JP2871757B2 - ペリクル - Google Patents
ペリクルInfo
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- JP2871757B2 JP2871757B2 JP30747489A JP30747489A JP2871757B2 JP 2871757 B2 JP2871757 B2 JP 2871757B2 JP 30747489 A JP30747489 A JP 30747489A JP 30747489 A JP30747489 A JP 30747489A JP 2871757 B2 JP2871757 B2 JP 2871757B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pellicle
- film
- thin film
- layer
- resin
- Prior art date
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- Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、特性の優れた新規な、フォトマスクまたは
レチクルの防塵用保護カバー体すなわちペリクルを提供
するものであり、さらに詳しく言えば、特に短波長域の
紫外線(UV)透過性に優れたペリクル膜を構成要素とし
て有するペリクルに関する。
レチクルの防塵用保護カバー体すなわちペリクルを提供
するものであり、さらに詳しく言えば、特に短波長域の
紫外線(UV)透過性に優れたペリクル膜を構成要素とし
て有するペリクルに関する。
(従来の技術) ペリクルは、フォトリソグラフィープロセスにより、
高度集積回路(LSI)を作製する際に、微細なゴミや埃
の付着により、回路パターンに不具合が生じることを防
ぐために多用されている。その主たる構成は、フレーム
にペリクル膜を張設したものである。ペリクル膜は、通
常、主たる構成体である薄膜(本発明では、メンブレン
薄膜とする)と反射防止層からなる(ただし、反射防止
層は不可欠ではない。)従来のペリクルとしては、特開
昭63−15250号、特開昭62−127801号、特開昭61−10624
3号、特開昭63−64048号、特開昭59−206406号、特開昭
59−164356号などに開示されているものがある。これら
従来技術において、ペリクルのメンブレン薄膜の材料と
しては、主にセルロース系材料が使用されている。
高度集積回路(LSI)を作製する際に、微細なゴミや埃
の付着により、回路パターンに不具合が生じることを防
ぐために多用されている。その主たる構成は、フレーム
にペリクル膜を張設したものである。ペリクル膜は、通
常、主たる構成体である薄膜(本発明では、メンブレン
薄膜とする)と反射防止層からなる(ただし、反射防止
層は不可欠ではない。)従来のペリクルとしては、特開
昭63−15250号、特開昭62−127801号、特開昭61−10624
3号、特開昭63−64048号、特開昭59−206406号、特開昭
59−164356号などに開示されているものがある。これら
従来技術において、ペリクルのメンブレン薄膜の材料と
しては、主にセルロース系材料が使用されている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、従来のセルロース系膜はg線(436nm)領域
においては比較的良好な透過性を有するが、400nm以下
の短波長域の、UV光に対する透過性は、必ずしも十分な
ものではなかった。そのため、従来のペリクルをi線
(365nm)露光プロセスに用いた場合、1ショット当た
りの露光時間が長くなり、LSIの生産効率を低下させ、
また多数回の繰返し使用において、従来のセルロース系
材料のペリクル膜はUV光により比較的早く劣化するとい
う実用上の問題があった。また、より集積度の高いLSI
リソグラフィープロセスに採用されると期待されている
エキシマレーザー露光には、従来のセルロース系膜は全
く使用できないという問題もあった。
においては比較的良好な透過性を有するが、400nm以下
の短波長域の、UV光に対する透過性は、必ずしも十分な
ものではなかった。そのため、従来のペリクルをi線
(365nm)露光プロセスに用いた場合、1ショット当た
