JP2835942B2 - 磁気軸受の制御装置 - Google Patents
磁気軸受の制御装置Info
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- JP2835942B2 JP2835942B2 JP7303427A JP30342795A JP2835942B2 JP 2835942 B2 JP2835942 B2 JP 2835942B2 JP 7303427 A JP7303427 A JP 7303427A JP 30342795 A JP30342795 A JP 30342795A JP 2835942 B2 JP2835942 B2 JP 2835942B2
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C32/00—Bearings not otherwise provided for
- F16C32/04—Bearings not otherwise provided for using magnetic or electric supporting means
- F16C32/0406—Magnetic bearings
- F16C32/044—Active magnetic bearings
- F16C32/0444—Details of devices to control the actuation of the electromagnets
- F16C32/0451—Details of controllers, i.e. the units determining the power to be supplied, e.g. comparing elements, feedback arrangements with P.I.D. control
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気軸受の制御装
置に関し、特に非線形ロバスト制御理論の代表であるス
ライディングモード制御理論(Sliding Mod
e Control Theory)を適用し、しかも
制御対象である回転体の変位を変位センサで直接検出し
ない、いわゆる変位センサレスに係る磁気軸受の制御装
置に関する。
置に関し、特に非線形ロバスト制御理論の代表であるス
ライディングモード制御理論(Sliding Mod
e Control Theory)を適用し、しかも
制御対象である回転体の変位を変位センサで直接検出し
ない、いわゆる変位センサレスに係る磁気軸受の制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の磁気軸受の制御装置の方
式としては、以下のものが知られている。 (1)磁気軸受を形成する電磁石のコイルに流れる電流
のみを観測し、現代制御理論ベースの状態推定理論によ
り、回転体(ロータ)の変位を推定して回転体を目標位
置に制御する方式。 (2)PWM搬送波の変調による方式。 (3)ホール素子の磁束フィードバックと電流から回転
体の変位を推定する方式。
式としては、以下のものが知られている。 (1)磁気軸受を形成する電磁石のコイルに流れる電流
のみを観測し、現代制御理論ベースの状態推定理論によ
り、回転体(ロータ)の変位を推定して回転体を目標位
置に制御する方式。 (2)PWM搬送波の変調による方式。 (3)ホール素子の磁束フィードバックと電流から回転
体の変位を推定する方式。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
方式では、以下のような問題点がある。まず、状態推定
理論では、外乱を考慮しておらず、不確かさを考慮しな
いため、実用上、高速回転や負荷をかけることができな
かった。また、PWM方式は、数10KHzの高周波を
扱っているため、回路の実現上、問題がある。さらに、
ホール素子を用いた場合には、制作費用が嵩む上にその
設置場所等に制約が生じ、このためにセンサレスとはい
えない。さらにまた、パラメータ変動に対するロバスト
性能の向上や、非線形特性に対する頑強性の向上を図る
ことのできる変位センサレスに係る磁気軸受の制御装置
の出現が望まれていた。
方式では、以下のような問題点がある。まず、状態推定
理論では、外乱を考慮しておらず、不確かさを考慮しな
いため、実用上、高速回転や負荷をかけることができな
かった。また、PWM方式は、数10KHzの高周波を
扱っているため、回路の実現上、問題がある。さらに、
ホール素子を用いた場合には、制作費用が嵩む上にその
設置場所等に制約が生じ、このためにセンサレスとはい
えない。さらにまた、パラメータ変動に対するロバスト
性能の向上や、非線形特性に対する頑強性の向上を図る
ことのできる変位センサレスに係る磁気軸受の制御装置
の出現が望まれていた。
【0004】そこで、本発明の目的は、不釣り合い外乱
などの外乱の抑制の向上、パラメータ変動に対するロバ
スト性能の向上、および非線形特性に対する頑強性の向
上を図るようにした磁気軸受の制御装置を提供すること
にある。
などの外乱の抑制の向上、パラメータ変動に対するロバ
スト性能の向上、および非線形特性に対する頑強性の向
上を図るようにした磁気軸受の制御装置を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、回転体を磁気的に支持する電磁石と、この電磁石を
駆動する電磁石駆動手段と、前記電磁石のコイルに流れ
る電流を検出する電流検出手段と、前記電磁石駆動手段
の入力と前記電流検出手段の検出電流とに基いて、前記
電磁石の設置位置の前記回転体の変位と、前記回転体の
任意の位置の変位を推定するVSS(Variable
Structure System、可変構造システ
ム)オブザーバと、このVSSオブザーバの推定した前
記電磁石の設置位置の前記回転体の変位を、基準値と比
較して両者の偏差を求める比較手段と、この比較手段の
求めた偏差および前記VSSオブザーバの推定した回転
体の任意の位置の変位に基いて、前記電磁石を調節する
信号として予め定めた線形的な利得と非線形的な利得を
求めて両者を加算するVSC(Variable St
ructure Control、可変構造制御)コン
トローラとを備え、このVSCコントローラの出力信号
を前記電磁石駆動手段に供給するようにし、前記目的を
達成する。
は、回転体を磁気的に支持する電磁石と、この電磁石を
駆動する電磁石駆動手段と、前記電磁石のコイルに流れ
る電流を検出する電流検出手段と、前記電磁石駆動手段
の入力と前記電流検出手段の検出電流とに基いて、前記
電磁石の設置位置の前記回転体の変位と、前記回転体の
任意の位置の変位を推定するVSS(Variable
Structure System、可変構造システ
ム)オブザーバと、このVSSオブザーバの推定した前
記電磁石の設置位置の前記回転体の変位を、基準値と比
較して両者の偏差を求める比較手段と、この比較手段の
求めた偏差および前記VSSオブザーバの推定した回転
体の任意の位置の変位に基いて、前記電磁石を調節する
信号として予め定めた線形的な利得と非線形的な利得を
求めて両者を加算するVSC(Variable St
ructure Control、可変構造制御)コン
トローラとを備え、このVSCコントローラの出力信号
を前記電磁石駆動手段に供給するようにし、前記目的を
達成する。
【0006】請求項2記載の発明では、回転体を磁気的
に支持する電磁石と、この電磁石を駆動する電磁石駆動
手段と、前記電磁石のコイルに流れる電流を検出する電
流検出手段と、前記電磁石駆動手段の入力と前記電流検
出手段の検出電流とに基いて、前記電磁石の設置位置の
前記回転体の変位と、前記回転体の任意の位置の変位
と、前記回転体に作用する外乱とをそれぞれ推定するV
SS(VariableStructure Syst
em)外乱型オブザーバと、このVSS外乱型オブザー
バの推定外乱に対して所定の係数を掛ける係数手段と、
前記VSS外乱型オブザーバの推定した前記電磁石の設
置位置の前記回転体の変位を、基準値と比較して両者の
偏差を求める比較手段と、この比較手段の求めた偏差お
よび前記VSS外乱型オブザーバの推定した回転体の任
意の位置の変位に基いて、前記電磁石を調節する信号と
して予め定めた線形的な利得と非線形的な利得を求めて
両者を加算するVSC(Variable Struc
ture Control)コントローラと、このVS
Cコントローラの求めた信号と前記係数手段からの出力
信号とを加算する加算手段とを備え、この加算手段の出
力信号を前記電磁石駆動手段に供給するようにし、前記
目的を達成する。
に支持する電磁石と、この電磁石を駆動する電磁石駆動
手段と、前記電磁石のコイルに流れる電流を検出する電
流検出手段と、前記電磁石駆動手段の入力と前記電流検
出手段の検出電流とに基いて、前記電磁石の設置位置の
前記回転体の変位と、前記回転体の任意の位置の変位
と、前記回転体に作用する外乱とをそれぞれ推定するV
SS(VariableStructure Syst
em)外乱型オブザーバと、このVSS外乱型オブザー
バの推定外乱に対して所定の係数を掛ける係数手段と、
前記VSS外乱型オブザーバの推定した前記電磁石の設
置位置の前記回転体の変位を、基準値と比較して両者の
偏差を求める比較手段と、この比較手段の求めた偏差お
よび前記VSS外乱型オブザーバの推定した回転体の任
意の位置の変位に基いて、前記電磁石を調節する信号と
して予め定めた線形的な利得と非線形的な利得を求めて
両者を加算するVSC(Variable Struc
ture Control)コントローラと、このVS
Cコントローラの求めた信号と前記係数手段からの出力
信号とを加算する加算手段とを備え、この加算手段の出
力信号を前記電磁石駆動手段に供給するようにし、前記
目的を達成する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1ないし図8を参照して詳細に説明する。なお、
本明細書において、状態ベクトルなどを表現する場合に
一般に文字の上にドットを付して使用するが、このドッ
トの代わりに記号『』を使用し、例えばxf ドットとい
う表記を『xf 』のように表現するものとする。また、
文字の上にバーを付す場合には、このバーの代わりに記
号「‘ ’」を使用してxd バーという表記を‘xd ’
のように表現するものとする。さらに、推定値であるこ
とを示す場合の記号としては、一般に使用されるハット
の記号の代わりに「“ ”」を使用し、xd の推定値は
“xd ”のように表現するものとする。また、数式の説
明において、運動方程式などを表現するために使用する
1回微分の記号には「′」を使用してq′のように表現
し、同2回微分の記号には「″」を使用してq″のよう
に表現するものとする。なお、図面の表現については、
特に断りがない限り、一般的な表示方法をとるものとす
る。図1は、本発明の第1の実施の形態である磁気軸受
の制御装置の制御系のブロック線図を表したものであ
る。図2は、この磁気軸受の概略構成を示したものであ
