JP2870435B2 - 高強度・高靱性の溶接鋼管の製造方法 - Google Patents
高強度・高靱性の溶接鋼管の製造方法Info
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- JP2870435B2 JP2870435B2 JP6334609A JP33460994A JP2870435B2 JP 2870435 B2 JP2870435 B2 JP 2870435B2 JP 6334609 A JP6334609 A JP 6334609A JP 33460994 A JP33460994 A JP 33460994A JP 2870435 B2 JP2870435 B2 JP 2870435B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度・高靱性の溶接
鋼管の製造方法に係り、高周波加熱等により溶接部を予
熱し、その後レーザー光線にて接合し、さらに、その溶
接部をオンラインでQT熱処理する溶接鋼管の製造方法
に関する。
鋼管の製造方法に係り、高周波加熱等により溶接部を予
熱し、その後レーザー光線にて接合し、さらに、その溶
接部をオンラインでQT熱処理する溶接鋼管の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】電縫管は、先ず成形ロール群によって鋼
帯を管状体に成形し、次に高周波電流等によって加熱さ
れたエッヂ部を突合せ、その部分を連続的に溶接・接合
して鋼管を製造する。この電縫溶接部は、通常その後の
冷却速度が速いため硬化し、品質劣化を招く一因となっ
ている。
帯を管状体に成形し、次に高周波電流等によって加熱さ
れたエッヂ部を突合せ、その部分を連続的に溶接・接合
して鋼管を製造する。この電縫溶接部は、通常その後の
冷却速度が速いため硬化し、品質劣化を招く一因となっ
ている。
【0003】このため、電縫鋼管に要求される品質・性
能によって、この溶接部はオンラインにて焼準または焼
入れ焼き戻しの熱処理が施され、硬化した溶接部の改善
を図っている。例えば特開昭62−151509号公報
によれば、硬化した溶接部は焼入れ焼き戻し処理によっ
て改善され、その効果は焼準処理よりも顕著であること
が開示されている。また、従来の電縫管の溶接部の品質
劣化要因として、その溶接・接合面に発生する酸化物に
よる溶接欠陥が挙げられ、後熱処理だけでは充分な品質
を得ることは出来ない。
能によって、この溶接部はオンラインにて焼準または焼
入れ焼き戻しの熱処理が施され、硬化した溶接部の改善
を図っている。例えば特開昭62−151509号公報
によれば、硬化した溶接部は焼入れ焼き戻し処理によっ
て改善され、その効果は焼準処理よりも顕著であること
が開示されている。また、従来の電縫管の溶接部の品質
劣化要因として、その溶接・接合面に発生する酸化物に
よる溶接欠陥が挙げられ、後熱処理だけでは充分な品質
を得ることは出来ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記に通り、電縫管は
溶接部の品質が母材部のそれに比べ著しく劣るため電縫
管の高級化を防げる一因となっている。溶接部の品質劣
化の要因の一つは接合時に発生する酸化物による溶接欠
陥であり、この発生防止対策として入熱制御装置、溶接
方法の開発及びガスシールド溶接法等が検討されている
が、これらの方法では必ずしも充分な効果が得られな
い。
溶接部の品質が母材部のそれに比べ著しく劣るため電縫
管の高級化を防げる一因となっている。溶接部の品質劣
化の要因の一つは接合時に発生する酸化物による溶接欠
陥であり、この発生防止対策として入熱制御装置、溶接
方法の開発及びガスシールド溶接法等が検討されている
が、これらの方法では必ずしも充分な効果が得られな
い。
【0005】また、溶接部は、その後の冷却速度が速い
ため組織が硬化し、品質劣化の原因となっている。品質
改善策としてオンラインでの後熱処理方法が開発され検
討されているが、酸化物による溶接欠陥を含む溶接部を
後熱処理しても、その改善効果には限界がある。
ため組織が硬化し、品質劣化の原因となっている。品質
改善策としてオンラインでの後熱処理方法が開発され検
討されているが、酸化物による溶接欠陥を含む溶接部を
後熱処理しても、その改善効果には限界がある。
【0006】本発明は溶接部の高品質化を目的として、
