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JP2876545B2 - 光受容部材 - Google Patents

光受容部材

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JP2876545B2
JP2876545B2 JP3241751A JP24175191A JP2876545B2 JP 2876545 B2 JP2876545 B2 JP 2876545B2 JP 3241751 A JP3241751 A JP 3241751A JP 24175191 A JP24175191 A JP 24175191A JP 2876545 B2 JP2876545 B2 JP 2876545B2
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Japan
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layer
surface layer
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atom
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JP3241751A
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English (en)
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JPH0511479A (ja
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哲也 武井
茂 白井
博和 大利
竜次 岡村
康好 ▲高▼井
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Canon Inc
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Publication date
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Priority to US07/780,780 priority patent/US5273851A/en
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C16/00Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes
    • C23C16/22Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the deposition of inorganic material, other than metallic material
    • C23C16/30Deposition of compounds, mixtures or solid solutions, e.g. borides, carbides, nitrides
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/08Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic
    • G03G5/082Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic and not being incorporated in a bonding material, e.g. vacuum deposited
    • G03G5/08214Silicon-based
    • G03G5/08221Silicon-based comprising one or two silicon based layers

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  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光(ここでは広義の光で
あって紫外線、可視光線、赤外線、x線、γ線などを意
味する。)の様な電磁波に対して感受性のある光受容部
材に関する。
【0002】
【従来の技術】像形成分野に於て、電子写真用光受容部
材に於ける光受容層を形成する光導電材料としては、高
感度で、SN比が高く、照射する電磁波のスペクトル特
性に適合した吸収スペクトル特性を有し、光応答性が速
く、所望の暗抵抗値を有すること、使用時に於て人体に
対して無公害であること、等の特性が要求されている。
【0003】この様な点に優れた性質を示す光導電材料
にアモルファスシリコン(以後、A−Siと表記す)が
有り、例えば、独国公開第2746967号公報、同第
2855718号公報には電子写真用光受容部材として
の応用が記載されている。
【0004】また、特許出願公開昭57−11556号
公報には、A−Si堆積膜で構成された光導電層を有す
る光導電部材の、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気
的、光学的、光導電的特性及び耐湿性等の使用環境特性
の点さらには経済的安定性の点について改善を図るた
め、シリコン原子を母体としたアモルファス材料で構成
されている光導電層上に、シリコン原子及び炭素原子を
含む非光導電性のアモルファス材料で構成された表面障
壁層を設ける技術が記載されている。
【0005】更に、特許出願公開昭62−168161
号公報には、表面層として、シリコン原子と炭素原子と
41〜70atomic%の水素原子を構成要素として
含む非晶質材料で構成された材料を用いる技術が記載さ
れている。
【0006】更に、特許出願公開昭60−67951号
公報には、アモルファスシリコン、炭素、酸素及び弗素
を含有してなる透光絶縁性オーバーコート層を積層する
感光体についての技術が記載されている。
【0007】これらの技術により電子写真用光受容部材
の電気的、光学的、光導電的特性及び使用環境特性、耐
久性が向上し、更に、画像品位の向上も可能となった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一方、電子写真装置の
複写速度や印刷速度(像形成速度)の高速化、高耐久化
は急速に進んでおり、更に、サービスコスト低減のため
各部品の信頼性向上によるメンテナンス回数の低減が必
要とされている。この様な状況下で、電子写真用光受容
部材は様々な環境下でサービスマンのメンテナンスを受
けないまま、以前にも増して長時間繰り返し使用を続け
られるようになってきている。
【0009】この様な状況では、従来の電子写真用光受
容部材にも改良すべき余地が存在するのが実情である。
【0010】特に高湿下で非常に高速で長時間繰り返し
使用を続けると画像上の細線がにじんだような状態(画
像流れが発生)となる場合があり、ひどいときには文字
が読めない画像となる。しかも、一旦この様な現象が発
生した電子写真用光受容部材を使用した電子写真装置
は、以前は全く画像流れの発生しなかったような比較的
低湿環境下に戻しても画像流れが収まらないことがあっ
た。従来は高湿下の画像流れはドラムを加熱することに
よりドラム表面の相対湿度を低下させ防止していた。し
かしながら、この様な方法での解決はドラム表面の温度
を非常に高温にする必要が生じる。又、装置のコストが
上昇し、消費電気量が増加し、設定温度によっては更に
ドラム表面へのトナーの融着などが発生する場合があっ
た。
【0011】加えて、上記した様に固く、耐久性に富む
表面を有する光受容部材を用いて長時間繰り返し使用を
続けるとドラム上にトナーが融着(フィルミング)して
画像上に濃度むらやにじみが発生する場合があった。
【0012】本発明は、上述のごときA−Siで構成さ
れた従来の光受容層を有する光受容部材に於ける諸問題
を解決することを目的とするものである。
【0013】即ち、本発明の主たる目的は、電気的、光
学的、光導電的特性が使用環境にほとんど依存する事な
く実質的に常時安定しており、耐光疲労に優れ、繰り返
し使用に際しては劣化現象を起こさず耐久性、耐湿性に
優れ、残留電位がほとんど観測されない、シリコン原子
を母体とした非単結晶材料で構成された光受容層を有す
る光受容部材を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決し、
また、上記した目的を達成する本発明の光受容部材は、
その外表面側の領域あるいは表面層のシリコン原子と炭
素原子との結合の割合を所望の範囲になるようにされて
いる。
【0015】具体的には、表面層又は表面領域の全シリ
コン原子のうち、炭素原子との結合を少なくとも1つ持
つシリコン原子の割合を50原子%以上とすることによ
って上記した課題を解決することができる。
【0016】そして、上記した様なフィルミングの問題
をより一層解決するためには、上記したシリコン原子と
炭素原子との結合の割合に加えて更にシリコン原子と酸
素原子との結合の割合を所望の範囲にすることが望まし
い。
【0017】具体的には、表面層又は表面領域の全シリ
コン原子のうち、炭素原子との結合を少なくとも1つ持
つシリコン原子の割合を50原子%以上とし、かつ、酸
素原子との結合を少なくとも1つ持つシリコン原子の割
合を10〜30原子%とすることによって上記課題を一
層良く解決することができる。
【0018】より具体的には、本発明の光受容部材は、
支持体と該支持体上にシリコン原子を母体とし、水素原
子及びハロゲン原子の少なくともいずれか一方を構成要
素として含む非単結晶材料で構成され、光導電性を示す
光導電領域と、シリコン原子と炭素原子と水素原子とを
構成要素として含む非単結晶材料で構成されている表面
領域とを有する光受容層とを有し、前記表面領域に於
て、炭素原子との結合を少なくとも1つ持つシリコン原
子が、表面領域中の全シリコン原子の50%以上で有る
事を特徴としている。
【0019】本発明の光受容部材は、少なくともシリコ
ン原子、炭素原子、酸素原子及び水素原子を含有する非
単結晶層を最外表面に有する電子写真用光受容部材に於
て、該非単結晶層が炭素原子と結合しているシリコン原
子の割合は全シリコン原子数に対して50〜100原子
%、且つ、酸素原子と結合しているシリコン原子の割合
は全シリコン原子数に対して10〜30原子%である非
単結晶の(Sixyztu (但し、0.1≦x
≦0.4,0.4≦y≦0.7,0.05≦z≦0.
2,x+y+z=1,0.3≦t≦0.59,0.41
≦u≦0.7,t+u=1)を主成分として成ることを
特徴としている。
【0020】又、更には、少なくともシリコン原子、炭
素原子、酸素原子及び水素原子を含有する非単結晶層を
最外表面に有する電子写真用光受容部材において、該非
単結晶層が炭素原子と結合しているシリコン原子の割合
は全シリコン原子数に対して50〜100原子%、酸素
原子と結合しているシリコン原子の割合は全シリコン原
子数に対して10〜30原子%、且つ、酸素原子と結合
している炭素原子の割合は全炭素原子数に対して10〜
30原子%である一般式(Sixyztu (但
し、0.1≦x≦0.4,0.4≦y≦0.7,0.0
5≦z≦0.2,z+y+z=1)で示される非単結晶
シリコンを主成分として成ることを特徴とする。
【0021】上記したような層構成を取るように設計さ
れた本発明の光受容部材は、前記した諸問題点の全てを
解決し得、極めて優れた電気的、光学的、光導電的特
性、耐久性及び使用環境特性を示す。
【0022】又、本発明によればフィルミング防止効果
に優れた特性を示す光受容部材を提供できる。
【0023】以下、本発明の光受容部材(特に電子写真
用光受容部材)について詳述する。
【0024】本発明者は、上記した結果を表面層の改質
により解決し得ないかと言う点に注目して鋭意検討した
結果、シリコン原子と炭素原子と水素原子とを構成要素