る。この第1の実施の形態の制御装置は、非線形ロバス
ト制御の代表としてスライディングモード制御理論を用
いて、サーボ型スライディングモード制御系を構成する
ものである。
て、図1ないし図8を参照して詳細に説明する。なお、
本明細書において、状態ベクトルなどを表現する場合に
一般に文字の上にドットを付して使用するが、このドッ
トの代わりに記号『』を使用し、例えばxf ドットとい
う表記を『xf 』のように表現するものとする。また、
文字の上にバーを付す場合には、このバーの代わりに記
号「‘ ’」を使用してxd バーという表記を‘xd ’
のように表現するものとする。さらに、推定値であるこ
とを示す場合の記号としては、一般に使用されるハット
の記号の代わりに「“ ”」を使用し、xd の推定値は
“xd ”のように表現するものとする。また、数式の説
明において、運動方程式などを表現するために使用する
1回微分の記号には「′」を使用してq′のように表現
し、同2回微分の記号には「″」を使用してq″のよう
に表現するものとする。なお、図面の表現については、
特に断りがない限り、一般的な表示方法をとるものとす
る。図1は、本発明の第1の実施の形態である磁気軸受
の制御装置の制御系のブロック線図を表したものであ
る。図2は、この磁気軸受の概略構成を示したものであ
る。この第1の実施の形態の制御装置は、非線形ロバス
ト制御の代表としてスライディングモード制御理論を用
いて、サーボ型スライディングモード制御系を構成する
ものである。
【0008】この制御系の制御対象は、図2に示すよう
に、磁気軸受を形成する電磁石2、3に磁気的に支持さ
れる回転体1である。この回転体1は弾性ロータとして
モデル化するために、軸方向にn個(ここでは13個)
に分割させ、分割位置「5」と「11」に電磁石2、3
を配置させている。そして、この磁気軸受では、回転体
1の半径方向の変位を検出する変位センサを特に配置せ
ず、回転体1の半径方向の変位は、後述のように、電磁
石2、3の各コイルiに流れる電流などを利用して推定
する。この制御系は、図1および図2に示すように、V
SS(Variable Structure Sys
tem)オブザーバ21、比較部22、積分部23、加
算部24、VSC(Variable Structu
re Control:可変構造制御)コントローラ2
5、加算部26、アンプ27、および電磁石2、3から
構成される。
に、磁気軸受を形成する電磁石2、3に磁気的に支持さ
れる回転体1である。この回転体1は弾性ロータとして
モデル化するために、軸方向にn個(ここでは13個)
に分割させ、分割位置「5」と「11」に電磁石2、3
を配置させている。そして、この磁気軸受では、回転体
1の半径方向の変位を検出する変位センサを特に配置せ
ず、回転体1の半径方向の変位は、後述のように、電磁
石2、3の各コイルiに流れる電流などを利用して推定
する。この制御系は、図1および図2に示すように、V
SS(Variable Structure Sys
tem)オブザーバ21、比較部22、積分部23、加
算部24、VSC(Variable Structu
re Control:可変構造制御)コントローラ2
5、加算部26、アンプ27、および電磁石2、3から
構成される。
【0009】VSSオブザーバ21は、VSCコントロ
ーラ25からの出力信号uと電磁石2、3のコイルに流
れる電流iとに基づき、直接観測できない電磁石2、3
の設置位置「5」、「11」における回転体1の半径方
向におけるモード変位やその速度を所定の手順で推定す
るとともに、回転体1の分割位置「1」から「4」、
「6」から「10」、「12」、「13」における各モ
ード変位やその速度を所定の手順で推定し、その推定値
を“x2 ”とする(図1および図2参照)。比較部22
は、VSSオブザーバ21の推定した電磁石2、3の設
置位置「5」、「11」における回転体1の変位の推定
値“x1 ”を、この推定値に対応してあらかじめ設定さ
れている目標値Rと比較し、その各偏差を求める。積分
部23は、比較部22が求めた各偏差を積分して加算部
24に出力する。加算部24は、積分部23から出力さ
れる積分された各偏差と、VSSオブザーバ21の推定
した回転体1の分割位置「1」から「13」における各
モード変位やその速度の推定値“x2 ”との加算を行
う。
ーラ25からの出力信号uと電磁石2、3のコイルに流
れる電流iとに基づき、直接観測できない電磁石2、3
の設置位置「5」、「11」における回転体1の半径方
向におけるモード変位やその速度を所定の手順で推定す
るとともに、回転体1の分割位置「1」から「4」、
「6」から「10」、「12」、「13」における各モ
ード変位やその速度を所定の手順で推定し、その推定値
を“x2 ”とする(図1および図2参照)。比較部22
は、VSSオブザーバ21の推定した電磁石2、3の設
置位置「5」、「11」における回転体1の変位の推定
値“x1 ”を、この推定値に対応してあらかじめ設定さ
れている目標値Rと比較し、その各偏差を求める。積分
部23は、比較部22が求めた各偏差を積分して加算部
24に出力する。加算部24は、積分部23から出力さ
れる積分された各偏差と、VSSオブザーバ21の推定
した回転体1の分割位置「1」から「13」における各
モード変位やその速度の推定値“x2 ”との加算を行
う。
【0010】VSCコントローラ25は、線形処理部2
5A、非線形処理部25B、および加算部25Cから構
成される。線形処理部25Aは、加算器24の加算結果
に対してあらかじめ定めてある線形的(比例的)な利得
を与えるとともに、非線形処理部25Bはその加算結果
に対してあらかじめ定めてある非線形的な(比例的でな
い)利得を与える。加算部25Cは、線形処理部25A
で線形処理された値ulと、非線形処理部25Bで非線
形処理された値unlとを加算する。加算部26は、加
算部25Cの加算結果に外乱Eを加算させる。外乱E
は、電磁石2、3の駆動の変化などによるものである。
アンプ27は、加算器26からの信号に応じて電磁石
2、3を駆動させる。
5A、非線形処理部25B、および加算部25Cから構
成される。線形処理部25Aは、加算器24の加算結果
に対してあらかじめ定めてある線形的(比例的)な利得
を与えるとともに、非線形処理部25Bはその加算結果
に対してあらかじめ定めてある非線形的な(比例的でな
い)利得を与える。加算部25Cは、線形処理部25A
で線形処理された値ulと、非線形処理部25Bで非線
形処理された値unlとを加算する。加算部26は、加
算部25Cの加算結果に外乱Eを加算させる。外乱E
は、電磁石2、3の駆動の変化などによるものである。
アンプ27は、加算器26からの信号に応じて電磁石
2、3を駆動させる。
【0011】次に、このように構成される第1の実施の
形態の動作について説明する。いま、電磁石2、3のコ
イルに流れる電流iと、VSCコントローラ25からの
出力信号uとがVSSオブザーバ21に入力されると、
VSSオブザーバ21は、その電流iと制御入力である
信号uとに基づき、直接観測できない電磁石2、3の設
置位置「5」、「11」における回転体1の半径方向に
おけるモード変位やその速度を推定するとともに、回転
体1の分割位置「1」から「4」、「6」から「1
0」、「12」、「13」における各モード変位やその
速度を推定し、その推定値を“x2 ”とする(図1およ
び図2参照)。比較部22は、VSSオブザーバ21の
推定した電磁石2、3の設置位置「5」、「11」にお
ける回転体1の変位の推定値“x1 ”を、この推定値に
対応してあらかじめ設定されている目標値Rと比較し、
その各偏差を求める。この各偏差は、積分部23に入力
されて積分されたのち、加算部24に供給される。一
方、VSSオブザーバ21で推定された回転体1の分割
位置「1」から「13」における各モード変位やその速
度の推定値“x2 ”は、加算部24に供給される。
形態の動作について説明する。いま、電磁石2、3のコ
イルに流れる電流iと、VSCコントローラ25からの
出力信号uとがVSSオブザーバ21に入力されると、
VSSオブザーバ21は、その電流iと制御入力である
信号uとに基づき、直接観測できない電磁石2、3の設
置位置「5」、「11」における回転体1の半径方向に
おけるモード変位やその速度を推定するとともに、回転
体1の分割位置「1」から「4」、「6」から「1
0」、「12」、「13」における各モード変位やその
速度を推定し、その推定値を“x2 ”とする(図1およ
び図2参照)。比較部22は、VSSオブザーバ21の
推定した電磁石2、3の設置位置「5」、「11」にお
ける回転体1の変位の推定値“x1 ”を、この推定値に
対応してあらかじめ設定されている目標値Rと比較し、
その各偏差を求める。この各偏差は、積分部23に入力
されて積分されたのち、加算部24に供給される。一
方、VSSオブザーバ21で推定された回転体1の分割
位置「1」から「13」における各モード変位やその速
度の推定値“x2 ”は、加算部24に供給される。
【0012】加算部24では、積分部23から出力され
る積分された各偏差と、VSSオブザーバ24からの推
定値“x2 ”との加算を行う。加算部24の加算結果
は、VSCコントローラ25の線形処理部25Aと非線
形処理部25Bとにそれぞれ供給される。VSCコント
ローラ25の線形処理部25Aは、加算器24の加算結
果に対してあらかじめ定めてある線形的な利得を与える
とともに、非線形処理部25Bはその加算結果に対して
あらかじめ定めてある非線形的な利得を与える。このよ
うにして、線形処理部25Aで線形処理された値u
l と、非線形処理部25Bで非線形処理された値unlと
は、加算部25Cで加算される。
る積分された各偏差と、VSSオブザーバ24からの推
定値“x2 ”との加算を行う。加算部24の加算結果
は、VSCコントローラ25の線形処理部25Aと非線
形処理部25Bとにそれぞれ供給される。VSCコント
ローラ25の線形処理部25Aは、加算器24の加算結
果に対してあらかじめ定めてある線形的な利得を与える
とともに、非線形処理部25Bはその加算結果に対して
あらかじめ定めてある非線形的な利得を与える。このよ
うにして、線形処理部25Aで線形処理された値u
l と、非線形処理部25Bで非線形処理された値unlと
は、加算部25Cで加算される。
【0013】加算部25Cの出力は、次段の加算部26
に供給され、ここで外乱Eが加算されたのちアンプ27
に供給される。アンプ27は、加算部26からの信号に
応じて電磁石2、3を駆動させる。これにより、制御対
象である回転体1は、目標位置である磁気軸受の中央に
くるように制御される。
に供給され、ここで外乱Eが加算されたのちアンプ27
に供給される。アンプ27は、加算部26からの信号に
応じて電磁石2、3を駆動させる。これにより、制御対
象である回転体1は、目標位置である磁気軸受の中央に
くるように制御される。
【0014】上記のVSSオブザーバ21の具体的な構
成は、図3に示すようなブロック図で示される。このV
SSオブザーバ21の基本原理については、一般に知ら
