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JP2854070B2 - 車輌内装用パイル布帛 - Google Patents

車輌内装用パイル布帛

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JP2854070B2
JP2854070B2 JP2024059A JP2405990A JP2854070B2 JP 2854070 B2 JP2854070 B2 JP 2854070B2 JP 2024059 A JP2024059 A JP 2024059A JP 2405990 A JP2405990 A JP 2405990A JP 2854070 B2 JP2854070 B2 JP 2854070B2
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JP
Japan
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pile
yarn
polyester
hair
fabric
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JP2024059A
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JPH03234844A (ja
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重信 小林
新次 大脇
健 松井
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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  • Artificial Filaments (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)
  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、車輌内装材として用いられるポリエステル
パイル布帛に関するものである。
[従来の技術] 車輌内装材は、レザー調の素材、織編物あるいは起毛
地やモケット地などのパイル布帛と様々な形態の布帛が
用いられており、近年特に高級化を望む声がつよい。中
でも、車輌内装材として多く使われているパイル布帛
は、表面に立毛を有しているので高級素材として広く受
け入れられているが、より高級化・豪華さを求めるニー
ズが高まっている。
車輌内装用に用いられるパイル布帛は、トリコットの
起毛によるもの、パイル編地の剪毛によるもの、ダブル
ラッセル編みやモケット織によるパイル布等があるが、
これらの多くにはナイロンとがポリエステルといった合
成繊維が用いられている。とりわけ、車輌内装材には、
高い耐光堅牢性が用応急されるので、ポリエステル繊維
の応用が増えつつある。
使用素材の豊富さや取扱性の点でポリエステルに代表
される合成繊維は、ウールなどの天然繊維に比較して、
圧倒的に優位な特徴を持っているが、反面、一見単調に
見えるとかプラスティックライクであるという言葉で表
現されるように、天然繊維のパイル布帛の代表であるウ
ールのパイル布帛の外観と比較すると見た目の豪華さと
いう点では見劣りがすると言われている。特に、見る方
向や角度によって白っぽく見えるいわゆる白ボケ現象
は、合成繊維を用いたパイル布帛の豪華かさを損う大き
な欠点であるし、また特にポリエステル繊維をパイル糸
に用いたパイル布帛では、シートベルトの金具などの跡
が残り、凹部状の毛倒れ現象となる現象も品位面での問
題として大きくクローズアップされ始めた。
ここでいう白ボケ現象は、パイル布帛のパイル糸が方
向性を持っておれば、その程度が大きい程強く現れ易
い。即ち、パイル糸の立毛角度が見る人の側に傾いてお
れば見ている人には濃く見えるが、反対にパイル糸の立
毛方向が見る人の側に傾いていなければ、見ている人に
は本来のパイルの持っている色相よりもかなり淡く、色
によってはむしろ白っちゃけた色に見えることもある。
この白ボケ現象を改良する試みは最近多く提案されて
いる。例えば、特開昭62−268855号公報あるいは特開昭
63−105143号公報はパイル糸として用いられるポリエス
テル繊維が芯鞘型構造で、鞘成分は芯成分より濃染され
るよう設計されたものである。しかしながら、これらの
手段は車輌内装材に要求される例えば耐光堅牢性などの
重要な性能を犠牲にせざるを得ない等の欠点を有してい
る。
一方、ポリエステル繊維を染色した際の色の深みや鮮
明性を改良するために、平均の一時粒子径が100mμ未満
の微粒子を含有せしめたポリエステル繊維をアルカリ減
量処理して、繊維表面に可視光線の波長域またはそれ以
上のオーダーの微細な凹凸を多数形成せしめる方法が知
