JP2833091B2 - 多重収縮差混繊糸 - Google Patents
多重収縮差混繊糸Info
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- JP2833091B2 JP2833091B2 JP1457390A JP1457390A JP2833091B2 JP 2833091 B2 JP2833091 B2 JP 2833091B2 JP 1457390 A JP1457390 A JP 1457390A JP 1457390 A JP1457390 A JP 1457390A JP 2833091 B2 JP2833091 B2 JP 2833091B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、各種高級衣料用布帛の製造に好適な多重収
縮差混繊糸に関する。
縮差混繊糸に関する。
[従来の技術] 衣料用布帛に、ふくらみ感やドレープ性、ソフトな表
面タッチ、張り腰、などの好ましい風合を付与せんとし
て、フィラメントの収縮率特性が異なる複数のマルチフ
ィラメント群を混繊し、製織製編する方法については数
多く提案されている。その中で特開昭63−120134号公報
や、特開昭63−126929号公報には、収縮率差を有する少
なくとも3群のマルチフィラメント群より構成される収
縮差混繊糸について開示されている。
面タッチ、張り腰、などの好ましい風合を付与せんとし
て、フィラメントの収縮率特性が異なる複数のマルチフ
ィラメント群を混繊し、製織製編する方法については数
多く提案されている。その中で特開昭63−120134号公報
や、特開昭63−126929号公報には、収縮率差を有する少
なくとも3群のマルチフィラメント群より構成される収
縮差混繊糸について開示されている。
しかしここで開示されている収縮差混繊糸は、異なる
収縮率を有するマルチフィラメント群あるいは繊維束よ
り構成されているため、収縮率差が階段状の変化となっ
ている。
収縮率を有するマルチフィラメント群あるいは繊維束よ
り構成されているため、収縮率差が階段状の変化となっ
ている。
例えば特開昭63−120134号公報中で開示されている技
術は、その実施例に具体例を見ることができるが、異な
る収縮率のマルチフィラメント群を組み合せるものであ
り、得られる混繊糸の収縮率変化は、異なる収縮率のマ
ルチフィラメント群間で階段状に急激に変化するもので
あって、その変化はたかだか4群のマルチフィラメント
間で生じるに過ぎない。
術は、その実施例に具体例を見ることができるが、異な
る収縮率のマルチフィラメント群を組み合せるものであ
り、得られる混繊糸の収縮率変化は、異なる収縮率のマ
ルチフィラメント群間で階段状に急激に変化するもので
あって、その変化はたかだか4群のマルチフィラメント
間で生じるに過ぎない。
また特開昭63−126929号公報において開示されている
技術においても同様で、同号公報には、実施例のひとつ
として、異なる収縮率のマルチフィラメント4種を組み
合せた例が記載されているが、収縮率差は、5.6%から1
6.5%へと急激に変化する混繊糸となっている。他の具
体例についても階段状の収縮率の変化となっている。
技術においても同様で、同号公報には、実施例のひとつ
として、異なる収縮率のマルチフィラメント4種を組み
合せた例が記載されているが、収縮率差は、5.6%から1
6.5%へと急激に変化する混繊糸となっている。他の具
体例についても階段状の収縮率の変化となっている。
また特開昭57−5940号公報には、異収縮混繊糸を用い
た織物の製造方法として、該異収縮混繊糸を構成するポ
リエステル系繊維の少なくともいずれか一種の熱収縮率
差を異収縮混繊糸間で不均一とし、異なった熱収縮率差
をもつ異収縮混繊糸群となす技術について開示されてい
るが、やはり基本的には、その具体例にみるように、高
収縮糸、低収縮糸の2種のマルチフィラメントの混繊糸
であり、やはり両者間で階段状に収縮率変化させた異収
縮混繊糸についての技術でしかない。
た織物の製造方法として、該異収縮混繊糸を構成するポ
リエステル系繊維の少なくともいずれか一種の熱収縮率
差を異収縮混繊糸間で不均一とし、異なった熱収縮率差
をもつ異収縮混繊糸群となす技術について開示されてい
るが、やはり基本的には、その具体例にみるように、高
収縮糸、低収縮糸の2種のマルチフィラメントの混繊糸
であり、やはり両者間で階段状に収縮率変化させた異収
縮混繊糸についての技術でしかない。
この様な実質的に階段状の収縮率変化しか有さない収
縮差混繊糸使いの布帛では収縮処理時のフィラメントの
「こなれ」が悪く、また、高収縮糸がピンと張りすぎて
しまうため、近年とみに要求のたかまってきたソフト感
に対応した高級感のある布帛が得られていなかった。
縮差混繊糸使いの布帛では収縮処理時のフィラメントの
「こなれ」が悪く、また、高収縮糸がピンと張りすぎて
しまうため、近年とみに要求のたかまってきたソフト感
に対応した高級感のある布帛が得られていなかった。
[発明が解決しようとする課題] 以上のような、従来の収縮差混繊糸の特徴に加えて、
こなれがよくソフトで高級感あふれる収縮差混繊糸は、
業界の重要な課題として鋭意検討され続けて来たが、い
まだ有用な技術を見いだせなかったのである。
こなれがよくソフトで高級感あふれる収縮差混繊糸は、
業界の重要な課題として鋭意検討され続けて来たが、い
まだ有用な技術を見いだせなかったのである。
これらの問題を解決するため本発明者らは、収縮差混
繊糸の単糸の沸水収縮率と布帛の特性との関係について
詳細に検討したところ、収縮差混繊糸が実質的に2種あ
るいはたかだか3〜4種の異なるマルチフィラメント群
を混繊した従来の段階収縮率差では、近年ますます高度
化、多様化する布帛の風合い要求を満足し得ないとの結
論に達し本発明に到達したのである。
繊糸の単糸の沸水収縮率と布帛の特性との関係について
詳細に検討したところ、収縮差混繊糸が実質的に2種あ
るいはたかだか3〜4種の異なるマルチフィラメント群