りの露光時間が長くなり、LSIの生産効率を低下させ、
また多数回の繰返し使用において、従来のセルロース系
材料のペリクル膜はUV光により比較的早く劣化するとい
う実用上の問題があった。また、より集積度の高いLSI
リソグラフィープロセスに採用されると期待されている
エキシマレーザー露光には、従来のセルロース系膜は全
く使用できないという問題もあった。
本発明は、このような従来の膜材料の欠点を解消した
高性能の新規なペリクル膜を有するペリクルを提供する
ことを目的とする。
高性能の新規なペリクル膜を有するペリクルを提供する
ことを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は上記の従来のペリクルの難点を克服する
ため種々検討を重ねた結果、ポリフォスファゼン樹脂の
薄膜を用いることにより、その目的を達成しうることを
見出し、この知見に基づき本発明をなすに至った。
ため種々検討を重ねた結果、ポリフォスファゼン樹脂の
薄膜を用いることにより、その目的を達成しうることを
見出し、この知見に基づき本発明をなすに至った。
すなわち本発明は、ペリクルを構成するペリクル膜の
構成層の少なくとも一層に、ポリフォスファゼン樹脂を
用いることを特徴とするもので、 (1)光学的透過性の非晶質のフッ素系樹脂の反射防止
層を表面に形成した、光学的透過性のポリフォスファゼ
ン樹脂からなるメンブレン薄膜をペリクル膜として、フ
レームに張設してなることを特徴とするペリクル、及び (2)反射防止層の少なくとも1層として、ポリフォス
ファゼン樹脂層を有するペリクル膜からなることを特徴
とするペリクル を提供するものである。
構成層の少なくとも一層に、ポリフォスファゼン樹脂を
用いることを特徴とするもので、 (1)光学的透過性の非晶質のフッ素系樹脂の反射防止
層を表面に形成した、光学的透過性のポリフォスファゼ
ン樹脂からなるメンブレン薄膜をペリクル膜として、フ
レームに張設してなることを特徴とするペリクル、及び (2)反射防止層の少なくとも1層として、ポリフォス
ファゼン樹脂層を有するペリクル膜からなることを特徴
とするペリクル を提供するものである。
本発明において、“光学的透過性を有する”とは膜厚
さが100μmの薄膜で、波長300nmのUV光において透過率
が50%以上、好ましくは80%以上を示すことを意味す
る。したがって、150μmの厚さの薄膜で50%以上の透
過率を呈する場合には、本発明にいう“光学的透過性”
の薄膜であることはもちろんである。
さが100μmの薄膜で、波長300nmのUV光において透過率
が50%以上、好ましくは80%以上を示すことを意味す
る。したがって、150μmの厚さの薄膜で50%以上の透
過率を呈する場合には、本発明にいう“光学的透過性”
の薄膜であることはもちろんである。
本発明において、ポリフォスファゼン樹脂としては、
主鎖が を繰り返し単位としてなるもの、側鎖にPN結合を有する
もの、主鎖にも側鎖にもPN結合を有するもの、などを含
む。また、PN結合が鎖状構造をとる場合と環状構造をと
る場合がある。
主鎖が を繰り返し単位としてなるもの、側鎖にPN結合を有する
もの、主鎖にも側鎖にもPN結合を有するもの、などを含
む。また、PN結合が鎖状構造をとる場合と環状構造をと
る場合がある。
本発明におけるポリフォスファゼン樹脂は、上記に定
義した意味において光学的透過性を有するものである。
一般的に、本発明にて好ましく用いられるポリフォスフ
ァゼン樹脂は、PN結合を鎖状構造として主鎖に有するポ
リマーである。例えば式(I)にて表わされるものであ
る。
義した意味において光学的透過性を有するものである。
一般的に、本発明にて好ましく用いられるポリフォスフ
ァゼン樹脂は、PN結合を鎖状構造として主鎖に有するポ
リマーである。例えば式(I)にて表わされるものであ
る。
(式中、X1及びX2はアルコキシ基、アリーロキシ基、
Nジ置換アミノ基、Nモノ置換アミノ基、無置換アミノ
基、フッ素置換アルキルオキシ基を示し(アミノ基の置
換基は好ましくはアルキル基である。)、これらは互い
に同じでも異なっていてもよい。ポリフォスファゼン樹
脂はフィルム形成可能なポリマーであることが好まし
く、多くの場合分子量は1万以上、好ましくは3万以上
である。
Nジ置換アミノ基、Nモノ置換アミノ基、無置換アミノ
基、フッ素置換アルキルオキシ基を示し(アミノ基の置
