JP2877327B2 - 水力機械の漏排水処理装置およびその使用方法 - Google Patents
水力機械の漏排水処理装置およびその使用方法Info
- Publication number
- JP2877327B2 JP2877327B2 JP1014992A JP1499289A JP2877327B2 JP 2877327 B2 JP2877327 B2 JP 2877327B2 JP 1014992 A JP1014992 A JP 1014992A JP 1499289 A JP1499289 A JP 1499289A JP 2877327 B2 JP2877327 B2 JP 2877327B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- runner
- hydraulic machine
- leakage
- outlet
- leak
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/20—Hydro energy
Landscapes
- Hydraulic Turbines (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) この発明は、ランナの空転運転時、閉じられたガイド
ベーンからの漏水を放置しておくと、ランナ回転がもた
らす摩擦熱が漏水に与えられて、回転エネルギを無駄に
し、また流力上の特性を悪くし、さらには構成機器の損
耗を招く等に鑑み、漏水を好ましく引き抜くようにする
水力機械の漏排水処理装置および使用方法に関する。
ベーンからの漏水を放置しておくと、ランナ回転がもた
らす摩擦熱が漏水に与えられて、回転エネルギを無駄に
し、また流力上の特性を悪くし、さらには構成機器の損
耗を招く等に鑑み、漏水を好ましく引き抜くようにする
水力機械の漏排水処理装置および使用方法に関する。
(従来の技術) 水力機械、とりわけポンプあるいはポンプ水車におい
ては、電力系統の安定性を求めて起動運転時あるいは調
相運転時等、ランナ充水を強制的に吸出管に押し下げ
る、いわゆるランナの空転運転が行なわれている。
ては、電力系統の安定性を求めて起動運転時あるいは調
相運転時等、ランナ充水を強制的に吸出管に押し下げ
る、いわゆるランナの空転運転が行なわれている。
このランナの空転運転は、ランナの入口側に位置する
ガイドベーン(流量調整用の可動案内羽根)を閉じた状
態で、ランナ室内の充水に高圧空気を送って押し下げ、
充水が吸出管まで下ったところで、ランナを回転させる
気相中の運転であって、こうした運転によって回転軸の
駆動トルクを無駄のないようにして定格運転に入るいわ
ゆる定格前の準備運転である。
ガイドベーン(流量調整用の可動案内羽根)を閉じた状
態で、ランナ室内の充水に高圧空気を送って押し下げ、
充水が吸出管まで下ったところで、ランナを回転させる
気相中の運転であって、こうした運転によって回転軸の
駆動トルクを無駄のないようにして定格運転に入るいわ
ゆる定格前の準備運転である。
かような準備運転の場合、ガイドベーンのすき間をつ
たわって、作動流水の一部が漏水としてランナ室内にあ
らわれることがある。ランナ室内に漏水があらわれる
と、ランナの回転によって引き起される遠心力をまとも
に受けて、漏水はガイドベーンに寄せ集められ、あたか
もガイドベーンを背に粗密な水膜となって一種のバリア
ができる。バリアはランナの回転中に出る摩擦熱をじか
に受けて加熱の状態に入り、このため構成機器に膨張・
変形を誘発する好ましくない現象があらわれる。
たわって、作動流水の一部が漏水としてランナ室内にあ
らわれることがある。ランナ室内に漏水があらわれる
と、ランナの回転によって引き起される遠心力をまとも
に受けて、漏水はガイドベーンに寄せ集められ、あたか
もガイドベーンを背に粗密な水膜となって一種のバリア
ができる。バリアはランナの回転中に出る摩擦熱をじか
に受けて加熱の状態に入り、このため構成機器に膨張・
変形を誘発する好ましくない現象があらわれる。
かような現象を取り除く対策として、例えば特公昭45
−12002号公報、特公昭47−38339号公報、特開昭52−74
736号公報に見られるように、ガイドベーンの漏水を漏
排水管を用いて引き抜く技術が多く開示されている。漏
水を積極的に引き抜く技術を今少し詳しく第3図を用い
て説明する。