られている(例えば、特開昭55−107512号公報、特開昭
57−139118号公報)。これらの方法を立毛布帛に適用す
ることにより、得られたパイル布帛をある方向から見た
ときの色の深みは向上し、顕著な効果が奏される。しか
しながら、かかる方法によっても、上記の白ボケ現象は
解消できていない。
また、シートベルトの金具などの跡が残るいわゆる毛
倒れ現象については、改良の試みはあまりなされていな
い。
[発明の目的] 本発明の目的は、白ボケ現象と共に毛倒れ現象の改良
にあり、従来のポリエステル繊維を用いたパイル布帛の
問題であった品位を改善し、より高級感のあるパイル布
帛を提供することにある。
[発明の構成] ここに本発明は、 1) パイル糸全体が、単糸繊度2デニール以上のポリ
エステル異形断面糸からなり、かつ該パイル糸の立毛角
度が50゜以上である車両内装用パイル布帛において、該
パイル糸が、単一組成のポリエステルからなり、2ケの
凹部と4ケ以上の凸部とからなる繊維断面を有する異形
断面糸であることを特徴とする車輌内装用パイル布帛。
である。
ここに、ポリエステル繊維とは、例えばテレフタル酸
を主たる酸成分とし、少なくとも1種のグリコール、好
ましくは、エチレングリコール,トリメチレングリコー
ル,テトラメチレングリコールから選ばれた少なくとも
1種のアルキレングリコールを主たるグリコール成分と
するポリエステルである。ポリエステル繊維はフィラメ
ントでも紡績糸でも良い。また、必要に応じて安定剤,
酸化防止剤,難燃剤,帯電防止剤,蛍光増白剤,触媒,
着色防止剤,耐熱剤,着色剤,無機粒子等を併用しても
よい。
ここでいうパイル布帛とは、モケット,ベルベット及
び別珍等のパイル織物,トリコットの起毛地,ダブルラ
ッセル,パイルを有するまたはパイルを剪毛した編物等
のパイル編物をいう。
本発明でいう2ケの凹部と4ケ以上の凸部を有する異
形断面糸とは、凸部が4ケ以上あり、かつ隣り合う凸部
の頂点を結んだときに生じる凹部が2ケある異形断面糸
をいう。
具体的な断面形状の例を第2図に示す。
これらの異形断面形状を持つパイル糸は白ボケ/毛倒
れの改良に効果があるのは凹凸のある断面形状によって
パイル糸の曲げ剛性が高くなり、パイル糸の立毛角度を
高く保つので、見る方向によるパイル表面の色相がパイ
ル糸の方向によって大きく変るという白ボケ現象が少な
くなることと、パイル糸がパイル表面に受ける力による
変形が起こり難くなるためである。
パイル糸の繊維断面の凹部は2ケであることが必要で
ある。3ケ以上の凹部をもつ異形断面糸は曲げ剛性がよ
り高くなるので毛倒れを防止する効果は高いが、曲げ剛
性が高くなりすぎるためにパイル表面のタッチが粗硬に
なり、車輌内装用としては風合面で問題が生じてぐる。
このような問題をより少なくするためには、繊度をより
小さくする試みもあるが、繊度を小さくして繊維断面の
凹凸を多く形成させると車輌内装用として使用を繰り返
したとき形態変形の問題も起こるので必ずしも好ましい
とはいえない。
一方、パイル布帛のパイルの平均立毛角度は50゜以上
であることが必要である。平均立毛角度が50゜未満だ
と、より毛倒れしやすくなるので好ましくない。
更に、白ボケ現象及び毛倒れ現象をより改良するため
には、ポリエステル繊維中の艶消剤量を0.1〜2.0重量%
とするのが極めて有効である。
[実施例] 以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。
尚、実施に当っては、それぞれの特性は次の方法で評
価した。
i.毛倒れ特性 i−1.毛倒れ処理 パイル布帛の上に真鍮製の重り(8cmφ,2000gr)を置
き、80℃に調整した熱風乾燥機中に入れて、2時間放置
した。2時間後に、熱風乾燥機より試料を取り出し重り
を除いた。
i−2.毛倒れ性の評価 (株)村上色彩技術研究所製の変角分光測色システム
CCMS−3型を用いて測定した。毛倒れした部分が白っぽ
く見える方向、即ち倒れたパイル糸の先端が向いている
方向と反対の方向からパイル布帛表面を見ると、パイル
は白っぽく見えるが、この方向に受光器を置き(θ=70
゜)、入光は受光器側からパイル糸の先端が向いている
方向に沿って変えながらCIE表色系のL値を求めた。
この測定を、毛倒れ部分と毛倒れしていない部分とで測
定し、両者の差が大きいほど毛倒れによる白っぽさが目
立つということになる。
パイル布帛に対する垂線を0゜とし、パイル糸の傾い
ている方向に対して50゜〜−50゜の範囲内で10゜毎に毛
倒れ部分のL値(L )および毛倒れしていない部
分のL値(L )を読み取り、毛倒れ部分と正常部
分の色差すなわちΔL(=L −L )の最大値
を求め、これを毛倒れ性値とした。毛倒れ性値が大きい
程、毛倒れが目立つことになる。
ii.立毛角度 パイル布帛の拡大断面を電子顕微鏡で写真撮影し、パ
イル先端部分の地組織部に対する角度を実測し、少なく
とも20ケのパイル糸角度を平均し、パイル糸の立毛角度
とした。
