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JP2837229B2 - 光制御板の製造法 - Google Patents

光制御板の製造法

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JP2837229B2
JP2837229B2 JP9587290A JP9587290A JP2837229B2 JP 2837229 B2 JP2837229 B2 JP 2837229B2 JP 9587290 A JP9587290 A JP 9587290A JP 9587290 A JP9587290 A JP 9587290A JP 2837229 B2 JP2837229 B2 JP 2837229B2
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浩一 前田
聡 石塚
博章 山本
慎一郎 北山
滋郎 穂積
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、光散乱を起こす光の入射角度が場所によっ
て異なる、例えば限定角度からの入射光のみを散乱す
る、光制御板の製造法に関する。
<従来の技術> 従来、プラスチックやガラスからなる透明体はどの角
度からの光に対しても透明なものしかなかった。ところ
で、特定の角度からの光のみを透過するものとして、プ
ラスチックの透明シート及び不透明シートを交互に貼合
わせたプラスチックブロックから切り出した配向膜ある
いは感光性樹脂を用いて透明基板上に格子や縞などの模
様をなすレリーフを設け更にその上に透明基板などを組
合わせたいわゆる「遮光板」が一般的に用いられてい
た。このような遮光板は特開昭57−189439号公報に提案
されている。
これらの従来の配向膜や遮光板は、その製造方法が煩
雑であるために高価であり、また、配向膜では膜質が均
質にならないという問題点を有していた。
特開昭64−40902号公報には、屈折率に差がある少な
くとも2種の光重合性のオリゴマーまたはモノマーを含
有する樹脂組成物を膜状に維持し、その膜状体に特定の
方向から光を照射して硬化させることによって、所定角
度範囲の入射光を散乱する機能を有する光制御板の製造
方法において、第1の線状光照射源と膜状体の間に第1
の形状を持つフォトマスクを配置して前記照射源から光
を照射し、これと同時に、膜状体に対して第1の光照射
源とは反対側に第2の線状光照射源を設置し、第2の照
射源と膜状体との間に第2の形状を持つフォトマスクを
配置して第2の照射源から光を照射する方法が開示され
ている。
特開昭64−40903号公報には、上記方法と同様にして
光制御板を製造する方法において、膜状体の表面を複数
の領域に分割し、少なくとも1つの領域に線状光照射源
からの光を照射し、他の少なくとも1つの領域に、
(A)前記光照射源とは異なる角度から線状光照射源の
光を照射するか、(B)点光源からの光もしくは平行光
を照射するか、(C)拡散光を照射するか、または
(D)熱を付与する方法が開示されている。
特開昭64−77001号公報には、特定の角度を成す入射
光のみを選択的に散乱するプラスチックシートからなる
光制御板及びその製造法が開示されている。
<発明が解決しようとする課題> 上記製造法において、光源として棒状ランプが用いら
れる。光照射により、硬化した樹脂板は光源の長軸と短
軸方向に対して異方性を示し、光源の長軸方向を軸とし
て回転させた場合にのみ所定の角度範囲の光を散乱す
る。すなわち、生成した樹脂板は屈折率の異なる領域
が、ある方向に配向した状態で存在しており特定の角度
より入射した光はこの構造により散乱されるものと考え
られる。
しかも上記光制御板は、上記公報に記載されているよ
うに、基板のある一部が正面では透明でどちらに傾けて
も不透明になり、残りの部分はその逆の機能を持つもの
や基板の第1の部分は正面から見たら不透明でどちらに
傾けても透明であり、第2の部分は常に不透明であり、
残りの部分は常に透明である光制御板の作製も可能であ
る。
上記公報に記載さている方法によると、分子内に1個
以上の重合性炭素−炭素二重結合を有し、かつ互いに屈
折率の異なる少なくとも2種の化合物を含有する光重合
性組成物を膜状体に維持し、これに特定の方向から光を
照射して硬化させる方法において、前記膜状体の表面の
一部を例えばフォトマスクで覆うことにより複数の領域
に分割し、少なくとも一つの領域、例えば前記フォトマ
スクの開口に面する部分に第1の線状光照射光源からの
光を照射し、他の少なくとも一つの領域、例えば前記フ
ォトマスクで覆われていた部分に前記照射源とは異なる
角度から第2の線状光照射源の光を照射して硬化させ、
もしその後に未照射の部分があれば光または熱重合によ
り硬化を完結させることにより散乱する角度範囲の異な
る種々の領域を膜状体に持たせた光制御板が得られる。
前記第2の線状光照射源からの光の代わりに点光源から
の光もしくは平行光を照射するか、拡散光を照射する
か、または熱を付与してもよい。点光源もしくは平行光
を照射すれば後で硬化した領域は一様にスリガラス状に
なり前記第一の光源によって硬化した領域だけ角度依存
性を有する光制御膜となる。
拡散光を照射すれば前記第一の光源によって硬化した
領域だけが角度依存性を有し、後で硬化した領域は透明
な光制御膜となる。上記従来の方法によると、一枚の樹
脂板内に散乱する角度範囲が鮮明に異なる種々の領域を
持つ光制御板を製造することができる。
本発明の目的は、光制御板の連続的な製造方法を提供
することにある。
本発明の他の目的は、上記の如き従来のバッチ方式で
は製造できない、散乱される入射光の角度が一定の領域
が比較的広い光制御板をも容易に製造しうる、光制御板