として含む非単結晶材料で構成されている表面層中のシ
リコン原子の結合の方法を特定することにより目的を達
成できると言う知見を得た。
【0025】本発明者は、従来の電子写真用光受容部材
を用いた電子写真装置が高湿環境下で画像流れを発生す
るメカニズムは以下の2つの現象が重要であると考え
た。
【0026】(1)帯電器によるコロナ帯電時に発生す
るNOx 等の酸化物や、転写紙から発生する紙扮等の吸
湿性の物質が光受容部材表面上に付着して高湿時に吸湿
して低抵抗となり画像流れを発生させる現象。
【0027】(2)光受容部材の表面の材料がコロナの
エネルギーにより水分や空気中の酸素と反応し、低抵
抗、または吸湿により低抵抗となる酸化物が出来、画像
流れが発生する現象。
【0028】このなかで(1)の現象によって生じた付
着物は、光受容部材をトナーや、トナー中に含有させた
研磨剤又はブレード等で擦ることにより電子写真プロセ
ス中に大部分は取り除くことが可能である。又、程度が
悪いときは、サービスマンが光受容部材を電子写真装置
から外し、水や有機溶剤等で表面を拭き取ることにより
完全にあるいは実質的に完全に(像形成に全く影響を及
ぼさないか実質的に影響を及ぼさない程に)取り除くこ
とが可能である。
【0029】又、光受容部材を加熱する事により表面の
相対湿度を低減させることはこのメカニズムが原因の画
像流れ対策としては非常に効果的である。
【0030】しかしながら、上記(2)に示したメカニ
ズムが原因で発生する画像流れは光受容部材をトナー
や、トナー中に含有させた研磨剤又はブレード等で擦る
ことや、サービスマンが光受容部材の表面を、水や有機
溶剤等で拭き取ること等ではそれほど改善されない。
【0031】又、光受容部材を加熱する事により表面の
相対湿度を低減させることはこのメカニズムが原因の画
像流れ対策としては効果的は小さく効果を得るにしても
非常に光受容部材を高温とする必要があった。
【0032】更に、この現象は画像流れ以外にも感度の
低下や残留電位の増加等、他の弊害も伴うことが多かっ
た。
【0033】従来はこの2つの現象を明確に分離して考
えられていなかったが、実際は(1)のメカニズムが原
因の画像流れがほとんどであったため、市場で大きな問
題は発生していなかった。
【0034】しかし、コストダウン、省エネルギー等の
目的で光受容部材の加熱手段を設けない電子写真装置の
開発が進み、更に従来よりも高速で長時間連続して繰り
返しコピーが繰り返されるように従い、従来の画像流れ
対策では十分な効果を上げることが出来ない(2)のメ
カニズムによる画像流れが注目されるようになった。
【0035】前述したように電気的、光学的、光導電的
特性及び使用環境特性、耐久性の向上、更に、画像品位
の向上の為に、シリコン原子と炭素原子と水素原子とを
構成要素として含む非単結晶材料で光受容部材の表面層
もしくは表面領域(以下「表面層」で総称する。)を構
成する事が従来行なわれていた。
【0036】この様な表面層中での炭素原子の量は、シ
リコン原子と炭素原子の和を100%としたとき、1×
10-3から90原子%最適には、10原子%から80原
子%が好ましいとされている。この時特別にシリコン原
子と炭素原子の結合の状態にこだわらずに表面層を形成
した場合、シリコン原子と炭素原子は均一には分布せ
ず、シリコン原子の高濃度な部分と炭素原子が高濃度な
部分とが混合する状態となる。この為、炭素原子との結
合を少なくとも1つ持つシリコン原子の数は上記した組
成から予想される値より小さなものとなる。
【0037】一方、本発明者の知見によれば、表面層中
に当初から存在する、又は、Si−H,Si−Si結合
がコロナのエネルギーにより切れて発生したシリコン原
子のダングリングボンドがコロナ帯電下で酸素と結合す
ることにより上述の(2)のメカニズムが発生するので
ある。シリコン原子と炭素原子との結合を考慮せずに作
製された光受容部材でこの様な現象が起こった光受容部
材の表面をESCAにより分析すると10〜30%程度
のシリコン原子が酸素と結合していることが確認でき
た。尚、この時シリコン原子と酸素との結合の状態は、
SiOz と置いたときzは1.0〜1.5であった。
【0038】ところが、シリコン原子が炭素原子との結
合を少なくとも1つ持つとこの様な酸化は非常に起こり
にくいものとなることが数多くの実験の結果わかった。
更に、その場合は酸化が起こった場合もその電子写真特
性に与える影響が軽減されることがわかった。この為、
シリコン原子と炭素原子との結合割合を充分考慮して作
製された光受容部材は上述の画像流れ等を効果的に解決
することが出来る。
【0039】シリコン原子が炭素原子と結合する確率を
増やすため原料ガス中の炭素原子を含むガスの流量を単
に増やすことはあまり効果的ではない。これは前記した
ようにシリコン原子と、炭素原子は堆積膜中で不均一な
分布を持つためである。従って、単に炭素原子含有ガス
を増量することで炭素原子との結合を少なくとも1つ持
つシリコン原子が表面層中の全シリコン原子の30%以
上にする事は困難なことであった。さらに、そのように
炭素原子の量を増やしていくと上述の画像流れが十分に
改善されないまま電子写真用光受容部材に要求されてい
る機械的強度、十分に広い光学的バンドギャップ幅など
の他の特性が悪化してしまう場合がある。
【0040】そこで本発明では、前記したように炭素原
子との結合を少なくとも1つ持つシリコン原子の割合を
全シリコン原子の数に対して従来に比べ極めて多い値に
特定した材料を表面層として用いることにより、上述し
た相反する特性の改善を同時に満足することを達成して
いる。
【0041】また本発明では、炭素原子との結合を少な
くとも1つ持つシリコン原子と、酸素原子との結合を少
なくとも1つ持つシリコン原子の割合を全シリコン原子
の数に対して従来に比べ極めて多い値に特定した材料を
表面層として用いることにより、機械的強度や透明性
(所望の波長の電磁波の透過性)を損なわずに耐候性、
環境特性を向上させることと同時にトナーのフィルミン
グの防止に特に大きな効果のある電子写真用光受容部材
を完成した。
【0042】トナーのフィルミングの防止効果について
その詳細な作用は不明であるが、最表面のシリコン原
子、炭素原子及び酸素原子の間の結合の状態が最適の時
に、フィルミングの発生原因となるトナー中の樹脂と光
受容部材表面との弱い結合の形成を最小限に押さえるこ
とができるのであろうと考えられる。
【0043】以下、図面に従って本発明の光導電部材に
ついて詳細に説明する。
【0044】図1は、本発明の電子写真用光受容部材の
好ましい一例の層構成を説明するための模式的に示した
模式的構成図である。
【0045】図1に示される電子写真用光受容部材10
0は、光受容部材用の支持体101の上に、光受容層1
02が設けられている。該光受容層102はA−Si
(H,X)(水素原子又は/及びハロゲン原子を含有す
るシリコンを母体とする非晶質材料)からなり光導電性
を有する光導電層103と、シリコン原子と炭素原子を
有する非単結晶材料で構成される表面層104を有して
いる。表面層104は、少なくともその表面側領域が炭
素原子との結合を少なくとも1つ持つシリコン原子が、
表面層中の全シリコン原子の50%以上とされている。
【0046】本発明において使用される支持体として
は、導電性でも電気絶縁性であってもよい。導電性支持
体としては、例えば、NiCr、ステンレス、Al,C
r,Mo,Au,In,Nb,Ta,V,Ti,Pt,
Pb,Fe等の金属、またはこれ等の合金、あるいは前
記金属の積層体が挙げられる。
【0047】電気絶縁性支持体としては、ポリエステ
ル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルローズアセ
テート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフ
ィルム又はシート、ガラス、セラミック、紙などが通常
使用される。これ等の電気絶縁性支持体は、好適には少
なくともその一方の表面を導電処理され、該導電処理さ
れた表面側に光受容層が設けられるのが望ましい。
【0048】例えば、ガラスであれば、その表面に、N
iCr,Al,Cr,Mo,Au,Ir,Nb,Ta,
V,Ti,Pt,Pd,In23 ,SnO2 ,ITO
(In23 +SnO2 )等から成る群から少なくとも
一つ選ばれた材料の薄膜を設けることによって導電性が
付与され、或いはポリエステルフィルム等の合成樹脂フ
ィルムであれば、NiCr,Al,Ag,Pb,Zn,
Ni,Au,Cr,Mo,Ir,Nb,Ta,V,T
i,Pt等から成る群から少なくとも一つ選ばれた金属
の薄膜を真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング等
でその表面に設け、又は前記金属でその表面をラミネー
ト処理して、その表面に導電性が付与される。支持体の
形状としては、円筒状、ベルト状、板状等任意の形状と
し得、所望によって、その形状は決定されるが、例え
ば、連続高速複写の場合には、無端ベルト状又は円筒状
とするのが望ましい。支持体の厚さは、所望通りの電子
写真用光受容部材が形成される様に適宜決定されるが、
電子写真用光受容部材として可撓性が要求される場合に
は、支持体としての機能が十分発揮される範囲内であれ
ば可能な限り薄くされる。しかしながら、この様な場
合、支持体の製造上及び取扱い上、機械的強度等の点か
ら、通常は10μ以上とされる。
【0049】又、レーザー光などの可干渉性光を用いて
像記録を行なう場合には、可視画像において現われる、
所謂、干渉縞模様による画像不良を解消するために、支
持体表面に所望の凹凸を設けてもよい。この凹凸の一例
を図2(a)〜(c)に支持体の模式的切断面図として
示す。
【0050】支持体表面に設けられる凹凸は、V字形状
の切刃を有するバイトをフライス盤、旋盤等の切削加工
機械の所定位置に固定し、例えば円筒状支持体をあらか
じめ所望に従って設計されたプログラムに従って回転さ
せながら規則的に所定方向に移動させることにより、支
持体表面を正確に切削加工することで所望の凹凸形状、
ピッチ、深さで形成される。この様な切削加工法によっ
て形成される凹凸が作り出す逆V字形線状突起部は、円
筒状支持体の中心軸を中心にした螺線構造を有する。逆
V字形突起部の螺線構造は、二重、三重の多重螺線構
造、又は交叉螺線構造とされても差支えない。
【0051】或いは、螺線構造に加えて中心軸に沿った
遅線構造を導入しても良い。
【0052】支持体表面に設けられる凹凸の凸部の縦断
面形状は形成される各層の微小カラム内に於ける層厚の
管理された不均一化と、支持体と該支持体上に直接設け
られる層との間の良好な密着性や所望の電気的接触性を
確保する為に逆V字形とされるが、好ましくは図2に示
される様に実質的に二等辺三角形、直角三角形或いは不
等辺三角形とされるのが望ましい。これ等の形状の中殊
に二等辺三角形、直角三角形が望ましい。
【0053】本発明に於ては、管理された状態で支持体
表面に設けられる凹凸の各ディメンジョンは、以下の点
を考慮した上で、本発明の目的を結果的に達成出来る様
に設定される。
【0054】即ち、第1は光受容層を構成する水素原子
及び/又はハロゲン原子を含有するアモルファスシリコ
ン(A−Si(H,X))層は、層形成される表面の状
態に構造敏感であって、表面状態に応じて層品質は大き
く変化する。
【0055】従って、A−Si(H,X)層の層品質の
低下を招来しない様に支持体表面に設けられる凹凸のデ
ィメンジョンを設定する必要がある。
【0056】第2には光受容層の自由表面に極端な凹凸
があると、画像形成後のクリーニングに於てクリーニン
グを完全に行なうことが出来なくなる。
【0057】又、ブレードクリーニングを行う場合、ブ
レードのいたみが早くなるという問題がある。
【0058】上記した層堆積上の問題点、電子写真法の
プロセス上の問題点及び、干渉縞模様を防ぐ条件を検討
した結果、支持体表面の凹部のピッチは、好ましくは5
00μm〜0.3μm、より好ましくは200μm〜1
μm、最適には50μm〜5μmであるのが望ましい。
【0059】また凹部の最大の深さは、好ましくは0.
