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JP2842979B2 - 硫酸スラッジから中間スラッジを生成する方法 - Google Patents

硫酸スラッジから中間スラッジを生成する方法

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JP2842979B2
JP2842979B2 JP5131303A JP13130393A JP2842979B2 JP 2842979 B2 JP2842979 B2 JP 2842979B2 JP 5131303 A JP5131303 A JP 5131303A JP 13130393 A JP13130393 A JP 13130393A JP 2842979 B2 JP2842979 B2 JP 2842979B2
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sludge
sulfuric acid
acid sludge
adjuster
liquid
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エス.サントス ベンジャミン
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  • Treatment Of Sludge (AREA)
  • Working-Up Tar And Pitch (AREA)
  • Lubricants (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硫酸スラッジから中間ス
ラッジを生成する方法に関し、特に硫酸スラッジの処理
技術に関して、硫酸スラッジを有用な物質とりわけアス
ファルトに変えるという硫酸スラッジ処理方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車のエンジンにより使用済み
のクランクケース内のオイルが大量に生成されている。
かかる問題とオイル不足という慢性的な問題より、オイ
ルの再処理業が発達してきている。かかるオイルの再処
理の際、副産物として「硫酸スラッジ(acid sludg
e)」と呼ばれる毒性のある物質が生成される。かかる
再処理工程で得られる硫酸スラッジの量(体積)は、再
処理に供された使用済みオイルの量(体積)のおよそ2
0乃至30%にまで達する。
【0003】従来、この硫酸スラッジは投棄されてき
た。しかしながら、硫酸スラッジは強酸性であり、ま
た、重金属やさまざまな毒性のある物質を含んでいるた
め、環境に対し有害である。また、硫酸スラッジは微生
物により分解することができない物質である。したがっ
て、硫酸スラッジを除去するか、またはこれを有用な物
質に変える必要が生じてきた。
【0004】硫酸スラッジに対する環境保護という見地
からすると、硫酸スラッジから、ビチューメン材料を用
いてアスファルトを生成するのと同様な方法によりアス
ファルトを生成することができるような中間生成物(中
間スラッジ)を生成する方法を開発することが望まれ
る。このような方法が開発されれば、経済的にも環境的
にも良い効果が得られる。特に好ましいのは、硫酸スラ
ッジ処理により発生していた環境及び生態汚染が解消さ
れることにある。
【0005】硫酸スラッジは、使用済みオイルを再精製
する際に生成される廃処理物質である。かかる使用済み
オイルの再精製の目的の一つとして、使用済みオイルか
ら、未使用オイルの特性を有するオイルを精製すること
が挙げられる。
【0006】使用済みオイルを精製してほぼ未使用オイ
ルと同等の特性を有するオイルを得るためには、使用済
みオイルを硫酸処理しなければならない。すなわち、使
用済みオイルに硫酸を添加して、炭素質の不純物や金属
物質、他の酸化しうる物質を酸化して、使用済みオイル
から除去する。かかる硫酸の添加により、使用済みオイ
ルは二相に分離される。すなわち、比較的純粋なオイル