換基は好ましくはアルキル基である。)、これらは互い
に同じでも異なっていてもよい。ポリフォスファゼン樹
脂はフィルム形成可能なポリマーであることが好まし
く、多くの場合分子量は1万以上、好ましくは3万以上
である。
このポリフォスファゼン樹脂の具体例を以下に例示す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
これらは、いずれも、本発明において良好な特性を発
揮するものであるが、好ましいものは式(I)でX1又
はX2が置換もしくは無置換アミノ基のものである。特
に好ましいものは、このうちでアミン類を側鎖に有する
ものである。
揮するものであるが、好ましいものは式(I)でX1又
はX2が置換もしくは無置換アミノ基のものである。特
に好ましいものは、このうちでアミン類を側鎖に有する
ものである。
このポリフォスファゼン樹脂の屈折率は1.2〜1.8の範
囲であり、分子構造をかえることなどの手段で調節でき
る。例えば、側鎖(式(I)のX1又はX2)としてプロ
ピルアミノ とジアルキルアミノ(一NR@S22@E2)基を有するポリ
マーでは、アルキル基(R)をかえることにより、屈折
率を1.3〜1.5の間で調整できる。Rの炭素原子数が大き
い程小さい屈折率となる。
囲であり、分子構造をかえることなどの手段で調節でき
る。例えば、側鎖(式(I)のX1又はX2)としてプロ
ピルアミノ とジアルキルアミノ(一NR@S22@E2)基を有するポリ
マーでは、アルキル基(R)をかえることにより、屈折
率を1.3〜1.5の間で調整できる。Rの炭素原子数が大き
い程小さい屈折率となる。
本発明において、ポリフォスファゼン樹脂は、通常、
四塩化炭素、テトラハイドロフラン、ジメチルスルフォ
キサイド、メチルエチルケトンなどの溶媒にとかした溶
液の状態で用いられることができる。
四塩化炭素、テトラハイドロフラン、ジメチルスルフォ
キサイド、メチルエチルケトンなどの溶媒にとかした溶
液の状態で用いられることができる。
ペリクルを構成するフレームの上に設けるペリクル膜
を構成するメンブレン薄膜自体をこのポリフォスファゼ
ン樹脂にて構成する場合には、この薄膜は、0.2〜100μ
mの厚さであり、好ましくは2〜20μmである。この薄
膜の製造法は、スピンコーター法やロールコーター法で
ある。
を構成するメンブレン薄膜自体をこのポリフォスファゼ
ン樹脂にて構成する場合には、この薄膜は、0.2〜100μ
mの厚さであり、好ましくは2〜20μmである。この薄
膜の製造法は、スピンコーター法やロールコーター法で
ある。
このようにして作成した薄膜をフレームの上に皺なく
設けてペリクルとする。この時フレームはアルミ合金等
の金属、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン
などの樹脂もしくはセラミックスなどで形成されたもの
である。フレーム上に薄膜を設ける手段については、特
に限定はなく常法に準じて行うことができる。例えば、
エポキシ系やアクリル系の接着剤で貼り付ける方法や嵌
合など機械的に保持する方法を採用する。
設けてペリクルとする。この時フレームはアルミ合金等
の金属、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン
などの樹脂もしくはセラミックスなどで形成されたもの
である。フレーム上に薄膜を設ける手段については、特
に限定はなく常法に準じて行うことができる。例えば、
エポキシ系やアクリル系の接着剤で貼り付ける方法や嵌
合など機械的に保持する方法を採用する。
ペリクルを構成する薄膜は、一般にその光線透過率を
高めるために、その表面に反射防止層を形成せしめるこ
とが好ましいが、本発明においても、ポリフォスファゼ
ン樹脂に反射防止層を形成する。この反射防止層は単層
とは限らず多層となることが多い。反射防止層を形成す
る材料としては、MgF2、CeF3、ZrO2、TiO2、SiO2、Al2
O3などの無機材料や、フッ素系ポリマーなどの有機系
材料が用いられる。反射防止層の構成層として、フッ素
系ポリマーを用いる場合には、主鎖に環状構造を有する
非晶質のフッ素系ポリマーが好ましい。このようなフッ
素系ポリマーとしては、例えば、好ましくは下記式(I
I)−(a)〜(II)−(d)で表わされるポリマーで
ある。このポリマーの重合度は特に制限はないが、フィ