1μm〜5μm、より好ましくは0.3μm〜3μm、
最適には0.6μm〜2μmとされるのが望ましい。支
持体表面の凹部のピッチと最大深さが上記の範囲にある
場合、凹部(又は線上突起部)の傾斜面の傾きは、好ま
しくは1度〜20度、より好ましくは3度〜15度、最
適には4度〜10度とされるのが望ましい。
【0060】又、この様な支持体上に堆積される各層の
層圧の不均一に基く層厚差の最大は、同一ピッチ内で好
ましくは0.1μm〜2μm、より好ましくは0.1μ
m〜1.5μm、最適には0.2μm〜1μmとされる
のが望ましい。
【0061】又、レーザー光などの可干渉性光を用いた
場合の、干渉縞模様による画像不良を解消する別の方法
として、支持体表面に複数の球状痕跡窪みによる凹凸形
状を設けてもよい。
【0062】即ち支持体の表面が電子写真用光受容部材
に要求される解像力よりも微小な凹凸を有し、しかも該
凹凸は、複数の球場痕跡窪みによるものである。
【0063】以下に、本発明の電子写真用光受容部材に
おける支持体の表面の形状及びその好適な製造例を図4
により説明するが、本発明の光受容部材における支持体
の形状及びその製造法は、これによって限定されるもの
ではない。
【0064】図4は、本発明の電子写真用光受容部材に
おける支持体の表面の形状の典型的一例を、その凹凸形
状の一部を部分的に拡大して模式的に示すものである。
【0065】図4において1601は支持体、1602
は支持体表面、1603は剛体真球、1604は球状痕
跡窪みを示している。
【0066】更に図4は、該支持体表面形状を得るのに
好ましい製造方法の1例をも示すものである。即ち、剛
体真球1603を支持体表面1602より所定の高さの
位置より自然落下させて支持体表面1602に衝突させ
ることにより、球状窪み1604を形成し得ることを示
している。そして、ほぼ同一又は実質的に同一径Rの剛
体真球1603を複数個用い、それらを同一又は実質的
に同一の高さhより、同時或いは逐時、落下させること
により、支持体表面1602に、ほぼ同一曲線半径R及
び同一幅Dを有する複数の球状痕跡窪み1604を形成
することができる。
【0067】前述のごとくして、表面に複数の球状痕跡
窪みによる凹凸形状の形成された支持体の典型例を図5
に示す。
【0068】ところで、本発明の電子写真用光受容部材
の支持体表面の球状痕跡窪みによる凹凸形状の曲率半径
R及び幅Dは、こうした本発明の光受容部材を用いて印
刷した画像における認知される干渉縞の発生を防止する
作用効果を効率的に達成するためには重要な要因であ
る。本発明者らは、各種実験を重ねた結果以下のところ
を究明した。即ち、曲率半径R及び幅Dが次式: D/R≧0.035 を満足する場合には、各々の痕跡窪み内にシェアリング
干渉によるニュートンリングが0.5本以上存在するこ
とになる。更に次式: D/R≧0.055 を満足する場合には、各々の痕跡窪み内にシェアリング
干渉によるニュートンリングが1本以上存在することと
なる。
【0069】こうした事から、光受容部材の全体に発生
する干渉縞を各々の痕跡窪み内に分散せしめ、光受容部
材を用いて印刷された画像に於ける認知される干渉縞の
発生を防止する為には、前記D/Rを0.035、好ま
しくは0.055以上とすることが望ましい。
【0070】又、痕跡窪みによる凹凸の幅Dは、大きく
とも500μm程度、好ましくは200μm以下、より
好ましくは100μm以下とするのが好ましい。
【0071】本発明に於いて、その目的を効果的に達成
する為に、支持体101上に形成され、光受容層102
の一部を構成する光導電層103は下記に示す半導体特
性を有し、照射される光に対して光導電性を示すA−S
i(H,X)で構成される。
【0072】p型A−Si(H,X)…アクセプター
のみを含むもの。或いはドナーとアクセプターとの両方
を含み、アクセプターの相対的濃度が高いもの。
【0073】p- 型A−Si(H,X)…のタイプ
に於いてアクセプターの濃度(Na)が低いか、又はア
クセプターの相対的濃度が低いもの。
【0074】n型A−Si(H,X)…ドナーのみを
含むもの。或いはドナーとアクセプターの両方を含み、
ドナーの相対濃度が高いもの。
【0075】n- 型A−Si(H,X)…のタイプ
に於いてドナーの濃度(Nd)が低いか、又はアクセプ
ターの相対的濃度が低いもの。
【0076】i型A−Si(H,X)…NaNb
Oのもの又は、NaNdのもの。
【0077】本発明に於いて、光導電層103中に含有
されるハロゲン原子(X)として好適なのはF,Cl,
Br,Iであり、殊にF,Clが望ましいものである。
【0078】本発明に於いて、A−Si(H,X)で構
成される光導電層103を形成するには、例えばグロー
放電法、マイクロ波放電法、スパッタリング法、或いは
イオンプレーティング法等の放電現象を利用する真空堆
積法によって成される。例えば、グロー放電法によって
A−Si(H,X)で構成される非晶質層を形成するに
は、基本的にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi
供給用の原料ガスと共に、水素原子(H)導入用の又は
/及びハロゲン原子(X)導入用の原料ガスを、内部が
減圧にし得る堆積室内に導入して、該堆積室内にグロー
放電を生起させ、予め所定位置に設置されてある所定の
支持体表面上にA−Si(H,X)からなる層を形成さ
せれば良い。又、スパッタリング法で形成する場合に
は、例えば、Ar,He等の不活性ガス又はこれ等のガ
スをベースとした混合ガスの雰囲気中でSiで構成され
たターゲットをスパッタリングする際、水素原子(H)
又は/及びハロゲン原子(X)導入用のガスをスパッタ
リング用の堆積室に導入してやれば良い。
【0079】本発明に於いて使用されるSi供給用の原
料ガスとしては、SiH4 ,Si26 ,Si38
Si410等のガス状態の又はガス化し得る水素化硅素
(シラン類)が有効に使用されるものとして挙げられ、
殊に、層作成作業の扱い易さ、Si供給効率の良さ等の
点でSiH4 ,Si26 が好ましいものとして挙げら
れる。
【0080】本発明に於いて使用されるハロゲン原子導
入用の原料ガスとして有効なのは、多くのハロゲン化合
物が挙げられ、例えばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハ
ロゲン間化合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等
のガス状態の又はガス化し得るハロゲン化合物が好まし
く挙げられる。
【0081】又、更には、シリコン原子とハロゲン原子
とを構成要素とするガス状態の又はガス化し得る、ハロ
ゲン原子を含む硅素化合物も有効なものとして本発明に
於いては挙げる事が出来る。
【0082】本発明に於いて好適に使用し得るハロゲン
化合物としては、具体的には、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素のハロゲンガス、BrF,ClF,ClF3 ,Br
5,BrF3 ,IF3 ,IF7 ,ICl,IBr等の
ハロゲン間化合物を挙げる事が出来る。
【0083】ハロゲン原子を含む硅素化合物、所謂、ハ
ロゲン原子で置換されたシラン誘導体としては、具体的
には例えば、SiF4 ,Si26 ,SiCl4 ,Si
Br 4 等のハロゲン化硅素が好ましいものとして挙げる
事が出来る。
【0084】この様なハロゲン原子を含む硅素化合物を
採用してグロー放電法によって本発明の特徴的な光導電
部材を形成する場合には、Siを供給し得る原料ガスと
しての水素化硅素ガスを使用しなくとも、所定の支持体
上にハロゲン原子を構成要素として含むA−Si:Hか
ら成る層を形成する事が出来る。
【0085】グロー放電法に従って、ハロゲン原子を含
む層を製造する場合、基本的にはSi供給用の原料ガス
であるハロゲン化硅素ガスとAr,H2 ,He等のガス
等を所定の混合比とガス流量になる様にして光導電層を
形成する堆積室内に導入し、グロー放電を生起してこれ
等のガスのプラズマ雰囲気を形成する事によって、所定
の支持体上に光導電層を形成し得るものであるが、水素
原子の導入を計る為にこれ等のガスに更に水素原子を含
む硅素化合物のガスを所定量混合して層形成しても良
い。
【0086】又、各ガスは単独種のみでなく所定の混合
比で複数種混合して使用しても差支えないものである。
【0087】反応スパッタリング法或いはイオンプレー
ティング法に依ってA−Si(H,X)から成る層を形
成するには、例えばスパッタリング法の場合にはSiか
ら成るターゲットを使用して、これを所定のガスプラズ
マ雰囲気中でスパッタリングし、イオンプレーティング
法の場合には、多結晶シリコン又は単結晶シリコンを蒸
発源として蒸着ボートに収容し、このシリコン蒸発源を
抵抗加熱法、或いはエレクトロンビーム法(EB法)等
によって加熱蒸発させ飛翔蒸発物を所定のガスプラズマ
雰囲気中を通過させる事で行う事が出来る。
【0088】この際、スパッタリング法、イオンプレー
ティング法の何れの場合にも形成される層中にハロゲン
原子を導入するには、前記のハロゲン化合物又は前記の
ハロゲン原子を含む硅素化合物のガスを堆積室中に導入
して該ガスのプラズマ雰囲気を形成してやれば良いもの
である。
【0089】又、水素原子を導入する場合には、水素原
子導入用の原料ガス、例えば、H2、或いは前記したシ
ラン類等のガスをスパッタリング用の堆積室中に導入し
て該ガスのプラズマ雰囲気を形成してやれば良い。
【0090】本発明に於いては、ハロゲン原子導入用の
原料ガスとして上記されたハロゲン化合物或いはハロゲ
ンを含む硅素化合物が有効なものとして使用されるもの
であるが、その他に、HF,HCl,HBr,HI等の
ハロゲン化水素、SiH2 2 ,SiH22 ,SiH
2 Cl2 ,SiHCl3 ,SiH2 Br2 ,SiHBr
3 等のハロゲン置換水素化硅素、等々のガス状態の或い
はガス化し得る、水素原子を構成要素の1つとするハロ
ゲン化物も有効な光導電層形成用の出発物質として挙げ
る事が出来る。
【0091】これ等の水素原子を含むハロゲン化物は、
層形成の際に層中にハロゲン原子の導入と同時に電気的
或いは光電的特性の制御に極めて有効な水素原子も導入
されるので、本発明に於いては好適なハロゲン導入用の
原料として使用される。
【0092】水素原子を層中に構造的に導入するには、
上記の他にH2 、或いはSiH4 ,Si26 ,Si3
8 ,Si410等の水素化硅素のガスをSiを供給す
る為のシリコン化合物と堆積室中に共存させて放電を生
起させる事でも行う事が出来る。
【0093】例えば、反応スパッタリング法の場合に
は、Siターゲットを使用し、ハロゲン原子導入用のガ
ス及びH2 ガスを必要に応じてHe,Ar等の不活性ガ
スを含めて堆積室内に導入してプラズマ雰囲気を形成
し、前記Siターゲットをスパッタリングする事によっ
て、基板上にA−Si(H,X)から成る層が形成され
る。
【0094】更には、不純物のドーピングも兼ねてB2
6 等のガスを導入してやることも出来る。
【0095】本発明に於いて、形成される電子写真用光
受容部材の光導電層中に含有される水素原子(H)の量
又はハロゲン原子(X)の量又は水素原子とハロゲン原
子の量の和は好ましくは1〜40原子%、より好適には
5〜30原子%とされるのが望ましい。
【0096】層中に含有される水素原子(H)又は/及
びハロゲン原子(X)の量を制御するには、例えば支持
体温度又は/及び水素原子(H)、或いはハロゲン原子
(X)を含有させる為に使用される出発物質の堆積装置
系内へ導入する量、放電々力等を制御してやれば良い。
【0097】本発明に於て、光導電層をグロー放電法又
はスパッタリング法で形成する際に使用される稀釈ガス
としては、所謂稀ガス、例えば、He,Ne,Ar等が
好適なものとして挙げる事が出来る。
【0098】光導電層103の半導体特性を〜の中
の所望のものとするには、該層形成の際に、n型不純物
又は、p型不純物、或いは両不純物を形成される層中に
その量を制御し乍らドーピングしてやる事によって成さ
れる。その様な不純物としては、p型不純物として周期
律表第III 族に属する原子、例えば、B,Al,Ga,
In,Tl等が好適なものとして挙げられ、n型不純物
としては、周期律表V族に属する原子、例えば、N,
P,As,Sb,Bi等が好適なものとして挙げられる
が、殊にB,Ga,P,Sb等が最適である。
【0099】本発明に於いて所望の伝導型を有する為に
光導電層103中にドーピングされる不純物の量は、所
望される電気的、光学的特性に応じて適宜決定される
が、周期律表第III 族の不純物の場合は3×10-3原子
%以下の量範囲でドーピングしてやれば良く、周期律表
V族の不純物の場合には5×10-3原子%以下の量範囲
でドーピングしてやれば良い。
【0100】光導電層103中に不純物をドーピングす
るには、層形成の際に不純物導入用の原料物質をガス状
態で堆積室中に光導電層103を形成する主原料物質と
共に導入してやれば良い。この様な不純物導入用の原料
物質としては、常温常圧でガス状の又は、少なくとも層