の連続的な製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、光不透過性パターンが、
特に線状光源の長軸方向において、明瞭に転写された光
制御板を、連続的に製造する方法を提供することにあ
る。
本発明のさらに他の目的及び利点は以下の説明から明
かとなろう。
<課題を解決するための手段> 本発明によれば、本発明のかかる目的及び利点は第1
に、 (1)光重合性組成物のフィルム及び該フィルムの表面
に沿って配置された所定の光不透過性パターンを備えた
光透過体からなるアセンブリーを準備し、ここで、該光
重合性組成物は、 (a)重合性炭素−炭素二重結合を有し且つ屈折率の異
なる重合体を生成し得る少なくとも2種の単量体の混合
物、 (b)重合性炭素−炭素二重結合を分子内に複数個有す
る単量体の少なくとも一種、及び、 (c)重合性炭素−炭素二重結合を持たない化合物及び
重合性炭素−炭素二重結合を有し且つ該化合物の屈折率
と異なる屈折率の重合体を生成し得る少なくとも一種の
単量体の混合物、から選ばれ、 (2)上記アセンブリーを、該フィルムの面方向に、連
続的に移動せしめつつ、上記アセンブリーに対し、上記
光透過体の存在する側から限定的に光を照射して該フィ
ルムの光重合性組成物の少なくとも一部を重合せしめ、 ここで、上記光は上記アセンブリーの移動方向を横切
る方向に長軸が位置するように配置された第1の線状光
源から発せられ、次いで、 (3)上記光透過体の光不透過性パターンで被覆されて
いた部分のフィルム状成形体の光重合性組成物を光照射
もしくは加熱により重合せしめることを特徴とする、光
散乱を起こす光の入射角度が場所によって異なる光制御
板の製造法によって達成される。
上記本発明方法によれば、先ず、上記第1工程におい
て、光重合性組成物のフィルムおよび該フィルムの表面
に沿って配置された所定の不透過性パターンを備えた光
透過体からなるアセンブリーが準備される。
光重合性組成物は、光重合性を有する炭素−炭素二重
結合を有する不飽和化合物を含有している。かかる光重
合性組成物は、 (a)重合性炭素−炭素二重結合を有し、且つ、屈折率
の異なる重合体を生成し得る少なくとも2種の単量体の
混合物、 (b)重合性炭素−炭素二重結合を分子内に複数個有す
る単量体の少なくとも一種、及び、 (c)重合性炭素−炭素二重結合を持たない化合物及び
重合性炭素−炭素二重結合を有し、且つ該化合物の屈折
率と異なる屈折率の重合体を生成し得る少なくとも一種
の単量体の混合物、から選ばれる。
上記混合物(a)を構成する単量体は、重合性炭素−
炭素二重結合を有する。重合性炭素−炭素二重結合とし
ては、例えば、アクリロイル基、メタアクリロイル基、
ビニル基あるいはアリル基を好適なものとして挙げるこ
とができる。
かかる単量体としては、例えば、ポリエステルアクリ
レート、ポリオールポリアクリレート、変性ポリオール
ポリアクリレート、イソシアヌル酸骨格のポリアクリレ
ート、メラミンアクリレート、ビダントイン骨格のポリ
アクリレート、ポリプタジエンアクリレート、エポキシ
アクリレート、ウレタンアクリレート、ビスフェノール
Aジアクリレート、2,2−ビス(4−アクリロキシエト
キシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパンなどの多官能
性アクリレートあるいはこれらのアクリレートに対応す
るメタクリレート類・メチルアクリレート、テトラヒド
ロフルフリルアクリレート、エチルカルビトールアクリ
レート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレー
ト、イソボルニルアクリレート、フェニルカルビトール
アクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、
2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレー
ト、ω−ヒドロキシヘキサノイルオキシエチルアクリレ
ート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、アクリ
ロイルオキシエチルフタレート、フェニルアクリレー
ト、トリブロモフェニルアクリレート、フェノキシエチ
ルアクリレート、トリブロモフェノキシエチルアクリレ
ート、ベンジルアクリレート、p−ブロモベンジルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリル
アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアク
リレートならびにこれらの単官能性アクリレートに対応
するメタクリレート類;スチレン、p−クロロスチレ
ン、ジビニルベンゼン、ビニルアセテート、アクリロニ
トリル、N−ビニルピロリドン、ビニルナフタレン等の
ビニル化合物;あるいは、ジエチレングリコールビスア
リルカーボネート、ジアリリデンペンタエリスリトー
ル、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレー
ト、ジアリルイソフタレート等のアリル化合物などがあ
げられる。
これらの化合物は、モノマーのままであるいはオリゴ
マーにして使用することもできる。
上記(a)の混合物においては、上記単量体は少なく
とも2種使用されている。それらの単量体は屈折率の互
いに異なる単独重合体を与える組合せとする必要があ
る。屈折率の差の大きい単独重合体を当える単量体の組
合せほど好ましい。屈折率の差が例えば少なくとも、0.
01、より好ましくは0.05である2種の単独重合体を与え
る単量体の組合せを使用するのが有利である。3種また
はそれ以上の種類の単量体を使用するときは、それらの
単独重合体の少なくともいずれか2つの屈折率の差が0.