−12002号公報、特公昭47−38339号公報、特開昭52−74
736号公報に見られるように、ガイドベーンの漏水を漏
排水管を用いて引き抜く技術が多く開示されている。漏
水を積極的に引き抜く技術を今少し詳しく第3図を用い
て説明する。
この技術は、立軸うず巻形水車を一例に採ったもの
で、図中、回転軸3と直結するランナ2はうず巻形ケー
シング1の中央に配され、このランナ2の入口側には開
閉自在なガイドベーン4が環状列に、またその出口側に
はエルボ形の吸出管(ドラフトチューブ)5が図示しな
い下池に延びるように配されている。
で、図中、回転軸3と直結するランナ2はうず巻形ケー
シング1の中央に配され、このランナ2の入口側には開
閉自在なガイドベーン4が環状列に、またその出口側に
はエルボ形の吸出管(ドラフトチューブ)5が図示しな
い下池に延びるように配されている。
ランナ2は上下をカバーで外被され、ランナ側圧室7
を形成する。このランナ側圧室7はガイドベーン4から
の漏水を引き抜く漏排水処理装置6aを備える。漏排水処
理装置6aは一対の漏排水管8a,8bからなり、その一の入
口端はランナ側圧室7に、また他の一の入口端はガイド
ベーン4の直下に開設されている。漏排水管8a,8bは吸
出管5に沿って延び、途中に第1弁9a、第2弁9bを介装
してそれぞれの出口端を吸出管5の垂直線部に結ぶ。
を形成する。このランナ側圧室7はガイドベーン4から
の漏水を引き抜く漏排水処理装置6aを備える。漏排水処
理装置6aは一対の漏排水管8a,8bからなり、その一の入
口端はランナ側圧室7に、また他の一の入口端はガイド
ベーン4の直下に開設されている。漏排水管8a,8bは吸
出管5に沿って延び、途中に第1弁9a、第2弁9bを介装
してそれぞれの出口端を吸出管5の垂直線部に結ぶ。
こうした構成において、水車の定格運転時の場合、う
ず巻きケーシング1からの作動流水がガイドベーン4で
流量調整され、調整された作動流水はランナ2に回転エ
ネルギを与え、そのエネルギを得て図示しない発電機が
電気出力を出し、仕事を終えた作動流水はランナ2から
吸出管5を経て下池に送り出される。また、水車の起動
時や調相運転時、うず巻ケーシング1からの作動流水が
ガイドベーン4で通断され、充水の水面11は図示の位置
まで押し下げて、ランナ室10を空室のままランナ空転運
転が行なわれ、この間、ガイドベーン4からの漏水は漏
排水管8a,8bを使って引き抜き、吸出管5に送り出され
る。このようにして漏水を積極的に引き抜き、ランナ空
転中に発生が予想される構成機器の損耗を予防的に保全
している。
ず巻きケーシング1からの作動流水がガイドベーン4で
流量調整され、調整された作動流水はランナ2に回転エ
ネルギを与え、そのエネルギを得て図示しない発電機が
電気出力を出し、仕事を終えた作動流水はランナ2から
吸出管5を経て下池に送り出される。また、水車の起動
時や調相運転時、うず巻ケーシング1からの作動流水が
ガイドベーン4で通断され、充水の水面11は図示の位置
まで押し下げて、ランナ室10を空室のままランナ空転運
転が行なわれ、この間、ガイドベーン4からの漏水は漏
排水管8a,8bを使って引き抜き、吸出管5に送り出され
る。このようにして漏水を積極的に引き抜き、ランナ空
転中に発生が予想される構成機器の損耗を予防的に保全
している。
(発明が解決しようとする課題) ところで、上記構成の漏排水装置では、漏排水管8a,8
bの出口端が吸出管5の比較的上位位置の垂直線部に結
ばれているため、ランナ空転中、漏水がその摩擦熱を受
けて加熱され、加熱水のまま引き抜かれて吸出管5に送
り出されることも手伝って、ランナ回転中、その加熱水
を巻き込み、ランナ2自身の過度な温度上昇を招く不具
合がある。この現象は、調相運転など比較的長時間のラ
ンナ空転運転を行う場合に著しく、その解決策が求めら
れている。
bの出口端が吸出管5の比較的上位位置の垂直線部に結
ばれているため、ランナ空転中、漏水がその摩擦熱を受
けて加熱され、加熱水のまま引き抜かれて吸出管5に送
り出されることも手伝って、ランナ回転中、その加熱水
を巻き込み、ランナ2自身の過度な温度上昇を招く不具
合がある。この現象は、調相運転など比較的長時間のラ
ンナ空転運転を行う場合に著しく、その解決策が求めら
れている。
かかる解決策の一つに、漏排水管8a,8bを第3図示の
破線位置までの延長管8c,8dにすれば、加熱水の巻き込
みを防止できると考えられる。