れているので、その詳細な説明を省略する。
成は、図3に示すようなブロック図で示される。このV
SSオブザーバ21の基本原理については、一般に知ら
れているので、その詳細な説明を省略する。
【0015】次に、第1の実施の形態である制御装置の
設計手順について、以下にその概要を説明する。 (1)制御対象のモデリングおよびその低次元化 これは、回転体1を弾性ロータとして取扱い、所定の条
件の下で状態方程式と出力方程式を導く作業である。な
お、低次元化モデルの構築に対しては、2つの剛性モー
ドを安定化させ、低次の弾性曲げモードの振動を制御す
るという立場で考える。 (2)VSSオブザーバの設計 この磁気軸受の制御系は、変位センサを使用せずに、回
転体1の半径方向の変位などを推定する出力フィードバ
ック系になっている。そのために、制御対象である回転
体1の観測できない状態量(回転体1の変位とその速度
など)を推定するために必要な設計である。 (3)サーボ系超平面の設計 この発明に適用されるスライディングモード制御は、状
態空間内に設計した超平面(切換面)と呼ばれる面を境
として、フィードバックゲインの切換えまたは制御入力
の切換えを行うことによって、状態を超平面に拘束して
理想とする制御特性を得る制御系のことである。従っ
て、超平面の設計が重要である。
設計手順について、以下にその概要を説明する。 (1)制御対象のモデリングおよびその低次元化 これは、回転体1を弾性ロータとして取扱い、所定の条
件の下で状態方程式と出力方程式を導く作業である。な
お、低次元化モデルの構築に対しては、2つの剛性モー
ドを安定化させ、低次の弾性曲げモードの振動を制御す
るという立場で考える。 (2)VSSオブザーバの設計 この磁気軸受の制御系は、変位センサを使用せずに、回
転体1の半径方向の変位などを推定する出力フィードバ
ック系になっている。そのために、制御対象である回転
体1の観測できない状態量(回転体1の変位とその速度
など)を推定するために必要な設計である。 (3)サーボ系超平面の設計 この発明に適用されるスライディングモード制御は、状
態空間内に設計した超平面(切換面)と呼ばれる面を境
として、フィードバックゲインの切換えまたは制御入力
の切換えを行うことによって、状態を超平面に拘束して
理想とする制御特性を得る制御系のことである。従っ
て、超平面の設計が重要である。
【0016】(4)VSCコントローラの設計 スライディングモード制御系(可変構造制御系)は、適
応的な可変ゲインを有する閉ループ系とみなせる。適応
的な可変ゲインからなる制御入力は、別の表現をすれ
ば、2つの制御入力からなると考えることができる。す
なわち、従来の線形制御入力と、これにスライディング
モード制御特有の新たに付加された切換を伴う非線形制
御入力からなっている。この非線形制御入力がある分だ
け、閉ループは適応性を有することになり、かつロバス
トになっているということができる。この非線形制御入
力により、状態を最短に超平面に到達させたり、超平面
上に状態を拘束し、原点に滑らせるモードを実現でき
る。従って、VSCコントローラの設計には、超平面を
行き過ぎないような非線形入力を確定する必要がある。
応的な可変ゲインを有する閉ループ系とみなせる。適応
的な可変ゲインからなる制御入力は、別の表現をすれ
ば、2つの制御入力からなると考えることができる。す
なわち、従来の線形制御入力と、これにスライディング
モード制御特有の新たに付加された切換を伴う非線形制
御入力からなっている。この非線形制御入力がある分だ
け、閉ループは適応性を有することになり、かつロバス
トになっているということができる。この非線形制御入
力により、状態を最短に超平面に到達させたり、超平面
上に状態を拘束し、原点に滑らせるモードを実現でき
る。従って、VSCコントローラの設計には、超平面を
行き過ぎないような非線形入力を確定する必要がある。
【0017】(5)制御アルゴリズムの生成およびDS
Pへの実装 上記で設計されるVSSオブザーバやVSCコントロー
ラは、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)により実
現されるため、その制御アルゴリズムを作成する。 (6)制御の実行 後述するように、図4に示すような制御装置に具体化す
ることにより、制御を実行させる。
Pへの実装 上記で設計されるVSSオブザーバやVSCコントロー
ラは、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)により実
現されるため、その制御アルゴリズムを作成する。 (6)制御の実行 後述するように、図4に示すような制御装置に具体化す
ることにより、制御を実行させる。
【0018】次に、このような手順で設計された制御装
置の具体的な構成について、図4を参照して説明する。
この制御装置は5軸制御形磁気軸受であり、回転体1が
モータ(図示せず)の両側にあるラジアル軸受41、4
2と、回転体1の左端にあるスラスト軸受43によって
支持されている。ラジアル軸受41、42は直角2方向
で制御され、スラスト軸受43は軸方向のみ制御される
構造になっている。ラジアル軸受41、42は、電磁石
41A、42Aにより形成されている。
置の具体的な構成について、図4を参照して説明する。
この制御装置は5軸制御形磁気軸受であり、回転体1が
モータ(図示せず)の両側にあるラジアル軸受41、4
2と、回転体1の左端にあるスラスト軸受43によって
支持されている。ラジアル軸受41、42は直角2方向
で制御され、スラスト軸受43は軸方向のみ制御される
構造になっている。ラジアル軸受41、42は、電磁石
41A、42Aにより形成されている。
【0019】また、この制御装置は、図1におけるVS
Sオブザーバ21、比較部22、積分部23、加算部2
4、VSCコントローラ25の機能をDSP(デジタル
シグナルプロセッサ)44により実現するものであり、
DSP44はホストコンピュータ45との間で高速のデ
ータ処理ができるように構成される。このDSP44の
入力側にはA−D変換器46が接続され、DSP44の
出力側にはD−A変換器47が接続されている。D−A
変換器47の出力とバイアス電流供給回路48の出力が
パワーアンプ49に供給され、パワーアンプ49は、ラ
ジアル軸受41、42の電磁石41A、42Aを駆動す
るように構成されている。また、電磁石41A、42A
の各コイルに流れる電流iがA−D変換器46に供給さ
れるように構成される。このような構成によれば、電磁
石41A、42Aの各コイルに流れる電流iがA−D変
換器46に供給されたのち、A−D変換されてDSP4
4に取り込まれと、DSP44は所定の演算により制御
入力を求める。この求められた制御入力uは、D−A変
換器47でD−A変換されてパワーアンプ49に供給さ
れ、パワーアンプ49はラジアル軸受41、42を構成
する電磁石41A、42Aを駆動させる。
Sオブザーバ21、比較部22、積分部23、加算部2
4、VSCコントローラ25の機能をDSP(デジタル
シグナルプロセッサ)44により実現するものであり、
DSP44はホストコンピュータ45との間で高速のデ
ータ処理ができるように構成される。このDSP44の
入力側にはA−D変換器46が接続され、DSP44の
出力側にはD−A変換器47が接続されている。D−A
変換器47の出力とバイアス電流供給回路48の出力が
パワーアンプ49に供給され、パワーアンプ49は、ラ
ジアル軸受41、42の電磁石41A、42Aを駆動す
るように構成されている。また、電磁石41A、42A
の各コイルに流れる電流iがA−D変換器46に供給さ
れるように構成される。このような構成によれば、電磁
石41A、42Aの各コイルに流れる電流iがA−D変
換器46に供給されたのち、A−D変換されてDSP4
4に取り込まれと、DSP44は所定の演算により制御
入力を求める。この求められた制御入力uは、D−A変
換器47でD−A変換されてパワーアンプ49に供給さ
れ、パワーアンプ49はラジアル軸受41、42を構成
する電磁石41A、42Aを駆動させる。
【0020】次に、本発明の第2の実施の形態における
磁気軸受の制御装置について説明する。この制御装置
は、図5に示すように、制御対象の外乱Fを推定するV
SS外乱型オブザーバ31を設け、このVSS外乱型オ
ブザーバ31の推定した外乱(“F”)により制御対象
の外乱F(回転体1の負荷変動など)による影響を除去
する信号を作成する係数部32を設けるとともに、外乱
Eによる影響を除去する信号を作成する機能をVSCコ
ントローラ33に持たせるようにしたものである。な
お、他の構成については、第1の実施の形態と同様であ
るので、同一符号を付してその説明の詳述は省略する。
磁気軸受の制御装置について説明する。この制御装置
は、図5に示すように、制御対象の外乱Fを推定するV
SS外乱型オブザーバ31を設け、このVSS外乱型オ
ブザーバ31の推定した外乱(“F”)により制御対象
の外乱F(回転体1の負荷変動など)による影響を除去
する信号を作成する係数部32を設けるとともに、外乱
Eによる影響を除去する信号を作成する機能をVSCコ
ントローラ33に持たせるようにしたものである。な
お、他の構成については、第1の実施の形態と同様であ
るので、同一符号を付してその説明の詳述は省略する。
【0021】VSS外乱型オブザーバ31は、VSCコ
ントローラ33からの出力信号uと電磁石2、3の各コ
イルに流れる電流iとに基づき、直接観測できない電磁
石2、3の設置位置「5」、「11」における回転体1
の半径方向におけるモード変位やその速度を所定の手順
で推定するとともに、回転体1の分割位置「1」から
「4」、「6」から「10」、「12」、「13」にお
ける各モード変位やその速度を所定の手順で推定する。
さらに、VSS外乱型オブザーバ31は、上記信号uと
電流iとに基づき、外乱を所定の手順で推定する。そし
て、その推定した変位や速度の推定値を“x2 ”とし、
その推定した外乱を“F”とする。
ントローラ33からの出力信号uと電磁石2、3の各コ
イルに流れる電流iとに基づき、直接観測できない電磁
石2、3の設置位置「5」、「11」における回転体1
の半径方向におけるモード変位やその速度を所定の手順
で推定するとともに、回転体1の分割位置「1」から
「4」、「6」から「10」、「12」、「13」にお
ける各モード変位やその速度を所定の手順で推定する。
さらに、VSS外乱型オブザーバ31は、上記信号uと
電流iとに基づき、外乱を所定の手順で推定する。そし
て、その推定した変位や速度の推定値を“x2 ”とし、
その推定した外乱を“F”とする。
【0022】係数部32は、VSS外乱型オブザーバ3
1の推定した外乱“F”により制御対象の外乱Fによる
影響を除去する信号を作成するために、推定外乱に所定
の係数を掛ける。比較部22は、VSSオブザーバ21
の推定した電磁石2、3の設置位置「5」、「11」に
おける回転体1の変位やその速度の推定値“x1 ”を、
この推定値に対応してあらかじめ設定されている目標値
Rと比較し、その各偏差を求める。この各偏差は、積分