形成条件下で容易にガス化し得るものが採用されるのが
望ましい。
【0101】また、光導電層103は、上記した〜
の型のA−Si(H,X)層から選ばれる型のA−Si
(H,X)を帯電極性等を考慮した上で必要に応じて適
宜組合わせることも好ましい。
【0102】この様な不純物導入用の出発物質として具
体的には、PH3,P24 ,PF 3 ,PF5 ,PCl3
,AsH3 ,AsF3 ,AsF5 ,AsCl3 ,Sb
3,SbF3 ,SbF5 ,BiH3 ,BF3 ,BCl3
,BBr3 ,B26 ,B 410,B59 ,B5
11,B610,B612,B614,AlCl3 ,Ga
Cl3 ,InCl3 ,TlCl3 等を挙げる事が出来
る。
【0103】光導電層に、炭素原子、酸素原子、窒素原
子の中少なくとも1種類の原子を含有させるには、例え
ば、グロー放電法で形成する場合には、炭素原子、酸素
原子、窒素原子の中、少なくとも1種の元素を含有する
化合物を光導電層を形成する原料ガスと共に内部を減圧
にし得る堆積室内に導入して、該堆積室内でグロー放電
を生起させて光導電層を形成すればよい。
【0104】その様な炭素原子導入用の原料となる炭素
原子含有化合物としては、例えば炭素数1〜4の飽和炭
化水素、炭素数2〜4のエチレン系炭化水素、炭素数2
〜3のアセチレン系炭化水素等が挙げられる。
【0105】具体的には、飽和炭化水素としては、メタ
ン(CH4 )、エタン(C26 )、プロパン(C3
8 )、n−ブタン(n−C410)、ペンタン(C5
12)、エチレン系炭化水素としては、エチレン(C2
4 )、プロピレン(C36)、ブテン−1(C4
8 )、ブテン−2(C48 )、イソブチレン(C4
8 )、ペンテン(C510)、アセチレン系炭化水素と
しては、アセチレン(C 22 )、メチルアセチレン
(C34 )、ブチン(C46 )等が挙げられる。
【0106】SiとCとHとを構成原子とする原料ガス
としては、Si(CH34 ,Si(C244 等の
ケイ化アルキルを挙げる事が出来る。
【0107】酸素原子導入用の原料となる酸素原子含有
化合物としては、例えば酸素(O2)、一酸化炭素(C
O)、二酸化炭素(CO2 )、一酸化窒素、二酸化窒
素、等が挙げられる。
【0108】又、窒素原子導入用の原料となる窒素原子
含有化合物としては、例えば、窒素(N2 )、一酸化窒
素、二酸化窒素、アンモニア等が挙げられる。
【0109】又、例えば光導電層をスパッタリング法で
形成する場合には、所望の混合比とし、例えば、(Si
+Si34 ),(Si+SiC)又は(Si+SiO
2 )なる成分で混合成形したスパッター用のターゲット
を使用するか、SiウエハーとSi34 ウエハーの二
枚、SiウエハーとSiCウエハーの二枚、又はSiウ
エハーとSiO2 ウエハーの二枚のターゲットを使用し
て、スパッタリングを行うか、又は炭素を含んだ化合物
のガス、窒素を含んだ化合物のガス、又は酸素を含んだ
化合物のガスを、例えばArガス等のスパッター用のガ
スと共に堆積室内に導入して、Si又はターゲットを使
用してスパッタリングを行って光導電層を形成すれば良
い。
【0110】本発明に於いて、形成される光導電層中に
含有される炭素、酸素または窒素の量は、形成される電
子写真用光受容部材の特性を大きく左右するものであっ
て、所望に応じて適宜決定されねばならないが、好まし
くは0.0005〜30原子%、より好適には0.00
1〜20原子%、最適には、0.002〜15原子%と
されるのが望ましい。
【0111】光導電層103の層厚は、所望のスペクト
ル特性を有する光の照射によって発生されるフォトキャ
リアが効率良く輸送される様に所望に従って適宜決めら
れ、通常は1〜100μ、好適には2〜50μとされる
のが望ましい。
【0112】光導電層103上に形成される表面層10
4は、自由表面105を有し、主に耐湿性、連続繰返し
使用特性、電気的耐圧性使用環境特性、耐久性に於いて
本発明の目的を達成する為に設けられる。
【0113】又、本発明に於いては、光受容層102を
構成する光導電層103と表面層104とを形成する非
晶質材料の各々がシリコン原子という共通の構成要素を
有しているので、積層界面に於いて化学的な安定性の確
保が充分成されている。
【0114】もちろん、光導電層103と表面層104
との間に明確な界面が存在しなくとも良い。すなわち、
光導電層103の外表面側から徐々に炭素原子の含有量
を増加させ、少なくとも表面側の領域において所望のシ
リコン原子と炭素原子との結合割合となるようにしても
良い。
【0115】このように明確な界面がない場合はそこに
おける屈折率の変化や反射が生じないため、特にレーザ
ー光等の可干渉光を光源とした場合には好ましい。
【0116】表面層104は、シリコン原子と炭素原子
と水素原子とで構成される非晶質材料[A−(Six
1-xy1-y 、但し0<x,y<1]で形成される。
【0117】A−(Six1-xy :H1-y で構成さ
れる表面層104の形成は、RF放電法、マイクロ波放
電法、スパッタリング法等によって成されるが、いずれ
の方法による場合も、炭素原子との結合を少なくとも1
つ持つシリコン原子が数が表面層中の全シリコン原子の
数に対して従来とは異なる割合となるように反応を制御
する必要がある。
【0118】RF放電法やマイクロ波放電法の様にプラ
ズマCVD法の場合はシリコン原子の結合の制御の方法
の例としては原料ガス種の選択と放電中の電界の印加に
よるイオンの利用が挙げられる。
【0119】層中の炭素原子との結合を少なくとも1つ
持つシリコン原子の数が表面層中の全シリコン原子の数
に対して多くなるように反応を制御する方法としては、
原料ガスとしてシラン(SiH4 )、四弗化珪素(Si
4 )等のシリコン原子含有ガス、及び/又はメタン
(CH4 )、四弗化炭素(CF4 )等の炭素原子含有ガ
スと共にテトラメチルシラン(Si(CH34 )、テ
トラエチルシラン(Si(C244 )等の珪素化ア
ルキルを用いる事が特にマイクロ波放電法の場合有効で
ある。
【0120】また、炭素原子含有ガスとして2重結合又
は3重結合のあるガスを用い予めシリコン原子を含むガ
スと共に光、電界等により前励起しておくことも有効で
ある。
【0121】マイクロ波放電法に於いては、上記の方法
と共に放電空間中に電界を掛けイオンを効果的に支持体
表面に到達させることにより制御の効果がより大きなも
のとなる。
【0122】本発明に於いて、表面層104を形成する
際に使用される希釈ガスとしては水素(H2 )、アルゴ
ン(Ar)、ヘリウム(He)等が挙げられる。
【0123】その他、窒素(N2 )、アンモニア(NH
2 )等の窒素原子を含む元素、酸素(O2 )、一酸化窒
素(NO)、二酸化窒素(NO2 )、酸化二窒素(N2
O)一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2 )等酸素
原子を含む元素、四弗化ゲルマニウム(GeF4 )、弗
化窒素(NF3 )等の弗素化合物またはこれらの混合ガ
ス、または、ジボラン(B26 )、フッ化ほう素(B
3 )、ホスフィン(PH3 )等のドーパントガスを表
面層104を形成時に同時に導入しても本発明は同様に
有効である。
【0124】また、本発明において、成膜空間中に導入
される前記珪素化アルキルの導入量は、前記シリコン原
子含有ガスと前記炭素原子含有ガスの導入量の和に対し
て好ましくは0.12以上、より好ましくは0.38以
上、最適には0.90以上とした場合にシリコン原子と
炭素原子との結合割合を所望の範囲とすることができ
る。尚、珪素化アルキルのみの導入では他の要求される
特性を含めて充分に要求される特性を満足し得ない場合
があった。
【0125】本発明に於ける表面層104は、その要求
される特性が所望通りに与えられる様に、シリコン原子
と炭素原子との結合割合を考慮した上で注意深く形成さ
れる。
【0126】即ち、Si,C及びHを構成原子とする物
質はその作成条件によって構造的には結晶からアモルフ
ァスまでの形態を取り、電気物性的には導電性から半導
電性、絶縁性までの間の性質を、又光導電的性質から非
光導電的性質までの間の性質を各々示すので、本発明に
於いては、目的に応じた所望の特性を有するA−Si x
1-x が形成される様に、所望に従ってその作成条件の
選択が厳密に成される。
【0127】例えば、表面層104を耐圧性の向上を主
な目的として設けるには、A−(Six1-xy :H
1-yは使用環境に於いて電気絶縁性的挙動の顕著な非晶
質材料として作成される。
【0128】又、連続繰返し使用特性や使用環境特性の
向上を主たる目的として表面層104が設けられる場合
には、上記の電気絶縁性の度合はある程度緩和され、照
射される光に対してある程度の感度を有する非晶質材料
としてA−Six1-x が作成される。
【0129】光導電層103の表面にA−(Six
1-xy1-y から成る表面層104を形成する際、層
形成中の支持体温度は、形成される層の構造及び特性を
左右する重要な因子であって、本発明に於いては、目的
とする特性を有するA−(Si x1-xy1-y が所
望通りに作成され得る様に層作成時の支持体温度が厳密
に制御されるのが望ましい。
【0130】本発明に於ける目的が効果的に達成される
為の表面層104を形成する際の支持体温度としては表
面層104の形成法に併せて適宜最適範囲が選択され
て、表面層104の形成が実行されるが、通常の場合、
50℃〜350℃、好適には100℃〜300℃とされ
るのが望ましいものである。表面層104の形成には、
層を構成する原子の組成比の微妙な制御や層厚の制御が
他の方法に較べて比較的容易である事などの為に、グロ
ー放電法やスパッタリング法の採用が有利であるが、こ
れ等の層形成法で表面層104を形成する場合には、前
記の支持体温度と同様に層形成の際の放電パワー、ガス
圧が作成されるA−(Six1-xy :H1-y の特性
を左右する重要な因子の1つである。
【0131】本発明に於ける目的が達成されるための特
性を有するA−(Six1-xy:H1-y が生産性良
く効果的に作成されるための放電パワー条件としては、
支持体1個当り、通常、10〜5000W、好適には2
0〜2000Wとされるのが望ましい。堆積室内のガス
圧はRF放電法では通常0.01〜2Torr、好適に
は0.1〜1Torr、マイクロ波放電法では0.2m
Torr〜100mTorr、好適には1mTorr〜
50mTorr程度とされるのが望ましい。
【0132】本発明に於いては、表面層104を作成す
る為の支持体温度、放電パワーの望ましい数値範囲とし
て前記した範囲の値が挙げられるが、これ等の層作成フ
ァクターは、独立的に別々に決められるものではなく、
所望特性のA−Six1-xから成る表面層104が形
成される様に相互的有機的関連性に基いて、各層形成フ
ァクターの最適値が決められるのが望ましい。
【0133】本発明の電子写真用光受容部材に於ける表
面層104に含有される炭素原子及び水素原子の量は、
表面層104の作製条件と同様、本発明の目的を達成す
る所望の特性が得られる表面層104が形成される重要
な因子である。
【0134】本発明に於ける表面層104に含有される
炭素原子の量はシリコン原子と炭素原子の総量に対して
40〜90原子%、好ましくは55〜85原子%、最適
には60〜80原子%が望ましい。
【0135】水素原子の含有量としては、構成原子の総
量に対して通常の場合41〜70原子%、好適には45
〜60原子%、とされるのが望ましく、これ等の範囲に
水素含有量がある場合に形成される光受容部材は、実際
面に於いて従来にない格段に優れたものとして充分適用
させ得るものである。
【0136】すなわち、A−(Six1-xy1-y
で構成される表面層内に存在する欠陥(主にシリコン原
子や炭素原子のダングリングボンド)は電子写真用光受
容部材としての特性に悪影響を及ぼすことが知られ、例
えば自由表面からの電荷の注入による帯電特性の劣化、
使用環境、例えば高い湿度のもとで表面構造が変化する
ことによる帯電特性の変動、さらにコロナ帯電時や光照
射時に光導電層より表面層に電荷が注入し、前記表面層
内の欠陥に電荷がトラップされることによる繰り返し使
用時の残像現象等があげられる。
【0137】しかしながら表面層中の水素含有量を41
atomic%以上に制御することで表面層中の欠陥が
大巾に減少し、その結果、前記の問題点は全て解消し、
殊に従来のものに較べて電気的特性面及び高速連続使用
性に於いて飛躍的な向上を計ることが出来る。
【0138】一方、前記表面層中の水素含有量が71a
tomic%以上になると表面層の硬度が低下するため
に、充分な繰り返し使用に耐えられない。従って、表面
層中の水素含有量を前記の範囲内に制御することが格段
に優れた所望の電子写真特性を得る上で非常に重要な因
子の1つである。表面層中の水素含有量は、H2 ガスの
流量、支持体温度、放電パワー、ガス圧等によって制御
し得る。
【0139】上記したシリコン原子、炭素原子、水素原
子の層中に含有される割合を先のA−(Six1-x
y :H1-y の表示で行なえば本発明に於いて効果を得る
ためにはxが0.1〜0.6、好適には0.15〜0.