を混繊した従来の段階収縮率差では、近年ますます高度
化、多様化する布帛の風合い要求を満足し得ないとの結
論に達し本発明に到達したのである。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明は、熱可塑性重合体よりなるマルチ
フィラメントであって、該マルチフィラメントを構成す
るフィラメントに沸水収縮率の小さいものから順に整数
の番号N(N≧1)を与えたときに、番号NおよびN+1
におけるフィラメントの沸水収縮率SNおよびSN+1とマル
チフィラメント数Fとが下記式、を満たすととも
に、SNをN/Fの2次関数として最小2乗法により回帰し
た際の相関係数が0.97以上であることを特徴とする多重
収縮差混繊糸である。
フィラメントであって、該マルチフィラメントを構成す
るフィラメントに沸水収縮率の小さいものから順に整数
の番号N(N≧1)を与えたときに、番号NおよびN+1
におけるフィラメントの沸水収縮率SNおよびSN+1とマル
チフィラメント数Fとが下記式、を満たすととも
に、SNをN/Fの2次関数として最小2乗法により回帰し
た際の相関係数が0.97以上であることを特徴とする多重
収縮差混繊糸である。
30×N/F−15≦SN≦30×N/F+10 … 0≦SN+1−SN≦5 … F:マルチフィラメントを構成するフィラメント数。
SN:番号Nにおけるフィラメントの沸水収縮率(%)。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の原料としては、繊維形成能を有する複数の熱
可塑性重合体(以下ポリマと記す)であることが必要で
ある。
可塑性重合体(以下ポリマと記す)であることが必要で
ある。
本発明に適したポリマとしては、ポリエステル類、ま
たはポリアミド類が好ましい。高級衣料用途に適したポ
リマとして、ポリエチレンテレフタレートおよび/また
はその共重合体、ナイロン6やナイロン66およびまたは
その共重合体がより好ましい。
たはポリアミド類が好ましい。高級衣料用途に適したポ
リマとして、ポリエチレンテレフタレートおよび/また
はその共重合体、ナイロン6やナイロン66およびまたは
その共重合体がより好ましい。
ポリエチレンテレフタレートの共重合成分としては、
シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダ
イマー酸、フタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸
類、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、スピログリコール、ジエチレング
リコール、ポリエチレングリコールなどのグリコール
類、2・2ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェ
ニル}プロパン、2・2ビス{4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)フェニル}スルホン等のビスフェノール類のエ
チレンオキサイド付加物、ヒドロキシ安息香酸などのオ
キシカルボン酸等が挙げられる。また5−ソジュームス
ルホイソフタレートなどの金属スルホネート基等を導入
しても良い。また、複数種の成分の共重合体でも可能で
ある。
シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダ
イマー酸、フタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸
類、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、スピログリコール、ジエチレング
リコール、ポリエチレングリコールなどのグリコール
類、2・2ビス{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェ
ニル}プロパン、2・2ビス{4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)フェニル}スルホン等のビスフェノール類のエ
チレンオキサイド付加物、ヒドロキシ安息香酸などのオ
キシカルボン酸等が挙げられる。また5−ソジュームス
ルホイソフタレートなどの金属スルホネート基等を導入
しても良い。また、複数種の成分の共重合体でも可能で
ある。
沸水収縮率と乾熱収縮率のバランスの点から、複数の
ポリマの組み合わせによる混繊糸とすることが好まし
く、ポリマの組み合わせとして、実質的に共重合成分を
有しないポリエチレンテレフタレートと、イソフタル酸
および/または、2・2ビス{4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)フェニル}プロパンを共重合した変性ポリエチ
レンテレフタレートの組み合わせが最も好ましい。
ポリマの組み合わせによる混繊糸とすることが好まし
く、ポリマの組み合わせとして、実質的に共重合成分を
有しないポリエチレンテレフタレートと、イソフタル酸
および/または、2・2ビス{4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)フェニル}プロパンを共重合した変性ポリエチ
レンテレフタレートの組み合わせが最も好ましい。
また、本発明の目的を損なわない範囲で艶消し剤、抗
酸化剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、制電剤、難燃剤等
の添加物を配合しても良い。
酸化剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、制電剤、難燃剤等
の添加物を配合しても良い。
また本発明の多重収縮差混繊糸は、沸水収縮率の異な
るフィラメントから構成されるマルチフィラメントであ
るが、フィラメント数としては、ふくらみ感を増すこと
ができることから、12フィラメント以上が好ましい。