部23に入力されて積分されたのち、加算部24に供給
される。VSCコントローラ33は、線形処理部33
A、非線形処理部33B、加算部33C、および加算部
33Dから構成される。線形処理部33Aは、加算部2
4の加算結果に対してあらかじめ定めてある線形的な利
得を与えるとともに、非線形処理部33Bはその加算結
果に対してあらかじめ定めてある非線形的な利得を与え
る。加算部33Cは、線形処理部33Aで線形処理され
た値ul と、非線形処理部33Bで非線形処理された値
unlとを加算する。加算部33Dは、加算部33Cの出
力と係数部32の出力とを加算してその加算結果を出力
する。
1の推定した外乱“F”により制御対象の外乱Fによる
影響を除去する信号を作成するために、推定外乱に所定
の係数を掛ける。比較部22は、VSSオブザーバ21
の推定した電磁石2、3の設置位置「5」、「11」に
おける回転体1の変位やその速度の推定値“x1 ”を、
この推定値に対応してあらかじめ設定されている目標値
Rと比較し、その各偏差を求める。この各偏差は、積分
部23に入力されて積分されたのち、加算部24に供給
される。VSCコントローラ33は、線形処理部33
A、非線形処理部33B、加算部33C、および加算部
33Dから構成される。線形処理部33Aは、加算部2
4の加算結果に対してあらかじめ定めてある線形的な利
得を与えるとともに、非線形処理部33Bはその加算結
果に対してあらかじめ定めてある非線形的な利得を与え
る。加算部33Cは、線形処理部33Aで線形処理され
た値ul と、非線形処理部33Bで非線形処理された値
unlとを加算する。加算部33Dは、加算部33Cの出
力と係数部32の出力とを加算してその加算結果を出力
する。
【0023】次に、このように構成される第2の実施の
形態の動作について説明する。いま、電磁石2、3のコ
イルに流れる電流iと、VSCコントローラ33からの
出力信号uとがVSSオブザーバ31に入力されると、
VSSオブザーバ31は、その電流iと制御入力である
信号uとに基づき、直接観測できない電磁石2、3の設
置位置「5」、「11」における回転体1の半径方向に
おけるモード変位やその速度を推定するとともに、回転
体1の分割位置「1」から「4」、「6」から「1
0」、「12」、「13」における各モード変位やその
速度を推定する。さらに、VSS外乱型オブザーバ31
は、上記信号uと電流iとに基づき、外乱を所定の手順
で推定する。そして、その推定した変位や速度の推定値
を“x2 ”とし、その推定した外乱を“F”とする。
形態の動作について説明する。いま、電磁石2、3のコ
イルに流れる電流iと、VSCコントローラ33からの
出力信号uとがVSSオブザーバ31に入力されると、
VSSオブザーバ31は、その電流iと制御入力である
信号uとに基づき、直接観測できない電磁石2、3の設
置位置「5」、「11」における回転体1の半径方向に
おけるモード変位やその速度を推定するとともに、回転
体1の分割位置「1」から「4」、「6」から「1
0」、「12」、「13」における各モード変位やその
速度を推定する。さらに、VSS外乱型オブザーバ31
は、上記信号uと電流iとに基づき、外乱を所定の手順
で推定する。そして、その推定した変位や速度の推定値
を“x2 ”とし、その推定した外乱を“F”とする。
【0024】VSSオブザーバ31の推定した電磁石
2、3の設置位置「5」、「11」における回転体1の
変位やその速度の推定値“x1 ”が比較部22に供給さ
れると、比較部22は、その推定値に対応してあらかじ
め設定されている目標値Rと比較し、その各偏差を求め
る。この各偏差は、積分部23に入力されて積分された
のち、加算部24に供給される。また、VSSオブザー
バ31で推定された回転体1の分割位置「1」から「1
3」における各変位やその速度の推定値“x2 ”は、加
算部24に供給される。
2、3の設置位置「5」、「11」における回転体1の
変位やその速度の推定値“x1 ”が比較部22に供給さ
れると、比較部22は、その推定値に対応してあらかじ
め設定されている目標値Rと比較し、その各偏差を求め
る。この各偏差は、積分部23に入力されて積分された
のち、加算部24に供給される。また、VSSオブザー
バ31で推定された回転体1の分割位置「1」から「1
3」における各変位やその速度の推定値“x2 ”は、加
算部24に供給される。
【0025】加算部24では、積分部23から出力され
る積分された各偏差と、VSSオブザーバ24からの推
定値“x2 ”との加算を行う。加算部24の加算結果
は、VSCコントローラ25の線形処理部25Aと非線
形処理部25Bとにそれぞれ供給される。VSCコント
ローラ33の線形処理部33Aは、加算部24の加算結
果に対してあらかじめ定めてある線形的な利得を与える
とともに、非線形処理部33Bはその加算結果に対して
あらかじめ定めてある非線形的な利得を与える。このよ
うにして、線形処理部33Aで線形処理された値u
l と、非線形処理部33Bで非線形処理された値unlと
は、加算部33Cで加算される。
る積分された各偏差と、VSSオブザーバ24からの推
定値“x2 ”との加算を行う。加算部24の加算結果
は、VSCコントローラ25の線形処理部25Aと非線
形処理部25Bとにそれぞれ供給される。VSCコント
ローラ33の線形処理部33Aは、加算部24の加算結
果に対してあらかじめ定めてある線形的な利得を与える
とともに、非線形処理部33Bはその加算結果に対して
あらかじめ定めてある非線形的な利得を与える。このよ
うにして、線形処理部33Aで線形処理された値u
l と、非線形処理部33Bで非線形処理された値unlと
は、加算部33Cで加算される。
【0026】一方、係数部32は、VSS外乱型オブザ
ーバ31で推定された外乱“F”に基づき、制御対象の
外乱Fによる影響を除去する信号を作成するために、推
定した外乱に所定の係数を掛ける。係数部32の出力
と、加算部33Cの出力とは、加算部33Dに供給さ
れ、ここで両者が加算される。加算部33Dの出力は、
制御対象の制御入力uとして加算部26を経由してアン
プ27に供給される。アンプ27は、加算部26からの
信号に応じて電磁石2、3を駆動させる。これにより、
制御対象である回転体1は、目標位置である磁気軸受の
中央にくるように制御される。
ーバ31で推定された外乱“F”に基づき、制御対象の
外乱Fによる影響を除去する信号を作成するために、推
定した外乱に所定の係数を掛ける。係数部32の出力
と、加算部33Cの出力とは、加算部33Dに供給さ
れ、ここで両者が加算される。加算部33Dの出力は、
制御対象の制御入力uとして加算部26を経由してアン
プ27に供給される。アンプ27は、加算部26からの
信号に応じて電磁石2、3を駆動させる。これにより、
制御対象である回転体1は、目標位置である磁気軸受の
中央にくるように制御される。
【0027】次に、第2の実施の形態の設計手順を説明
するが、第1の実施の形態の設計手順と基本的に同様で
ある。従って、設計の手順について以下のように(1)
から(6)に略記する。そして、そのうち、(1)制御
対象のモデリングおよびその低次元化、(2)VSS外
乱型オブザーバの設計、および(4)VSCコントロー
ラの設計について、下記のように詳述する。 (1)制御対象のモデリングおよびその低次元化 (2)VSS外乱型オブザーバの設計 (3)サーボ系超平面の設計 (4)VSCコントローラの設計 (5)制御アルゴリズムの生成およびDSPへの実装 (6)制御の実行
するが、第1の実施の形態の設計手順と基本的に同様で
ある。従って、設計の手順について以下のように(1)
から(6)に略記する。そして、そのうち、(1)制御
対象のモデリングおよびその低次元化、(2)VSS外
乱型オブザーバの設計、および(4)VSCコントロー
ラの設計について、下記のように詳述する。 (1)制御対象のモデリングおよびその低次元化 (2)VSS外乱型オブザーバの設計 (3)サーボ系超平面の設計 (4)VSCコントローラの設計 (5)制御アルゴリズムの生成およびDSPへの実装 (6)制御の実行
【0028】次に、制御対象のモデリングおよびその低
次元化の設計について、以下に詳述する。第2の実施の
形態に適用される磁気軸受スピンドルのロータは実際に
は複雑な形状をしており、また、連続体であるので無限
の振動モードを有しているためモデル化が困難である。
ここでは、簡単のためX方向のみを扱う。連続体として
の弾性ロータは図6のように簡単化し、これに対して有
限要素法を適用するために、異なる軸に対して全スパン
長さを12の要素に分割して13のディスクに集中質量
を負荷している。
次元化の設計について、以下に詳述する。第2の実施の
形態に適用される磁気軸受スピンドルのロータは実際に
は複雑な形状をしており、また、連続体であるので無限
の振動モードを有しているためモデル化が困難である。
ここでは、簡単のためX方向のみを扱う。連続体として
の弾性ロータは図6のように簡単化し、これに対して有
限要素法を適用するために、異なる軸に対して全スパン
長さを12の要素に分割して13のディスクに集中質量
を負荷している。
【0029】(a)弾性ロータのモデリング 図6によりフリーフリーの弾性ロータにおける運動方程
式は次式のように表される。 Mq″+Kq′=0・・・(1) ここで、q=[x1 ,θ1 ,x2 ,θ2 ,・・・x13,
θ13]T である。Xj 、θj ( j=1,・・・,13)
は、それぞれのロータの質量の変位と角度を表す。特
に、x5 とx11は図6で示すように電磁石の設置場所を
示す。また、M∈R26*26 は慣性マトリックス、K∈R
26*26 は剛性マトリックスであり、記号「*」は掛け算
を示す記号「×」の代用であって、以下同様であり、図
面についても同様である。
式は次式のように表される。 Mq″+Kq′=0・・・(1) ここで、q=[x1 ,θ1 ,x2 ,θ2 ,・・・x13,
θ13]T である。Xj 、θj ( j=1,・・・,13)
は、それぞれのロータの質量の変位と角度を表す。特
に、x5 とx11は図6で示すように電磁石の設置場所を
示す。また、M∈R26*26 は慣性マトリックス、K∈R
26*26 は剛性マトリックスであり、記号「*」は掛け算
を示す記号「×」の代用であって、以下同様であり、図
面についても同様である。
【0030】電磁力の吸引力は厳密には複雑な式となる
が、実用的には簡略化した次式で十分である。 P′=A/μ0 ・B2 =A/μ0 [N(i0 +i)/(1/ μ+2(x0 +x)/ μ0)] 2 ・・・(2) ただし、P′: 吸引力,μ0 :透磁率,A:対向面積,
N:コイル巻数, x0: ギャップ長、i0:定常電流であ
る。式(2)をi,xについてテーラ展開し、i0≫i,
x0 ≫xの仮定のもとで線形項のみを取り出すと、吸引
力は次式となる。 P′1 ≒p0 +kx x−ki i ・・
・(3) ただし、p0 =μ0 AN2 i0 2 /4x0 2 ,kx =2
p0 /x0 ,ki =2p0 /i0 である。ここで、p0
は定常吸引力である。一方で、対向に置く電磁力の吸引