45、最適には0.2〜0.4、yは0.3〜0.5
9、好適には0.35〜0.59、最適には0.4〜
0.55であるのが望ましい。
【0140】本発明では、上記に加えて更に表面層中の
シリコン原子の結合状態が非常に重要な要素となってい
る。即ち、本発明の光受容部材は、炭素原子との結合を
少なくとも1つ持つシリコン原子が、表面層中の全シリ
コン原子の50%以上、好適には60%以上、最適には
70%以上とされる。
【0141】本発明に於ける層厚の数値範囲は、本発明
の目的を効果的に達成する為の重要な因子の1つであ
る。
【0142】本発明に於ける表面層104の層厚の数値
範囲は、本発明の目的を効果的に達成する様に所期の目
的に応じて適宜所望に従って決められる。
【0143】又、表面層104の層厚は、光導電層10
3の層厚との関係に於いても、各々の層領域に要求され
る特性に応じた有機的な関連性の下に所望に従って適宜
決定される必要がある。更に加え得るに、生産性や量産
性を加味した経済性の点に於いても考慮されるのが望ま
しい。
【0144】本発明に於ける表面層104の層厚として
は、通常0.003〜30μ、好適には0.004〜2
0μ、最適には0.005〜10μとされるのが望まし
いものである。光導電層103と表面層104との間に
明確な界面がない場合には、便宜的に上記A−(Six
1-xy:H1-y が上記範囲内にある領域をもって表
面層の層厚としても良い。
【0145】本発明に於ける電子写真用光受容部材10
0の光受容層の層厚としては、目的に適合させて所望に
従って適宜決定される。
【0146】本発明に於いては、光受容層102の層厚
としては、光受容層102を構成する光導電層103と
表面層104に付与される特性が各々有効に活されて本
発明の目的が効果的に達成される様に光導電層102と
表面層103との層厚関係に於いて適宜所望に従って決
められるものであり、好ましくは、表面層102の層厚
に対して光導電層102の層厚が数百〜数千倍以上とな
る様にされるのが好ましいものである。
【0147】具体的な値としては、通常3〜100μ、
好適には5〜70μ、最適には5〜50μの範囲とされ
るのが望ましい。
【0148】本発明の電子写真用光受容部材に於いて
は、支持体101と光導電層103との間に密着性の一
層の向上を計る目的で、例えば、Si34 ,SiO
2 ,SiO、水素原子及びハロゲン原子の少なくとも一
方と、窒素原子、酸素原子の少なくとも一方と、シリコ
ン原子とを含む非晶質材料等で構成される密着層を設け
ても良い。
【0149】又、赤外線レーザー光のような長波長光を
効果的に吸収するために、支持体側にGeを含有する層
又は領域を設けることも好ましいことである。
【0150】前述したように表面層104は、シリコン
原子、炭素原子、酸素原子及び水素原子とを有する非単
結晶材料[A−(Sixyztu ]で形成され
てもよい。この場合は特にフィルミングに対する改善を
はかることができる。
【0151】A−(Sixyztu で構成され
る表面層104の形成も、RF放電法、マイクロ波放電
法、スパッタリング法等によって行なうことができる。
しかしながらいずれの方法による場合も、前述と同様に
炭素原子との結合を少なくとも1つ持つシリコン原子の
数及び酸素原子との結合を少なくとも1つ持つシリコン
原子の数が表面層中の全シリコン原子に対して従来とは
異なる割合となるように反応を制御して層形成が行なわ
れる。
【0152】RF放電法やマイクロ波放電法の様にプラ
ズマCVD法の場合はシリコン原子の結合の制御の方法
の例としては原料ガス種の選択と放電中の電界の印加に
よるイオンの利用が挙げられる。
【0153】層中の炭素原子との結合を少なくとも1つ
持つシリコン原子の数が表面層中の全シリコン原子の数
に対して従来より多くなるように反応を制御する方法と
しては、原料ガスとしてシラン(SiH4 )、四弗化珪
素(SiF4 )等のシリコン原子含有ガス、及び/又は
メタン(CH4 )、四弗化炭素(CF4 )等の炭素原子
含有ガスと共にテトラメチルシラン(Si(CH3
4 )、テトラエチルシラン(Si(C244 )等の
珪素化アルキルを用いる事が特にマイクロ波放電法の場
合有効である。
【0154】また、炭素原子含有ガスとして2重結合又
は3重結合のあるガスを用い予めシリコン原子を含むガ
スと共に光、電界等により前励起しておくことも有効で
ある。
【0155】マイクロ波放電法に於いては、上記の方法
と共に放電空間中に電界を掛けイオンを効果的に支持体
表面に到達させることにより制御の効果がより大きなも
のとなる。
【0156】また、この様な条件下に於て酸素原子を含
む原料ガスを導入すると酸素原子との結合を少なくとも
1つ持つシリコン原子が数が表面層中の全シリコン原子
の数に対して単にマイクロ波を用いて放電させた場合よ
り多くなるように反応を制御する事ができるのである。
また、これらの現象は酸素供給のための材料ガスを変え
ることによりより効果的に行なうことが可能となる。
【0157】層中の炭素原子との結合を少なくとも1つ
持つシリコン原子の数が表面層中の全シリコン原子の数
に対して少なくなるように反応を制御する方法として
は、シリコン原子の原料ガスとしてはジシラン(Si2
6 )、六弗化二珪素(Si26 )等、炭素原子の原
料ガスとしてはエタン(C26 )、プロパン(C3 8
)等、シリコン原子又は炭素原子が複数結合した飽和
結合種を用いる事が特にマイクロ波放電法の場合有効で
ある。
【0158】酸素原子が更に含有される場合も(シリコ
ン原子含有ガスと炭素原子含有ガスの成膜空間への導入
量の合計に対して)先に示したような範囲に珪素化アル
キルの導入量を決めることが好ましいが、酸素原子とシ
リコン原子との結合割合が所望の範囲とされるのであれ
ばこの場合は必ずしもこの導入量の範囲内にされる必要
はない。
【0159】層中の酸素原子との結合を少なくとも1つ
持つ炭素原子の数が表面層中の全炭素原子の数に対して
従来より多くなるように反応制御する方法としては、原
料ガスとしてシラン(SiH4 ),四弗化硅素(SiF
4 )等のシリコン原子含有ガス、及び/又は酸素(O
2 )、水(H2 O)、一酸化窒素(NO)等の酸素原子
含有ガスと共に一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO
2 )、エチルエーテル((CH32 O)等の炭素と酸
素を同時に含有する化合物を用いることが特にマイクロ
波放電法の場合有効である。
【0160】本発明に於いて、表面層104を形成する
際に使用される希釈ガスとしては水素(H2 )、アルゴ
ン(Ar)、ヘリウム(He)等が挙げられる。
【0161】その他、窒素(N2 )、アンモニア(NH
3 )等の窒素原子を含む元素、四弗化ゲルマニウム(G
eF4 )、弗化窒素(NF3 )等の弗素化合物またはこ
れらの混合ガス、または、ジボラン(B26 )、フッ
化ほう素(BF3 )、ホスフィン(PH3 )等のドーパ
ントガスを表面層104を形成時に同時に導入しても本
発明は同様に有効である。
【0162】本発明の於ける表面層104は、その要求
される特性が所望通りに与えられるようにそしてシリコ
ン原子と炭素原子、シリコン原子と酸素原子との結合割
合を考慮しつつあるいは更に炭素原子と酸素元素との結
合割合を考慮して注意深く形成される。
【0163】即ち、Si、C、O及びHを構成原子とす
る物質はその形成条件によって構造的には結晶からアモ
ルファス迄の形態を取り、電気物性的には導電性から半
導体、絶縁性迄の間の性質を、又光導電的性質から非光
導電的性質までの間の性質を各々示すので、本発明に於
いては、目的に応じた所望の特性を有するA−(Si x
yztu が形成されるように、所望に従ってそ
の作成条件の選択が厳密に成される。
【0164】例えば、表面層104を耐圧性の向上を主
な目的として設けるには、A−(Sixyzt
u は使用環境に於いて電気絶縁性的挙動の顕著な非単結
晶材料として作成される。
【0165】又、連続繰り返し使用特性や使用環境特性
の向上を主たる目的として表面層104が設けられる場
合には、上記の電気絶縁性の度合はある程度緩和され、
照射される光に対して有る程度の感度を有する非単結晶
材料としてA−(Sixyztu が形成され
る。
【0166】光導電層103の表面にA−(Sixy
ztu から成る表面層104を形成する際、層形
成中の支持体温度は、形成される層の構造及び特性を左
右する重要な因子であって、本発明に於いては、目的と
する特性を有するA−(Si xyztu が所望
通りに作成され得るように層作成時の支持体温度が厳密
に制御されるのが望ましい。
【0167】本発明に於ける目的が効果的に達成される
ための表面層104を形成する際の支持体温度としては
表面層104の形成法に併せて適時最適範囲が選択され
て、表面層104の形成が実行されるが、通常の場合、
50℃〜400℃、好適には100℃〜350℃とされ
るのが望ましいものである。表面層104の形成には、
層を構成する原子の組成比の微妙な制御や層厚の制御が
他の方法に比べ比較的容易であることなどのために、グ
ロー放電放電法やスパッタリング法の採用が有効である
が、これらの層形成法で表面層104を形成する場合に
は、前記の支持体温度と同様に層形成の際の放電パワ
ー、ガス圧が作成されるA−(Sixyztu
の特性を左右する重要な因子の1つである。
【0168】本発明に於ける目的が達成されるための特
性を有するA−(Sixyz tu が生産性良く
効果的に作成されるための放電パワー条件としては、支
持体1個当り、通常、10〜5000W、好適には20
〜2000Wとされるのが望ましい。堆積室内のガス圧
はRF放電法では通常0.01〜2Torr、好適には
0.1〜1Torr、マイクロ波放電法では0.2mT
orr〜100mTorr、好適には1mTorr〜5
0mTorr程度とされるのが望ましい。
【0169】本発明に於いては、表面層104を作成す
るための支持体温度、放電パワーの望ましい数値範囲と
して前記した範囲の値が挙げられるが、これらの層作成
ファクターは独立的に別々に決められるものではなく、
所望特性のA−(Sixyztu から成る表面
層104が形成されるように相互的有機的関連性に基づ
いて、各層形成ファクターの最適値が決められるのが望
ましい。
【0170】本発明の電子写真用光受容部材に於ける表
面層104に含有される水素原子の量は、構成原子の総
量に対して通常の場合41〜70原子%、好適には45
〜60原子%とされるのが望ましく、これらの範囲の水
素含有量がある場合に形成される光受容部材は、実際面
に於いて従来にない格段に優れた物として十分適用させ
得るものである。