破線位置までの延長管8c,8dにすれば、加熱水の巻き込
みを防止できると考えられる。
しかし、漏排水管8a,8bを破線位置まで延長すること
は、加熱水がランナ室10の気相(高圧空気)を引きずり
込んで下池へつれさるため、ランナ室10の気圧が時間の
経過とともに減少し、その結果、今度は逆に水面11の圧
力が勝って上昇し、ついにはランナ2の水面接触による
ランナ空転運転の続行が不可能になるか、さもなくばラ
ンナ空転運転継続のために常時高圧空気をランナ室10に
加えなければならず、コンプレッサ等の支援設備の大形
化を招く。
は、加熱水がランナ室10の気相(高圧空気)を引きずり
込んで下池へつれさるため、ランナ室10の気圧が時間の
経過とともに減少し、その結果、今度は逆に水面11の圧
力が勝って上昇し、ついにはランナ2の水面接触による
ランナ空転運転の続行が不可能になるか、さもなくばラ
ンナ空転運転継続のために常時高圧空気をランナ室10に
加えなければならず、コンプレッサ等の支援設備の大形
化を招く。
以上の問題点を、第4A,B図、第5A,B図を参照して定量
的に説明する。第4A,B図はグラフの横軸座標と実寸法長
さとを、同一記号を使って対応させたもので、ここで漏
排水管8aの出口端が吸出管5に結ばれる位置を、ランナ
2の出口から距離L1とし、ランナ出口径をDeとする。距
離L1を変化させた場合、ランナ空転中のランナ室10の温
度上昇値Δtは第4A図の如くに変化する。このグラフに
あらわされている実線は発電方向のランナ空転運転時の
温度上昇値であり、破線は揚水方向のランナ空転運転時
のそれを示している。なお温度上昇値のΔtはランナ空
転運転開始からの温度上昇の飽和した値を示している。
的に説明する。第4A,B図はグラフの横軸座標と実寸法長
さとを、同一記号を使って対応させたもので、ここで漏
排水管8aの出口端が吸出管5に結ばれる位置を、ランナ
2の出口から距離L1とし、ランナ出口径をDeとする。距
離L1を変化させた場合、ランナ空転中のランナ室10の温
度上昇値Δtは第4A図の如くに変化する。このグラフに
あらわされている実線は発電方向のランナ空転運転時の
温度上昇値であり、破線は揚水方向のランナ空転運転時
のそれを示している。なお温度上昇値のΔtはランナ空
転運転開始からの温度上昇の飽和した値を示している。
このグラフから、温度上昇値Δtは発電方向のランナ
空転運転と、揚水方向のランナ空転運転とでは大きく異
なり、前者の場合、特に温度上昇が苛酷であることが示
されており、また発電方向のランナ空転運転の場合、L1
/Deが0.9を境に急激変化することが示されている。
空転運転と、揚水方向のランナ空転運転とでは大きく異
なり、前者の場合、特に温度上昇が苛酷であることが示
されており、また発電方向のランナ空転運転の場合、L1
/Deが0.9を境に急激変化することが示されている。
すなわち、発電方向空転運転時においてL1は0.9より
大きく設定する必要があり、揚水方向空転運転時におい
てL1は発電方向空転運転時より小さく設定しても温度上
昇が小さいことがわかる。
大きく設定する必要があり、揚水方向空転運転時におい
てL1は発電方向空転運転時より小さく設定しても温度上
昇が小さいことがわかる。
第5A,B図もグラフの横座標と実寸法長さとを同一記号
を使って対応させたもので、漏排水管8aの出口端が吸出
管5に結ばれる位置を、吸出管5の横断外形線Hから距
離L2とする。距離L2を変化させて、ランナ室10からの漏
気量Qa(ここでの漏気量とはランナ室10の空気が吸出管
5の下部に位置する水面に引き込まれる量と定義する)
をグラフにしたのが第5A図である。このグラフで、実線
が発電方向のランナ空転運転時であり、破線が揚水方向
のランナ空転運転時を意味する。
を使って対応させたもので、漏排水管8aの出口端が吸出
管5に結ばれる位置を、吸出管5の横断外形線Hから距
離L2とする。距離L2を変化させて、ランナ室10からの漏
気量Qa(ここでの漏気量とはランナ室10の空気が吸出管
5の下部に位置する水面に引き込まれる量と定義する)
をグラフにしたのが第5A図である。このグラフで、実線
が発電方向のランナ空転運転時であり、破線が揚水方向
のランナ空転運転時を意味する。
このグラフからも理解されるように、漏気量Qaは発電
方向であろうと揚水方向であろうとランナ空転運転の場
合、距離L2が短いと一段と高くなっており、L2/Deが0.