力は次式となる。 P′2 ≒p0 −kx x+ki i・・・(4)
が、実用的には簡略化した次式で十分である。 P′=A/μ0 ・B2 =A/μ0 [N(i0 +i)/(1/ μ+2(x0 +x)/ μ0)] 2 ・・・(2) ただし、P′: 吸引力,μ0 :透磁率,A:対向面積,
N:コイル巻数, x0: ギャップ長、i0:定常電流であ
る。式(2)をi,xについてテーラ展開し、i0≫i,
x0 ≫xの仮定のもとで線形項のみを取り出すと、吸引
力は次式となる。 P′1 ≒p0 +kx x−ki i ・・
・(3) ただし、p0 =μ0 AN2 i0 2 /4x0 2 ,kx =2
p0 /x0 ,ki =2p0 /i0 である。ここで、p0
は定常吸引力である。一方で、対向に置く電磁力の吸引
力は次式となる。 P′2 ≒p0 −kx x+ki i・・・(4)
【0031】一般に、この線形化は1対の向かい合う電
磁石で実現することが多く、その場合は電磁石の吸引力
は次式となる。 P=P′1 −P′2 =2kx x−2ki i・・・(5) 図6のモデルの場合、式(1)の弾性ロータが式(5)
の吸引力によって制御され拘束されるので次式が得られ
る。 Mq″+Kq=Fp+D・・・(6) ただし、F、P、P5 、P11、は、図9の(A)に示す
ものとする。ここで、Fは電磁石の設置場所を示す行列
で、D∈R26*1は不釣り合い力やその他の外乱・負荷力
を表す。式(6)をバイアス吸引力と制御吸引力に分け
て整理すれば、次式となる。 Mq″+Cq′+K0 q=F0 i+D・・・(7) ただし、i、K0 、F0 、Ki は、図9の(B)に示す
ものとする。
磁石で実現することが多く、その場合は電磁石の吸引力
は次式となる。 P=P′1 −P′2 =2kx x−2ki i・・・(5) 図6のモデルの場合、式(1)の弾性ロータが式(5)
の吸引力によって制御され拘束されるので次式が得られ
る。 Mq″+Kq=Fp+D・・・(6) ただし、F、P、P5 、P11、は、図9の(A)に示す
ものとする。ここで、Fは電磁石の設置場所を示す行列
で、D∈R26*1は不釣り合い力やその他の外乱・負荷力
を表す。式(6)をバイアス吸引力と制御吸引力に分け
て整理すれば、次式となる。 Mq″+Cq′+K0 q=F0 i+D・・・(7) ただし、i、K0 、F0 、Ki は、図9の(B)に示す
ものとする。
【0032】いまモード解析の方法を適用し、正規化さ
れたモード行列Ψ∈R26*26 を用いて、 q=Ψξ・・・(8) とすれば、式(7)は次のモード座標系での変位ベクト
ルξ∈R26*1により次式となる。 ξ″+Λξ′+Ω2 ξ=f0 i+d′・・・(9) ただし、I=ΨT MΨ、Ω2 =ΨT K0 Ψ、Λ=2ξΩ
=ΨT CΨ、f0 =ΨTF0 、d′=ΨT D=Πdであ
る。
れたモード行列Ψ∈R26*26 を用いて、 q=Ψξ・・・(8) とすれば、式(7)は次のモード座標系での変位ベクト
ルξ∈R26*1により次式となる。 ξ″+Λξ′+Ω2 ξ=f0 i+d′・・・(9) ただし、I=ΨT MΨ、Ω2 =ΨT K0 Ψ、Λ=2ξΩ
=ΨT CΨ、f0 =ΨTF0 、d′=ΨT D=Πdであ
る。
【0033】(b)アクチュエータのモデリング 磁気軸受電磁石コイルへの入力電圧とコイル電流の間に
はインダクタンスを周波数、ギャップに依存しないと仮
定して、一般に次式が成立する。 V′1 =(d/dt)・(L1(i0 +i))+R(i0 +i)+e・・・(10 ) ここで、V′1 : コイル入力電圧、L1 :コイルのイン
ダクタンス、R: コイル抵抗、i: コイル電流、e: 外
乱である。コイルのインダクタンスは、次式となる。 L1 =N2 A((l0 / μ) +2( x0 +x)/μ0 )-1≒ μ0 N2 A/2 (x0 +x)・・・(11) 従って、式(10)右辺第1項は次のようになる。 (d/dt)(L1(i0 +i))=(∂/∂L1 )(L1 (i0 +i))・dL 1 /dt+(∂/∂(i0 +i))(L1 (i0 +i))・di/dt≒−μ0 N2 A/2(x0 +x)2 ・(i0 +i)ν+L1 ・di/dt・・・・・(1 2) ここで、ν=dx/dtである。
はインダクタンスを周波数、ギャップに依存しないと仮
定して、一般に次式が成立する。 V′1 =(d/dt)・(L1(i0 +i))+R(i0 +i)+e・・・(10 ) ここで、V′1 : コイル入力電圧、L1 :コイルのイン
ダクタンス、R: コイル抵抗、i: コイル電流、e: 外
乱である。コイルのインダクタンスは、次式となる。 L1 =N2 A((l0 / μ) +2( x0 +x)/μ0 )-1≒ μ0 N2 A/2 (x0 +x)・・・(11) 従って、式(10)右辺第1項は次のようになる。 (d/dt)(L1(i0 +i))=(∂/∂L1 )(L1 (i0 +i))・dL 1 /dt+(∂/∂(i0 +i))(L1 (i0 +i))・di/dt≒−μ0 N2 A/2(x0 +x)2 ・(i0 +i)ν+L1 ・di/dt・・・・・(1 2) ここで、ν=dx/dtである。
【0034】その結果、式(10)は次式となる。 V′1 ≒−μ0 N2 A/2(x0 +x)・(i0 +i)ν+L1 ・di/dt +R(i0 +i)+e・・・(13) i0 ≫i,x0 ≫xなる仮定をおいて、式(13)は次
のようになる。 V′1 ≒−kv ν+L1 ・di/dt+R(i0 +i)+e・・(14a) ここで、kv =(μ0 N2 A/2x0 2 )i0 である。
のようになる。 V′1 ≒−kv ν+L1 ・di/dt+R(i0 +i)+e・・(14a) ここで、kv =(μ0 N2 A/2x0 2 )i0 である。
【0035】一方で、対向に置く電磁石に対して次式が
成立する。 V′2 ≒kv ν−L2 ・di/dt+R(i0 −i)−e・・・(14b) ここで、L2 ≒μ0 N2 A/2(x0 −x)である。そ
の結果、1対の向かい合う電磁力の電圧は次式となる。 V=V′1 −V′2 ≒−2kv ν+(L1 +L2 )・di/dt+2Ri+2e ≒−2kv ν+2L・di/dt+2Ri+2e・・・(15) ここで、L1 ≒L2 ≒L≒μ0 N2 A/2x0 である。
成立する。 V′2 ≒kv ν−L2 ・di/dt+R(i0 −i)−e・・・(14b) ここで、L2 ≒μ0 N2 A/2(x0 −x)である。そ
の結果、1対の向かい合う電磁力の電圧は次式となる。 V=V′1 −V′2 ≒−2kv ν+(L1 +L2 )・di/dt+2Ri+2e ≒−2kv ν+2L・di/dt+2Ri+2e・・・(15) ここで、L1 ≒L2 ≒L≒μ0 N2 A/2x0 である。
【0036】(c)磁気軸受のモデリング 式(9),(15)から、磁気軸受の状態方程式は次式
となる。 『xf 』=Af xf +Bf u+Df ・・・(16a) ここで、xf 、u、Af 、Bf 、Df 、E1 、Ei 、E
u 、Eは、図10に示すものとする。センサレスの磁気
軸受装置の出力方程式は、次のようになる。 y=Cf xf =[i5 i11 ]T ・・・(16b) ここで、Cf は、図11の(A)に示すものとする。
となる。 『xf 』=Af xf +Bf u+Df ・・・(16a) ここで、xf 、u、Af 、Bf 、Df 、E1 、Ei 、E
u 、Eは、図10に示すものとする。センサレスの磁気
軸受装置の出力方程式は、次のようになる。 y=Cf xf =[i5 i11 ]T ・・・(16b) ここで、Cf は、図11の(A)に示すものとする。
【0037】両端フリーの弾性ロータは、一般に無数の
振動モードを有している。弾性ロータ・磁気軸受系は本
来不安定系であるため、まず安定化制御が必要となる。
この場合、厳密に言えば、不安定モードはパラレルとコ
ニカルの2つの剛性モードのみで、弾性モードは減衰性
が悪いが、本質的に安定なモードである。そこで、低次
元化モデルの作成にあたっては2つの剛性モードの安定
化と、何次までの弾性モードを制振するかという立場で
考えることになる。低次元化モデルはモード座標系にお
いて、高次振動モードを切り捨てることによって作成さ
れる。ここで、r次モードまでを含む低次元化モデルの
状態方程式を記述すると、式(16)は次式となる。 『xr 』=Ar xr +Br u+Dr ・・・・(17a) y=Cr xr =[i5 i11]T ・・・(17b) ここで、xr 、Ar 、Br 、Cr 、Dr 、は、図11の
(B)に示すものとする。
振動モードを有している。弾性ロータ・磁気軸受系は本
来不安定系であるため、まず安定化制御が必要となる。
この場合、厳密に言えば、不安定モードはパラレルとコ
ニカルの2つの剛性モードのみで、弾性モードは減衰性
が悪いが、本質的に安定なモードである。そこで、低次
元化モデルの作成にあたっては2つの剛性モードの安定
化と、何次までの弾性モードを制振するかという立場で
考えることになる。低次元化モデルはモード座標系にお
いて、高次振動モードを切り捨てることによって作成さ
れる。ここで、r次モードまでを含む低次元化モデルの
状態方程式を記述すると、式(16)は次式となる。 『xr 』=Ar xr +Br u+Dr ・・・・(17a) y=Cr xr =[i5 i11]T ・・・(17b) ここで、xr 、Ar 、Br 、Cr 、Dr 、は、図11の
(B)に示すものとする。
【0038】次に、上述で求めた低次元化モデルを用い
て、VSS外乱型オブザーバの設計の方法について説明
する。上記のプラントの力学的解析は、全てのシステム
状態変数が知られているという仮定に基づいている。し
かし、このシステムでは、2つの電磁石(アクチュエー
タ)の電流のみが直接計測できるので、状態オブザーバ
は、システム状態推定を用いなければならない。更に、
式(15)の不釣り合い外乱Df1は、計測するのが困難
である。この不釣り合い外乱を直接補正する目的で、外
乱の信号を発生させるために、外乱の推定を利用しなけ
ればならない。離散時間VSSオブザーバは、このセク
ションでは、システムの状態ベクトルと不釣り合い外乱
を同時に推定するものとして記述する。この磁気軸受け
装置では、ロータに働く正弦方向の力がマッチングの状
態を満足させない不釣り合いな振動を一般に引き起こ
す。それ故、ここでは不釣り合いな力(外乱w1 )を次
のように考える。 w1 =asinω0t・・・(21) この不釣合力を状態量とみなすとその状態方程式は、状
態ベクトルを(w)とすれば、次式となる。 『w』=AW w・・・(22a) d=Lw・・・・・(22b) ここで、w、AW 、Lは、図12の(A)に示すとおり
である。
て、VSS外乱型オブザーバの設計の方法について説明
する。上記のプラントの力学的解析は、全てのシステム
状態変数が知られているという仮定に基づいている。し
かし、このシステムでは、2つの電磁石(アクチュエー
タ)の電流のみが直接計測できるので、状態オブザーバ
は、システム状態推定を用いなければならない。更に、
式(15)の不釣り合い外乱Df1は、計測するのが困難
