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JP2860061B2 - 二軸配向熱可塑性樹脂フイルム - Google Patents

二軸配向熱可塑性樹脂フイルム

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JP2860061B2
JP2860061B2 JP6238545A JP23854594A JP2860061B2 JP 2860061 B2 JP2860061 B2 JP 2860061B2 JP 6238545 A JP6238545 A JP 6238545A JP 23854594 A JP23854594 A JP 23854594A JP 2860061 B2 JP2860061 B2 JP 2860061B2
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layer
thermoplastic resin
particles
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彰二 中島
晃一 阿部
巌 岡崎
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TORE KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二軸配向熱可塑性樹脂
フイルムに関し、とくに磁気記録媒体用フイルム等に用
いて最適な、表面特性の改良をはかった積層フイルム構
成の二軸配向熱可塑性樹脂フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】表面特性の改良をはかった二軸配向熱可
塑性樹脂フイルムとして、熱可塑性樹脂であるポリエス
テルにコロイド状シリカに起因する実質的に球形のシリ
カ粒子を含有させたフイルムが知られている(たとえば
特開昭59−171623号公報)。
【0003】このような二軸配向熱可塑性樹脂フイルム
においては、含有されたシリカ粒子により、フイルム表
面に突起を形成し、表面の摩擦係数を下げてハンドリン
グ性、走行性を向上したり、磁気記録媒体用途での磁性
層の接着性の向上、印刷用途でのインクの接着性の向上
等が可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭59−171623号公報開示の二軸配向熱可塑性
樹脂フイルムでは、含有されたシリカ粒子がフイルムの
厚さ方向全域にわたってランダムに分布するため、フイ
ルム表面における含有粒子による突起の密度増大には限
界があり、しかもその突起高さもランダムに相当ばらつ
くことになる。そのため、摩擦係数低減によるフイルム
走行性等の改良、フイルム表面の傷つき防止性能(以下
耐スクラッチ性という)や耐削れ性の向上、磁性層やイ
ンクの接着性の向上効果にも限界があった。
【0005】そこで、まだ出願未公開の段階であるが、
先に本出願人により、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂B
との積層構成の二軸配向熱可塑性樹脂フイルムであっ
て、熱可塑性樹脂Aに特定サイズの粒子を集中させて含
有させることにより、熱可塑性樹脂A側のフイルム表面
特性の改良をはかった二軸配向熱可塑性樹脂フイルムが
提案されている。この提案により、フイルム表面に、効
率よく、高密度でかつ高さの均一な突起を形成できるよ
うになり、走行性、耐スクラッチ性、耐削れ性、磁性層
やインクとの接着性を大幅に高めることが可能となっ
た。
【0006】本発明者らはさらに検討を進めた結果、上
記先に提案した二軸配向熱可塑性樹脂フイルムに、さら
に別の層を積層することにより、用途に応じてフイルム
表面特性を一層向上できることを見出し、本発明の完成
に至った。
【0007】すなわち、本発明は、従来公知のフイルム
に比べ、フイルム表面に望ましい高さの突起を高密度で
かつ均一な高さで形成してフイルムの耐削れ性を向上す
るとともに、該フイルムにさらに別の層を付加すること
により、用途に応じた各種特性、とくに磁気記録媒体用
途における磁性層との接着性、帯電防止性、印刷用途に
おけるインクとの接着性等を一層向上可能な、二軸配向
熱可塑性樹脂フイルムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、次
(1)の二軸配向熱可塑性樹脂フイルムによって達成
される。すなわち、 (1)熱可塑性樹脂Aと粒子とを主成分とするフイルム
Aを熱可塑性樹脂Bを主成分とするフイルムBの少なく
とも片面に積層し、フイルムAの厚さが0.005〜3
μm、フイルムA中に含有される前記粒子の平均粒径が
フイルムAの厚さの0.1〜10倍、該粒子のフイルム
A中の含有量が0.3重量%以上0.5重量%未満であ
る二軸配向熱可塑性樹脂フイルムであって、該フイルム
の少なくとも片面に、(イ)高さ10〜1000Åの不
連続皮膜からなるC層を設けたことを特徴とする二軸配
向熱可塑性樹脂フイルム。
【0009】
【0010】上記C層は、さらに下記(ロ)および
(ハ)の少なくとも一層を有することもできる。 (ロ)結晶化パラメータ△Tcgが80℃以上の低結晶
性樹脂層 (ハ)表面抵抗が1014Ω/□以下の帯電防止性樹脂層
【0011】
【0012】本発明における熱可塑性樹脂Aはポリエス
テル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリフェニレンス
ルフィドなど特に限定されることはないが、特に、ポリ