【0171】すなわち、A−(Sixyztu
で構成される表面層内に存在する欠陥(主にシリコン原
子や炭素原子のダングリングボンド)は電子写真用光受
容部材としての特性に悪影響を及ぼすことが知られ、例
えば自由表面からの電荷の注入による帯電特性の劣化、
使用環境、例えば高い湿度の元で表面構造が変化するこ
とによる帯電特性の変動、更にコロナ帯電時や光照射時
に光導電層により表面層に電荷が注入し、前記表面層内
の欠陥に電荷がトラップされることによる繰り返し使用
時の残像現象が挙げられる。
【0172】しかしながら表面層中の水素含有量を41
atomic%以上に制御することで表面層中の欠陥が
大幅に減少し、その結果、前記問題点は全て解消し、従
来に比べて電気的特性面及び高速連続使用性に於いて飛
躍的な向上を図ることができる。
【0173】一方、前記表面層中の水素含有量が71a
tomic%以上になると表面層の硬度が低下するため
に、充分な繰り返し使用に耐えられない。従って、表面
層中の水素含有量を前記の範囲内に制御することが格段
に優れた所望の電子写真特性を得る上で非常に重要な因
子の1つである。表面層中の水素含有量は、H2 ガスの
流量、支持体温度、放電パワー、ガス圧等によって制御
し得る。
【0174】本発明の表面層中の原子の組成としては、
先のA−(Siqrstuの表示で行なえば、効
果を得るためにはqが0.1〜0.4、rは0.4〜
0.7、sは0.05〜0.2(但し、q+r+s=
1)、tは0.3〜0.59、uは0.41〜0.7
(但し、t+u=1)であるのが望ましい。ただし、本
発明では表面層中に前記の原子以外に微量(1原子%以
下)であれば他の如何なる原子を含有することも可能で
ある。
【0175】表面層中の組成が上述の範囲から外れる
と、表面層の強度、透明度、耐久性、耐候性などの面で
いずれかの弊害が発生することと同時に、本発明の効果
も大幅に低下してしまう。
【0176】本発明では、表面層中のシリコン原子の結
合状態が非常に重要な構成要素となっている。本発明が
効果を得るためには、炭素原子との結合を少なくとも1
つ持つシリコン原子が、表面層中の全シリコン原子の5
0%以上、100%以下、さらに好ましくは60%以
上、100%以下、最適には70%以上、100%以
下、酸素原子との結合を少なくとも1つ持つシリコン原
子が、表面層中の全シリコン原子の10%以上、30%
以下で有ることが望ましい。
【0177】結合の状態が上述の範囲から1つでも外れ
ると、本発明の効果、特にトナーのフィルミング防止の
効果は低下してしまう。
【0178】更に、酸素原子との結合を少なくとの1つ
持つ炭素原子が、表面層中の全炭素原子の10%以上、
30%以下とすることによってより一層本発明の効果、
特にトナーのフィルミング防止の効果を達成することが
できる。
【0179】本発明の於ける層厚の数値範囲は、本発明
の目的を効果的に達成するための重要な因子の1つであ
る。A−(Siqrstu が先の関係を満足す
る表面層(もしくは表面側領域)104の層厚の数値範
囲は所望の特性に合わせて選択可能であるが10〜50
0Åが望ましい。即ち、10Åよりも薄いと本発明の効
果が十分に得られず、更に光受容部材を使用中に摩耗等
の理由により表面層が失われてしまう場合もある。又、
層厚が500Åを越えると残留電位の増加等の電子写真
特性の低下がみられる場合がある。
【0180】本発明に於いては、光導電層と表面層の間
にあるいは表面層の中に、酸素原子の含有量を減らした
SiC(H、X)等から成るもう1つのブロッキング層
(下部表面層)あるいはブロッキング領域(下部表面領
域)を設けることも帯電能等の特性を更に向上させるた
めに有効である。
【0181】本発明の電子写真用光受容部材に於いて
は、支持体101と光導電層103との間に密着性の一
層の向上を図る目的で、例えば、Si34 、SiO
2 、SiO、あるいは水素原子又はハロゲン原子の少な
くとも一方と、窒素原子、酸素原子の少なくとも一方
と、シリコン原子とを含む非単結晶材料等で構成される
密着層を設けてもよいのは先の例と同様である。
【0182】また、A−(Siqrstu の表
面層104の場合も、光導電層103と表面層104と
の明確な界面が生じない様に徐々に含有成分比を変えて
所望の組成比を有する表面層104に変化させて良いも
のである。
【0183】もちろん、この場合であっても、上記した
ような各要件を満足するように作製条件等が選択される
のはいうまでもない。
【0184】次にマイクロ波放電法により形成される光
導電部材の製造方法について説明する。
【0185】図6及び図7に円筒形支持体を用いマイク
ロ波放電法により電子写真用光受容部材の製造装置を示
す。図に於て1101は反応容器であり、真空気密化構
造を成している。また、1102は、マイクロ波電力を
反応容器1101内に効率よく透過し、かつ真空気密を
保持し得るような材料(例えば石英ガラス、アルミナセ
ラミックス等)で形成されたマイクロ波導入誘電体窓で
ある。1103はマイクロ波電力の伝送を行う導波管で
あり、マイクロ波電源から反応容器近傍までの矩形の部
分と、反応容器に挿入された円筒形の部分からなってい
る。導波管1103はスタブチューナー(図示せず)、
アイソレーター(図示せず)とともにマイクロ波電源
(図示せず)に接続されている。誘電体窓1102は反
応容器内の雰囲気を保持するために導波管1103の円
筒形の部分内壁に気密封止されている。1104は一端
が反応容器1101に開口し、他端が排気装置(図示せ
ず)に連通している排気管である。1106は支持体1
105により囲まれた放電空間を示す。電源1111は
バイアス電極1112に直流電圧を印加するための直流
電源(バイアス電源)であり電極1112に電気的に接
続されている。
【0186】こうした電子写真用光受容部材の製造装置
を使用した電子写真用光受容部材の製造は以下のように
して行う。まず真空ポンプ(図示せず)により排気管1
104を介して、反応容器1101を排気し、反応容器
1101内の圧力を1×10 -7Torr以下に調整す
る。ついでヒーター1107により、支持体1105の
温度を所定の温度に加熱保持する。そこで第1の層領域
の原料ガスを不図示のガス導入手段を介して導入する。
即ち、A−Si(H、X)の原料ガスとしてシランガ
ス、ドーピングガスとしてジボランガス、希釈ガスとし
てヘリウムガス等の原料ガスが反応容器1101内に導
入される。それと同時併行的にマイクロ波電源(図示せ
ず)により周波数2.45GHzのマイクロ波を発生さ
せ、導波管1103を通じ、誘電体窓1102を介して
反応容器1101内に導入される。更に放電空間110
6中のバイアス電極1112に電気的に接続された直流
電源1111によりバイアス電極1112に支持体11
05に対して直流電圧を印加する。かくして支持体11
05により囲まれた放電空間1106に於て、原料ガス
はマイクロ波のエネルギーにより励起されて解離し、更
にバイアス電極1112と支持体1105の間の電界に
より定常的に支持体1105上にイオン衝撃を受けなが
ら、支持体1105表面に第1の層領域が形成される。
この時、支持体1105が設置された回転軸1109を
モーター1110により回転させ、支持体1105を支
持体母線方向中心軸の回りに回転させることにより、支
持体1105全周に渡って均一に堆積膜層を形成する。
【0187】上記のようにして形成された第1の層領域
上に第2の層領域を形成するには、第1の層領域形成時
とは原料ガス組成を変え、例えばシランガス、メタンガ
ス、テトラメチルシランガス、及び必要に応じて水素ガ
ス等の希釈ガスを反応容器1101内に導入し、第1の
層領域形成時と同様にして放電を開始する事によって成
される。
【0188】第2の層領域中に含有される炭素原子の量
は例えばシランガスとメタンガスの放電空間内に導入さ
れる流量比を任意に変えることにより制御することが出
来る。シリコン原子の結合の仕方は、シランガスとメタ
ンガスをテトラメチルシランガスに置き換えていくこと
により任意に制御することが出来る。更に、放電空間に
印加するバイアス電圧を変化させることにより、より効
果的に制御が可能となる。又、第2の層領域中に含有さ
れる水素原子の量は例えば水素ガスの放電空間内に導入
される流量を所望に従って任意に変えることによって、
所望に応じて制御することが出来る。
【0189】上記のようにして形成された第1の層領域
上に酸素原子が含有された第2の層領域を形成するに
は、第1の層領域形成時とは原料ガス組成を変え、例え
ばシランガス、メタンガス、テトラメチルシランガス、
酸素、一酸化窒素及び必要に応じて水素ガス等の希釈ガ
スを反応容器1101内に導入し、第1の層領域形成時
と同様にして放電を開始する事によって成される。
【0190】第2の層領域中に含有される炭素原子又は
酸素原子の量は例えばシランガスとメタンガス、酸素ガ
スの放電空間内に導入される流量比を任意に変えること
により制御することが出来る。シリコン原子の結合の仕
方は、シランガスとメタンガスをテトラメチルシランガ
スに置き換えていくこと、及び、酸素ガスを一酸化窒素
ガスに置き換えていくことにより任意に制御することが
出来る。更に、放電空間に印加するバイアス電圧を変化
させることにより、これらはより効果的に制御が可能と
なる。又、第2の層領域中に含有される水素原子の量は
例えば水素ガスの放電空間内に導入される流量を所望に
従って任意に変えることによって、所望に応じて制御す
ることが出来る。
【0191】
【実施例】
〈実施例1〉図6及び図7の製造装置を用い、表1の作
成条件に従って鏡面加工を施したアルミニウムシリンダ
ー上に電子写真用光受容部材を形成した。又、図6及び
図7と同型の装置を用い、同一仕様のシリンダー上に表
面層のみを形成したものを別個に用意した。光受容部材
(以後ドラムと表現)の方は、電子写真装置(キャノン
社製NP7550を本テスト用に改造したもの)にセッ
トして、種種の条件の元に、初期の帯電能、感度、高湿
環境(気温:30℃、湿度:90%)下での画像流れ、
残留電位、ゴースト、画像欠陥等の電子写真特性を評価
した。次に、このドラムを気温35℃、湿度95%の高
湿環境下で、ドラムヒーター等のドラム昇温手段を用い
ずに50万枚の耐久を行ない、初期と同様の評価を行な
った。併せて、耐久によるドラム傷の発生についても評
価を行なった。更に、必要に応じて表面の原子の量と結
合状態の分析をESCAにより行なった。
【0192】又、表面層のみの方は、(以後サンプルと
表現)画像部の上下に相当する部分をそれぞれ複数枚切
り出し、必要に応じてオージェ、SIMS及び有機元素
分析法により膜中に含まれるシリコン原子、炭素原子、