従来の製造方法、すなわち、溶接欠陥を含む溶接部の後
熱処理法を改善するため、欠陥のない溶接部を有する溶
接鋼管を製造し、更に、これを適正な後熱処理法を行な
う製管方法を目的とする。
従来の製造方法、すなわち、溶接欠陥を含む溶接部の後
熱処理法を改善するため、欠陥のない溶接部を有する溶
接鋼管を製造し、更に、これを適正な後熱処理法を行な
う製管方法を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、電縫管の溶接
欠陥の減少を図るために、 適正な成分組成を有する鋼帯を用意し、 電縫プロセスにおいて、従来の高周波等による予熱と
レーザー光線を併用する複合溶接技術を適用し、 更に、適正な後熱処理条件により後熱処理を行なうこ
とにより前記課題を解決することができるとの知見を得
て下記の発明をするに至った。
欠陥の減少を図るために、 適正な成分組成を有する鋼帯を用意し、 電縫プロセスにおいて、従来の高周波等による予熱と
レーザー光線を併用する複合溶接技術を適用し、 更に、適正な後熱処理条件により後熱処理を行なうこ
とにより前記課題を解決することができるとの知見を得
て下記の発明をするに至った。
【0008】(1)請求項1の発明は、下記の工程(成
分組成はwt%である)を備えたことを特徴とする高強
度・高靱性の溶接鋼管の製造方法である。 (a)C:0.03〜0.12%、Si:0.3%以
下、Mn:1.0〜1.5%、 P:0.02%以下、
S:0.005%以下を含有し、さらに、Nb:0.0
1〜0.06%、V:0.01〜0.06%、Ti:
0.01〜0.06%の1種以上を含有する鋼帯を用意
し、(b)前記鋼帯を管状体に加工し、(c)前記管状
体に加工された鋼帯の突き合わせ部を高周波誘導加熱ま
たは電気抵抗加熱により600〜1300℃に予熱し、
(d)続いて、予熱された前記鋼帯の突き合わせ部をレ
ーザ光線により溶接・接合を行ない、(e)前記溶接・
接合された溶接部をAc1 +50℃〜1000℃の温度
域に加熱し、その後空冷する。
分組成はwt%である)を備えたことを特徴とする高強
度・高靱性の溶接鋼管の製造方法である。 (a)C:0.03〜0.12%、Si:0.3%以
下、Mn:1.0〜1.5%、 P:0.02%以下、
S:0.005%以下を含有し、さらに、Nb:0.0
1〜0.06%、V:0.01〜0.06%、Ti:
0.01〜0.06%の1種以上を含有する鋼帯を用意
し、(b)前記鋼帯を管状体に加工し、(c)前記管状
体に加工された鋼帯の突き合わせ部を高周波誘導加熱ま
たは電気抵抗加熱により600〜1300℃に予熱し、
(d)続いて、予熱された前記鋼帯の突き合わせ部をレ
ーザ光線により溶接・接合を行ない、(e)前記溶接・
接合された溶接部をAc1 +50℃〜1000℃の温度
域に加熱し、その後空冷する。
【0009】(2)請求項2の発明は、最終工程におけ
る空冷にかえて、その温度から30℃/sec以上の冷
却温度で400℃以下まで急冷し、次に500〜750
℃で焼き戻すことを特徴とする請求項1記載の高強度・
高靱性の溶接鋼管の製造方法である。
る空冷にかえて、その温度から30℃/sec以上の冷
却温度で400℃以下まで急冷し、次に500〜750
℃で焼き戻すことを特徴とする請求項1記載の高強度・
高靱性の溶接鋼管の製造方法である。
【0010】
【作用】図1に本発明法の造管工程を示す。通常使用さ
れている電縫管の製造設備を利用し、上記成分組成を有
する鋼帯を多段ロールにより管状体1に成形し、高周波
誘導加熱、または、コンタクトチップ2により高周波電
流等をエッジ部に通電して加熱し、鋼帯の突き合わせ
部、即ちエッヂ部を適切に予熱し、次にレーザー溶接を
高速で行なう。目的に応じて、後熱処理を行なう。以上
が本発明の工程の概要である。
れている電縫管の製造設備を利用し、上記成分組成を有
する鋼帯を多段ロールにより管状体1に成形し、高周波
誘導加熱、または、コンタクトチップ2により高周波電
流等をエッジ部に通電して加熱し、鋼帯の突き合わせ
部、即ちエッヂ部を適切に予熱し、次にレーザー溶接を
高速で行なう。目的に応じて、後熱処理を行なう。以上
が本発明の工程の概要である。
【0011】先ず、本発明の方法を適用する鋼帯の成分
組成の限定理由を以下説明する。 C:強度を確保する最も経済的な成分で0.03%未満
では充分な焼きが入らず強度の確保が難しい。0.12
%を超えると靱性が劣化する。そこで、0.03〜0.