エステル、中でも、エチレンテレフタレート、エチレン
α、β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,
4’−ジカルボキシレート、エチレン2,6−ナフタレ
ート単位から選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要
構成成分とする場合に、フイルム表面に高密度かつ均一
高さの突起の形成がより一層良好となるので望ましい。
また、本発明を構成する熱可塑性樹脂は結晶性である場
合に熱可塑性樹脂A層表面に目標とする突起を形成しや
すくなるのできわめて望ましい。ここでいう結晶性とは
いわゆる非晶質ではないことを示すものであり、定量的
には結晶化パラメータにおける冷結晶化温度Tccが検
出され、かつ結晶化パラメータ△Tcgが150℃以下
のものである。さらに、示差走査熱量計で測定された融
解熱(融解エンタルピー変化)が7.5cal/g以上
の結晶性を示す場合に熱可塑性樹脂A層表面突起形成性
能に優れるのできわめて望ましい。また、エチレンテレ
フタレートを主要構成成分とするポリエステルの場合に
熱可塑性樹脂A層表面突起形成特性がより一層良好とな
るので特に望ましい。なお、本発明を阻害しない範囲内
で、2種以上の熱可塑性樹脂を混合しても良いし、共重
合ポリマを用いても良い。
【0013】本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子の形状
は、特に限定されないが、フイルム中での粒径比(粒子
の長径/短径)が1.0〜1.3の粒子、特に、球形状
の粒子の場合に、均一高さのフイルム表面突起を形成し
やすいので望ましい。
【0014】また、本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子は
フイルム中での単一粒子指数が0.7以上、好ましくは
0.9以上である場合に均一高さの突起を高密度で形成
しやすいので特に望ましい。
【0015】本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子の種類は
特に限定されないが、上記の好ましい粒子特性を満足さ
せるにはアルミナ珪酸塩、1次粒子が凝集した状態のシ
リカ、内部析出粒子などは好ましくない。好ましい粒子
として、コロイダルシリカに起因する実質的に球形のシ
リカ粒子、架橋高分子による粒子(たとえば架橋ポリス
チレン)などがあるが、特に10重量%減量時温度(窒
素中で熱重量分析装置島津TG−30Mを用いて測定。
昇温速度20℃/分)が380℃以上になるまで架橋度
を高くした架橋高分子粒子の場合にフイルム表面突起形
成特性がより一層良好となるので特に望ましい。なお、
コロイダルシリカに起因する球形シリカの場合にはアル
コキシド法で製造された、ナトリウム含有量が少ない、
実質的に球形のシリカが望ましい。しかしながら、その
他の粒子、例えば炭酸カルシウム、二酸化チタン、アル
ミナ等の粒子でもフイルム厚さと平均粒径の適切なコン
トロールにより十分使いこなせるものである。
【0016】本発明の熱可塑性樹脂Aを主成分とするフ
イルムA層の厚さは0.005〜3μm、好ましくは
0.011μm、さらに好ましくは0.03〜0.5μ
mであることが必要である。フイルム厚さが上記の範囲
より小さいと積層フイルム層としての耐久性が確保
なくなり、逆に大きいと含有粒子との関係から、適切な
高さの表面突起を高密度に形成するのが困難になる。
【0017】上記熱可塑性樹脂AのフイルムA中に含有
される粒子の大きさは、該粒子を含有するフイルムA中
での平均粒径が該フイルムAの厚さの0.1〜10倍、
好ましくは0.5〜5倍、さらに好ましくは1.1〜3
倍の範囲とされる。平均粒径/フイルムA厚さ比が上記
の範囲より小さいと、形成されるフイルム表面突起のバ
ラツキが大きくなって、耐削れ性向上効果が不良とな
り、逆に大きくても突起高さの不均一化、後述のフイル
ム表面の粒子濃度比の低下を招きやすくなって、やは
削れ性向上効果が不良となるので好ましくない。
【0018】また、熱可塑性樹脂A中の粒子のフイルム
A中での平均粒径(直径)が0.005〜3μm、好ま
しくは0.02〜0.45μmの範囲である場合に、フ
イルムAの表面の耐削れ性向上効果がより一層良好とな
るので望ましい。
【0019】そして、このような粒子が、0.3重量%
以上0.5重量%未満熱可塑性樹脂AのフイルムA中に
含有される。これより小さいと、フイルム表面突起形成
密度が低くなりすぎるので磁性面への良好な凹凸転写特
性が得られず、良好な耐削れ性が得られない。
【0020】さらに、上記粒子により形成される、熱可
塑性樹脂AのフイルムA層の表面の突起の平均高さは、
粒子の平均粒径の1/3.5以上であることが好まし
い。このような平均高さの表面突起は、前述の範囲か
ら、フイルムAの厚さに対し含有粒子の平均粒径を適切
に選択、設定することにより、得られる。
【0021】つまり、本発明における熱可塑性樹脂Aの
フイルムA層には、該フイルム厚さ近傍あるいはそれよ
りも大きな平均粒径の粒子が含有される。換言すれば、
極薄積層フイルムに、そのフイルム厚さ近傍あるいはそ
れよりも大きな平均粒径の微小粒子が含有される。した
がって、二軸配向熱可塑性樹脂フイルム全体に対し、そ
の厚さ方向に、実質的に積層フイルム層のみに集中して
粒子を分布させることができる。その結果、積層フイル
ム中における粒子密度を容易に高くすることができ、該
粒子により形成されるフイルムA表面の突起の密度も容
易に高めることができる。また、粒子は、上記フイルム