ルム形成能を有することが好ましい。
高めるために、その表面に反射防止層を形成せしめるこ
とが好ましいが、本発明においても、ポリフォスファゼ
ン樹脂に反射防止層を形成する。この反射防止層は単層
とは限らず多層となることが多い。反射防止層を形成す
る材料としては、MgF2、CeF3、ZrO2、TiO2、SiO2、Al2
O3などの無機材料や、フッ素系ポリマーなどの有機系
材料が用いられる。反射防止層の構成層として、フッ素
系ポリマーを用いる場合には、主鎖に環状構造を有する
非晶質のフッ素系ポリマーが好ましい。このようなフッ
素系ポリマーとしては、例えば、好ましくは下記式(I
I)−(a)〜(II)−(d)で表わされるポリマーで
ある。このポリマーの重合度は特に制限はないが、フィ
ルム形成能を有することが好ましい。
(II)−(d) 上記(a)、(b)、(c)を構成する単量体の1種
もしくは2種以上と、他の共重合性の含フッ素単量体と
の共重合体。
もしくは2種以上と、他の共重合性の含フッ素単量体と
の共重合体。
上記フッ素樹脂の具体例を以下に例示するが、本発明
はこれに限定されるものではない。
はこれに限定されるものではない。
これらの反射防止層を形成する材料の屈折率は1.2〜
2.4であり、その屈折率は適宜選択設定することができ
る。
2.4であり、その屈折率は適宜選択設定することができ
る。
更に本発明においては、ポリフォスファゼン樹脂によ
り反射防止層を形成してもよい。この場合、ペリクル膜
を構成するメンブレン薄膜はポリフォスファゼン樹脂以
外の光学的透過性に優れる樹脂からなる。このような樹
脂としては、主鎖に環状構造を有する非晶質のフッ素系
ポリマーや主鎖に環状構造を有する非晶質のポリオレフ
ィン樹脂が好ましい。このようなポリマーの具体例を下
記に例示する。
り反射防止層を形成してもよい。この場合、ペリクル膜
を構成するメンブレン薄膜はポリフォスファゼン樹脂以
外の光学的透過性に優れる樹脂からなる。このような樹
脂としては、主鎖に環状構造を有する非晶質のフッ素系
ポリマーや主鎖に環状構造を有する非晶質のポリオレフ
ィン樹脂が好ましい。このようなポリマーの具体例を下
記に例示する。
フッ素系ポリマーとしては、前記式(II)−(a)〜
(II)−(d)で表わされるポリマーがあげられる。つ
まり、このような主鎖に環状構造を有する非晶質のフッ
素系ポリマーは、メンブレン薄膜としてもまた反射防止
膜としても、ともに使用することができる。
(II)−(d)で表わされるポリマーがあげられる。つ
まり、このような主鎖に環状構造を有する非晶質のフッ
素系ポリマーは、メンブレン薄膜としてもまた反射防止
膜としても、ともに使用することができる。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ノルボルネン
系モノマーを開環重合させたポリマー主鎖に五員環を含
んだポリマーを、完全に水素添加して得たものである。
その具体例としては次式で表わされる非晶質ポリマーが
あげられる。
系モノマーを開環重合させたポリマー主鎖に五員環を含
んだポリマーを、完全に水素添加して得たものである。
その具体例としては次式で表わされる非晶質ポリマーが
あげられる。
(式中、R1、R2はCmHnで表わされる炭化水素基を示
し、lは整数を示す。) これらのフッ素系ポリマーやポリオレフィン樹脂など
からなるメンブレン薄膜は前記の場合と同様に0.2μm
〜100μm、好ましくは2〜20μmである。この上に反
射防止層を形成するが、これは単層構成の場合と2層以
上の多層構成の場合がある。多層の場合には、無機質材
料のみからなる場合やポリマー系材料からなる場合だけ
でなく、無機物材料とポリマー系材料の両者から構成さ
れる場合がある。多くの場合、ポリフォスファゼン樹脂
は、大気側(メンブレン膜側でない)の最外層でなく、
内部構成層に用いるのが好ましい。
し、lは整数を示す。) これらのフッ素系ポリマーやポリオレフィン樹脂など
からなるメンブレン薄膜は前記の場合と同様に0.2μm
〜100μm、好ましくは2〜20μmである。この上に反
射防止層を形成するが、これは単層構成の場合と2層以
上の多層構成の場合がある。多層の場合には、無機質材
料のみからなる場合やポリマー系材料からなる場合だけ
でなく、無機物材料とポリマー系材料の両者から構成さ