の層と硫酸スラッジ層とに分離される。硫酸スラッジが
沈むことにより、その除去が行われる。このようにして
得られた硫酸スラッジの体積は、使用した硫酸(98%
濃度)のおよそ5%である。また、そのペーハー(p
H)値は2よりも小さく一般的には0.1である。すな
わち、硫酸スラッジは酸性が強く、毒性があると考えら
れる。また、微生物による分解が不可能である。かかる
硫酸スラッジの特性に鑑み、米国のほとんどの連邦及び
州政府の環境省庁は、その投棄の規制をますます厳しく
している。
【0007】また、使用済みオイルの再精製処理工程に
おいては、大量の硫酸スラッジが生成される。すなわ
ち、使用済みオイル1ガロンあたり0.25ガロンの量
(体積)の硫酸スラッジが生成される。1980年以前
においては、毎年、200万トンを越える酸性廃処理物
が生成されていた。現在においては、生成される硫酸ス
ラッジの量はさらに増えているであろうが、その値は明
確ではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】硫酸スラッジを処理す
る伝統的な方法として、埋立、焼却、酸回収、酸性の中
和、及び、水への投棄があった。しかしながら、これら
の処理方法には、様々の問題点がある。例えば、硫酸ス
ラッジの成分のうち30乃至50%は水溶性である。し
たがって、硫酸スラッジを地中に埋めると、その成分が
地下水面に溶け出して、人体の健康に重大な影響を及ぼ
す。また、焼却処理や酸性中和処理では、有毒な気体を
大気中に放出させてしまう。この気体には、硫黄や二酸
化硫黄等酸性雨の原因となる物質が含まれており、カナ
ダやイングランド、スコットランドの森に重大な被害を
もたらしている。硫酸スラッジから酸を回収する処理は
これを小規模で行うにはコストがかかりすぎる。だから
といって、硫酸スラッジを一箇所に集めて酸回収処理を
行うのも、硫酸スラッジの運搬費用の高さの点から難し
い。廃水へ投棄して処理する方法も、硫酸スラッジを希
釈するのに十分な大量の廃水の処理が可能な施設がある
場所でしか実施できない。
【0009】以上より明らかなように、従来の処理方法
は環境に対し非常に有害である。また、規制が厳しくな
るにつれ、処理にかかる費用も高くなってきている。
【0010】一方、硫酸スラッジに他の物質を組み合わ
せてアスファルトを生成する方法が、米国特許第4,238,
241号及び第4,331,481号(Schneider)に提案されてい
る。この方法は、硫酸スラッジを、別途製造していたア
スファルトかまたはアスファルトと骨材との混合物に添
加して行う。しかしながら、添加された(すなわち、処
理された)硫酸スラッジの量は、生成される最終混合物
のほんの一部でしかない。したがって、この方法では、
大量の硫酸スラッジを処理することができない。
【0011】そこで本発明は上記従来の問題点を克服す
ると共に、環境を汚染することなく大量の硫酸スラッジ
を処理することが可能な硫酸スラッジから中間スラッジ
を生成する方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、ビチューメン材料を生成するために、3乃
至14のpHを有する液状pH調整剤を硫酸スラッジに
添加して該硫酸スラッジのpHを調整する工程と、分離
工程とを有し、該pH調整工程は摂氏190度にて該硫
酸スラッジが粒状にならず依然溶融状態を維持する程度
に該硫酸スラッジのpHを高めるが、常温で該硫酸スラ
ッジが粒状になり非溶融性となる程度にまでpHを高め
ず、その結果液体層と3乃至7のpHを有する中間スラ
ッジ層とを含有する中間混合物が得られ、該分離工程で
は該液体層を中間スラッジを含有する該中間スラッジ層
から分離し、分離された該中間スラッジの温度を摂氏2
00乃至275度に上昇する硫酸スラッジから中間スラ
ッジを生成する方法を提供している。好ましい形態とし
て、以下の工程が設けられる。ブロンアスファルトを生
成するため、加熱された該中間スラッジを酸化する工程
を更に有すること。該液状pH調整剤は水溶性無機液体