85を境に低い値になっている。
方向であろうと揚水方向であろうとランナ空転運転の場
合、距離L2が短いと一段と高くなっており、L2/Deが0.
85を境に低い値になっている。
さらには、揚水方向空転運転時においてL2は0.85より
大きく設定する必要があり、発電方向空転運転時におい
てL2は揚水方向空転運転時より小さく設定しても漏気量
が少ないことがわかる。
大きく設定する必要があり、発電方向空転運転時におい
てL2は揚水方向空転運転時より小さく設定しても漏気量
が少ないことがわかる。
よって、揚水方向空転運転時には出口端を高くかつ発
電方向空転運転時には出口端を低く設定した方がよいこ
とがわかる。
電方向空転運転時には出口端を低く設定した方がよいこ
とがわかる。
かようにランナ空転運転時、漏水を引き抜く漏排水管
の出口端を吸出管のどの位置に定めるかは水力機械の運
転上、重要な影響を与えており、一段とすぐれた技術の
出現が望まれている。
の出口端を吸出管のどの位置に定めるかは水力機械の運
転上、重要な影響を与えており、一段とすぐれた技術の
出現が望まれている。
この発明は、漏排水管の出口端の吸出管への接続位置
いかんによって構成機器の損耗と相まって流力上の特性
が悪くなり、あるいは支援設備の大形化につながるとい
う従来の問題点に鑑み、何ら支障なく安定した運転が続
行できるようにする水力機械の漏排水処理装置およびそ
の使用方法を公表することを目的とする。
いかんによって構成機器の損耗と相まって流力上の特性
が悪くなり、あるいは支援設備の大形化につながるとい
う従来の問題点に鑑み、何ら支障なく安定した運転が続
行できるようにする水力機械の漏排水処理装置およびそ
の使用方法を公表することを目的とする。
(課題を解決するための手段) この発明は、上記目的達成のための第1構成として、
起動運転時あるいは調相運転時、ガイドベーンを閉じ、
充水を吸出管の下方に押し下げ、ランナ室を空室の状態
でランナに回転運転を与える水力機械において、ランナ
空転運転中、前記ガイドベーンからの漏水を引き抜く漏
排水管の入口端をランナ側圧室に開設し、その漏排水管
の出口端を二方口に位置の高さを異ならしめて吸出管に
連結させるとともに、漏排水管の2種類の出口端のうち
ランナ出口から遠い出口端には水力機械の発電方向にお
けるランナ空転運転時に開動作しかつ水力機械の揚水方
向におけるランナ空転運転時に閉動作する第1弁を設置
し、漏排水管の2種類の出口端のうちランナ出口から近
い出口端には水力機械の発電方向におけるランナ空転運
転時に閉動作しかつ水力機械の揚水方向におけるランナ
空転運転時に開動作する第2弁を設置してなることを特
徴とする水力機械の漏排水処理装置を提供し、さらに本
発明の第2構成は、起動運転時あるいは調相運転時、ガ
イドベーンを閉じ、充水を吸出管の下方に押し下げ、ラ
ンナ室を空室の状態でランナに回転運転を与える水力機
械において、ランナ側圧室に開設する入口端を共通に
し、出口端を二方口に位置の高さを異ならしめて吸出管
に連結された漏排水管を使用し、水力機械の発電方向に
おけるランナ空転運転時では、漏排水管の2種類の出口
端のうちランナ出口から遠い出口端を使用して漏水を引
き抜き、水力機械の揚水方向におけるランナ空転運転時
では、漏排水管の2種類の出口端のうちランナ出口に近
い出口端を使用して漏水を引き抜くことを特徴とする水
力機械の漏排水処理装置の使用方法を提供する。
起動運転時あるいは調相運転時、ガイドベーンを閉じ、
充水を吸出管の下方に押し下げ、ランナ室を空室の状態
でランナに回転運転を与える水力機械において、ランナ
空転運転中、前記ガイドベーンからの漏水を引き抜く漏
排水管の入口端をランナ側圧室に開設し、その漏排水管
の出口端を二方口に位置の高さを異ならしめて吸出管に
連結させるとともに、漏排水管の2種類の出口端のうち
ランナ出口から遠い出口端には水力機械の発電方向にお
けるランナ空転運転時に開動作しかつ水力機械の揚水方
向におけるランナ空転運転時に閉動作する第1弁を設置
し、漏排水管の2種類の出口端のうちランナ出口から近
い出口端には水力機械の発電方向におけるランナ空転運
転時に閉動作しかつ水力機械の揚水方向におけるランナ
空転運転時に開動作する第2弁を設置してなることを特
徴とする水力機械の漏排水処理装置を提供し、さらに本
発明の第2構成は、起動運転時あるいは調相運転時、ガ
イドベーンを閉じ、充水を吸出管の下方に押し下げ、ラ
ンナ室を空室の状態でランナに回転運転を与える水力機
械において、ランナ側圧室に開設する入口端を共通に
し、出口端を二方口に位置の高さを異ならしめて吸出管
に連結された漏排水管を使用し、水力機械の発電方向に