れる場合がある。多くの場合、ポリフォスファゼン樹脂
は、大気側(メンブレン膜側でない)の最外層でなく、
内部構成層に用いるのが好ましい。
多くの場合、ポリフォスファゼン樹脂層は、各層の密
着性向上の役割を果たす。そして、ポリフォスファゼン
樹脂層は、メンブレン薄膜と無機系反射防止層との密着
性を改善する役割を果たすことが多い。
着性向上の役割を果たす。そして、ポリフォスファゼン
樹脂層は、メンブレン薄膜と無機系反射防止層との密着
性を改善する役割を果たすことが多い。
(実施例) 次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。
実施例1 PN結合を主鎖に持つ鎖状ポリマーで、側鎖にノルマル
ブチルアミノ基(n−BuNH)を有するポリフォスファゼ
ン樹脂(屈折率1.44)((I)−(e)−(1)として
例示)のメチルエチルケトン溶液より、ガラス盤上にロ
ールコーター法にて、乾燥後の膜厚さが6μmの薄膜を
作製した。この薄膜を表面平滑なガラス板上に密着さ
せ、この膜上に、スピンコーター法にてフッ素樹脂溶液
を用いて、乾燥後膜厚さ70nmの反射防止層を形成させ
た。用いたフッ素樹脂溶液は、デュポン社製ポリマーテ
フロンAF 2400をFLUOLINERT FC 75に溶解させたもので
ある。このポリマーは、主鎖に環状構造を有する非晶質
のフッ素系ポリマーである。
ブチルアミノ基(n−BuNH)を有するポリフォスファゼ
ン樹脂(屈折率1.44)((I)−(e)−(1)として
例示)のメチルエチルケトン溶液より、ガラス盤上にロ
ールコーター法にて、乾燥後の膜厚さが6μmの薄膜を
作製した。この薄膜を表面平滑なガラス板上に密着さ
せ、この膜上に、スピンコーター法にてフッ素樹脂溶液
を用いて、乾燥後膜厚さ70nmの反射防止層を形成させ
た。用いたフッ素樹脂溶液は、デュポン社製ポリマーテ
フロンAF 2400をFLUOLINERT FC 75に溶解させたもので
ある。このポリマーは、主鎖に環状構造を有する非晶質
のフッ素系ポリマーである。
この片面に反射防止層を形成せしめた膜を、反転し
て、もう一方の面に、同様に反射防止層を形成せしめ
た。この膜をアルミ合金製のフレームに皺無く接着せし
めて、ポリフォスファゼン樹脂をメンブレン薄膜とし、
その両面にフッ素樹脂からなる反射防止膜を有するペリ
クルを構成せしめた。
て、もう一方の面に、同様に反射防止層を形成せしめ
た。この膜をアルミ合金製のフレームに皺無く接着せし
めて、ポリフォスファゼン樹脂をメンブレン薄膜とし、
その両面にフッ素樹脂からなる反射防止膜を有するペリ
クルを構成せしめた。
得られたペリクルのi線(365nm)における光線透過
率は、98%以上であり、十分に実用性を有するものであ
った。
率は、98%以上であり、十分に実用性を有するものであ
った。
実施例2及び比較例1 非晶質で主鎖に環状構造を有する透光性に優れたポリ
オレフィン樹脂(日本ゼオン社製;Zeonex 280)にて、
厚さ10μmのフィルム(A)を作製した。このフィルム
(A)の両面にスピンコーター法にて、ポリフォスファ
ゼン樹脂の薄膜層を形成させた(フィルムBとする)。
この場合のポリフォスファゼン樹脂としては、主鎖に環
状PN結合を有し、側鎖にフェノキシ基を有するポリマー
((I)−(b)−(1)として例示)を用い、その層
厚さは1μmとした。
オレフィン樹脂(日本ゼオン社製;Zeonex 280)にて、
厚さ10μmのフィルム(A)を作製した。このフィルム
(A)の両面にスピンコーター法にて、ポリフォスファ
ゼン樹脂の薄膜層を形成させた(フィルムBとする)。
この場合のポリフォスファゼン樹脂としては、主鎖に環
状PN結合を有し、側鎖にフェノキシ基を有するポリマー
((I)−(b)−(1)として例示)を用い、その層
厚さは1μmとした。
このフィルム(B)を、アルミ合金製のフレームに皺
無く張りつけたのち、その両面にMgF2の反射防止層(80
nm)を、蒸着法により形成した。このようにして得たペ
リクルを用いて、g線(436nm)用ステッパーにて100万
回の露光処理に供したが、何らの異常もおこらなかっ
た。
無く張りつけたのち、その両面にMgF2の反射防止層(80
nm)を、蒸着法により形成した。このようにして得たペ
リクルを用いて、g線(436nm)用ステッパーにて100万
回の露光処理に供したが、何らの異常もおこらなかっ