であること該水溶性無機液体は水であること該分離工程
以前であって少なくとも該pH調整剤を該硫酸スラッジ
に添加する工程中に該硫酸スラッジを加熱する工程を更
に有すること該分離工程以前であって少なくとも該pH
調整剤を該硫酸スラッジに添加する工程中に該硫酸スラ
ッジを攪拌する工程を更に有すること該分離工程以前で
あって少なくとも該pH調整剤を該硫酸スラッジに添加
する工程中に該硫酸スラッジを加熱し攪拌する工程を更
に有すること該中間スラッジ加熱酸化工程は該中間スラ
ッジを摂氏200乃至275度に加熱する工程と、該中
間スラッジ内に空気または酸素を通過させて該中間スラ
ッジを充分に酸化させてブロンアスファルトを生成する
こと該空気又は酸素は約1.416乃至4.248立方
メートル/分の流量にて該中間スラッジを通過すること
該中間スラッジは摂氏270度に加熱され、該空気又は
酸素は4.248立方 メートル/分の流量にて10時間
該中間スラッジを通過すること。
【0013】また本発明は、ビチューメン材料を生成す
るために、石灰、苛性ソーダ又はソーダ灰により組成さ
れる素材から選択される固形pH調整剤を硫酸スラッジ
に添加して該硫酸スラッジのpHを調整する工程を有
し、該pH調整工程は摂氏190度にて該硫酸スラッジ
が粒状にならず依然溶融状態を維持する程度に該硫酸ス
ラッジのpHを高めるが、常温で該硫酸スラッジが粒状
になり非溶融性となる程度にまでpHを高めず、その結
果3乃至7のpHを有する中間スラッジが得られ、該中
間スラッジを含有する混合物を水で洗浄し、該中間スラ
ッジより液状成分を除去し、中間スラッジの温度を摂氏
200乃至275度に上昇する硫酸スラッジから中間ス
ラッジを生成する方法を提供している。
【0014】
【実施例】本発明の方法では、硫酸スラッジからアスフ
ァルトを生成している。最初の工程では硫酸スラッジの
pHを高めているが、常温で該硫酸スラッジが粒状にな
る程度にまではpHを高めない。しかし加熱されたとき
に硫酸スラッジが粒状とはならない程度にpHを高め
る。そしてpH値が3乃至7となるのが望ましい。硫酸
スラッジのpHを高めるために、硫酸スラッジには種類
に制約はあるものの様々な材料が混入される。一般的に
は水であるが、高いpHを有する酸や、弱塩基又は強塩
基、塩溶液の順が好ましい。
【0015】pHが上昇した硫酸スラッジは中間スラッ
ジとなり、商業的に有用な「ブロンアスファルト」又は
硬質の酸化アスファルトとして使用される。中間スラッ
ジからブロンアスファルトを生成する方法は公知であ
る。一般的には、中間スラッジを摂氏200度乃至27
0度、好ましくは270度に加熱し、10乃至20時間
該中間スラッジ内に気泡を通過させる。気泡の流量は好
ましくは1.416立方メートル/分である。気泡の流
量を高めると共に加熱温度を上昇させるとブロンアスフ
ァルト生成時間を短縮することができる。生成されたア
スファルトの硬さを示す針入度は好ましくは6乃至15
である。
【0016】本発明の1実施例による中間スラッジを生
成する方法について図1乃至図5に基づき説明する。本
実施例は、硫酸スラッジから中間スラッジを生成するた
めの方法に関するものであり、生成された中間スラッジ
は公知の方法によりアスファルト混合物とされる。
【0017】本実施例による方法は次のような工程から
なる。まず、硫酸スラッジを供給し(ステップ10)、
硫酸スラッジにpH調整剤を接触させてpHの高い混合
物を得る(ステップ12、14)。pH調整剤は高いp
H値を有する液状あるいは固体状の物質である。pH調
整剤と硫酸スラッジの混合物は、室温及び高温で非顆粒
状、即ち粘性を呈する。次いで、当該混合物からpH調
整剤を分離する(ステップ18、19、21)。pH調
整剤を硫酸スラッジに接触させることによりアスファル
トの生成に有用な中間スラッジを作り出すことができ
る。
【0018】本発明の方法で用いる出発物質たる硫酸ス
ラッジは潤滑油の再生成過程で作り出されるものであ
り、一般に硫酸と粘土を廃油に混合する再生成工程にお