A中に含有されることで、二軸配向熱可塑性樹脂フイル
ム全体に対し、その厚さ方向に位置規制されることにな
り、しかもフイルムAの厚さと平均粒径とは前述の如き
関係にあるから、該粒子により形成される表面突起の高
さは、極めて均一になる。高密度かつ均一高さの表面突
起形成により、フイルムAの表面の耐削れ性が大幅に高
められる。
【0022】上記熱可塑性樹脂Aと粒子とを主成分とす
るフイルムAが熱可塑性樹脂Bを主成分とするフイルム
Bに積層される。
【0023】熱可塑性樹脂Bは、前述の熱可塑性樹脂A
と同様のものからなり、熱可塑性樹脂Bと熱可塑性樹脂
Aとは同じ種類のものでも異なるものでもよい。熱可塑
性樹脂AのフイルムA層は、熱可塑性樹脂Bからなるフ
イルムB層の両面、又は片面に積層される。つまり、積
層構成がA/B/A、A/Bの場合である。(ここで、
A、Bそれぞれの熱可塑性樹脂の種類は同種でも、異種
でもよい。ただし、少なくとも片方の表面はA層である
ことが必要である。)
【0024】熱可塑性樹脂Bとしても、結晶性ポリマが
望ましく、特に、結晶性パラメータ△Tcgが20〜1
00℃の範囲の場合に、たとえば磁気記録媒体としての
ベースフイルム全体の耐久性がより一層良好となるので
望ましい。具体例として、ポリエステル、ポリアミド、
ポリフェニレンスルフィド、ポリオレフィンが挙げられ
るが、ポリエステルの場合にフイルム全体としての耐久
性がより一層良好となるので特に望ましい。また、ポリ
エステルとしては、エチレンテレフタレート、エチレン
α、β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,
4’−ジカルボキシレート、エチレン2,6−ナフタレ
ート単位から選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要
構成成分とするものが、磁気記録媒体用フイルムとして
は好ましい。ただし、本発明を阻害しない範囲内、望ま
しい結晶性を損なわない範囲内で、好ましくは5モル%
以内であれば他成分が共重合されていてもよい。
【0025】また、本発明の熱可塑性樹脂Bにも、本発
明の目的を阻害しない範囲内で、他種ポリマをブレンド
してもよいし、また酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外
線吸収剤などの有機添加剤が通常添加される程度添加さ
れていてもよい。
【0026】熱可塑性樹脂Bを主成分とするフイルムB
中には粒子を含有している必要は特にないが、このフイ
ルムBがフイルム全体の表面の一面を形成する場合、平
均粒径が0.007〜2μm、特に0.02〜0.45
μmの粒子が0.001〜0.2重量%、特に0.00
5〜0.15重量%、さらには0.005〜0.12重
量%含有されていると、たとえば磁気記録媒体用ベース
フイルム用途において、摩擦係数や耐スクラッチ性が良
好となるのみならず、フイルムの巻姿が良好となるので
きわめて望ましい。含有する粒子の種類は熱可塑性樹脂
Aに望ましく用いられるものを使用することが望まし
い。熱可塑性樹脂AとBに含有される粒子の種類、大き
さは同じでも異なっていても良い。
【0027】上述の如き粒子を含有する熱可塑性樹脂A
と、熱可塑性樹脂Bとが共押出により積層され、シート
状に成形された後二軸に延伸され、二軸配向熱可塑性樹
脂フイルムとされる。本発明における共押出による積層
とは、粒子を含有する熱可塑性樹脂Aと、熱可塑性樹脂
Bとをそれぞれ異なる押出装置で押出し、口金から積層
シートを吐出する前にこれらを積層することをいう。こ
の積層は、シート状に成形、吐出するための口金内(た
とえばマニホルド)で行ってもよいが、前述の如くフイ
ルムA層が極薄であることから、口金に導入する前のポ
リマ管内で行うことが好ましい。とくに、ポリマ管内の
積層部を、矩形に形成しておくと、幅方向に均一に積層
できるので特に好ましい。ポリマ管内矩形積層部で積層
された溶融ポリマは、口金内マニホルドでシート幅方向
に所定幅まで拡幅され、口金からシート状に吐出された
後、二軸に延伸される。したがって、たとえ二軸配向後
のフイルムA層が極薄であっても、ポリマ管内矩形積層
部では、粒子含有熱可塑性樹脂ポリマを、かなりの厚さ
で積層することになるので、容易にかつ精度よく積層で
きる。
【0028】また、上記熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂
Bとからなる二軸配向熱可塑性樹脂フイルムにおいて
は、粒子を含むフイルムA側の表層の粒子による粒子濃
度比が0.1以下であることが好ましい。この表層粒子
濃度比は、後述の測定法に示す如く、フイルム表面突起
を形成する粒子がフイルムAの表面において如何に熱可
塑性樹脂Aの薄膜で覆われているかを示すものであり、
粒子がフイルム表面に実質的に直接露出している度合が
高い程表層粒子濃度比が高く、表面突起は形成するが熱
可塑性樹脂Aの薄膜に覆われている度合が高い程表層粒
子濃度比は低い。突起を形成する粒子が熱可塑性樹脂A
の薄膜で覆われていることにより、粒子が高密度に極薄
フイルムA層に分布している状態にあっても、該粒子が
該フイルムA層、ひいては熱可塑性樹脂Bのベースフイ
ルム層にしっかりと保持されることになる。したがっ
て、表層粒子濃度比を上記値以下とすることにより、粒
子の脱落等が防止されて、フイルムAの表面の耐久性が
高く維持される。このような表層粒子濃度比は、共押出
による積層を行うことによって達成可能となる。ちなみ
に、コ―ティング方法によっても、本発明と類似のフイ