おけるランナ空転運転時では、漏排水管の2種類の出口
端のうちランナ出口から遠い出口端を使用して漏水を引
き抜き、水力機械の揚水方向におけるランナ空転運転時
では、漏排水管の2種類の出口端のうちランナ出口に近
い出口端を使用して漏水を引き抜くことを特徴とする水
力機械の漏排水処理装置の使用方法を提供する。
(作用) かかる第1,2構成では、水力機械の運転の種類に応じ
て漏排水管の出口端が使い分けられるので、ランナ室の
温度上昇、ランナ室の漏気量ともに運転上支障のない許
容範囲におさめることができる。すなわち、温度上昇の
増減と漏気量の増減とは漏排水管の出口端の取付位置い
かんによっては相反する関係にあるので、2種類の出口
端を運転の種類に応じて巧みに使い分ければ、第4A図、
第5A図のデッドラインE1.E2から右側の値になり、水力
機械の運転上支障なく続行できる。
て漏排水管の出口端が使い分けられるので、ランナ室の
温度上昇、ランナ室の漏気量ともに運転上支障のない許
容範囲におさめることができる。すなわち、温度上昇の
増減と漏気量の増減とは漏排水管の出口端の取付位置い
かんによっては相反する関係にあるので、2種類の出口
端を運転の種類に応じて巧みに使い分ければ、第4A図、
第5A図のデッドラインE1.E2から右側の値になり、水力
機械の運転上支障なく続行できる。
(実施例) 以下、この発明にかかる水力機械の漏排水処理装置お
よびその使用方法を図面を参照して説明する。
よびその使用方法を図面を参照して説明する。
第1図は、この発明の一実施例を示す概略図で、水力
機械としては発電用の立軸うず巻水車を一例として適用
する。なお、第3図の従来例に使用する構成部品と同一
構成部品には同一符号を付してある。
機械としては発電用の立軸うず巻水車を一例として適用
する。なお、第3図の従来例に使用する構成部品と同一
構成部品には同一符号を付してある。
この実施例に適用される立軸うず巻形水車は、回転軸
3に直結するランナ2を備え、ランナ2とともに環状列
に配されているガイドベーン4がうず巻ケーシング1に
収められており、うず巻ケーシング1からの作動流水は
ガイドベーン4、ランナ2を経る間に動水エネルギが回
転エネルギに変り、エネルギ変換後の作動流水はエルボ
形の吸出管5を経て図示しない下池に送り出される構成
になっている。また、ランナ2の両側にはランナ側圧室
7が形成されて、閉じたガイドベーン4からの漏水を導
く受口になっている。
3に直結するランナ2を備え、ランナ2とともに環状列
に配されているガイドベーン4がうず巻ケーシング1に
収められており、うず巻ケーシング1からの作動流水は
ガイドベーン4、ランナ2を経る間に動水エネルギが回
転エネルギに変り、エネルギ変換後の作動流水はエルボ
形の吸出管5を経て図示しない下池に送り出される構成
になっている。また、ランナ2の両側にはランナ側圧室
7が形成されて、閉じたガイドベーン4からの漏水を導
く受口になっている。
上記ランナ側圧室7と吸出管5の垂直部とは漏排水装
置6aで結ばれている。漏排水装置6aは、入口端をランナ
側圧室7に開設し、出口端の高さ位置を異ならしめる2
方口14a,14bを備えた漏排水管12からなる。この漏排水
管12は2方口14a,14bに第1弁13a、第2弁13bを備え
る。
置6aで結ばれている。漏排水装置6aは、入口端をランナ
側圧室7に開設し、出口端の高さ位置を異ならしめる2
方口14a,14bを備えた漏排水管12からなる。この漏排水
管12は2方口14a,14bに第1弁13a、第2弁13bを備え
る。
上記2方口14a,14bのうち、一方の口14bは、ランナ2
の出口径をDeとし、ランナ2の出口から距離L1とする
と、 L1>0.9×De の範囲に吸出管5の垂直部と接続する。また、他の一つ
は吸出管5の横断面外形線Hからの距離L2とするとき、 L2>0.85×De の範囲の位置に吐出管5の垂直部と接続する。
の出口径をDeとし、ランナ2の出口から距離L1とする
と、 L1>0.9×De の範囲に吸出管5の垂直部と接続する。また、他の一つ
は吸出管5の横断面外形線Hからの距離L2とするとき、 L2>0.85×De の範囲の位置に吐出管5の垂直部と接続する。
こうして、ガイドベーン4からの漏水があると、第1
弁13a、第2弁13bが巧みに開閉されて2方口14a,14bの
両方またはいずれか一方が漏水を引き抜くために使用さ
れる。
弁13a、第2弁13bが巧みに開閉されて2方口14a,14bの
両方またはいずれか一方が漏水を引き抜くために使用さ
れる。
次に、漏排水管6aの使用方法をランナ空転運転を例に
採り詳述する。