るフィラメントから構成されるマルチフィラメントであ
るが、フィラメント数としては、ふくらみ感を増すこと
ができることから、12フィラメント以上が好ましい。
次に、前記マルチフィラメントを構成するフィラメン
トに、沸水収縮率の小さいものから順に整数の番号N
(N≧1)を与えたときに、Nと前記フィラメントの沸
水収縮率が、下記式、を満たさなくてはならない。
トに、沸水収縮率の小さいものから順に整数の番号N
(N≧1)を与えたときに、Nと前記フィラメントの沸
水収縮率が、下記式、を満たさなくてはならない。
30×N/F−15≦SN≦30×N/F+10 … 0≦SN+1−SN≦5 … F:マルチフィラメントを構成するフィラメント数。
SN:番号がNであるフィラメントの沸水収縮率
(%)。
(%)。
すなわちマルチフィラメントの長さ方向の任意の区間
における全てのフィラメントを分繊し、後述する方法に
よって沸水収縮率を測定して、沸水収縮率の小さいもの
から順にそれぞれのフィラメントに整数の番号(N≧
1)を与える。この際同一の沸水収縮率のフィラメント
については、同一の番号をつけるのではなく、そのなか
で任意のフィラメントから小さい番号を与える。
における全てのフィラメントを分繊し、後述する方法に
よって沸水収縮率を測定して、沸水収縮率の小さいもの
から順にそれぞれのフィラメントに整数の番号(N≧
1)を与える。この際同一の沸水収縮率のフィラメント
については、同一の番号をつけるのではなく、そのなか
で任意のフィラメントから小さい番号を与える。
ここで前記フィラメントの数をFとしたときに、番号
がNであるフィラメントの沸水収縮率SNと、N/Fとの間
に前記式が成り立つことが必要である。
がNであるフィラメントの沸水収縮率SNと、N/Fとの間
に前記式が成り立つことが必要である。
任意のフィラメントNにおける沸水収縮率SNが30×N/
F−15未満以下であるフィラメントからなる混繊糸使い
の布帛では、充分なふくらみ感が得られず、タラツキ感
があり高級感を発揮し得ない。
F−15未満以下であるフィラメントからなる混繊糸使い
の布帛では、充分なふくらみ感が得られず、タラツキ感
があり高級感を発揮し得ない。
一方で、SNが30×N/F+10を超えるフィラメントから
なる混繊糸では、粗硬感が増し、ドレープ性が優れない
品位の悪い布帛しか得られない。好ましくはSNが30×N/
F−10以上、30×N/F+8以下であることである。
なる混繊糸では、粗硬感が増し、ドレープ性が優れない
品位の悪い布帛しか得られない。好ましくはSNが30×N/
F−10以上、30×N/F+8以下であることである。
さらに番号がNのフィラメントと、該フィラメントの
次に沸水収縮率が大きいフィラメント(N+1)との間
に、上記式が成立することが必要である。つまりマル
チフィラメント中で、フィラメントNの次に沸水収縮率
の大きいフィラメント(N+1)との沸水収縮率の差S
N+1−SNが5%を超えるマルチフィラメントからなる混
繊糸では、硬い芯が残り、ソフトな風合いの布帛を得る
ことができないのである。好ましくは、SN+1−SNが0%
以上3%以下である。
次に沸水収縮率が大きいフィラメント(N+1)との間
に、上記式が成立することが必要である。つまりマル
チフィラメント中で、フィラメントNの次に沸水収縮率
の大きいフィラメント(N+1)との沸水収縮率の差S
N+1−SNが5%を超えるマルチフィラメントからなる混
繊糸では、硬い芯が残り、ソフトな風合いの布帛を得る
ことができないのである。好ましくは、SN+1−SNが0%
以上3%以下である。
また、ふくらみ感をより効果的に発揮できることか
ら、マルチフィラメント中で最大の沸水収縮率を有する
フィラメントの沸水収縮率と最小の沸水収縮率を有する
フィラメントの沸水収縮率の差は10%以上あることが好
ましく、より好ましくは13%以上、最も好ましいのは15
%以上である。
ら、マルチフィラメント中で最大の沸水収縮率を有する
フィラメントの沸水収縮率と最小の沸水収縮率を有する
フィラメントの沸水収縮率の差は10%以上あることが好
ましく、より好ましくは13%以上、最も好ましいのは15
%以上である。
更に、収縮差に加えてフィラメント繊度が異なる異繊
度混繊糸とすることは、張り腰と表面のソフトタッチを
効果的に発揮でき好ましいものである。
度混繊糸とすることは、張り腰と表面のソフトタッチを
効果的に発揮でき好ましいものである。
本発明における沸水収縮率はいわゆるフィラメントそ
のものの収縮であり、混繊糸を構成するフィラメントの
一部または全部が捲縮されている場合は捲縮を延ばした
際のフィラメントの実質的な沸水収縮率が本発明の範囲
内にあればその効果を発揮する。
のものの収縮であり、混繊糸を構成するフィラメントの
一部または全部が捲縮されている場合は捲縮を延ばした
際のフィラメントの実質的な沸水収縮率が本発明の範囲
内にあればその効果を発揮する。
本発明では、例えば後述する方法ににより、紡糸条件
を適宜調整することで吐出されるポリマの複合を不均一
となし、マルチフィラメントの一部または全部のフィラ
メントを、潜在捲縮糸とすることが可能である。このよ
うな、マルフィラメントの一部または全部のフィラメン
トが潜在捲縮糸である多重収縮差混繊糸は、製織製編後
の熱処理によって収縮差とともに捲縮が発現し、ソフト
な、芯のないふくらみ感をより強調することができるの
で好ましい。
を適宜調整することで吐出されるポリマの複合を不均一
となし、マルチフィラメントの一部または全部のフィラ
メントを、潜在捲縮糸とすることが可能である。このよ
うな、マルフィラメントの一部または全部のフィラメン
トが潜在捲縮糸である多重収縮差混繊糸は、製織製編後
の熱処理によって収縮差とともに捲縮が発現し、ソフト
な、芯のないふくらみ感をより強調することができるの
で好ましい。
一方、本発明はマルチフィラメントを構成するフィラ
メントの沸水収縮率と布帛の特性との関係についても特
徴がある。2種あるいはたかだか3〜4種の異なるマル