ルム、すなわち、ベースフイルム層に対し極薄厚さで樹
脂層をコーティングし、該樹脂層内に粒子を含有させる
ことは可能であるが、表層粒子濃度比が著しく高くなり
(つまり粒子が実質的に表面に直接露出する度合が著し
く高くなり)、本発明フイルムに比べ表面の極めて脆い
ものしか得られない。
【0029】そして、上記のような、熱可塑性樹脂Aの
フイルムA層と熱可塑性樹脂BのフイルムB層との積層
構成のフイルムに、前述の如きC層が積層されて本発明
の積層構成の二軸配向熱可塑性樹脂フイルムが完成す
る。
【0030】積層構成としては、A/B/C、A/B/
A/C、C/A/B/A/Cのいずれでもよいが中でも
特に、A/B/Cが好ましい。本発明フイルムを磁気記
録媒体として用いるときには、磁性層(M)の積層構成
は次のようにすることが好ましい。
【0031】つまり、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂B
との積層構成フイルムにC層として高さ10〜1000
Åの不連続皮膜を積層する場合には、MはC層側に、C
層として結晶化パラメータ△Tcgが80℃以上の低結
晶性樹脂層を積層する場合には、MはC層側に、C層と
して表面抵抗が1014Ω/□以下の帯電防止性樹脂層を
積層する場合には、MはA又はC層側に、C層として上
記低結晶性樹脂層および帯電防止性樹脂層を積層する場
合には、MはC層側に、C層がカーボンブラックおよび
/又は導電性粒子を5〜80重量%含有する場合には、
MはA又はC層側に、C層が実質的に粒子を含有しない
場合又はC層が隣接するA層又はB層に含有される粒子
の平均粒径より小さい平均粒径の粒子を含有する場合に
は、MはA層側に設けることが好ましい。
【0032】上記C層の積層は、二軸配向熱可塑性樹脂
フイルム製造工程における、各工程で可能であるが、C
層が極薄層であることから、C層積層後C層又はフイル
ム全体として成形固定されるまでに、C層表面にロール
等が接触しないようにするのが好ましい。したがって、
たとえば、長手方向延伸、つづいて幅方向延伸を行う逐
次二軸延伸における幅方向延伸前あるいは軸方向延伸
後、あるいは同時二軸延伸における延伸前等においてC
層を積層することが好ましい。積層は、フイルム連続製
造工程中でコーティングする、いわゆるインラインコー
ティング等が工業的には好ましいが、オフラインで専用
の別工程にて行ってもよい。
【0033】上記の如く積層されるC層は、目的、フイ
ルムの用途に応じていろいろな態様をとることができ
る。
【0034】まず、C層として、高さ10〜1000Å
の不連続皮膜が積層される。不連続皮膜は、たとえば水
溶性高分子およびシランカップリング剤を主体とする組
成物からなり、たとえばインラインコーティングによっ
て積層される。このようなC層の積層は、とくに金属薄
膜型磁気記録媒体用に好適であり、C層は極めて薄いか
ら、A層側に積層しても熱可塑性樹脂A層含有の粒子に
より形成される高密度かつ均一高さの表面突起による効
果が実質的にそのまま維持され、加えてC層積層の効果
により、C層表面における、耐久性(この上に磁性層を
設けた場合の磁性層表面の耐久性も含む)、磁気記録媒
体としたときのS/Nが大きく向上される。上記不連続
皮膜の高さが10〜1000Åの範囲を外れると、表1
に示すように、磁性層表面の耐久性、S/Nをともに満
足させることが困難となるが、上記範囲内とすることに
より、両特性を満足することができる。
【0035】
【表1】
【0036】ちなみに、粒子を特定条件にて含有する熱
可塑性樹脂Aの層がない場合、つまり従来公知のフイル
ムにあっては、たとえ上記のようなC層を設けたとして
も、耐久性、S/Nともに満足できる性能を得るのは困
難である。
【0037】次に、C層として、結晶化パラメータ△T
cgが80℃以上の低結晶性樹脂を積層する場合には、
このC層と、磁気記録媒体用途における磁性層との接着
性、印刷用途におけるインクとの接着性が大幅に向上さ
れる。好ましい低結晶性樹脂としては、シクロヘキサン
ジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート、イソ
フタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート等が挙げら
れる。望ましい共重合比率は0.1〜40モル%であ
る。また、本発明における基体フイルムのうちC層を構
成する共重合ポリエステルの金属スルホネートを有する
場合、その芳香族ジカルボン酸としては、5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタ
ル酸、4−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリ
ウムスルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸、及びこ
れらの金属を他の金属、例えばカリウム、リチウムなど
で置換した化合物を挙げることができる。特に5−ナト
リウムスルホイソフタル酸が好ましい。
【0038】この場合のC層の厚みとしては特に限定さ
れないが0.01μm以上が望ましい。
【0039】また、C層として、表面抵抗が1014Ω/
□以下の帯電防止性樹脂層を積層する場合には、熱可塑
性樹脂A層含有粒子により形成された高密度かつ均一高
さの表面突起によって、低摩擦係数、したがって、優れ
た走行性やハンドリング性が得られつつ、走行時等の帯
電が良好に抑制され、フイルムの極めて良好な走行安定