いて副産物として得られる。硫酸スラッジを化学的に定
義するのは難しいが、通常、硫酸エステル、スルフォン
酸、窒素塩基の塩、樹脂性アスファルト材、オイルから
溶解した硫黄成分、炭化水素ポリマー、濃縮生成物とエ
ントレインドオイルを含有している。硫酸スラッジの成
分はオイルの特性、処理条件及び貯蔵時間に応じて変化
する。
【0019】本発明で使用する硫酸スラッジは、酸を用
いたものであればどのような種類のオイル精製工程で得
られるものであっても構わない。工業的若しくは自動車
に用いた使用済み鉱物性潤滑油の酸と粘土による再精製
で得られるものは硫酸スラッジであるが、これ以外に一
時的に貯蔵タンク等に貯蔵されているようなものであっ
てもよい。通常、硫酸スラッジのpHの値は約3以下で
あるが、一般には0.1近傍の値をとることが多い。
【0020】硫酸スラッジからpH値の高い中間スラッ
ジを生成し、ブロンアスファルトと呼ばれる有用最終製
品を作り出すのが望ましい。ブロンアスファルトとは特
定の種類のアスファルトであり、商業的価値が高い。こ
のアスファルトを生成するには適当な温度まで加熱して
水分を除去する必要がある。しかしながら、かかる温度
まで加熱するとpH値がほぼ0.1の硫酸スラッジが直
ちに非溶解性の砂状混合物と化してしまう。この砂状混
合物はアスファルトを生成するには都合が悪い。
【0021】そこで、本発明では、硫酸スラッジにpH
調整剤を接触させることにより室温及び加熱状態いずれ
においても顆粒状とならない程度まで硫酸スラッジのp
H値を上げることとした。図2は、硫酸スラッジからブ
ロンアスファルトを生成するための方法を説明した流れ
図である。この方法は次のような工程からなる。まず、
pH値が好ましくは3〜7の液状pH調整剤を硫酸スラ
ッジに接触させ硫酸スラッジのpH値を上げる(ステッ
プ23)。次いで、液状pH調整剤と中間スラッジ層を
分離する(ステップ25)。その後、中間スラッジ(2
1)を200〜275℃に加熱する(ステップ29)。
そして、加熱した中間スラッジが針入度6〜15になる
ように酸化処理をする(ステップ31)。
【0022】硫酸スラッジのpHを上げるための工程は
ステップ23に示されている。pH値を上げるにはpH
値が0.1よりも十分に大きい液体、好ましくはpH値
が3以上の液体を硫酸スラッジに混入するのが望まし
い。pH値を上げるためのpH調整剤は固体状の物質で
あってもよい。pH調整剤としては水を用いるのが好ま
しい。硫酸スラッジと水を混合して加熱時に顆粒状とな
らない程度までpH値を上げるが、pH値を上げすぎて
室温で顆粒状とならないようにする。
【0023】本発明で用いるpH調整剤のpH値は硫酸
スラッジと機能的関連性を有している。即ち、もしpH
調整剤のpH値が高すぎる場合若しくはpH調整剤を多
量に混入し過ぎた場合には、硫酸スラッジは室温で顆粒
状となる。一方、pH調整剤のpH値が小さすぎると、
pH調整剤と硫酸スラッジの混合物の温度を上昇すると
硫酸スラッジは顆粒状となる。従って、加えるpH調整
剤は、硫酸スラッジのpH値がおよそ3〜7の範囲にな
るようなpH値でなければならない。
【0024】液状のpH調整剤は、水、無機液、有機液
及び希釈酸若しくは塩基から選択することができる。特
に、pH調整剤としては、希釈強酸、弱酸、塩溶液及び
石灰、アンモニア、カセイソーダ若しくはソーダ灰等の
希釈塩基から選択するのが好ましい。pH調整剤のpH
値は3〜14の範囲にあるのが好ましく、水をpH調整
剤として用いるのが最も好ましい。水は一般に廉価であ
り、pH値がおよそ7であるという特性上の理由から最
も好ましいpH調整剤といえる。
【0025】本発明の方法を実行する際に必要とされる
pH調整剤の量は硫酸スラッジの初期pH値、硫酸スラ
ッジの量及び使用するpH調整剤のpH値に依存する。
pH調整剤の量は、硫酸スラッジ中の残余硫酸を除去す
るか中和するに必要な量であり、これにより硫酸スラッ
ジのpH値を略3〜7の範囲となるように上げる。pH
調整剤の量あるいはpH調整剤のpH値は状況に応じて