01より好ましくは0.05である単量体の組合せを使用する
のが望ましい。
上記(a)の混合物において、単独重合体の屈折率の
差が最も大きい2種の単量体は、重量比で、10:90〜90:
10の割合で用いられる。
また少なくとも2種の単量体から得られる少なくとも
2種の単独重合体は互いに相溶性が十分でないことが好
ましい。もし相溶性があまり高い場合には、得られる樹
脂が完全に均一になってしまいヘイズ(白濁)が発生し
ない。また、相溶性が極端に悪くなり過ぎると光硬化す
る以前に相分離が生じるため得られる樹脂のヘイズ率が
上昇し過ぎて全面ヘイズとなり全く光制御機能を示し難
くなる。
上記(a)の混合物は、必要に応じ、光重合開始剤を
含有することができる。
光重合開始剤は特に限定されるものではなく、通常の
光重合で使用されているものならどのようなものでもよ
い。例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケ
トン、2−クロロチオキサントン、ベンゾインエチルエ
ーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチル
ケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノ
ン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなど
があげられる。
上記(a)の混合物は、少なくとも2種の単量体及び
必要により光重合開始剤とを撹拌混合することによって
調製することができる。
また、上記(b)の重合性組成物を構成する、重合性
炭素−炭素二重結合を分子内に複数個有する単量体とし
ては、例えば、アクリロイル基、メタアクリロイル基、
ビニル基またはアリル基の如き基を重合性炭素−炭素二
重結合として分子内に複数個有する化合物が有利に用い
られる。
かかる化合物としては、例えば、トリエチレングリコ
ールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート、水添ジシクロペン
タジエンジイルジアクリレート、エチレンオキサイド変
性ビスフェノールAジアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレート、トリスアクリロキシイソシアヌレー
ト、多官能のエポキシアクリレート、多官能のウレタン
アクリレートや、これらのアクリレートに対応するメタ
クリレート及びジビニルベンゼン、トリアリルイソシア
ヌレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネー
トなどがあげられる。
これらの化合物はモノマーのままで、あるいはオリゴ
マーにして使用することもできる。
かかる化合物としては、光照射による硬化前の屈折率
と硬化後の樹脂の屈折率との差が少なくとも0.01より好
ましくは少なくとも0.02であるものが有利に使用され
る。
かかる化合物は単独であるいは2種以上の混合物とし
て、さらに必要により光重合開始剤との混合物として、
使用することができる。光重合開始剤としては、上記
(a)の混合物について既述したものと同じものが使用
できる。
さらに、上記混合物(c)は、重合性炭素−炭素二重
結合を持たない化合物及び重合性炭素−炭素二重結合を
有し且つ該化合物の屈折率と異なる屈折率を示す重合体
を生成しうる少なくとも1種の単量体とからなる。
重合性炭素−炭素二重結合を持たない上記化合物と
は、分子内にアクリロイル基、メタアクリロイル基、ビ
ニル基あるいはアリル基の如き重合性炭素−炭素二重結
合を持たない化合物をいう。
かかる化合物としては、例えば、ポリスチレン、ポリ
メタクリル酸メチル、ポリエチレンオキシド、ポリビニ
ルピロリドン、ポリビニルアルコール、ナイロンの如き
ポリマー類;トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサ
ン、メチルアルコール、エチルアルコール、アセトン、
メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチ
ル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ア
セトニトリルの如き低分子化合物;あるいは有機ハロゲ
ン化合物、有機ケイ素化合物、可塑剤、安定剤の如きプ
ラスチック添加剤などがあげられる。
また、混合物(c)を構成する上記単量体としては、
混合物(a)及び重合性組成物(b)において記載した
ものと同じものを活用することができる。
混合物(c)を構成する重合性炭素−炭素二重結合を
持たない化合物と該結合を有する単量体とは、好ましく
は該結合を有する単量体が該化合物と該単量体の合計重
量を基準にして10〜99重量%を占める割合、より好まし
くは、該結合を有する単量体が同じ基準に対し50〜95重
量%を占める割合で使用するのが有利である。
また、上記重合性炭素−炭素二重結合を持たない化合
物と該結合を有する単量体とは、該化合物の屈折率と該
単量体の単独重合体の屈折率との差が少なくとも0.01で
ある組合せが好ましく、さらに少なくとも0.02である組
合せがより好ましい。
本発明の工程(1)において、上記の如き光重合性組
成物は、光透過性の基板例えばガラス板上に塗布され所
定の長さと巾を有するフィルムに形成される。このフィ
ルムの表面に沿って、所定の光不透過性パターンを備え
た光透過体を配置する。これによって、光重合性組成物
のフィルムと、該パターンを備えた光透過体からなるア
センブリーが準備される。
該パターンを備えた光透過体は、上記基板に関連して
設けるのが望ましい。例えば、基板そのものに光不透過
性のパターンを設けた基板、基板そのものに光不透過性
のパターンを有するフォトマスク部を持つ基板、光不透
過性パターンを与える光不透過性物体で部分的に被覆し
た基板、あるいは光不透過性のパターンを有するフォト
マスクを設置した基板を使用するのが有利である。
アセンブリーを構成する光重合性組成物のフィルム
は、好ましくは、少なくとも25μm、より好ましくは少
なくとも100μm、特に好ましくは少なくとも200μmの
厚さを有する。
本発明方法によれ、次いで、工程(2)すなわち第2