である。この不釣り合い外乱を直接補正する目的で、外
乱の信号を発生させるために、外乱の推定を利用しなけ
ればならない。離散時間VSSオブザーバは、このセク
ションでは、システムの状態ベクトルと不釣り合い外乱
を同時に推定するものとして記述する。この磁気軸受け
装置では、ロータに働く正弦方向の力がマッチングの状
態を満足させない不釣り合いな振動を一般に引き起こ
す。それ故、ここでは不釣り合いな力(外乱w1 )を次
のように考える。 w1 =asinω0t・・・(21) この不釣合力を状態量とみなすとその状態方程式は、状
態ベクトルを(w)とすれば、次式となる。 『w』=AW w・・・(22a) d=Lw・・・・・(22b) ここで、w、AW 、Lは、図12の(A)に示すとおり
である。
【0039】次に、式(21)、(22)より拡大系を
作る。拡大系の状態方程式、出力方程式は、次式とな
る。 『xd 』=Ad x d +Bd u+Dd ・・・(23a) yd =Cd xd ・・・(23b) ここで、xd 、Ad 、Bd 、Cd 、Dd は、図12の
(B)に示すとおりである。また、Ar 、Br 、Cr 、
Dr は、上述の(17)式に示すとおりである。式(2
3)の等価離散時間系は、次のようになる。 xd ( k+1)=Φd xd ( k)+Γd1u(k)+Γd2(k)(24a) yd =Cd xd (k)・・・(24b) ここで、Φd 、Γd1、Γd2は、図12の(C)に示すと
おりである。
作る。拡大系の状態方程式、出力方程式は、次式とな
る。 『xd 』=Ad x d +Bd u+Dd ・・・(23a) yd =Cd xd ・・・(23b) ここで、xd 、Ad 、Bd 、Cd 、Dd は、図12の
(B)に示すとおりである。また、Ar 、Br 、Cr 、
Dr は、上述の(17)式に示すとおりである。式(2
3)の等価離散時間系は、次のようになる。 xd ( k+1)=Φd xd ( k)+Γd1u(k)+Γd2(k)(24a) yd =Cd xd (k)・・・(24b) ここで、Φd 、Γd1、Γd2は、図12の(C)に示すと
おりである。
【0040】マッチング条件を満たす外乱に対して、以
下の仮定を設ける。 Γd2(k)=Γd1h(k)・・・(25) ここで、‖h(k)‖≦η、η>0、h(k)は外乱の
最大推定値である。(Cd 、Φd )は可観測であるの
で、ある行列GO が存在する。すなわち、 ΦO =Φd −GO Cd ・・・(26) ここで、GO =(R+Cd PCd T ) -1Cd PΦd T ・・・(27) また、Pは次のリカッティ方程式の解である。 Φd PΦd T −Φd PCd T (R+Cd PCd T ) -1Cd T PT Φd T +Q=P ・・・(28) ただし、Q≧0、R>0である。
下の仮定を設ける。 Γd2(k)=Γd1h(k)・・・(25) ここで、‖h(k)‖≦η、η>0、h(k)は外乱の
最大推定値である。(Cd 、Φd )は可観測であるの
で、ある行列GO が存在する。すなわち、 ΦO =Φd −GO Cd ・・・(26) ここで、GO =(R+Cd PCd T ) -1Cd PΦd T ・・・(27) また、Pは次のリカッティ方程式の解である。 Φd PΦd T −Φd PCd T (R+Cd PCd T ) -1Cd T PT Φd T +Q=P ・・・(28) ただし、Q≧0、R>0である。
【0041】これから、式(24)に対する正定対称な
行列Q1 とF1 が存在するとして、次式を仮定する。 F1 C d=Γd1 T P1 ・・・(29) ここで、P1 は次のようなリアプノフ方程式の唯一正対
称解である。 ΦO T P1 ΦO +Q1 =P1 、 Q1 ≧0 ・・・(30) 今回は、式(24)のシステムの出入力数は同じである
ので、F1 =I2 を得ることができる。オブザーバの出
力から系の状態への誤差は、次式のように与えられる。 ‘xd ’(k)=“xd ”(k)−xd (k)・・・(31)
行列Q1 とF1 が存在するとして、次式を仮定する。 F1 C d=Γd1 T P1 ・・・(29) ここで、P1 は次のようなリアプノフ方程式の唯一正対
称解である。 ΦO T P1 ΦO +Q1 =P1 、 Q1 ≧0 ・・・(30) 今回は、式(24)のシステムの出入力数は同じである
ので、F1 =I2 を得ることができる。オブザーバの出
力から系の状態への誤差は、次式のように与えられる。 ‘xd ’(k)=“xd ”(k)−xd (k)・・・(31)
【0042】この時、ロバスト性を高めたVSS外乱オ
ブザーバは、次式のように表される。 “xd ”(k+1)=ΦO “xd ”(k)+G0 ‘yd ’(k)+M(yd ( k))+Γd1u(k)・・・(32) また、(32)式中のM(yd (k))、xd 、右辺第
3項のyd (k)は、図19の(D)に示すとおりであ
る。ここでは、ρは、以下のように決定され、且つγ>
0は、正の数である。γの効果により、本当のスライデ
ィング状態と超平面交差に近接したモーションとの間で
の妥協がもたらされる。式(24)、(25)、(3
2)を合わせると、オブザーバの出力と状態との誤差
は、次の式に従う。 “xd ”(k+1)=ΦO “xd ”(k)+M(‘yd ’(k))−Γd1h( k)・・・(32A) ρをρ≧ηに従って選択すると、エラーは、指数関数的
に減少させることができる。このようにして求めた(3
2)式をブロック線図に表すと、図7に示すようにな
る。
ブザーバは、次式のように表される。 “xd ”(k+1)=ΦO “xd ”(k)+G0 ‘yd ’(k)+M(yd ( k))+Γd1u(k)・・・(32) また、(32)式中のM(yd (k))、xd 、右辺第
3項のyd (k)は、図19の(D)に示すとおりであ
る。ここでは、ρは、以下のように決定され、且つγ>
0は、正の数である。γの効果により、本当のスライデ
ィング状態と超平面交差に近接したモーションとの間で
の妥協がもたらされる。式(24)、(25)、(3
2)を合わせると、オブザーバの出力と状態との誤差
は、次の式に従う。 “xd ”(k+1)=ΦO “xd ”(k)+M(‘yd ’(k))−Γd1h( k)・・・(32A) ρをρ≧ηに従って選択すると、エラーは、指数関数的
に減少させることができる。このようにして求めた(3
2)式をブロック線図に表すと、図7に示すようにな
る。
【0043】次に、上記のように設計したVSS外乱オ
ブザーバにより推定した状態量と外乱を用いて、離散時
間スライディングモードコントローラの設計について、
その手順を説明する。ここでは、1型のサーボ系を設計
することが必要であり、目標値と観測量の差の積分値z
(ベクトル量)は新たな状態変数として、次式で与えら
れる。 z=r−“x”・・・(33) ここで、r=[r5 r11]T 、“x”=[“x5 ”“x
11”]T である。なお、rは目標値入力である。これと
元の低次元化の運動方程式(上記の式(17))から得
られる拡大状態方程式を次式とする。 『xi 』=Ai xi +Bi u+Di +Gr・・・(34a) y=Ci xi =[i5 i11]T ・・・(34b) ここで、xi 、z、r、Ai 、Bi 、Di 、G、E2 、
Ci は、図13の(A)に示すとおりである。
ブザーバにより推定した状態量と外乱を用いて、離散時
間スライディングモードコントローラの設計について、
その手順を説明する。ここでは、1型のサーボ系を設計
することが必要であり、目標値と観測量の差の積分値z
(ベクトル量)は新たな状態変数として、次式で与えら
れる。 z=r−“x”・・・(33) ここで、r=[r5 r11]T 、“x”=[“x5 ”“x
11”]T である。なお、rは目標値入力である。これと
元の低次元化の運動方程式(上記の式(17))から得
られる拡大状態方程式を次式とする。 『xi 』=Ai xi +Bi u+Di +Gr・・・(34a) y=Ci xi =[i5 i11]T ・・・(34b) ここで、xi 、z、r、Ai 、Bi 、Di 、G、E2 、
Ci は、図13の(A)に示すとおりである。
【0044】式(34)から等価離散時間系は、次のよ
うになる。 xi (k+1)=Φxi (k) +Γ1 u (k) +Γ2 r (k) +Ξ1(k) +Ξ2(k ) ・・・(35a) y (k) =Ci xi (k) ・・・(35b) ここで、Φ、Γ1 、Γ2 、u (t) は、図13の(B)
に示すとおりである。また、式(34)中の外乱は、図
13の(C)に示すようになる。ここで、 Ξ2 (k)=Di2 (k) =Γ1 h(k)・・・(36A) Ξ1 (k)=Di1(k) である。
うになる。 xi (k+1)=Φxi (k) +Γ1 u (k) +Γ2 r (k) +Ξ1(k) +Ξ2(k ) ・・・(35a) y (k) =Ci xi (k) ・・・(35b) ここで、Φ、Γ1 、Γ2 、u (t) は、図13の(B)
に示すとおりである。また、式(34)中の外乱は、図
13の(C)に示すようになる。ここで、 Ξ2 (k)=Di2 (k) =Γ1 h(k)・・・(36A) Ξ1 (k)=Di1(k) である。
【0045】切り換え関数σ(k)は、次のように定義
される。 σ(k)=Sxi (k)・・・(37) Sはσ(k)=0を満足する状態空間の超平面上におい
て式(35)のシステムの状態を安定にするように設計
する。まず、この超平面上にあるサンプル時刻において
Sxi (k)が一定値をとる超平面上に到達したとき、
引続くサンプル時刻において状態を超平面上に留める等
価入力を求めてみる。σ(k)=Sxi (k)とすると
き、σ(k)=σ(k+1) for k>k1 ・・・
(38)を満たす等価入力は、次式となる。 ueq(k)=−(SΓ)-1[S(Φ−I)xi (k)+SΓ2 r(k)]−h (k)・・・(39) ここで、Ξ1 (k)は、図13の(D)に示すとおりで
ある。
される。 σ(k)=Sxi (k)・・・(37) Sはσ(k)=0を満足する状態空間の超平面上におい
て式(35)のシステムの状態を安定にするように設計
する。まず、この超平面上にあるサンプル時刻において
Sxi (k)が一定値をとる超平面上に到達したとき、
引続くサンプル時刻において状態を超平面上に留める等
価入力を求めてみる。σ(k)=Sxi (k)とすると
き、σ(k)=σ(k+1) for k>k1 ・・・
(38)を満たす等価入力は、次式となる。 ueq(k)=−(SΓ)-1[S(Φ−I)xi (k)+SΓ2 r(k)]−h (k)・・・(39) ここで、Ξ1 (k)は、図13の(D)に示すとおりで
ある。
【0046】また、行列(SΓ1 )-1は正則行列と仮定
する。このとき、システムの運動方程式は、次のように
与えられる。 xi (k+1)=[Φ−Γ1 (SΓ1 )-1S(Φ−I)]xi (k)+[I− Γ1 (SΓ1 )-1S]Γ2 r(k)・・・(40a) σ(k)=Sxi (k)=0・・・(40b) これから、スイッチングマトリックスSは、このシステ
