端の石英製ノズルピースの孔径が0.125mmφで、回転
ドラムのドラム径が500mmφで、ドラムの回転数が320r.
p.m.であった。
10原子%、Si9原子%、B13原子%からなる線径125μm
の非晶質金属細線を作製した。このときの製造条件とし
ては、アルゴンガス噴出圧が4.5Kg/cm2で、紡糸ノズル
先端の石英製ノズルピースの孔径が0.125mmφで、回転
ドラムのドラム径が500mmφで、ドラムの回転数が320r.
p.m.であった。
次いで、得られた非晶質金属細線をダイヤモンドダイ
スを用いて冷間で断面圧下率が10%になるように線引加
工を行って線径50μmの非晶質金属細線を得た。
スを用いて冷間で断面圧下率が10%になるように線引加
工を行って線径50μmの非晶質金属細線を得た。
次に、得られた非晶質金属細線を用いて共立機械製作
所製リングツイスターH−10型により、素線7本からな
る1cm当たりの撚り数0.85回のストランドを作製し、そ
のストランドを4本用いて再びリングツイスターH−10
型により、撚り線を行って1cm当たりの撚り数0.80回で
ある撚り線を3本作製した。このときのストランド及び
撚り線の作成条件は、ストランドの撚り方向がZに対し
て撚り線の撚り方向はSであり、ストランド及び撚り線
の撚り数は、ねん糸機のスピンドル回転数を2200r.p.m.
とし、糸速度を30m/分として得たものである。
所製リングツイスターH−10型により、素線7本からな
る1cm当たりの撚り数0.85回のストランドを作製し、そ
のストランドを4本用いて再びリングツイスターH−10
型により、撚り線を行って1cm当たりの撚り数0.80回で
ある撚り線を3本作製した。このときのストランド及び
撚り線の作成条件は、ストランドの撚り方向がZに対し
て撚り線の撚り方向はSであり、ストランド及び撚り線
の撚り数は、ねん糸機のスピンドル回転数を2200r.p.m.
とし、糸速度を30m/分として得たものである。
得られた撚り線を用いて引張り試験及び疲労試験を行
った。
った。
疲労試験(疲労特性)は、第1図に示した屈曲疲労試
験機を用いて、プーリー(2)の径15mm、荷重(3)の
重量2kg、駆動カム(4)の回転数180r.p.m.の条件下で
測定した撚り線(1)の破断に至るまでの屈曲回数(荷
重の上下回数)で評価して行った。
験機を用いて、プーリー(2)の径15mm、荷重(3)の
重量2kg、駆動カム(4)の回転数180r.p.m.の条件下で
測定した撚り線(1)の破断に至るまでの屈曲回数(荷
重の上下回数)で評価して行った。
また、撚り線の強力Fc〔kg〕は、インストロン引張り
試験機を用いて、試料長76mm:歪速度2.5×10-2/分で測
定した破断強力である。
試験機を用いて、試料長76mm:歪速度2.5×10-2/分で測
定した破断強力である。
さらに、強力保持率(%)は、撚り線を構成する素線
の強力Ff〔kg〕と素線の本数Nfから次式より算出した値
である。
の強力Ff〔kg〕と素線の本数Nfから次式より算出した値
である。
強力保持率(%)=100Fc/(Ff・Nf) 引張りの試験の結果は、3本の撚り線の強力の平均値
は18kgであった。また、疲労試験(疲労特性)の結果
は、3本の撚り線の破断までの屈曲回数の平均値は2×
104回であった。
は18kgであった。また、疲労試験(疲労特性)の結果
は、3本の撚り線の破断までの屈曲回数の平均値は2×
104回であった。
比較例1 実施例1と同様にして線径50μmの非晶質金属細線を
得た。さらに得られた非晶質金属細線を用いて、株式会
社石山製作所のチューブラー型撚り線機により、撚り線
を行い、素線7本がS撚り及びZ撚りで合わされたスト
ランドからなり、隣接するストランドの撚り方向が逆方
向であるように撚り合わされた7×4の撚り構造を持つ
撚り線を3本作製した。
得た。さらに得られた非晶質金属細線を用いて、株式会
社石山製作所のチューブラー型撚り線機により、撚り線
を行い、素線7本がS撚り及びZ撚りで合わされたスト
ランドからなり、隣接するストランドの撚り方向が逆方
向であるように撚り合わされた7×4の撚り構造を持つ
撚り線を3本作製した。
得られたストランドの撚り数Sは、2.5回であり、撚
り線の撚り数Nは、1.25回であった。
り線の撚り数Nは、1.25回であった。
次に、得られた撚り線を用いて、実施例1と同様にし
て引張り試験及び疲労試験を行った。
て引張り試験及び疲労試験を行った。
その結果、3本の撚り線の強力の平均値は17.8kgと実
施例1と同レベルであったが、破断までの屈曲回数の平
均値は3×103回であり、実施例1に比べて大幅に劣っ
ていた。
施例1と同レベルであったが、破断までの屈曲回数の平
均値は3×103回であり、実施例1に比べて大幅に劣っ
ていた。
実施例2〜4,比較例2〜3 実施例1と同様にして線径50μmの非晶質金属細線を
得た後、共立機械製作所リングツイスターH−10型によ
り、撚り線を行って表1に示す撚り構造を持つ撚り線を
3本ずつ作成した。ここで撚りの線の構造は、(ストラ
ンド中の素線の本数)×(ストランドの本数)で表す。
得た後、共立機械製作所リングツイスターH−10型によ
り、撚り線を行って表1に示す撚り構造を持つ撚り線を
3本ずつ作成した。ここで撚りの線の構造は、(ストラ
ンド中の素線の本数)×(ストランドの本数)で表す。
次に、得られた撚り線を用いて実施例1と同様に引張
試験及び疲労試験を行った。ここで、疲労試験の荷重は
10kgを用いた。
試験及び疲労試験を行った。ここで、疲労試験の荷重は
10kgを用いた。