酸素原子及び水素原子の定量分析を行なった。更に、必
要に応じて表面の原子の量と結合の状態の分析をESC
Aにより行なった。
【0193】図8及び図9にこの様にして得られたES
CAのスペクトルを示す。
【0194】上記の評価結果及び初期の定量分析値を表
2、及び表3に示す。表2に見られるように、特に高湿
環境下での耐久後について著しい優位性が認められた。
【0195】
【表1】
【0196】
【表2】 ◎…非常に良好 ○…良好 △…実用上差し支えない ×…非実用的
【0197】
【表3】 Si(Si−C)…Si−C結合を持つSi原子の組成
比 C (C−Si)…C−Si結合を持つC原子の組成比 〈比較例1〉作成条件を表4のように変えた以外は、実
施例1と同様の装置、方法でドラム及びサンプルを作成
し、同様の評価に供した。その結果を表5、及び表6に
示す。
【0198】表5に見られるように、実施例1と比べ諸
々の項目について劣ることが認められた。
【0199】
【表4】
【0200】
【表5】 ◎…非常に良好 ○…良好 △…実用上差し支えない ×…非実用的
【0201】
【表6】 Si(Si−C)…Si−C結合を持つSi原子の組成
比 C (C−Si)…C−Si結合を持つC原子の組成比 〈実施例2(比較例2)〉表面層の作成条件を表7に示
す数種類の条件に変え、それ以外は実施例1と同様の条
件にて複数のドラム及び分析用サンプルを用意した。こ
れらのドラム及びサンプルを実施例1と同様の評価・分
析にかけた結果、表8、及び表9に示すような結果を得
た。
【0202】
【表7】
【0203】
【表8】 ◎…非常に良好 ○…良好 △…実用上差し支えない ×…非実用的
【0204】
【表9】 Si(Si−C)…Si−C結合を持つSi原子の組成
比 C (C−Si)…C−Si結合を持つC原子の組成比 〈実施例3(比較例3、4)〉表面層の作成条件を表1
0に示す数種類の条件に変え、それ以外は実施例1と同
様の条件にて複数のドラム及び分析用サンプルを用意し
た。これらのドラム及びサンプルを実施例1と同様の評
価・分析にかけた結果、表11、及び表12に示すよう
な結果を得た。
【0205】
【表10】
【0206】
【表11】 ◎…非常に良好 ○…良好 △…実用上差し支えない ×…非実用的
【0207】
【表12】 Si(Si−C)…Si−C結合を持つSi原子の組成
比 C (C−Si)…C−Si結合を持つC原子の組成比 〈実施例4〉光導電層の作製条件を表13に示す条件に
変え、それ以外は実施例1と同様の条件にて複数のドラ
ムを用意した。このドラムを実施例1と同様の評価にか
けた結果、実施例1と同様良好な結果が得られた。
【0208】
【表13】 〈実施例5〉光導電層をRF放電法により表14に示す
条件で作成後、図6、及び図7の製造装置を用い、実施
例1と同様の表面層を作成した。このドラムを実施例1
と同様の評価にかけた結果、実施例1と同様良好な結果
が得られた。
【0209】
【表14】 〈実施例6〉図6及び図7の製造装置を用い、鏡面加工
をしたアルミニウムシリンダー上に電子写真用光受容部
材を形成した。この時、光導電層と表面層の作成条件は
表15に示す通りとした。但し、表面層に関しては、炭
素原子と結合するシリコン原子の比率を変える目的で表
16に示すようにシランガス、メタンガス及びテトラメ
チルシランガスの流量を変え1A〜1F迄の6通りの条
件で光受容部材(以後ドラムと表現)の作成を行なっ
た。又、図6、及び図7と同型の装置を用い、同一仕様
のシリンダー上に表面層のみを形成したものを別個に用
意した。
【0210】ドラムの方は、電子写真装置(キャノン社
製NP7550を本テスト用に改造したもの)にセット
して、種々の条件の元に、初期の帯電能、感度、高湿環
境(気温:30℃、湿度:85%)下での画像流れ、残
留電位、ゴースト、画像欠陥等の電子写真特性を評価し
た。次に、このドラムを気温32℃、湿度90%の高湿
環境下で、ドラムヒーター等のドラム昇温手段を用いず
に50万枚の耐久を行ない、初期と同様の評価を行なっ
た。併せて、耐久によるドラム表面へのトナーのフィル
ミングの発生についても評価を行なった。この時トナー
はポリエステル樹脂を主成分とした熱定着用トナーを用
いた。
【0211】又、表面層のみの方は、(以後サンプルと
表現)画像部の上下に相当する部分をそれぞれ複数枚切
り出し、必要に応じてオージェ、SIMS及び有機元素
分析法により膜中に含まれるシリコン原子、炭素原子、
酸素原子及び水素原子の定量分析を行なった。更に、必
要に応じて表面の原子の量と結合の状態の分析をESC
Aにより行なった。
【0212】上記の評価結果及び初期の定量分析値を表
17及び表18に示す。表18では、シリコン原子、炭
素原子、酸素原子及び水素原子の和を100原子%とし
ている。これらの結果により、炭素原子と結合するシリ
コン原子の適切な割合があることが判った。これらのド
ラムでは、特に高湿環境下での耐久後について著しい優
位性が認められた。
【0213】
【表15】
【0214】
【表16】
【0215】
【表17】 ◎…非常に良好 ○…良好 △…実用上差し支えない ×…非実用的
【0216】
【表18】 Si(Si−C)…Si−C結合を持つSi原子の組成
比 Si(Si−O)…Si−O結合を持つSi原子の組成
比 〈実施例7〉実施例6と同様な手順で図6及び図7の製
造装置を用い電子写真用光受容部材を形成した。この
時、光導電層と表面層の作成条件は表19に示す通りと
した。但し、表面層に関しては、酸素原子と結合するシ
リコン原子の比率を変える目的で表20に示すように一
酸化窒素ガスと酸素ガスの流量を変え1G〜1L迄の6
通りの条件でドラムの作成を行なった。又、図6及び図
7と同型の装置を用い、同一使用のシリンダー上に表面
層のみ形成したものを別個に用意した。
【0217】これらのドラム、サンプルに、実施例6と
同様の評価、分析を行なった。
【0218】上記の評価結果及び初期の定量分析値を表
21及び表22に示す。表22では、シリコン原子、炭
素原子、酸素原子及び水素原子の和を100原子%とし
ている。これらの結果により、酸素原子と結合するシリ
コン原子の適切な割合があることが判った。これらのド
ラムでは、特に高湿環境下での耐久後について著しい優
位性が認められた。
【0219】
【表19】
【0220】
【表20】
【0221】
【表21】 ◎…非常に良好 ○…良好 △…実用上差し支えない ×…非実用的
【0222】
【表22】 Si(Si−C)…Si−C結合を持つSi原子の組成
比 Si(Si−O)…Si−O結合を持つSi原子の組成
比 〈実施例8〉図6及び図7の構造装置を用い、表23で
示す条件により支持体上に電荷注入阻止層、光導電層、
下部表面層を形成後、実施例6の1Aの条件により表面
層を作成した。
【0223】このドラムを実施例6と同様の評価にかけ
た結果、実施例6と1Aの条件のドラムと同様良好な結
果が得られた。
【0224】
【表23】 〈実施例9〉光導電層を作製条件を表24に示す条件に
変え作成した後、実施例6の1Bの条件により表面層を
作成した。
【0225】このドラムを実施例6と同様の評価にかけ
た結果、実施例6の1Bの条件のドラムと同様良好な結
果が得られた。
【0226】
【表24】 〈実施例10〉光導電層をRF放電法により表25に示
す条件で作成後、図6、及び図7の製造装置を用い、実
施例6の1Bの条件により表面層を作成した。
【0227】このドラムを実施例6と同様の評価にかけ
た結果、実施例6の1Bのドラムと同様良好な結果が得
られた。
【0228】
【表25】 〈実施例11〉実施例6の光導電層を形成後、厚さを5
Å〜1μmに変え、実施例6の1Bの条件により表面層
を作成した。
【0229】このドラムを実施例6と同様の評価にかけ
た結果、表面層の厚さ10Å〜500Åに於て実施例6
の1Bの条件のドラムと同様良好な結果が得られ、本発
明の効果が確認された。 〈実施例12〉実施例6から11と同様の検討を表面層
中のシリコン原子、炭素原子、酸素原子及び水素原子の
含有量を変えて行なったところ、表面層の組成を(Si
xyztu (但し、x+y+z=1、t+u=
1)としたときに0.1≦x≦0.4、0.4≦y≦
0.7、0.05≦z≦0.2、0.3≦t≦0.5
9、0.41≦u≦0.7の時に本発明のドラムは良好
な電子写真特性を示し、本発明が有効であることが確認
された。 〈実施例13〉図6に示す製造装置を用い、鏡面加工を
施したアルミニウムシリンダー上に電子写真用光受容部
材を形成した。このとき、光導電層と表面層の作成条件
は表26に示す通りとした。但し、表面層に関しては、
炭素原子と結合するシリコン原子の比率を変える目的で
表27に示すようにシランガス、メタンガス及びテトラ
メチルシランガスの流量を変え2A〜2F迄の6通りの
条件で光受容部材(以後ドラムと表現)の作成を行なっ
た。また、図6と同型の装置を用い、同一仕様のシリン
ダー上に表面層のみを形成したものを別個に用意した。
【0230】ドラムの方は、電子写真装置(キャノン社
製NP7550を本テスト用に改造したもの)にセット
して、種々の条件のもとに、初期の帯電能、感度、高湿
環境(気温:30℃,湿度90%)下での画像流れ、残
留電位、ゴースト、画像欠陥等の電子写真特性を評価し
た。次に、このドラムを気温30℃、湿度97%の高湿
環境下で、ドラムヒーター等のドラム昇温手段を用いず
に50万枚の耐久を行い、初期と同様の評価を行った。
併せて、耐久によるドラム表面へのトナーのフィルミン
グの発生についても評価を行った、このときトナーはポ
リエチレン樹脂を主成分とした圧力定着用トナーを用い
た。
【0231】また、表面層のみの方は、(以後サンプル
と表現)画像部の上下に相当する部分をそれぞれ複数枚
切り出し、必要に応じてオージェ、SIMS及び有機元
素分析法により膜中に含まれるシリコン原子、炭素原
子、酸素原子及び水素原子の定量分析を行った。さら
に、必要に応じて表面の原子の量と結合の状態の分析を
ESCAにより行った。
【0232】上記の評価結果及び初期の定量分析値を表
28及び表29に示す。これらの結果により、炭素原子
と結合するシリコン原子の適切な割合があることがわか
った。これらのドラムでは、特に高湿環境下での耐久後
について著しい優位性が認められた。
【0233】
【表26】
【0234】
【表27】
【0235】
【表28】 ◎…非常に良好 ○…良好 △…実用上差し支えない
×…非実用的
【0236】
【表29】 Si(Si−C)…Si−C結合を持つSi原子の組成
比 Si(Si−O)…Si−O結合を持つSi原子の組成
比 C (C−O) …C−O結合を持つC原子の組成比 〈実施例14〉実施例13と同様な手順で図6の製造装
