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JP2834196B2 - 高強度、高靭性フェライト系耐熱鋼 - Google Patents

高強度、高靭性フェライト系耐熱鋼

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JP2834196B2
JP2834196B2 JP18363889A JP18363889A JP2834196B2 JP 2834196 B2 JP2834196 B2 JP 2834196B2 JP 18363889 A JP18363889 A JP 18363889A JP 18363889 A JP18363889 A JP 18363889A JP 2834196 B2 JP2834196 B2 JP 2834196B2
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JP
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steel
resistant steel
ferritic heat
heat resistant
strength
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JP18363889A
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一成 徳納
鐵治郎 武田
豊 土田
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高い靭性を有する高強度耐熱鋼に関するもの
であり、特に高温におけるクリープ強度が極めて優秀な
フェライト系耐熱鋼に係わるものである。
〔従来の技術〕
高温高効率型のエネルギープラント用鋼材として、ク
リープ強度が極めて優秀で且つオーステナイト系ステン
レス鋼に見られるような応力腐食割れの心配が少ないフ
ェライト系耐熱鋼が強く要望されている。
この種の用途を目的として開発された鋼としては9〜
12%のCrを含有して耐蝕性を向上させ且つWの固溶体強
化を利用してクリープ強度を向上させた鋼種(文献、伊
勢田ら:CAMP−ISIJ VOL.2(1989)−772)がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら従来鋼種では、Wの添加制御が適切でな
いため、マルテンサイト相中にδフェライトを析出し靭
性を著しく低下させるという重大な欠点を有する。δフ
ェライトは母相マルテンサイトより著しく柔らかい相で
ありこのような柔らかい第二相が硬い母相中に分散する
場合、鋼全体の衝撃特性は著しく低下する。
〔課題を解決するための手段〕
本発明はこのような事情に鑑み創案されたもので、W
を含む高Cr系鋼に、オーステナイト安定化元素であるCo
を適切なバランスで添加してδフェライトの析出を抑制
し且つ高いクリープ強度を持たせることに成功したもの
である。
本発明の特徴とするところは、重量比でC:0.03〜0.2
%、Si:0.05〜1%、Mn:0.1〜1.5%、Cr:8〜13%、Ni:
0.01〜1%、Mo:0.5〜1.5%、V:0.05〜0.5%、Nb:0.01
〜0.15%、N:0.002〜0.1%、W:1%以上、Co:1.5%以上
を含有して且つ1≧1.5W−Co≧0なる関係を満足し、残
部Fe及び不可避的不純物からなる成分系を有することに
ある。
〔作 用〕
以下本発明の限定理由を説明する。
まずCは、焼入れ性と強度確保のため0.03%以上必要
であるが、0.2%を越えた場合の溶接性の低下が著し
い。このためC量は0.03〜0.2%とする。
Siは脱酸材として重要であり最低0.05%を必要とす
る。しかし、靭性及び溶接性に対して悪影響を与えるも
のであり、1%以上添加した場合靭性及び溶接性を損な
う。したがってSi量は0.05〜1%とする。
Mnは脱酸及び焼入れ性確保のため重要であるため最低
0.1%を確保する必要があるが、1.5%を越えると溶接性
の点から好ましくない。このためMn量は0.1〜1.5%とす
る。
Crは耐蝕性と焼入れ性を確保する上で非常に重要であ
るため最低8%必要であるが、13%を越えると溶接性を
著しく損なうと同時にδフェライトを析出させるため靭
性確保上好ましくない。したがってCr量は8〜13%とす
る。
Niはδフェライトの生成を抑制することから0.01%以
上が添加される。しかし1%を越えるとクリープ強度を
著しく低下させるため上限は1%とし、下限を0.01%と