性が得られる。このような帯電防止性樹脂として、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ソーダ等を用いることができ
る。さらにC層中に、カーボンブラックおよび/又は導
電性粒子を含有させると、さらに積極的に帯電防止をは
かることができ、一層走行安定性を向上できる。導電性
粒子としては、例えば、酸化スズ、酸化インジウム、亜
鉛粒子、スズ粒子が挙げられる。走行安定性が向上され
る結果、たとえば磁気テープとしたときにテープ走行が
安定するため、再生画像の揺れが防止される。
【0040】上記低結晶性樹脂層と帯電防止性樹脂層と
は、ともにC層として積層されてもよい。積層順は特に
限定されず、接着性がより求められる場合には低結晶性
樹脂層を表層側に、帯電防止性がより求められる場合に
は帯電防止性樹脂を表層側とすればよい。このように同
時積層したフイルムにおいては、上記接着性、帯電防止
性両方を向上可能であることは勿論、さらに磁気記録媒
体用途におけるドロップアウトも良好になる。
【0041】さらにまた本発明においては、C層を実質
的に粒子を含有しない層とすることもできる。隣接する
熱可塑性樹脂Aの層には、前述の如く粒子が集中させて
介在されており、それによって高密度かつ均一高さの表
面突起が形成されるが、この上から極薄C層によってカ
バーすることにより、前述の表層粒子濃度比を確実に一
段と低く保つことができる。その結果、このフイルム表
面の耐削れ性が一層向上されることになる。
【0042】この場合のC層の厚みとしては、特に限定
されないが5μm以下が望ましい。
【0043】さらにまた、C層に粒子を含有させる場合
には、該粒子の平均粒径は、隣接する熱可塑性樹脂A層
又は熱可塑性樹脂B層含有の粒子の平均粒径より小さい
ことが好ましい。このようにすることにより、熱可塑性
樹脂A層又は熱可塑性樹脂B層によって形成された表面
突起が、基本的に、極薄のC層に含有された粒子によっ
て阻害されることがなくなり、むしろ、たとえばA層含
有の粒子により形成された表面突起の形状線中に、それ
よりも小さいC層含有粒子による突起が乗る状態にな
り、一層摩擦係数の低減をはかることが可能となる。し
たがって、耐削れ性がより一層向上される。
【0044】次に本発明フイルムの製造方法について説
明する。まず、熱可塑性樹脂Aに粒子を含有せしめる方
法としては、重合後、重合中、重合前のいずれでも良い
が、ポリマにベント方式の2軸押出機を用いて練り込む
方法が本発明範囲の表面形態のフイルムを得るのに有効
である。また、粒子の含有量を調節する方法としては、
上記方法で高濃度マスターを作っておき、それを製膜時
に粒子を実質的に含有しない熱可塑性樹脂で希釈して粒
子の含有量を調節する方法が本発明範囲の表面形態のフ
イルムを得るのに有効である。さらにこの粒子高濃度マ
スターポリマの溶融粘度、共重合成分などを調節して、
その結晶化パラメータ△Tcgを30〜80℃の範囲に
しておく方法は延伸破れなく、本発明範囲の表面形態の
フイルムを得るのに有効である。
【0045】かくして、粒子を含有するペレットAを十
分乾燥したのち、公知の溶融押出機に供給し、熱可塑性
樹脂の融点以上分解点以下の温度で溶融し、熱可塑性樹
脂A、B及びC層を共押出で用いる場合はそれらを積層
用装置に供給し、スリット状のダイからシート状の押出
し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸
フイルムを作る。すなわち、2または3台の押出機、2
または3層用の合流ブロックあるいは口金を用いて、こ
れらの熱可塑性樹脂を積層する。合流ブロック方式を用
いる場合は積層部分を矩形のものとし、両者の熱可塑性
樹脂の溶融粘度の差(絶対値)を0〜2000ポイズ、
好ましくは0〜1000ポイズの範囲にしておくことが
本発明範囲の表面形態のフイルムを安定して、幅方向の
斑なく、工業的に製造するのに有効である。
【0046】次にこの多層の未延伸フイルムを二軸延伸
し、二軸配向せしめる。二軸延伸の方法は同時二軸延
伸、逐次二軸延伸法のいずれでもよいが、長手方向、幅
方向の順に延伸する逐次二軸延伸法の場合に本発明範囲
の表面形態のフイルムを安定して、幅方向の斑なく、工
業的に製造するのに有効である。逐次二軸延伸の場合、
長手方向の延伸を、3段階、特に4段階以上に分けて、
40〜180℃の範囲で、かつ、1000〜50000
%/分の延伸速度で、3〜6倍行なう方法は本発明範囲
の表面形態を有するフイルムを得るのに有効である。幅
方向の延伸温度、速度は、80〜180℃、1000〜
20000%/分の範囲が好適である。延伸倍率は3〜
10倍が好適である。また必要に応じてさらに長手方
向、幅方向の少なくとも一方向に再延伸することもでき
る。また必要に応じて粒子を含有するきわめて薄い層を
設けてから、面積延伸倍率(長手方向倍率×幅方向倍
率)として9倍以上の延伸を行なう方法を用いることも
できる。次にこの延伸フイルムを熱処理する。この場合
の熱処理条件としては、幅方向に弛緩、微延伸、定長下
のいずれかの状態で、140〜280℃、好ましくは1
60〜260℃の範囲で0.5〜60秒間が好適である
が、熱処理にマイクロ波加熱を併用すると、本発明範囲
の表面形態を有するフイルムが得られやすくなるので望
ましい。
【0047】そして、本発明におけるC層の積層時期
は、上記フイルム製造過程において、理論的に、ダイあ
るいは合流ブロック(たとえば三層複合ブロック)内、
ダイからシート状に吐出した後長手方向延伸前、幅方向
延伸前、幅方向延伸後、さらにはフイルム製膜後オフラ
インにてコーティングあるいは溶融積層のいずれでも可
能であるが、C層が極薄である場合には、上記幅方向延