採り詳述する。
例えば、ランナ2の回転方向が発電方向の場合、閉じ
たガイドベーン4から漏水があると、第1弁13aを閉
じ、第2弁13bを開口させ、ランナ側圧室7からの漏水
を引き抜いて吸出管5に送り出す。この場合、2方口14
a,14bのうち、一つ14bとランナ2とはかなり離れている
ので、ランナ室10の加熱漏水の影響を受けない。もっと
も、漏水を引き抜く2方口14a,14bのうちの一つ14bが充
水の水面11と極々近いため、漏気の心配があるものの、
その漏気量は第5A図のデッドラインE2よりも後方(紙面
のE2よりも右側)位置なので、運転上問題を起すような
量ではない。
たガイドベーン4から漏水があると、第1弁13aを閉
じ、第2弁13bを開口させ、ランナ側圧室7からの漏水
を引き抜いて吸出管5に送り出す。この場合、2方口14
a,14bのうち、一つ14bとランナ2とはかなり離れている
ので、ランナ室10の加熱漏水の影響を受けない。もっと
も、漏水を引き抜く2方口14a,14bのうちの一つ14bが充
水の水面11と極々近いため、漏気の心配があるものの、
その漏気量は第5A図のデッドラインE2よりも後方(紙面
のE2よりも右側)位置なので、運転上問題を起すような
量ではない。
他方、ランナ2の回転方向が揚水方向の場合、漏水が
あると、第1弁13aを開口し、第2弁13bを閉じ、ランナ
側圧室7からの漏水を引き抜いて吐出管5に送り出す。
この場合、2方口14a,14bのうち一つ14aと充水の水面11
とはかなり離れているので、漏気は運転上問題にならな
い量であるが、2方口14aがランナ2に近いためランナ
室10の温度上昇が心配になる。この場合のランナ室10の
温度上昇は、第4A図のデットラインE1よりも前方(紙面
のE1よりも左側)の位置の温度上昇になるが、その位置
の温度上昇でも発電方向空転運転と比較すると低く、ほ
ぼ許容温度上昇に抑える事ができるので、実際の運転上
はほとんど問題にならない。
あると、第1弁13aを開口し、第2弁13bを閉じ、ランナ
側圧室7からの漏水を引き抜いて吐出管5に送り出す。
この場合、2方口14a,14bのうち一つ14aと充水の水面11
とはかなり離れているので、漏気は運転上問題にならな
い量であるが、2方口14aがランナ2に近いためランナ
室10の温度上昇が心配になる。この場合のランナ室10の
温度上昇は、第4A図のデットラインE1よりも前方(紙面
のE1よりも左側)の位置の温度上昇になるが、その位置
の温度上昇でも発電方向空転運転と比較すると低く、ほ
ぼ許容温度上昇に抑える事ができるので、実際の運転上
はほとんど問題にならない。
なお、ランナ2の回転方向が発電方向の場合で、ガイ
ドベーン4からの漏水が少ないとき、ランナ室10の温度
上昇が問題にならないので、この場合には第1弁13aを
開口し、第2弁13bを閉じておけば漏気が少なくなり好
都合である。また、ランナ2の回転方向が揚水方向の場
合で、漏気が問題とならない場合には、第1弁13aを閉
じ、第2弁13bを開口すれば、ランナ室10の温度上昇を
抑える点で好ましい。
ドベーン4からの漏水が少ないとき、ランナ室10の温度
上昇が問題にならないので、この場合には第1弁13aを
開口し、第2弁13bを閉じておけば漏気が少なくなり好
都合である。また、ランナ2の回転方向が揚水方向の場
合で、漏気が問題とならない場合には、第1弁13aを閉
じ、第2弁13bを開口すれば、ランナ室10の温度上昇を
抑える点で好ましい。
以上に述べた通り、この発明にかかる実施例では、取
付位置高さの異なる2方口を備えた漏排水管を巧みに使
い分けることで、ランナ室の温度上昇または漏気を好ま
しく抑制でき、常に安定したランナ空転運転が続行でき
る。
付位置高さの異なる2方口を備えた漏排水管を巧みに使
い分けることで、ランナ室の温度上昇または漏気を好ま
しく抑制でき、常に安定したランナ空転運転が続行でき
る。
第2図は、この発明の他の実施例を示す概略図で、第
1実施例にさらに別の構成を加えたものである。すなわ
ち、第1実施例の漏排水管12に、第2漏排水管12aを並
設させ、その第2漏排水管12aに第3弁15bを介装させる
とともに、その入口端をガイドベーン4の直下に開設
し、またその出口端を漏排水管12に結んだものである。
この実施例では、ランナ側圧室7の漏水と、ランナ2と
ガイドベーン4との間にたまる漏水を同時に吸出管5に
引き抜くことができ、ランナ室2の排水能力を倍増させ
て温度上昇を抑える点でまことに好都合である。この場
合の第3弁15は第1弁13aまたは第2弁13bと適宜に組合
せて使い分けることになる。
1実施例にさらに別の構成を加えたものである。すなわ