工程において、上記アセンブリーを、フィルムの面方向
に、連続的に移動せしめつつ、上記アセンブリーに対
し、上記光透過体の存在する側から限定的に光を照射す
る。その際、照射する光は、上記アセンブリーの移動方
向を横切る方向に長軸が位置するように配置された第1
の線状光源から発せられる。
本発明で使用される上記第1の線状光源は、フィルム
の光重合性組成物の光重合に寄与する紫外線または、そ
の他の活性光線を発するものであって、被照射位置(フ
ィルム面)からみて光源が線状の形状をなしているもの
である。被照射位置からみた光源の大きさは、光源の長
軸方向の視角Aが少なくとも8゜、好ましくは少なくと
も12゜であり、光源の短軸方向の視角Bが多くともA/
4、よりこの好ましくは多くともA/10以下であるような
ものが好ましい。棒状の紫外線ランプは好ましい線状照
射光源の一つである。長さ約40cm、直径約2cmの棒状紫
外線ランプ(3KW)を例えば水平に保った10cm×10cmの
フィルムの上方40cmにランプがフィルム面に平行になる
ように配置したとき、上記視角Aは約54゜となり、視角
Bは約3゜となる。棒状の紫外線ランプは本発明におけ
る好適な第1の棒状光源である。このような線状光源の
他に、被照射位置から見て、光源が見かけ上線状になる
様なもの、例えば点光源を多数個連続して並べて、見か
け上線状に並べた光源、またはレーザー光等からの光を
回転鏡及び凹面鏡を用いて走査(被照射位置の1点につ
いて異なる多数の角度から照射)するようにした装置も
第1の線状光源として使用することができる。
照射光が紫外線の場合、棒状紫外線ランプとしては、
例えば、水銀ランプあるいはメタルハライドランプなど
が取扱の容易さを考慮した場合、好適である。
線状光源を用い、アセンブリーに対し、上記光透過体
の存在する側から限定的角度で光を照射することによ
り、第1の線状光源の長軸と短軸方向に対して異方性を
示し、光源長軸方向を軸として回転させた場合にのみ、
特定角度の光を散乱する光制御板が得られる。
すなわち、工程(2)において、アセンブリーを移動
させながら、その移動方向を横切る方向に長軸が位置す
るように配置された線状光源(第1の線状光源)からの
光を、例えば、該アセンブリーと該第1の線状光源との
間に設けた照射角度限定手段(第1の照射角度限定手
段)で一部分をカットして、すなわちアセンブリーの移
動方向に対し上流側に降り注ぐ部分の光をカットして、
移動する該アセンブリーに対して照射する。換言すれ
ば、本発明の工程(2)では、アセンブリーの移動方向
に対し下流側に降り注ぐ部分の光しか該アセンブリーに
は照射されないので、限定的角度で光が照射されること
になる。かくして、工程(2)によれば、アセンブリー
はアセンブリーの移動方向において、常に一定角度で、
第1の線状光源からの光照射を受けることになる。この
ことが、散乱される入射光の角度が一定である光制御板
を製造することを可能としたのである。
線状光源からの光を、静止したアセンブリーに対し照
射する従来方法と比較すれば、その利点は一層明瞭とな
る。すなわち、線状光源からの光を静止したアセンブリ
ーに照射する場合には、線状光源の長軸を横切る方向に
おいて、該光源からの光照射角度が該アセンブリー上の
位置によって明らかに相異することになる。
すなわち、光源から見て直下の位置から離れるにつれ
て、光源から見た入射の角度が大きく変化するにつれ
て、アセンブリーに対する光照射の角度は次第に緩慢に
なり、従って散乱される入射光の角度が線状光源の長軸
を横切る方向に変化する光制御板が得られることにな
る。例えば、静止したアセンブリーに照射する上記方法
では、垂直方向の入射角が散乱されるように製造した光
制御板であっても、線状光源からみて、入射の角度の変
化が20度以上になる部分では垂直方向の入射角は散乱さ
れることなく透過するようになる。
上記第1の照射角度限定手段は、後述する図面の説明
からさらに明らかになるように、例えば移動するアセン
ブリーを、移動方向において光照射から遮蔽しうるよう
に設けられる。第1の照射角度限定手段のアセンブリー
に対する光照射角度を限定する先端部の形状は、直線状
であるのが好ましく、直線状先端部はアセンブリーの移
動方向に対し垂直であっても傾斜していてもよい。
また、上記第1の線状光源は、その長軸の長さがアセ
ンブリーの移動方向と直交する方向の長さと同等である
か又はそれよりも大きくなるように設けるのが望まし
い。
この場合、第1の線状光源の長さが大きくなるほど、
線状光源からの光照射は、線状光源の長軸方向におい
て、光不透過性パターンの後へ回り込み易くなる。その
結果、光不透過性パターンに被覆されているフィルム部
分までが重合硬化して所定の角度を中心として不透明な
視野を与えることになる。
この不都合を避けるため、好ましくは本発明の工程
(2)における光照射を第1の線状光源と該第1の照射
角度限定手段との間の空間に複数の光邪魔板を配置し、
該光邪魔板を通して行う。
複数の該邪魔板は各板が板面を対向する関係で、該ア
センブリーの面に実質的に垂直に且つ該第1の線状光源
の長軸方向にほぼ等間隔で配列されている。すなわち、
上記の如く配置された光邪魔板を通して光照射を行うこ
とにより、線状光源の長軸方向のある位置から発せられ
た光は、もし、該位置から比較的離れた位置のフィルム
部分にまで到達するならば、光不透過性パターンの後へ
回り込むところであるが、該光邪魔板によってカットさ
れて該フィルム部分にまで到達できなくなる。換言すれ
ば、該光邪魔板を通して光照射を行うことにより、線状
光源の長軸方向のある位置から発せられた光は、その直
下及びその比較的近傍のフィルム部分にしか到達するこ
とができず、従って光不透過性パターンの後方へ回り込
むこともなくなる。
本発明によれば、さらに、工程(3)において、工程
(2)の光照射では、光不透過性パターンで被覆されて
いたために光硬化を受けなかったフィルム部分を、光照
射もしくは加熱により重合せしめる。
工程(3)を光照射により行う場合には、光照射は、
上記した如き線状光源を用いて行っても、点光源、拡散
光源または平行光源のいずれを用いて行ってもよい。
光照射を線状光源を用いて行う場合には、該光照射は
上記アセンブリーの移動方向を横切る方向に長軸が位置