置を用い電子写真用光受容部材を形成した。このとき、
光導電層と表面層の作成条件は表30に示す通りとし
た。但し、表面層に関しては、酸素原子と結合するシリ
コン原子の比率を変える目的で表31に示すように一酸
化窒素ガスと酸素ガスの流量を変え2G〜2L迄の6通
りの条件でドラムの作成を行った。また、図6と同型の
装置を用い、同一仕様のシリンダー上に表面層のみを形
成したものを用意した。
【0237】これらのドラム、サンプルに、実施例13
と同様の評価、分析を行った。
【0238】上記の評価結果及び初期の定量分析値を表
32、表33に示す。これらの結果により、酸素原子と
結合するシリコン原子の適切な割合があることがわかっ
た。これらのドラムでは、特に高湿環境下での耐久後に
ついて著しい優位性が認められた。
【0239】
【表30】
【0240】
【表31】
【0241】
【表32】 ◎…非常に良好 ○…良好 △…実用上差し支えない
×…非実用的
【0242】
【表33】 Si(Si−C)…Si−C結合を持つSi原子の組成
比 Si(Si−O)…Si−O結合を持つSi原子の組成
比 C (C−O) …C−O結合を持つC原子の組成比 〈実施例15〉実施例13と同様な手順で図6の製造装
置を用い電子写真用光受容部材を形成した。このとき、
光導電層と表面層の作成条件は表34に示す通りとし
た。但し、表面層に関しては、酸素原子と結合するシリ
コン原子の比率を変える目的で表35に示すようにメタ
ンガス、酸素ガス及びエチルエーテルガスの流量を変え
2M〜2R迄の6通りの条件でドラムの作成を行った。
また、図6と同型の装置を用い、同一仕様のシリンダー
上に表面層のみを形成したものを別個に用意した。
【0243】これらのドラム、サンプルに、実施例13
と同様の評価、分析を行った。
【0244】上記の評価結果及び初期の定量分析値を表
36及び表37に示す。これらの結果により、酸素原子
と結合する炭素原子の適切な割合があることがわかっ
た。これらのドラムでは、特に高湿環境下での耐久後に
ついて著しい優位性が認められた。
【0245】
【表34】
【0246】
【表35】
【0247】
【表36】 ◎…非常に良好 ○…良好 △…実用上差し支えない
×…非実用的
【0248】
【表37】 Si(Si−C)…Si−C結合を持つSi原子の組成
比 Si(Si−O)…Si−O結合を持つSi原子の組成
比 C (C−O) …C−O結合を持つC原子の組成比 〈実施例16〉図6の製造装置を用い、表38で示す条
件により支持体上に電荷注入阻止層、光導電層、下部表
面層を形成後、実施例13の2Aの条件により表面層を
作成した。
【0249】このドラムを実施例13と同様に評価した
結果、実施例13の2Aの条件のドラムと同様、良好な
結果が得られた。
【0250】
【表38】 〈実施例17〉光導電層を作成条件を表39に示す条件
に変えて作成した後、実施例13の2Bの条件により表
面層を作成した。
【0251】このドラムを実施例13と同様に評価した
結果、実施例13の2Bの条件のドラムと同様、良好な
結果が得られた。
【0252】
【表39】 〈実施例18〉光導電層をRF放電法により表40に示
す条件で作成後、図6の製造装置を用い、実施例13の
2Bの条件により表面層を作成した。
【0253】このドラムを実施例13と同様に評価した
結果、実施例13の2Bの条件のドラムと同様、良好な
結果が得られた。
【0254】
【表40】 〈実施例19〉実施例13の光導電層を形成後、厚さ5
Å〜1μmに変え、実施例13の2Bの条件により表面
層を作成した。
【0255】このドラムを実施例13と同様に評価した
結果、表面層の厚さ10Å〜500Åにおいて実施例1
3の2Bの条件のドラムと同様の良好な結果が得られ、
本発明の効果が確認された。 〈実施例20〉実施例13から19と同様の検討を表面
層中のシリコン原子、炭素原子、酸素原子及び水素原子
の含有量を変えて行ったところ、表面層の組成を(Si
xyztu (但し、x+y+z=1、t+u=
1)としたときに0.1≦x≦0.4、0.4≦y≦
0.7、0.05≦z≦0.2、0.3≦t≦0.5
9、0.41≦u≦0.7のときに本発明のドラムは良
好な電子写真特性を示し、本発明が有効であることが確
認された。
【0256】
【発明の効果】上記したような層構成を取るように設計
された本発明の光受容部材は、前記した諸問題点の全て
を解決し得、極めて優れた電気的、光学的、光導電的特
性、耐久性及び使用環境特性を示す。
【0257】又、本発明によればフィルミング防止効果
に優れた特性を示す電子写真用光受容部材を提供でき
る。
【0258】特に、本発明によれば、圧力定着用のトナ
ーのフィルミングの防止に対しても大きな効果を得るこ
とが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真用光受容部材の層構成を説明
するための模式的層構成図である。
【図2】(A),(B),(C)はそれぞれ支持体表面
の凹凸形状を示す説明図である。
【図3】支持体表面の凹凸形状例を示す説明図である。
【図4】図3の凹凸形状の形成方法を示す模式図であ
る。
【図5】支持体表面の凹凸形状例を示す説明図である。
【図6】本発明の電子写真用光受容部材の光受容層を形
成するためのマイクロ波放電によるドラムの製造装置の
一例を示す模式図である。
【図7】図6の製造装置の平面図である。
【図8】図8は本発明による電子写真用光受容部材の表
面をESCAにより分析したときに得られたスペクトル
の1例である。
【図9】図9は本発明による電子写真用光受容部材の表
面をESCAにより分析したときに得られたスペクトル
の1例である。
【符号の説明】
100 光受容部材 101 支持体 102 光受容層 103 光導電層 104 表面層
フロントページの続き (72)発明者 岡村 竜次 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 ▲高▼井 康好 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−289963(JP,A) 特開 平1−185645(JP,A) 特開 昭61−160752(JP,A) 特開 昭62−103657(JP,A) 特開 平3−10075(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/00 - 5/16

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と該支持体上にシリコン原子と炭
    素原子と水素原子とを含む非単結晶材料の表面層又は表
    面側領域を有する光受容層とを有し、該表面層又は表面
    側領域が炭素原子との結合を少なくとも1つ持つシリコ
    ン原子を、表面層中又は表面側領域中の全シリコン原子
    の50%以上有することを特徴とする光受容部材。
  2. 【請求項2】 前記表面層中に於て炭素原子の含有量が
    シリコン原子と炭素原子の和に対して40〜90原子%
    であることを特徴とする請求項1に記載の光受容部材。
  3. 【請求項3】 前記表面層中に於て水素原子の含有量が
    41〜70原子%であることを特徴とする請求項1又は
    に記載の光受容部材。
  4. 【請求項4】 前記表面層又は表面側領域に更に酸素原
    子が含有されている請求項1乃至3のいずれか1項に記
    載の光受容部材。
  5. 【請求項5】 前記表面層又は表面側領域の前記酸素原
    子との結合を少なくとも1つ持つシリコン原子が10〜
    30原子%である請求項1乃至4のいずれか1項に記載
    の光受容部材。
  6. 【請求項6】 前記表面層又は表面側領域に更に酸素原
    子が含有され、該酸素原子との結合を少なくとも1つ持
    つシリコン原子が10〜30原子%で、かつ、酸素原子
    との結合を有する前記炭素原子の割合が該層又は領域中
    の全炭素原子数に対して10〜30原子%である請求項
    1乃至のいずれか1項に記載の光受容部材。
  7. 【請求項7】 少なくともシリコン原子、炭素原子、酸
    素原子及び水素原子を含有する非単結晶層を最外表面に
    有する光受容部材に於て、該非単結晶層が炭素原子と結
    合しているシリコン原子の割合が、該非単結晶中の全シ
    リコン原子数に対して50〜100原子%で、且つ、酸
    素原子と結合しているシリコン原子の割合が該非単結晶
    中の全シリコン原子数に対して10〜30原子%である
    非単結晶の(Sixyztu (但し、0.1≦
    x≦0.4,0.4≦y≦0.7,0.05≦z≦0.
    2,x+y+z=1,0.3≦t≦0.59,0.41
    ≦u≦0.7,t+u=1)であることを特徴とする光
    受容部材。
  8. 【請求項8】 該非単結晶層の厚さが10〜500Åで
    あることを特徴とする請求項7記載の光受容部材。
  9. 【請求項9】 少なくともシリコン原子、炭素原子、酸
    素原子及び水素原子を含有する非単結晶層を最外表面に
    有する光受容部材において、該非単結晶層が炭素原子と
    結合しているシリコン原子の割合は全シリコン原子数に
    対して50〜100原子%、酸素原子と結合しているシ
    リコン原子の割合は全シリコン原子数に対して10〜3
    0原子%、且つ、酸素原子と結合している炭素原子の割
    合は全炭素原子数に対して10〜30原子%である一般
    式(Sixyztu (但し、0.1≦x≦0.
    4,0.4≦y≦0.7,0.05≦z≦0.2,x+
    y+z=1)で示される非単結晶シリコンを主成分とし
    て成ることを特徴とする光受容部材。
  10. 【請求項10】 一般式(Sixyztu にお
    いて0.3≦t≦0.59,0.41≦u≦0.7,t
    +u=1であることを特徴とする請求項9に記載の光受
    容部材。
  11. 【請求項11】 非単結晶層の厚さが10〜500Åで
    あることを特徴とする請求項9又は10に記載の光受容
    部材。
  12. 【請求項12】 前記表面層又は表面領域の炭素原子と
    の結合を少なくとも1つ有するシリコン原子の割合が前
    記表面層又は表面側領域の全シリコン原子の60%以上
    である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光受容部
    材。
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