チフィラメント群を混繊した従来の段階的な収縮率差で
は、近年ますます高度化、多様化する布帛の風合い要求
を満足し得ない。
メントの沸水収縮率と布帛の特性との関係についても特
徴がある。2種あるいはたかだか3〜4種の異なるマル
チフィラメント群を混繊した従来の段階的な収縮率差で
は、近年ますます高度化、多様化する布帛の風合い要求
を満足し得ない。
第1図(a)、(b)に本発明の好ましい態様の多重
収縮差混繊糸を構成するマルチフィラメントの各フィラ
メントについて、98℃沸水処理後、収縮差の発現した形
態をフィラメントの収縮差が分かるようにモデル的に示
した。
収縮差混繊糸を構成するマルチフィラメントの各フィラ
メントについて、98℃沸水処理後、収縮差の発現した形
態をフィラメントの収縮差が分かるようにモデル的に示
した。
また第2図(a)、(b)には、従来技術により得ら
れる典型的な3種のマルチフィラメントからなる収縮差
混繊糸を同様の処理を行った場合について、やはりフィ
ラメントの収縮差が分かるようにモデル的に示した。
れる典型的な3種のマルチフィラメントからなる収縮差
混繊糸を同様の処理を行った場合について、やはりフィ
ラメントの収縮差が分かるようにモデル的に示した。
このように、第1図(a)、(b)における本発明の
多重収縮差混繊糸は、フィラメント間の収縮差が、従来
の収縮差混繊糸のようにマルチフィラメント群毎に階段
状でなく、実質的に連続的な変化であることに本発明の
最も大きな特徴がある。
多重収縮差混繊糸は、フィラメント間の収縮差が、従来
の収縮差混繊糸のようにマルチフィラメント群毎に階段
状でなく、実質的に連続的な変化であることに本発明の
最も大きな特徴がある。
この実質的に連続的なフィラメント毎に収縮差を変化
させることは、具体的にはSNをN/Fの2次式で最小2乗
法により回帰した際の相関係数が、0.97以上であること
が必要である。より好ましくは、相関係数が0.98以上で
ある。最も好ましくは0.99以上である。
させることは、具体的にはSNをN/Fの2次式で最小2乗
法により回帰した際の相関係数が、0.97以上であること
が必要である。より好ましくは、相関係数が0.98以上で
ある。最も好ましくは0.99以上である。
ここで最小2乗法による回帰式は一般的にy=ax2+b
x+cで表わされる2次式を通用する。
x+cで表わされる2次式を通用する。
本発明の最大の特徴であるN/Fに対するSNの変化の連
続性は、上記2次回帰式の相関係数によって表現され
る。相関係数が高ければ高いほどSNの変化は連続性であ
りより好ましい収縮率の変化となる。相関係数0.97以上
の連続性を有していれば本発明の効果を発揮するのであ
る。相関係数が0.97未満のように、実質的に連続性が低
いSNの変化では、ソフト感を付与することが出来ない。
続性は、上記2次回帰式の相関係数によって表現され
る。相関係数が高ければ高いほどSNの変化は連続性であ
りより好ましい収縮率の変化となる。相関係数0.97以上
の連続性を有していれば本発明の効果を発揮するのであ
る。相関係数が0.97未満のように、実質的に連続性が低
いSNの変化では、ソフト感を付与することが出来ない。
以上のように、従来の技術により得られたマルチフィ
ラメント群毎に階段状の収縮率変化を有する収縮差混繊
糸では、ふくらみ感を得ようとして収縮率差を大きくす
ると粗硬感が増し、また逆にソフト感を得ようとすると
ふくらみ感や張り腰に欠けると言う問題があったが、本
発明による多重収縮差混繊糸によりはじめてふくらみ
感、張り腰と共にソフト感を得ることができたのであ
る。
ラメント群毎に階段状の収縮率変化を有する収縮差混繊
糸では、ふくらみ感を得ようとして収縮率差を大きくす
ると粗硬感が増し、また逆にソフト感を得ようとすると
ふくらみ感や張り腰に欠けると言う問題があったが、本
発明による多重収縮差混繊糸によりはじめてふくらみ
感、張り腰と共にソフト感を得ることができたのであ
る。
本発明の多重収縮差混繊糸は各フィラメントの沸水収
縮率が本発明の、式を満たし、マルチフィラメント
の相関関係を満たしておれば、効果を発揮するものであ
るが、沸水処理を行い、風乾後、引き続いて乾熱処理を
行ったときの収縮率(乾熱収縮率)(SD)が下記、
式を満たすフィラメントから構成すると、張り腰に優
れ、より好ましい効果を発揮するものである。
縮率が本発明の、式を満たし、マルチフィラメント
の相関関係を満たしておれば、効果を発揮するものであ
るが、沸水処理を行い、風乾後、引き続いて乾熱処理を
行ったときの収縮率(乾熱収縮率)(SD)が下記、
式を満たすフィラメントから構成すると、張り腰に優
れ、より好ましい効果を発揮するものである。
40×N/F−20≦SDN≦ 50×N/F+30 … 0≦SDN+1−SDN≦15 … F:マルチフィラメントを構成するフィラメント数。
SDN:番号がNであるフィラメントの乾熱収縮率
(%)。
(%)。
また、SDNをN/Fの2次式で最小2乗法により回帰した
際の相関係数が0.95以上であることが好ましい。より好
ましくは、相関係数が0.96以上である。
際の相関係数が0.95以上であることが好ましい。より好
ましくは、相関係数が0.96以上である。
さらに、ふくらみ感をより効果的に発揮できることか
ら、混繊糸中の最大の乾熱収縮率を示すフィラメントの
乾熱収縮率と最小の乾熱収縮率を示すフィラメントの乾
熱収縮率の差は15%以上あることが好ましく、より好ま
しくは20%以上である。
ら、混繊糸中の最大の乾熱収縮率を示すフィラメントの
乾熱収縮率と最小の乾熱収縮率を示すフィラメントの乾
熱収縮率の差は15%以上あることが好ましく、より好ま
しくは20%以上である。
次に、本発明の多重収縮差混繊糸を得る製造方法の一
例について、図を用いて具体的に説明する。
例について、図を用いて具体的に説明する。
本発明の多重収縮差混繊糸は、たとえば同一の製糸条
件で製糸した際に収縮率が異ならしめる複数のポリマ
を、口金直前で混合比率分布を与えて製糸する方法によ
り製造することができる。