するように、該アセンブリーを挟んで第1の線状光源と
反対側に配置された第2の線状光源から行うことが有利
である。その場合、該光照射は第1の照射角度限定手段
よりも該アセンブリーの移動方向下流側で、該アセンブ
リーと第2の線状光源との間に位置する第2の照射角度
限定手段で一部カットされて該アセンブリーに限定的角
度でなすのが好ましい。かくすることにより、工程
(2)において光硬化を受けなかったフィルム部分も、
散乱させる入射光の角度が一定である光硬化体となすこ
とができる。もちろん、工程(3)における第2の線状
光源からの照射(限定)角度は、工程(2)における第
1の線状光源からの照射(限定)角度と異なるものとす
る必要がある。なぜなら、同じ角度にすれば光不透過性
パターンの模様は工程(3)において消失してしまうか
らである。
第2の線状光源及び第2の照射角度限定手段について
の説明には、それぞれ前記第1の線状光源及び第1の照
射角度限定手段についての既述の説明がそのまま適用で
きる。さらに、工程(3)の光照射は、該アセンブリー
を挟んで第1の線状光源と反対側に配置された点光源、
平行光源または拡散光源によって行うこともできる。点
光源または平行光源によれば、光硬化された部分は、如
何なる角度の入射光も散乱する不透明部分となり、拡散
光源によれば、光硬化された部分は如何なる角度の入射
光も透過する透明部分となる。
上記した本発明方法に加えて、本発明によれば、第1
工程において同様に重合性組成物を準備し、第2工程に
おける最初の光照射を点光源、平行光源又は拡散光源に
より行い、そして第3工程において線状光源を用いて光
照射を行う光制御板の製造方法が同様に提供される。
すなわち、かかる本発明の第2の方法は、 (1)光重合性組成物のフィルム及び該フィルムの表面
に沿って配置された所定の光不透過性パターンを備えた
光透過体からなるアセンブリーを準備し、ここで、該光
重合性組成物は、 (a)重合性炭素−炭素二重結合を有し且つ屈折率の異
なる重合体を生成し得る少なくとも2種の単量体の混合
物、 (b)重合性炭素−炭素二重結合を分子内に複数個有す
る単量体の少なくとも一種、及び、 (c)重合性炭素−炭素二重結合を持たない化合物及び
重合性炭素−炭素二重結合を有し且つ該化合物の屈折率
と異なる屈折率の重合体を生成し得る少なくとも一種の
単量体の混合物、から選ばれ、 (2)上記アセンブリーを、該フィルムの面方向に連続
的に移動せしめつつ、上記アセンブリーに対し、上記光
透過体の存在する側から限定的角度で光を照射して該フ
ィルムの光重合性組成物の少なくとも一部を重合せし
め、 ここで、上記光は該アセンブリーの上記透過体が存在
する側に配置された点光源、平行光源及び拡散光源より
なる群から選ばれる第1の光源から発せられ、そして好
ましくは上記光は該アセンブリーと該第1の光源の間に
位置する第1の照射角度限定手段で一部カットされて該
アセンブリーに照射され、次いで、 (3)上記光透過体の光不透過性パターンで被覆されて
いた部分のフィルム状成形体の光重合性組成物を光照射
により重合せしめ、 ここで、該光照射は上記アセンブリーの移動方向を横
切る方向に長軸が位置するように配置された第2の線状
光源から行われ、且つ該光照射は第1の照射角度限定手
段よりも該アセンブリーの移動方向下流側で、該アセン
ブリーにと第2の線状光源との間に位置する第2の照射
角度限定手段で一部カットされて該アセンブリーに限定
的角度でなされることを特徴とする、光散乱の角度が場
所によって異なる光制御板の製造法である。
上記工程(1)は前述した本発明の第1の方法におけ
る工程(1)と全く同様である。
上記(2)では、光不透過性パターンで被覆されてい
ないフィルム部分の重合性組成物を、先ず、第1の光源
である点光源、平行光源あるいは拡散光源で照射せし
め、その部分を不透明な硬化部分又は透明な硬化部分に
変える。
工程(3)では工程(2)で硬化を受けなかった、光
不透過性パターンで被覆されていたフィルム部分を、線
状光源(第2の線状光源)によって、前記した第1の方
法の工程(2)におけると同様にして、光照射し硬化さ
せる。
以上の如くして、光散乱を起こす光の入射角度が部位
によって異なる光制御板が製造できる。選択的光散乱機
能を有するこの光制御板について以下図面を参照しつつ
詳述する。
水平に置かれた未重合の膜の上方に、例えば約40cm上
方で膜面中央から立てた垂直面から測って約45゜傾斜し
た位置に前記線状光源をその光源の長さ方向が前記垂直
面に平行になるようにかつ水平に配置して光を照射し、
フィルムの硬化反応を生じさせると、作成された硬化フ
ィルムには異方性が生じる。すなわち、第9図に示すよ
うに硬化フィルムの断面を見ると、光照射面側を第9図
で13とした硬化フィルムの内部に微小構造の層14が形成
される。この層の厚みd2は約25−5000ミクロンであり、
表面から層までの深さd1は0−100ミクロンである。d1
の厚みはフィルムの硬化反応が生じる雰囲気によって変
化する。ここで、層の厚みd3は通常は25−5000μmであ
る。
平面図である第10図及び断面図である第9図に示すよ
うに、微小構造層14は線状光源18にほぼ平行に伸びる多
数の細長い微小体16,17から構成される。第10図のA−
A′線できった断面図である第11−a図に示すように微
小体16,17の各々は第11−b図に示す照射源からの光の
照射方向Zよりも小さい角度Z′で傾斜している。この
角度Z′は照射した光がフィルム内を屈折し進行する屈
折角にほぼ等しい。各微小体16間及び17間のピッチd5は
0.1−20μmである。
<作用、発明の効果> このフィルムの光選択散乱性は、第12図において、照
射源からの照射角Zに等しい角度Y1で入射する光、及び
フィルムの反対側で照射角Zに等しい角Y2で入射する光
は最も強く散乱される。言い替えればその角度でフィル
ムを通して向こう側を見たとき、最も白濁して、視界が
遮られる。入射する光は必ずしも第12図の紙面に平行な
入射光だけでなく、前記入射角Y1またはY2の光線を含み
かつ紙面に垂直な平面内を通ってフィルムに入射する光
(紙面に投射して測った入射角がY1またはY2に等しい入
射光)も最も強く散乱される。そして種々の入射角の光
に対するヘイズ率はZの入射角近傍において最大である