ムが安定となるように選ばなくてはならない。ここで
は、この設計法にシステムのゼロ点を利用する方法を用
いる。ここで、安定度を指定したシステムΦは次式で示
される。 Φe =Φ+eI 、e≧0・・・(41) また、Sは次式により求まる。 ST =(R2 +Γ1 T PΓ1 )-1Γ1 T PΦe ・・・(42) ただし、Pは次のリカッティ方程式の解である。 P−Φe T PΦe +Φe T PΓ1 (R2 +Γ1 T PΓ1 )-1Γ1 T PΦe − Q2 =0・・・(43) ここで、Q2 ≧0,R2 >0である。
する。このとき、システムの運動方程式は、次のように
与えられる。 xi (k+1)=[Φ−Γ1 (SΓ1 )-1S(Φ−I)]xi (k)+[I− Γ1 (SΓ1 )-1S]Γ2 r(k)・・・(40a) σ(k)=Sxi (k)=0・・・(40b) これから、スイッチングマトリックスSは、このシステ
ムが安定となるように選ばなくてはならない。ここで
は、この設計法にシステムのゼロ点を利用する方法を用
いる。ここで、安定度を指定したシステムΦは次式で示
される。 Φe =Φ+eI 、e≧0・・・(41) また、Sは次式により求まる。 ST =(R2 +Γ1 T PΓ1 )-1Γ1 T PΦe ・・・(42) ただし、Pは次のリカッティ方程式の解である。 P−Φe T PΦe +Φe T PΓ1 (R2 +Γ1 T PΓ1 )-1Γ1 T PΦe − Q2 =0・・・(43) ここで、Q2 ≧0,R2 >0である。
【0047】超平面の設計後、次に重要なことは、スラ
イディングモードの存在を保証することである。VSS
は可変フィードバックゲインを持つ閉ループ系として考
えることができる。今、リアプノフ関数を次式のように
考える。 V(t)=0・5σ(t)2 ・・・(44) 式(44)を離散化して、その微分は次式のようにてな
る。 V(k+1)=σ(k)T (σ(k+1)−σ(k))/Δ・・・(45)
イディングモードの存在を保証することである。VSS
は可変フィードバックゲインを持つ閉ループ系として考
えることができる。今、リアプノフ関数を次式のように
考える。 V(t)=0・5σ(t)2 ・・・(44) 式(44)を離散化して、その微分は次式のようにてな
る。 V(k+1)=σ(k)T (σ(k+1)−σ(k))/Δ・・・(45)
【0048】一方、次の新たなリアプノフ関数を設け
る。 V(k+1)=−σ(k)T G1 σ(k)・・・(46) ここで、G1 =diag[g1 , ・・・, gm ]、 g1 >
0、( i=1,・・・,m)である。式(45),(4
6)から、次式が得られる。 σ(k)T [G1 σ(k)+(σ(k+1)−σ(k))/Δ]=0・・・(4 7) この結果、次式が得られる。σ(k+1)−σ(k)=
−ΔG1 σ(k)=−Jσ(k)・・・(48)ここ
で、J=diag[Δg1 ,・・・,Δgm ]=diag[j
1 ,・・・,jm ]、0<ji <1(i=1,・・・,
m)である。
る。 V(k+1)=−σ(k)T G1 σ(k)・・・(46) ここで、G1 =diag[g1 , ・・・, gm ]、 g1 >
0、( i=1,・・・,m)である。式(45),(4
6)から、次式が得られる。 σ(k)T [G1 σ(k)+(σ(k+1)−σ(k))/Δ]=0・・・(4 7) この結果、次式が得られる。σ(k+1)−σ(k)=
−ΔG1 σ(k)=−Jσ(k)・・・(48)ここ
で、J=diag[Δg1 ,・・・,Δgm ]=diag[j
1 ,・・・,jm ]、0<ji <1(i=1,・・・,
m)である。
【0049】一方、式(37)と(35)から、次式が
得られる。 σ(k+1)−σ(k)=Sxi (k+1)−Sxi (k)=SΦxi (k) +SΓ1 u(k)+SΞ2 (k)+SΓ2 r(k)−Sxi (k)・・・(49 ) そして、式(49)を式(48)に代入すると、その結
果、次式が得られる。 −Jσ(k)=SΦxi (k)+SΓ1 u(k)+SΞ2 (k)+SΓ2 r( k)−Sxi (k)・・・(50) 式(36A)と式(50)により、次の制御法則を得る
ことが出来る。 u(k)=−(SΓ1 )-1[S(Φ−I)xi (k)+SΓ2 r(k)]−h (k)−(SΓ1 )-1JSxi (k)・・・(51) 式50と39を比較すると、次の式46を得られる。 u(k)=ueq(k)−(SΓ1 )-1JSxi (k)・・・(52)
得られる。 σ(k+1)−σ(k)=Sxi (k+1)−Sxi (k)=SΦxi (k) +SΓ1 u(k)+SΞ2 (k)+SΓ2 r(k)−Sxi (k)・・・(49 ) そして、式(49)を式(48)に代入すると、その結
果、次式が得られる。 −Jσ(k)=SΦxi (k)+SΓ1 u(k)+SΞ2 (k)+SΓ2 r( k)−Sxi (k)・・・(50) 式(36A)と式(50)により、次の制御法則を得る
ことが出来る。 u(k)=−(SΓ1 )-1[S(Φ−I)xi (k)+SΓ2 r(k)]−h (k)−(SΓ1 )-1JSxi (k)・・・(51) 式50と39を比較すると、次の式46を得られる。 u(k)=ueq(k)−(SΓ1 )-1JSxi (k)・・・(52)
【0050】式(50)における不定のマッチング成分
h(k)の現実値は、一般に不明であるが、既知の範囲
(bounds)により境界が示される。表記を簡単に
するために、h(k)の範囲を次の(53)式から得ら
れるものと仮定する。 Hmin ≦h(k)≦Hmax ・・・(53) もし、式(54)のように選択すると、式(25)に於
ける仮定が式(53)の特殊なケースであることがあき
らかである。 Hmax =−Hmin =η・Define H1 =Hmin +Hmax /2 、H2 =Hmin −Hmax /2・・・(54) 成分h(k)は、以下のように表される。 h(k)=H1 +H2 sgn(σ(k))・・・(5
5) 式(55)式(51)を代入すると、最終的な制御法則
が次のように表される。 u(k)=u1 (k)+u2 (k)・・・(56) ここで、u1 (k)=−(SΓ1 )-1[S(Φ−I)x
i (k)+SΓ2 r(k)]−H1 −H2 sgn(σ
(k))(SΓ1 )-1JSxi (k)であり、u
2(k)=−(SΓ1 )-1SΞ1 (k)である。
h(k)の現実値は、一般に不明であるが、既知の範囲
(bounds)により境界が示される。表記を簡単に
するために、h(k)の範囲を次の(53)式から得ら
れるものと仮定する。 Hmin ≦h(k)≦Hmax ・・・(53) もし、式(54)のように選択すると、式(25)に於
ける仮定が式(53)の特殊なケースであることがあき
らかである。 Hmax =−Hmin =η・Define H1 =Hmin +Hmax /2 、H2 =Hmin −Hmax /2・・・(54) 成分h(k)は、以下のように表される。 h(k)=H1 +H2 sgn(σ(k))・・・(5
5) 式(55)式(51)を代入すると、最終的な制御法則
が次のように表される。 u(k)=u1 (k)+u2 (k)・・・(56) ここで、u1 (k)=−(SΓ1 )-1[S(Φ−I)x
i (k)+SΓ2 r(k)]−H1 −H2 sgn(σ
(k))(SΓ1 )-1JSxi (k)であり、u
2(k)=−(SΓ1 )-1SΞ1 (k)である。
【0051】装置、離散時間VSS外乱オブザーバ、お
よび離散時間スライディングモードコントローラを含む
閉ループシステムは、ユニットサークル内で、安定した
固有値を得る。図8は、VSSオブザーバに基づいて提
案されたスライディングモード制御システムの全体のブ
ロックダイアグラムである。
よび離散時間スライディングモードコントローラを含む
閉ループシステムは、ユニットサークル内で、安定した
固有値を得る。図8は、VSSオブザーバに基づいて提
案されたスライディングモード制御システムの全体のブ
ロックダイアグラムである。
【0052】このような手順で設計される制御装置は、
第1の実施の形態の場合と同様に、図4の制御装置によ
り実現できる。ただし、図5に示すVSS外乱型オブザ
ーバ31やVSCコントローラ33などの機能が、図1
に示すVSSオブザーバ21やVSCコントローラ25
とは異なるので、VSS外乱型オブザーバ31やVSC
コントローラ33の機能を満たすプログラムによりDS
P(デジタルシグナルプロセッサ)44を動作させる必
要がある。
第1の実施の形態の場合と同様に、図4の制御装置によ
り実現できる。ただし、図5に示すVSS外乱型オブザ
ーバ31やVSCコントローラ33などの機能が、図1
に示すVSSオブザーバ21やVSCコントローラ25
とは異なるので、VSS外乱型オブザーバ31やVSC
コントローラ33の機能を満たすプログラムによりDS
P(デジタルシグナルプロセッサ)44を動作させる必
要がある。
【0053】次に、本発明にかかるVSSオブザーバと
従来の線形オブザーバの場合における同一条件でのイン
パルス外乱に対する応答性のシミュレーションの結果を
図14および図15に示す。図14はVSSオブザーバ
の結果であり、同図(A)は時間(Time)と変位
(Displacemennt)の関係を示し、同図
(B)は時間と電流(Current)の関係を示す。
図15は従来の線形オブザーバの結果である。図から明
らかなように、本発明にかかるVSSオブザーバを用い
るスライディングモード制御の場合には、外乱に対して
時間とともに、短時間で減衰して零に収束することがわ
かる。また、外乱に対する振幅は、VSSオブザーバを
用いるスライディングモード制御の場合には、従来の線
型オブザーバに比べて1/100程度に小さくできる。
従来の線形オブザーバの場合における同一条件でのイン
パルス外乱に対する応答性のシミュレーションの結果を
図14および図15に示す。図14はVSSオブザーバ
の結果であり、同図(A)は時間(Time)と変位
(Displacemennt)の関係を示し、同図
(B)は時間と電流(Current)の関係を示す。
図15は従来の線形オブザーバの結果である。図から明
らかなように、本発明にかかるVSSオブザーバを用い
るスライディングモード制御の場合には、外乱に対して
時間とともに、短時間で減衰して零に収束することがわ
かる。また、外乱に対する振幅は、VSSオブザーバを
用いるスライディングモード制御の場合には、従来の線
型オブザーバに比べて1/100程度に小さくできる。
【0054】以上述べた実施の形態によれば、以下の効
果を奏することができる。 (1)従来技術に比べて、不釣り合い力に対する制御性
能が向上する。 (2)パラメータ変動に対するロバスト性能が向上す
る。 (3)非線形特性に対してロバストになる。 (4)デジタル制御により実現するときには、実装が容
易となる。 (5)従来技術に比べて、同一制御入力に対する公称制
御特性(ノミナル性能)が優れている。
果を奏することができる。 (1)従来技術に比べて、不釣り合い力に対する制御性
能が向上する。 (2)パラメータ変動に対するロバスト性能が向上す