12%とする。
組成の限定理由を以下説明する。 C:強度を確保する最も経済的な成分で0.03%未満
では充分な焼きが入らず強度の確保が難しい。0.12
%を超えると靱性が劣化する。そこで、0.03〜0.
12%とする。
【0012】Si:脱酸を行うために必要で、かつ強度
確保に好ましい。しかし0.3%を超えると靱性の劣化
が生じる。そこで、0.03%以下とする。 Mn:強度上昇作用があるが、その含有量が1%未満で
は充分な焼入れ効果が期待できない。1.5%を超える
と靱性確保が難しい。そこで、1.0〜1.5%とす
る。
確保に好ましい。しかし0.3%を超えると靱性の劣化
が生じる。そこで、0.03%以下とする。 Mn:強度上昇作用があるが、その含有量が1%未満で
は充分な焼入れ効果が期待できない。1.5%を超える
と靱性確保が難しい。そこで、1.0〜1.5%とす
る。
【0013】P:不可避的不純物成分で、偏析して材質
を劣化させるため0.02%以下とする。 S:Pと同様不可避的不純物で、材料の靱性劣化を招く
ために0.005%以下とする。
を劣化させるため0.02%以下とする。 S:Pと同様不可避的不純物で、材料の靱性劣化を招く
ために0.005%以下とする。
【0014】Nb,V,Ti:いずれも炭化物、窒化物
等として析出し、焼入れ時の結晶粒粗大化防止、および
強度上昇に寄与する。それぞれ0.01%未満では、そ
れらの効果は小さく、0.06%を超えるとその効果が
飽和するので、上記範囲とする。
等として析出し、焼入れ時の結晶粒粗大化防止、および
強度上昇に寄与する。それぞれ0.01%未満では、そ
れらの効果は小さく、0.06%を超えるとその効果が
飽和するので、上記範囲とする。
【0015】次に、造管方法について説明する。図1に
示したように、本発明法では通常使用されている電縫管
の製造設備を利用し、上記成分組成を有する鋼帯を多段
ロールにより管状体1に成形する。管状体1の突き合わ
せ部、即ち、エッジ部を高周波誘導加熱、または、コン
タクトチップ2により高周波電流等を通電して加熱し、
鋼帯の突き合わせ部を適切に予熱し、次にレーザー溶接
を高速で行なう。
示したように、本発明法では通常使用されている電縫管
の製造設備を利用し、上記成分組成を有する鋼帯を多段
ロールにより管状体1に成形する。管状体1の突き合わ
せ部、即ち、エッジ部を高周波誘導加熱、または、コン
タクトチップ2により高周波電流等を通電して加熱し、
鋼帯の突き合わせ部を適切に予熱し、次にレーザー溶接
を高速で行なう。
【0016】溶接に際し、先ず高周波誘導コイルによる
加熱又はコンタクトチップ2によって直接電流を鋼帯の
エッヂ部に通電して予熱する。予熱の温度は、あまり低
温では、その効果がなく、高温度ではエッジ部の酸化が
激しくなるので、600〜1300℃の範囲が好まし
い。余熱後にレーザー光線3を照射し、溶接・接合を行
うが、予熱することによりレーザー光線3による溶接の
高能率化が図れる。レーザー溶接に際して、トロップロ
ール4により突合せ部の形状をI型に形成し、サイドロ
ール5によってアップセット与える。
加熱又はコンタクトチップ2によって直接電流を鋼帯の
エッヂ部に通電して予熱する。予熱の温度は、あまり低
温では、その効果がなく、高温度ではエッジ部の酸化が
激しくなるので、600〜1300℃の範囲が好まし
い。余熱後にレーザー光線3を照射し、溶接・接合を行
うが、予熱することによりレーザー光線3による溶接の
高能率化が図れる。レーザー溶接に際して、トロップロ
ール4により突合せ部の形状をI型に形成し、サイドロ