山形のグラフを示す。もし照射光源の大きさが小さくな
り、前記視角で表して、長軸の視角Aが5゜未満になっ
た時は重合後の膜はもはや異方性を示さなくなり、どの
方向の入射光に対しても散乱するようになる。このよう
な照射光源として点光源または実質的に平行な光を用い
て重合したフィルムは無方向性の光散乱を示すようにな
る。
また逆に照射光源の大きさが次第に大きくなると、ヘ
イズ率のグラフの山の高さが低くなり、照射光源の大き
さが前記視角で表して、短軸方向の視角Bが100゜より
も大きくなった時は、もはや異方性を示さなくなる。即
ち、照射され重合したフィルムはどの方向からみても透
明であり、選択的な光散乱を示さなくなる。
どのような光源としては、重合すべき膜に比較的近接
して配置した面光源、または拡散光源を挙げることが出
来る。また、加熱によってフィルムを重合した場合も透
明になる。
このように線状光源を用いて重合したフィルムが選択
的光散乱を示す理由は定かではないが、第10図において
微小構造16、17は相互に屈折率が異なる層構造であり、
(このような屈折率差はフィルムの原料として用いる光
重合性の化合物の単量体の単独重合体の屈折率差と深い
関連がある)微小体の傾斜角Z′に近い角度で入ってき
た光は屈折率の異なる領域の視界で回折、散乱されるた
めであると考えられる。角度選択性は回折の角度選択性
により、層構造の間隔によって決定される。即ち、層間
隔が小さければ小さいほど散乱する角度幅は大きくな
る。また散乱の程度を表すヘイズ率は微小構造(微小体
16、17)の屈折率差と層構造の乱れに影響される。即
ち、屈折率差及び乱れが大きければ大きいほどヘイズ率
は高くなる。また、同じ層構造の乱れであればフィルム
層が厚くなるほど光が通る距離が長くなるために散乱の
程度が増幅されるためヘイズ率は高くなる。
照射光源が面光源また拡散光源である場合には、この
ような微小構造は形成されることなく、フィルムは透明
であって選択的な光散乱は示さない。また、照射光源が
点光源または平行光源である場合にはフィルム内には微
小構造は形成されるものの、線状照射光源の場合のよう
な規則性がなくランダムに配置し、従って、どの様な入
射光も微小構造内で反射して、方向性の無い光散乱を与
えるフィルムとなる。
<実施例> 以下、この発明の実施例を挙げて説明するが本発明は
これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 平均分子量2000のポリプロピレングリコール、ヒドロ
キシエチルアクリレート及びイソホロンジイソシアネー
トから成るポリエーテルウレタンアクリレート(屈折率
1.481)100部、トリブロモフェノキシエチルアクリレー
ト(屈折率1.567)100部並びにヒドロキシイソブチルフ
ェノン6部から成る重合性組成物を調製した。
第1図に示すように、厚み2mm、長さ(AB)70cm、幅
(BC)30cmの透明ガラス4の下表面に光を透過しない黒
色の塗料で厚み約0.05mmの「A」の文字の形5を描き、
そのガラス板4の上表面に前記重合性組成物を流しだし
て300μmの厚みのフィルム3に成膜した。これをさら
に厚み3mmの透明ガラス板6の上に保持した。第2図及
び第3図に示すように、上記の如くして調製したアセン
ブリー8を30cm間隔に設けた回転ロール7上に置いた。
ロール7が一定速度で回転し、アセンブリー8をその進
行方向が、アセンブリー8の長さ方向(AB)に平行にな
るように水平に置き、アセンブリー8を400mm/分の速度
で移動(図面で右方向に)させた。
アセンブリーの底面から下方400mmの位置に第1の棒
状紫外線ランプ1(80W/cm、2KW、ランプ直径2cm、ラン
プ長25cm)をその長さ方向が水平でかつロール7の軸に
平行に、すなわちアセンブリー8の長さ方向(AB)に直
角になるように配置した。第1の照射角度限定手段9を
アセンブリー底面のすぐ真下に配置した。照射角度限定
手段9の先端部は図面で紫外線ランプ1の真上から右向
きにα=10度の角度傾斜したところにロール軸に平行に
位置している。また、アセンブリーの上方400mmの高さ
に第2の棒状紫外線ランプ2(ランプ1と同仕様)をア
センブリー8の長さ方向(AB)に直角になるように水平
に配置した。第2の照射角度限定手段10をアセンブリー
上面のすぐ真上に配置した。第2照射角度限定手段10の
先端部は図面で紫外線ランプ2の真下から右向きにβ=
20度の角度傾斜したところでかつ第1の照射角度限定手
段9の先端部よりも下流方向に約20cmの位置にロール軸
に平行に位置している。ロール7の回転によりアセンブ
リー8は移動しながらまず棒状紫外線ランプ1からの光
を照射され、重合性組成物3は黒色の塗料「A」の文字
で覆われずに光が透過してきた部分のみが重合硬化し
た。さらにアセンブリー8が移動して、紫外線ランプ2
からの光が「A」の文字で覆われていたフィルム部分を
照射し重合硬化せしめた。硬化したフィルムをガラス板
4から剥すことによりフィルム状の光制御板が得られ
た。
JISK−6714に準じ積分球式光線透過率測定装置により
この光制御板の全光線透過率および散乱光線透過率をそ
れぞれ文字「A」に覆われていたフィルム部分及びそれ
以外のフィルム部分について測定しヘイズ率(曇価)を
求めた。光制御板をその辺BCに平行な軸のまわりに傾け
て光を辺BCに直角な方向から入射させ入射光と光制御板
との角度を変化させて、上記価を算出した。入射角に対
するヘイズ率の変化を第4図に示した。ここで点線は文
字「A」に該当する部分、実線は文字「A」に該当する
部分のヘイズ率を表している。すなわち、光制御板の文
字「A」に該当する部分における入射角110度の入射光
のヘイズ率の絶対値は約50%、文字「A」以外の領域に
おける入射角80度の入射光のヘイズ率の絶対値は約50%
であった。この光制御板を正面において観察すると、光
制御板全面はやや白濁し、ほとんど「A」の文字が識別
できなかったが光制御板を右に約10度傾斜させると透明
な文字「A」が白濁した周囲の中に見え、逆に左に約20
度傾斜させると白濁した文字が透明な周囲の中に見え
た。そして左右に約30度以上傾斜させると光制御板全面
は透明となり文字は見えなかった。このように、1枚の
板状にヘイズ率の絶対値及び角度依存性が異なる領域を