件で製糸した際に収縮率が異ならしめる複数のポリマ
を、口金直前で混合比率分布を与えて製糸する方法によ
り製造することができる。
第3図は、本発明に好ましく用いられる複合パックの
一例を示す要部の断面図である。複合パック本体1の上
部で2つの流れに分離されている低収縮用のポリマAと
高収縮用のポリマBのうち、ポリマAは、上部分散板2
の最外周に設けられたポリマ通過孔3を通り、更に続い
て下部分散板4にあけられたポリマ分散孔群5を通って
紡糸口金6上にいたる。このポリマ分散孔群5は、複合
パック外周方向には密に、複合パック中心方向に行くに
したがって、疎になるように配置する。
一例を示す要部の断面図である。複合パック本体1の上
部で2つの流れに分離されている低収縮用のポリマAと
高収縮用のポリマBのうち、ポリマAは、上部分散板2
の最外周に設けられたポリマ通過孔3を通り、更に続い
て下部分散板4にあけられたポリマ分散孔群5を通って
紡糸口金6上にいたる。このポリマ分散孔群5は、複合
パック外周方向には密に、複合パック中心方向に行くに
したがって、疎になるように配置する。
一方ポリマBは、上部分散板2および下部分散板4に
連通してあけられたポリマ分散貫通孔群7を通り、紡糸
口金6上にいたる。この際ポリマ分散貫通孔群7は、複
合パック中心方向には密に、外周方向に行くにしたがっ
て疎になるように配置する。
連通してあけられたポリマ分散貫通孔群7を通り、紡糸
口金6上にいたる。この際ポリマ分散貫通孔群7は、複
合パック中心方向には密に、外周方向に行くにしたがっ
て疎になるように配置する。
以上のようにポリマAおよびポリマBは、それぞれ別
々にポリマ分散孔5およびポリマ分散貫通孔群7を通
り、紡糸口金6上で合流するわけであるが、ポリマAの
通過するポリマ分散孔群5は、複合パック外周方向に密
に、中心方向に行くにしたがって疎に配置されており、
ポリマBの通過するポリマ分散貫通孔群7は逆に中心方
向に密に、外周方向に行くにしたがって疎に配置されて
いるため、紡糸口金6上のスペース部Sで合流混合した
ポリマ流の単位体積当りのポリマA・Bの重量混合比率
は、おおよそ紡糸口金中心部ではポリマBの混合比率が
高く、紡糸口金外周方向に行くにしたがって、ポリマA
の混合比率が高くなる。
々にポリマ分散孔5およびポリマ分散貫通孔群7を通
り、紡糸口金6上で合流するわけであるが、ポリマAの
通過するポリマ分散孔群5は、複合パック外周方向に密
に、中心方向に行くにしたがって疎に配置されており、
ポリマBの通過するポリマ分散貫通孔群7は逆に中心方
向に密に、外周方向に行くにしたがって疎に配置されて
いるため、紡糸口金6上のスペース部Sで合流混合した
ポリマ流の単位体積当りのポリマA・Bの重量混合比率
は、おおよそ紡糸口金中心部ではポリマBの混合比率が
高く、紡糸口金外周方向に行くにしたがって、ポリマA
の混合比率が高くなる。
そして、両ポリマは紡糸口金断面方向に混合比率勾配
を有しつつ紡糸口金6にいたり、それぞれ同心円上に配
置された吐出孔群8から12より吐出される。
を有しつつ紡糸口金6にいたり、それぞれ同心円上に配
置された吐出孔群8から12より吐出される。
このようにして吐出されたポリマ、最外周に配置され
た吐出孔群8からはポリマAの比率が高い混合ポリマあ
るいは実質的にポリマAのみが、吐出孔群9からはポリ
マAの比率がやや高い混合ポリマが、吐出孔群10からは
ポリマAの比率とポリマBの比率がほぼ同等の混合ポリ
マが吐出される。更に吐出孔群11からは、逆にポリマB
の比率がやや高い混合ポリマが、そして、最内周に配置
された吐出孔群12からは、ポリマBの比率がより高い混
合ポリマあるいは実質的にポリマBのみが吐出される。
た吐出孔群8からはポリマAの比率が高い混合ポリマあ
るいは実質的にポリマAのみが、吐出孔群9からはポリ
マAの比率がやや高い混合ポリマが、吐出孔群10からは
ポリマAの比率とポリマBの比率がほぼ同等の混合ポリ
マが吐出される。更に吐出孔群11からは、逆にポリマB
の比率がやや高い混合ポリマが、そして、最内周に配置
された吐出孔群12からは、ポリマBの比率がより高い混
合ポリマあるいは実質的にポリマBのみが吐出される。
ところが、紡糸口金6上の同心円上にある吐出孔群の
吐出孔であっても、吐出孔上部のポリマ混合比率は、ポ
リマ分散孔群5ポリマおよび分散貫通孔群7と吐出孔群
8〜12の相対的な位置関係によって、それぞれの吐出孔
より吐出されるポリマの混合比率には微妙な差が生じ
る。したがって、各フィラメント間での収縮率変化が実
質的に連続的である多重収縮差混繊糸が得られる要因と
なるのである。
吐出孔であっても、吐出孔上部のポリマ混合比率は、ポ
リマ分散孔群5ポリマおよび分散貫通孔群7と吐出孔群
8〜12の相対的な位置関係によって、それぞれの吐出孔
より吐出されるポリマの混合比率には微妙な差が生じ
る。したがって、各フィラメント間での収縮率変化が実
質的に連続的である多重収縮差混繊糸が得られる要因と
なるのである。
紡糸口金の吐出孔の孔配置としては、3重同心円配列
以上が好ましくより好ましくは、第3図の例で示したよ
うに5重同心円配列に配置することである。収縮率変化
をより連続的とするため、吐出孔の配置を、各吐出孔と
紡糸口金中心からの距離をすべて異ならしめた螺旋配置
や、ランダム配置とすることも好ましいものである。
以上が好ましくより好ましくは、第3図の例で示したよ
うに5重同心円配列に配置することである。収縮率変化
をより連続的とするため、吐出孔の配置を、各吐出孔と
紡糸口金中心からの距離をすべて異ならしめた螺旋配置
や、ランダム配置とすることも好ましいものである。
また、吐出孔群9から11よりは、ポリマAとポリマB
が、不均一に混合した状態で吐出されるため、これらの
フィラメントは潜在捲縮性を有しており、ソフトなふく
らみ感をより効果的に発揮でき好ましいものである。
が、不均一に混合した状態で吐出されるため、これらの
フィラメントは潜在捲縮性を有しており、ソフトなふく
らみ感をより効果的に発揮でき好ましいものである。