ール5によってアップセット与える。
【0017】トロップロール4とレーザー光線3の関係
は図1に示すように、トロップロール4は例えば複数個
あり、管状体の突き合わせ部を斜め方向から抑えるよう
に配置されており、レーザー光線3が溶接部に当たるよ
うに配慮されている。かかるレーザー溶接を用いると、
エッジ部の酸化物発生が少なく、アップセット量が少な
くできるため、溶接部の介在物が少なく、清浄度の高い
溶接部が得られる。
は図1に示すように、トロップロール4は例えば複数個
あり、管状体の突き合わせ部を斜め方向から抑えるよう
に配置されており、レーザー光線3が溶接部に当たるよ
うに配慮されている。かかるレーザー溶接を用いると、
エッジ部の酸化物発生が少なく、アップセット量が少な
くできるため、溶接部の介在物が少なく、清浄度の高い
溶接部が得られる。
【0018】次に、溶接が終了した鋼管の溶接部の組織
改善を行うために、焼準処理もしくは、焼入れ焼き戻し
を行う。焼準処理は高周波加熱装置(1)6でAc1 +
50℃〜1000℃の温度域に加熱し、その後空冷す
る。高周波加熱装置(1)での加熱温度は、その後の熱
処理の効果を充分発揮するためにAc1 +50℃以上が
必要であるが、1000℃を超えるとγ粒径が粗大化し
品質劣化を生じる。
改善を行うために、焼準処理もしくは、焼入れ焼き戻し
を行う。焼準処理は高周波加熱装置(1)6でAc1 +
50℃〜1000℃の温度域に加熱し、その後空冷す
る。高周波加熱装置(1)での加熱温度は、その後の熱
処理の効果を充分発揮するためにAc1 +50℃以上が
必要であるが、1000℃を超えるとγ粒径が粗大化し
品質劣化を生じる。
【0019】焼入れ焼き戻し処理を行なう場合は、先ず
高周波加熱装置(1)8でAc1 +50℃〜1000℃
の温度域に加熱し、水冷ゾーン7にて急冷する。この時
の冷却速度は30℃/sec以上とし、充分な焼きを入
れる。冷却停止温度は400℃以下になるよう、水量お
よび水冷ゾーン長さを決定するればよい。焼き戻し温度
は500〜750℃とする。500℃未満では焼き戻し
効果は認められず、750℃を超える温度は変態領域で
あり、入り焼き戻し処理ではなくなるためである。
高周波加熱装置(1)8でAc1 +50℃〜1000℃
の温度域に加熱し、水冷ゾーン7にて急冷する。この時
の冷却速度は30℃/sec以上とし、充分な焼きを入
れる。冷却停止温度は400℃以下になるよう、水量お
よび水冷ゾーン長さを決定するればよい。焼き戻し温度
は500〜750℃とする。500℃未満では焼き戻し
効果は認められず、750℃を超える温度は変態領域で
あり、入り焼き戻し処理ではなくなるためである。
【0020】従来の高周波加熱のみによる接合に比べ、
上記のようなレーザー光線による接合は、溶接能率を向
上させることができると共に、大幅に酸化物による溶接
欠陥の発生を軽減できる。従って、高品質の溶接鋼管が
製造できる。ここで、溶接管とは、電縫管、その他の溶
接管、例えばサブマージド溶接管等を含む。
上記のようなレーザー光線による接合は、溶接能率を向
上させることができると共に、大幅に酸化物による溶接
欠陥の発生を軽減できる。従って、高品質の溶接鋼管が
製造できる。ここで、溶接管とは、電縫管、その他の溶
接管、例えばサブマージド溶接管等を含む。
【0021】
【実施例】表1に示す供試材を用い本発明の製造方法方
法により溶接鋼管を製管した。表2に製造条件を表3に
焼入れ焼き戻し条件をを示す。以下において、製造した
溶接鋼管の寸法はすべて内径76.3mmφ,厚み7.