同時に有する光制御板が作製された。
実施例2 ポリテトラメチレンエーテルグリコール、トルエンジ
イソシアネート及びヒドロキシエチルアクリレートから
成るポリエーテルウレタンアクリレート100部、トリブ
ロモフェニルメタクリレート100部並びにベンジルジメ
チルケタール6部から成る重合性組成物を用い、第1図
の厚み3mmのガラス板の代わりに、厚み3mmのスリガラス
板を用いその他は実施例1と同じようにして、光制御板
を得た。そのヘイズ率の入射角度依存性を第5図に示し
た。
実施例3 ポリテトラメチレンエーテルグリコール、トルエンジ
イソシアネート及びヒドロキシエチルアクリレートから
成るポリエーテルウレタンアクリレート100部、トリブ
ロモフェニルメタクリレート100部並びにベンジルジメ
チルケタール6部から成る重合性組成物を用い、第1図
の厚み2mmの透明ガラス板の代わりに、175μmのポリエ
チレンテレフタートのフィルムにして、その他は実施例
1と同じようにして光制御板を得た。そのヘイズ率の入
射角度依存性を第6図に示した。
実施例4 ポリメタクリル酸メチル(屈折率1.490)30部、フェ
ノキシエチルアクリレート(重合体屈折率1.557)70
部、可塑剤としてトリエチレングリコールジ2−エチル
ブチレート10部、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオ
フェノン3部からなる重合性組成物を用い、実施例1と
同様にして光制御板を得た。そのヘイズ率の入射角依存
性を第13図に示した。
実施例5 平均分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコ
ールとトルエンジイソシアネートおよび2−ヒドロキシ
エチルアクリレートの反応によって得たポリエーテルウ
レタンアクリレート(屈折率1.490)100部に対してトリ
ブロモフェノキシエチルアクリレート100部およびベン
ジルジメチルケタール6部を添加混合した重合性組成物
を調製した。
厚み2mm、長さ(AB)70cm、幅(BC)50cmの透明ガラ
ス4の下表面に光を透過しない黒色の塗料で、複数の透
明な縦線(巾2mm,縦線間隔2mm)と複数の透明な横線
(巾5mm,横線間隔15mm)の格子縞を形成したガラス板4
の上表面に前記樹脂組成物を流し出して300μmの厚み
のフィルム3に成膜した。これをさらに厚み3mmの透明
ガラス板の6の上に保持した。第7図及び第8図に示す
ように、上記の如くして調製したアセンブリー8を30cm
間隔に設けた回転ロール7上に置いた。ロール7が一定
速度で回転し、アセンブリー8をその進行方向が、アセ
ンブリー8の長さ方向(AB)に平行になるように水平に
置き、アセンブリー8を400mm/分の速度で移動(図面で
右方向に)させた。アセンブリーの底面から下方700mm
の位置に第1の棒状紫外線ランプ1(80W/cm、5.6KW、
ランプ直径2cm、ランプ長70cm)をその長さ方向が水平
でかつロール7の軸に平行に、すなわちアセンブリー8
の長さ方向(AB)に直角になるように配置した。さらに
ランプ長軸方向に対し、垂直が20cm×20cmの表面をアル
マイト処理した3mm厚さのアルミ製の光邪魔板12をラン
プの上方15cmの位置に5cm間隔で13枚配置した。第1の
照射角度限定手段9をアセンブリー底面のすぐ真下に配
置した。第1の照射角度限定手段9の先端部は図面で紫
外線ランプ1の真上から垂直の位置にロール軸に平行に
位置している。また、アセンブリーの上方400mmの高さ
に第2の棒状紫外線ランプ2(ランプ1と同仕様)をア
センブリー8の長さ方向(AB)に直角になるように水平
に配置した。第2の照射角度限定手段10をアセンブリー
上面のすぐ真上に配置した。第2照射角度限定手段10の
先端部は図面で紫外線ランプ2の真下から右向きにβ=
20度の角度傾斜したところでかつ第1の照射角度限定手
段9の先端部よりも下流方向に約20cmの位置にロール軸
に平行に位置している。第2の照射角度限定手段10の先
端の位置から下手方向に長さ20cmで全幅を覆うように2m
mのスリガラス11を設置した。ロール7の回転によりア
センブリー8は移動しながら、まず棒状紫外線ランプ1
からの光が照射され、重合性組成物3は黒色の塗料で覆
われずに光が透過してきた部分のみが重合硬化した。さ
らにアセンブリー8が移動して、紫外線ランプ2からの
光はスリガラス11を透過することにより散乱光となり、
この光が黒色塗料で覆われていたフィルム部分を照射し
て重合硬化せしめた。硬化したフィルムをガラス板4か
ら剥すことによりフィルム状の光制御板が得られた。
この光制御板を第1の棒状ランプの設置してあった方
向の正面からみると、格子縞部分は不透明に見え、格子
縞以外の部分はどの角度からでも透明に見えた。辺BCの
軸方向左右に25度以上回転させると格子縞の部分も透明
に見え格子縞の輪郭が完全に見えなくなった。
この光制御板をランプの設置してあった方向の正面か
らみて、不透明な格子網の縦線及び横線の線巾を調べて
みると、縦線は2.1mm、横線は5mmであった。
なお、光邪魔板を取り除いた以外は上記と同様にして
光制御板を作成した。
この光制御板をランプの設置してあった方向の正面か
らみて、不透明な格子縞の縦線及び横線の線巾を調べて
みると、縦線は2.7mm、横線は5mmであった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の工程(1)において用いられる重合
性組成物と光不透過性パターンから構成されるアセンブ
リーの一例を示す斜視図である。 第2図は本発明方法を実施するための装置を含む本発明
を説明するための概略図である。 第3図は、第2図に示された装置の概略の斜視図であ
る。 第4図は、第5図および第6図は、本発明方法により製
造された光制御板の光学特性を示している。第7図は、
本発明方法を実施するための光邪魔板を備えた装置を含
む発明を説明するための概略図である。 第8図は第7図に示された装置の概略の斜視図である。 第9図、第10図、第11a図、第11b図および第12図は本発
明の原理を説明するための説明図である。 第13図は、本発明方法により製造された光制御板の光学