伸前あるいは後のいずれかで積層し、積層後C層が固定
されるまでは、ロール等に接触しないようにすることが
好ましい。
【0048】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は
次の通りである。 (1)粒子の平均粒径 フイルムから熱可塑性樹脂をプラズマ低温灰化処理法
(たとえばヤマト科学製PR−503型)で除去し粒子
を露出させる。処理条件は熱可塑性樹脂は灰化されるが
粒子はダメージを受けない条件を選択する。これをSE
M(走査型電子顕微鏡)で観察し、粒子の画像(粒子に
よってできる光の濃淡)をイメージアナライザー(たと
えばケンブリッジインストルメント製QTM900)に
結び付け、観察箇所を変えて粒子数5000個以上で次
の数値処理を行ない、それによって求めた数平均径Dを
平均粒径とする。 D=ΣDi /N ここで、Di は粒子の円相当径、Nは個数である。
【0049】(2)粒子の含有量 熱可塑性樹脂は溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択
し、粒子を熱可塑性樹脂から遠心分離し、粒子の全体重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
場合によっては赤外分光法の併用も有効である。
【0050】(3)ガラス転移点Tg、冷結晶化温度T
cc、結晶化パラメータ△Tcg、融点 パーキシエルマー社製のDSC(示差走査熱量計)II
型を用いて測定した。DSCの測定条件は次の通りであ
る。すなわち、試料10mgをDSC装置にセットし、
300℃の温度で5分間溶融した後、液体窒素中に急冷
する。この急冷試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移
点Tgを検知する。さらに昇温を続け、ガラス状態から
の結晶化発熱ピーク温度をもって冷結晶化温度Tccと
した。さらに昇温を続け、融解ピーク温度を融点とし
た。また、TccとTgの差(Tcc−Tg)を結晶化
パラメータ△Tcgと定義する。
【0051】(4)表面突起の平均高さ 2検出器方式の走査型電子顕微鏡[ESM−3200、
エリオニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、
エリオニクス(株)製]においてフイルム表面の平坦面
の高さを0として走査したときの突起の高さ測定値を画
像処理装置[IBAS2000、カールツァイス(株)
製]に送り、画像処理装置上にフイルム表面突起画像を
再構築する。次に、この表面突起画像で突起部分を2値
化して得られた個々の突起の面積から円相当径を求めこ
れをその突起の平均径とする。また、この2値化された
個々の突起部分の中で最も高い値をその突起の高さと
し、これを個々の突起について求める。この測定を場所
をかえて500回繰返し、突起個数を求め、測定された
全突起についてその高さの平均値を平均高さとした。ま
た走査型電子顕微鏡の倍率は、1000〜8000倍の
間の値を選択する。なお、場合によっては、高精度光干
渉式3次元表面解析装置(WYKO社製TOPO−3
D、対物レンズ:40〜200倍、高解像度カメラ使用
が有効)を用いて得られる高さ情報を上記SEMの値に
読み替えて用いてもよい。
【0052】(5)表層粒子濃度比 2次イオンマススペクトル(SIMS)を用いて、フイ
ルム中の粒子に起因する元素の内のもっとも高濃度の元
素と熱可塑性樹脂の炭素元素の濃度比を粒子濃度とし、
厚さ方向の分析を行なう。SIMSによって測定される
最表層粒子濃度(深さ0の点)における粒子濃度Aとさ
らに深さ方向の分析を続けて得られる最高濃度Bの比、
A/Bを表層粒子濃度比と定義した。測定装置、条件は
下記のとおりである。 測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 西独、ATOMIKA社製 A−DIDA3000 測定条件 1次イオン種 :O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流 :200nA ラスター領域 :400μm□ 分析領域 :ゲート30% 測定真空度 :6.0×109 Torr E−GUN :0.5KV−3.0A
【0053】(6)単一粒子指数 フイルムの断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で写真観
察し、粒子を検知する。観察倍率を100,000倍程
度にすれば、それ以上分けることができない1個の粒子
が観察できる。粒子の占める全面積をA、その内2個以
上の粒子が凝集している凝集体の占める面積をBとした
時、(A−B)/Aをもって、単一粒子指数とする。T
EM条件は下記のとおりであり1視野面積:2μm2
測定を場所を変えて、500視野測定する。 ・装置 :日本電子製JEM−1200EX ・観察倍率:100,000倍 ・切片厚さ:約1000オングストローム
【0054】(7)粒径比 上記(1)の測定において個々の粒子の長径の平均値/
短径の平均値の比である。すなわち、下式で求められ
る。 長径=ΣD1i /N 短径=ΣD2i /N D1i 、D2i はそれぞれ個々の粒子の長径(最大
径)、短径(最短径)、Nは総個数である。
【0055】(8)積層されたフイルム中の熱可塑性樹
脂A層の厚さ 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、フイル
ム中の粒子の内最も高濃度の粒子に起因する元素と熱可
塑性樹脂の炭素元素の濃度比(M+ /C+ )を粒子濃度