この後、吐出されたポリマは糸条として、冷却、給油
などの通常の紡糸操作がなされ、巻取られる。巻取られ
る操作については、従来より知られた未延伸糸として一
旦巻き取った後延伸する方法や、高速製糸法など何れの
プロセスであっても本発明の効果を妨げるものではな
い。また、必要に応じて仮燃や、空気交絡等の糸加工を
施しても良い。
などの通常の紡糸操作がなされ、巻取られる。巻取られ
る操作については、従来より知られた未延伸糸として一
旦巻き取った後延伸する方法や、高速製糸法など何れの
プロセスであっても本発明の効果を妨げるものではな
い。また、必要に応じて仮燃や、空気交絡等の糸加工を
施しても良い。
なお、必要に応じて紡糸口金上のスペース部に、ガラ
スビーズ、サンド層、積層フィルター、ポーラスメタル
ディスク等の混合部材を配し、ポリマ同志を適宜混合し
てもよい。
スビーズ、サンド層、積層フィルター、ポーラスメタル
ディスク等の混合部材を配し、ポリマ同志を適宜混合し
てもよい。
[実施例] 以下実施例により、本発明をより詳細に説明する。な
お説明に先立ち、本発明で用いる特性の測定方法につい
て記す。
お説明に先立ち、本発明で用いる特性の測定方法につい
て記す。
A.フィラメントの沸水収縮率 混繊糸の任意の場所10cm以上をサンプリング後、フィ
ラメントに分繊する。
ラメントに分繊する。
該フィラメントに0.1g/dの荷重をかけ、フィラメント
長がちょうど10cmの所に印をつける。両端を固定し、で
きるだけ外力を与えないようにして、フリーの状態で98
℃の水中に15分間浸漬する。この時処理中に収縮しても
に張力がかからないように最初からたるませて処理す
る。風乾後、処理後のフィラメント長を0.1g/dの荷重を
かけて測定する。ここで下記式によりフィラメントの沸
水収縮率を求める。
長がちょうど10cmの所に印をつける。両端を固定し、で
きるだけ外力を与えないようにして、フリーの状態で98
℃の水中に15分間浸漬する。この時処理中に収縮しても
に張力がかからないように最初からたるませて処理す
る。風乾後、処理後のフィラメント長を0.1g/dの荷重を
かけて測定する。ここで下記式によりフィラメントの沸
水収縮率を求める。
B.フィラメントの乾熱収縮率 上記沸水収縮率の方法と同様にサンプリング上でフィ
ラメント長を測定し、同様の操作により98℃の水中に15
分間浸漬する。前記フィラメントを風乾後できるだけ外
力を加えないようにして、170℃のオーブン中で5分間
乾熱処理する。処理中にフィラメントに張力がかからな
いようにするのは、沸水収縮率の測定と同様である。処
理後後のフィラメント長を0.1g/dの荷重をかけて測定す
る。ここで下記式によりフィラメントの乾熱収縮率を求
める。
ラメント長を測定し、同様の操作により98℃の水中に15
分間浸漬する。前記フィラメントを風乾後できるだけ外
力を加えないようにして、170℃のオーブン中で5分間
乾熱処理する。処理中にフィラメントに張力がかからな
いようにするのは、沸水収縮率の測定と同様である。処
理後後のフィラメント長を0.1g/dの荷重をかけて測定す
る。ここで下記式によりフィラメントの乾熱収縮率を求
める。
C.風合い評価 高級衣料用布帛として重要な基本的風合いである「ふ
くらみ感」、「ソフト感」、「張り腰」の3種について
熟練技術者10名による官能評価を実施し、各々について
従来の収縮差混繊糸使いを基準(5点)とし、10点満点
で評価した。得られたスコアを平均し、0点以上2点未
満を××、2点以上4点未満を×、4点以上6点未満を
△、6点以上8点未満を○、8点以上10点以下を◎と、
それぞれ5段階に分けて表示した。
くらみ感」、「ソフト感」、「張り腰」の3種について
熟練技術者10名による官能評価を実施し、各々について
従来の収縮差混繊糸使いを基準(5点)とし、10点満点
で評価した。得られたスコアを平均し、0点以上2点未
満を××、2点以上4点未満を×、4点以上6点未満を
△、6点以上8点未満を○、8点以上10点以下を◎と、
それぞれ5段階に分けて表示した。
◎…極めて優れている。
○…優れている。
△…普通 ×…劣っている。
××…極めて劣っている。
実施例1 ポリマAとして、25℃オルソクロロフェノール中の固
有粘度[η]0.66のポリエチレンテレフタレートを、ポ
リマBとして、イソフタル酸を12.9モル%、2・2ビス
{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパン
を2.0モル%共重合した固有粘度[η]0.67の変性ポリ
エステルを用い、ポリマA:ポリマBが50:50のポリマ重
量比で複合紡糸機に導入した。さらに紡糸温度290℃で
第3図に示す複合パックの紡糸口金より吐出し、1250m/
minの速度で巻取って得た未延伸糸を、通常の熱ピン−
熱板方式により熱ピン温度95℃、熱板温度135℃、延伸
倍率3.5倍、延伸速度350m/minの条件で延伸すること
で、60デニール36フィラメントのマルチフィラメントか
らなる混繊糸を得た。
有粘度[η]0.66のポリエチレンテレフタレートを、ポ
リマBとして、イソフタル酸を12.9モル%、2・2ビス
{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパン
を2.0モル%共重合した固有粘度[η]0.67の変性ポリ
エステルを用い、ポリマA:ポリマBが50:50のポリマ重
量比で複合紡糸機に導入した。さらに紡糸温度290℃で
第3図に示す複合パックの紡糸口金より吐出し、1250m/
minの速度で巻取って得た未延伸糸を、通常の熱ピン−
熱板方式により熱ピン温度95℃、熱板温度135℃、延伸
倍率3.5倍、延伸速度350m/minの条件で延伸すること
で、60デニール36フィラメントのマルチフィラメントか
らなる混繊糸を得た。
この混繊糸のN/Fを横軸とし、SN(沸水収縮率)を縦
軸としプロットしたフィラメント収縮特性が第4図であ
る。N/Fの2次関数として最小2乗法により回帰した際
の相関係数は、0.996であった。この混繊糸を、甘撚、