特性を示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石塚 聡 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11 号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 山本 博章 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11 号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 北山 慎一郎 茨城県つくば市北原6番 住友化学工業 株式会社内 (72)発明者 穂積 滋郎 茨城県つくば市北原6番 住友化学工業 株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 5/00 - 5/136

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光重合性組成物のフィルム及び該フィルム
    の表面に沿って配置された所定の光不透過性パターンを
    備えた光透過体からなるアセンブリーを準備し、ここ
    で、該光重合性組成物は、 (a)重合性炭素−炭素二重結合を有し且つ屈折率の異
    なる重合体を生成し得る少なくとも2種の単量体の混合
    物、 (b)重合性炭素−炭素二重結合を分子内に複数個有す
    る単量体の少なくとも一種、及び、 (c)重合性炭素−炭素二重結合を持たない化合物及び
    重合性炭素−炭素二重結合を有し且つ該化合物の屈折率
    と異なる屈折率の重合体を生成し得る少なくとも一種の
    単量体の混合物、から選ばれ、 (2)上記アセンブリーを、該フィルムの面方向に連続
    的に移動せしめつつ、上記アセンブリーに対し、上記光
    透過体の存在する側から限定的角度で光を照射して該フ
    ィルムの光重合性組成物の少なくとも一部を重合せし
    め、ここで、上記光は上記アセンブリーの移動方向を横
    切る方向に長軸が位置するように配置された第1の線状
    光源から発せられるものであり、次いで、 (3)上記光透過体の光不透過性パターンで被覆されて
    いた部分のフィルム状成形体の光重合性組成物を光照射
    もしくは加熱により重合せしめる、ことを特徴とする、
    光散乱を起こす光の入射角度が部位によって異なる光制
    御板の製造法。
  2. 【請求項2】上記工程(2)における上記光は、該アセ
    ンブリーと該第1の線状光源との間に位置する第1の照
    射角度限定手段で一部分カットされて該アセンブリーに
    限定的角度で照射される特許請求の範囲第1項記載の方
    法。
  3. 【請求項3】上記工程(2)における光照射が該第1の
    線状光源と該第1の照射角度限定手段との間の空間に配
    置された複数の光邪魔板を通して行われ、そして複数の
    該邪魔板は各板が、板面を対向する関係で、該アセンブ
    リーの面に実質的に垂直に且つ該第1の線状光源の長軸
    方向にほぼ等間隔で配置されていることを特徴とする特
    許請求の範囲第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】上記工程(3)の重合は光照射によって行
    われ、そして該光照射は上記アセンブリーの移動方向を
    横切る方向に長軸が位置するように、該アセンブリーを
    挟んで第1の線状光源と反対側に配置された第2の線状
    光源から行われ、且つ該光照射は該第1の照射角度限定
    手段よるもり該アセンブリーの移動方向下流側で、該ア
    センブリーと第2の線状光源との間に位置する第2の照
    射角度限定手段で一部カットされて該アセンブリーに限
    定的になされることを特徴とする特許請求の範囲第2項
    または第3項記載の方法。
  5. 【請求項5】上記工程(3)の重合は光照射によって行
    われ、そして該光照射は該アセンブリーを挟んで第1の
    線状光源と反対側に配置された点光源、拡散光源及び平
    行光源よりなる群から選ばれる第2の光源から行われる
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の方法。
  6. 【請求項6】(1)光重合性組成物のフィルム及び該フ
    ィルムの表面に沿って配置された所定の光不透過性パタ
    ーンを備えた光透過体からなるアセンブリーを準備し、
    ここで、該光重合性組成物は、 (a)重合性炭素−炭素二重結合を有し、且つ、屈折率
    の異なる重合体を生成し得る少なくとも2種の単量体の
    混合物、 (b)重合性炭素−炭素二重結合を分子内に複数個有す
    る単量体の少なくとも一種、及び、 (c)重合性炭素−炭素二重結合を持たない化合物及び
    重合性炭素−炭素二重結合を有し、且つ該化合物の屈折
    率と異なる屈折率の重合体を生成し得る少なくとも一種
    の単量体の混合物、から選ばれ、 (2)上記アセンブリーを、該フィルムの面方向に、連
    続的に移動せしめつつ、上記アセンブリーに対し、上記
    光透過体の存在する側から限定的に光を照射して該フィ
    ルムの光重合性組成物の少なくとも一部を重合せしめ、
    ここで、上記光は該アセンブリーの上記透過体が存在す
    る側に配置された点光源、拡散光源及び平行光源よりな
    る群から選ばれる第1の光源から発せられ、次いで、 (3)上記光透過体の光不透過性パターンで被覆されて
    いた部分のフィルム状成形体の光重合性組成物を光照射
    により重合せしめ、ここで、上記光照射は上記アセンブ
    リーの移動方向を横切る方向に長軸が位置するように配
    置された第2の線状光源から行われ、且つ該光照射は、
    該アセンブリー上の第1の光源からの照射位置よりも該
    アセンブリーの移動方向下流側で該アセンブリーに限定
    的角度でなされることを特徴とする、光散乱の角度が部
    位によって異なる光制御板の製造法。
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