とし、熱可塑性樹脂A層の表面から深さ(厚さ)方向の
分析を行なう。表層では表面という界面のために粒子濃
度は低く表面から遠ざかるにつれて粒子濃度は高くな
る。本発明フイルムの場合は深さ[I]でいったん極大
値となった粒子濃度がまた減少し始める。この濃度分布
曲線をもとに極大値の粒子濃度の1/2になる深さ[I
I](ここでII>I)を積層厚さとした。条件は測定
法(5)と同様である。なお、フイルム中にもっとも多
く含有する粒子が有機高分子粒子の場合はSIMSでは
測定が難しいので、表面からエッチングしながらXPS
(X線光電子分光法)、IR(赤外分光法)あるいはコ
ンフォーカル顕微鏡などで、その粒子濃度のデプスプロ
ファイルを測定し、上記同様の手法から積層厚さを求め
ても良い。さらに、上述した粒子濃度のデプスプロファ
イルからではなく、フイルムの断面観察あるいは薄膜段
差測定機等によって熱可塑性樹脂Aの積層厚さを求めて
も良い。
【0056】(9)不連続皮膜の高さ 小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用い
て、カットオフ値0.08mm、縦倍率50万倍で測定
して得られる表面粗さ曲線において、山の平均高さと谷
の平均的深さとの間隔を皮膜の高さとした。
【0057】(10)フイルムの表面抵抗 厚手のゴムシートの上に、測定されるフイルムを測定面
を上にして置き、この上に、正方形の対向する2辺をな
すように該正方形の1辺の長さを持ち、長さの1/10
の幅を持つ、底面が平滑に研磨された2つの長方形のし
んちゅう性の電極を置き、電極の上から0.2kg/c
2 の圧力を加えつつ両電極間の電気抵抗を測定する。
この時、電極の大きさは測定されるフイルムの大きさに
よって適宜選ばれる。このときの単位は、Ω/□で表わ
す。
【0058】
【0059】(11)耐削れ性 フイルムを幅1/2インチにテープ状にスリットしたも
のに片刃を垂直に押しあて、さらに0.5mm押し込ん
だ状態で20cm走行させる(走行張力:500g、走
行速度:6.7cm/秒)。この時片刃の先に付着した
フイルム表面の削れ物の高さを顕微鏡で読みとり、削れ
量とした(単位はμm)。少なくとも片面について、粉
の削れ量が10μm以下の場合は耐削れ性:良好、10
μmを越える場合は耐削れ性:不良と判定した。この削
れ量:10μmという値は、印刷工程やカレンダー工程
などの加工工程で、フイルム表面が削れることによっ
て、工程上、製品性能上のトラブルがおこるか否かを判
定するための臨界点である。
【0060】(12)クロマS/N比(C−S/N) 家庭用VHS方式VTRとシバソク925C型カラービ
デオノイズメーターを使用して測定した。なお、標準
は、各実験水準の中で最もC−S/Nの低いものを0d
Bとして、相対的に表示する。
【0061】(13)磁性面の耐久性 磁気テープを家庭用VTRに1000回パス後S/Nの
低下を測定し、使用上の耐久性を評価した。S/N低下
が1dB未満を耐久性良好とした。
【0062】(14)磁性層との接着性 磁性塗膜に市販のポリエステル粘着テープ(19mm
幅)を30mm長さに貼りつけ、一気に引き剥す。日本
精密光学製ヘイズメータSEP−H−2型で塗膜引き剥
し部分の全光線透過率を測定し(JIS−K−710
5) 、次式により塗膜残量を求め接着性を判定した。 磁性塗膜剥離の残量 D=(T0 −T1 )/T0 ×100(%) ここで、T0 :磁性塗料塗布前(原反)の全光線透過率(%) T1 :磁性塗膜引き剥し部分の全光線透過率(%) Dの値 判定 20%未満 × 接着不良で本発明の目的に達しない 20以上40%未満 △ 接着不良で本発明の目的に達しない 40以上60%未満 ○ 接着性良好で本発明の目的範囲 60%以上 ◎ 接着性特に良好で本発明の目的範囲
【0063】(15)インクの接着性 フイルムにセロファン用インキ(東洋インキ(株)製
“CC−ST”白)を、メタリングバーを用いて、固形
分で約3g/m2 になるように塗布し、60℃・1分間
熱風乾燥し、印刷面にニチバン株式会社製市販セロファ
ン粘着テープを貼りあわせて90°剥離したあとのイン
キ残存面積で評価した。評価判定の基準はつぎのとお
り。 ○、△ならば、実用接着性として十分である。
【0064】(16)帯電防止性 フイルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行試験機SFT−700型((株)横浜シ
ステム研究所製)を使用してガイドピン(表面粗度:
0.2S)上を走行させ(走行速度3.3cm/秒、往
復走行回数100パス、巻き付け角180°)、初期の
摩擦係数μk0 と往復100回走行させた時の、その間
での最大摩擦係数μkmax を下記の式より求めた。 μk=0.733 log(T2 /T1 ) ここでT1 は入側張力、T2 は出側張力である。摩擦帯
電による摩擦係数の上昇μkmax −μk0 を求めた。μ
kmax −μk0 が0.02以下の場合は帯電防止性:良
好、0.02を越える場合は帯電防止性:不良と判定し
た。このμkmax −μk0 :0.02という値は、たと
えば磁気テープとしたときに、帯電による摩擦係数の上
昇がなく良好なテープ走行安定性が得られるか否かの判
定するための値である。
【0065】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例1、比較例1〜5 平均粒径の異なるコロイダルシリカに起因する球状シリ
カ粒子を含有するエチレングリコールスラリーを調製
し、このエチレングリコールスラリーを190℃で1.