ち、第1実施例の漏排水管12に、第2漏排水管12aを並
設させ、その第2漏排水管12aに第3弁15bを介装させる
とともに、その入口端をガイドベーン4の直下に開設
し、またその出口端を漏排水管12に結んだものである。
この実施例では、ランナ側圧室7の漏水と、ランナ2と
ガイドベーン4との間にたまる漏水を同時に吸出管5に
引き抜くことができ、ランナ室2の排水能力を倍増させ
て温度上昇を抑える点でまことに好都合である。この場
合の第3弁15は第1弁13aまたは第2弁13bと適宜に組合
せて使い分けることになる。
なお、第1および第2実施例ともに立軸うず巻水車の
単段の例であるが、単段例に限らず多段例でも上述と同
様な効果を得ることができる。
単段の例であるが、単段例に限らず多段例でも上述と同
様な効果を得ることができる。
以上の説明の通り、この発明にかかる水力機械の漏排
水処理装置およびその使用方法では、ランナ室にたまる
ガイドベーンからの漏水を引き抜いて吸出管に送り出す
漏排水処理装置の出口端を、取付位置高さを異ならしめ
て二方口にしたもので、この発明では、ランナ室温度上
昇の増減と漏気の増減とが全く逆になって種々不具が発
生した従来の問題点を一挙に解決することができ、この
種分野の安定した運転が可能になる効果がある。
水処理装置およびその使用方法では、ランナ室にたまる
ガイドベーンからの漏水を引き抜いて吸出管に送り出す
漏排水処理装置の出口端を、取付位置高さを異ならしめ
て二方口にしたもので、この発明では、ランナ室温度上
昇の増減と漏気の増減とが全く逆になって種々不具が発
生した従来の問題点を一挙に解決することができ、この
種分野の安定した運転が可能になる効果がある。
第1図はこの発明の一実施例を示す水力機械の概略図、
第2図はこの発明の他の実施例を示す水力機械の概略
図、第3図は従来の実施例を示す水力機械の概略図、第
4A図はランナ室の温度上昇特性を示すグラフ、第4B図は
第4A図の横座標の寸法記号を対応させた水力機械の概略
図、第5A図は吸出管の充水に引き込まれるランナ室気相
の漏気量特性を示すグラフ、第5B図は第5A図の横座標の
寸法記号を対応させた水力機械の概略図である。 2…ランナ、4…ガイドベーン、5…吸出管、6a…漏排
水処理装置、7…ランナ側圧室、10…ランナ室、12…漏
排水管、14a,14b…2方口
第2図はこの発明の他の実施例を示す水力機械の概略
図、第3図は従来の実施例を示す水力機械の概略図、第
4A図はランナ室の温度上昇特性を示すグラフ、第4B図は
第4A図の横座標の寸法記号を対応させた水力機械の概略
図、第5A図は吸出管の充水に引き込まれるランナ室気相
の漏気量特性を示すグラフ、第5B図は第5A図の横座標の
寸法記号を対応させた水力機械の概略図である。 2…ランナ、4…ガイドベーン、5…吸出管、6a…漏排
水処理装置、7…ランナ側圧室、10…ランナ室、12…漏
排水管、14a,14b…2方口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F03B 11/00
Claims (2)
- 【請求項1】起動運転時あるいは調相運転時、ガイドベ
ーンを閉じ、充水を吸出管の下方に抻し下げ、ランナ室
を空室の状態でランナに回転運転を与える水力機械にお
いて、ランナ空転運転中、前記ガイドベーンからの漏水
を引き抜く漏排水管の入口端をランナ側圧室に開設し、
その漏排水管の出口端を二方口に位置の高さを異ならし
めて吸出管に連結させるとともに、漏排水管の2種類の
出口端のうちランナ出口から遠い出口端には水力機械の
発電方向におけるランナ空転運転時に開動作しかつ水力
機械の揚水方向におけるランナ空転運転時に閉動作する
第1弁を設置し、漏排水管の2種類の出口端のうちラン
ナ出口から近い出口端には水力機械の発電方向における
ランナ空転運転時に閉動作しかつ水力機械の揚水方向に
おけるランナ空転運転時に開動作する第2弁を設置して
なることを特徴とする水力機械の漏排水処理装置。 - 【請求項2】起動運転時あるいは調相運転時、ガイドベ
ーンを閉じ、充水を吸出管の下方に抻し下げ、ランナ室
を空室の状態でランナに回転運転を与える水力機械にお
いて、ランナ側圧室に開設する入口端を共通にし、出口
端を二方口に位置の高さを異ならしめて吸出管に連結さ
れた漏排水管を使用し、水力機械の発電方向におけるラ
ンナ空転運転時では、漏排水管の2種類の出口端のうち
ランナ出口から遠い出口端を使用して漏水を引き抜き、
水力機械の揚水方向におけるランナ空転運転時では、漏
排水管の2種類の出口端のうちランナ出口に近い出口端