決定することになる。例えば、pH調整剤とし水を用い
る場合には、硫酸スラッジの体積のおよそ3〜7倍程度
の水が必要となる。一方、pH値が7以上の液体である
カセイ液をpH調整剤として用いる場合には、必要量は
水の場合と比べると少なくなる。
【0026】全ての硫酸スラッジの成分が液状pH調整
剤に溶解するわけではないので、液状pH調整剤と硫酸
スラッジは均質な混合物とはなり得ない。攪拌しない
と、液状pH調整剤と硫酸スラッジは2層に分離する。
本発明による方法でも、硫酸スラッジを十分にpH調整
剤に混入した後では、液状pH調整剤と硫酸スラッジは
液体層と中間スラッジ層の2層に分離する。硫酸と硫酸
スラッジ出発物質の他の水溶性成分が液体層中に含まれ
る。
【0027】この液体層は硫酸スラッジから除去され、
図1のステップ18及び図2と3のステップ25に示さ
れているように廃棄処分とされる。酸の液体層を硫酸ス
ラッジから除去するには、デカント、吸引、分離等の方
法を用いる。液体層を除去した後、硫酸スラッジのpH
値が略3〜7になるまで硫酸スラッジ中への液状pH調
整剤の混入を継続する。生成される中間スラッジのpH
値は強酸数により測定する。強酸数の測定方法は周知で
あるので、ここでの説明は省略する。標準の試験方法
は、ASTMスタンダードの1980年版のD974、
23部にある「石油生成物及び潤滑油」の項に説明があ
る。ここに説明されている方法では、硫酸スラッジのサ
ンプルを沸騰している湯の中に入れることで強酸数の測
定を行っている。この水のpH値はpHテスト紙若しく
はpHメータにより測定することができる。pHテスト
紙は1〜14の範囲でpH値の測定ができる。
【0028】図3は、固形pH調整剤を用いた場合の流
れ図を示したものである。固形pH調整剤としては、石
灰、カセイソーダ、ソーダ灰等が用いられる。液状のp
H調整剤を用いる場合と同様に、固形pH調整剤を硫酸
スラッジの全表面に接触させる。しかしながら、固形p
H調整剤を用いる場合には、液状pH調整剤を用いた場
合に存在したような液体層は存在しない。カセイソーダ
や石灰のような固形pH調整剤を用いる場合には、これ
らの物質が硫酸と反応し塩と水を生成する。従って、固
形pH調整剤を加えた後に、混合物を水のような液体で
洗浄し(ステップ32)、固形pH調整剤により生成さ
れた残余物質を取り除き、次いでこの液体を硫酸スラッ
ジから分離する(ステップ25)。洗浄と分離を終えた
ら、図3に示した工程は図2に示したのと同じ工程に進
む。あるいは、固形pH調整剤を硫酸スラッジに混合し
た後で、図3のステップ32及び25に示される洗浄と
分離を行わずに、混合物を図3のステップ29に示した
ように加熱してもよい。その後、図4に示した方法は図
3に示す方法と同じ方法をたどる。
【0029】硫酸スラッジの全表面領域とpH調整剤と
が接触するのが好ましい。そこで、本発明では、図5乃
至7のステップ22に示すように、pH調整剤と硫酸ス
ラッジの混合物を攪拌することとしている。pH調整剤
と硫酸スラッジの混合物を攪拌するとpH調整剤と硫酸
スラッジの全表面領域の接触の程度が増加する。攪拌は
pH調整剤を硫酸スラッジ中に分散させるために必要な
程度行なう。攪拌は、混合、かき混ぜ、分散、バイブレ
ーション、揺動、製粉、回転、ブレンドにより行う。
【0030】本発明の第2の実施例による中間スラッジ
を生成する方法について図6、図7に基づき説明する。
図6、図7のステップ24で示されるように、pH調整
剤と硫酸スラッジとの接触工程中にpH調整剤と硫酸ス
ラッジとの混合物の温度が上昇する。硫酸スラッジは粘
性が高くpH調整剤に容易に混合しない。よって、少な
くともpH調整剤の添加工程及びpH調整剤と硫酸スラ
ッジの接触工程の間に硫酸スラッジの温度を高くして、
硫酸スラッジがpH調整剤と接触する表面積を大きくす
る。加熱温度は確定的ではないが摂氏100度以上、好
ましくは摂氏190度にて所望の結果が得られる。
【0031】図7は硫酸スラッジからブロンアスファル
トを生成する工程を示す。図7の工程では、まずステッ