及び経糸、及び緯糸として使用して製織し、98℃でリラ
ックス精錬、170℃で仕上げセットして羽二重とした。
この様にして得られた布帛は、ふくらみ感と張り腰を有
しつつ、芯のないソフトな風合いの織物であり、これま
でに無い高級感を有するのであった。おもな特性と評価
結果を表1中にまとめた。
軸としプロットしたフィラメント収縮特性が第4図であ
る。N/Fの2次関数として最小2乗法により回帰した際
の相関係数は、0.996であった。この混繊糸を、甘撚、
及び経糸、及び緯糸として使用して製織し、98℃でリラ
ックス精錬、170℃で仕上げセットして羽二重とした。
この様にして得られた布帛は、ふくらみ感と張り腰を有
しつつ、芯のないソフトな風合いの織物であり、これま
でに無い高級感を有するのであった。おもな特性と評価
結果を表1中にまとめた。
比較例1 ポリマA:ポリマBのポリマ重量比が、10:90であるこ
とと延伸時の熱板による熱セット温度が実施例1より30
℃低いこと以外は実施例1と同様の操作で混繊糸を得
た。得られた混繊糸の各フィラメント収縮特性を第5図
に示す。フィラメントの一部の収縮特性は式を満して
いなかった。得られた混繊糸を実施例1と同様の方法に
て布帛評価したところ、粗硬感のあるものしか得られな
かった。おもな特性と評価結果を表1にまとめた。
とと延伸時の熱板による熱セット温度が実施例1より30
℃低いこと以外は実施例1と同様の操作で混繊糸を得
た。得られた混繊糸の各フィラメント収縮特性を第5図
に示す。フィラメントの一部の収縮特性は式を満して
いなかった。得られた混繊糸を実施例1と同様の方法に
て布帛評価したところ、粗硬感のあるものしか得られな
かった。おもな特性と評価結果を表1にまとめた。
実施例2 ポリマA:ポリマBのポリマ重量比が、30:70であるこ
と以外は実施例1と同様の操作で混繊糸を得た。得られ
た混繊糸の各フィラメントの収縮特性は第6図に示すも
のであった。実施例1と同様の評価を実施したところ、
ふくらみ感、張り腰、ソフト感のバランスのとれた優れ
た風合いの織物であった。おもな特性と評価結果を表1
中にまとめた。
と以外は実施例1と同様の操作で混繊糸を得た。得られ
た混繊糸の各フィラメントの収縮特性は第6図に示すも
のであった。実施例1と同様の評価を実施したところ、
ふくらみ感、張り腰、ソフト感のバランスのとれた優れ
た風合いの織物であった。おもな特性と評価結果を表1
中にまとめた。
比較例2 ポリマAおよびポリマBをそれぞれ別々に紡糸し、延
伸時の熱板を不均一にすると共に、熱板前でフィラメン
ト毎にインターレーサーにて開繊することでフィラメン
ト間に収縮率のばらつきを有するようにした延伸糸を混
繊し、収縮特性が第7図にす示すような、フィラメント
間の沸水収縮率の最大値が5.3%の混繊糸を得た。実施
例1と同様の評価を実施したところ、ふくらみ感がある
ものの芯が残りソフト感がなく、風合いが不満足な織物
であった。おもな特性と評価結果を表1中にまとめた。
伸時の熱板を不均一にすると共に、熱板前でフィラメン
ト毎にインターレーサーにて開繊することでフィラメン
ト間に収縮率のばらつきを有するようにした延伸糸を混
繊し、収縮特性が第7図にす示すような、フィラメント
間の沸水収縮率の最大値が5.3%の混繊糸を得た。実施
例1と同様の評価を実施したところ、ふくらみ感がある
ものの芯が残りソフト感がなく、風合いが不満足な織物
であった。おもな特性と評価結果を表1中にまとめた。
実施例3 ポリマA:ポリマBのポリマ重量比が、70:30であるこ
と以外は実施例1と同様の操作で混繊糸を得た。得られ
た混繊糸の各フィラメントの沸水収縮率特性は第8図に
示すものであった。実施例1と同様の評価を実施したと
ころ、張り腰、ソフト感に優れた風合いの織物であっ
た。おもな特性と評価結果を表1中にまとめた。
と以外は実施例1と同様の操作で混繊糸を得た。得られ
た混繊糸の各フィラメントの沸水収縮率特性は第8図に
示すものであった。実施例1と同様の評価を実施したと
ころ、張り腰、ソフト感に優れた風合いの織物であっ
た。おもな特性と評価結果を表1中にまとめた。
比較例3 ポリマA:ポリマBのポリマ重量比が、90:10であるこ
と以外は実施例1と同様の操作で混繊糸を得た。得られ
た混繊糸の各フィラメントの収縮特性は第9図に示すも
のであった。実施例1と同様の評価を実施したところ、
ふくらみ感、張り腰のない低品位な風合いの織物であっ
た。おもな特性と評価結果を表1中にまとめた。
と以外は実施例1と同様の操作で混繊糸を得た。得られ
た混繊糸の各フィラメントの収縮特性は第9図に示すも
のであった。実施例1と同様の評価を実施したところ、
ふくらみ感、張り腰のない低品位な風合いの織物であっ
た。おもな特性と評価結果を表1中にまとめた。
実施例4 吐出孔プレートの孔配置を3重配置とし、ポリマA:ポ
リマBのポリマ重量比が、30:70、または延伸時の熱板
温度を実施例1より40℃高くした以外は実施例1と同様
の操作により、収縮特性が第10図に示すような混繊糸を
得た。実施例1と同様の評価を実施したところ、ふくら
み感、ソフト感、張り腰のバランスの取れた、風合いが
満足すべき織物であった。おもな特性と評価結果を表1
中にまとめた。
リマBのポリマ重量比が、30:70、または延伸時の熱板
温度を実施例1より40℃高くした以外は実施例1と同様
の操作により、収縮特性が第10図に示すような混繊糸を
得た。実施例1と同様の評価を実施したところ、ふくら
み感、ソフト感、張り腰のバランスの取れた、風合いが
満足すべき織物であった。おもな特性と評価結果を表1
中にまとめた。
比較例4 ポリマAのみを通常の紡糸操作により紡速1250m/min
で未延伸糸とし、熱ピン−熱板法により実施例1と同様
の方法で延伸した。ただし、この際の熱板の熱セット温
度をそれぞれ160℃、130℃、110℃と変更することで沸
水収縮率が7%、13%、19%の3種の25デニール12フィ
ラメントのマルチフィラメントを得た。このマルチフィ