る。 (3)非線形特性に対してロバストになる。 (4)デジタル制御により実現するときには、実装が容
易となる。 (5)従来技術に比べて、同一制御入力に対する公称制
御特性(ノミナル性能)が優れている。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
では、スライディングモード制御理論を用いて、VSS
オブザーバにより回転体の直接観測できない変位を電磁
石のコイルに流れる電流と制御入力から推定し、その推
定した変位に基いて、VSCコントローラが電磁石を調
節する信号として予め定めた線形的な利得利得と非線形
的な利得を求めて両者を加算し、この加算信号を制御入
力とするようにした。また、請求項2の発明では、スラ
イディングモード制御理論を用いて、VSS外乱型オブ
ザーバが、電磁石のコイルに流れる電流と制御入力に基
づき、回転体の直接観測できない変位、および回転体に
作用する外乱を推定する。そして、この推定外乱に対し
て所定の係数を掛ける一方、上記の推定変位に基いて、
VSCコントローラが電磁石を調節する信号として予め
定めた線形的な利得利得と非線形的な利得を求めて両者
を加算し、この加算信号と上記の係数が掛けられた推定
外乱とを加算して、この加算信号を制御入力とするよう
にした。
では、スライディングモード制御理論を用いて、VSS
オブザーバにより回転体の直接観測できない変位を電磁
石のコイルに流れる電流と制御入力から推定し、その推
定した変位に基いて、VSCコントローラが電磁石を調
節する信号として予め定めた線形的な利得利得と非線形
的な利得を求めて両者を加算し、この加算信号を制御入
力とするようにした。また、請求項2の発明では、スラ
イディングモード制御理論を用いて、VSS外乱型オブ
ザーバが、電磁石のコイルに流れる電流と制御入力に基
づき、回転体の直接観測できない変位、および回転体に
作用する外乱を推定する。そして、この推定外乱に対し
て所定の係数を掛ける一方、上記の推定変位に基いて、
VSCコントローラが電磁石を調節する信号として予め
定めた線形的な利得利得と非線形的な利得を求めて両者
を加算し、この加算信号と上記の係数が掛けられた推定
外乱とを加算して、この加算信号を制御入力とするよう
にした。
【0056】従って、請求項1及び請求項2の発明によ
れば、以下のような各効果が得られる。 (1)不釣り合い外乱に対して振れ回り運動を抑制で
き、不釣り合い外乱に強いといえる。 (2)例えば目標位置に精度良く追従するというよう
に、パラメータ変動に対するロバスト性能が優れてい
る。 (3)非線形特性に対して頑強である。
れば、以下のような各効果が得られる。 (1)不釣り合い外乱に対して振れ回り運動を抑制で
き、不釣り合い外乱に強いといえる。 (2)例えば目標位置に精度良く追従するというよう
に、パラメータ変動に対するロバスト性能が優れてい
る。 (3)非線形特性に対して頑強である。
【図1】本発明の第1の実施の形態である磁気軸受の制
御装置のブロック図である。
御装置のブロック図である。
【図2】同磁気軸受の概略構成を示す図である。
【図3】図1で示すVSSオブザーバの構成を示すブロ
ック図である。
ック図である。
【図4】第1の実施の形態である磁気軸受の制御装置の
具体的な構成を示す構成図である。
具体的な構成を示す構成図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態である磁気軸受の制
御装置のブロック図である。
御装置のブロック図である。
【図6】磁気軸受スピンドルのモデルを示す図である。
【図7】図5で示すVSS外乱型オブザーバの構成を示
すブロック図である。
すブロック図である。
【図8】離散時間スライディングモードコントローラの
設計手順により得られたスライディングモード制御系の
ブロック図である。
設計手順により得られたスライディングモード制御系の
ブロック図である。
【図9】同設計手順を説明するために必要な数式などを
描いた図である。
描いた図である。
【図10】同設計手順を説明するために必要な数式など
を描いた図である。
を描いた図である。
【図11】同設計手順を説明するために必要な数式など
を描いた図である。
を描いた図である。
【図12】同設計手順を説明するために必要な数式など
を描いた図である。
を描いた図である。
【図13】同設計手順を説明するために必要な数式など
を描いた図である。
を描いた図である。
【図14】本発明にかかるVSSオブザーバのインパル
ス外乱に対する応答性のシミュレーションの結果を示す
図である。
ス外乱に対する応答性のシミュレーションの結果を示す
図である。
【図15】従来の線形オブザーバのインパルス外乱に対
する応答性のシミュレーションのの結果を示す図であ
る。
する応答性のシミュレーションのの結果を示す図であ
る。
1 回転体(ロータ) 2、3 電磁石 21 VSSオブザーバ 22 比較部 23 積分部 24 加算部 25 、33 VSCコントローラ 25A 、33A 線形処理部 25B、33B 非線形処理部 25C 、33C、33D 加算部 26 加算部 27 アンプ 31 VSS外乱型オブザーバ 32 係数部 41、42 ラジアル軸受 41A、42A 電磁石 43 スラスト軸受43 44 DSP(デジタルシグナルプロセッサ) 45 ホストコンピュータ 46 A−D変換器 47 D−A変換器 48 バイアス電流供給回路 49 パワーアンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16C 32/04 G05B 13/00
Claims (2)
- 【請求項1】 回転体を磁気的に支持する電磁石と、 この電磁石を駆動する電磁石駆動手段と、 前記電磁石のコイルに流れる電流を検出する電流検出手
段と、 前記電磁石駆動手段の入力と前記電流検出手段の検出電
流とに基いて、前記電磁石の設置位置の前記回転体の変
位と、前記回転体の任意の位置の変位を推定するVSS
(Variable Structure Syste
m、可変構造システム)オブザーバと、 このVSSオブザーバの推定した前記電磁石の設置位置
の前記回転体の変位を、基準値と比較して両者の偏差を
求める比較手段と、 この比較手段の求めた偏差および前記VSSオブザーバ
の推定した回転体の任意の位置の変位に基いて、前記電
磁石を調節する信号として予め定めた線形的な利得と非
線形的な利得を求めて両者を加算するVSC(Vari
able Structure Control、可変
構造制御)コントローラとを備え、 このVSCコントローラの出力信号を前記電磁石駆動手
段に供給するようにしたことを特徴とする磁気軸受の制
御装置。 - 【請求項2】 回転体を磁気的に支持する電磁石と、 この電磁石を駆動する電磁石駆動手段と、 前記電磁石のコイルに流れる電流を検出する電流検出手
段と、 前記電磁石駆動手段の入力と前記電流検出手段の検出電
流とに基いて、前記電磁石の設置位置の前記回転体の変
位と、前記回転体の任意の位置の変位と、前記回転体に
作用する外乱とをそれぞれ推定するVSS(Varia
ble Structure System)外乱型オ
ブザーバと、 このVSS外乱型オブザーバの推定外乱に対して所定の
係数を掛ける係数手段と、 前記VSS外乱型オブザーバの推定した前記電磁石の設
置位置の前記回転体の変位を、基準値と比較して両者の
偏差を求める比較手段と、 この比較手段の求めた偏差および前記VSS外乱型オブ
ザーバの推定した回転体の任意の位置の変位に基いて、
前記電磁石を調節する信号として予め定めた線形的な利
得と非線形的な利得を求めて両者を加算するVSC(V
ariableStructure Control)
コントローラと、 このVSCコントローラの求めた信号と前記係数手段か
らの出力信号とを加算する加算手段とを備え、 この加算手段の出力信号を前記電磁石駆動手段に供給す
るようにしたことを特徴とする磁気軸受の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7303427A JP2835942B2 (ja) | 1995-10-27 | 1995-10-27 | 磁気軸受の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7303427A JP2835942B2 (ja) | 1995-10-27 | 1995-10-27 | 磁気軸受の制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09126237A JPH09126237A (ja) | 1997-05-13 |
JP2835942B2 true JP2835942B2 (ja) | 1998-12-14 |
Family
ID=17920885
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7303427A Expired - Fee Related JP2835942B2 (ja) | 1995-10-27 | 1995-10-27 | 磁気軸受の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2835942B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4521846B2 (ja) * | 2000-08-18 | 2010-08-11 | 健蔵 野波 | 電磁吸引式磁気軸受とその非線形制御方法 |
JP5445887B2 (ja) * | 2006-08-18 | 2014-03-19 | 国立大学法人 千葉大学 | 磁気軸受装置 |
JP5673087B2 (ja) * | 2010-12-27 | 2015-02-18 | 株式会社明電舎 | モータ制御装置 |
JP5673086B2 (ja) * | 2010-12-27 | 2015-02-18 | 株式会社明電舎 | モータ制御装置 |
JP6321949B2 (ja) * | 2013-11-29 | 2018-05-09 | エドワーズ株式会社 | 磁気軸受装置、及び真空ポンプ |
CN110657159B (zh) * | 2019-09-24 | 2021-02-19 | 东北大学 | 一种磁悬浮轴承稳定控制方法 |
CN117703927B (zh) * | 2024-02-05 | 2024-04-16 | 贵州中航华强科技有限公司 | 一种磁悬浮轴承控制系统 |
CN118030707B (zh) * | 2024-03-29 | 2025-01-24 | 陕西科技大学 | 一种主动电磁轴承的控制系统及方法 |
-
1995
- 1995-10-27 JP JP7303427A patent/JP2835942B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09126237A (ja) | 1997-05-13 |
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