5mmである。
法により溶接鋼管を製管した。表2に製造条件を表3に
焼入れ焼き戻し条件をを示す。以下において、製造した
溶接鋼管の寸法はすべて内径76.3mmφ,厚み7.
5mmである。
【0022】図2に本プロセス法にて製造された鋼管の
シャルピー破面遷移温度(vTrs)と焼入れ温度の関
係を示す。焼入れ温度が1000℃以下で良好なvTr
s値が得られる。図3に冷却温度、図4に焼き戻し温度
のvTrsに及ぼす影響をそれぞれ示す。冷却速度は3
0℃/sec以上で、焼き戻し温度は500〜750℃
の温度域でvTrsは良好となる。
シャルピー破面遷移温度(vTrs)と焼入れ温度の関
係を示す。焼入れ温度が1000℃以下で良好なvTr
s値が得られる。図3に冷却温度、図4に焼き戻し温度
のvTrsに及ぼす影響をそれぞれ示す。冷却速度は3
0℃/sec以上で、焼き戻し温度は500〜750℃
の温度域でvTrsは良好となる。
【0023】図5に従来のERW(電縫管製造)方法+
QT(焼入れ焼き戻し)プロセス法と本プロセス法によ
り製造した溶接鋼管のvTrs比較を示すが、本発明の
方法を採用することによりvTrsは顕著に改善され
る。また、図6に本発明の方法による発明鋼及び比較鋼
を用いて製造した鋼管のvTrsを示す。本発明の成分
組成鋼を用いることによりvTrsは著しく改善されて
いる。
QT(焼入れ焼き戻し)プロセス法と本プロセス法によ
り製造した溶接鋼管のvTrs比較を示すが、本発明の
方法を採用することによりvTrsは顕著に改善され
る。また、図6に本発明の方法による発明鋼及び比較鋼
を用いて製造した鋼管のvTrsを示す。本発明の成分
組成鋼を用いることによりvTrsは著しく改善されて
いる。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】本発明において、レーザー溶接後におい
て、高周波加熱装置(1)により焼準を行い、その後空
冷した場合の結果を図7及び図8に示した。図7から本
鋼種では約1000℃以下の加熱を行いその後空冷する
と、従来法(従来のERW+焼準)よりもvTrsは格
段に改善されていることが明らかである。また、図8に
溶接部の酸素濃度を比較したが、従来法に比較して、本
発明の方法によると溶接部の酸素濃度、即ち、清浄度も
格段に優れていることが判明した。
て、高周波加熱装置(1)により焼準を行い、その後空
冷した場合の結果を図7及び図8に示した。図7から本
鋼種では約1000℃以下の加熱を行いその後空冷する
と、従来法(従来のERW+焼準)よりもvTrsは格
段に改善されていることが明らかである。また、図8に
溶接部の酸素濃度を比較したが、従来法に比較して、本
発明の方法によると溶接部の酸素濃度、即ち、清浄度も
格段に優れていることが判明した。
【0028】
【発明の効果】従来の電縫管製造プロセスに比較して、
本発明では造管に際し、高周波加熱等により予熱を行
い、その後レーザー光線による溶接を行なうことによ
り、生産の高能率化が図れ、また、溶接部品質も従来の
電縫部品質に比べ大幅に改善される。また、本プロセス
に使用する鋼帯の化学成分を限定することで、その後の
焼入れ焼き戻し処理により更に高品質が図れる。
本発明では造管に際し、高周波加熱等により予熱を行
い、その後レーザー光線による溶接を行なうことによ
り、生産の高能率化が図れ、また、溶接部品質も従来の
電縫部品質に比べ大幅に改善される。また、本プロセス
に使用する鋼帯の化学成分を限定することで、その後の
焼入れ焼き戻し処理により更に高品質が図れる。
【図1】本発明の造管工程を示す図である。
【図2】本発明における焼入れ温度と溶接鋼管のvTr
sとの関係を示す図である。
sとの関係を示す図である。
【図3】本発明における焼入れ後の冷却速度と溶接鋼管
のvTrsとの関係を示す図である。
のvTrsとの関係を示す図である。
【図4】本発明における焼き戻し温度と溶接鋼管のvT
rsとの関係を示す図である。
rsとの関係を示す図である。
【図5】従来法と本発明方法における焼入れ温度と鋼管
のvTrsとを比較した図である。
のvTrsとを比較した図である。
【図6】比較例と本発明方法における焼入れ温度と鋼管
のvTrsとを比較した図である。
のvTrsとを比較した図である。
【図7】従来法と本発明方法における焼準加熱温度と鋼
管のvTrsとを比較した図である。
管のvTrsとを比較した図である。
【図8】従来法と本発明方法における溶接部の酸素濃度
とを比較した図である。
とを比較した図である。