5時間熱処理した後、テレフタル酸ジメチルとエステル
交換反応後、重縮合し、該粒子を0.3〜55重量%含
有するポリエチレンテレフタレート(以下PETと略記
する)のペレットを作った。このペレットを用いて熱可
塑性樹脂Aを調製し、また、常法によって、0.03μ
m径の球状シリカ粒子を0.3重量%含有するPETを
製造し、熱可塑性樹脂Bとした。
【0066】これらのポリマをそれぞれ180℃で3時
間減圧乾燥(3Torr)した。熱可塑性樹脂Aを押出
機1に供給し285℃で溶融し、さらに、熱可塑性樹脂
Bを押出機2に供給、280℃で溶融し、これらのポリ
マを矩形積層部を備えた合流ブロックで合流積層し、静
電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティ
ング・ドラムに巻きつけて冷却固化し、両面に熱可塑性
樹脂A層を有する3層構造の未延伸フイルムを作った。
この時、それぞれの押出機の吐出量を調節し総厚さ、熱
可塑性樹脂A層の厚さを調節した。この未延伸フイルム
を温度80℃にて長手方向に4.5倍延伸した。この延
伸は2組ずつのロールの周速差で、4段階で行なった。
この一軸延伸フイルムに、それぞれ、表2に示すC層の
構成となるようインラインでコーティングし、そのコー
ティング一軸延伸フイルムをステンタを用いて延伸速度
2000%/分で100℃で幅方向に4.0倍延伸し、
長手方向に2kg/mの張力下で、200℃にて5秒間
熱処理し、総厚さ15μm、熱可塑性樹脂A層厚さ0.
03〜4μmの二軸配向積層フイルムを得た。これらの
フイルムの本発明のパラメータは表2に示したとおりで
ある。
【0067】
【表2】
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の二軸配向
熱可塑性樹脂フイルムによるときは、熱可塑性樹脂A、
熱可塑性樹脂Bからなる積層フイルムの熱可塑性樹脂A
層内含有の粒子によりフイルムAの表面に高密度かつ高
さの均一な突起を形成し、さらに該積層フイルムにC層
を積層して用途に応じた表面特性をさらに向上するよう
にしたので、磁気記録媒体用途における、磁性層との接
着性、磁性面の耐久性、S/N、各種用途での帯電防止
性、印刷用途におけるインクの接着性等を大幅に向上す
ることができる。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂Aと粒子とを主成分とする
    フイルムAを熱可塑性樹脂Bを主成分とするフイルムB
    の少なくとも片面に積層し、フイルムAの厚さが0.0
    05〜3μm、フイルムA中に含有される前記粒子の平
    均粒径がフイルムAの厚さの0.1〜10倍、該粒子の
    フイルムA中の含有量が0.3重量%以上0.5重量%
    未満である二軸配向熱可塑性樹脂フイルムであって、該
    フイルムの少なくとも片面に、(イ)高さ10〜100
    0Åの不連続皮膜からなるC層を設けたことを特徴とす
    る二軸配向熱可塑性樹脂フイルム。
  2. 【請求項2】 前記C層がさらに下記(ロ)および
    (ハ)の少なくとも一層を有する請求項1記載の二軸配
    向熱可塑性樹脂フイルム。 (ロ)結晶化パラメータ△Tcgが80℃以上の低結晶
    性樹脂層 (ハ)表面抵抗が1014Ω/□以下の帯電防止性樹脂層
  3. 【請求項3】 前記C層が(ハ)表面抵抗が1014Ω/
    □以下の帯電防止性樹脂層を含み、該帯電防止性樹脂層
    がカーボンブラックおよび/又は他の導電性粒子を5〜
    80重量%含有する請求項記載の二軸配向熱可塑性樹
    脂フイルム。
  4. 【請求項4】 前記C層が実質的に粒子を含有していな
    い請求項1記載の二軸配向熱可塑性樹脂フイルム。
  5. 【請求項5】 前記C層が、該C層に隣接するフイルム
    A層又はフイルムB層に含有される粒子の平均粒径より
    も小さい平均粒径の粒子を含有している請求項1記載の
    二軸配向熱可塑性樹脂フイルム。
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