する。
Moは基地中に固溶した場合においてもまた炭化物とし
て析出した場合においても著しいクリープ抵抗となるた
め最低0.5%必要であるが、1.5%を越えると溶接性を損
ない且つδフェライトを析出させるため靭性の低下をも
招く。したがってMo量は0.5〜1.5%とする。
Vは炭窒化物として析出させて強度を確保する上で重
要であるため最低0.05%が必要であるが、0.5%を越え
る添加は溶接性を著しく損なう。したがってV量は0.05
〜0.5%とする。
NbはV同様炭窒化物として析出して強度を確保するほ
か、結晶粒を微細化して靭性を与える元素としても重要
であるため最低0.01%が必要であるが、0.15%を越える
とその効果は飽和してしまうだけではなく溶接性の低下
も招く。したがってNb量は0.01〜0.15%とする。
Nは基地中に固溶しても、また、窒化物として析出し
ても著しいクリープ抵抗として寄与するため最低0.002
%を必要とする。しかし、0.1%以上を添加した場合溶
接性と靭性を同時に損なうようになる。したがってN量
は0.002〜0.1%とする。
Wはフェライト系鋼のクリープ強度に寄与する固溶体
強化元素として最も優れた元素である。またAC1点を上
昇させるので、組織安定化を目的とした高温焼もどしを
可能にする。Wは最低1%の添加を必要とする。しかし
過剰の添加によりδフェライトを析出させ著しい靭性低
下を招くという重大な弊害を引き起こす。一方Coは、W
添加によって生じるδフェライトの析出という問題点を
相殺する重要な元素であり、最低1.5%以上を必要とす
る。しかし過剰添加するとAC1点を下げるため、高温焼
もどしが不可能となり組織の安定化処理ができなくなる
という欠点を有する。このようにWとCoは互いに相反す
る効果を与える元素であり、本合金系での適切な添加バ
ランスは1≧1.5W−Co≧0という範囲である。
〔実施例〕
第1表は、供試鋼の化学組成、600℃、20kgf/mm2の条
件のクラープ試験での破断寿命、0℃でのシャルビー衝
撃試験での吸収エネルギーを示す。
第1表に示す鋼のうち、No.1〜No.4は本発明鋼であ
り、その他は比較鋼である。比較鋼No.5とNo.6は1.5W−
Co<0、No.7とNo.8は1.5−Co>1であり、いずれもW
とCoの添加バランスが適切ではない。また比較鋼No.9は
Moが0.5%以下、比較鋼No.10はVが0.05%以下、比較鋼
No.11はNbが0.01%以下と、それぞれ重要な強化元素が
本発明範囲を下回って添加されている。さらに比較鋼N
o.12はMoが本発明範囲以上添加されている。
比較鋼No.5とNo.6はクリープ変形中における顕著な組
織変化のため破断寿命が短く、一方比較鋼No.7とNo.8は
フェライト析出のための靭性が著しく低い。また比較鋼
No.9〜No.11は強化元素不足のためクリープ破断寿命が
短い。比較鋼No.12はMoの過剰添加のため靭性が低い。
それに対し、本発明鋼No.1〜No.4はいずれも充分なクリ
ープ破断寿命と靭性を有し、申し分の無い特性が得られ
ている。
〔発明の効果〕 以上述べたように、本発明は高Cr系のフェライト系耐
熱鋼に適切なバランスのWとCoを添加することによっ
て、高い靭性を備えた高クリープ強度鋼を提供するもの
であり、その果たす役割は工業上極めて有意義なもので
ある。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−165359(JP,A) 特開 昭61−133365(JP,A) 特開 昭60−13056(JP,A) 特公 昭47−29090(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各元素の添加量を重量比で、 C :0.03〜0.2%、 Si:0.05〜1%、 Mn:0.1〜1.5%、 Cr:8〜13%、 Ni:0.01〜1%、 Mo:0.5〜1.5%、 V :0.05〜0.5%、 Nb:0.01〜0.15%、 N :0.002〜0.1%、 に制限し且つWを1%以上、Coを1.5%以上含み、WとC
    oの添加量の間に、 1≧1.5W−Co≧0 なる関係が成立し、残部Fe及び不可避的不純物からなる
    ことを特徴とする高強度、高靭性フェライト系耐熱鋼。
JP18363889A 1989-07-18 1989-07-18 高強度、高靭性フェライト系耐熱鋼 Expired - Fee Related JP2834196B2 (ja)

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