1 管状体 2 コンタクトチップ 3 レーザー光線 4 トップロール 5 サイドロール 6 高周波加熱装置(1) 7 水冷ゾーン 8 高周波加熱装置(2)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C21D 9/50 101 C21D 9/50 101A C22C 38/00 301 C22C 38/00 301B 38/14 38/14 (72)発明者 小野 守章 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 真保 幸雄 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 海津 享 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−43827(JP,A) 特開 昭60−46890(JP,A) 特開 平2−147187(JP,A) 特開 平6−116645(JP,A) 特開 平8−118050(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 26/00 - 26/18
Claims (2)
- 【請求項1】 下記の工程(成分組成はwt%である)
を備えたことを特徴とする高強度・高靱性の溶接鋼管の
製造方法。 (a)C:0.03〜0.12%、Si:0.3%以
下、 Mn:1.0〜1.5%、 P:0.02%以下、 S:0.005%以下を含有し、更に、 Nb:0.01〜0.06%、V:0.01〜0.06
%、 Ti:0.01〜0.06%の1種以上を含有する鋼帯
を用意し、(b)前記鋼帯を管状体に加工し、(c)前
記管状体の突き合わせ部を高周波誘導加熱または電気抵
抗加熱により600〜1300℃に予熱し、(d)続い
て、予熱された前記管状体の突き合わせ部をレーザ光線
により溶接・接合を行ない、(e)前記溶接・接合され
た溶接部をAc1 +50℃〜1000℃の温度域に加熱
し、その後空冷する。 - 【請求項2】 下記の工程(成分組成はwt%である)
を備えたことを特徴とする高強度・高靱性の溶接鋼管の
製造方法。 (a)C:0.03〜0.12%、Si:0.3%以
下、 Mn:1.0〜1.5%、 P:0.02%以下、 S:0.005%以下を含有し、更に、 Nb:0.01〜0.06%、V:0.01〜0.06
%、 Ti:0.01〜0.06%の1種以上を含有する鋼帯
を用意し、(b)前記鋼帯を管状体に加工し、(c)前
記管状体の突き合わせ部を高周波誘導加熱または電気抵
抗加熱により600〜1300℃に予熱し、(d)続い
て、予熱された前記管状体の突き合わせ部をレーザ光線
により溶接・接合を行ない、(e)前記溶接・接合され
た溶接部をAc1 +50℃〜1000℃の温度域に加熱
し、その温度から30℃/sec以上の冷却温度で40
0℃以下まで急冷し、(f)次に500〜750℃で焼
き戻す。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6334609A JP2870435B2 (ja) | 1994-12-20 | 1994-12-20 | 高強度・高靱性の溶接鋼管の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6334609A JP2870435B2 (ja) | 1994-12-20 | 1994-12-20 | 高強度・高靱性の溶接鋼管の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08174254A JPH08174254A (ja) | 1996-07-09 |
JP2870435B2 true JP2870435B2 (ja) | 1999-03-17 |
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ID=18279300
Family Applications (1)
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JP6334609A Expired - Lifetime JP2870435B2 (ja) | 1994-12-20 | 1994-12-20 | 高強度・高靱性の溶接鋼管の製造方法 |
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Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9149888B2 (en) | 2010-04-23 | 2015-10-06 | Primetals Technologies France SAS | Machine for joining the ends of steel strips which machine is suited to the induction heat treatment of joining welds |
-
1994
- 1994-12-20 JP JP6334609A patent/JP2870435B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08174254A (ja) | 1996-07-09 |
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