を使用して漏水を引き抜くことを特徴とする水力機械の
漏排水処理装置の使用方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1014992A JP2877327B2 (ja) | 1989-01-26 | 1989-01-26 | 水力機械の漏排水処理装置およびその使用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1014992A JP2877327B2 (ja) | 1989-01-26 | 1989-01-26 | 水力機械の漏排水処理装置およびその使用方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02196167A JPH02196167A (ja) | 1990-08-02 |
JP2877327B2 true JP2877327B2 (ja) | 1999-03-31 |
Family
ID=11876437
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1014992A Expired - Lifetime JP2877327B2 (ja) | 1989-01-26 | 1989-01-26 | 水力機械の漏排水処理装置およびその使用方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2877327B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58210374A (ja) * | 1982-05-31 | 1983-12-07 | Toshiba Corp | 水力機械のガイドベ−ン漏水排出装置 |
-
1989
- 1989-01-26 JP JP1014992A patent/JP2877327B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02196167A (ja) | 1990-08-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4158525A (en) | Method of and apparatus for operating pump turbine | |
JP2877327B2 (ja) | 水力機械の漏排水処理装置およびその使用方法 | |
US5905311A (en) | Integrated hydroelectric unit | |
JP2005054779A (ja) | ガスタービン発電設備及びその運転方法 | |
EP0600129A1 (en) | Flow condensing diffusers for saturated vapor applications | |
JP3980708B2 (ja) | 汚水用ポンプの羽根車及び汚水用ポンプ | |
CN217558571U (zh) | 一种延长离心泵使用寿命的离心泵 | |
JP2006329091A (ja) | サイホン式水車発電設備およびサイホン式水車発電設備の運転方法 | |
CN210565140U (zh) | 一种安全水泵 | |
JPS6041235B2 (ja) | 水力機械における給排気および排水装置 | |
CN215444428U (zh) | 一种用于园林景观灌溉的智能流量控制泵 | |
JPH09137437A (ja) | 水力発電装置 | |
US3269326A (en) | Wellpoint system | |
CN107795491A (zh) | 一种使用寿命长的轴流泵 | |
JPH11324883A (ja) | 横軸水力機械およびその運転方法 | |
JP2018028289A (ja) | 排水システム、排水ポンプ車および排水方法 | |
JPH10110665A (ja) | 発電用水循環装置 | |
JPH11270453A (ja) | 水力機械とその運転方法 | |
JP3374499B2 (ja) | 排水ポンプ | |
JP2753069B2 (ja) | 水力機械 | |
JPH02108865A (ja) | 水力機械の調相運転方法 | |
JPH0618079Y2 (ja) | ダウンホールポンプ | |
RU2118423C1 (ru) | Автоматическая гидравлическая электростанция | |
EP4295016A1 (en) | Flood retention tank | |
JPH034748B2 (ja) |