プ10で硫酸スラッジを用意し、ステップ12と14で
硫酸スラッジをpH調整剤と接触させる。ステップ22
と24にてpH調整剤と硫酸スラッジ混合物を撹拌し加
熱し、ステップ26で液状のpH調整剤を中間スラッジ
層と分離して液体を除去し、ステップ28にて10乃至
20時間の間摂氏200乃至275度の温度にて中間ス
ラッジを加熱する。次にステップ30において、好まし
くは1トン当たり1.416乃至4.248立方メート
ル/分の割合で加熱混合物内に気泡を導入することによ
り中間スラッジを脱水乾燥して酸化させアスファルト混
合物を生成する。針入度が6乃至15、好ましくは8乃
至10になるまで酸化工程を継続する。これに要する時
間は加熱温度と中間スラッジ内への気泡の導入率に依存
する。例えば気泡の導入を約10時間とし中間スラッジ
の温度を摂氏250度、気泡導入率を1.416立方メ
ートル/分にすると、結果として得られるアスファルト
混合物は、摂氏25度で100グラム5秒間のとき針入
度が8であり、R&B軟化点は摂氏100度であり、引
火点が摂氏250度である。より高温で加熱し気泡流量
を高めると工程時間を短縮することができる。
【0032】pH調整ステップ12、14の目的は、ア
スファルト生成に必要な溶融を妨げる粒状体の生成を防
止するためである。ステップ28の加熱工程の目的は水
溶性化合物を除去するためである。酸化工程30は得ら
れたアスファルトの脆性を高めるために必要である。
【0033】ステップ28、30では中間スラッジの温
度を摂氏270度に加熱し、4.248立方メートル/
の流量にて10時間気泡を加熱された混合物内に導入
している。
【0034】アスファルトは針入度や軟化点によって品
質が分類される。代表的な軟質アスファルトでは針入度
は60乃至150またはそれ以上であり、硬質アスファ
ルトは針入度が4乃至20または25である。
【0035】生成の結果得られたビチューメン材料(ア
スファルト等)は様々な用途がある。例えば、本発明の
アスファルト混合物は、軟質硬質のアスファルト製品、
耐水性製品、防錆品、水分バリア品、下塗布品、下敷
品、下側シール剤、下塗り剤、塗料、絶縁材、ラミネー
ション、バッテリーシール材、舗装材に用いることがで
きる。特に本工程により得られたビチューメン材料は硬
質のアスファルト混合物として用いられる点で有用性が
ある。更に中間スラッジを軟質のアスファルトに添加す
ることによりより硬度を高めることができる。
【0036】
【発明の効果】以上詳述した本発明の硫酸スラッジから
中間スラッジを生成する方法によれば、硫酸スラッジを
有効利用することが可能となり、廃棄処分をする必要が
なくなる。また、廃棄処分をした場合に生ずる種々の問
題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生成方法の模式図である。
【図2】液体状pH調整材を用いた本発明の方法の流れ
図である。
【図3】硫酸スラッジからブロンアスファルトを生成す
る本発明の方法であって、固体状pH調整材を用い、か
つ、液体洗浄工程を含んだものの流れ図である。
【図4】液体状pH調整材を用いて硫酸スラッジからブ
ロンアスファルトを生成する本発明の方法の流れ図であ
る。
【図5】図1の生成方法の一つの例であって、接触工程
を攪拌により促進させているものの模式図である。
【図6】図1の生成方法の他の例であって、接触工程を
加熱により促進させているものの模式図である。
【図7】図1の生成方法の更に他の例であって、接触工
程を攪拌と加熱とにより促進させているものの模式図で
あって、中間スラッジからブロンアスファルトを生成す
る工程について詳細に説明しているものである。
【符号の説明】
10 硫酸スラッジ 21 中間スラッジ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10M 175/00 - 175/04 C02F 11/00 - 11/20 C10C 3/00 - 3/18 B09B 3/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビチューメン材料を生成するために、