た。
比較のため、上記のフィルム(A)に直接MgF2の反射
防止層を形成したペリクルにつき、同様に露光処理を試
みたところ、MgF2層の剥離が生じる不具合があった。こ
れは、ポリフォスファゼン樹脂薄膜層が、メンブレン薄
膜と無機質反射防止膜との密着性を向上させる役割を果
たすことを示している。
防止層を形成したペリクルにつき、同様に露光処理を試
みたところ、MgF2層の剥離が生じる不具合があった。こ
れは、ポリフォスファゼン樹脂薄膜層が、メンブレン薄
膜と無機質反射防止膜との密着性を向上させる役割を果
たすことを示している。
(発明の効果) 本発明のポリフォスファゼン樹脂薄膜から構成される
メンブレン薄膜を張設したペリクルは短波長域の紫外線
透過性が高いという優れた作用効果を奏する。さらにポ
リフォスファゼン樹脂を反射防止層として形成した本発
明のメンブレン薄膜は反射防止層との密着性が高く、多
数回、繰返し使用によっても劣化しない。
メンブレン薄膜を張設したペリクルは短波長域の紫外線
透過性が高いという優れた作用効果を奏する。さらにポ
リフォスファゼン樹脂を反射防止層として形成した本発
明のメンブレン薄膜は反射防止層との密着性が高く、多
数回、繰返し使用によっても劣化しない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−52155(JP,A) 特開 昭60−83032(JP,A) 特開 昭64−44935(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 1/08 - 1/16
Claims (2)
- 【請求項1】光学的透過性の非晶質のフッ素系樹脂の反
射防止層を表面に形成した、光学的透過性のポリフォス
ファゼン樹脂からなるメンブレン薄膜をペリクル膜とし
て、フレームに張設してなることを特徴とするペリク
ル。 - 【請求項2】反射防止層の少なくとも1層として、ポリ
フォスファゼン樹脂層を設けてなるペリクル膜を有する
ことを特徴とするペリクル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30747489A JP2871757B2 (ja) | 1989-11-29 | 1989-11-29 | ペリクル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30747489A JP2871757B2 (ja) | 1989-11-29 | 1989-11-29 | ペリクル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03168642A JPH03168642A (ja) | 1991-07-22 |
JP2871757B2 true JP2871757B2 (ja) | 1999-03-17 |
Family
ID=17969517
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30747489A Expired - Fee Related JP2871757B2 (ja) | 1989-11-29 | 1989-11-29 | ペリクル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2871757B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5502132A (en) * | 1992-07-27 | 1996-03-26 | Asahi Glass Company Ltd. | Process for producing a perfluoro copolymer |
CN114296318A (zh) * | 2021-12-28 | 2022-04-08 | 宁波南大光电材料有限公司 | 底部抗反射层及其制备方法 |
-
1989
- 1989-11-29 JP JP30747489A patent/JP2871757B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03168642A (ja) | 1991-07-22 |
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