引張試験及び疲労試験の結果を表1に合わせて示す。
なお、表1の値は、3本の撚り線の平均値である。
表1から明らかなように、本実施例の撚り線は、比較
例2及び3に比べて強度及び疲労特性に優れていた。
例2及び3に比べて強度及び疲労特性に優れていた。
さらに、比較例2は、表1には示されていないが、疲
労特性のバラツキが大きかった。
労特性のバラツキが大きかった。
実施例5〜8,比較例4〜5 回転液中紡糸法によりCo45原子%、Fe23原子%、Cr10
原子%、Si原子%、B13原子%からなる線径125μmの非
晶質金属細線を作製した後、冷間で線引加工を行って線
径がそれぞれ8,20,50,100,120μmの非晶質金属細線を
得た。
原子%、Si原子%、B13原子%からなる線径125μmの非
晶質金属細線を作製した後、冷間で線引加工を行って線
径がそれぞれ8,20,50,100,120μmの非晶質金属細線を
得た。
次に、得られた非晶質金属細線を用いて実施例1と同
様に共立機械製作所製リングツイスターH−10型によ
り、撚り線を作製し、表2に示す構造を持つ撚り線を3
本ずつ作製した。
様に共立機械製作所製リングツイスターH−10型によ
り、撚り線を作製し、表2に示す構造を持つ撚り線を3
本ずつ作製した。
得られた撚り線を実施例2と同様にして引張り試験及
び疲労試験を行った。その結果を表2に示す。
び疲労試験を行った。その結果を表2に示す。
なお、表2の強力及び疲労特性は、3本の撚り線の平
均値である。
均値である。
表2から本実施例5〜8は比較例5に比べて疲労特性
に優れていることが明らかである。
に優れていることが明らかである。
また、比較例4は素線の強力が弱すぎるため、撚り線
を作製することができなかった。
を作製することができなかった。
(発明の効果) 本発明によれば、素線である非晶質金属細線の優れた
高強度及び高疲労特性が十分に活かされ、優れた高強度
及び高疲労特性を有している撚り線を得ることができ
る。
高強度及び高疲労特性が十分に活かされ、優れた高強度
及び高疲労特性を有している撚り線を得ることができ
る。
そして、この得られた撚り線は、各種ベルト補強材と
して非常に有用である。
して非常に有用である。
第1図は、疲労特性を測定するための屈曲疲労試験機の
概略図である。 1……撚り線、2……プーリー 3……荷重、4……駆動カム
概略図である。 1……撚り線、2……プーリー 3……荷重、4……駆動カム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−46955(JP,A) 特開 昭48−95310(JP,A) 特開 昭61−47839(JP,A) 特開 昭58−221703(JP,A) 特開 昭63−24297(JP,A) 特開 昭58−191609(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D07B 1/06
Claims (1)
- 【請求項1】冷間伸線加工を施した複数の非晶質金属細
線を素線として撚り合わせてストランドを形成し、さら
に撚り方向が同一の複数のストランドを該ストランドの
撚り方向と逆方向に撚り合わせて形成した撚り線であっ
て、 次の関係式 10≦d≦115 (1) S≧N (2) 10≦dN≦130 (3) 〔式中において、dは素線の線径(μm)、Sはストラ
ンド1cm当たりの撚り数(回)、Nは撚り線1cm当たりの
撚り数(回)を表す。〕 を満足することを特徴とする撚り線。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP1038943A JP2881648B2 (ja) | 1989-02-17 | 1989-02-17 | 撚り線 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP2881648B2 true JP2881648B2 (ja) | 1999-04-12 |
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ID=12539302
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP1038943A Expired - Fee Related JP2881648B2 (ja) | 1989-02-17 | 1989-02-17 | 撚り線 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2881648B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
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JPH07112494A (ja) * | 1993-10-20 | 1995-05-02 | Bando Chem Ind Ltd | ベルトの抗張体 |
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JPS58221703A (ja) * | 1982-06-18 | 1983-12-23 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 競技用タイヤ |
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-
1989
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