    乃至14のpHを有する液状pH調整剤を硫酸スラッジ
    に添加して該硫酸スラッジのpHを調整する工程と、分
    離工程とを有し、該pH調整工程は摂氏190度にて該
    硫酸スラッジが粒状にならず依然溶融状態を維持する程
    度に該硫酸スラッジのpHを高めるが、常温で該硫酸ス
    ラッジが粒状になり非溶融性となる程度にまでpHを高
    めず、その結果液体層と3乃至7のpHを有する中間ス
    ラッジ層とを含有する中間混合物が得られ、該分離工程
    では該液体層を中間スラッジを含有する該中間スラッジ
    層から分離し、分離された該中間スラッジの温度を摂氏
    200乃至275度に上昇することを特徴とする硫酸ス
    ラッジから中間スラッジを生成する方法。
  2. 【請求項2】 ブロンアスファルトを生成するため、
    熱された中間スラッジを酸化する工程を更に有すること
    を特徴とする請求項1記載の中間スラッジ生成方法。
  3. 【請求項3】 該液状pH調整剤は水溶性無機液体であ
    ることを特徴とする請求項1記載の中間スラッジ生成方
    法。
  4. 【請求項4】 該水溶性無機液体は水であることを特徴
    とする請求項3記載の中間スラッジ生成方法。
  5. 【請求項5】 ビチューメン材料を生成するために、石
    灰、苛性ソーダ又はソーダ灰により組成される素材から
    選択される固形pH調整剤を硫酸スラッジに添加して該
    硫酸スラッジのpHを調整する工程を有し、該pH調整
    工程は摂氏190度にて該硫酸スラッジが粒状にならず
    依然溶融状態を維持する程度に該硫酸スラッジのpHを
    高めるが、常温で該硫酸スラッジが粒状になり非溶融性
    となる程度にまでpHを高めず、その結果3乃至7のp
    Hを有する中間スラッジが得られ、該中間スラッジを含
    有する混合物を水で洗浄し、該中間スラッジより液状成
    分を除去し、中間スラッジの温度を摂氏200乃至27
    5度に上昇することを特徴とする硫酸スラッジから中間
    スラッジを生成する方法。
  6. 【請求項6】 該分離工程以前であって少なくとも該p
    H調整剤を該硫酸スラッジに添加する工程中に該硫酸ス
    ラッジを加熱する工程を更に有することを特徴とする請
    求項1記載の中間スラッジ生成方法。
  7. 【請求項7】 該分離工程以前であって少なくとも該p
    H調整剤を該硫酸スラッジに添加する工程中に該硫酸ス
    ラッジを攪拌する工程を更に有することを特徴とする請
    求項1記載の中間スラッジ生成方法。
  8. 【請求項8】 該分離工程以前であって少なくとも該p
    H調整剤を該硫酸スラッジに添加する工程中に該硫酸ス
    ラッジを加熱し攪拌する工程を更に有することを特徴と
    する請求項1記載の中間スラッジ生成方法。
  9. 【請求項9】 該中間スラッジ加熱酸化工程は該中間ス
    ラッジを摂氏200乃至275度に加熱する工程と、該
    中間スラッジ内に空気または酸素を通過させて該中間ス
    ラッジを充分に酸化させてブロンアスファルトを生成す
    ることを特徴とする請求項2記載の中間スラッジ生成方
    法。
  10. 【請求項10】 該空気又は酸素は約1.416乃至
    4.248立方メートル/分の流量にて該中間スラッジ
    を通過することを特徴とする請求項9記載の中間スラッ
    ジ生成方法。
  11. 【請求項11】 該中間スラッジは摂氏270度に加熱
    され、該空気又は酸素は4.248立方メートル/分
    流量にて10時間該中間スラッジを通過することを特徴
    とする請求項9記載の中間スラッジ生成方法。
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