ラメントを混繊した混繊糸の各フィラメント沸水収縮率
特性は第11図に示すものであり、SNをN/Fの2次式で回
帰した際の予測値と実測値の相関係数は0.964であっ
た。この混繊糸を実施例1と同様の評価を実施したとこ
ろ実施例1に比べソフト感の劣るものであった。
で未延伸糸とし、熱ピン−熱板法により実施例1と同様
の方法で延伸した。ただし、この際の熱板の熱セット温
度をそれぞれ160℃、130℃、110℃と変更することで沸
水収縮率が7%、13%、19%の3種の25デニール12フィ
ラメントのマルチフィラメントを得た。このマルチフィ
ラメントを混繊した混繊糸の各フィラメント沸水収縮率
特性は第11図に示すものであり、SNをN/Fの2次式で回
帰した際の予測値と実測値の相関係数は0.964であっ
た。この混繊糸を実施例1と同様の評価を実施したとこ
ろ実施例1に比べソフト感の劣るものであった。
[発明の効果] 本発明の多重収縮差混繊糸によれば、これまでの収縮
差混繊糸の階段状の収縮率変化とは異なる連続的な収縮
率の変化であるため、従来の技術では得ることができな
かった、芯がなく、ソフトでふくらみ感を有するととも
に、張り腰を持った高級感あふれる布帛を得るとこがで
きる。
差混繊糸の階段状の収縮率変化とは異なる連続的な収縮
率の変化であるため、従来の技術では得ることができな
かった、芯がなく、ソフトでふくらみ感を有するととも
に、張り腰を持った高級感あふれる布帛を得るとこがで
きる。
第1図(a)、(b)は本発明の多重収縮差混繊糸の熱
処理後の形態の例を示す見取図、第2図(a)、(b)
は従来技術により得られる典型的な収縮差混繊糸の熱処
理後の形態の例を示す見取図である。 第3図は本発明に用いられる紡糸用複合パックの一例を
示す縦断面図である。 第4図、第6図、第8図、および第10図は本発明の実施
例における混繊糸をN/Fを横軸とし、SN(沸水収縮率)
を縦軸としプロットしたグラフである。 第5図、第7図、第9図および第11図は比較例である混
繊糸のN/Fを横軸とし、SN(沸水収縮率)を縦軸としプ
ロットしたグラフである。(ただしNはフィラメントの
沸水収縮率の小さいものから順に与えた整数の番号、F
はマルチフィラメントを構成するフィラメント数、SNは
番号がNであるフィラメントの沸水収縮率(%)) 1:パック本体、2:上部分散板 3:ポリマ通過孔、4:下部分散板 5:ポリマ分散孔群、6:紡糸口金 7:ポリマ分散貫通孔群 8〜12:吐出孔群
処理後の形態の例を示す見取図、第2図(a)、(b)
は従来技術により得られる典型的な収縮差混繊糸の熱処
理後の形態の例を示す見取図である。 第3図は本発明に用いられる紡糸用複合パックの一例を
示す縦断面図である。 第4図、第6図、第8図、および第10図は本発明の実施
例における混繊糸をN/Fを横軸とし、SN(沸水収縮率)
を縦軸としプロットしたグラフである。 第5図、第7図、第9図および第11図は比較例である混
繊糸のN/Fを横軸とし、SN(沸水収縮率)を縦軸としプ
ロットしたグラフである。(ただしNはフィラメントの
沸水収縮率の小さいものから順に与えた整数の番号、F
はマルチフィラメントを構成するフィラメント数、SNは
番号がNであるフィラメントの沸水収縮率(%)) 1:パック本体、2:上部分散板 3:ポリマ通過孔、4:下部分散板 5:ポリマ分散孔群、6:紡糸口金 7:ポリマ分散貫通孔群 8〜12:吐出孔群
Claims (1)
- 【請求項1】熱可塑性重合体よりなるマルチフィラメン
トであって、該マルチフィラメントを構成するフィラメ
ントに沸水収縮率の小さいものから順に整数の番号N
(N≧1)を与えたときに、番号NおよびN+1におけ
るフィラメントの沸水収縮率SNおよびSN+1とマルチフィ
ラメントのフィラメント数Fとが下記式、を満たす
とともに、SNをN/Fの2次関数として最小2乗法により
回帰した際の相関係数が0.97以上であることを特徴とす
る多重収縮差混繊糸。 30×N/F−15≦SN≦30×N/F+10 … 0≦SN+1−SN≦5 … F:マルチフィラメントを構成するフィラメント数。 SN:番号Nにおけるフィラメントの沸水収縮率(%)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1457390A JP2833091B2 (ja) | 1990-01-23 | 1990-01-23 | 多重収縮差混繊糸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1457390A JP2833091B2 (ja) | 1990-01-23 | 1990-01-23 | 多重収縮差混繊糸 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03220331A JPH03220331A (ja) | 1991-09-27 |
JP2833091B2 true JP2833091B2 (ja) | 1998-12-09 |
Family
ID=11864906
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1457390A Expired - Fee Related JP2833091B2 (ja) | 1990-01-23 | 1990-01-23 | 多重収縮差混繊糸 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2833091B2 (ja) |
-
1990
- 1990-01-23 JP JP1457390A patent/JP2833091B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03220331A (ja) | 1991-09-27 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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