実施例1,比較例1〜3 固有粘度が0.64でTiO2を0.5重量%が含有するポリエ
チレンテレフタレートを第1図(1)〜(3)に示す形
状のホール数200の口金を用いて紡糸温度296℃、表1に
示す吐出量の条件で紡糸し、1500m/分の速度で巻取り未
延伸糸を得た。得られた未延伸糸を合糸し、1万デニー
ルのトウとした後に80℃の水浴で表1に示す倍率で延
伸、180℃のローラーで熱セットし、次いで捲縮を付与
し、140℃で乾熱処理し、51ミリにカットし、3デニー
ルの単糸繊維のH型の断面を有するポリエステル短繊維
を得た。
比較例1として表1に示す条件とそれ以外は実施例1
と同じ条件で4つの凹部を持つ十字型異形断面を有する
ポリエステル短繊維を得た。比較例2はT型の異形断面
糸でデニールが1.5のポリエステル短繊維である。ま
た、比較例3として、常法により丸断面のポリエステル
短繊維を作成した。
得られたポリエステル短繊維を、通常の方法で梳毛紡
績して1/52番手の紡績糸を得た。次いでこの紡績糸を通
常の糸染工程で分散染料により、ベージュ色に染色し、
モケット用の先染糸とした。
この先染糸をパイル糸とし、地糸は通常のポリエステ
ル繊維/レーヨン繊維(混率65/35)の20番手双糸を用
い、モケット組織は1越、織のパイル密度は経密度22本
/インチ、緯密度44本/インチでモケット織物を作成、
これを通常の方法で加工したのちバックコーティングし
て、モケット織物を得た。
得られたモケット織物の立毛角度およびパイルの毛倒
れ特性を評価したのが表2である。
実施例2 固有粘度が0.64でTiO2を0.5重量%含有するポリエチ
レンテレフタレートを第1図(2)に示す形状のホール
数24の口金を用い、紡糸温度295℃、表3に示す吐出量
の条件で紡糸し、1300m/分の速度で巻取り未延伸糸を得
た。次いで、次の条件で延伸を行い75デニール/24フィ
ラメントのH型断面の異形断面糸を得た。
得られた異形断面ポリエステルフィラメントのSD75デ
ニール/24フィラメントをフロントに、またミドルおよ
びバックには通常の丸断面のポリエステルフィラメント
のSD75デニール/36フィラメントをそれぞれ用いて、フ
ロント1078,ミドル1023,バック1012の組織で28ゲージの
密度でトリコット編地を製編した。
得られたトリコット編地を常法により、精練・セット
した後にエンジ色に染色した。その後起毛剤をパッドし
乾燥した後フロント糸をカット起毛し、次いでシャーリ
ングしてパイル長を2mmに整え、ブラッシングして立毛
化処理を行い、次いで170℃で30秒間乾燥処理した。得
られたトリコットの平均立毛角度は62゜であった。
[延伸条件] 延伸温度 : 80℃ 熱処理温度:150℃ 延伸速度 :500m/分 比較例2 通常の丸断面よりなるポリエステルフィラメントのSD
75デニール/36フィラメントをフロントに用いる他は実
施例2と同様に編立および加工を行った。得られたトリ
コットの平均立毛角度は47゜であった。
実施例2および比較例4で得られたパイル編物の立毛
特製および毛倒れ挙動を表4に示した。
以上実施例で示したように、実施例1〜2はいずれも
毛倒れ特性値が小さく、毛倒れ処理しても毛倒れ部分が
目立たず、毛倒れ防止効果が優れていることが判る。
【図面の簡単な説明】
第1図(1),(2),(3)は口金断面図、第2図は
繊維の異形断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−50552(JP,A) 特開 昭63−6133(JP,A) 特開 平3−97946(JP,A) 特開 平3−90651(JP,A) 特開 平3−64550(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D03D 15/00 D03D 27/00 D01F 6/62 303

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パイル糸全体が、単糸繊度2デニール以上
    のポリエステル異形断面糸からなり、かつ該パイル糸の
    立毛角度が50゜以上である車両内装用パイル布帛におい
    て、該パイル糸が、単一組成のポリエステルからなり、
    2ケの凹部と4ケ以上の凸部とからなる繊維断面を有す
    る異形断面糸であることを特徴とする車両内装用パイル
    布帛。
JP2024059A 1990-02-02 1990-02-02 車輌内装用パイル布帛 Expired - Fee Related JP2854070B2 (ja)

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JPH0390651A (ja) * 1989-09-02 1991-04-16 Toyobo Co Ltd パイル布帛
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